JP2008130414A - リチウム二次電池用電極の製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電極の反りを矯正し易くするために電極を200℃以上で加熱すると集電体の引張強さが低下する。引張強さが小さければ、充電時あるいは放電時に大きく膨張する活物質を用いた電極では集電体に伸びを生じ、捲回型電池では挫屈するという課題があった。
【解決手段】 本発明のリチウム二次電池用電極の製造方法は、集電体1と活物質2からなる成膜後電極3を200℃以上500℃以下に加熱し、前記成膜後電極3を液体窒素に浸漬することを特徴とする。本構成によって、成膜後電極3の反りを矯正した上でも充分な引張強さを保持することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明はリチウム二次電池用電極の製造方法に関するものであり、より詳細には電極の熱処理に関するものである。
従来のリチウム二次電池用電極には、正極電極、セパレータおよび負極電極を重ね合わせて捲回することで電極群を構成し、円筒電池などに用いる長尺の電極がある。上記長尺の電極は、集電体上に活物質を形成することで作製されるが、集電体と活物質の熱膨張係数が異なれば、熱応力により反りが生じる。また一般に、電池には電極から電流を取り出すためのリード線を接続するが、上記長尺の電極を使用する場合、リード線と電極との接続部には活物質を形成しない部分を設ける。そのため、長尺電極の表裏において、活物質が形成されている領域と形成されていない領域が混在し、長尺電極に大きな反りが生じる。反りを有した長尺電極を捲回すると、長尺電極に巻きずれが生じて電池出力が充分に得られなかったり、あるいは正負電極間で短絡したりするなどの問題が生じる。
そこで、このような問題を解決するために、長尺電極を加熱して引っ張ることで、反りを矯正するものがあった(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、ロールに巻かれた長尺電極を200℃の加熱炉の中に巻き出して走行させながら、加熱炉外で2.5kgfの張力をかけて別のロールに巻き取ることで、反りの矯正を行っている。
また、銅などの金属箔に対して急熱急冷による熱処理を施すことで、金属箔の引張強度や耐屈曲性を向上させるものがあった(例えば、特許文献2参照)。特許文献2では、厚さ200μm以下の金属箔に対して、高エネルギービームの短時間照射などによる熱処理を行うことで、引張強度や耐屈曲性を向上させている。
特開平11−185736号公報 特開2003−277897号公報
電極の反りを矯正する際の加熱温度は高い方が効果的であるが、加熱温度が高過ぎると、集電体の引張強さが低下して伸びやすくなるため、特許文献1では、集電体材質の再結晶温度以下が適当であると記載されている。例えば、アルミニウムや銅では、再結晶温度の200℃程度以下が適当ということになる。ここで「引張強さ」とは、試験中に試験片が耐えた最大の力に対応する応力を表す。「再結晶温度」とは、圧延などの加工を施された金属を加熱すると急に軟化する温度であり、軟化する理由は、加工によって生じていた加工硬化が低減するためである。
しかしながら、集電体と活物質とでは、熱膨張係数が異なる場合が多く、ほとんどの場合で界面にひずみが存在する。集電体の材質および製造方法や、活物質の材料および形成法にもよるが、電極の反りが大きいと、前記特許文献1の方法では矯正が困難な場合がある。
反りの大きい電極は、200℃以上で加熱すれば反りを矯正できる一方、電極を200℃以上で加熱するため、集電体の引張強さが低下する。集電体の引張強さが小さいと、充電時あるいは放電時に大きく膨張する活物質を用いた電極では、集電体に伸びが生じ、捲
回型電池の場合には挫屈する現象が見られる。ここで「挫屈」とは、捲回した電極群が中心部に向かってへこんだり、電極群の一部が波状に変形することを言う。
このように近年では、集電体が充分な引張強さを有するリチウム二次電池用電極が望まれているが、200℃以上で加熱して形成した上記電極では引張強さが低下するという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、リチウム二次電池用電極の反りを容易に矯正し、かつ充分な引張強さを保持するリチウム二次電池用電極を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のリチウム二次電池用電極の製造方法は、集電体と活物質からなる電極を200℃以上500℃以下で加熱し、前記電極を液体窒素に浸漬することを特徴とする。
