JP2008128596A - 凝縮器の補助冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】マット材に冷却水を流下させると効果が発揮される時のみ給水することで、冷房効率の向上を図りながら、給水量を削減してランニングコストの低減を図ることができる凝縮器の補助冷却装置を提供する。
【解決手段】熱交換器3とファン4を有する空冷方式の凝縮器2における熱交換器3の近傍に、熱交換器3への吸入空気が貫通して通過するマット材10をほぼ垂直姿勢で配置し、マット材10の上部に水を供給する給水手段12を設け、マット材10を貫通して通過する吸入空気とマット材10内を流下する水を接触させる凝縮器の補助冷却装置1において、給水手段12に給水をオン・オフする電磁開閉弁16を設け、凝縮器2のファン4が運転状態のときにのみ電磁開閉弁16に開弁指令を出力する制御部17を設けた。
【選択図】図1
【解決手段】熱交換器3とファン4を有する空冷方式の凝縮器2における熱交換器3の近傍に、熱交換器3への吸入空気が貫通して通過するマット材10をほぼ垂直姿勢で配置し、マット材10の上部に水を供給する給水手段12を設け、マット材10を貫通して通過する吸入空気とマット材10内を流下する水を接触させる凝縮器の補助冷却装置1において、給水手段12に給水をオン・オフする電磁開閉弁16を設け、凝縮器2のファン4が運転状態のときにのみ電磁開閉弁16に開弁指令を出力する制御部17を設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は空気調和機における空冷方式の凝縮器に関し、特に凝縮器の熱交換器への吸入空気を冷却して冷房効率の向上を図る凝縮器の補助冷却装置に関するものである。
従来、空気調和機の凝縮器に直接水を噴霧することで凝縮器を冷却し、冷凍サイクルの能力と冷却効率を向上することは知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、空冷方式の凝縮器において、気温が高いときにその凝縮器の熱交換器にノズルから直接水を噴霧して冷房効率の向上を図るようにすると、運転を長期にわたって続ける間に熱交換器の表面に水垢・スケールが付着してしまい、空冷運転時の熱交換効率の低下を来たすとともに、熱交換器の腐蝕が発生するという問題がある。
そこで、熱交換器とファンを有する空冷方式の凝縮器における熱交換器の近傍にクーリングマットを配置し、気温が高いときにこのクーリングマットに冷却水を流下させ、冷却水の気化熱によって熱交換器への吸入空気を冷却するようにした補助冷却装置を設け、空気調和機の冷房効率の向上することが知られている(例えば、特許文献2参照)。
この種の補助冷却装置を備えた空気調和機の基本的な構成例を、図4を参照して説明する。圧縮機21と凝縮器22とドライヤ23と膨張弁24と蒸発器25とを冷媒管26にて連結して冷凍サイクル20が構成されている。凝縮器22は熱交換器22aとファン22bを有し、蒸発器25は熱交換器25aとファン25bを有している。また、凝縮器22には、その熱交換器22aの近傍に、熱交換器22aに吸入される外気を冷却水に接触させて冷却する補助冷却装置30が配設されている。
補助冷却装置30は、凝縮器22の熱交換器22aの前面にクーリングマット31を配置し、電磁開閉弁33を有する給水手段32にてクーリングマット31の上端に冷却水を供給してクーリングマット31内を冷却水が流下するようにし、クーリングマット31の下端から流出した冷却水を排水手段34にて系外に排出するように構成されている。また、クーリングマット31への流入空気の温度を検出する温度センサ35が設けられ、その検出信号が電磁開閉弁33を開閉制御する制御部36に入力され、流入空気の温度が設定温度以上になると、電磁開閉弁33を開弁してクーリングマット31に冷却水を供給するようにように構成されている。
特開2003−130427号公報
特開2004−3806号公報
ところが、図4に示したような補助冷却装置30の構成では、吸入空気の温度が所定値以上になると、凝縮器22のファン22bのオン・オフ動作とは無関係に電磁開閉弁33が開弁されるため、ファン22bが停止し、吸入空気がクーリングマット31を通過しない間も冷却水がクーリングマット31に供給されて無駄に垂れ流されることになり、その分水道料金が余分にかかり、補助冷却装置30を設けることで省エネルギーは図れても、ランニングコストが高くなるという問題がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、マット材に冷却水を流下させると効果が発揮される時のみ給水することで、冷房効率の向上を図りながら、給水量を削減してランニングコストの低減を図ることができる凝縮器の補助冷却装置を提供することを目的とする。
