JP2003312885A - ベルト蛇行補正装置及び画像形成装置 - Google Patents

ベルト蛇行補正装置及び画像形成装置

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JP2003312885A
JP2003312885A JP2002117800A JP2002117800A JP2003312885A JP 2003312885 A JP2003312885 A JP 2003312885A JP 2002117800 A JP2002117800 A JP 2002117800A JP 2002117800 A JP2002117800 A JP 2002117800A JP 2003312885 A JP2003312885 A JP 2003312885A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルトの蛇行が発生し始めてから、その蛇行
を修正するまでの時間を短縮し、従来よりも効果的にベ
ルトの蛇行を抑制することである。 【解決手段】 まず、中間転写ベルト10がこれを張架
するステアリングローラ14に巻き付いて接触を開始す
る接触開始位置P1と、離間を開始する離間開始位置P
2のポイントにおいて、ベルトの幅方向位置L1,L2
をそれぞれ検出する。そして、これらの検出結果の差分
ΔLを算出する。この差分ΔLは、ベルトの蛇行の発生
原因を示すものであるため、その発生原因が直接的にス
テアリング動作にフィードバックされることになる。よ
って、従来のステアリング方式で生じていたタイムラグ
やオーバーシュートがほとんどなく、ベルトが大きく蛇
行することなく安定したベルト駆動を実現することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の支持部材に
張架された無端ベルトの蛇行を補正するベルト蛇行補正
装置及び複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の画像形成装置の中には、複数の
支持部材であるローラに張架された無端ベルトである中
間転写ベルトを用いてカラー画像を形成するカラー画像
形成装置がある。このカラー画像形成装置は、感光体等
に形成された各色トナー像を中間転写ベルト上に重ね合
わせ、その重ね合わせた合成トナー像を転写紙に転写し
てカラー画像を形成する。一般に、中間転写ベルト等の
無端ベルト(以下、単に「ベルト」という。)が駆動し
ているときには、その中間転写ベルト上の任意点がベル
ト幅方向(ベルト表面上における無端移動方向に直交す
る方向)に多少変位しながら移動するため、ベルトが蛇
行する。このような蛇行が生じると、ベルトを張架する
ローラからベルトが脱落するという不具合が生じる。ま
た、上記カラー画像形成装置において中間転写ベルトが
蛇行すると、その中間転写ベルト上に各色トナー像をぴ
ったりと重ね合わせることができず、画像の色ズレ等の
不具合が生じる。また、画像情報に応じた潜像を担持す
る潜像担持体として、無端ベルトである感光体ベルト等
を用いた画像形成装置においてその感光体ベルト等が蛇
行したときには、画質劣化という不具合が生じる。
【0003】このような不具合を抑制するため、ベルト
の無端移動中にベルトの幅方向位置がズレたとき、その
幅方向位置を修正する方法が種々提案されている。その
方法の中の1つには、ベルトを張架するステアリングロ
ーラのベルト幅方向における傾き動作を制御して、ベル
トの幅方向位置を修正する方法が知られている。以下、
この方法をステアリング方式という。このステアリング
方式を採用したものとしては、例えば特開平3−288
167号公報に開示されたベルト駆動装置が知られてい
る。このベルト駆動装置は、ベルト上に設けたマークを
CCDセンサで読み取ってベルト幅方向の位置ズレを検
出し、そのCCDセンサで読み取った結果に基づいてス
テアリングローラの傾き動作を制御する。しかし、この
ベルト駆動装置では、ベルト上に1個だけ設けられたマ
ークを、所定箇所に配置されたCCDセンサでベルト1
周ごとに読み取る。そのため、CCDセンサがベルト上
のマークを読み取ってから、ベルトが1周して再度マー
クを読み取るまでの間に生じるベルト幅方向の位置ズレ
については、ステアリングローラの傾き動作の制御にフ
ィードバックされない。このように比較的長い周期でベ
ルト幅方向の位置ズレを検出するのでは、ベルトの幅方
向位置のズレを高い精度で修正することはできない。
【0004】一方、特開2000−34031号公報に
は、ステアリングローラの傾き動作を行う可動端部とは
反対側の固定端部側に、ベルトの幅方向縁部の位置を検
出するエッジセンサを配置したベルト駆動装置が開示さ
れている。このベルト駆動装置では、ベルトの無端移動
方向に沿って延びるベルトの幅方向縁部の位置をエッジ
センサによって検出するので、ベルト幅方向の位置ズレ
を連続的に又は比較的短い周期で検出することが可能と
なる。よって、ベルト幅方向の位置ズレを、連続的に又
は細かい間隔で、ステアリングローラの傾き動作の制御
にフィードバックすることが可能となる。よって、この
ベルト駆動装置によれば、ベルトの幅方向位置のズレを
高い精度で修正することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上述した種々
の不具合の原因となるベルトの蛇行は、次のようなメカ
ニズムにより発生するものと考えられる。ベルトの蛇行
は、ベルト上の任意点がベルト幅方向に変位しながら移
動することである。このようにベルト上の任意点をベル
ト幅方向に変位させる力は、主に、そのベルトとこれが
巻き付けられたローラとの間に働く摩擦力によって生じ
る。そして、ローラに巻き付いたベルト部分での無端移
動方向が正規の無端移動方向に対して傾斜し始めたとき
に、ベルト上の任意点がベルト幅方向に変位し始める。
ベルトの正規の無端移動方向はローラの表面移動方向と
一致する場合には、上記ベルト部分での無端移動方向が
そのローラの表面移動方向に対して傾斜し始めたときに
ベルト上の任意点がベルト幅方向に変位し始める。そし
て、ベルト幅方向に変位したベルト上の任意点がベルト
の無端移動に伴って無端移動方向下流側に伝わると、ベ
ルトが蛇行することになる。
【0006】ところが、上記特開2000−34031
号公報に開示のベルト駆動装置を含む従来のベルト駆動
装置は、所定の箇所におけるベルトの幅方向への位置ズ
レをステアリングローラの傾き動作の制御にフィードバ
ックするものである。すなわち、上述した蛇行のメカニ
ズムからすると、従来のベルト駆動装置による制御で
は、ベルトが蛇行した結果生じるベルトの幅方向への位
置ズレをフィードバックする。よって、従来のベルト駆
動装置は、蛇行が発生した後にこの蛇行を修正するもの
と言える。したがって、従来のベルト駆動装置では、蛇
行が発生してからステアリングローラの傾き動作による
蛇行修正が行われるまでにタイムラグが生じ、蛇行が修
正されるまでにある程度の時間を要するという問題があ
った。
【0007】本発明は、以上の問題に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、ベルトの蛇行が発生
し始めてからこの蛇行を修正するまでの時間を短縮し、
従来よりも効果的にベルトの蛇行を抑制できるベルト駆
動装置及び画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、複数の支持部材により張架され
る無端ベルトに駆動力を伝達して該無端ベルトを駆動さ
せるベルト駆動装置で、該無端ベルトの無端移動方向が
正規の無端移動方向から外れたときに生じる該無端ベル
トの蛇行を補正するベルト蛇行補正装置において、上記
複数の支持部材の中の少なくとも1つの支持部材に巻き
付いた無端ベルト部分の無端移動方向と、該無端ベルト
部分の正規の無端移動方向との傾斜を検出するための傾