本構成によって、リチウム二次電池用電極の反りを矯正し易く、かつ充分な引張強さを保持した電極を得ることができる。
本発明のリチウム二次電池用電極の製造方法によれば、電極の反りを容易に矯正できる。本発明の製造方法で得られた反りのない電極を、捲回して電極群を作製すれば、巻きずれが生じにくい。さらに、巻きずれが減少することで歩留まりが向上する。また、電極の集電体が充分な引張強さを保持できるので、充電時あるいは放電時に膨張する活物質を用いた電極においても、集電体の伸びを抑制できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるリチウム二次電池用電極の製造プロセスフロー図である。図1に沿って、以下に各工程について説明する。
<活物質形成工程>
集電体上に活物質を形成する方法として、蒸着法やスパッタ法などの薄膜プロセスによって形成する方法、あるいは、活物質材料を含むペーストを塗工し、乾燥およびプレスによって形成する方法などがある。
図2は、蒸着法により活物質を形成する装置の概要図である。図2に示すように、チャンバー11内に、集電体箔1を巻いた巻き出しロール12、キャンロール13、マスク14、巻き取りロール15、および複数の補助ロール22、23を配置する。キャンロール13と対向する下方には、Si粒子21の入ったカーボン製の坩堝20を配置し、電子ビームで加熱する。また、チャンバー11内にはノズル19を配置し、酸素ガスを導入する。チャンバー11の排気口には、真空配管16を連結し、油拡散ポンプ17および油回転ポンプ18によって真空状態を保つ。
集電体箔1は、巻き出しロール12から複数の補助ロール22、キャンロール13、複数の補助ロール23の順に導かれて、巻き取りロール15に巻かれる。集電体箔1がキャンロール13に沿ってマスク14開口部を通過する間に、電子ビームで加熱されたSi粒子21を蒸着することにより、集電体箔1に活物質としてSiOx(0<x<2)が形成
され、成膜後電極3となる。
なお、本発明の実施の形態1において使用する活物質は、充電時および放電時に大きく膨張する材料であれば、本発明のリチウム二次電池用電極の製造方法が効果的であり、上記Si粒子21の他、例えばSn粒子でも有効である。
<加熱工程>
活物質が形成された成膜後電極3の加熱方法としては、200℃以上500℃以下で、精度良く温度制御が可能な加熱方法であればよく、ホットプレートによる接触式加熱、ガス雰囲気による加熱、およびランプヒータによる加熱などがある。昇温速度には特に限定はなく、例えば5℃/秒以上100℃/秒以下で行えばよい。
<液体窒素への浸漬工程>
液体窒素への浸漬工程とは、加熱した成膜後電極3を液体窒素へ浸漬することにより急冷する工程である。浸漬直前の電極温度および浸漬速度を制御することで、冷却速度を制御している。浸漬方法は、精度良く浸漬速度の制御が行えれば何れの方法でもよく、浸漬速度は100mm/秒以上1000mm/秒以下で行えばよい。浸漬速度が100mm/秒以上であれば、充分な冷却速度を得ることができる。
例えば、巻き出しおよび巻き取り速度を制御した上で、加熱した成膜後電極3を巻き出しロール12から巻き出して、液体窒素を入れた槽中に浸漬することで冷却する。その後、冷却した成膜後電極3を、上記槽中に配置した極低温用のロールに沿わせて液体窒素槽から取り出し、新たなロールに巻き取ればよい。
<曲げ引張工程>
冷却した成膜後電極3を曲げ引張する方法としては、成膜後電極3の反り方向と逆向きになるように、冷却した成膜後電極3を矯正ロール4に巻き付けて張力をかける方法が良い。
図3は、電極矯正法である曲げ引張工程の概要図である。図3に示すように、成膜後電極3を活物質2が内側に、集電体箔1が外側にくるように、矯正ロール4に沿わせて、所定のR形状に曲げた状態で引っ張ることで、成膜後電極3の反りを矯正することができる。
なお、複数の矯正ロール4に、冷却した成膜後電極3を順次沿わせて張力をかければ、小さな張力でも徐々に矯正することができるので、矯正ロール4の数は多いほど好ましい。
