JP6304627B2 - 散水装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、無駄な散水を抑制することのできる散水装置を提供することを目的とする。
また、前記制御部が、一の状態において、前記給水弁を閉じ、他の状態において、前記給水弁を開き、残りの状態において、前記給水弁を開時間内で間欠的に開閉する構成としてもよい。
図1は、本実施の形態に係る冷凍機1を冷媒サイクル30と共に説明する図である。また、図2は、本実施の形態に係る冷凍機1の略図である。
図1に示す冷媒サイクル30は、圧縮機37と、凝縮器31と、膨張弁33と、蒸発器35とが、冷媒管39により連結されている。冷凍機1は、凝縮器31と、膨張弁33と、蒸発器35とを備えている。
冷凍機1は、図2に示すように、箱形の本体3を備え、本体1の下部には、図示は省略したが、凝縮器31と、膨張弁33などが収容されている。本体1の上部には、凝縮器31が配置されている。凝縮器31は、対向する二か所の面に配置され、凝縮器31の風上には、それぞれ散水マット10が、取付け具(不図示)により取付けられている。本体3の上面には、送風機(不図示)が配置されている。
空気を通し易い散水マットとして、例えば不織布状の繊維体が好ましい。また、散水マット10は、資源の有効利用の観点から廃プラスチックをリサイクルして繊維状に再加工したものを使用することが好ましい。散水マット10の形状は凝縮器31における空気吸入面を略カバーする程度の形状が望ましく、厚みについては、その素材・形状にもよるが、数センチ程度のものでよい。また、散水マット10は伸縮可能な素材を選択することで設置を容易にすることができる。
かかる実施の形態によれば、冷却水は、給水管51からすだれ状となって散水マット10を伝って流下しつつ、凝縮器31に向かって通過する空気を冷却する。凝縮器31への吸込み空気を冷却した冷却水は、給水管51を経て貯水槽(不図示)へ流下する。貯水槽の冷却水はポンプ(不図示)により再び循環用配水管を経て給水装置(不図示)により給水管に供給されると共に、再び給水管51を経て貯水槽に流れ込む。冷却水はこのように凝縮器31に流れ込む空気を冷却しながら循環する。
そして給水管51は、給水装置の給水管から供給された冷却水を散水マット10の上部分に均等に散水するものであり、その底部には、多数の散水孔が穿設され、該散水孔から略均一に冷却水を落下させるように形成されている。
マスターコントローラ56は、外気温度センサ13の温度(To)と、上部空気温度センサ14の温度(Tu)と、下部空気温度センサ15の温度(Td)とに基づいて、後述のように、給水弁コントローラ55を制御する。
給水弁コントローラ55は、給水用電磁弁58を開閉する。給水用電磁弁58が開閉されることで、散水マット10の上部に設けられている給水管51が、水道水の断水/通水を行い、散水マット10へ通水が行われる。
図3(A)は、散水マット10に通水がなされる前の散水マット10が乾燥している状態を示す。図3(A)の状態では、外気温度センサ13の温度(To)=上部空気温度センサ14の温度(Tu)=下部空気温度センサ15の温度(Td)、であり、散水マット10は、ほぼ完全な乾燥状態にある。この完全乾燥状態においては、散水マット10への通水が開始、継続される。
図3(B)の状態では、上部空気温度センサ14の温度(Tu)<下部空気温度センサ15の温度(Td)、である。このとき、散水マット10は散水途中状態にあり、全体が完全に濡れた状態ではなく、散水マット10への通水は継続される。
このとき、散水マット10は、適正湿潤状態となる。この適正湿潤状態では、散水マット10の全体が濡れているため、マスターコントローラ56の制御により、散水マット10への通水が停止される。
このとき、散水マット10は、乾燥途中状態にある。この乾燥途中状態においては、散水マット10の全体が濡れているわけではない。したがって、散水マット10への通水は継続される。
図4のフローで示される状態判定処理が、データ計測サイクルごとに実行され、散水マット10の状態がリアルタイムに判定・変更される。
まず、状態判定処理が開始(S80)されると、マスターコントローラ56が、外気温度センサ13の温度(To)、上部空気温度センサ14の温度(Tu)、および、下部空気温度センサ15の温度(Td)、を取得する(S81)。次に、マスターコントローラ56により、外気温度センサ13の温度(To)と、上部空気温度センサ14の温度(Tu)と、下部空気温度センサ15の温度(Td)とが比較され、散水マット10の状態が判定される(S82)。
このとき、マスターコントローラ56は、給水弁コントローラ55に開の指示を出力し、給水弁コントローラ55により給水用電磁弁58が開放され、散水マット10への散水が連続して行われる(S85)。
