上記特許文献1では、省エネモード時に、操作部電源ボタンが押されると、操作パネルの電源が立ちあがり、所望の機能ボタンを押すことができる。さらに、選択された機能の復帰信号を受けてシステムが必要な部分のみの電源を復帰するようになっている。すなわち、操作部電源ボタンを押しても装置全体の電源が立ちあがらず、操作パネルのみの電源が立ちあがり、選択された機能を判定して必要な機能の電源のみを起動させるようになっている。
上記特許文献2では、画像形成装置がスリープ状態から復帰する設定は次のようになっている。すなわち、いずれかの機能キーが押されて所定時間(0.1秒)内に操作部電源キーが押されたとき、または、操作部電源キーが押されて所定時間(3秒)以内に諸機能キーが押されたとき、二つのキーが同時に押されたと判断して選択された機能部分のみを起動する。操作部電源キーが押されて所定時間内に、いずれかの機能キーが押されなければ装置全体を起動し、いずれかの機能キーが押されても操作部電源キーが所定時間内に押されなければスリープ状態が保たれる。
例えば、スキャナのみを復帰したいときにはスキャナ機能キーと操作部電源キーを同時に押すことで、スキャナ機能以外はスリープ状態のまま、スキャナ機能だけを起動することができる。これにより所望の機能のみを起動させ、使わない機能はスリープ状態のままにしておくことができるので、無駄な電力を削減できる。
従来の技術では、上記のように、使用の際、ユーザーが所望する機能のみを起動させて電力削減を図っている。しかし、管理者が、装置設置時、ネットワーク設定、アドレス帳の登録・設定、用紙等の初期設定を行う必要があり、また、メンテナンス時にはカウンター点検、システム情報の把握が必要である。
管理者は操作パネルから管理者IDとパスワードを入力した後これらの作業を行うため、長い時間が必要となる。従来の技術では、省エネモード時からの復帰の電力削減を図っているが、保守点検時の電力削減を明示するものではない。
また、従来の技術ではスキャナ機能を使用して画像を記憶手段に書き込み、当該画像をコンピュータで編集するときに、スキャナに関するすべての機能に電源が入ったままの状態になっており、省エネ機能としては不十分であった。
本発明は、操作パネルからの管理者設定作業時、あるいは記憶装置に収納された画像等をコンピュータで編集中に必要は機能のみの電源を立ち上げ、不必要な機能についてはスリープ状態にして、管理者設定作業あるいは編集作業を行うことのできる画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、以下の技術的手段を採用している。本発明に係る画像形成装置は、ユーザーにより、自装置に備えられた機能に対応するキーを有する操作部を介して、所定のキーが選択されると、当該キーの機能が、前記操作部で実現(実行)することが可能な特定機能であるか否かを判定する判定手段と、前記キーの機能が前記特定機能であると判定されると、当該特定機能以外の機能を実現する駆動部が、待機中の消費電力を抑えるスリープ状態の消費電力量よりも大きい消費電力量である通常状態であるか否かを判定するスリープ状態判定手段と、前記通常状態であると判定された駆動部をスリープ状態に移行させるスリープ状態制御手段とを備える。
当該構成により、ユーザーが、操作部を介して、特定機能に対応するキーを選択すると、当該特定機能以外の機能に関する駆動部がスリープ状態へ移行することとなるため、機能実現に寄与しない不必要な駆動部の通常状態による無駄な消費電力を削減することが可能となる。又、通常、上述した特定機能では、操作部を介して、ユーザーが様々な条件の入力を行なうのであるが、当該入力作業には、相当の時間を要するのがほとんどであるため、当該入力作業中に、不必要な駆動部をスリープ状態へ移行させることによって、無駄な消費電力を大きく削減することが可能となる。
尚、前記機能には、例えば、コピー機能、ファクシミリ送受信機能、プリント機能、スキャン機能、ネットワーク送受信機能、パーソナルコンピュータ送受信機能、自動原稿読取機能、管理者設定機能、プログラム機能、システム機能、画像データ編集機能、後処理機能、課金設定機能等が該当する。
又、前記機能を実現する駆動部は、例えば、操作部、画像読取部、画像形成部、用紙搬送部、通信部、後処理部等が該当する。
又、前記通常状態は、例えば、待機状態、スタンバイ状態とも呼ばれることがある。
又、前記スリープ状態制御手段は、前記駆動部をスリープ状態に移行させた後に、前記操作部が前記特定機能の実現を完了すると、スリープ状態である駆動部を通常状態に移行させるよう構成することができる。
当該構成により、ユーザーが、操作部を介して、特定機能の実現を完了すると、当該操作部以外の駆動部が通常状態へ移行されるため、例えば、当該ユーザーが、継続して特定機能以外の機能を画像形成装置に実現させたい場合には、即時に当該機能を画像形成装置に実現させることが可能となり、ユーザーに対する利便性を向上させることが可能となる。
更に、ユーザーにより、前記特定機能のキーが選択されると、当該特定機能が実現される前記操作部を介して、ユーザーから、前記駆動部をスリープ状態に移行させるための移行キーの選択を受け付けるキー受付手段を備え、前記スリープ状態判定手段は、前記キー受付手段が前記移行キーの選択を受け付けている場合に限り、前記駆動部が前記通常状態であるか否かを判定するよう構成することができる。