図4は、長尺の電極を複数の矯正ロール4を用いて曲げ引張工程を行う方法の概要図である。図4に示すように、巻き出しロール12から巻き出した成膜後電極3を、矯正ロール4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4h、4iに順次沿わせて、巻き取りロール15に巻き取る。その際、成膜後電極3を沿わせる上記複数の矯正ロール4の位置関係を調整し、所定の張力で成膜後電極3を引っ張ることで、反りを効果的に矯正することができる。
<電極群作製工程>
上記の工程により得られた電極にリード線を取り付け、上記電極およびセパレータを重ね合わせて捲回することで、電極群を作製する。
以上、本発明の実施の形態1によれば、集電体として、再結晶温度が200℃付近であ
るアルミニウム箔あるいは銅箔などの圧延箔を用いた場合でも、活物質が形成された電極の加熱温度を200℃以上に設定できるため、活物質が形成された電極の反りを矯正することが容易になる。また、圧延箔以外の電解銅箔を用いた場合でも、程度に差はあるが、活物質が形成された電極の加熱温度を200℃以上に設定して、活物質が形成された電極の反りを矯正することが容易になる。
さらに、本発明の実施の形態1によれば、活物質が形成された電極の加熱温度を従来に比べて高く設定できることで、集電体の反りを矯正するために必要な加熱時間を短縮できるという利点がある。例えば、230℃の加熱温度では40秒間の加熱が必要だが、450℃の加熱温度では20秒間の加熱でよい。なお、ほとんどの銅箔には、クロメート処理等の表面酸化防止層があり、加熱温度が500℃を超えると、集電体の酸化および表面酸化防止層の変質が見られるので、加熱温度は500℃以下が好ましい。
したがって、本発明の実施の形態1によれば、リード線を付ける部分を除いた集電体上に、蒸着法やスパッタ法などの薄膜プロセスによって活物質を形成する時、集電体が200℃以上500℃以下に温度上昇しても、活物質形成後の集電体の引張強さが低下することなく、充分な引張強さを有する電極を得ることができ、曲げ引張工程において、反りを確実に矯正することができる。
なお、本発明のリチウム二次電池用電極の製造プロセスにおいては、曲げ引張工程を行わずとも、曲げ引張工程を行った場合と比較して、70%程度の反り矯正の効果がある。
一般に、結晶粒が小さくなると、金属の引張試験における引張強さは、結晶粒径の−1/2乗に比例して上昇するというHall−Petchの関係が知られている。微細な結晶粒径の金属を得る方法としては、溶融させた金属を急冷する金属ガラスの製造方法などがある。例えば、冷却速度が108〜1010℃/秒のスプラット急冷(低温の基板にたたきつけて薄片にする)や、冷却速度が103〜104℃/秒の液体窒素への浸漬などの方法である。
しかしながら、本発明のリチウム二次電池用電極の製造方法においては、加熱直後の金属を固体状態のまま急冷することによって、引張強さを強化しており、液体状態からの急冷である金属ガラス生成のメカニズムとは異なると考えられる。
つまり、本発明のリチウム二次電池用電極の製造方法においては、固体金属を再結晶温度以上に加熱することで結晶粒が成長して粒径が大きくなるため、溶融状態に比べて結晶粒界が減少し、金属中での転位の動きが抑制されるが、加熱直後の固体金属を103〜104℃/秒という高い冷却速度で冷却することによって、新たに結晶粒の微細化が起こり、引張強さを強化していると推測される。
また、本発明のリチウム二次電池用電極の製造方法においては、集電体を加熱した後に急冷することによって、高い引張強さを保持しているが、鋼における焼入れや、非鉄金属における溶体化処理のメカニズムとは異なる。
つまり、焼入れや溶体化処理では、添加した不純物が引張強さの強化の主要な要素になるが、本発明では不純物とは関係なく、引張強さを強化している。ここで「焼入れ」とは、鋼をオーステナイト領域にまで加熱後、適当な冷却剤中で急冷し、マルテンサイト組織として硬化させる熱処理をいう。炭素を固溶限度以上に固溶することで、鉄結晶中に炭素原子を侵入させて歪んだ組織を作り、転位の動きを阻止するものである。「溶体化処理」とは、合金を固溶体の溶解度曲線より高い温度に加熱し、溶質原子を均一に分布させてから低温に急冷するものであり、溶質原子を分散して析出させることによって、析出物が転
位の動きを阻止するものである。
(実施例1)
以下、本発明のリチウム二次電池用電極の製造方法における具体例を説明する。