このとき、マスターコントローラ56は、給水弁コントローラ55に閉の指示を出力し、給水弁コントローラ55により給水用電磁弁58が閉じられ、散水マット10への散水が停止される(S84)。
また、上部空気温度センサ14の温度(Tu)>下部空気温度センサ15の温度(Td)、のとき、マスターコントローラ56は、乾燥途中状態(図3(D)の状態)と判定する(残りの状態)。
これらの状態においては、マスターコントローラ56は、給水弁コントローラ55に間欠的な開閉指示を出力し、給水弁コントローラ55により給水用電磁弁58が一定時間ずつ間欠的に開閉される。したがって、散水マット10へは間欠的な散水が実行される(S83)。
S81〜S85はループ処理され、所定の条件にいたったときに、状態判定処理が終了する(S86)。
完全乾燥状態(図3(A)の状態)では、外気温度センサ13の温度(To)=上部空気温度センサ14の温度(Tu)=下部空気温度センサ15の温度(Td)、である。完全乾燥状態で、散水マット10への散水が開始されると、散水マット10の上部より濡れ状態となる。そのため、一定時間の経過により、水が蒸発する際に、気化熱により熱が奪われて温度が低下する現象が生じる。これに伴って、まず上部空気温度センサ14の温度(Tu)が下がり始める。
下部空気温度センサ15の温度(Td)、上部空気温度センサ14の温度(Tu)がともに下がりきると、適正湿潤状態(図3(C)の状態)となる。適正湿潤状態となった後に、散水を停止すると、散水マット10の上部から乾燥が始まる。そのため、上部空気温度センサ14の温度(Tu)が上昇する。この乾燥途中状態では、間欠的な散水が実行されるが、やがて、散水マット10の下部にまで乾燥が進み、下部空気温度センサ15の温度(Td)が上昇する。
上部空気温度センサ14の温度(Tu)、および、下部空気温度センサ15の温度(Td)が、ともに外気温度センサ13の温度(To)となったとき、散水マット10は、完全乾燥状態となる。
すなわち、本実施の形態によれば、散水装置1に設置された散水マット10の濡れ状態を把握するために、外気温度センサ13と、上部空気温度センサ14と、下部空気温度センサ15とを備えた。
そのため、散水マット10の濡れ状態を散水マット10の上部においても、下部においても把握することができ、マットが湿潤状態であるのか、乾燥状態であるのかの詳細を検知することができる。
そのため、散水マット10の状態に合わせた適切な散水量を制御できる。適切な散水量を制御できるため、散水マット10を湿潤状態に保つことができ、冷凍機1への冷却効果を高めることができるとともに、散水量を適切に管理でき、無駄な散水を抑制することができる。
もっとも、散水マット10と凝縮器31の間のセンサは、上下の2点に限らず、例えば、上中下の3点に設けるなど、センサの数は複数であってもよい。
このようにすることで、簡単に散水マット単体の更新が可能となり、目詰まりによる冷却効率の低下を防ぐことができる。
また、例えば、更なる変形例として、例えば30mm程度の1枚の散水マット単体に対して、その室外側に取外し用の、例えば5mm厚さの散水マット単体を1枚以上重ねて設ける構成としてもよい。
10 散水マット
14 上部空気温度センサ
15 下部空気温度センサ
31 凝縮器
33 膨張弁
35 蒸発器
37 圧縮機
55 給水弁コントローラ
56 マスターコントローラ
58 給水用電磁弁
Claims (3)
- 冷凍機の熱交換器の風上に設置されたマットに給水弁を介して水を滴下することで、水の蒸発に伴い前記マットを通過する空気から気化熱を奪い、凝縮負荷を低減する散水装置において、
外気温度を測定する外気温度センサと、前記熱交換器の風上の下部に設置され、前記マットを通過する空気の温度を測定する下部空気温度センサと、前記熱交換器の風上の上部に設置され、前記マットを通過する空気の温度を測定する上部空気温度センサと、前記外気温度センサで検知する温度と前記空気温度センサで検知する温度との温度差に基づいて前記給水弁を開閉する制御部と、を備え、
前記制御部が、前記マットの濡れ状態を3以上の状態に分類して制御することを特徴とする散水装置。 - 前記制御部が、
前記上部空気温度センサの温度Tu=前記外気温度センサの温度To=前記下部空気温度センサの温度Tdの場合を、前記マットが完全乾燥状態、
前記Tu<前記Tdの場合を、散水途中状態、
前記Tu>前記Tdの場合を、乾燥途中状態、
前記Tu=前記Td<前記Toの場合を、適正湿潤状態、
に分類して制御することを特徴とする、請求項1に記載の散水装置。 - 前記制御部が、
一の状態において、前記給水弁を閉じ、
他の状態において、前記給水弁を開き、
残りの状態において、前記給水弁を開時間内で間欠的に開閉することを特徴とする請求項1または2に記載の散水装置。
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