JP2008129448A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
無端ベルトたる中間転写ベルト10が駆動可能となるようなテンションが付与された状態で、中間転写ベルト10を全ての像担持体たる感光体40Bk、40Y、40M、40Cから離間させる全離間駆動可能モードたる第1全離間モードを設ける。そして、中間転写ベルト10および感光体40Bk、40Y、40M、40Cを画像を形成するときの速度に立ち上げるときや、中間転写ベルト10を画像を形成するときの回転方向と逆方向に回転させるときに、上記第1全離間モードにする。
【選択図】図8
Description
特に、回転ムラを抑制するため、像担持体の回転軸にフライホイールなどを取り付けている場合は、慣性力で像担持体が所定の速度に立ち上がるまでの時間が長くかかり、像担持体と中間転写ベルトとで、画像形成時の速度に立ち上がるまでの時間に差が生じやすい。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、全離間駆動可能モードにおける前記無端ベルトのテンションを、画像形成時のテンションの0.7以上1倍以下としたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、前記接離手段は、前記像担持体と前記無端ベルトとが回転駆動を開始して所定速度に立ち上がるまでの間、全離間駆動可能モードを取ることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、前記接離手段は、前記無端ベルトが画像形成時の回転方向と逆の回転方向に回転駆動するとき、全離間駆動可能モードを取ることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、前記接離手段を、前記全離間駆動可能モードにおける前記無端ベルトのテンションよりも、低いテンションで該無端ベルトが全ての像担持体から離間する状態である全離間低テンションモードを取り得るように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、前記無端ベルトを張架して、該無端ベルトを前記像担持体に当接させるための複数の張架ローラと、該無端ベルトを押圧して前記無端ベルトにテンションを付与するテンションローラと備え、前記接離手段を、前記張架ローラを前記像担持体から離間させることで、前記無端ベルトを前記像担持体から離間させるよう構成し、かつ、前記全離間駆動可能モードにおける前記張架ローラの前記像担持体との離間距離が、前記全離間低テンションモードにおける前記張架ローラの像担持体との離間距離よりも短くなるよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、前記接離手段を、複数の張架ローラを支持し、少なくとも1つの像担持体を残して他の像担持体から前記無端ベルトを離間させるための第1の揺動部材と、ひとつの張架ローラを支持し、少なくとも1つの像担持体から前記無端ベルトを離間させるための第2の揺動部材とを用いて構成し、前記第1の揺動部材の揺動支点を前記第2の揺動部材上に設け、前記第2の揺動部材が、少なくとも1つの像担持体と前記無端ベルトとが当接しうる姿勢と、前記無端ベルトから像担持体の距離が互いに異なる2つの姿勢とを取り得るように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の画像形成装置において、前記接離手段を、前記第2の揺動部材を支持し、回転する偏心カムを用いて構成し、前記偏心カムの外周面に、第1の位置と、前記偏心カムの回転の中心からの距離が第1の位置と異なる第2の位置と、前記偏心カムの回転の中心からの距離が第1および第2の位置と異なる第3の位置とを設け、第1、第2、第3の位置のいずれかが、第2揺動部材と当接するよう前記偏心カムの回転を制御するよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項7の画像形成装置において、前記接離手段を前記第2の揺動部材を支持し、回動する第1偏心カムと第2偏心カムとを用いて構成し、前記第1偏心カムの回転の中心から外周面までの最長距離をL4、最短距離をL5とし、前記第2偏心カムの回転の中心から外周面までの最長距離をL6、最短距離をL7としたとき、L4>L6>L5>L7の関係となるよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