本発明の凝縮器の補助冷却装置は、熱交換器とファンを有する空冷方式の凝縮器における熱交換器の近傍に、熱交換器への吸入空気が貫通して通過するマット材をほぼ垂直姿勢で配置し、マット材の上部に水を供給する給水手段を設け、マット材を貫通して通過する吸入空気とマット材内を流下する水を接触させる凝縮器の補助冷却装置において、給水手段に給水をオン・オフする電磁開閉弁を設け、凝縮器のファンが運転状態のときにのみ電磁開閉弁に開弁指令を出力する制御部を設けたものである。
これにより、凝縮器のファンが運転されて吸入空気が熱交換器を通過し、圧縮されて高温となった冷媒と吸入空気が熱交換する際にのみ、その吸入空気が通過するマット材に水を供給して吸入空気と水を接触させることで水を蒸発させ、その気化熱で吸入空気を冷却するようにしているので、効率的に冷媒を凝縮することができるとともに、それ以外の時には水を供給しないので、水が無駄に垂れ流されず、冷房効率の向上を図りながら、給水量を削減してランニングコストの低減を図ることができる。
また、熱交換器への吸入空気の相対湿度を検出する湿度検出手段を設け、制御部は、検出湿度が所定値未満でかつ凝縮器のファンが運転状態のときにのみ電磁開閉弁に開弁指令を出力すると、吸入空気の相対湿度が、その吸入空気に水が接触することで効果的に気化するような所定値未満のときに、マット材に水を供給するようにしているので、給水した水が効果的に気化して冷却効果が発揮されるときにのみ給水することになり、冷房効率の向上を図りつつ、一層給水量を削減してランニングコストの低減を図ることができる。
本発明の凝縮器の補助冷却装置によれば、凝縮器のファンが運転されて吸入空気と高温の冷媒が熱交換する際にのみ、その吸入空気が通過するマット材に水を供給し、吸入空気と水を接触させて水の気化熱で吸入空気を冷却するようにしているので、効率的に冷媒を凝縮することができるとともに、それ以外の時には水を供給しないため、水が無駄に垂れ流されず、冷房効率の向上を図りながら、給水量を削減してランニングコストの低減を図ることができる。
以下、本発明の凝縮器の補助冷却装置の一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1において、本実施形態の補助冷却装置1は、空気調和機の室外に配置される空冷式の凝縮器2の吸入口に近接して配設されている。外気は補助冷却装置1を通過して凝縮器2内に吸入され、凝縮器2内で熱交換器3を通って熱交換した後ファン4にて凝縮器2の吹出口から外気に排出される。
補助冷却装置1は、図2に示すように、両側の側枠6と、後述の給水手段12の一部を構成する上部の散水枠7と、下部の排水枠8から成る取付枠体5を備え、側枠6と散水枠7と排水枠8に囲まれたマット材配置空間9にマット材10が収容配置されている。マット材配置空間9は、凝縮器2の吸入口のほぼ全面に対向するように形成されている。散水枠7は、その一端に設けられた給水口7aから供給された水をマット材10の横方向全長にわたって均一に水を流下させるように構成されている。具体的には、散水枠7内に散水パイプが配設され、散水パイプに適当間隔置きに形成した複数の噴出ノズルから散水枠7内面に向けて水を噴出するように構成されている。排水枠8は、マット材10を流下してきた水を受けて、その一端に設けられた排水口8aから排水ホースなどの排水手段13にて排出するように構成されている。
マット材10は、ポリエチレンテレフタレートから成る繊維を不織布状に堆積してマット状に構成したものが好適である。勿論、繊維体の不織布状堆積体に限らず、連続気泡を有する合成樹脂発泡体を適用することもできる。マット材10の厚さは、例えば厚さ35mm程度である。なお、マット材10の通気路の表面に酸化チタンなどの親水性を高める材料を吹き付けて、保水性を向上するようにしても良い。
