JP2008127429A - 光硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Keiji Goto
慶次 後藤
Kenji Fukao
健司 深尾
Atsushi Watanabe
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Abstract

【課題】光硬化注型成形法に好適な樹脂組成物で、振動疲労耐久性に優れた樹脂組成物および硬化体を提供する。
【解決手段】(A)分子内に1つ以上の反応性基を有し、且つ分子量が20,000〜100,000のオリゴマー1種以上を含有する樹脂であり、しかも光ラジカル重合性樹脂、光ラジカル付加重合性樹脂、及び光カチオン重合性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つの樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)酸化防止剤又は(D)光安定剤のいずれか又は両方とを含有する樹脂組成物、好ましくは、樹脂組成物の硬化体を用いて動的粘弾性測定を実施した際に、周波数が1〜100,000Hzの範囲において、貯蔵弾性率E’が1MPa以上200MPa以下であることを特徴とする前記の樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線、可視光線等の光照射により硬化可能な樹脂組成物および硬化体に関し、さらに詳しくは、振動疲労耐久性に優れた樹脂組成物および硬化体に関する。
一般に柔軟性、伸縮性、弾性といった、所謂ゴム特性を与える組成物はエラストマーと呼ばれ、その振動に対する疲労耐久性が、他の高分子素材と比較し抜きんでて優れているため、タイヤ等の自動車部材、土木、建築等の構造物用シール部材、Oリング等のパッキング部材、スピーカー等の音響用部材、携帯電話用キーシート等のシート部材、防振材料、各種機構部材等として適用されている。
従来のエラストマー(以下、記号Rで示す)としては、天然ゴム、変性天然ゴム、グラフト天然ゴム、環化天然ゴム、塩素化天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシル化ニトリルゴム、ニトリルゴム/塩化ビニル樹脂ブレンド、ニトリルゴム/EPDMゴムのブレンド、ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、アクリルゴム、エチレン−アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシドゴム、メチルシリコンゴム、ビニル−メチルシリコンゴム、フェニル−メチルシリコンゴム、フッ化シリコンゴム等のゴム材料、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー材料が知られている。
一般にエラストマー(R)の成形体を得る方法としては、硬化剤および他の添加剤を配合したエラストマー原料を充分に混練する混練り工程、そして、練り生地を真空成形法、圧空成形法、上型下型を一組とする成形型(以下、上下型という)による加熱加圧成形法、射出成形法等により成型し、加熱、加圧により加硫または硬化させる硬化工程(加硫工程)を経て、目的の成形体が得られている。
しかしながら、前記の真空成形法、圧空成形法、上下型による加熱加圧成形法などでは、材料の融点付近まで金型温度を上げる必要があり、加熱のために膨大なエネルギーを必要とする。また、金型を冷却して取り出す必要があるので、成形サイクルに長時間費やすことになる。
射出成形法では、溶融した樹脂が温度差のある金型に接触した直後に冷却され流動性が極端に低下するので、薄肉の成型体を得ることが困難であり、加熱、射出、保圧等の工程上、設備も高額となる。また、熱可塑性材料を融点近くまで加熱するので、加熱エネルギーが膨大である。
成形材料は、前記の真空成形法、圧空成形法、上下型による加熱加圧成形法などでは、目的の部品寸法より略大きな平面材料を成形した後、部品部分を切り出して使用することとなるため、廃棄物が多く発生し、環境的、経済的に好ましくない。
真空成形法、圧空成形法、上下型による加熱成形の上記構成材料は、一般的には均一な厚さの材料であるため、成形後は各部分で同じ厚さとなり、同一材料からは各部分の厚さを変えることが困難である。
加えて、工業的に製造されている厚さは限られており、それ以外の厚さの材料を得ることは、通常困難である。成形時の延伸などの処理により、厚さを変える方法も提案されているが、成形後の内部応力歪みが大きくなる等の問題が発生する。
上記の様な成形法の課題を解決する手段として、上下型中に充填した光硬化性液状物質に、紫外線、可視光線等の光照射により硬化させ、成形体を形成する光硬化注型成形法が特許文献1で提案されている。
特開2004−357020公報
より詳しくは、上型、下型よりなる一組の成形型の少なくともいずれか一方を光が透過する材料にて形成し、かつ光照射により硬化可能な樹脂をセットして型を閉じ、光を透過する型の外側から光を照射し、樹脂を硬化させて目的形状の硬化体を得る方法であり、この方法により、少ないエネルギーおよび少ない工数で、任意の厚みの成形体を容易かつ安価に製造することが可能となる。
一方で、光硬化可能なエラストマーまたはゴム弾性を示す樹脂組成物としては、特許文献2、特許文献3にシーリング材用として、また、特許文献4に光学的立体造形用として樹脂組成物が開示されているが、上記の光硬化注型成形法に適し、且つ従来のエラストマーに要求されるような振動疲労耐久性を満たす樹脂組成物は知られていなかった。
特表2002−501109号公報 特表2003−505525号公報 特開2000−290328号公報
本発明は、公知技術の事情に鑑みてなされたもので、光照射により硬化可能な、光硬化注型成形法に好適な樹脂組成物であり、さらに、振動疲労耐久性に優れた樹脂組成物および硬化体を提供するものである。
(1)(A)分子内に1つ以上の反応性基を有し、且つ分子量が20,000〜100,000のオリゴマー1種以上を含有する樹脂であり、しかも光ラジカル重合性樹脂、光ラジカル付加重合性樹脂、及び光カチオン重合性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つの樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)酸化防止剤又は(D)光安定剤のいずれか又は両方とを含有する樹脂組成物である。
(2)樹脂組成物の硬化体を用いて動的粘弾性測定を実施した際に、周波数が1〜100,000Hzの範囲において、貯蔵弾性率E’が1MPa以上200MPa以下であることを特徴とする(1)に記載の樹脂組成物。
(3)前記(A)成分が(a−1)分子の末端又は側鎖に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、分子量が20,000〜100,000のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー1種以上と(a−2)単官能(メタ)アクリレートとからなることを特徴とする(1)に記載の樹脂組成物である。