9いずれかの画像形成装置において、上記無端ベルトが中間転写ベルトであり、上記像担持体上のトナー像を該中間転写ベルト表面に1次転写するための1次転写手段と、該中間転写ベルト上に転写されたトナー像を転写材上に2次転写する2次転写手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1乃至10いずれかの画像形成装置において、上記無端ベルトが転写材を担持して搬送する転写材搬送ベルトであり、上記像担持体上のトナー像を該転写材搬送ベルトに担持された該転写材表面に転写するための転写手段を有することを特徴とするものである。
図1は、この発明の実施形態の一例を示すもので、タンデム型間接転写方式のカラー電子写真複写機の概略構成図である。このカラー電子写真複写機は、複写装置本体100、この複写機本体を載せる給紙テーブル200、複写装置本体上に取り付けるスキャナ300、さらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)400から主に構成されている。
そして、図1の例では、中間転写ベルト10を3つの支持ローラ14,15,16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能としている。
この図示例では、3つの支持ローラ14,15,16のうち第2の支持ローラ15の右に、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去する中間転写ベルトクリーニング装置17を設ける。
また、3つの支持ローラ14,15,16のうち第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写ベルト10上には、その搬送方向に沿って、シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成装置20を構成する。そして、このタンデム画像形成装置20の上には、図1に示すように、さらに露光装置21を設ける。
また、2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
なお、図示例では、このような2次転写装置22および定着装置25の下側に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備える。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
このようにバイアスを印加したレジストローラ49を通過した後の紙表面は、若干マイナス側に帯電している。よって、中間転写ベルト10からシートへの転写では、レジストローラ49に電圧を印加しなかった場合に比べて転写条件が変わり転写条件を変更する場合がある。
本実施形態に係るカラー電子写真複写機では、各感光体40に対して、中間転写ベルト10を接離させるための接離手段を設けた。この接離手段は、次の接離動作モードを有するものである。すなわち、中間転写ベルトを全ての感光体に当接する全当接モードと、中間転写ベルトをK色の感光体を残して他の感光体から離間する一部離間モードとである。さらに、中間転写ベルトの駆動が可能なテンションが付与された状態で、中間転写ベルトを全ての像担持体から離間させる全離間駆動可能モードである第1全離間モードと、中間転写ベルトのテンションが弱い状態で、中間転写ベルトを全ての像担持体から離間させる全離間低テンションモードである第2全離間モードである。
上記接離手段は、図4において、中間転写ベルト10をシアン、マゼンタ、イエローの各感光体40C,M,Yに対して同時に接離させるための第1揺動アーム70及び接離カム71と、中間転写ベルト10を黒感光体40Bkに対して接離させるための第2揺動アーム80及び偏心カム81とから主に構成されている。上記接離カム71は、駆動制御部73からの制御信号で駆動制御される第1駆動モータ74により回転駆動される。また、上記偏心カム81は、駆動制御部85からの制御信号で駆動制御される第2駆動モータ86により回転駆動される。
図4に示すように、黒用感光体40Bk近傍の従動ローラ14は、各一次転写ローラよりも図中下側に配置されている。これにより、中間転写ベルト10は、張架ローラである各一次転写ローラ62C,M,Y,Bkによって、各感光体40C,M,Y,Bkに当接せしめられている。