当該構成により、ユーザーが、特定機能の実行(操作部を介して行なう様々な条件の入力)に慣れて、当該実行に要する時間を短縮出来る場合に、ユーザーが、前記移行キーを選択しなければ、前記駆動部がスリープ状態に移行することなく、通常状態のままで、当該実行を行なうことが可能となる。つまり、前記移行キーを選択しないことにより、前記駆動部がスリープ状態へ移行したり通常状態へ復帰したりする動作を省略することが可能となり、当該移行に要する時間を削減することが可能となる。そのため、当該移行に要する時間の発生により、画像形成装置全体の生産性の悪化を防止することが可能となる。一方、ユーザーが、前記移行キーを選択すれば、前記駆動部が通常状態である場合に、当該駆動部をスリープ状態へ移行させることとなる。そのため、ユーザーの自由な前記移行キーの選択により、前記駆動部をスリープ状態へ移行させるか否かを調整することが可能となるから、ユーザーに対する操作性を向上させることが可能となる。
更に、前記キー受付手段が前記移行キーの選択を受け付けていない場合に、ユーザーにより、前記特定機能のキーが選択されると、当該キーが選択された時点からの経過時間を計時する計時手段と、計時された経過時間が、予め設定された待機時間を超過するか否かを判定する待機時間判定手段と、前記経過時間が前記待機時間を超過した場合、ユーザーに、前記移行キーの選択を促すキー選択促し手段とを備えるよう構成することができる。
当該構成により、仮に、ユーザーが、自分で特定機能の実行に慣れていると認識していたとしても、当該特定機能の実行に、前記待機時間以上の時間を要する場合には、前記移行キーの選択が促される。そのため、ユーザーに、自分の認識(感覚)だけで、前記移行キーの選択を判断させるのではなく、客観的な待機時間を基準として、当該移行キーの選択を判断させることが可能となる。その結果、ユーザーに、適切に移行キーを選択させ、ユーザーへの操作性を損なうことなく、上述した省電力効果を得ることが可能となる。
更に、ユーザーから、前記操作部を介して、所定のキーの選択を受け付ける際に、ユーザーを識別するユーザー識別情報の入力を受け付けて、ユーザーを認証する認証手段を備え、前記キー受付手段は、ユーザーから、前記移行キーの選択を受け付けると、前記認証手段が受け付けたユーザー識別情報と関連付けて、当該移行キーの選択を受け付け、前記スリープ状態判定手段は、前記認証手段がユーザーを認証した際に、前記キー受付手段が当該認証手段により受け付けたユーザー識別情報と関連付けて前記移行キーの選択を受け付けている場合に限り、前記駆動部が前記通常状態であるか否かを判定するよう構成することができる。
当該構成により、ユーザー毎に、前記駆動部のスリープ状態移行を管理することが可能となり、ユーザー毎の利便性を損なうことなく、上述した省電力効果を得ることが可能となる。
又、前記特定機能が、少なくとも管理者設定機能、プログラム機能、システム機能を含むよう構成することができる。
前記管理者設定機能とは、例えば、予め登録されたユーザー(例えば、管理者)により入力された、認証情報に関する管理条件等の所定の管理条件を設定する機能であり、前記プログラム機能とは、所定のユーザーにより入力されたコピー設定条件(コピー実行条件)等の所定の実行条件を設定する機能であり、前記システム機能とは、所定のユーザーにより入力されたアクセス許容条件、アクセス禁止条件等の所定のネットワーク条件を設定する機能である。
当該構成により、前記特定機能を、管理者設定機能、プログラム機能、システム機能とすると、当該管理者設定機能、当該プログラム機能、当該システム機能を実現する際に、ユーザーが操作に要する時間が長時間に渡ることが通常であるため、より効果的に無駄な消費電力を削減することが可能となる。
又、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することができる。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。
又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成することもできる。又、当該プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、例えば、システムメニューキーを押して、管理者設定機能に対応する管理者設定モードに入ったとき、管理者による設定作業時に必要な部分のみについて電源を入れ、スキャナ、プリンタ等の他の各機能を実現する駆動部をスリープ状態にして、管理者設定作業を行うことになり、省電力が可能となる。
<本発明が適用される画像形成装置>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。
図1は、本発明に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。