斜検出手段と、上記傾斜検出手段による検出結果に基づ
いて、上記無端ベルト部分の無端移動方向を正規の無端
移動方向に修正する傾斜修正手段とを備えたことを特徴
とするものである。また、請求項2の発明は、請求項1
のベルト蛇行補正装置において、上記傾斜検出手段は、
上記無端ベルトの無端移動方向における互いに異なる2
つの箇所で、上記少なくとも1つの支持部材に巻き付い
た無端ベルト部分又はその近傍のベルト幅方向位置をそ
れぞれ検出する2つの位置検出手段を有し、該2つの位
置検出手段による各検出結果の差分に基づいて上記傾斜
を得ることを特徴とするものである。また、請求項3の
発明は、請求項2のベルト蛇行補正装置において、上記
2つの位置検出手段が検出する各ベルト幅方向位置は、
上記無端ベルトが上記少なくとも1つの支持部材に接触
を開始する接触開始位置と、該支持部材から離間を開始
する離間開始位置であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3のベルト
蛇行補正装置において、上記少なくとも1つの支持部材
は、上記複数の支持部材の中で、上記無端ベルトとの間
の摩擦係数と、該無端ベルトの巻付き角との積が最も大
きいものであることを特徴とするものである。また、請
求項5の発明は、複数の支持部材により張架される無端
ベルトに駆動力を伝達して該無端ベルトを駆動させるベ
ルト駆動装置と、上記無端ベルトの無端移動方向が正規
の無端移動方向から外れたときに生じる該無端ベルトの
蛇行を補正するベルト蛇行補正装置とを備えた画像形成
装置において、上記ベルト蛇行補正装置として、請求項
1、2、3又は4のベルト蛇行補正装置を用いたことを
特徴とするものである。また、請求項6の発明は、請求
項5の画像形成装置において、非画像形成動作時に、上
記無端ベルトのベルト幅方向位置を正規の位置に修正す
る位置修正手段を設けたことを特徴とするものである。
上記請求項1のベルト蛇行補正装置においては、無端ベ
ルトを張架する少なくとも1つの支持部材に巻き付いた
無端ベルト部分の無端移動方向と、その無端ベルト部分
の正規の無端移動方向との傾斜を傾斜検出手段により検
出する。そして、その傾斜検出手段による検出結果に基
づいて、傾斜修正手段により、無端ベルト部分の無端移
動方向を正規の無端移動方向に修正する。すなわち、こ
のベルト蛇行補正装置では、ベルトの蛇行の発生原因で
ある上記傾斜を検出し、この検出結果に基づいて蛇行を
補正する。よって、ベルトの蛇行が発生してから蛇行を
修正する従来のものに比べて、ベルトの蛇行が発生し始
めてからこの蛇行を修正するまでのタイムラグが小さ
い。これにより、ベルトの蛇行により生じるベルト幅方
向位置のズレ量が小さいうちにその蛇行を補正できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、画像形成装置と
しての電子写真方式のカラー複写機(以下、単に「複写
機」という。)に適用した一実施形態について説明す
る。なお、本実施形態の複写機は、無端ベルトである中
間転写ベルトを備えたいわゆるタンデム型のカラー画像
形成装置である。図2は、本実施形態に係る複写機全体
の概略構成図である。この複写機は、複写機本体100
と、この複写機本体を載置する給紙テーブル200と、
その複写機本体上に取り付けるスキャナ300と、この
スキャナの上部に取り付けられる原稿自動搬送装置(A
DF)400とから構成されている。
【0010】図3は、複写機本体100部分の構成を示
す拡大図である。複写機本体100には、中間転写ベル
ト10が設けられている。この中間転写ベルト10は、
3つの支持部材である支持ローラ14,15,16に張
架された状態で、図3中時計回り方向に回転駆動され
る。支持ローラのうちの第1支持ローラ14と第2支持
ローラ15との間のベルト張架部分には、イエロー、シ
アン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成ユニット1
8Y,18C,18M,18BKが並んで配置されてい
る。これらの画像形成ユニット18Y,18C,18
M,18BKの上方には、図2に示すように、露光装置
21が設けられている。この露光装置21は、スキャナ
300で読み取った原稿の画像情報に基づいて、各画像
形成ユニットに設けられる潜像担持体としての感光体ド
ラム20Y,20C,20M,20BK上に静電潜像を
形成するためのものである。また、支持ローラのうちの
第3支持ローラ16に対向する位置には、2次転写装置
22が設けられている。この2次転写装置22は、2つ
のローラ23a,23b間に無端ベルト状の2次転写ベ
ルト24が張架した構成を有する。そして、中間転写ベ
ルト10上のトナー像を転写紙上に2次転写する際に
は、2次転写ベルト24を第3支持ローラ16に巻き付
いた中間転写ベルト10部分に押し当てて2次転写を行
う。なお、2次転写装置22は、2次転写ベルト24を
用いた構成でなくても、例えば転写ローラや非接触の転
写チャージャを用いた構成としてもよい。また、2次転
写装置22の2次転写ベルト24による転写紙搬送方向
下流側には、転写紙上に転写されたトナー像を定着させ
るための熱定着手段としての定着装置25が設けられて
いる。この定着装置25は、加熱ローラ26に加圧ロー
ラ27を押し当てた構成となっている。
【0011】また、中間転写ベルト10の支持ローラの
うちの第2支持ローラ15に対向する位置には、ベルト
クリーニング装置17が設けられている。このベルトク
リーニング装置17は、記録材としての転写紙に中間転
写ベルト10上のトナー像を転写した後に中間転写ベル
ト10上に残留する残留トナーを除去するためのもので
ある。このベルトクリーニング装置17は、2つのファ
ーブラシ90,91を備えている。これらのファーブラ
シ90,91は、それぞれ金属ローラ92,93に接触
した状態で回転するように設けられている。本実施形態
では、中間転写ベルト10の無端移動方向上流側の金属
ローラ92に電源94から負極性の電圧を印加し、下流
側の金属ローラ93に電源95から正極性の電圧が印加
されている。これにより、ファーブラシ90,91に
は、それぞれ異なる極性のバイアスが印加される。な
お、金属ローラ92,93には、それぞれブレード9
6,97が当接している。このベルトクリーニング装置
17は、中間転写ベルト10の表面に対し、まず上流側
のファーブラシ90により負極性のバイアスを印加して
クリーニングを行う。そして、ファーブラシ90に転移
したトナーは、さらに電位差によりファーブラシ90か
ら金属ローラ92に転移し、ブレード96により掻き落
とされる。このようにして、ブレード96,97で掻き
落とされたトナーは、図示しないタンクに回収される。
このようにして上流側のファーブラシ90によるクリー
ニングを受けた中間転写ベルト10の表面には、未だ多
くのトナーが残留している。この残留しているトナーの
ほとんどは、もともと負極性トナーであったり、ファー
ブラシ90に印加される負極性バイアスによる電荷注入
や放電により負極性に帯電されて負極性トナーになった
ものである。よって、これらのトナーは、正極性のバイ
アスが印加された下流側のファーブラシ91によりクリ
ーニングされる。そして、ファーブラシ90に転移した
トナーは、さらに電位差によりファーブラシ90から金
属ローラ92に転移し、ブレード96により掻き落とさ
れ、タンクに回収される。
【0012】次に、画像形成ユニット18Y,18C,
18M,18BKの構成について説明する。以下の説明
では、黒色のトナー像を形成する画像形成ユニット18
BKを例に挙げて説明するが、他の画像形成ユニット1
8Y,18C,18Mも同様の構成を有する。なお、画
像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKは、
少なくとも感光体ドラム20と、画像形成ユニットを構
成する構成部品や構成装置の全部又は一部とを備えたプ