マット材10の上端と下端との間には、マット材10の横方向のほぼ全長にわたる長さの1又は複数の流下抵抗部材11が適当間隔あけて配置されている。この流下抵抗部材11は、マット材10内での水の流下を抑制するもので、水の通過開口がマット材10より小さい開口率で分散形成された、マット材10の厚さと略同等の幅寸法を有する薄板状部材にて構成されている。具体的には、ウレタンフォームなどの連続気泡を有する合成樹脂発泡体の薄板や目の細かい金網やパンチングメタル等にて構成することができる。その中で、合成樹脂発泡体が好適で、さらにその表面にシリカゲル、ゼオライト、珪藻土などの無機化合物を担持させて親水性を持たせたものがより好適である。また、流下抵抗部材11は、マット材10の空気流れ方向の面積(凝縮器の吸入口に対向する面の面積)の5%以下の面積となるように配置するのが好適である。なお、流下抵抗部材11は、図示の如く、マット材10の横方向のほぼ全長にわたる長さのものをマット材10の上下端間で適当間隔あけて複数配置した配置構成に限らず、適当な長さの多数の流下抵抗部材11を、水平面に投影するとマット材10の長手方向全長にわたって連続するように千鳥状に配設しても良い。
マット材10への給水手段12は、上記散水枠7と、散水枠7の一端の給水口7aと水道などの給水源14とを接続する給水管15と、給水管15の途中に配置された電磁開閉弁16にて構成されている。電磁開閉弁16は、制御部17にて開閉制御され、制御部17には、ファン4の駆動モータ4aの運転信号と、吸入空気の相対湿度を検出する湿度検出手段18の検出信号とが入力され、これらの信号に基づいて電磁開閉弁16を開閉するように構成されている。
以上の構成の補助冷却装置1において、空気調和機が冷房運転でオンされると、室内温度、すなわち室内機の吸入空気温度に応じて冷凍サイクルが起動されて圧縮機が駆動され、圧縮機の運転状態や圧縮機で圧縮された冷媒の温度や圧力に基づいて、凝縮器2のファン4の駆動モータ4aが駆動制御される。なお、冷房運転がオンされる際には、室外機である凝縮器2が配設されている場所の温度は通常30℃以上になっていることが多いため、本実施形態では特に温度検出手段は配設せず、その分コスト低下を図っている。
補助冷却装置1の制御部17の制御動作を図3を参照して説明すると、まず湿度検出手段18からの検出信号から吸入空気(外気)の相対湿度φを検出し(ステップS1)、検出した相対湿度φが85%未満であるか否かを判定する(ステップS2)。相対湿度φが85%未満である場合には、次に凝縮器2のファン4の運転信号を検出し(ステップS3)、運転信号がオンであるか否かを判定する(ステップS4)。そして、運転信号がオンである場合に給水手段12の電磁開閉弁16を開弁する。かくして、本実施形態では相対湿度φが85%未満で、ファン4の運転信号がオンの場合に、 給水手段12にてマット材10の上端に水が給水される。
一方、ステップS2の判定で、相対湿度φが85%以上の場合、及び85%未満であってもファン4の運転信号がオフの場合には、電磁開閉弁16は閉弁される(ステップS6)。制御部17では、以上のステップS1〜S6の制御動作が一定時間間隔で繰り返される。
ここで、相対湿度φの判定基準値を85%とした理由を説明すると、マット材への給水量は、通常17.0kg/hに設定されており、上記のように外気温度を30℃と仮定すると、相対湿度φが85%の場合、凝縮器の吸入口に対向する面の面積が0.7m2 (高さ0.7m、横幅1m)のマット材10に対して、面風速1.5m/s、送風量63m3 /minで送風し、所要の給水を行った状態で、推定される実質蒸発量(理想蒸発量の80%と仮定)は15.2kg/hとなり、給水量17.0kg/hの給水量に対して実質蒸発量が下廻ってしまうため、相対湿度85%以上では蒸発せずに垂れ流しになる水量が多くなり、無駄が多いとの判断に基づくものである。因みに、相対湿度が80%では、実質蒸発量が20.3kg/h、相対湿度が75%では、実質蒸発量が25.4kg/h、相対湿度が70%では、実質蒸発量が30.5kg/hwとなるのに対して、相対湿度が90%では、実質蒸発量が10.2kg/h、相対湿度が95%では、実質蒸発量が5.1kg/hとなる。
上記のように電磁開閉弁16が開弁して給水手段12にて水が供給されると、散水枠7からマット材10の上端に水が供給され、その水がマット材10を流下する間に、温度が通常少なくとも30℃以上、相対湿度が85%未満の凝縮器2への吸入空気がマット材10を貫通する際に流下する水と接触することで、水が効果的に気化されてその気化熱で冷却された後、凝縮器2の熱交換器3で冷媒と熱交換することで、冷媒が効率的に凝縮されることになる。