図1に示すように、複合機100は、画像読取部120および画像形成部140を含む本体101と、本体101の上方に取り付けられたプラテンカバー105とを備える。
ユーザーが、複合機100を利用して、例えば、原稿Pを印刷する場合、原稿Pを原稿台103或いは原稿トレイ102に配置し、原稿台103近傍に備えられた操作部200(操作パネルともいう、後述する)に対して印刷の指示を行う。ユーザーは前記操作部200を介して、例えば、コピー設定条件(枚数、サイズ等)を複合機100に入力する。前記操作部200を介してコピー設定条件とコピーの指示とが入力されることによって、以下に示す各部(駆動部)が動作し、コピー機能が実現される。尚、複合機100に備えられた他の機能、例えば、ファクシミリ送信機能、スキャン機能等も同様である。
本体101の上面に設けられた原稿台103はプラテンカバー105によって開閉されるようになっている。また、プラテンカバー105は、原稿搬送部106と原稿トレイ102と排紙トレイ107を備えている。
原稿台103の下方には、画像読取部120が設けられている。画像読取部120は、原稿の画像を読み取りその画像のデジタルデータを生成する。原稿は、原稿台103に載置することができ、当該原稿台103の下方には走査光学系が配置されている。すなわち、光源112からの光を原稿に照射し、その反射光をミラー114、116A,116Bを介して集光レンズと一体に組み込まれたラインイメージセンサ121に集光するようになっている。この走査光学系は上記光源112、ミラー114、116A,116Bがキャリッジ機構で、上記原稿台103に載置され原稿の下側を副走査方向に移動するようになっており、また、上記イメージセンサ121は主走査方向に原稿をスキャンするので、上記原稿を2次元に読みとることになる。
また、原稿は、プラテンカバー105上の原稿トレイ102に載置することもできる。プラテンカバー105上には、更に、原稿搬送部106が備えられ、原稿トレイ102にセットされた原稿を1枚ずつ搬送路へ送り出すようになっている。
原稿トレイ102にセットされた原稿の画像を読み取る場合、原稿が画像読取位置Pを通過するとき、光源112は原稿を照明する。光源112からの光は、原稿台103を透過して原稿読取位置Pを通過する原稿において反射し、上記と同様、ミラー114、116A,116B、集光レンズによってイメージセンサ121に導かれる。
イメージセンサ121は、受光した光に基づいて、例えば、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の電気信号を生成する。画像読取位置Pを通過した原稿は、排紙ローラ115により排紙トレイ107に排出される。
画像形成部140は、画像読取部120で得た画像データや、ネットワークに接続された他の機器(図示せず)からネットワークアダプタを介して受信した画像データを用紙に印刷する。
画像形成部140は、感光体ドラム122を備える。感光体ドラム122は一定速度で一方向に回転する。感光体ドラム122の周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器123、露光器124、現像器125、中間転写ベルト126が配置されている。帯電器123は、感光体ドラム122の表面を一様に帯電させる。露光器124は、一様に帯電した感光体ドラム122の表面に、画像データに応じて光を照射し、感光体ドラム122上に静電潜像を形成する。現像器125は、その静電潜像にトナーを付着させ、感光体ドラム122上にトナー像を形成する。中間転写ベルト126Aは、感光体ドラム122上のトナー像を用紙に転写する。画像データがカラー画像である場合、中間転写ベルト126Aは、各色のトナー像を同一の用紙に転写する。
画像形成部140は、給紙カセット132、133、134等から、中間転写ベルト126Aと転写ローラ126Bとの間の転写部に用紙を給送する。各給紙カセット132、133、134には、様々なサイズの用紙を載置または収容することができる。画像形成部140は、ユーザーの指定した用紙や、自動検知した原稿のサイズに応じた用紙を選択し、選択した用紙を給送ローラ135によりカセット132、133、134から引き出す。引き出した用紙は搬送ローラ136やレジストローラ137で転写部に送り込む。トナー像を転写した用紙は、搬送ベルト127により定着器128に搬送される。定着器128は、ヒータを内蔵した定着ローラ129および加圧ローラ130を有しており、熱と押圧力によってトナー像を用紙に定着する。画像形成部140は、定着器128を通過した用紙を排紙トレイ131へ排紙する。
図2は、本発明に係る複合機が備える操作パネルの外観の一例を示す図である。
操作パネル200(操作部)は、入力手段としてのテンキー201、コピーやスキャンの動作開始や設定動作処理開始を指示するスタートボタン202、本機のスリープ状態への移行・復帰を行う操作部電源キー203、タッチパネルにコピー・送信・文書ボックス等の指示画面を表示させるための各種機能ボタン(機能キー)204、管理者設定モードへの移行をするためのシステムメニューを表示させるシステムメニューキー205を備えている。尚、前記機能キーは、複合機100に備えられた機能に対応するキーである。