図に示すように、上記第2揺動アーム80はその一端側の揺動支点82を中心として中間転写ユニットフレーム(不図示)に揺動可能に支持されており、他端側には中間転写ベルトを黒用感光体40Kに当接させるための張架ローラである黒用一次転写ローラ62Bkが設けられている。この黒用一次転写ローラ62Bkは加圧スプリング63Bkにより黒感光体40Bk側に付勢された状態で回転可能に支持される。第2揺動アーム80は、その長手方向中間位置よりも黒用一次転写ローラ62Bk側であって、黒感光体40Bkの配設位置と反対側に偏心カム81が当接している。この偏心カム81には、偏心カム81の回転中心からの距離がそれぞれ異なる第1の位置Aと、第2の位置Bと、第3の位置Cとを有している。なお、第1の位置Aの回転中心からの距離L1、第2の位置Bの回転中心からの距離L2、第3の位置Cの回転中心からの距離L3の関係は、L1>L2>L3となっている。そして、第1の位置A、第2の位置B、第3の位置Cのいずれかが、第2揺動アーム80と当接するように、駆動制御部85で第2駆動モータ86が駆動制御される。このように、回転中心からの距離が異なる位置のいずれかが、第2揺動アーム80と当接して、第2揺動アーム80を支持することで、第2揺動アーム80が、互いに異なる3つの姿勢を取り得る。
図に示すように、第1の位置Aが、第2揺動アーム80と当接して支持しているとき、中間転写ベルト10を黒用感光体40Bkと接触させる第1の姿勢を第2揺動アーム80は取る。また、第2の位置Bが、第2揺動アーム80と当接して支持しているとき、中間転写ベルト10を黒用感光体40Bkから小さく離間させる第2の姿勢を第2揺動アーム80は取る。また、第3の位置Cが、第2揺動アーム80と当接して支持しているとき、中間転写ベルト10を黒用感光体40Bkから大きく離間させる第3の姿勢を第2揺動アーム80は取る。
図4の状態から接離カム71を半回転させることにより、第1揺動アーム70が揺動支点72を中心として図中下側に揺動し、シアン用,マゼンタ用,イエロー用の3つの一次転写ローラ62C,M,Yがこれらに対応した3つの感光体40C,M,Yから離れていき、中間転写ベルト10がこれら3つの感光体40C,M,Yから離間する。この結果、図6に示す一部離間モードとなり、黒単色画像を形成することができる。
この一部離間モードでは、中間転写ベルト10が黒感光体40Bkのみに当接し、これ以外の他の3つの感光体40C,M,Yから離間しているため、これら3つの感光体40C,M,Yでは中間転写ベルト10との接触による感光体劣化を防止することができる。また、黒感光体40Bk以外の他の3つの感光体40C,M,Yの動作を停止しておくことができるので、これらの感光体40C,M,Yだけでなく、これらの画像形成手段18の帯電装置60、現像装置61、クリーニング装置63等(図3参照)の寿命を延ばすことができる。
図6の状態から、偏心カム81を回転させて、第2揺動アーム80と当接して支持する位置を第3の位置Cにすると、第2揺動アーム80が揺動支点82を中心として揺動して、第2揺動アーム80が、第3の姿勢へ移行する。このとき、黒用一次転写ローラ62Bkが下側に下がって黒感光体40Bkから離れていき、中間転写ベルト10が黒感光体40Bkから大きく離間する。これにより、中間転写ベルト10は全ての感光体40C,M,Y,Bkから大きく離間することになる。
また、このとき、一端を第2揺動アーム80により支持された第1揺動アーム70は揺動支点72側が図中下側に下がるため、第1揺動アーム70は図4の状態から略平行に下に移動することになる。仮に、第1揺動アーム70の揺動支点72が第2揺動アーム80に接続していなければ、第1揺動アーム70は図中左下側に傾斜した状態となり、イエロー用一次転写ローラ62Yがイエロー感光体40Yに最も接近しており、中間転写ベルト10とイエロー感光体40Yとの離間量が他の2つの感光体40C,Mに比べて小さくなってしまう。また、中間転写ベルト10の張力の減少量が小さく、張力を弱めてカール癖を防止する効果が十分に得られなくなってしまう。本実施例では、中間転写ベルト10を全ての感光体40C,M,Y,Bkから離間させたときには、第1揺動アーム70が略平行に下側に移動するので、第1揺動アーム70の一端側だけが揺動する構成に比べ、中間転写ベルト10と各感光体40C,M,Yとの離間量を略一定とすることができる。また、全当接モードに比べ、中間転写ベルト10のベルト張力を小さくすることができる。