(4)(a−2)単官能(メタ)アクリレートが下記化式〔1〕または〔2〕で表される単官能(メタ)アクリレートであることを特徴とする(3)に記載の樹脂組成物である。
Figure 2008127429

(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは、炭素数1〜22である直鎖もしくは分岐アルキル基、シクロヘキシル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基により置換されたシクロヘキシル基、フェニル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基により置換されたフェニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、ボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基、アリル基である。)
Figure 2008127429

(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは、炭素数1〜4である直鎖もしくは分岐アルキル基、Rは、炭素数1〜4である直鎖もしくは分岐アルキル基、シクロヘキシル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基により置換されたシクロヘキシル基、フェニル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基により置換されたフェニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、ボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基、アリル基であり、nは1〜12の整数である。)
(5)前記(A)成分が、分子内に2つ以上の炭素−炭素不飽和二重結合を有するポリエン化合物と分子内に2つ以上のメルカプト基を有するポリチオール化合物とからなるエン・チオール樹脂であることを特徴とする(1)に記載の樹脂組成物である。
(6)前記(A)成分が、分子内にエポキシ基、オキセタニル基、またはビニルエーテル基を有する樹脂であることを特徴とする(1)に記載の樹脂組成物である。
(7)さらに(E)ゴム組成物を含有する(1)〜(6)のいずれかに記載の樹脂組成物である。
(8)(E)ゴム組成物が、(メタ)アクリル酸エステル化合物、ビニル系化合物、及びオレフィン系炭化水素化合物からなる群から選ばれる単量体からなる共重合体であって、重量平均分子量が500〜50,000の範囲にあることを特徴とする(7)に記載の樹脂組成物である。
(9)樹脂組成物の硬化体の引張破壊伸びが200%以上であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の樹脂組成物である。
(10)(1)〜(9)のいずれかに記載の樹脂組成物からなる硬化体である。
本発明の樹脂組成物は、紫外線または可視光線等の光照射により極めて短時間に硬化し、その硬化体は振動疲労耐久性に優れるという特性を有しているので、防振部材、音響部材、さらには、自動車部材、土木、建築等の構造物用シール部材、シート部材、ガラスやプラスチック製品の保護材、銅線、光ファイバー等の被覆材、各種機構部材等に好適に使用できる。また、本発明の樹脂組成物は、その優れた疲労特性から土木、建築等の構造用シーリング剤、金属、マグネット、セラミックス、ガラス、プラスチック用の接着剤にも適用できる。
本発明の樹脂組成物に於いては、光の照射を受けて硬化体を形成する光硬化性樹脂が用いられる。ここでいう光とは、紫外線、可視光線等に代表されるエネルギー線を意味する。
本発明の樹脂組成物に於いては、光硬化性樹脂として、光ラジカル重合性樹脂、光ラジカル付加重合性樹脂、及び光カチオン重合性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つの樹脂を用いることができる。また、本発明に於いては、前記樹脂に関して、分子内に1つ以上の反応性基を有し、且つ分子量が20,000〜100,000のオリゴマー1種以上を含有する樹脂であることが選択され、本発明の目的を達成することができる。
光ラジカル付加重合性樹脂としては、ラジカル発生によりチオール基が炭素−炭素不飽和結合へ付加するエン・チオール反応が公知として知られており、特に分子内に少なくとも2個以上のチオール基を有する化合物と分子内に2個以上の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物とからなるエン・チオール樹脂が光硬化性に優れるという理由で好ましい。
光カチオン重合性樹脂としては、分子内にエポキシ基を有する樹脂、オキセタニル基を有する樹脂、ビニルエーテル基を有する樹脂、更にはスピロオルソエステル基、ビシクロオルソエステル基、スピロオルソカーボネート基を有する樹脂等が挙げられ、このうちエポキシ基またはオキセタニル基またはビニルエーテル基を有する樹脂が光硬化性および材料選択の豊富さという理由で好ましい。
光ラジカル重合性樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ビニル樹脂、不飽和ポリエステル、ポリオレフィン等が挙げられ、このうちアクリル樹脂が光硬化性および材料選択の豊富さという理由で好ましい。
アクリル樹脂としては、ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレートモノマー、(メタ)アクリレートダイマー、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリオレフィン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が例示されるが、本発明の目的を達成するにあたっては、ウレタン(メタ)アクリレートと(メタ)アクリレートモノマーとからなる樹脂組成物が好ましく、特に好ましくは、(a−1)分子の末端又は側鎖に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、分子量が20,000〜100,000のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー1種以上と(a−2)単官能(メタ)アクリレートとからなる樹脂組成物である。
前記(a−1)成分である、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリオール化合物(X)と有機ポリイソシアネート化合物(Y)とヒドロキシ(メタ)アクリレート(Z)とを反応させてなる、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーをいう。