ユーザーが機能ボタンから例えばコピーボタン204aを選択すると、タッチパネルに予め設定されたコピー倍率、濃度値、用紙タイプが表示され(図2、参照符号206)、ユーザーはその状態や設定を確認したのち、スタートボタン202を押してコピーを行うようになっている。
各種の機能キーまたは操作部電源キー203が押されたとき、タッチパネル206に表示される画面(初期画面)やよく使う用紙のタイプやコピーモードの設定は、予め管理者が行う必要がある。また、ユーザー管理のためのユーザー登録、ネットワークを介してデータを送信するためのネットワーク設定、また、ファックス送信の宛先登録等の作業も必要である。これら設定は、操作パネル200(操作部)に設けられたシステムメニューキー205を押し、タッチパネルにシステムメニュー(図5参照)を表示させて、必要な事項の入力を行うようになっている。
図3は、本発明に係る複合機の制御系のハードウェア構成図である。
本実施形態の複合機100は、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304および原稿搬送部106、画像読取部120、画像形成部140における各駆動部に対応するドライバ305が内部バス306を介して接続されている。ROM303やHDD304等はプログラムを格納しており、CPU301はその制御プログラムの指令にしたがって複合機100を制御する。例えば、CPU301はRAM302を作業領域として利用し、ドライバ305とデータや命令を授受することにより上記各駆動部の動作を制御する。また、HDD304は、画像読取部120により得られた画像データや、他の機器からネットワークアダプタを通じて受信した画像データの蓄積にも用いられる。
内部バス306には、操作パネル200や各種のセンサも接続されている。操作パネル200は、ユーザーの操作を受け付け、その操作に基づく信号をCPU301に供給する。また、タッチパネル206は、CPU301からの制御信号に従って上述の操作画面を表示する。また、センサは、プラテンカバー102の開閉検知センサや原稿台103上の原稿検知センサ、定着器148の温度センサ、搬送される用紙または原稿の検知センサなど各種のセンサを含む。CPU301は、例えばROM303に格納されたプログラムを実行することで、以下の各手段を実現するとともに、これらセンサからの信号に応じて各手段の動作を制御する。
<本発明の第一の実施形態>
図4は、本発明の複合機の機能ブロック図であり、図6は、本発明に係る動作手順を示すフロー図である。
複合機100を特定の事業所等に設置する場合、本体電源(操作部電源キー203とは異なる)をON(図6:S101)すると複合機100の本体101に電源が入る。また、操作部電源キー203を押すと操作部パネル200(操作部)のみが起動する(図6:S102)。このとき、操作パネル200はデフォルトに設定された画面を表示する。
上記の状態で、システム管理者、例えばサービスマンが、各種設定をするために、操作パネル200上に設けられたシステムメニューキー205を押すと(図6:S103)、認証手段401は、操作が管理者か否かを判定するために、ログイン画面(図示を省略)を表示する。ここで、デフォルトで設定されている管理者ログインユーザー名adminと、ログインパスワードadminを入力すると、認証手段401は、ユーザーが管理者であると判定して(図6:S104)、タッチパネルに、図5に示すシステムメニュー500として原稿/用紙設定をするための「共通設定」、コピー機能の設定をするための「コピー」、送信時の原稿設定のための「送信」、プリンタの初期設定を行うための「プリンタ」、複合機内の文書ボックス及びUSB接続された外部メモリの初期設定を行うための「文書ボックス/外部メモリ」、本機の設定や状態を確認するレポートの印刷設定用「レポート」、印刷品質についての調整や本機メンテナンスのための「調整メンテナンス」、本機の日付やタイマーについて設定する「日付/タイマー」、アドレス帳やワンタッチキーの登録編集用「宛先編集」、インターネットブラウザの設定用「インターネット」、アプリケーションのインストール及び起動するための「アップリケーション」の項目を表示する。
上記表示と同時に、認証手段401は、判定手段402に管理者設定モードである旨を通知し、当該通知を受けた判定手段402は、予め所定のメモリに記憶されているモードテーブル(特定機能テーブル)を参照する。前記モードテーブルには、操作パネル200で実現することが可能な特定機能に対応する特定機能モードが記憶されている。前記モードテーブルを参照した判定手段402は、受け付けた管理者設定モードが、当該モードテーブルに記憶されている特定機能モードに含まれるか否か(前記モードテーブルに記憶された特定機能モードと、受け付けたモードとが一致するか否か)を判定することにより、ユーザーにより、操作パネル200を介して、特定機能が選択されたか否かを判定する(図6:S105)。