図6の状態から、偏心カム81を回転させて、第2揺動アーム80と当接して支持する位置を第2の位置Bにすると、第2揺動アーム80が揺動支点82を中心として揺動して、第2揺動アーム80が、第1の姿勢から第2の姿勢へ移行する。このとき、黒用一次転写ローラ62Bkは、図に示すように、全当接モードや一部離間モードのときよりも黒感光体40Bkから離れ、中間転写ベルト10は全ての感光体40C,M,Y,Bkから離間することになる。また、第2全離間モードのときよりも黒感光体40Bkに近い位置にあり、第2全離間モードよりも中間転写ベルト10の感光体に対する離間量が小さくなっている。
このとき、一端を第2揺動アーム80により支持された第1揺動アーム70は、図6に示す状態よりも揺動支点72側が図中下側に下がり、第1揺動アーム70の揺動支点72と反対側の端部に配設された支持ローラ15も右側に移動する。しかし、これらの移動量は、第2全離間モードのときの移動量よりも少ないため、第2全離間モードのようにテンションスプリング84が伸びて、テンションローラ83による中間転写ベルト10へのテンションが著しく弱まることはない。これにより、駆動ローラと中間転写ベルト10との摩擦力を十分確保することができ、中間転写ベルトを全ての感光体から離間させた全離間モードのときでも、中間転写ベルト10を回転駆動させることができる。
これを図9に基づいてより具体的に説明する。図9(a)は中間転写ベルト10の支持ローラ14への張架状態の説明図であり、(b)〜(d)はA部拡大図である。一部離間モードや全当接モードときは、中間転写ベルト10は、回転駆動することで、図中左側へ寄って行き、図9(b)に示すように、中間転写ベルト端部の寄り止め10aが支持ローラ端面14aに突き当たることにより、中間転写ベルト10が支持ローラ14の軸方向に位置ずれしないようにしている。ところが、第1全離間モードにおけるベルトのテンションが全当接モードのときの0.7倍未満であるときは、中間転写ベルト10を回転駆動させると、全当接モードのときの寄り方向と逆の図中右側に寄って、図9(c)に中間転写ベルト10の寄り止め10aが支持ローラ14の端面14aから離間して、隙間Sが生じる。このように、隙間Sが生じた状態で再び全当接モードで中間転写ベルト10を回転駆動させると、図9(d)に示すように、寄り止め10aが支持ローラ端面14aに突き当たるまで図中左側(矢印B方向)に移動して寄っていく。この移動の間に各感光体40C,M,Y,Bk上に形成されたトナー像を中間転写ベルト10上に重ね合わせると、軸方向で色ずれが生じてしまう。
本発明者らは、ベルトテンションを0.5〜1.5[N/cm]の間で振り、第1全離間モードにおける寄りのスピードと、ベルト寄り方向とを調べた。なお、ベルトテンションは、テンションバネ84の中間転写ベルト10に対する荷重を、ベルト幅で除算した値であり、ベルトテンション1.5[N/cm]のときのベルト寄り方向をプラスとした。なお、本実施例における全当接モードのベルトテンションは、1.5[N/cm]である。その結果、ベルトテンションが、1.5[N/cm]のときは、1.1[μm/s]、1.0[N/cm]のときは、0.2[μm/s]、0.9[N/cm]のときは、−0.3[μm/s]であった。
このように、ベルトテンションが、0.9[N/cm]のときは、全当接モード(1.5N/cm)と逆方向にベルトが寄っており、上述の不具合が発生する。また、全当接モードのベルトテンションの約0.7倍である1.0[N/cm]のときは、全当接モード(1.5N/cm)と逆方向にベルトが寄っているため、上述の問題が生じることがない。よって、本実施例は、第1全離間モードにおける中間転写ベルト10のテンションが、全当接モードにおけるテンションの0.7倍〜1倍となるように、中間転写ベルト10の感光体からの離間量を調整することで、第1離間モードで中間転写ベルト10を回転駆動させたときのベルト寄り方向を、全当接モードおよび第1全離間モードで中間転写ベルト10を回転駆動させたときのベルト寄り方向を同じにすることができる。その結果、第1全離間モードのときに中間転写ベルト10を回転駆動させても、寄り止めが、支持ローラの端面から離間することがなくなり、軸方向の位置ずれを抑制することができる。