ポリオール化合物(X)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ポリブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ブチルエチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、ポリカプロラクトン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、ポリグリセリン、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコールや、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのブロック又はランダム共重合の少なくとも1種の構造を有するポリエーテルポリオール、該多価アルコール又はポリエーテルポリオールと無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、無水イタコン酸、イタコン酸、アジピン酸、イソフタル酸等の多塩基酸との縮合物であるポリエステルポリオール、カプロラクトン変性ポリテトラメチレンポリオール等のカプロラクトン変性ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、水添ポリブタジエンポリオール等のポリブタジエン系ポリオール、ポリジメチルシロキサンポリオール等のシリコーンポリオール等が挙げられ、特に好ましくは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールである。
中でも特に、分子量が200〜10,000であることが好ましく、好ましくは500〜10,000、更に好ましくは1,000〜6,000である。分子量が200以上であれば、良好な耐久性を有する硬化体が得られるし、10,000以下であれば硬化性が低下してしまうようなこともない。
有機ポリイソシアネート化合物(Y)としては、特に限定されることなく、例えば芳香族系、脂肪族系、環式脂肪族系、脂環式系等のポリイソシアネートが挙げられ、中でもトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート(H−MDI)、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(クルードMDI)、変性ジフェニルメタンジイソシアネート(変性MDI)、水添化キシリレンジイソシアネート(H−XDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMXDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(m−TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)等のポリイソシアネート或いはこれらポリイソシアネートの三量体化合物、これらポリイソシアネートとポリオールの反応生成物等が好適に用いられ、中でも水添化キシリレンジイソシアネート(H−XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)が好ましい。該ポリイソシアネート化合物(Y)の分子量は500未満が好ましく、500を越えるとジオールとの反応性が低下して好ましくない。
ヒドロキシ(メタ)アクリレート(Z)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、4−ブチルヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でも2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好適に用いられる。
前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーにおいて、分子中の(メタ)アクリロイル基の数は、分子の末端又は側鎖に1個以上6個以下、より好ましくは2個以上4個以下の(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましい。(メタ)アクリロイル基が1個以上あれば、前記(a−2)成分である単官能(メタ)アクリレートと共重合できるし、6個以下であれば、得られる硬化体が硬くなりすぎて優れた振動疲労耐久性が得られなくなるようなこともない。
前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの分子量は、20,000以上100,000以下、より好ましくは25,000以上80,000以下が好ましい。ここでいう分子量とは、ゲルパーミネーションカラマトグラフィー(以下、GPCという)により測定され、ポリスチレン換算された重量平均分子量をいう。分子量が20,000以上であれば、得られる成型体は優れた振動疲労耐久性を示し、100,000以下であれば、硬化性が悪くなることもない。
前記(a−2)成分である単官能(メタ)アクリレートは、分子内に1つの(メタ)アクリロイル基を含有するものであれば特に限定されないが、下記式〔3〕または〔4〕で表される単官能(メタ)アクリレートを含有する樹脂組成物は振動疲労耐久性の優れた硬化体を得ることができるため特に好ましい。
Figure 2008127429

(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは、炭素数1〜22である直鎖もしくは分岐アルキル基、シクロヘキシル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基により置換されたシクロヘキシル基、フェニル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基により置換されたフェニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、ボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基、アリル基である。)
Figure 2008127429

(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは、炭素数1〜4である直鎖もしくは分岐アルキル基、Rは、炭素数1〜4である直鎖もしくは分岐アルキル基、シクロヘキシル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基により置換されたシクロヘキシル基、フェニル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基により置換されたフェニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、ボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基、アリル基であり、nは1〜12の整数である。)