図2に示すように、真空チャンバー11内に、集電体箔1を巻いた巻き出しロール12、キャンロール13、マスク14、巻き取りロール15、および張力をかけるためと方向転換するための複数の補助ロール22、23を配置した。集電体箔1としては、古河サーキットフォイル(株)製の粗面化電解銅箔(幅280mm、厚み35μm)を用いた。キャンロール13と対向する下方には、Si粒子21の入ったカーボン製の坩堝20を配置し、加速電圧−30kV、エミッション電流1100mAの電子ビームで加熱した。チャンバー11内にはノズル19を配置し、流量2SLMの酸素ガスを導入した。チャンバー11の排気口には、真空配管16を配置し、油拡散ポンプ17および油回転ポンプ18からなる真空ポンプによって真空度0.01Paまで排気した。
集電体箔1は、0.5m/分の速度で巻き出しロール12から、複数の補助ロール22、キャンロール13、複数の補助ロール23の順に導かれて、巻き取りロール15に巻かれる。集電体箔1がキャンロール13に沿ってマスク14開口部を通過する間に、電子ビームで加熱されたSi粒子21を片面に蒸着することにより、集電体箔1上に負極活物質2として膜厚17μmのSiOx(x=0.6)膜を形成し、長尺の電極(成膜後電極3)を作製した。
図5(a)は、長尺電極の負極活物質2側から見た概要図、図5(b)は、長尺電極の断面概要図である。図6(a)は、図5(a)におけるサンプルAの斜視図、図6(b)は、図5(a)におけるサンプルBの斜視図である。サンプルA、Bは、長尺電極である成膜後電極3の一部を100mm×30mmの長方形にそれぞれ切り出した状態を示す。図6(a)、(b)に示すように、成膜後電極3は、外から力を加えない自由な状態では反った形状となる。図6(a)に示す成膜後電極3(サンプルA)の反った状態の電極長は80mmであり、反りの程度を「反った状態の電極長/真の電極長(=100mm)」で表すと0.8であった。反りの程度に付いては、サンプルBに付いてもほぼ同様である。
次に、成膜後電極3を、窒素雰囲気下において230℃に設定したホットプレート上に40秒間置くことで、230℃に加熱した。ここでは、サンプル全体を均一に加熱すらため、低速で昇温したが、短時間で昇温しても構わない。なお、熱電対を取り付けた成膜後電極3で、同様の加熱を行ったところ、電極温度は40℃/秒の昇温速度で温度上昇し、230℃になることを確認した。
230℃に加熱した成膜後電極3をピンセットで挟み、ホットプレート上から1秒未満の間に液体窒素槽へ浸漬し、液体窒素中で5秒間冷却することで、電極3Aを作製した。
液体窒素槽から取り出した後、図3に示すように、反りを有している電極3Aを、電極3Aの反り方向と逆向きになるように、すなわち、負極活物質2が内側に、集電体箔1が外側にくるように、φ50mmの矯正ロール4に沿わせて、0.5kgfの張力を5秒間かけて反りの矯正を行った。その結果、電極3Aの反りは解消されて平坦になり、反りの程度を表す「反った状態の電極長/真の電極長」は1.0であった。
(比較例1)
比較例1として、上記実施例1と同様に活物質形成工程により形成した成膜後電極3に対して、加熱工程および液体窒素への浸漬工程を行わずに、曲げ引張工程での電極矯正法
によって反りの矯正を行った。成膜後電極3を外から力を加えない自由な状態にすると、反りは電極矯正前からほとんど変化せず、反りの程度を表す「反った状態の電極長/真の電極長」は0.8であった。
したがって、本発明のリチウム二次電池用電極の製造方法によれば、比較例1と比べて、電極の反りを解消して平坦にすることができるので、捲回して電極群を作製する際に、巻きずれが生じにくいという効果を有する。さらに、巻きずれが減少することで歩留まりを向上させることができる。
次に、電極3Aの集電体の引張強さを測定するために引張試験を行った。
図7は、本実施例における引張試験に用いた試験片の形状図である。電極3Aを図7に示す形状に加工して試験片とし、試験装置には、(株)エーアンドデイ製のテンシロン万能試験機RTCを用いた。電極3Aの試験片の両端を上記試験機のつかみ部に挟み、引張速度を50mm/分として引張試験を行った。
図8(a)は、電極3Aの引張試験の結果を示す図である。上述したように、「引張強さ」とは、試験中に試験片が耐えた最大の力に対応する応力であり、つまり最大荷重である。したがって、図8(a)に示すように、電極3Aの引張強さは177N/mmであった。