ロセスカートリッジとして構成することができる。この
場合、画像形成ユニット18Y,18C,18M,18
BKを複写機本体100に対して着脱自在に構成できる
ので、メンテナンス性が向上する。
【0013】図4は、隣り合う2つの画像形成ユニット
18M,18BKの構成を示す拡大図である。なお、図
中の符号では、色の区別を示す「M」及び「BK」の記
号を省略しており、以下の説明でも記号は適宜省略す
る。画像形成ユニット18には、感光体ドラム20の周
囲に、帯電装置60、現像装置61、感光体クリーニン
グ装置63及び除電装置64が設けられている。また、
感光体ドラム20に対して中間転写ベルト10を介して
対向する位置には、1次転写装置62が設けられてい
る。
【0014】上記帯電装置60は、帯電ローラを採用し
た接触帯電方式のものであり、感光体ドラム20に接触
して電圧を印加することにより感光体ドラム20の表面
を一様に帯電する。この帯電装置60には、非接触のス
コロトロンチャージャなどを採用した非接触帯電方式の
ものも採用できる。
【0015】また、上記現像装置61は、一成分現像剤
を使用してもよいが、本実施形態では、磁性キャリアと
非磁性トナーからなる二成分現像剤を使用している。こ
の現像装置61は、攪拌部66と現像部67に大別でき
る。攪拌部66では、二成分現像剤(以下、単に「現像
剤」という。)が攪拌されながら搬送されて現像剤担持
体としての現像スリーブ65上に供給される。この攪拌
部66は、平行な2本のスクリュ68が設けられてお
り、2本のスクリュ68の間には、両端部で互いが連通
するように仕切るための仕切り板が設けられている。ま
た、現像ケース70には現像装置内の現像剤のトナー濃
度を検知するためのトナー濃度センサ71が取り付けら
れている。一方、現像部67では、現像スリーブ65に
付着した現像剤のうちのトナーが感光体ドラム20に転
移される。この現像部67には、現像ケース70の開口
を通して感光体ドラム20と対向する現像スリーブ65
が設けられており、その現像スリーブ65内には図示し
ないマグネットが固定配置されている。また、現像スリ
ーブ65に先端が接近するようにドクタブレード73が
設けられている。
【0016】この現像装置61では、現像剤を2本のス
クリュ68で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ6
5に供給する。現像スリーブ65に供給された現像剤
は、マグネットにより汲み上げて保持される。現像スリ
ーブ65に汲み上げられた現像剤は、現像スリーブ65
の回転に伴って搬送され、ドクタブレード73により適
正な量に規制される。なお、規制された現像剤は攪拌部
66に戻される。このようにして感光体ドラム20と対
向する現像領域まで搬送された現像剤は、マグネットに
より穂立ち状態となり、磁気ブラシを形成する。現像領
域では、現像スリーブ65に印加されている現像バイア
スにより、現像剤中のトナーを感光体ドラム20上の静
電潜像部分に移動させる現像電界が形成される。これに
より、現像剤中のトナーは、感光体ドラム20上の静電
潜像部分に転移し、感光体ドラム20上の静電潜像は可
視像化され、トナー像が形成される。現像領域を通過し
た現像剤は、マグネットの磁力が弱い部分まで搬送され
ることで現像スリーブ65から離れ、攪拌部66に戻さ
れる。このような動作の繰り返しにより、攪拌部66内
のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ7
1が検出し、その検出結果に基づいて攪拌部66にトナ
ーが補給される。
【0017】また、上記1次転写装置62は、1次転写
ローラを採用しており、中間転写ベルト10を挟んで感
光体ドラム20に押し当てるようにして設置されてい
る。1次転写装置62は、ローラ形状のものでなくて
も、導電性のブラシ形状のものや、非接触のコロナチャ
ージャなどを採用してもよい。また、各1次転写装置6
2の間には、中間転写ベルト10の裏面すなわち内周面
側に接触する導電性ローラ74が設けられている。この
導電性ローラ74は、1次転写時に各1次転写装置62
により印加するバイアスが、中間転写ベルト10の内周
面側の層を通じて隣接する画像形成ユニットに流れ込む
ことを阻止するものである。
【0018】また、上記感光体クリーニング装置63
は、先端を感光体ドラム20に押し当てられるように配
置される、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブ
レード75を備えている。また、本実施形態では、クリ
ーニング性能を高めるために感光体ドラム20に接触す
る導電性のファーブラシ76を併用している。このファ
ーブラシ76には、金属製の電界ローラ77からバイア
スが印加されており、その電界ローラ77にはスクレー
パ78の先端が押し当てられている。そして、クリーニ
ングブレード75やファーブラシ76により感光体ドラ
ム20から除去されたトナーは、感光体クリーニング装
置63の内部に収容される。その後、回収スクリュ79
により感光体クリーニング装置63の片側に寄せられ、
後述するトナーリサイクル装置80を通じて現像装置6
1へと戻され、再利用する。
【0019】また、除電装置64は、除電ランプで構成
されており、光を照射して感光体ドラム20の表面電位
を初期化する。
【0020】以上の構成をもつ画像形成ユニット18で
は、感光体ドラム20の回転とともに、まず帯電装置6
0で感光体ドラム20の表面を一様に帯電する。次いで
スキャナ300により読み取った画像情報に基づいて露
光装置21からレーザやLED等による書込光Lを照射
し、感光体ドラム20上に静電潜像を形成する。その
後、現像装置61により静電潜像が可視像化されてトナ
ー像が形成される。このトナー像は、1次転写装置62
により中間転写ベルト10上に1次転写される。1次転
写後に感光体ドラム20の表面に残留した転写残トナー
は、感光体クリーニング装置63により除去され、その
後、感光体ドラム20の表面は、除電装置64により除
電されて、次の画像形成に供される。
【0021】次に、本実施形態における複写機の動作に
ついて説明する。上記構成をもつ複写機を用いて原稿の
コピーをとる場合、まず、原稿自動搬送装置400の原
稿台30に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装
置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス3
2上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じ
てそれで押さえる。その後、ユーザーが図示しないスタ
ートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿
をセットしたときには、原稿がコンタクトガラス32上
に搬送される。そして、スキャナ300が駆動して第1
走行体33および第2走行体34が走行を開始する。こ
れにより、第1走行体33からの光がコンタクトガラス
32上の原稿で反射し、その反射光が第2走行体34の
ミラーで反射されて、結像レンズ35を通じて読取セン
サ36に案内される。このようにしいて原稿の画像情報
を読み取る。
【0022】また、ユーザーによりスタートスイッチが
押されると、図示しない駆動モータが駆動し、支持ロー
ラ14,15,16のうちの1つが回転駆動して中間転
写ベルト10が回転駆動する。また、これと同時に、各
画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKの
感光体ドラム20Y,20C,20M,20BKも回転
駆動する。その後、スキャナ300の読取センサ36で
読み取った画像情報に基づき、露光装置21から、各画
像形成ユニットの感光体ドラム20Y,20C,20
M,20BK上に書込光Lがそれぞれ照射される。これ
