JP2008127316A - 縮合ヘテロ環化合物及びそれを用いた有機発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機電界発光素子用材料として有用な、新規縮合ヘテロ環化合物を提供する。
【解決手段】下記一般式[I]で示される縮合ヘテロ環化合物。
Figure 2008127316

(式中、Xは窒素原子もしくは炭素原子を表す。
1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基等であり、a=0以上3以下、b=0以上3以下を表す。
Ar1、Ar2は置換あるいは無置換のアリール基等である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な有機化合物およびそれを用いた有機発光素子に関する。
有機発光素子における最近の進歩は著しく、低印加電圧で高輝度であり、発光波長の多様性、高速応答性を有し、薄型、軽量の発光デバイス化が可能であることから、広汎な用途への可能性を示唆している。
しかしながら、現状では発光効率などの初期特性や長時間の発光による輝度劣化などの耐久特性の更なる向上が必要である。これらの初期特性や耐久特性は、素子を構成するホール注入層、ホール輸送層、発光層、ホールブロック層、電子輸送層や電子注入層などのすべての層が起因している。
これまで知られているホールブロック層、電子輸送層や電子注入層に用いる材料としては、フェナントロリン化合物、アルミニウムキノリノール錯体、オキサジアゾール化合物やトリアゾール化合物、アゾール化合物等が挙げられる。これらの中で、アゾール化合物については、発光層または電子輸送層、電子注入層に用いた報告例がある(特許文献1乃至3)。しかし、これらのEL素子の耐久特性および初期特性が十分でなく、特に低電圧駆動の点で課題が残されている。
特開2005−82703号公報 特開平10−340786号公報 特開平5−214335号公報
本発明は、有機電界発光素子用材料として有用な、新規縮合ヘテロ環化合物を提供することを目的とする。
また、該新規縮合ヘテロ環化合物を有機電界発光素子用材料として用い、高発光輝度で高発光効率な有機発光素子、特に低電圧化に優れた有機発光素子を提供することを目的とする。
さらに、耐久性が高く、長時間の発光による輝度劣化が小さい有機発光素子を提供することを目的とする。
また、製造が容易でかつ比較的安価に作成可能な有機発光素子を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の縮合ヘテロ環化合物は、下記一般式[I]または[II]で示されることを特徴とする。
Figure 2008127316
Figure 2008127316
(式中、Xは窒素原子もしくは炭素原子を表す。
1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基から選ばれる基を表わす。R1およびR2は、同じであっても異なっていてもよく、a=0以上3以下、b=0以上3以下を表す。
Ar1、Ar2は置換あるいは無置換のアリール基,、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表す。)
本発明の縮合ヘテロ環化合物は、従来の化合物に比べ電子輸送性、発光性、耐久性、特に低電圧駆動に優れた化合物であり、有機発光素子の有機化合物を含む層、特に、電子輸送層、電子注入層およびホールブロッキング層として有用である。また真空蒸着法や溶液塗布法などによって形成した層は結晶化などが起こりにくく経時安定性に優れている。
本発明の縮合へテロ環化合物を用いた有機発光素子は、低い印加電圧で高輝度な発光が得られ、耐久性にも優れている。特に本発明の縮合へテロ環化合物を含有する有機層は、電子輸送層・電子注入層として優れ、かつホールブロッキング層としても優れている。
さらに、素子の作成も真空蒸着あるいはキャステイング法等を用いて作成可能であり、比較的安価で大面積の素子を容易に作成できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の縮合ヘテロ環化合物について説明する。
本発明の縮合ヘテロ環化合物は、上記一般式[I]または[II]、好ましくは一般式[I]で示され、縮合複素環上に二つ以上のヘテロ原子が金属原子とキレート構造を形成するように配置された構造を有する。一般式[I]または[II]において、a=b=0であることが好ましい。
また、優れた電子輸送性及びホールブロック性を有するために、上記Ar1及びAr2は以下に示す置換基がより好ましい。
Figure 2008127316
上記一般式[I]または[II]における置換基R1及びR2の具体例を以下に示す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、ter−ブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
複素環基としては、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、ビピリジル基、ターピリジル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
縮合多環芳香族基としては、フルオレニル基、ナフチル基、フルオランテニル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、ペリレニル基、トリフェニレニル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