図9(a)は、SEMの反射電子像で観察した電極3Aの断面図である。図9(a)での集電体である銅箔の平均結晶粒径は6.0μmであった。ここで「平均結晶粒径」とは、観察断面内の面積を観察断面内の粒子数で割った値である。
(比較例2)
比較例2として、上記実施例1と同様に活物質形成工程により形成した成膜後電極3を、窒素雰囲気下において230℃に設定したホットプレート上に40秒間置くことで加熱した。その後、230℃に加熱した成膜後電極3をピンセットで挟み、ホットプレート上から移動させて25℃の常圧下で自然空冷することで、電極3Bを作製し、実施例1と同様に評価解析を行った。
電極3Bを、上記実施例1と同様に、曲げ引張工程での電極矯正法によって反りの矯正を行ったところ、反りの程度を表す「反った状態の電極長/真の電極長」は1.0であった。
図8(b)は、電極3Bの引張試験の結果を示しており、電極3Bの引張強さは151N/mmであった。
図9(b)は、SEMの反射電子像で観察した電極3Bの断面図である。図9(b)での集電体である銅箔の平均結晶粒径は7.1μmであった。
以上より、曲げ引張工程での電極矯正法によって、電極3Aおよび電極3Bは、どちらも反りを矯正することができたが、引張強さは、電極3Aが177N/mmで、電極3Bが151N/mmであり、電極3Bの方が引張強さが小さかった。つまり、電極3Bでは、充電時あるいは放電時に膨張する活物質を用いた電極において、集電体の伸びを充分には抑制できないと言える。引張強さが異なる理由としては、集電体である銅箔の平均結晶粒径が、電極3Aは6.0μmで、電極3Bは7.1μmであり、Hall−Petchの関係より、電極3Bの方が平均結晶粒径が大きいために引張強さが小さくなったと推測される。
したがって、本発明のリチウム二次電池用電極の製造方法によれば、比較例2と比べて、大きな引張強さを有することが分かった。大きな引張強さを保持することで、充電時あるいは放電時に膨張する活物質を用いた電極において、集電体の伸びを抑制できる。
本発明にかかるリチウム二次電池用電極は、様々な形態のリチウム二次電池に適用することができる。特に、捲回型などの長尺電極を必要とする形状の電池において有用である。
本発明の実施の形態1におけるリチウム二次電池用電極の製造プロセスフロー図 本発明の実施の形態1における蒸着法による活物質形成装置の概要図 本発明の実施の形態1における電極矯正法の概要図 本発明の実施の形態1における複数ロールでの長尺電極矯正方法の概要図 (a)本発明の実施例1における長尺電極の負極活物質側から見た概要図 (b)本発明の実施例1における長尺電極の断面概要図 (a)図5(a)におけるサンプルAの斜視図 (b)図5(a)におけるサンプルBの斜視図 本発明の実施例における引張試験に用いた試験片形状図 (a)本発明の実施例1における電極3Aの荷重と伸び率の関係を示す図 (b)本発明の比較例2における電極3Bの荷重と伸び率の関係を示す図 (a)本発明の実施例1におけるSEM反射電子像による電極3Aの断面図 (b)本発明の比較例2におけるSEM反射電子像による電極3Bの断面図
符号の説明
1 集電体箔
2 活物質
3 成膜後電極
4、4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4h、4i 矯正ロール
11 チャンバー
12 巻き出しロール
13 キャンロール
14 マスク
15 巻き取りロール
16 真空配管
17 油拡散ポンプ
18 油回転ポンプ
19 ノズル
20 坩堝
21 Si粒子
22、23 補助ロール

Claims (3)

  1. 集電体と活物質からなる電極を200℃以上500℃以下で加熱し、前記電極を液体窒素に浸漬することを特徴とするリチウム二次電池用電極の製造方法。
  2. 前記集電体が、銅箔であることを特徴とする、
    請求項1に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法。
  3. 前記活物質がSiOx(0<x<2)であることを特徴とする、
    請求項1に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法。
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