により、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20
BKには、それぞれ静電潜像が形成され、現像装置61
Y,61C,61M,61BKにより可視像化される。
そして、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20
BK上には、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、
ブラックのトナー像が形成される。このようにして形成
された各色トナー像は、各1次転写装置62Y,62
C,62M,62BKにより、順次中間転写ベルト10
上に重なり合うようにそれぞれ1次転写される。これに
より、中間転写ベルト10上には、各色トナー像が重な
り合った合成トナー像が形成される。なお、2次転写後
の中間転写ベルト10上に残留した転写残トナーは、ベ
ルトクリーニング装置17により除去される。
【0023】また、ユーザーによりスタートスイッチが
押されると、ユーザーが選択した転写紙に応じた給紙テ
ーブル200の給紙ローラ42が回転し、給紙カセット
44の1つから転写紙が送り出される。送り出された転
写紙は、分離ローラ45で1枚に分離して給紙路46に
入り込み、搬送ローラ47により複写機本体100内の
給紙路48まで搬送される。このようにして搬送された
転写紙は、レジストローラ49に突き当たったところで
止められる。なお、給紙カセット44にセットされてい
ない転写紙を使用する場合、手差しトレイ51にセット
された転写紙を給紙ローラ50により送り出し、分離ロ
ーラ52で1枚に分離した後、手差し給紙路53を通っ
て搬送される。そして、同じくレジストローラ49に突
き当たったところで止められる。
【0024】レジストローラ49は、上述のようにして
中間転写ベルト10上に形成された合成トナー画像が2
次転写装置22の2次転写ベルト24に対向する2次転
写部に搬送されるタイミングに合わせて回転を開始す
る。ここで、レジストローラ49は、一般的には接地さ
れて使用されることが多いが、転写紙の紙粉除去のため
にバイアスを印加するようにしてもよい。その印加バイ
アスには、DC電圧が用いられるが、転写紙をより均一
に帯電させるためにDCオフセット成分をもったAC電
圧を用いてもよい。なお、このようにバイアスが印加さ
れたレジストローラ49を通過した後の転写紙表面は、
若干ながら負極性に帯電する。よって、この場合、中間
転写ベルト10から転写紙への2次転写時にはレジスト
ローラ49にバイアスが印加されなかった転写紙とは転
写条件が変わるため、適宜転写条件を変更する必要が生
じる。
【0025】レジストローラ49により送り出された転
写紙は、中間転写ベルト10と2次転写ベルト24との
間に送り込まれ、2次転写装置22により、中間転写ベ
ルト10上の合成トナー像が転写紙上に2次転写され
る。その後、転写紙は、2次転写ベルト24に吸着した
状態で定着装置25まで搬送され、定着装置25で熱と
圧力が加えられてトナー像の定着処理が行われる。定着
装置25を通過した転写紙は、排出ローラ56により排
紙トレイ57に排出されスタックされる。なお、トナー
像が定着された面の裏面にも画像形成を行う場合には、
定着装置25を通過した転写紙の搬送経路を切換爪55
により切り換える。そして、その転写紙は、2次転写装
置22の下方に位置するシート反転装置28に送り込ま
れ、そこで反転し、再び2次転写部に案内される。
【0026】次に、本発明の特徴部分である、中間転写
ベルト10の蛇行補正制御について説明する。なお、本
実施形態では、中間転写ベルト10を張架する3つの支
持ローラ14,15,16のうちの第1支持ローラ14
が、ステアリングローラとして機能するので、以下、第
1支持ローラをステアリングローラと称する。図5は、
ステアリングローラ14を利用する傾斜修正手段として
の蛇行補正機構の概略構成を示す平面図である。このス
テアリングローラ14は、図中下側に位置する軸方向端
部が固定端となるようにピボット軸受14aにより揺動
かつ回動自在に軸支されている。一方、その他端となる
図中上側に位置する軸方向端部は、可動端となるように
揺動アーム5の一端に回動自在に連結されている。ま
た、揺動アーム5の長手方向中央部を支持する支軸5a
を挟んだ揺動アーム5の他端部分には、図中奥側から偏
心カム6が圧接している。この偏心カム6は、ステアリ
ングモータ4の駆動軸4a上に固定されており、ステア
リングモータ4の駆動により回転動作する。この回転動
作により、偏心カム6が回転すると、揺動アーム5が支
軸5aを中心に揺動する。この揺動により、ステアリン
グローラ14の可動軸がピボット軸受14aを中心に図
中手前側又は奥側の方向に移動し、これに連動してステ
アリングローラ14が傾き動作する。ステアリングロー
ラ14の傾き角は、偏心カム6の回転角すなわちステア
リングモータ4の駆動軸の回転角によって制御される。
なお、以下の説明において、中間転写ベルト10の幅方
向とは、図5に示すように、ステアリングローラの軸に
平行な方向をいう。また、中間転写ベルト10の幅方向
位置とは、ステアリングローラ14の固定端を基準位置
とし、固定端から可動端に向かう方向を正方向とする。
【0027】図6(a)は、ステアリングローラ14の
周辺の斜視図である。また、図6(b)は、ステアリン
グローラ14を軸方向から見たときの模式図である。図
6(b)において、中間転写ベルト10の裏面部分がス
テアリングローラ14との接触を開始する接触開始位置
を符号P1で示している。また、中間転写ベルト10の
裏面部分がステアリングローラ14から離間を開始する
離間開始位置を符号P2で示している。また、ステアリ
ングローラ14の軸中心から接触開始位置P1までの最
短距離を結ぶ直線と、その軸中心から離間開始位置P2
までの最短距離を結ぶ直線とのなす角を巻付き角と称
し、符号θで示す。
【0028】図7は、中間転写ベルト10の幅方向位置
を検出する傾斜検出手段としての2つの位置検出センサ
1,2の概略構成を示す模式図である。本実施形態にお
いて、2つの位置検出センサ1,2は、それぞれ、上記
接触開始位置P1及び上記離間開始位置P2における中
間転写ベルト10の幅方向位置を検出できるように配置
されている。この位置検出センサ1,2は、三角測量を
応用して位置検出を行う光学式センサである。位置検出
センサ1,2は、それぞれ、発光素子1a,2a、受光
素子1b,2b、光を集光するレンズ等から構成されて
いる。発光素子1a,2aから照射された光は、レンズ
を通過してベルト端面で拡散反射する。その反射光は受
光用レンズによって集光され、CCDからなる受光素子
1b,2bによって検出される。受光素子1b,2bか
ら照射された光の反射位置は、中間転写ベルトの幅方向
における位置ズレに応じて変化する。このように反射位
置が変化すると、受光素子1b,2b上の反射光検出位
置が変化する。よって、位置検出センサ1,2によれ
ば、受光素子1b,2b上の検出位置によって、中間転
写ベルトの幅方向における位置ズレを検出することがで
きる。このような位置検出センサ1,2としては、例え
ば、株式会社キーエンス製のCCDレーザ変位センサ
(LKシリーズ)を用いることができる。
【0029】なお、本実施形態のように、ステアリング
ローラ14に巻き付いたベルト部分又はその近傍の幅方
向位置を検出する場合、位置検出センサ1,2による検
出位置がステアリングローラ14の傾き動作に同期する
必要がある。このような同期をとる方法としては、例え
ば、図8に示すように、位置検出センサ1,2をステア
リングローラ14の軸に固定する構成が簡便である。
【0030】図9は、蛇行補正制御を行う傾斜修正手段
としてのベルト蛇行補正装置の制御ブロック図である。
このベルト蛇行補正装置は、上記位置検出センサ1,2
からの検出結果に基づいて、上記ステアリングモータ4
の回転制御を行う制御部3を備えている。この制御部3