具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロピオキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレン(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等が例示できる。尚、アクリレートとメタクリレートとではメタクリレートの方がより好適な振動疲労耐久性に優れた硬化体を与える。
本発明の光硬化性樹脂組成物に於いて、(a−1)成分と(a−2)成分の配合比は、(a−1)成分と(a−2)成分の合計に対し、(a−1)成分を5〜95質量%、特に好ましくは20〜85質量%含有する組成物とするとき、光照射により得られる硬化物は、優れた振動疲労耐久性を有するので特に好ましい。
(B)成分である光重合開始剤は、紫外線重合開始剤や可視光重合開始剤等があるが、どちらも制限無く用いられる。光ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、チオキサントン系、メタロセン系、キノン系、ホウ素化合物系等があり、光カチオン重合開始剤としては、ヨードニウム塩化合物、スルフォニウム塩化合物、フォスフォニウム塩化合物、ピリジニウム塩化合物、鉄−アレーン錯体化合物等が挙げられる。
本発明に於いて、光重合開始剤としては、特に限定されずに公知のものが使用できるが、例えば、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンジル,ベンゾイン、ベンゾイルイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、カンファーキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2-ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン−1、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
(C)成分である酸化防止剤としては、例えば、β−ナフトキノン、2−メトキシ−1,4−ノフトキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−p−ベンゾキノン等のキノン系化合物、フェノチアジン、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、カテコール、tert−ブチルカテコール、2−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、3,9−ビス〔2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド〕、ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕フォスフォネート、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス〔〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕フォスフォネート、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕、ヘキサメチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス〔(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル〕−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,6−トリメチルペンテンとの反応生成物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、ピクリン酸、クエン酸等のフェノール系化合物、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス〔2−〔〔2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサフォスフェフィン−6−イル〕オキシ〕エチル〕アミン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリートールジフォスファイト、ビス〔2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル〕エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)〔1,1−ビスフェニル〕−4,4’−ジイルビスフォスフォナイト、6−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオキシ〕−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンズ〔d、f〕〔1,3,2〕ジオキサフォスフェフィン等のリン系化合物、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、2−メルカプトベンズイミダゾール等のイオウ系化合物、フェノチアジン等のアミン系化合物、ラクトン系化合物、ビタミンE系化合物等が挙げられ、中でもフェノール系化合物が好適である。
(D)成分である光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル−メタアクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル,1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、N,N’,N”,N”’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリルオキシカルボニル)エチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5・1・11・2〕ヘネイコサン−21−オン、β−アラニン,N,−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ドデシルエステル/テトラデシルエステル、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5,1,11,2〕ヘネイコサン−21−オン、2,2,4,4−テトラメチル−21−オキサ−3,20−ジアザジシクロ−〔5,1,11,2〕−ヘネイコサン−20−プロパン酸ドデシルエステル/テトラデシルエステル、プロパンジオイックアシッド,〔(4−メトキシフェニル)−メチレン〕−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)エステル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールの高級脂肪酸エステル、1,3−ベンゼンジカルボキシアミド,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)等のヒンダートアミン系、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系化合物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコールの反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール等のベンゾトリアゾール系化合物、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕フェノール等のトリアジン系化合物等が挙げられるが、特に好ましくは、ヒンダートアミン系化合物である。