カラー電子写真複写機の電源投入直後の初期設定では第2全離間モードに設定している(S1)。そして、コピーボタンがONされたか否かを判断し(S2)、ONされた場合(S2のYES)、駆動制御部85は、第2駆動モータ86を回転駆動して、偏心カム81の第2揺動アーム80と当接する位置を、第3の位置Cから第2の位置Bにして、第1離間モードにする(S3)。第1離間モードとなったら、形成する画像がフルカラー画像か否かをチェックして、フルカラー画像の場合は、全感光体40Y,M,C,Bkおよび中間転写ベルト10を駆動させる。全感光体40Y,M,C,Bk、中間転写ベルト10が等速となったら、偏心カム81の第2揺動アーム80と当接する位置を、第2の位置Bから第2の位置Aにするとともに、接離カム71を半回転させて、全当接モードにする(S6)。全当接モードとなったら、フルカラー画像形成を行う。具体的には、Y、M、C、Kそれぞれの感光体にトナー像を形成し、中間転写ベルト10に順次重ねて転写し、中間転写ベルト10に転写された重ね合わせ画像を記録紙に一括転写し、記録紙の転写画像を定着して、装置外部へ排出を行うのである。
一方、黒画像の形成を行う場合は、黒用感光体40Bkと中間転写ベルト10とを駆動させて、黒用感光体40Bkと中間転写ベルト10が等速となったら、一部離間モードにして、黒画像の形成をおこなう。具体的には、黒用感光体40Bkにトナー像を形成し、中間転写ベルト10に転写した後、記録紙に転写し、記録紙の転写画像を定着して、装置外部へ排出を行うのである。
また、感光体40、中間転写ベルト10の駆動停止時においても、第1全離間モードにしてから、停止している。感光体40には、回転ムラを防止するためにフライホイールなどが取り付けられており、慣性力が大きいので、中間転写ベルト10に比べて、停止時間が長い。このため、感光体40と中間転写ベルト10とを当接させた状態で感光体40、中間転写ベルト10を停止させると、中間転写ベルト10と感光体40とが摺擦して、細かい傷が生じる場合がある。このため、第1全離間モードにしてから、感光体40および中間転写ベルト10を停止させることで、感光体40、中間転写ベルト10に細かな傷が生じない。
そこで、本実施形態では、第1全離間モードにしてから、このクリーニングモードを実行している。
図に示すように、所定枚数画像を形成した後などの非画像形成時にクリーニングモードをスタートさせる。まず、クリーニングモードがスタートしたら、第1離間モードにして(S21)、中間転写ベルト10にテンションを付与した状態で、感光体40から全離間させる。第1全離間モードとなったら、中間転写ベルト10を逆回転駆動させて(S22)、クリーニングブレード先端に付着した紙粉やトナーを除去する。そして、所定時間駆動したら(S23のYES)、初期設定の第2全離間モードにして(S25)、終了する。
次に、接離手段の変形例1について、説明する。
図12は、本実施形態の変形例1の特徴点を示す拡大構成図である。
この変形例1は、図12に示すように、大きさの異なる2つの偏心カム81a、81bで、第2揺動アーム80をそれぞれ異なる3つの姿勢を取らせるようにしたものである。第1偏心カム81aは、第2偏心カム81bよりも大きく、外周面の回転中心から距離が最長の位置Dおよび最短の位置Eは、第2偏心カム81bの最長の位置Fおよび最短の位置Gよりも長い。また、第2偏心カム81bの最長の位置Fから回転中心までの距離は、第1カム81aの最短の位置Eから回転中心までの距離よりも長くなっている。すなわち、第1偏心カム81aの回転の中心から位置Dまでの距離をL4、位置Eまでの距離をL5、第2偏心カム81bの回転の中心から位置Fまでの距離をL6、位置Gまでの距離をL7としたとき、その大小関係は、L4>L6>L5>L7となっている。
先の図8に示す第1全離間モードにするとき、駆動制御部85は、第1偏心カム81aの位置Eが第2揺動アーム80と対向するように第2駆動モータ86aを制御し、第2偏心カム81bの位置Fが第2揺動アーム80と対向するよう第2駆動モータ86aを制御する。第2偏心カム81bの回転の中心から位置Fまでの距離L6は、第1偏心カム81bの回転の中心から位置Eまでの距離L5よりも長いので、第2偏心カム81bの位置Fが第2揺動アーム80と当接する。また、第2偏心カム81bの回転の中心から位置Fまでの距離L6は、第1偏心カム81aの回転の中心から位置Dまでの距離L4よりも短いので、第2揺動アーム80は、図12に示す状態から揺動支点82を中心として図中時計回りに揺動して、第2の姿勢を取る。これにより、黒用一次転写ローラ62Bkが下側に下がって黒感光体40Bkから離れていき、中間転写ベルト10が黒感光体40Bkから離間する。
このように、変形例1では、大きさの異なる2つの偏心カム81a、81bで、第2揺動アーム80をそれぞれ異なる3つの姿勢を取らせることができる。
次に、接離手段の変形例2について、説明する。
図13は、変形例2の接離手段の特徴部分を示す図である、テンションローラ83の拡大構成図である。