は、CPU,ROM、RAM等を備えた電気回路で構成
されたものである。この制御部3には、位置検出センサ
1,2からの検出信号がデジタル信号として入力され
る。この信号入力間隔は極めて短く、制御部3には位置
検出センサ1,2からのデジタル信号が連続的に入力さ
れる。これにより、制御部3は、各位置検出センサ1,
2による検出結果(検出信号)に基づいて、図6に示し
た接触開始位置P1及び離間開始位置P2における中間
転写ベルト10の幅方向位置を連続的に認識できる。
【0031】次に、上記ベルト蛇行補正装置の制御部3
における制御動作について説明する。図1は、制御部3
における制御の流れを示すフローチャートである。ま
ず、制御部3は、第1位置検出センサ1からの検出信号
に基づいて接触開始位置P1のベルト幅方向位置L1を
サンプリングする(S1)。また、第2位置検出センサ
2からの検出信号に基づいて離間開始位置P2のベルト
幅方向位置L2もサンプリングする(S2)。そして、
このようにサンプリングした接触開始位置P1と離間開
始位置P2のベルト幅方向位置L1,L2の差分ΔLを
算出する(S3)。
【0032】ここで、上記差分ΔLの算出方法について
詳述する。図10は、ステアリングローラ14に巻き付
いたベルト部分の無端移動方向が正規の無端移動方向X
すなわちステアリングローラ14の表面移動方向に対し
て傾斜したときの模式図である。なお、図中符号Yで示
す仮想線は、ベルト幅方向を示すものである。図示のよ
うに、差分ΔLは、接触開始位置P1において、ステア
リングローラ14の表面移動方向と中間転写ベルト10
の無端移動方向とが一致しない場合すなわち傾斜した場
合に生じる。以下、この傾斜を中間転写ベルト10の傾
斜という。ここで、上記差分ΔLは、リード量と呼ば
れ、中間転写ベルト10とステアリングローラ14との
間に働く摩擦力をパラメータとしてベルトの幅方向への
変位量に対して非常に強い相関関係をもつ。なお、一般
に、中間転写ベルト10は一定の速度で無端移動するこ
とが要求されるため、3つの支持ローラ14,15,1
6と中間転写ベルト10との間に発生する滑りを極力抑
えるように設計される。具体的には、中間転写ベルト1
0と支持ローラ14,15,16との間の摩擦係数μを
高くしたり、中間転写ベルト10のテンションを高めた
りするような設計がなされている。よって、本実施形態
においては、これらの支持ローラ14,15,16の中
のステアリングローラ14と中間転写ベルト10との間
の滑りは極めて少ないものと考えることができる。した
がって、ステアリングローラ14上においては、ベルト
幅方向に滑ることなく、中間転写ベルト10が無端移動
方向に無端移動するものとみなすことができる。したが
って、接触開始位置P1に位置するベルト幅方向縁部
は、ステアリングローラ14上での中間転写ベルト10
の傾斜に応じ、その中間転写ベルト10の無端移動に伴
って離間開始位置P2に至ることになる。すなわち、上
記差分ΔLにより、ステアリングローラ14上での中間
転写ベルト10の傾斜角を正確に把握することができ
る。
【0033】図11は、中間転写ベルト10が一定速度
で無端移動しているときの接触開始位置P1のベルト幅
方向位置L1及び離間開始位置P2のベルト幅方向位置
L2の経時変化の様子を示すグラフである。なお、図示
のグラフでは、横軸を時間軸としているが、中間転写ベ
ルト10が一定速度で無端移動しているためベルト移動
距離と考えてもよい。また、縦軸は、ステアリングロー
ラ14の軸方向における各ベルト幅方向位置L1,L2
を示すものである。このベルト幅方向位置L1,L2
は、図10に示すように、ステアリングローラ14の固
定端を原点とし、その原点から各点P1,P2に位置す
る中間転写ベルト10の近い側の縁部までのローラ軸方
向(図中Y方向)距離である。また、図11のグラフ中
符号Tは、中間転写ベルトの1周期を示すものである。
【0034】本実施形態における差分ΔLは、中間転写
ベルト10上の同一点が接触開始位置P1及び離間開始
位置P2に位置するときのベルト幅方向位置L1,L2
の差分を用いている。一方で、これに限らず、同時刻に
おける接触開始位置P1及び離間開始位置P2のベルト
幅方向位置L1,L2の差分を上記差分ΔLとして用い
ることもできる。しかし、この場合、次のような理由に
より正確な上記差分ΔLを得ることができないことがあ
る。
【0035】すなわち、後者の差分を上記差分ΔLとし
て利用する場合、正確な中間転写ベルト10の傾斜角を
得るには、正規の無端移動方向へのベルト無端移動時
に、ベルト幅方向位置の検出対象がベルト幅方向に位置
ズレしないことが前提になる。なお、ここでいう検出対
象は、本実施形態における中間転写ベルト10の幅方向
縁部である。しかし、製造コストやベルト生産性を優先
した場合、シーム部分を有する無端ベルトを用いること
も多い。このような無端ベルトでは、シーム部分の形状
がベルト幅方向に膨らんでしまう。そのため、その膨ら
み部分が接触開始位置P1又は離間開始位置P2に位置
したときには、その検出結果が正確なベルト幅方向位置
を示すものとはならない。したがって、このときの差分
ΔLは正確な中間転写ベルト10の傾斜角を示すものと
はならない。また、中間転写ベルトや感光体ベルト等の
画像形成装置に用いられる無端ベルトでは、一般にシー
ム部分を有しないシームレスベルトが使用される。しか
し、シームレスベルトであっても、そのベルト幅方向縁
部をその全域にわたって真っ直ぐ形成することは困難で
あり、そのベルト幅方向縁部は緩やかにうねった状態と
なる。そのため、得られる差分ΔLは、正確な中間転写
ベルト10の傾斜角を示すものとはならない。
【0036】なお、このようにベルト幅方向縁部がシー
ム部分で膨らんでいたり、緩やかにうねっていたりする
ことは、従来のステアリング方式においても、ベルト幅
方向位置の誤検知となって表われ、正確な制御の妨げに
なっていた。すなわち、従来のステアリング方式では、
所定の箇所におけるベルトの幅方向への位置ズレをベル
トの幅方向縁部等を使って検出し、その検出結果に応じ
てステアリングローラの傾き動作の制御にフィードバッ
クしていた。この方式で、ベルトの幅方向への正確な位
置ズレを検出するには、上記と同様に、無端ベルトが蛇
行せず真っ直ぐに無端移動するときにセンサ検出対象が
ベルト幅方向に位置ズレを起こさないことが前提とな
る。したがって、ベルト幅方向縁部がシーム部分の膨ら
んでいたり、緩やかにうねっていたりすると、正確な位
置ズレを検出することができず、誤検知を招くことにな
る。
【0037】このような従来のステアリング方式におい
て誤検出をなくすには、ベルト上の任意のポイントのベ
ルト幅方向位置を検出した後、ベルトを1周させて、再
度そのポイントのベルト幅方向位置を検出すればよい。
このようにすれば、ベルト幅方向縁部がシーム部分で膨
らんでいたり、緩やかにうねっていたりしても、その影
響を受けずに、図11に示すようなベルト幅方向への正
確な位置ズレ量Kを検出することができる。しかし、こ
れでは、ベルトを1周させるまでは、ベルト幅方向への
正確な位置ズレ量Kを把握できないため、これをステア
リングローラの傾き動作にフィードバックしても、正確
な傾き動作の制御を行うことはできない。すなわち、こ
のような検出方法では、ベルトの蛇行が発生してベルト
の幅方向への位置ズレが生じた後、ベルトを1周させな
ければ、その正確な位置ズレ量Kを検出することができ
ない。これでは、ベルトの蛇行が発生してからステアリ
ングローラ14の傾き動作により蛇行修正されるまでの
タイムラグが大きすぎる。しかも、このタイムラグによ
り、ベルトの幅方向位置が目標値である正規の位置をオ
ーバーシュートすることが多くなり、ベルトの幅方向位
置を正規の位置に迅速に収束させることが困難となる。
なお、上述した誤検出を黙認してタイムラグやオーバー
シュートを回避しようとしても、従来の方式では、上述
したように、蛇行が発生してからステアリングローラの
