JP2008129064A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度ムラや周辺部品との温度差を抑えつつ定着ローラを迅速に加熱して、プリント指令が与えられてから実際にプリントが行われるまでの時間を短縮できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】加熱開始のためのトリガー信号が与えられた際に、低温フラグが設定されておらず、定着ローラ41の温度(検出温度)が室温よりも高く、かつ定着温度及び待機温度よりも低い所定の基準温度を上回っている場合には、定着ローラ41及び加圧ローラ44を回転させずに定着ローラ41を加熱して定着温度まで昇温する。
【選択図】図3

Description

本発明は、記録材に転写された現像剤像を加熱して定着させる定着ローラを有する画像形成装置に関する。
この種の画像形成装置では、プリント指令が与えられてから実際にプリントが行われるまでの時間の短縮が求められている。また、定着時に定着ローラの温度ムラや定着ローラと周辺部品(例えば、加圧ローラ等)との間に大きな温度差があると、記録材の波打ちやカールの原因になるため、定着ローラ及びその周辺部品の温度調整技術の向上が求められている。定着時における定着ローラの温度ムラの低減に関する従来技術としては、例えば特許文献1に記載のものがある。
また、定着ローラの迅速な加熱が容易なように、定着ローラの薄肉化(低熱容量化)や、加熱手段を定着ローラの回転軸に対して偏心配置する等の対策が進められ、これによって、定着ローラ内での温度ムラや、定着ローラと周辺部品との間の温度差(加熱時に定着ローラが周辺部品よりも急激に温度が高くなる等)がさらに生じやすくなっている。
特開平11−102140号公報
そこで、本発明の解決すべき課題は、温度ムラや周辺部品との温度差を抑えつつ定着ローラを迅速に加熱して、プリント指令が与えられてから実際にプリントが行われるまでの時間を短縮できる画像形成装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明では、記録材に転写された現像剤像を加熱して定着させる定着ローラと、前記定着ローラを加熱する加熱手段と、前記定着ローラの周囲温度を検出する周囲温度判定手段と、前記周囲温度判定手段の判定結果に基づいて前記加熱手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、所定のトリガー信号が入力されると、前記周囲温度判定手段により、前記周囲温度が室温よりも高く定着温度よりも低い所定の基準温度を上回っていると判定された場合には、前記定着ローラを回転させることなく前記加熱手段を動作させて前記定着ローラを定着温度に加熱する。
また、請求項2の発明では、請求項1の発明に係る画像形成装置において、前記定着ローラの温度を検出するローラ温度検出手段をさらに備え、前記周囲温度判定手段は、前記ローラ温度検出手段を介して前記定着ローラの温度を定期的に監視し、前記検出温度が前記基準温度以下になった場合に所定の低温フラグを設定する一方、前記定着ローラによる定着処理が行われた場合に、前記低温フラグの設定状態を初期化し、前記制御手段は、前記トリガー信号の入力時に、前記低温フラグが設定されていない場合には、前記定着ローラを回転させることなく前記加熱手段を動作させて前記定着ローラを定着温度に加熱する。
また、請求項3の発明では、請求項1又は請求項2の発明に係る画像形成装置において、前記トリガー信号は、プリント指令に先立って与えられる予備加熱のための信号である。
また、請求項4の発明では、請求項3の発明に係る画像形成装置において、当該画像形成装置はコピー機能を備え、前記トリガー信号は、フラットベッドスキャナーの原稿載置部カバーの開放、自動原稿送りユニットへの原稿のセット、又は、コピーモード選択操作に伴って与えられる。
また、請求項5の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明に係る画像形成装置において、前記制御手段は、前記トリガー信号の入力時において、前記周囲温度判定手段により、前記周囲温度が前記基準温度以下になっていると判定された場合の制御動作として、前記定着ローラを回転させつつ前記加熱手段を動作させて前記定着ローラを定着温度に加熱する第1の制御態様と、前記定着ローラを回転させることなく前記加熱手段を動作させて前記定着ローラを定着温度に加熱する第2の制御態様とが切り替え可能となっている。