かくして、本実施形態では、凝縮器2への吸入空気の相対湿度が、その吸入空気に水が接触することで効果的に気化するような所定値未満のときで、かつ凝縮器2のファン4が運転されて吸入空気が熱交換器3を通過して高温の冷媒と吸入空気が熱交換する時にのみ、その吸入空気が通過するマット材10に水を供給し、吸入空気と水を接触させて水を蒸発させ、その気化熱で吸入空気を冷却するようにしているので、凝縮器2の熱交換器3で効率的に冷媒を凝縮することができるとともに、それ以外の時には水を供給しないので、水が無駄に垂れ流されず、冷房効率の向上を図りながら、給水量を削減してランニングコストの低減を図ることができる。
また、本実施形態では、マット材10に流下抵抗部材11を配設しているので、流下抵抗部材11の配置箇所で水が一旦滞留し、その後再度流下することになるので、マット材10の上端から下端までの流下速度が低下する。その結果、マット材10の表面の保水状態を保持し、凝縮器2への吸入空気と水の接触状態を確保しながら、マット材10の上端に供給する水量の低減を図ることができる。また、薄板状の流下抵抗部材11の配置箇所を除いてはマット材10の通気性には全く変化はなく、かつ流下抵抗部材11の配置面積が小さくても流下抵抗部材11はその効果を発揮するので、マット材10の全体の通気性には殆ど変化がない。特に、流下抵抗部材11をマット材10の空気流れ方向の面積の5%以下の面積に配置することで、流下抵抗部材11を配設したことによる通風抵抗の増大が小さく、冷房効率の向上に悪影響を殆ど与えずに済む。かくして、マット材10の通気性の確保とマット材10を流下する水の流下速度の低下を両立することができ、冷房効率の向上を図りながら、給水量を削減してランニングコストの低減を図ることができる。
また、マット材10の横方向の略全長にわたる流下抵抗部材11を、上下に複数列適当間隔あけて配設しているので、水の流下速度を低下させる効果が大きく、かつマット材10の横方向の全長にわたって均一に流下させることができて、凝縮器2での不均一な冷却による冷房効率の低下を防止できる。さらに、流下抵抗部材11を、連続気泡を有する合成樹脂発泡体に親水性の無機化合物を担持させた材料にて構成すると、流下抵抗部材11に高い保水性が確保されるので、薄くても大きな流下速度低下効果を得ることができ、その分より高い通気性を確保できる。
本発明の凝縮器の補助冷却装置は、凝縮器のファンが運転されて吸入空気と高温の冷媒が熱交換する際にのみ、その吸入空気が通過するマット材に水を供給し、吸入空気と水を接触させて水の気化熱で吸入空気を冷却するようにしているので、効率的に冷媒を凝縮することができるとともに、それ以外の時には水を供給しないため、水が無駄に垂れ流しされず、冷房効率の向上を図りながら、給水量を削減してランニングコストの低減を図ることができ、空気調和機の空冷方式の凝縮器に好適に適用することができる。
1 補助冷却装置
2 凝縮器
3 熱交換器
4 ファン
10 マット材
12 給水手段
16 電磁開閉弁
17 制御部
18 湿度検出手段
2 凝縮器
3 熱交換器
4 ファン
10 マット材
12 給水手段
16 電磁開閉弁
17 制御部
18 湿度検出手段
Claims (2)
- 熱交換器とファンを有する空冷方式の凝縮器における熱交換器の近傍に、熱交換器への吸入空気が貫通して通過するマット材をほぼ垂直姿勢で配置し、マット材の上部に水を供給する給水手段を設け、マット材を貫通して通過する吸入空気とマット材内を流下する水を接触させる凝縮器の補助冷却装置において、給水手段に給水をオン・オフする電磁開閉弁を設け、凝縮器のファンが運転状態のときにのみ電磁開閉弁に開弁指令を出力する制御部を設けたことを特徴とする凝縮器の補助冷却装置。
- 熱交換器への吸入空気の相対湿度を検出する湿度検出手段を設け、制御部は、検出湿度が所定値未満でかつ凝縮器のファンが運転状態のときにのみ電磁開閉弁に開弁指令を出力することを特徴とする請求項1記載の凝縮器の補助冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006315688A JP2008128596A (ja) | 2006-11-22 | 2006-11-22 | 凝縮器の補助冷却装置 |
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Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2006
- 2006-11-22 JP JP2006315688A patent/JP2008128596A/ja active Pending
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