傾き動作による蛇行修正が行われるまでにタイムラグが
生じる。そして、このタイムラグに伴い、オーバーシュ
ートも生じる。したがって、従来の方式では、いずれに
しても、ベルトの蛇行を十分に抑制することは困難であ
った。
【0038】上記のような理由から、本実施形態では、
差分ΔLとして、中間転写ベルト10上の同一点が接触
開始位置P1及び離間開始位置P2に位置するときのベ
ルト幅方向位置L1,L2の差分を用いている。なお、
図11中符号P1及びP2は、本実施形態における差分
ΔLの算出に使用されるベルト幅方向位置L1,L2の
一組の例を示すものである。図11中点P1及び点P2
の時間差は、中間転写ベルト10上の接触開始位置P1
に位置する任意の点が離間開始位置P2に到達するまで
の時間を示すものである。この時間は、ステアリングロ
ーラ14に対して滑らずに中間転写ベルト10が一定速
度で無端移動していることから、図6(b)に示した巻
付き角θをステアリングローラ14の角速度θrで除算
することで求められる。つまり、本実施形態では、上記
S2で得たベルト幅方向位置L2のデータと、そのデー
タを得た時刻よりも巻付き角θ/角速度θrの時間分だ
け前に上記S1で得たベルト幅方向位置L1のデータと
から差分ΔLを求める。このように、中間転写ベルト1
0上の同一点におけるベルト幅方向位置を2箇所の点P
1,P2で検出することで、ベルト幅方向縁部の形状に
関わらず、中間転写ベルト10の傾斜角を示す正確な差
分ΔLが得られる。
【0039】このようにして差分ΔLを算出したら(S
3)、次に、算出した差分ΔLが0よりも大きいか否か
を判断する(S4)。差分ΔLが0よりも大きい場合、
中間転写ベルト10の傾斜の様子は、図12(a)に示
すようになる。よって、制御部3は、ステアリングモー
タ4に駆動命令を出力し、ステアリングローラ14を図
中矢印Aの方向(正方向)に傾かせるように傾き動作さ
せる(S5)。一方、上記S4において差分ΔLが0よ
りも大きくないと判断した場合、次に差分ΔLが0より
も小さいか否かを判断する(S6)。差分ΔLが0より
も小さい場合、中間転写ベルト10の傾斜の様子は、図
12(b)に示すようになる。よって、制御部3は、ス
テアリングモータ4に駆動命令を出力し、ステアリング
ローラ14を図中矢印Bの方向(負方向)に傾かせるよ
うに傾き動作させる(S7)。なお、ステアリングロー
ラ14の傾きは、上記差分ΔLの絶対値に応じたものと
するのが望ましい。また、上記S6において差分ΔLが
0よりも小さくないと判断した場合、算出した差分ΔL
は0であるので、中間転写ベルト10は傾斜していな
い。よって、そのまま終了する。そして、制御部3は、
中間転写ベルト10が駆動している間、このような制御
動作を繰り返し行い、ベルトの蛇行を連続的に補正す
る。
【0040】ここで、上記制御動作では、接触開始位置
P1のベルト幅方向位置L1と離間開始位置P2のベル
ト幅方向位置L2との差分ΔLに基づいてステアリング
制御を行っている。このため、この制御動作を繰り返し
行うと、微小な蛇行の蓄積によって中間転写ベルト10
の全体が幅方向に変位し、中間転写ベルト10がローラ
から脱落するおそれがある。そこで、本実施形態では、
ベルトの脱落を防止するため、非画像形成動作時に、上
記制御動作を応用して、接触開始位置P1のベルト幅方
向位置L1を正規の位置に戻す制御動作を制御部3が行
う。すなわち、第1位置検出センサ1からの検出信号に
基づいて得られるベルト幅方向位置L1と、予め決めら
れた正規の位置L0との差分を算出し、その差分に基づ
いてステアリング制御を行う。これにより、次回の画像
形成動作時には、中間転写ベルト10は、その全体の幅
方向位置が正規の位置に戻り、微小な蛇行の蓄積がリセ
ットされる。よって、微小な蛇行の蓄積によるベルトの
脱落を防止することができる。
【0041】本実施形態では、このように、ステアリン
グローラ14上の中間転写ベルト10が傾斜するとすぐ
に、その傾斜を示す差分ΔLに基づいてステアリングロ
ーラ14の傾き動作を制御する。すなわち、本実施形態
では、ベルト蛇行の発生原因である中間転写ベルト10
の傾斜を直接的に検出し、その検出結果を制御にフィー
ドバックする。よって、ローラ上のベルト部分で傾斜が
発生することで初めて生じるベルト幅方向の位置ズレを
検出して制御する従来のステアリング方式よりも、迅速
にベルトの蛇行を補正することができる。しかも、本実
施形態では、ベルト蛇行の発生原因を制御にフィードバ
ックするので、従来のステアリング方式で生じるような
タイムラグはほとんど生じず、これによってオーバーシ
ュートも抑制できる。また、このようにベルト蛇行の発
生原因を制御にフィードバックするので、ステアリング
ローラ14の傾き動作時におけるベルトの幅方向への位
置ズレ量は、従来のステアリング方式よりも小さいもの
となる。よって、本実施形態では、ベルト蛇行の修正に
必要なステアリングローラ14の傾き角を従来のステア
リング方式よりも小さくすることができる。これによ
り、従来のステアリング方式に比べてオーバーシュート
が発生しにくくなる。また、ステアリングローラ14に
巻き付けられたベルト部分における差分ΔLに基づい
て、中間転写ベルト10の傾斜を得るので、ステアリン
グローラ14の傾き動作によるベルトの幅方向位置への
変位をすぐに検出できる。これにより、オーバーシュー
トの発生を効果的に抑制できる。
【0042】〔変形例1〕次に、上記実施形態における
位置検出センサの変形例(以下、本変形例を「変形例
1」という。)について説明する。本変形例にでは、上
記接触開始位置P1と上記離間開始位置P2における中
間転写ベルト10の縁部の幅方向位置をそれぞれ検出す
る2つの位置検出センサが設けられている。
【0043】図13は、変形例1に係る位置検出センサ
の概略構成を示す説明図である。この位置検出センサ1
01は、接触開始位置P1又は離間開始位置P2におけ
る中間転写ベルト10の幅方向縁部に接触する接触子1
02を備えている。この接触子102は、L字状部材で
あって、図示のように、そのL字が交差部分付近で支軸
103に回動自在に取付けられている。そして、この接
触子102は、付勢部材としてのスプリング104によ
り、中間転写ベルト10の幅方向縁部に接触する方向に
付勢され、その縁部に当接した状態で保持される。この
ときの当接圧は、そのベルト縁部が変形しない程度の適
度な大きさに設定されている。また、位置検出センサ1
01には、エリアレーザセンサ105が設けられてい
る。このエリアレーザセンサ105は、1対の発光素子
と受光素子とから構成され、発光素子から照射されるレ
ーザ光の受光量の変化を受光素子で検出する。この発光
素子と受光素子の間には、発光素子からのレーザ光を一
部遮るように、接触子102の中間転写ベルト10に当
接する端部とは逆の端部が位置決めされている。これに
より、接触子102が回動すると、その回転角度に応じ
て接触子102の端部によって遮られる光量が変化し、
受光素子での受光量が変化する。
【0044】ベルトの蛇行が発生すると、接触開始位置
P1又は離間開始位置P2における中間転写ベルト10
の幅方向縁部がベルト幅方向に変位する。そして、この
幅方向縁部の動きは、これに当接する接触子102の回
動動作に変換される。この回動動作によって、エリアレ
ーザセンサ105における受光素子の受光量が変化し、
その受光量の変化に応じた検出信号がエリアレーザセン
サ105から出力される。よって、そのセンサ出力によ
って、接触開始位置P1又は離間開始位置P2における
中間転写ベルト10の幅方向位置を連続的に検出するこ
とができる。なお、このようなエリアレーザセンサ10
5の代わりに、例えば、中間転写ベルト10の幅方向へ
の変位に応じて変位する接触子102の変位を検出する
ような変位センサを用いることもできる。
【0045】上記実施形態の位置検出センサ1,2は、
光学センサで中間転写ベルト縁部の幅方向位置を直接的
