JP2008127589A - 高炭素鋼鋼線およびその製造方法 - Google Patents

高炭素鋼鋼線およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】伸線時に破断することなく得ることができ、しかも本発明者らが先に提案した方法とは異なるアプローチで耐摩耗性に優れた高炭素鋼鋼線を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.85〜1.2%、Si:0.5〜1.5%、Mn:0.1〜0.8%、Cr:0.05〜1.5%を含有する鋼線であり、円相当径が0.2μm以上、2.0μm未満、アスペクト比が2.0未満の球状セメンタイトの合計面積率が5〜20%で、円相当径が2.0μm以上の粗大セメンタイトの合計面積率が1%未満の高炭素鋼鋼線である。
【選択図】なし

Description

本発明は、焼入れせずに使用される高炭素鋼鋼線に関するものであり、例えば、ワイヤロープや牽引用鋼線などに用いられる素材に関するものである。
重量物を保持したり牽引するために用いられるワイヤロープは、高強度であることが要求される。このワイヤロープは、一般に、熱間圧延して得られた圧延材(線材)を熱処理した後、冷間で伸線加工して得られる。熱処理は、後工程で伸線し易くするために行うものであり、熱処理としては、線材をオーステナイト温度域(727℃以上)に加熱した後、400〜600℃程度に保持して組織をパーライトにするパテンティング処理や、Ac1点以下(727℃以下)に加熱した後、徐冷する軟化焼鈍などが行われている。そして熱処理した後は、冷間で伸線加工することで、ワイヤロープの強度を高めることができる。そのためワイヤロープには伸線加工性に優れていることが求められる。
伸線加工性を高める技術として、特許文献1には、組織中に初析セメンタイトとマルテンサイトが占める面積割合の和を5%以下とすると共に、細長い硫化物系介在物を多く生成させることが提案されている。初析セメンタイトとマルテンサイトの面積率を5%以下とすることで、伸線加工と撚り加工での断線発生を防止している。
ところでワイヤロープは、複数の鋼線を撚り合わせた構造であるため、鋼線同士が接触して摩耗しないように耐摩耗性も要求される。ところが上記特許文献1では、鋼線の耐摩耗性については考慮されていない。
これに対し、本発明者らは伸線加工によって強度を高めたワイヤロープでは、摩擦熱によって転位密度が下がるといった回復現象を起こし、それによってワイヤロープの疲労や摩耗が促進されることを見出した。そして特許文献2に、パテンティング処理した鋼線を、伸線加工することなく外層線として用いることにより、耐摩耗性と疲労特性を向上させたワイヤロープを提案した。しかしワイヤロープの伸線加工性については考慮していなかった。
特開2000−80442号公報 特開2002−61085号公報
本発明は、この様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、伸線時に破断することなく得ることができ、しかも本発明者らが先に提案した上記特許文献2とは異なるアプローチで耐摩耗性に優れた高炭素鋼鋼線を提供することにある。
本発明者らは、伸線時に破断することなく得ることができ、しかも耐摩耗性に優れた高炭素鋼鋼線を提供すべく鋭意検討を重ねてきた。その結果、鋼線中に形態を適切に制御したセメンタイトを生成させれば、伸線前の線材の伸線加工性を劣化させることなく、高炭素鋼鋼線の耐摩耗性を向上できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、上記課題を解決することのできた本発明に係る高炭素鋼鋼線は、質量%で、C:0.85〜1.2%、Si:0.5〜1.5%、Mn:0.1〜0.8%、Cr:0.05〜1.5%を含有する鋼線であり、円相当径が0.2μm以上、2.0μm未満、アスペクト比が2.0未満の球状セメンタイトの合計面積率が5〜20%で、円相当径が2.0μm以上の粗大セメンタイトの合計面積率が1%未満である点に要旨を有する。
本発明の高炭素鋼鋼線は、更に他の元素として、(a)Mo:0.5%以下(0%を含まない)、Ni:2%以下(0%を含まない)、Ti:0.05%以下(0%を含まない)、V:0.5%以下(0%を含まない)およびNb:0.2%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種、(b)B:0.01%以下(0%を含まない)、等を含んでいてもよい。なお、上記鋼線の残部は、鉄および不可避不純物であってもよい。前記鋼線の組織は、例えば、パーライトを含んだ組織である。
本発明の高炭素鋼鋼線は、例えば、上記化学成分を満足する圧延材に、球状化焼鈍した後、パテンティング処理し、伸線することにより製造することができる。