前記判定手段402が、管理者設定モードが特定機能モードと一致すると判定すると(管理者設定モードが選択されたと判定すると)(図6:S105YES)、スリープ状態判定手段403を起動して、当該管理者設定モード以外の機能(モード)を実現する駆動部が、待機中の消費電力を抑えるスリープ状態の消費電力量(約0W)よりも大きい消費電力量(数十〜数百W)である通常状態(スタンバイ状態、待機状態)であるか否かを判定する(図6:S106)。当該判定方法は、例えば、スリープ状態判定手段403が、操作部以外の駆動部、例えば、画像読取部120、画像形成部140、原稿搬送部106等と通信して、各駆動部がスリープ状態であるか通常状態であるかを検知する方法が挙げられる。スリープ状態判定手段403は、未だに通常状態である駆動部については当該駆動部の識別情報を取得しておく。スリープ状態判定手段403は、複合機100に備えられている駆動部の全てについて、上述した判定を実行する。
尚、前記判定手段402が、ユーザーにより選択された機能キー(モード)が特定機能モードと一致しないと判定すると(図6:S105NO)、当該機能キーに対応する駆動部が機能を実現することとなるが、上述したスリープ状態判定手段403は、起動しない。
さて、スリープ状態判定手段403による判定が完了し(図6:S106)、当該スリープ状態判定手段403が、特定機能モード以外の機能を実現する駆動部が通常状態であると判定すると(図6:S106NO)、スリープ状態制御手段404を起動して、通常状態である駆動部(例えば、識別情報)を当該スリープ状態制御手段404に通知する。当該通知を受けたスリープ状態制御手段404は、通常状態である駆動部の通常状態をスリープ状態に移行させる(図6:S107)。具体的には、管理者設定モードでは使わない機能(プリント機能、スキャン機能等)を実現する画像読取部120、画像形成部140、原稿搬送部106が、通常状態である場合、スリープ状態制御手段404が、通常状態の画像読取部120、画像形成部140、原稿搬送部106にスリープを指示し、当該画像読取部120、当該画像形成部140、当該原稿搬送部106をスリープ状態へ移行させる。この状態で管理者は設定作業を進めることになる(図6:S108)。
一方、前記スリープ状態判定手段403が、特定機能モード以外のモードを実現する駆動部が既にスリープ状態であると判定すると(図6:S106YES)、スリープ状態制御手段404を起動することはない。この場合は、操作部以外の駆動部は全てスリープ状態に移行しているため、管理者はこの状態で設定作業を進めることになる(図6:S108)。
この場合は、具体的には、電源投入してからしばらく放置すると(電源投入した時点からスリープ移行時間が経過すると)、本体はスリープ状態に移行するようになっているが、この状態で、前記システムメニューキー205が押されたときには、既にスリープ状態判定手段404が、操作パネル200以外の駆動部がスリープ状態を形成しているか否かの情報を得て、スリープ状態であるときにはそのままその状態を維持(図6:S106YES)した状態で、上記管理者による設定作業が実行されることが該当する(図6:S108)。
尚、プリント機能、スキャン機能に対応する各駆動部がスリープ状態で、システムメニューから選択された各種設定を行うとその設定は、例えば、設定手段409により記憶手段405に記憶され(図6:S108)、読取り手段406、送信手段407や画像形成手段408が起動したとき、アップリケーションがその設定内容を記憶手段405から参照して実行するようになっている。
尚、上述した管理者が各種設定作業を終了するために要する作業時間は、通常、相当の時間、例えば、1時間以上掛かるため、仮に、当該時間の間、操作部以外の駆動部、例えば、定着器を含む画像形成部140が通常状態である場合、その消費電力量は著しく大きなものとなる(例えば、数十〜数百Wh)。本発明では、当該消費電力量をそのまま削減することが可能となるため、無駄な消費電力を著しく削減することが可能となる。
さて、管理者が、各種設定作業を終了して、所定の機能キー204(例えば、初期画面へ移行するコピーキー)を押下すると、認証手段401又は設定手段409がタッチパネル上に初期画面を表示させることになるが、前記スリープ状態制御手段404は、初期画面への移行を検知して(図6:S109YES)、既にスリープ状態である駆動部(画像読取部120、当該画像形成部140、当該原稿搬送部106)を通常状態へ移行させる(図6:S110)。これにより、例えば、管理者が、継続してコピー機能を実行する場合、複合機100が即時に当該コピー機能を実行(実現)することが可能となる。
尚、上述した実施形態では、認証手段401が、判定手段402に管理者設定モードである旨を通知した段階で、当該判定手段402が所定の判定を実行するよう構成したが(図6:S105)、当該認証手段401が認証する前の段階、例えば、ユーザーにより所定の機能キーが押下された段階で、前記判定手段402が当該機能キーの押下を検知し、又は当該機能キーが押下された旨の通知を受けて、上述した判定を実行するよう構成しても構わない(図6:S105)。
又、前記判定手段402が、上述した特定機能テーブルを用いて、ユーザーにより選択されたキーの機能が、特定機能であるか否かを判定するよう構成したが、他の構成であっても構わない。