本発明の樹脂組成物に於いて、(A)成分を100質量部とするときに、(B)成分を0.01〜15質量部、(C)成分および(D)成分の合計を0.01〜5質量部含有するとき、光照射により得られる硬化物は、優れた振動疲労耐久性を有するので特に好ましい。
さらに、本発明の樹脂組成物は、当該樹脂組成物の硬化体を用いて動的粘弾性測定を実施したとき、周波数が1〜100,000Hzの範囲において、貯蔵弾性率E’
が1MPa以上200MPa以下である優れた振動疲労耐久性を示す樹脂組成物であることを特徴とする。
ここでいう動的粘弾性とは、物体に周期的に変化する歪みまたは応力を加えたときに観測される粘弾性をいう。また、貯蔵弾性率E’とは、弾性率の定義に従い応力と歪みの比は複素弾性率Eで表され、ここで、E=E’+iE”とかくときの実数部E’を意味する。尚、虚数部は損失弾性率E”といい、一周期の間に粘弾性体に貯えられる弾性エネルギーがE’に比例し、粘弾性体が熱として失うエネルギーE”に比例するために、それぞれ貯蔵弾性率、損失弾性率とよばれる。
本発明において用いられる動的粘弾性測定装置は、一般に市販されている、公知の動的粘弾性スペクトルメーターを用いることができる。具体的には、RSAIII(ティー・エイ・インスツルメンツ社製)や、DMS6100(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)等が例示される。
また、これまで集積された知見から貯蔵弾性率E’には、経験的に時間−温度換算則が成立することがわかっており、WLFの式として与えられている。即ち、この経験則に従えば、種々の温度で測定された貯蔵弾性率E’曲線を、時間または周波数の対数軸に沿って水平移動させ、重ね合わせることで幅広い時間域または周波数域での1本の合成曲線(マスターカーブ)を得ることができる。本発明における貯蔵弾性率E’はマスターカーブによって得られた貯蔵弾性率E’の値も包括する。
また、動的粘弾性測定で示される貯蔵弾性率E’の基準温度は、当該樹脂組成物を使用するときに想定される実用温度範囲内である−20〜80℃の範囲が好ましく、更に0〜60℃が好ましく、10〜40℃の範囲が一層好ましい。
さらに本発明の樹脂組成物において、(E)成分であるゴム組成物を少なくとも1種類以上含むことが、優れた振動疲労耐久性を得るために好ましい。
ゴム組成物としては、前記のエラストマー(R)が例示できるが、その中でも光硬化性樹脂への相溶性の面から特に好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル化合物、ビニル系化合物、及びオレフィン系炭化水素化合物からなる群から選ばれる単量体からなる共重合体であるゴム組成物が好ましい。
ゴム組成物の分子量は、好ましくは500〜50,000の範囲にあり、特に好ましくは750〜20,000、さらに好ましくは1,000〜10,000の範囲である。分子量が500以上で、樹脂組成物は充分な振動疲労耐久性を得ることができ、50,000以下であれば、樹脂組成物との相溶性にも優れるので好ましい。
ゴム組成物の分子量分布(重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたときのMw/Mn)は1.0以上5.0以下、特に好ましくは1.1以上3.0以下であることが、光硬化性樹脂に相溶し、且つ優れた振動疲労耐久性を与えるため好ましい。
ゴム組成物の重合方法としては、ラジカル重合およびアニオン重合等公知の重合方法を用いることができる。
ラジカル重合としては、塊状重合、懸濁重合、塊状-懸濁重合、溶液重合、乳化重合、連続重合等、公知の重合方法を用いることができ、また、必要に応じてラジカル発生剤を用いることができる。
ラジカル重合で用いられる溶媒、重合温度等の重合条件は、特に限定されるものではない。重合は無溶媒または各種の溶剤中で行うことができる。無溶媒で重合することが重合速度が高く生産性が向上するので好ましい。
重合温度は50〜500℃の温度範囲とすることが、高い重合速度及び重合速度の制御が容易な点から好ましく、特に好ましい重合温度は100〜400℃である。
ラジカル発生剤としては、種々の化合物を用いることができるが、好ましくは、重合温度条件下で、ラジカルを発生しうるパーオキサイドが挙げられる。パーオキサイドとしては、限定はされないが、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3、5、5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2、5−ジメチル−2、5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2、5−ジメチル−2、5ージ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類、2、2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2、2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3、3、5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4、4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリレート等のパーオキシケタール類、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピパレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2ーエチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ3、5、5ートリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジーt−ブチルジパーオキシイソフタレート、2、5ージメチルー2、5ージ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキシエステル類、アセチルアセトンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3、3、5ートリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、クメンハイドロパーオキサイド、ジーイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2、5ージメチルヘキサン2、5ージハイドロパーオキサイド、1、1、3、3ーテトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、2塩基酸のポリアシルパーオキサイド類、2塩基酸とポリオールとのポリパーオキシエステル類が挙げられる。この中では、ベンゾイルパーオキサイドが好ましく用いられる。