本発明によれば、鋼線中に形態を適切に制御したセメンタイトを生成させているため、高炭素鋼鋼線の耐摩耗性を向上させることができる。
本発明では、鋼線中に微細な球状セメンタイトを所定量生成させることで鋼線の耐摩耗性を向上させることができる。鋼線表面に微細な球状セメンタイトが生成していることで、耐摩耗性が向上すると考えられる。セメンタイトは、鋼線の母相に比べて硬質であるので変形し難く、摩擦時の抵抗となると考えられる。また、硬いセメンタイトが母相に分散しているため、分散強化効果によって鋼線自体の強度も高められると考えられる。微細な球状セメンタイトは、伸線加工性に及ぼす悪影響が少ないため、鋼線中にある程度多く生成しても、鋼線材を伸線するときに破断等の不具合の発生が少ない。
上記微細な球状セメンタイトとは、円相当径が0.2μm以上、2.0μm未満で、アスペクト比が2.0未満のセメンタイトを意味している。円相当径とは、観察対象とするセメンタイトの面積を測定し、この面積と等しい真円を描いたときの円の直径を意味する。アスペクト比とは、観察対象とするセメンタイトの短径に対する長径の比(長径/短径)を意味する。
セメンタイトの円相当径が2.0μm以上であれば、大きすぎるため、摺動時に鋼線表面から脱落してしまい、脱落したセメンタイトが研磨剤として作用し、却って鋼線の摩耗が促進される。また、粗大なセメンタイトは、伸線時に応力が集中して断線の原因となり、鋼線材の伸線性を劣化させる。従って円相当径は2.0μm未満とした。
しかしセメンタイトの円相当径が0.2μm未満では、微細過ぎて耐摩耗性の向上に殆ど寄与しない。また、小さすぎると、電子顕微鏡で観察しても検出できない。従ってセメンタイトの円相当径の下限は0.2μmとした。
本発明では、円相当径が0.2μm以上、2.0μm未満の微細なセメンタイトのなかでも、形状が球状に近いセメンタイトを所定量生成させる必要がある。セメンタイトの形状を球状に近く制御することで、鋼線材の延性に悪影響を及ぼすことなく、鋼線の耐磨耗性を向上させることができる。即ち、偏平した細長いセメンタイトは、摺動時に脱落し易いため、鋼線の耐摩耗性向上に殆ど寄与しない。また鋼線材の延性に悪影響を及ぼし、伸線時に破断を発生させる原因となる。従って本発明では、アスペクト比が2.0未満の球状に近いセメンタイトが生成している必要がある。
なお、円相当径が0.2μm以上、2.0μm未満の微細なセメンタイトのうち、アスペクト比が2.0未満のセメンタイトの個数の割合は80%以上であることが好ましい。より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上である。最も好ましくは100%である。
本発明では、鋼線断面を観察したときに、円相当径が0.2μm以上、2.0μm未満で、アスペクト比が2.0未満の微細球状セメンタイトの面積率が5〜20%である必要がある。微細球状セメンタイトの面積率が5%未満では、セメンタイトの生成量が少なく、耐摩耗性を向上させることができない。従って面積率は5%以上であり、好ましくは6%以上、より好ましくは7%以上である。しかし微細球状セメンタイトの面積率が20%を超えると、セメンタイトが多くなり過ぎるため、セメンタイトと母材との硬度差が大きくなり、却って伸線時に断線を発生し易くなる。また、微細球状セメンタイトであっても、生成量が多くなるとセメンタイト同士が互いに凝集し易くなるため、粗大化する傾向がある。従って微細球状セメンタイトの面積率は20%以下とし、好ましくは18%以下、より好ましくは15%以下である。
本発明の鋼線は、上述したように、微細球状セメンタイトを所定量生成させる点に特徴を有するが、さらに言えば、粗大なセメンタイトが極力生成していないのが好ましい。粗大なセメンタイトは、耐摩耗性を劣化させる。また、粗大なセメンタイトは鋼線材の伸線性を劣化させる。
本発明において粗大なセメンタイトとは、円相当径が2.0μm以上のセメンタイトを意味する。この円相当径が2.0μm以上のセメンタイトの面積率は、好ましくは1%未満、更に好ましくは0%である。
鋼線中に生成しているセメンタイトの形態(円相当径とアスペクト比)は、後記する実施例の欄に記載した方法で測定できる。
本発明の高炭素鋼鋼線は、基本成分として、C、Si、MnおよびCrを含有している。各元素の含有量は次の通りである。
C:0.85〜1.2%
Cは、セメンタイトを生成して鋼線の耐摩耗性を高めるために必要な元素である。0.85%未満では炭化物が少なく、鋼線の耐摩耗性を高めることができない。従ってCは0.85%以上であり、好ましくは0.88%以上、より好ましくは0.9%以上である。しかしCが多すぎると、粗大なセメンタイトを生成するため、伸線性が悪くなる。従ってCの上限は1.2%とした。好ましくは1.1%以下、より好ましくは1%以下である。
Si:0.5〜1.5%