請求項1に記載の発明によれば、定着ローラの周囲温度が所定の基準温度を上回っている場合には、定着ローラを回転させずに定着ローラを加熱しても、温度ムラを抑えつつ定着ローラを加熱できるとともに、定着ローラを回転させないため、熱の拡散等を抑えて定着ローラを迅速に加熱できる。また、この場合には、定着ローラの周辺部品も昇温されている状態であるため、定着ローラを回転させずに定着ローラを加熱しても、定着ローラと周辺部品との温度差を抑制しつつ、定着ローラを加熱できる。これによって、温度ムラや周辺部品との温度差を抑えつつ定着ローラを迅速に加熱して、プリント指令が与えられてから実際にプリントが行われるまでの時間を短縮できる。
また、定着ローラを回転させずに加熱を行うことにより、騒音の抑制が図れるとともに、省電力化及び部品寿命の長寿命化が図れる。
請求項2に記載の発明によれば、ローラ温度検出手段の検出温度が基準温度以下になった場合に所定の低温フラグが設定され、定着ローラによる定着処理が行われると、低温フラグの設定状態が初期化されるようになっているため、低温フラグが設定されていない期間というのは、定着処理に伴って定着ローラ及びその周囲の温度が基準温度以上に昇温されてから、時間経過とともに定着ローラ及びその周囲の温度が低下して基準温度以下になるまでの期間となる。そして、定着ローラの周囲は、定着ローラよりも熱容量が大きい等の理由により、定着ローラの温度低下速度よりも遅い速度で温度が低下していく傾向にあるため、この低温フラグが設定されていない期間では、定着ローラの温度が基準温度以上あれば、定着ローラの周囲の温度も基準温度以上となっている。このため、このような低温フラグを用いて定着ローラの加熱制御を行うことにより、定着ローラの周囲温度を検出する専用の温度センサを設けなくとも、ローラ温度検出手段の検出結果を用いて定着ローラの周囲温度に対応した定着ローラの加熱制御を行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、プリント指令に先立って予備加熱のためのトリガー信号が与えられると、それに応じて定着ローラに対する加熱が開始されるため、実際にプリント指令が与えられたときに直ちにプリントを実行できる。
請求項4に記載の発明によれば、フラットベッドスキャナーの原稿載置部カバーの開放、自動原稿送りユニットへの原稿のセット、又は、コピーモード選択操作に伴って定着ローラに対する予備加熱が開始されるため、実際にコピー実行のためのスタートボタンが操作されたときに直ちにコピー(プリント)を実行できる。
請求項5に記載の発明によれば、トリガー信号入力時において、定着ローラの周囲温度が所定の基準温度以下になっている場合の制御動作として、定着ローラを回転させつつ定着ローラを定着温度に加熱する第1の制御態様と、定着ローラを回転させることなく定着ローラを定着温度に加熱する第2の制御態様とが切り替え可能となっているため、ユーザの要望に柔軟に対応することができる。
図1は本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのファクシミリ複合装置の構成を示すブロック図であり、図2は図1のファクリミリ複合装置の上部の外観構成を模式的に示す斜視図である。このファクシミリ複合装置1は、図1及び図2に示すように、周囲温度判定手段及び制御手段としての制御部11、読取部12、記録部13、表示部14、操作部15、記憶部16、モデム17、NCU18及びネットワーク通信部19等を備えている。また、このファクシミリ複合装置1の機能には、ファクシミリ機能、コピー機能、スキャナ機能、及びプリンタ機能等が含まれている。
制御部11は、このファクシミリ複合装置1の制御を統括するものであり、CPU等を備えて構成されている。
読取部12は、原稿の読み取りを行うものであり、ファクシミリ送信時の原稿の読み取りや、スキャナー機能使用時の原稿の読み取り等に用いられる。この読取部12には、原稿の読み取りを行うフラットベッドスキャナーとしての読取ユニット21と、原稿をその読取ユニット21に送る自動原稿送りユニット22とを備えている。この自動原稿送りユニット22は、図2の矢印Aで示すごとく開閉可能となっており、読取ユニット21の原稿載置面21aを覆うカバーとしての役割も担っている。