本発明は、他の実施形態として、例えば、スキャン機能を用いて記憶手段(例えばHDD)405に読み込まれた画像データをコンピュータ又は操作パネル200で編集する場合にも適用することができる。すなわち、スキャン機能を用いて読み取られた画像データは、一旦、記憶手段405に記憶されることになる。この記憶手段405に収納されたデータをコンピュータに伝送して、当該コンピュータで編集作業をする場合、又は当該データを操作パネル200上に表示して、当該操作パネル200上で編集作業をする場合がある。この編集作業は、相当の時間(例えば、1時間以上)を要するのが通例である。そこで、前記判定手段403は、電源がONの状態で、伝送キーが押されたか否か、又は表示キーが押下されたか否かを検出し、当該伝送キー又は当該表示キーの機能が、前記特定機能であると判定し、上述したスリープ状態判定手段403が、前記記憶手段を含む操作部(操作パネル200)以外の駆動部が通常状態であるか否かを判定し、スリープ状態制御手段404が、通常状態であると判定された駆動部(例えば、直前に使用していた、スキャン機能を実現する画像読取部120)をスリープ状態に移行させることになる。
当該構成により、スキャナから取り込んだ画像を編集している間も、他の不必要な機能を実現する駆動部(例えば、画像読取部120)をスリープ状態にすることが可能となるため、不必要な電力を消費することがなく、消費電力の一層の低減することができる。
上記のように構成することによって、管理者設定時、又は画像編集時における不要な機能を停止することができるので、消費電力を削減でき、環境にやさしい構造となっている。
<本発明の第二の実施形態>
次に、図7−図9を参照しながら、第二の実施形態の複合機100が、省電力を実現できる手順について説明する。第一の実施形態と比較して、第二の実施形態の異なる点は、更に、ユーザーにより、前記特定機能のキーが選択されると、当該特定機能が実現される前記操作部を介して、ユーザーから、前記駆動部をスリープ状態に移行させるための移行キーの選択を受け付けるキー受付手段を備え、前記スリープ状態判定手段は、前記キー受付手段が前記移行キーの選択を受け付けている場合に限り、前記駆動部が前記通常状態であるか否かを判定する点である。
その他の点については、第一の実施形態と同様であるため、第一の実施形態の説明において用いた図面(図4、図5など)も適宜参照しながら、第二の実施形態について説明する。図7は、本発明の第二の実施形態に係る複合機100の機能ブロック図である。図8は、本発明の第二の実施形態に係る動作手順を示す第一のフロー図である。図9は、本発明の第二の実施形態に係る動作手順を示す第二のフロー図である。
先ず、管理者(ユーザー)が、複合機100の電源を投入すると(図8:S201)、操作部200が起動し、前記デフォルト画面を表示する(図8:S202)。管理者は、当該デフォルト画面を見ながら、システムメニューキー205を押下すると(図8:S203)、当該システムメニューキー205の選択を受けた認証手段401が、前記ログイン画面を表示する(図8:S204)。そして、管理者は、前記ログイン画面を見ながら、自己の管理者ログインユーザー名(ユーザー識別情報、例えば、「ユーザーA」)と、自己のログインパスワード(例えば、「abc」)とを入力すると、認証手段401は、入力されたユーザー名(「ユーザーA」)と、ログインパスワード(「abc」)と、予め設定された設定ユーザー名と、設定ログインパスワードとに基づいて、入力者(ユーザー)が管理者であると判定して(図8:S204YES)、図10(A)に示すように、タッチパネル上に、所定数の機能項目(例えば、「共通設定」、「調整メンテナンス」など)が選択可能に表示されたシステムメニュー1000を表示する。尚、システムメニュー1000が表示されることは、複合機100がシステムメニューモード、つまり、管理者設定モードに移行したことに対応する。
又、前記認証手段401は、その旨をキー受付手段701に通知し、当該通知を受けたキー受付手段701は、前記駆動部をスリープ状態に移行させるための移行キー1001(スリープ状態移行キー)を選択可能にシステムメニュー1000に表示する。ここで、キー受付手段701が、前記移行キー1001を表示する際に、既に、前記認証手段401により認証されたユーザー名(「ユーザーA」)と関連付けて、当該移行キー1001の選択を受け付けている場合は、例えば、当該移行キー1001の背景色を白色からグレー色に表示して、管理者に当該移行キー1001は、既に選択されていることを伝えるよう構成してもよい。未だに前記移行キー1001が選択されていない場合は、当該移行キー1001の背景色を白色で表示する。尚、ユーザー名と、移行キーの選択とを関連つける方法は、例えば、管理テーブルなどを用意して、キー受付手段701が、ユーザー名と、移行キーの選択を示す情報(例えば、選択の場合は「1」、未選択の場合は「0」など)とを当該管理テーブルに記憶させる方法が挙げられる。又、本実施形態では、背景色が白色の状態(未選択の状態)で移行キー1001が選択されると、キー受付手段701が当該移行キーの選択を受け付け、背景色がグレー色の状態(既選択の状態)で移行キー1001が選択されると、キー受付手段701が当該移行キーの選択を解除するよう構成される。