Siは、摩擦時に発生する熱によって母材が軟化し、強度が低下するのを防止する元素である。また、Siは、セメンタイトが粗大化するのを抑制する作用も有する。従ってSiは0.5%以上であり、好ましくは0.55%以上、より好ましくは0.6%以上である。しかしSiが多すぎると脱炭し難くなり、また伸線性が悪くなる。従ってSiは1.5%以下であり、好ましくは1.4%以下、より好ましくは1.3%以下である。
Mn:0.1〜0.8%
Mnは、脱酸剤として用いる元素である。また、Mnは、鋼中のSをMnSとして固定し、鋼材の靭性や延性を向上させる作用を有する元素である。従ってMnは0.1%以上であり、好ましくは0.15%以上、より好ましくは0.2%以上である。しかしMnが過剰になると、Mnが偏析することに起因して過冷組織を生成し、伸線時に内部クラックが発生しやすくなる。従ってMnは0.8%以下であり、好ましくは0.6%以下、より好ましくは0.4%以下である。
Cr:0.05〜1.5%
Crは、セメンタイトの生成を促進する作用を有する一方で、セメンタイトの成長を抑制する作用も有し、セメンタイトの大きさを制御するために作用する元素である。従ってCrは0.05%以上含有する。好ましくは0.08%以上、より好ましくは0.1%以上である。しかしCrが過剰になると、セメンタイト(Fe3C)がFe73になり、棒状になるため、摩耗時に剥離してしまう。従ってCrの上限は1.5%である。好ましくは1%以下であり、より好ましくは0.5%以下である。
本発明の鋼線は、更に他の元素として、(a)Mo、Ni、Ti、V、Nbよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素や、(b)B、などを含有してもよい。
(a)Mo:0.5%以下(0%を含まない)、Ni:2%以下(0%を含まない)、Ti:0.05%以下(0%を含まない)、V:0.5%以下(0%を含まない)およびNb:0.2%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種
これらの元素は、いずれも鋼材の強度を向上させる元素である。しかし過剰に含有すると、過冷組織の生成を助長し、却って強度を低下させる。従ってMoは0.5%以下であることが好ましく、より好ましくは0.4%以下、更に好ましくは0.3%以下である。下限は、例えば、0.05%以上、特に0.08%以上である。Niは2%以下であることが好ましく、より好ましくは1%以下、更に好ましくは0.5%以下である。下限は、例えば、0.05%以上、特に0.1%以上である。Tiは0.05%以下であることが好ましく、より好ましくは0.04%以下、更に好ましくは0.03%以下である。下限は、例えば、0.005%以上、特に0.008%以上である。Vは0.5%以下であることが好ましく、より好ましくは0.4%以下、更に好ましくは0.3%以下である。下限は、例えば、0.02%以上、特に0.05%以上である。Nbは0.2%以下であることが好ましく、より好ましくは0.15%以下、更に好ましくは0.1%以下である。下限は、例えば、0.01%以上、特に0.03%以上である。
(b)B:0.01%以下(0%を含まない)
Bは、鋼中に固溶したNと結合してBNを形成し、固溶Nを低減して伸線加工性を向上させる元素である。しかしBが0.01%を超えると、粗大なBNが生成して伸線加工性を却って劣化させることになる。従ってBは0.01%以下であることが好ましく、より好ましくは0.008%以下、更に好ましくは0.005%以下である。下限は、例えば、0.0001%以上、特に0.001%以上である。
本発明の鋼線は、上記元素を含有するものであり、残部は鉄および不可避不純物であってもよい。
本発明の鋼線は、微細球状セメンタイトを含むものであり、微細球状セメンタイト以外の組織としては、パーライトを含んでいればよい。パーライトの他に、フェライトを含んでいても良い。また、パーライト単相であってもよい。なお、上記微細球状セメンタイトは、パーライトを構成しているセメンタイトを含まない。また、上記フェライトは、パーライトを構成しているフェライトを含まない。
次に、本発明の鋼線を製造できる方法について説明する。本発明の鋼線は、圧延材(線材)を球状化焼鈍した後、パテンティング処理し、冷間で伸線することで得ることができる。
球状化焼鈍することで、圧延材の組織をパーライトからフェライトに変態させ、鋼中に球状のセメンタイトを生成させる。球状化焼鈍の条件は特に限定されないが、例えば、700〜800℃程度の保持温度で、数時間(例えば、1〜5時間程度)保持した後に、前記保持温度から少なくとも680℃までを徐冷すればよい。徐冷は、平均冷却速度20℃/時間以下(例えば、18℃/時間以下)で行えばよい。