また、読取部12には、ユーザにより自動原稿送りユニット22が開放されたことを検知するための検知スイッチ12a(図3参照)と、自動原稿送りユニット22の原稿載置台22aに原稿が載置されたことを検知するための検知スイッチ12b(図3参照)とが備えられている。
記録部13は、現像ユニット31と定着ユニット32とを備え、ドキュメントデータを記録材としての記録用紙P(図3参照)にプリントするようになっている。現像ユニット31には、図示しない現像ローラが備えられ、この現像ローラを用いて、ドキュメントデータに基づいて形成されたトナー画像(現像剤像)が記録用紙Pに転写されるようになっている。
定着ユニット32は、図3に示すように、記録用紙Pに転写されたトナー画像を加熱して定着させる定着ローラ41と、定着ローラ41を加熱する加熱手段としてのヒータ42と、定着ローラ41の温度を検出するローラ温度検出手段としての温度センサ(例えば、サーミスタ)43と、定着ローラ41との間で記録用紙Pを加圧状態で挟み込む加圧ローラ44と、定着ローラ41を回転駆動するモータ45とを備えている。なお、本実施形態では、モータ45で定着ローラ41を回転駆動するようにしたが、定着ローラ41と加圧ローラ44とは互いに押圧された状態で同時に回転するため、モータ45により加圧ローラの方を回転駆動するようにしてもよい。
ヒータ42による定着ローラ41の加熱制御は、温度センサ43の検出結果等に基づいて制御部11により行われる。この制御部11による温度制御の詳細については後述する。また、制御部11はモータ45の駆動制御も行うようになっている。
定着ローラ41は、定着処理の実行時にはヒータ42により所定の定着温度(例えば、175℃)に加熱される。そして、プリント時には、定着ローラ41が定着温度に加熱された状態で、モータ45により定着ローラ41及び加圧ローラ44が回転駆動され、それらのローラ41,44の間にトナー画像が転写された記録用紙Pが送り込まれる。記録用紙Pが送り込まれると、記録用紙Pに転写されたトナー画像が定着ローラ41により加熱されて記録用紙Pに定着される。
一連のプリント処理が終了した後は、原則としてプリント終了時から所定の待機時間が経過するまでは、次回のプリント処理に迅速に対応するため、ヒータ43が動作され、定着ローラ41の温度が所定の待機温度(例えば、125℃)に維持される。そして、待機時間が経過してこの装置1の動作モードが省エネルギーモードに切り替えられると、ヒータ42がオフされるようになっている。また、ヒータ43は、この装置1の電源がオフされた場合や、紙詰まりが生じた場合等にもオフされるようになっている。ヒータ43がオフされると、定着ローラ41及びその周辺部の温度は時間経過に伴って室温に向けて低下していく。
表示部14は、液晶表示装置等によって構成され、このファクシミリ複合装置1の操作情報等の表示に用いられる。入力手段及び選択手段としての操作部15は、複数の操作ボタンやタッチパネル等によって構成され、このファクシミリ複合装置1の操作に用いられる。例えば、操作部15には、この装置1の動作モードをコピー、ファクリミリ、スキャナー等の間で切り替えるためのモード選択ボタン(例えば、コピーモードボタン15a(図3参照)が備えられている。
記憶部16は、半導体メモリ等の記憶装置を備えて構成されている。この記憶部16の記憶内容としては、スキャナ機能使用時に読み取られたドキュメントデータ、及びこの装置1の設定や保守管理等に関するデータ等が含まれている。
モデム18は、ファクシミリ通信が可能なファクシミリモデムから構成されている。また、モデム18は、NCU(Network Control Unit)17と直接的に接続されている。NCU17は、アナログの公衆電話回線網(PSTN)51との回線の閉結及び開放の動作を行なうハードウェアであり、必要に応じてモデム18を公衆電話回線網51と接続する。なお、ISDN用インタフェースを備えることにより、デジタル回線網(ISDN)に接続するようにしてもよい。
ネットワーク通信部19は、このファクリミリ複合装置1をLAN、インターネット等を含むネットワーク52へ接続するためのインタフェースとして機能し、LAN又はインターネットを介したデータの送受等を行うようになっている。
次に、図4及び図5のフローチャートを参照して、制御部11による定着ローラ41の温度検出処理について説明する。