ここで、前記認証手段401は、判定手段402に管理者設定モードである旨を通知し、当該通知を受けた判定手段402は、前記特定機能テーブルを参照して、受け付けた管理者設定モードが、当該特定機能テーブルに記憶されている特定機能モードに含まれるか否かを判定する(図8:S205)。
前記判定手段402が、管理者設定モードが特定機能モードと一致すると判定すると(図8:S205YES)、その旨をスリープ状態判定手段403に通知する。当該スリープ状態判定手段403は、前記キー受付手段701と通信し、当該キー受付手段701が、認証された管理者のユーザー名(「ユーザーA」)と関連付けて、前記移行キー1001の選択を従前に受け付けているか否かを判定する(図8:S206)。
当該判定の結果、前記キー受付手段701が、管理者のユーザー名(「ユーザーA」)と関連付けて前記移行キー1001の選択を受け付けている場合(図8:S206YES)、前記スリープ状態判定手段403は、当該管理者設定モード以外の機能(モード)を実現する駆動部が、通常状態であるか否かを判定する(図8:S207)。当該判定の結果、スリープ状態判定手段403は、前記駆動部が通常状態であると判定すると(図8:S207NO)、その旨をスリープ状態制御手段404に通知し、当該通知を受けたスリープ状態制御手段404は、駆動部の通常状態をスリープ状態に移行させる(図8:S208)。これにより、特定機能の実現と無関係な駆動部を即時にスリープ状態に移行させて、無駄な消費電力を削減することが可能となる。一方、前記スリープ状態判定手段403が、前記駆動部が既にスリープ状態であると判定すると(図8:S207YES)、スリープ状態制御手段404を起動することはない。ここは、第一の実施形態と同様である。
一方、前記スリープ状態判定手段403による前記判定の結果、前記キー受付手段701が、管理者のユーザー名と関連付けて前記移行キー1001の選択を受け付けていない場合(図8:S206YES)、前記スリープ状態判定手段403は、所定の判定をすることは無い。言い換えると、前記駆動部によるスリープ状態への移行がなされることはない。そのため、この場合は、例えば、管理者が、システムメニューモードにおける操作手順に長けており、短時間で、システムメニューモードを完了してしまうため、予め移行キー1001を選択していなかった場合に該当する。前記駆動部がスリープ状態へ移行せずに通常状態を維持することにより、当該駆動部のスリープ状態への移行に要する時間と、通常状態への移行に要する時間とを省略することが可能となり、管理者は、システムメニューモード完了後に、即時に所定の機能(例えば、コピー機能)を複合機100に実行させることが可能となる。
ここで、前記キー受付手段701が前記移行キー1001の選択を受け付けていない場合(図8:S206YES)、前記スリープ状態判定手段403は、その旨を計時手段702に通知する。当該通知を受けた計時手段702は、認証手段401が認証した時点からの経過時間の計時を開始する(図8:S209)。この場合、当該計時手段702は、管理者によりシステムメニュー(特定機能キー)が選択された時点から経過時間を計時しても構わない。そして、計時手段702が計時を開始すると、その旨を待機時間判定手段703に通知する。当該通知を受けた待機時間判定手段703は、計時された経過時間が、予め設定された待機時間(例えば、1分、5分、10分など)を超過するか否かを判定する(図9:S301)。
当該判定の結果、経過時間が待機時間を超過していない場合(図9:S301NO)、当該待機時間判定手段703は、当該判定を継続することになる。一方、経過時間が待機時間を超過した場合は(図9:S301YES)、後述する。
ところで、認証完了後(スリープ状態判定手段403による判定完了後)は、前記認証手段401が、システムメニュー1000を表示している(図9:S302)。そこで、管理者が、所定のキー入力を行なうと(図9:S302YES)、認証手段401又は設定手段409が当該キー入力を受け付けて、記憶手段405に設定として記憶させる(図9:S303)。これにより、システムメニュー1000における通常の設定入力がなされる。
又、システムメニュー1000には、キー受付手段701が、移行キー1001を選択可能に表示している(図9:S304)。ここで、管理者が、例えば、従前に、移行キー1001を選択しておらず、上述したシステムメニュー1000における設定入力に時間が掛からないと思っていたものの、実際には時間が掛った場合、表示された未選択状態の移行キー1001を選択すれば(図9:S304YES)、前記キー受付手段701が、当該移行キー1001の選択を受け付けて、前記認証手段401から認証されたユーザー名(「ユーザーA」)を取得し、当該ユーザー名(「ユーザーA」)と関連付けて当該移行キー1001の選択を受け付ける(図9:S305)。そして、前記キー受付手段701が、その旨をスリープ状態判定手段403に通知する。当該通知を受けたスリープ状態判定手段403は、前記駆動部が、通常状態であるか否かを判定する(図8:S207)。これにより、仮に、駆動部が通常状態である場合(図8:S207NO)、管理者は、自己の設定入力に要する時間の長短に対応して、最初に前記移行キー1001を選択していなかったものの、途中で、当該移行キー1001を選択して、前記駆動部をスリープ状態に移行させることが可能となる。S207からの処理は、上述と同様であるため、割愛する。