図に示すように、この変形例2の接離手段は、テンションローラ83を中間転写ベルト側へ移動させる移動機構を設けている。この移動機構によって、中間転写ベルト10を全ての感光体から離間させたときに中間転写ベルト10が駆動可能なテンションを付与するようにしたものである。すなわち、変形例2においては、第2揺動アーム80を支持する偏心カム81を、第1揺動アーム70を支持する接離カム71と同様な構成とし、第2揺動アーム80が、中間転写ベルト10を黒用感光体40Bkと当接させる第1の姿勢と、中間転写ベルト10を黒用感光体40Bkから大きく離間させる第3の姿勢との2つの姿勢を取りうるように、偏心カム81の回転を制御する。そして、第1全離間モードのときは、移動機構によって、テンションローラ83を中間転写ベルト側へ移動させて、中間転写ベルト10が感光体40Y、M、C、Bkから離間した状態で、中間転写ベルト10に駆動可能なテンションを付与する。
具体的に説明すると、図13に示すように、中間転写ベルト10を全ての感光体40Y、M、C、Bkから離間させて駆動させたいときは、第2揺動アーム80に第3の姿勢を取らせて、中間転写ベルト10を感光体40Y、M、C,Bkから大きく離間させる。次に、偏心カム180を図13(a)の状態から図19(b)の状態になるように90度近く回転させる。これにより、テンションスプリング84を介してテンションローラ83の軸受83aを押圧し、テンションローラ83を中間転写ベルト側へ移動させる。これにより、中間転写ベルト10が全ての感光体から離間した状態で、中間転写ベルト10に駆動可能なテンションが付与される第1全離間モードを取ることができる。
図14において、転写材搬送ベルト90をシアン感光体40Cとマゼンタ感光体40Mとイエロー感光体40Yとに対して同時に接離させるために、第1揺動アーム91と第1接離カム92とが設けられている。また、転写材搬送ベルト90を黒感光体40Bkに対して接離させるために、第2揺動アーム93と第2接離カム94とが設けられている。そして、第1揺動アーム91の揺動支点95が第2揺動アーム93上で支持され、第2揺動アーム93の揺動支点96が転写ユニットフレーム(不図示)に支持されている。
また、黒感光体40Bkと黒用転写ローラ97Bkとの転写部よりも転写紙Pの搬送方向上流側に転写材ガイド98と転写材搬送ローラ対99が設けられており、また、シアン感光体40Cとシアン用転写ローラ97Cとの転写部の転写紙搬送方向下流側に図示しない定着装置が設けられている。
なお、転写材搬送ベルト90を各感光体40C,M,Y,Bkに対して接離動作させて一部離間モードや第1、第2全離間モードとする構成は、上述で説明した構成と同様なので詳しい説明は省略する。
また、第2揺動アームが、少なくとも1つの感光体と中間転写ベルトとが当接しうる第1姿勢と、中間転写ベルトから感光体までの距離が互いに異なる第2、第3姿勢を取り得るように構成した。これにより、接離手段が、中間転写ベルトが感光体に当接する全当接モードおよび一部離間モード、中間転写ベルトが感光体から少し離間する第1全離間モード、中間転写ベルトが感光体から大きく離間する第2全離間モードをとることができる。
このように、2つの偏心カムによって、第2揺動アームに互いに異なる3つの姿勢をとらせることが可能となる。
17 ベルトクリーニング装置
18Bk、18Y、18M、18C 画像形成ユニット
22 2次転写装置
40Bk、40Y、40M、40C 感光体ドラム
62Bk、62Y、62M、62C 一次転写ローラ
70、91 第1揺動アーム
72、95 第1揺動アームの揺動支点
80、93 第2揺動アーム
97Bk、97Y、97M、97C 転写ローラ
Claims (11)
- 静電潜像を担持するための像担持体と、
該像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、
該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成手段を複数個備え、
且つ、該複数個の画像形成手段の各像担持体の表面に順次対向するように表面が無端移動する無端ベルトを備えた画像形成装置において、
上記無端ベルトを上記各像担持体に対して接離させるための接離手段を設け、
前記接離手段は、接離動作モードとして、前記無端ベルトが全ての像担持体と当接する全当接モードと、前記無端ベルトが回転駆動なしうるテンションを付与して前記無端ベルトを全ての像担持体から離間する全離間駆動可能モードとを取り得るように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