制御部11は、温度センサ43を介して定着ローラ41の温度を定期的に監視しており、温度センサ43の検出温度が所定の基準温度以下になると低温フラグを設定(フラグ値を1に設定)するようになっている。この基準温度は、室温よりも高く、かつ、定着温度及び待機温度よりも低い温度(例えば、100℃)に設定される。
より詳細には、図4に示すように、この装置1の電源がオンされると、ステップS1で低温フラグが初期化(フラグ値に0を設定)されて、ステップS2に進み、定着ローラ41の温度検出が行われる。続くステップS3で、その検出温度が基準温度(100℃)以下か否かが判断され、検出温度が基準温度を上回っている場合にはステップS2に戻る一方、検出温度が基準温度以下である場合にはステップS4に進み、低温フラグが設定(フラグ値に1を設定)された後、ステップS2に戻る。
また、制御部11は、プリント処理が行われるのに伴って低温フラグを初期化(フラグ値に0を設定)するようになっている。すなわち、図5に示すように、ステップS11でプリント処理が開始されるとステップS12に進み、1ページのプリント処理が終了したか否かが判断され、1ページのプリント処理が終了した場合にはステップS13に進み、低温フラグが初期化(フラグ値に0を設定)される。
次に、図6のフローチャートを参照して、制御部11による定着ローラ41の加熱制御について説明する。
制御部11は、加熱開始を示す所定のトリガー信号の入力に応じ、ヒータ42をオンさせて定着ローラ41を加熱するようになっている。この場合のトリガー信号としては、プリント指令に伴って与えられる信号の他に、実際にプリント指令が与えられる前に与えられる予備加熱開始のための信号などがある。プリント指令は、操作部15内のコピースタートボタンの押圧操作時、受信ファクリミリの出力時又はネットワーク52を介したプリントジョブの受信時などに発せられるものである。また、プリント指令に先立って与えられる予備加熱のための信号としては、例えばコピー開始の所定時間前に発せられ、プリント処理の準備開始トリガーとして有効な信号が採用される。なお、予備加熱が開始されている状態で実際にプリント指令が与えられた場合には、定着ローラ41に対する加熱が継続して行われるようになっている。
本実施形態では、予備加熱のための信号として、例えば、この装置1の動作モードがコピーモードとなっている状態での検知スイッチ12aによる自動原稿送りユニット22(カバー)の開放の検知信号、同じくこの装置1の動作モードがコピーモードとなっている状態での検知スイッチ12bによる原稿載置台22a上の原稿の検知信号、及び、コピーモードボタン15aの操作に伴う信号が用いられる。
また、制御部11は、トリガー信号の入力に伴って行う定着ローラ41の加熱制御の内容を、定着ローラ41の検出温度(具体的には、温度フラグの設定状況)によって切り替えるようになっている。その加熱制御の内容について以下で説明する。
図6に示すように、ステップS21で加熱開始(又は予備加熱開始)のためのトリガー信号が入力されるとステップS22に進み、低温フラグが設定されているか否か(フラグ値が1になっているか否か)が判断され、低温フラグが設定されていない場合(フラグ値が0である場合)にはステップS23に進み、第1の加熱制御が行われる一方、低温フラグが設定されている場合(フラグ値が1である場合)にはステップS24に進み、第2の加熱制御が行われる。
低温フラグが設定されていない場合(ステップS23)におけるの第1の加熱制御では、定着ローラ41及び加圧ローラ44を回転させずに停止させた状態で、ヒータ42をオンさせて定着ローラ41の温度を定着温度にまで上昇させるようになっている。なお、低温フラグは、定着ローラ41の検出温度が基準温度以下になった場合に設定され、1頁のプリント処理が行われると初期化されるように成っているため、低温フラグが設定されていない期間というのは、プリント処理に伴って定着ローラ41及びその周囲の温度が基準温度以上に昇温されてから、時間経過とともに定着ローラ41及びその周囲の温度が低下して基準温度以下になるまでの期間となる。そして、定着ローラ41の周囲は、定着ローラ41よりも熱容量が大きい等の理由により、定着ローラ41の温度低下速度よりも遅い速度で温度が低下していく傾向にあるため、この低温フラグが設定されていない期間では、定着ローラ41の温度が基準温度以上あれば、定着ローラ41の周囲の温度も基準温度以上となっている。このため、このような低温フラグを用いて定着ローラ41の加熱制御を行うことにより、定着ローラ41の周囲温度を検出する専用の温度センサを設けなくとも、定着ローラ41用の温度センサ43の検出結果を用いて定着ローラ41の周囲温度に対応した定着ローラ41の加熱制御を行うことができるようになっている。