また、パーオキサイドの代わりにラジカル発生性アゾ化合物等もラジカル発生剤として用いることが出来る。ラジカル発生性アゾ化合物としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
分子量を調整する等の目的で、必要に応じて、溶媒、ラジカルキャッピング剤、重合加速剤、連鎖移動剤、反応停止剤等を併用することができる。
ゴム組成物のTgは、樹脂組成物に優れた振動疲労耐久性を与えるために、25℃未満であることが好ましい。より好ましくは0℃未満であり、更により好ましくは−20℃未満である。
ゴム組成物の25℃での粘度は、100〜100,000mPa・sの範囲であることが好ましい。100mPa・s以上で、充分な振動疲労耐久性を与えることができ、100,000mPa・s以下で樹脂組成物との相溶性が得られ、さらに光硬化性樹脂自体が増粘することがなく、好ましい。尚、粘度の測定方法に特に制限はないが、B型粘度計、E型粘度計、レオメーター等の公知の粘度計を用いて測定できる。
樹脂組成物中におけるゴム組成物の配合量は、(A)成分を100質量部とするときに、0.01〜70質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜50質量部が好ましく、特に好ましくは0.1〜30質量部である。0.01質量部以上で充分な振動疲労耐久性が得ることができるし、70質量部以下でならば、得られる樹脂組成物が柔軟すぎたり、硬化性が低下することもない。
さらに、本発明の樹脂組成物の硬化体は、JIS K7113(プラスチックの引張試験方法)に準拠して引張試験測定を実施したとき、引張破壊伸びが200%以上、特に好ましくは400%以上であることが優れた振動疲労耐久性を示すため好ましい。
本発明に於いては、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲において、顔料(チタン白、シアニンブルー、ウォッチングレッド、ベンガラ、カーボンブラック、アニリンブラック、マンガンブルー、鉄黒、ウルトラマリンブルー、ハンザレッド、クロームイエロー、クロームグリーン等)、無機充填剤(炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、硫酸バリウム、リトポン、石コウ、ステアリン酸亜鉛、パーライト、石英、石英ガラス、溶融シリカ、球状シリカ等のシリカ粉等や、球状アルミナ、破砕アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の酸化物類、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の窒化物類、炭化ケイ素等の炭化物類、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物類、銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケル、チタン等の金属類や合金類、ダイヤモンド、カーボン等の炭素系材料等)、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂(高密度、中密度、低密度の各種ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等の単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、スチレン系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリルゴム、ウレタンゴムなどの各種エラストマー樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン系グラフト共重合体やアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系グラフト共重合体などのグラフト共重合体等)、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維等)、垂れ止め剤(水添ヒマシ油、微粒子無水硅酸等)、艶消し剤(微粉シリカ、パラフィンワックス等)、研削剤(ステアリン酸亜鉛等)、内部離型剤(ステアリン酸等の脂肪酸、ステアリン酸カルシウムの脂肪酸金属塩、ステアリン酸アマイド等の脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス等)を配合することも可能である。
尚、(A)成分を100質量部とするときに、顔料の配合量は、0.0001〜50質量部、無機充填剤の配合量は0.0001〜50質量部、レベリング剤の配合量は0.0001〜5質量部、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の配合量は0.01〜30質量部、垂れ止め剤の配合量は0.01〜5質量部、艶消し剤の配合量は0.001〜10質量部、研削剤の配合量は0.01〜5質量部、内部離型剤の配合量は0.001〜20質量部の範囲が好ましく選択される。
又、上記の成分以外にも、消泡剤、難燃剤、帯電防止剤、可塑剤、熱重合開始剤、シランカップリング剤、密着性付与剤等を併用することも可能である。
以上の様にして得られる本発明の樹脂組成物に、例えば、365nmの波長の光の照度が5〜200mW/cmである光を照射した場合、20秒程度の極めて短時間に硬化し、振動疲労耐久性に優れた硬化体を得ることができる。
また、本発明の樹脂組成物の成形体を成形する場合、その手段は種々の方法を採用することができるが、特に好ましくは、(1)上型、下型よりなる一組の成形型の少なくともいずれか一方を光が透過する材料にて形成し、硬化前の該光硬化性樹脂組成物を所定量滴下する。次に上型と下型を圧着して、型閉じし、光を透過する材料からなる型の外側から光を照射し、樹脂を硬化させて目的の硬化体を得る方法。および(2)上型、下型よりなる一組の成形型の少なくともいずれか一方を光が透過する材料にて形成し、次に上型と下型を圧着して、型閉じし、次に型に予め形成しておいた注入口より、硬化前の該光硬化性樹脂組成物を所定量注入する。そして、光を透過する材料からなる型の外側から光を照射し、樹脂を硬化させて目的の硬化体を得る方法が好ましい。