全離間駆動可能モードにおける前記無端ベルトのテンションを、画像形成時のテンションの0.7以上1倍以下としたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2の画像形成装置において、
前記接離手段は、
前記像担持体と前記無端ベルトとが回転駆動を開始して所定速度に立ち上がるまでの間、全離間駆動可能モードを取ることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2の画像形成装置において、
前記接離手段は、
前記無端ベルトが画像形成時の回転方向と逆の回転方向に回転駆動するとき、全離間駆動可能モードを取ることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、
前記接離手段を、
前記全離間駆動可能モードにおける前記無端ベルトのテンションよりも、低いテンションで該無端ベルトが全ての像担持体から離間する状態である全離間低テンションモードを取り得るように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5の画像形成装置において、
前記無端ベルトを張架して、該無端ベルトを前記像担持体に当接させるための複数の張架ローラと、該無端ベルトを押圧して前記無端ベルトにテンションを付与するテンションローラと備え、
前記接離手段を、
前記張架ローラを前記像担持体から離間させることで、前記無端ベルトを前記像担持体から離間させるよう構成し、かつ、前記全離間駆動可能モードにおける前記張架ローラの前記像担持体との離間距離が、前記全離間低テンションモードにおける前記張架ローラの像担持体との離間距離よりも短くなるよう構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6の画像形成装置において、
前記接離手段を、
複数の張架ローラを支持し、少なくとも1つの像担持体を残して他の像担持体から前記無端ベルトを離間させるための第1の揺動部材と、ひとつの張架ローラを支持し、少なくとも1つの像担持体から前記無端ベルトを離間させるための第2の揺動部材とを用いて構成し、前記第1の揺動部材の揺動支点を前記第2の揺動部材上に設け、前記第2の揺動部材が、少なくとも1つの像担持体と前記無端ベルトとが当接しうる姿勢と、前記無端ベルトから像担持体の距離が互いに異なる2つの姿勢とを取り得るように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項7の画像形成装置において、
前記接離手段を、
前記第2の揺動部材を支持し、回転する偏心カムを用いて構成し、前記偏心カムの外周面に、第1の位置と、前記偏心カムの回転の中心からの距離が第1の位置と異なる第2の位置と、前記偏心カムの回転の中心からの距離が第1および第2の位置と異なる第3の位置とを設け、第1、第2、第3の位置のいずれかが、第2揺動部材と当接するよう前記偏心カムの回転を制御するよう構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項7の画像形成装置において、
前記接離手段を
前記第2の揺動部材を支持し、回動する第1偏心カムと第2偏心カムとを用いて構成し、前記第1偏心カムの回転の中心から外周面までの最長距離をL4、最短距離をL5とし、前記第2偏心カムの回転の中心から外周面までの最長距離をL6、最短距離をL7としたとき、
L4>L6>L5>L7の関係となるよう構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至9いずれかの画像形成装置において、
上記無端ベルトが中間転写ベルトであり、
上記像担持体上のトナー像を該中間転写ベルト表面に1次転写するための1次転写手段と、
該中間転写ベルト上に転写されたトナー像を転写材上に2次転写する2次転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至10いずれかの画像形成装置において、
上記無端ベルトが転写材を担持して搬送する転写材搬送ベルトであり、
上記像担持体上のトナー像を該転写材搬送ベルトに担持された該転写材表面に転写するための転写手段を有することを特徴とする画像形成装置。
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