に検出するものであった。この場合、複写機の機内に浮
遊するトナーなどの粉塵がセンサ表面に付着するなどに
して、検出誤差が生じやすい。これに対し、本変形例
は、接触子102を利用して接触開始位置P1及び離間
開始位置P2における中間転写ベルト縁部の幅方向位置
を間接的に検出するものである。よって、位置検出セン
サのセンサ表面をセンサケーシング内にパッケージング
することが可能となる。よって、検出誤差の抑制のため
に、トナーなどの粉塵がセンサ表面に付着するのを防止
する構成を容易に得ることができる。
【0046】〔変形例2〕次に、上記実施形態における
位置検出センサの他の変形例(以下、本変形例を「変形
例2」という。)について説明する。本変形例では、接
触開始位置P1より無端移動方向上流側にズレた位置
と、離間開始位置P2より無端移動方向下流側にズレた
位置における中間転写ベルト縁部の幅方向位置をそれぞ
れ検出する2つの位置検出センサが設けられている。
【0047】図14は、変形例2に係る位置検出センサ
の概略構成を示す説明図である。なお、説明のため、上
記接触開始位置P1よりもベルト無端移動方向上流側に
ズレた位置における中間転写ベルト10の縁部の幅方向
位置を検出する位置検出センサのみを図示している。本
変形例に係る位置検出センサ201の構成は、上記変形
例1における位置検出センサ101に設けられたエリア
レーザセンサ105と同じである。そして、位置検出セ
ンサ201の発光素子202と受光素子203との間に
は、発光素子からのレーザ光を一部遮るように、中間転
写ベルト10の幅方向縁部が位置決めされている。これ
により、ベルトの蛇行が発生して中間転写ベルト10の
幅方向縁部の幅方向位置が変位すると、その変位量に応
じて遮られる光量が変化し、受光素子203での受光量
が変化する。そして、この受光量の変化に応じた検出信
号は位置検出センサ201から出力される。よって、2
つの位置検出センサ201によって、接触開始位置P1
より無端移動方向上流側にズレた位置のベルト幅方向位
置と、離間開始位置P2より無端移動方向下流側にズレ
た位置のベルト幅方向位置を連続的に検出することがで
きる。このようにして検出された結果からも、上記実施
形態と同様の差分ΔLを算出することができる。
【0048】上記実施形態及び変形例1の位置検出セン
サ1,2は、ステアリングローラ14に巻き付けられた
ベルト部分のベルト幅方向位置を検出するものであっ
た。そのため、中間転写ベルト10の振動やうねりの影
響をほとんど受けず、中間転写ベルト10の正確な傾斜
角を得ることができる。これに対し、本変形例において
は、ステアリングローラ14に巻き付いていないベルト
部分のベルト幅方向位置を検出するため、中間転写ベル
ト10の振動やうねりの影響を多少受けることになる。
しかし、本変形例のようにステアリングローラ14に巻
き付いていないベルト部分の幅方向位置を検出する構成
によれば、上記実施形態の構成に比べて位置検出センサ
の自由度を高めることができる。これにより、採用でき
る位置検出センサの選択肢が増えるので、装置の小型
化、低コスト化を図ることができる。
【0049】〔変形例3〕次に、上記実施形態における
位置検出センサの更に他の変形例(以下、本変形例を
「変形例3」という。)について説明する。本変形例で
は、上記変形例2の場合と同様の検出位置における中間
転写ベルト10の縁部の幅方向位置をそれぞれ検出する
2つの位置検出センサが設けられている。
【0050】図15は、変形例3に係る位置検出センサ
の概略構成を示す、中間転写ベルト10の裏面(内周
面)側から見た説明図である。なお、説明のため、上記
接触開始位置P1よりもベルト無端移動方向上流側にズ
レた位置における中間転写ベルト10の縁部の幅方向位
置を検出する位置検出センサのみを図示している。本変
形例においては、中間転写ベルト10の裏面における幅
方向中央部分に、ベルト無端移動方向に平行に延びる反
射テープ302が設けられている。なお、この反射テー
プ302は、ベルト無端移動方向に平行に延びるもので
あれば、幅方向中央部分でなくてもよい。本変形例に係
る位置検出センサ301は、いわゆる光学式の反射型セ
ンサであり、反射テープ302のエッジ位置を検出する
ものである。よって、ベルトの蛇行が発生して反射テー
プ302のエッジ位置の幅方向位置が変位すると、その
変位量が検出される。よって、2つの位置検出センサ3
01によって、接触開始位置P1よりも無端移動方向上
流側にズレた位置のベルト幅方向位置と、離間開始位置
P2よりも無端移動方向下流側にズレた位置のベルト幅
方向位置を連続的に検出できる。このようにして検出さ
れた結果からも、上記実施形態と同様の差分ΔLを算出
することができる。
【0051】上記実施形態並びに変形例1及び変形例2
においては、位置検出センサを中間転写ベルト10によ
り囲まれた領域の外部に配置する必要があった。これに
対し、本変形例においては、位置検出センサ301を中
間転写ベルト10により囲まれた領域内に設置すること
ができる。一般に、この領域内には比較的スペースの余
裕があるため、装置の小型化を図ることができる。
【0052】以上、本実施形態におけるベルト蛇行補正
装置は、無端ベルトである中間転写ベルト10が複数の
支持部材であるローラ14,15,16に張架されてい
る。そして、これらのローラの中のステアリングローラ
14に巻き付いたベルト部分の無端移動方向と、そのベ
ルト部分の正規の無端移動方向Xとの傾斜を示す差分Δ
Lを検出するための傾斜検出手段としての位置検出セン
サ1,2,101,201,301を備えている。ま
た、この装置は、その位置検出センサ1,2,101,
201,301による検出結果に基づいて、上記ベルト
部分の無端移動方向を正規の無端移動方向Xに修正する
傾斜修正手段としての蛇行補正機構を備えている。この
ような構成により、従来のステアリング方式で生じてい
たタイムラグやオーバーシュートがほとんどなく、しか
も中間転写ベルト10が大きく蛇行することなく安定し
たベルト駆動を実現することができる。また、本実施形
態では、中間転写ベルト10の無端移動方向における互
いに異なる2つの箇所で、ステアリングローラ14に巻
き付いたベルト部分又はその近傍のベルト幅方向位置L
1,L2をそれぞれ検出する。そして、各検出結果の差
分ΔLに基づいて上記傾斜を得る。よって、ベルトの蛇
行の発生原因である中間転写ベルトの傾斜を高い精度で
得ることができる。これにより、蛇行補正制御の精度を
向上させることができる。特に、上記実施形態の構成及
び変形例1の構成では、2つの位置検出センサが検出す
る各ベルト幅方向位置が、接触開始位置P1と離間開始
位置P2となっている。よって、ベルトの蛇行の発生原
因である中間転写ベルトの傾斜をより高い精度で得るこ
とができる。これにより、蛇行補正制御の精度を更に向
上させることができる。また、本実施形態では、複数の
ローラ14,15,16の中で、中間転写ベルト10と
の間の摩擦係数μと、その中間転写ベルト10の巻付き
角θとの積が最も大きいステアリングローラ14に巻き
付いたベルト部分についてベルト幅方向位置L1,L2
を検出している。このようなローラ14は、中間転写ベ
ルト10の幅方向位置をベルト幅方向に変位させる力を
最も強く生じさせるものであり、このローラ14の箇所
で最もベルトの蛇行が発生しやすい。したがって、この
ようなローラ14上のベルト幅方向位置L1,L2を検
出することで、最も効率よくかつ迅速にベルトの蛇行の
発生を把握することができる。よって、より適切な蛇行
補正制御を実現することができる。ここで、補足する
と、オイラーの摩擦伝導理論によれば、図16に示すベ
ルトモデルにおいて、弾性体であるベルトは、張力を与
えなくては動力が伝達されないとがいわれており、下記
の数1に示す関係式が成り立つ。この関係式において、
Ttはベルト張り側の張力、Tsは緩み側の張力、θは
ベルトの巻付き角、μはベルトとローラとの間の摩擦係
数である。この関係式からすると、上述した摩擦係数μ