光を透過する型に用いられる材料としては、例えば石英、石英ガラス、硼珪酸ガラス、ソーダガラス等のガラス材料、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、セルロース樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体等の樹脂材料が例示できるが、これらに限定されない。特に好ましくは、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂である。
光源としてはハロゲンランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ(インジウム等を含有する)、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、キセノンエキシマランプ、キセノンフラッシュランプ等が挙げられるが特に限定されない。
各々放射波長、エネルギー分布が異なるため、上記光源は光重合開始剤の反応波長などにより選択される。また、自然光(太陽光)も反応開始光源になり得る。
上記光源は、直接照射、反射鏡等により集光照射、ファイバー等による集光照射をすることができ、低波長カットフィルター、熱線カットフィルター、コールドミラー等も用いることもできる。
また、上記の成形方法により本発明の樹脂組成物の成形体を成形する場合、樹脂組成物の硬化収縮率は10%以下であることが好ましい。10%を越えると、硬化収縮により、型精度と硬化物に差が生じるため目的形状の硬化体が得られ難いためである。
また、樹脂組成物の粘度は、25℃で100〜100,000mPa・s、特に好ましくは、3,000〜90,000mPa・sであることが好ましい。100mPa・s以上であれば、液漏れ等を起こし目的の形状の成型体が得られないことが防止できるし、100,000mPa・s以下であれば、充填しにくく、また、型を押し上げてしまう等して、目的の形状の硬化体が得られなくなることもない。
以下に、実施例、比較例をあげて、本発明を更に詳細に説明する。尚、実施例および比較例に記載の配合組成物中の各成分には以下の化合物を選択した。
(A)成分として、
(A−1)ポリエステルポリオール系ウレタンアクリレート
(根上工業社製「KHP−17」)
(GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量40,000)
(A−2)ポリエーテルポリオール系ウレタンアクリレート
(日本合成化学工業社製「UV−3700B」)
(GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量37,000)
(A−3)ポリエステルポリオール系ウレタンアクリレート
(日本合成化学工業社製「UV−3000B」)
(GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量18,000)
(A−4)ジシクロペンタニルメタクリレート(日立化成工業社製「ファンクリルFA−513M」)
(A−5)フェノキシエチルメタクリレート(共栄社化学社製「ライトエステルPO」)
(A−6)シクロヘキシルメタクリレート(共栄社化学社製「ライトエステルCH」)
(A−7)1,9−ノナンジオールジメタクリレート(共栄社化学社製「ライトエステル1,9ND」)
(B)成分の光重合開始剤として、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製「IRGACURE819」)
(C)成分の酸化防止剤として、
エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製「IRGANOX245」)
(D)成分の光安定剤として
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(三共ライフテック社製「サノールLS−770」)
を用いた。
また、(E)成分のゴム組成物としては下記の通りに製造したゴム組成物を用いた。
〈ゴム組成物の重合〉
1Lステンレス製オートクレーブを窒素置換した後、n−ブチルアクリレート(以下、「nBA」という。):270g、メチルメタクリレート(以下、「MMA」という。):270g、グリシジルメタクリレート(以下、「GMA」という。):60g、過酸化ベンゾイル(以下、「BPO」という。):13.9gを窒素ガス雰囲気下において仕込み、密封して、オイルバスを用いてバス温度を130℃まで加熱し反応開始させた。組成物は200℃にまで到達しその温度下で約60分間維持された。その後室温まで急冷して重合反応を停止させた。残留揮発分を240℃、2時間真空下で除去することにより、ゴム組成物を固形残渣として得た。収率は92%であり、GPC測定による数平均分子量Mnは1,170、重量平均分子量Mwは2,350であり、分子量分布Mw/Mnは2.01で、25℃粘度が5,000mPa・sであった。また、得られたゴム組成物の構成成分の含有割合はH−NMRスペクトルの積分強度比から算出した結果、nBA:44.7質量%、MMA:45.4質量%、GMA:9.9質量%であることが判った。
(実施例1〜9、比較例1および2)
表1、表2に示す種類の原材料を表1、表2に示す組成で混合して樹脂組成物を調製した。得られた組成物について、動的粘弾性測定、樹脂引張試験の測定、及び振動疲労耐久試験を行った。それらの結果を表1、表2に示す。
Figure 2008127429
Figure 2008127429
各種物性は、次のように測定した。
〔光硬化条件〕
光硬化に際しては、無電極放電ランプ(Dバルブ)を搭載したフュージョン社製硬化装置により、365nmの波長の照度が150mW/cmである光を積算光量が4,000mJ/cmとなるように照射して硬化させた。
〔動的粘弾性測定〕
測定サンプル形状、幅6mm×長さ50mm×厚さ1mmの試験片を上記の硬化条件で硬化して調整し、動的粘弾性アナライザーRSAIII(ティー・エイ・インスツルメンツ社製)を用い下記の条件にて行った。
測定モード :引張モード
温度 :−20〜25℃(温度間隔 2.5℃)
周波数 :各温度で0.1〜10Hz
(測定点は次の21点:0.10Hz、0.13Hz、0.16Hz、0.20Hz、0.25Hz、0.32Hz、0.40Hz、0.50Hz、0.63Hz、0.79Hz、1.00Hz、1.3Hz、1.6Hz、2.0Hz、2.5Hz、3.2Hz、4.0Hz、5.0Hz、6.3Hz、7.9Hz、10.0Hz)
マスターカーブ作成:ソフトウェア「ティーエイオーケストレーター」(ティー・エイ・インスツルメンツ社製)を用い、基準温度25℃における周波数域1〜100,000Hzのマスターカーブを作成し、上記周波数域での貯蔵弾性率E’の最大値E’(max)と最小値E’(min)を求めた。
〔樹脂引張試験〕