そして、このように定着ローラ41の検出温度が基準温度を上回っている場合には、定着ローラ41及び加圧ローラ44を回転させずに定着ローラ41を加熱しても、温度ムラを抑えつつ定着ローラ41を加熱できるとともに、定着ローラを回転させないため、熱の拡散等を抑えて定着ローラ41を迅速に加熱できるようになっている。また、この場合には、定着ローラ41の周辺部品(例えば、加圧ローラ44等)も昇温されている状態であるため、定着ローラ41及び加圧ローラ44を回転させずに定着ローラ41を加熱しても、定着ローラ41と周辺部品との温度差を抑制しつつ、定着ローラ41を加熱できるようになっている。
低温フラグが設定されている場合(ステップS24)におけるの第2の加熱制御では、定着ローラ41及びその周辺部品が低温状態にあるため、定着ローラ41及び加圧ローラ44を回転させつつ、ヒータ42をオンさせて定着ローラ41の温度を定着温度にまで上昇させるようになっている。このように定着ローラ41及び加圧ローラ44を回転させつつ定着ローラ41を加熱することにより、低温状態にある定着ローラ41の温度分布の均一化、及び定着ローラ41と低温状態にある周辺部品との温度差を抑制しつつ、定着ローラ41を加熱できる。
このステップS23又はS24による加熱制御により定着ローラ41が定着温度にまで昇温されると、プリント指令が与えられた場合には、現像ユニット31による現像処理に続いて、定着ユニット32による上述の定着処理が行われる。
以上のように、本実施形態によれば、加熱開始(予備加熱開始を含む)のためのトリガー信号が与えられた際に、低温フラグが設定されておらず、定着ローラ41の周囲温度が室温よりも高く、かつ定着温度及び待機温度よりも低い所定の基準温度を上回っている場合には、定着ローラ41及び加圧ローラ44を回転させずに定着ローラ41を加熱して定着温度まで昇温する構成であるため、上述の如く、定着ローラ41の温度ムラ及び定着ローラ41と周辺部品との温度差を抑制しつつ、定着ローラ41を迅速に加熱できる。その結果、温度ムラや周辺部品との温度差を抑えつつ定着ローラ41を迅速に加熱して、プリント指令が与えられてから実際にプリントが行われるまでの時間を短縮できる。
また、定着ローラ41及び加圧ローラ44を回転させずに定着ローラ41の加熱を行うことにより、騒音の抑制が図れるとともに、省電力化及び部品寿命の長寿命化が図れる。
また、上述の如く、低温フラグを用いて定着ローラ41の加熱制御を行うことにより、定着ローラ41の周囲温度を検出する専用の温度センサを設けなくとも、定着ローラ41用の温度センサ43の検出結果を用いて定着ローラ41の周囲温度に対応した定着ローラ41の加熱制御を行うことができる。
また、プリント指令に先立って予備加熱のためのトリガー信号が与えられると、それに応じて定着ローラ41に対する加熱が開始されるため、実際にプリント指令が与えられたときに直ちにプリントを実行できる。特に、本実施形態では、自動原稿送りユニット22(カバー)の開放、自動原稿送りユニット22への原稿のセット、又は、コピーモード選択操作に伴って定着ローラ41に対する予備加熱が開始されるため、実際にコピー実行のためのコピースタートボタンが操作されたときに直ちにコピー(プリント)を実行できる。
なお、上述の実施形態に係る図5のステップS24における処理に対する変形例として、以下のような構成が考えられる。
すなわち、加熱開始のためのトリガー信号の入力時において、低温フラグが設定されている場合の加熱制御動作として、定着ローラ41及び加圧ローラ44を回転させつつヒータ42をオンさせて定着ローラ41を定着温度に加熱する第1の制御態様と、定着ローラ41及び加圧ローラ44を回転させることなくヒータ42をオンさせて定着ローラ41を定着温度に加熱する第2の制御態様とが切り替え可能な構成としてもよい。このような構成にした場合、プリント状態の品質を重要視する場合には第1の制御態様を選択したり、あるいは、プリント処理の迅速性を優先する場合には第2の制御態様を選択したりといった具合に、ユーザの要望に柔軟に対応することができる。なお、第1及び第2の制御態様のいずれの制御態様で加熱制御を行うかは、操作部15等を介した設定操作により事前に設定されるものとする。