徐冷後は、フェライトの一部をオーステナイト化できる温度(例えば、A3点以上、900℃程度以下)で数分加熱した後、例えば、400〜600℃程度でパテンティング処理すればよい。パテンティングすることで、基地組織をパーライトとし、球状セメンタイトが生成した組織にすることができる。パテンティング処理して得られた線材を常法に従って冷間で伸線すれば本発明の高炭素鋼鋼線を得ることができる。本発明の鋼線の直径は特に限定されないが、例えば、φ2〜15mm程度である。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
表1に示した成分組成(残部は鉄および不可避不純物)の鋼材を、φ18mmに圧延し、760℃に加熱した炉で2時間保持した後、少なくとも680℃まで平均冷却速度15℃/時間で冷却して球状化焼鈍した。球状化焼鈍したφ18mmの圧延材を、φ16mmまで冷間伸線し、850℃に加熱した炉内を3分間で通過させた後、580℃に加熱した鉛炉でパーライト変態を完了させるパテンティング処理を行った。パテンティング処理後、φ12mmまで冷間伸線し、供試材(高炭素鋼鋼線)を得た。
得られた供試材(φ12mm)の直径に対して1/4位置における長手方向の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、組織とセメンタイトの形態を観察した。
(組織)
組織は、SEMで観察倍率1500倍で観察した。結果を下記表1に示す。下記表1中、Pはパーライト、Fはフェライト、P+Fはパーライトとフェライトの混合組織を意味している。
(セメンタイトの形態)
セメンタイトの形態は、SEMで観察倍率1500倍で撮影した写真を画像処理し、各セメンタイトの面積から円相当径を求め、円相当径が0.2μm以上、2.0μm未満のものについては、セメンタイトのアスペクト比(長径/短径)も測定した。円相当径が0.2μm以上、2.0μm未満で、アスペクト比が2.0未満の微細球状セメンタイトの面積率を算出し、結果を下記表1に示す。また、円相当径が2.0μm以上の粗大セメンタイトの面積率も算出し、結果を下記表1に示す。
なお、円相当径が0.2μm以上、2.0μm未満のセメンタイトの個数に対して、円相当径が0.2μm以上、2.0μm未満で、アスペクト比が2.0未満の球状セメンタイトの個数の割合は95%以上であった。
次に、得られた供試材を用い、摩耗試験機(ピン・オン・ディスク型試験機)で摩耗試験した。試験条件は、φ12mmの供試材をピンとして用い、相手材としてJISに規定されるSUJ2の調質材製ディスクを用い、面圧を0.05GPaとして乾式とした。ピンの摩耗による減少量を測定し、耐摩耗性を評価した。結果を下記表1に示す。
表1から次のように考察できる。No.1〜7は、いずれも耐摩耗性に優れている例である。一方、No.8は、Cが多いため粗大なセメンタイトが多く生成し、耐摩耗性が悪い。No.9は、SiとCrが少ないため粗大なセメンタイトが生成し、耐摩耗性が悪い。No.8とNo.9については、伸線時に破断が発生しており、伸線加工性も悪かった。No.10は、Cが少ないためセメンタイトが充分生成せず、耐摩耗性を改善することができていない。
Figure 2008127589

Claims (6)

  1. 質量%で、
    C :0.85〜1.2%、
    Si:0.5〜1.5%、
    Mn:0.1〜0.8%、
    Cr:0.05〜1.5%を含有する鋼線であり、
    円相当径が0.2μm以上、2.0μm未満、アスペクト比が2.0未満の球状セメンタイトの合計面積率が5〜20%で、
    円相当径が2.0μm以上の粗大セメンタイトの合計面積率が1%未満であることを特徴とする高炭素鋼鋼線。
  2. 更に他の元素として、
    Mo:0.5%以下(0%を含まない)、
    Ni:2%以下(0%を含まない)、
    Ti:0.05%以下(0%を含まない)、
    V :0.5%以下(0%を含まない)および
    Nb:0.2%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものである請求項1に記載の高炭素鋼鋼線。
  3. 更に他の元素として、B:0.01%以下(0%を含まない)を含むものである請求項1または2に記載の高炭素鋼鋼線。
  4. 残部が鉄および不可避不純物である請求項1〜3のいずれかに記載の高炭素鋼鋼線。
  5. 前記鋼線の組織が、パーライトを含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の高炭素鋼鋼線。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の化学成分を満足する圧延材に、球状化焼鈍した後、パテンティング処理し、伸線することを特徴とする高炭素鋼鋼線の製造方法。
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