尚、前記移行キー1001が選択された場合、キー受付手段701は、前記ユーザー名と関連付けて当該移行キー1001の選択を受け付け、当該選択を、当該ユーザー名の管理者による次回のシステムメニュー1000の移行に引き継ぐことになる。又、前記計時手段702が経過時間を計時している間に、キー受付手段701が移行キー1001の選択を受け付けた場合(図9:S304YES)、その旨をスリープ状態判定手段403に通知するとともに、当該計時手段702の計時を停止し、前記待機時間判定手段703の判定処理を終了させてもよい。
ところで、管理者が、システムメニューの設定作業を完了する前に(図9:S306NO)、設定作業に時間が掛かってしまい、前記経過時間が待機時間を超過した場合(図9:S301YES)、待機時間判定手段703は、その旨をキー選択促し手段704に通知する。当該通知を受けたキー選択促し手段704は、ユーザーに、前記移行キー1001の選択を促す(図9:S307)。
例えば、キー選択促し手段704が、図10(B)に示すように、システムメニュー1000に表示された移行キー1001の近傍に、当該移行キー1001を選択すると、前記駆動部がスリープ状態に移行する旨のメッセージ1002を表示する。これにより、システムメニュー1000の設定作業で時間を要するにも関わらず、未だに移行キー1001を選択していない管理者に対して、当該移行キー1001の選択を促し、上述した省電力の効果を得ることが可能となる。尚、前記キー選択促し手段704によるメッセージ1002は、例えば、前記移行キー1001が選択された場合や当該メッセージ1002が選択された場合に画面上から消去するように構成される。
さて、管理者が、各種設定作業を終了して、所定の機能キー204(コピーキー)を押下すると(図9:S306YES)、認証手段401は、初期画面を表示させるとともに、前記スリープ状態制御手段404は、当該初期画面への移行を検知して、前記駆動部は通常状態か否かを判定する(図9:S307)。
当該判定の結果、前記駆動部が通常状態である場合(図9:S307YES)、上述した特定機能以外の機能は即時に実行可能な状態であるため、前記スリープ状態制御手段404は、何もしない。この場合は、例えば、管理者により、前記移行キー1001が選択されず、前記経過時間が待機時間を超過していない場合などに対応する。
一方、前記判定の結果、前記駆動部が通常状態でない場合、つまり、当該駆動部がスリープ状態である場合(図9:S307NO)、前記スリープ状態制御手段404は、当該駆動部を通常状態へ移行させる(図9:S308)。これにより、駆動部は通常状態に復帰する。この場合は、例えば、管理者により、前記移行キー1001が選択された場合などに対応する。
このように、本発明の第二の実施形態では、更に、ユーザーにより、前記特定機能のキーが選択されると、当該特定機能が実現される前記操作部200を介して、ユーザーから、前記駆動部をスリープ状態に移行させるための移行キー1001の選択を受け付けるキー受付手段701を備え、前記スリープ状態判定手段403は、前記キー受付手段701が前記移行キー1001の選択を受け付けている場合に限り、前記駆動部が前記通常状態であるか否かを判定する構成を採用する。
当該構成により、ユーザーが、特定機能の実行(操作部を介して行なう様々な条件の入力)に慣れて、当該実行に要する時間を短縮出来る場合に、ユーザーが、前記移行キー1001を選択しなければ、前記駆動部がスリープ状態に移行することなく、通常状態のままで、当該実行を行なうことが可能となる。つまり、前記移行キー1001を選択しないことにより、前記駆動部がスリープ状態へ移行したり通常状態へ復帰したりする動作を省略することが可能となり、当該移行に要する時間を削減することが可能となる。そのため、当該移行に要する時間の発生により、複合機100全体の生産性の悪化を防止することが可能となる。一方、ユーザーが、前記移行キー1001を選択すれば、前記駆動部が通常状態である場合に、当該駆動部をスリープ状態へ移行させることとなる。そのため、ユーザーの自由な前記移行キー1001の選択により、前記駆動部をスリープ状態へ移行させるか否かを調整することが可能となるから、ユーザーに対する操作性を向上させることが可能となる。
尚、本発明の第二の実施形態では、移行キー1001のみを表示して、当該移行キー1001の選択を解除できるよう構成したが、移行キー1001の選択解除に対応する非移行キーを別個に設けても構わない。
又、本発明の第一の実施形態、又は第二の実施形態では、複合機100が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを複合機100に読み出させ、その複合機100が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。