JIS K7113(プラスチックの引張試験方法)に準拠し、2(1/2)号ダンベル形状(標点間距離12mm)で1mm厚の試験片を上記の硬化条件で硬化して調整し、温度23℃、湿度50%の環境下で、引張速度50mm/minで測定した。引張破壊強さ、引張弾性率、引張破壊伸びの各値については、JIS K7113に準拠して求めた。
〔振動疲労耐久試験〕
全長150mm×幅25mm×厚さ3mmの試験片を上記の硬化条件で調整し、JIS K6260(加硫ゴム及び可塑性ゴムのデマチャ屈曲き裂試験方法)を参考にして、予め試験片中央部に約2mmの亀裂を入れた試験片をデマチャ屈曲き裂試験機(上島製作所社製)の上下つかみ具につかみ具間隔75mmで固定し、室温雰囲気下、振幅56mm、300回/分の条件で往復運動をさせた。測定は、初期(0回)および屈曲回数50,000回毎に亀裂幅を測定した。この場合、屈曲回数とは、1往復運動を1回とし、屈曲回数は回数計で読みとった。また亀裂幅の測定はつかみ具間隔を65mmにして測定した。また、評価に関しては、200,000回時点で亀裂幅が25mm(=破断)に至らなかったものを、振動疲労耐久性良好とした。
〔GPC評価〕
分子量は次の条件で測定し、GPCによりポリスチレン換算の重量平均分子量として得た。
[測定条件]
溶媒(移動相):THF
流速:1.0ml/min
設定温度:40℃
カラム構成:東ソー社製「TSK guardcolumn MP(×L)」6.0mmID×4.0cm1本、および東ソー社製「TSK−GELMULTIPOREHXL−M」 7.8mmID×30.0cm(理論段数16,000段)2本、計3本(全体として理論段数32,000段)、
サンプル注入量:100μl(試料液濃度1mg/ml)
送液圧力:39kg/cm
検出器:RI検出器
本発明の樹脂組成物は、紫外線または可視光線等の光照射により極めて短時間に硬化し、その硬化体は振動疲労耐久性に優れるという特性を有しているので、防振部材、音響部材、さらには、自動車部材、土木、建築等の構造物用シール部材、シート部材、ガラスやプラスチック製品の保護材、銅線、光ファイバー等の被覆材、各種機構部材等に好適に使用できる。また、本発明の樹脂組成物は、その優れた疲労特性から土木、建築等の構造用シーリング剤、金属、マグネット、セラミックス、ガラス、プラスチック用の接着剤にも適用できる。

Claims (10)

  1. (A)分子内に1つ以上の反応性基を有し、且つ分子量が20,000〜100,000のオリゴマー1種以上を含有する樹脂であり、しかも光ラジカル重合性樹脂、光ラジカル付加重合性樹脂、及び光カチオン重合性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つの樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)酸化防止剤又は(D)光安定剤のいずれか又は両方とを含有する樹脂組成物。
  2. 樹脂組成物の硬化体を用いて動的粘弾性測定を実施した際に、周波数が1〜100,000Hzの範囲において、貯蔵弾性率E’が1MPa以上200MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記(A)成分が(a−1)分子の末端又は側鎖に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、分子量が20,000〜100,000のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー1種以上と(a−2)単官能(メタ)アクリレートとからなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. (a−2)単官能(メタ)アクリレートが下記化式〔1〕または〔2〕で表される単官能(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
    Figure 2008127429

    (式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは、炭素数1〜22である直鎖もしくは分岐アルキル基、シクロヘキシル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基により置換されたシクロヘキシル基、フェニル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基により置換されたフェニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、ボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基、アリル基である。)
    Figure 2008127429

    (式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは、炭素数1〜4である直鎖もしくは分岐アルキル基、Rは、炭素数1〜4である直鎖もしくは分岐アルキル基、シクロヘキシル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基により置換されたシクロヘキシル基、フェニル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基により置換されたフェニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、ボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基、アリル基であり、nは1〜12の整数である。)
  5. 前記(A)成分が、分子内に2つ以上の炭素−炭素不飽和二重結合を有するポリエン化合物と分子内に2つ以上のメルカプト基を有するポリチオール化合物とからなるエン・チオール樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  6. 前記(A)成分が、分子内にエポキシ基、オキセタニル基、またはビニルエーテル基を有する樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  7. さらに(E)ゴム組成物を含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  8. (E)ゴム組成物が、(メタ)アクリル酸エステル化合物、ビニル系化合物、及びオレフィン系炭化水素化合物からなる群から選ばれる単量体からなる共重合体であって、重量平均分子量が500〜50,000の範囲にあることを特徴とする請求項7に記載の樹脂組成物。
  9. 樹脂組成物の硬化体の引張破壊伸びが200%以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる硬化体。
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