また、本実施形態では定着ローラ41の温度を検出する温度センサ43の検出結果等に基づいて設定される低温フラグの設定状態に基づいて定着ローラ41の周囲の温度状態を判定するようにしたが、低温フラグを用いる代わりに、温度センサ43の他に定着ローラ41の周囲温度を検出する専用の温度センサを追加してもよい。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのファクシミリ複合装置の構成を示すブロック図である。 図1のファクリミリ複合装置の上部の外観構成を模式的に示す斜視図である。 図1に示す構成の要部をより詳細に示したブロック図である。 低温フラグが設定される際の処理動作を示すフローチャートである。 低温フラグが初期化される際の処理動作を示すフローチャートである。 定着ローラに対する加熱が行われる際の処理動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ファクシミリ複合装置
11 制御部
12 読取部
13 記録部
14 表示部
15 操作部
16 記憶部
17 NCU
18 モデム
19 ネットワーク通信部
21 読取ユニット
22 自動原稿送りユニット
31 現像ユニット
32 定着ユニット
41 定着ローラ
42 ヒータ
43 温度センサ
44 加圧ローラ
45 モータ

Claims (5)

  1. 記録材に転写された現像剤像を加熱して定着させる定着ローラと、
    前記定着ローラを加熱する加熱手段と、
    前記定着ローラの周囲温度を検出する周囲温度判定手段と、
    前記周囲温度判定手段の判定結果に基づいて前記加熱手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、所定のトリガー信号が入力されると、前記周囲温度判定手段により、前記周囲温度が室温よりも高く定着温度よりも低い所定の基準温度を上回っていると判定された場合には、前記定着ローラを回転させることなく前記加熱手段を動作させて前記定着ローラを定着温度に加熱することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記定着ローラの温度を検出するローラ温度検出手段をさらに備え、
    前記周囲温度判定手段は、前記ローラ温度検出手段を介して前記定着ローラの温度を定期的に監視し、前記検出温度が前記基準温度以下になった場合に所定の低温フラグを設定する一方、前記定着ローラによる定着処理が行われた場合に、前記低温フラグの設定状態を初期化し、
    前記制御手段は、前記トリガー信号の入力時に、前記低温フラグが設定されていない場合には、前記定着ローラを回転させることなく前記加熱手段を動作させて前記定着ローラを定着温度に加熱することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、
    前記トリガー信号は、プリント指令に先立って与えられる予備加熱のための信号であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3に記載の画像形成装置において、
    当該画像形成装置はコピー機能を備え、
    前記トリガー信号は、フラットベッドスキャナーの原稿載置部カバーの開放、自動原稿送りユニットへの原稿のセット、又は、コピーモード選択操作に伴って与えられることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、前記トリガー信号の入力時において、前記周囲温度判定手段により、前記周囲温度が前記基準温度以下になっていると判定された場合の制御動作として、前記定着ローラを回転させつつ前記加熱手段を動作させて前記定着ローラを定着温度に加熱する第1の制御態様と、前記定着ローラを回転させることなく前記加熱手段を動作させて前記定着ローラを定着温度に加熱する第2の制御態様とが切り替え可能となっていることを特徴とする画像形成装置。
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