と巻付き角θとの積が最も大きいローラは、張り側張力
Ttから緩み側張力Tsを減じた値である有効張力が最
も大きいローラと言い換えることもできる。
【数1】Tt/Ts = eμ・θ また、本実施形態の画像形成装置は、中間転写ベルト1
0の蛇行を補正するベルト蛇行補正装置として上述した
ベルト蛇行補正装置を用いているので、中間転写ベルト
10の蛇行によって生じる画像の色ズレを安定して防止
できる。特に、本実施形態の複写機は、非画像形成動作
時に、中間転写ベルト10のベルト幅方向位置を正規の
位置に修正する位置修正手段としての制御部3及び蛇行
補正機構を備えている。これにより、微小な蛇行の蓄積
によりベルト全体の幅方向位置のズレ量が増大していっ
たとしても、非画像形成動作中に、ベルト全体の幅方向
位置を正規の位置に戻すことができ、微小な蛇行の蓄積
をリセットできる。よって、微小な蛇行の蓄積による中
間転写ベルト10の脱落を防止することができる。
【0053】なお、本実施形態及び変形例1乃至3で
は、ステアリングローラ14に巻き付けられたベルト部
分における差分ΔLに基づいて、その差分ΔLが最小と
なるようにステアリングローラ14の傾き動作を制御す
るものであった。しかし、ベルトの蛇行の発生原因とな
る中間転写ベルト10の傾斜すなわち差分ΔLは、ステ
アリングローラ14上だけでなく、他の支持ローラ1
5,16でも生じ得る。この場合、他の支持ローラ1
5,16上における中間転写ベルト10の傾斜がステア
リングローラ14上に移動したときに初めて、ステアリ
ングローラ14の傾き動作の制御がなされる。よって、
ベルトの蛇行が発生してからステアリングローラ14の
傾き動作の制御がなされるまでの多少のタイムラグが生
じることがある。このようなタイムラグをも抑制して更
に高精度な蛇行補正制御を必要とする場合には、ステア
リングローラ14だけでなく、他の支持ローラ15,1
6においてもベルト幅方向位置の検出を行うようにして
もよい。このときには、それらの検出結果も、ステアリ
ングローラ14の傾き動作の制御にフィードバックす
る。この場合、他の支持ローラ15,16もステアリン
グローラとして構成し、各ローラ14,15,16につ
いての差分ΔLに基づき、個々にステアリング制御を行
えば、より高い精度の蛇行補正制御を実現できる。
【0054】
【発明の効果】請求項1乃至6の発明によれば、蛇行に
よるベルト幅方向位置のズレ量が小さいうちにその蛇行
を補正できるので、従来よりも効果的にベルトの蛇行を
抑制できるという優れた効果がある。この効果により、
ベルト幅方向の位置ズレが少ない状態で無端ベルトを安
定して無端移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る複写機におけるベルト蛇行補正
装置の制御部で行われる制御の流れを示すフローチャー
ト。
【図2】同複写機全体の概略構成図。
【図3】同複写機の本体部分の構成を示す拡大図。
【図4】同複写機における隣り合う2つの画像形成ユニ
ットの構成を示す拡大図。
【図5】同ベルト蛇行補正装置を構成する蛇行補正機構
の概略構成を示す平面図。
【図6】(a)は、蛇行補正機構により傾き動作される
ステアリングローラの周辺の斜視図。(b)は、同ステ
アリングローラを軸方向から見たときの模式図。
【図7】同複写機における中間転写ベルトの幅方向位置
を検出する2つの位置検出センサの概略構成を示す模式
図。
【図8】同位置検出センサがステアリングローラの軸に
固定された構成を示す説明図。
【図9】同ベルト蛇行補正装置の制御ブロック図。
【図10】同ステアリングローラに巻き付いたベルト部
分の無端移動方向が正規の無端移動方向に対して傾斜し
たときの模式図。
【図11】同中間転写ベルトが一定速度で無端移動して
いるときの接触開始位置及び離間開始位置のベルト幅方
向位置の経時変化の様子をそれぞれ示すグラフ。
【図12】(a)は、差分ΔLが0よりも大きいときの
中間転写ベルトの傾斜の様子を示す説明図。(b)は、
差分ΔLが0よりも小さいときの中間転写ベルトの傾斜
の様子を示す説明図。
【図13】変形例1に係る位置検出センサの概略構成を
示す説明図。
【図14】変形例2に係る位置検出センサの概略構成を
示す説明図。
【図15】変形例3に係る位置検出センサの概略構成を
示す、中間転写ベルト10の裏面側から見た説明図。
【図16】ベルト張力と摩擦係数との関係を説明するた
めのモデル図。
【符号の説明】
1,2,101,201,301 位置検出センサ 3 制御部 4 ステアリングモータ 5 揺動アーム 6 偏心カム 10 中間転写ベルト 14 ステアリングローラ 14a ピボット軸受 18Y,18C,18M,18BK 画像形成ユニット 20Y,20C,20M,20BK 感光体ドラム 102 接触子 104 スプリング 105 エリアレーザセンサ 302 反射テープ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の支持部材により張架される無端ベル
    トに駆動力を伝達して該無端ベルトを駆動させるベルト
    駆動装置で、該無端ベルトの無端移動方向が正規の無端
    移動方向から外れたときに生じる該無端ベルトの蛇行を
    補正するベルト蛇行補正装置において、上記複数の支持
    部材の中の少なくとも1つの支持部材に巻き付いた無端
    ベルト部分の無端移動方向と、該無端ベルト部分の正規
    の無端移動方向との傾斜を検出するための傾斜検出手段
    と、上記傾斜検出手段による検出結果に基づいて、上記
    無端ベルト部分の無端移動方向を正規の無端移動方向に
    修正する傾斜修正手段とを備えたことを特徴とするベル
    ト蛇行補正装置。
  2. 【請求項2】請求項1のベルト蛇行補正装置において、
    上記傾斜検出手段は、上記無端ベルトの無端移動方向に
    おける互いに異なる2つの箇所で、上記少なくとも1つ
    の支持部材に巻き付いた無端ベルト部分又はその近傍の
    ベルト幅方向位置をそれぞれ検出する2つの位置検出手
    段を有し、該2つの位置検出手段による各検出結果の差
    分に基づいて上記傾斜を得ることを特徴とするベルト蛇
    行補正装置。
  3. 【請求項3】請求項2のベルト蛇行補正装置において、
    上記2つの位置検出手段が検出する各ベルト幅方向位置
    は、上記無端ベルトが上記少なくとも1つの支持部材に
    接触を開始する接触開始位置と、該支持部材から離間を
    開始する離間開始位置であることを特徴とするベルト蛇
    行補正装置。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3のベルト蛇行補正装置
    において、上記少なくとも1つの支持部材は、上記複数
    の支持部材の中で、上記無端ベルトとの間の摩擦係数
    と、該無端ベルトの巻付き角との積が最も大きいもので
    あることを特徴とするベルト蛇行補正装置。
  5. 【請求項5】複数の支持部材により張架される無端ベル
    トに駆動力を伝達して該無端ベルトを駆動させるベルト
    駆動装置と、上記無端ベルトの無端移動方向が正規の無
    端移動方向から外れたときに生じる該無端ベルトの蛇行
    を補正するベルト蛇行補正装置とを備えた画像形成装置
    において、上記ベルト蛇行補正装置として、請求項1、
    2、3又は4のベルト蛇行補正装置を用いたことを特徴
    とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】請求項5の画像形成装置において、非画像
    形成動作時に、上記無端ベルトのベルト幅方向位置を正
    規の位置に修正する位置修正手段を設けたことを特徴と
    する画像形成装置。
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