縮合多環複素環基としては、キノリル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナジル基、フェナントロリル基、ナフチリジル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アリールオキシ基としては、フェノキシル基、フルオレノキシル基、ナフトキシル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記置換基が有してもよい置換基としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、ter−ブチル基、オクチル基などのアルキル基、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などのアリール基、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、ビピリジル基、ターピリジル基などの複素環基、フルオレニル基、ナフチル基、フルオランテニル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、ペリレニル基、トリフェニレニル基などの縮合多環芳香族基、キノリル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナジル基、フェナントロリル基、ナフチリジル基などの縮合多環複素環基、フェノキシル基、フルオレノキシル基、ナフトキシル基などのアリールオキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基など
次に、本発明の縮合ヘテロ環化合物の代表例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2008127316
Figure 2008127316
Figure 2008127316
本発明のヘテロ環化合物は、一般的に知られている方法で合成できる。例えば、まず、Chem.Lett,1225(1982)、Heterocycles,55,1329(2001)などに記載の方法でオキサゾロピリジン化合物中間体を得る。そして、パラジウム触媒を用いたSuzuki Coupling法(例えばChem.Rev.,95,2457,(1995)などの合成法で得ることができる。
本発明の縮合ヘテロ環化合物は、従来の化合物に比べ電子輸送性、発光性、耐久性、特に低電圧駆動に優れた化合物であり、有機発光素子の有機化合物を含む層、特に、電子輸送層、電子注入層およびホールブロッキング層として有用である。また真空蒸着法や溶液塗布法などによって形成した層は結晶化などが起こりにくく経時安定性に優れている。
次に、本発明の有機発光素子について詳細に説明する。
本発明の有機発光素子は、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された有機化合物を含む一または複数の層を少なくとも有する有機発光素子である。そして、前記有機化合物を含む層の少なくとも一層が本発明の縮合ヘテロ環化合物のうち少なくとも一種を含有することを特徴とする。
本発明の有機発光素子は、有機化合物を含む層のうち少なくともホールブロック層、電子輸送層、または電子注入層が、本発明の縮合ヘテロ環化合物の少なくとも一種を含有することが好ましい。本発明の縮合ヘテロ環化合物の中で、比較的HOMOが小さいものはホールブロック性が高く、ホールブロック層や電子輸送層として特に好ましい。
本発明の縮合ヘテロ環化合物を含む層は、真空蒸着法や溶液塗布法により陽極及び陰極の間に形成される。該層の厚みは10μmより薄く、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.01乃至0.5μmの厚みに薄膜化することが好ましい。
図1乃至図6に本発明の有機発光素子の好ましい例を示す。
図1は本発明の有機発光素子の一例を示す断面図である。図1は、基板1上に陽極2、発光層3及び陰極4を順次設けた構成のものである。ここで使用する発光素子は、それ自体でホール輸送能、エレクトロン輸送能及び発光性の性能を単一で有している化合物を使う場合や、それぞれの特性を有する化合物を混ぜて使う場合に有用である。
図2は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図2は、基板1上に陽極2、ホール輸送層5、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合は、発光物質としてホール輸送性かあるいは電子輸送性のいずれかあるいは両方の機能を有している材料をそれぞれの層に用い、発光性の無い単なるホール輸送物質あるいは電子輸送物質と組み合わせて用いる場合に有用である。また、この場合、発光層はホール輸送層5あるいは電子輸送層6のいずれかから成る。
図3は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図3は、基板1上に陽極2、ホール輸送層5、発光層3,電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。これはキャリヤ輸送と発光の機能を分離したものであり、ホール輸送性、電子輸送性、発光性の各特性を有した化合物と適時組み合わせて用いられ。そのため、極めて材料選択の自由度が増すとともに、発光波長を異にする種々の化合物が使用でき、発光色相の多様化が可能になる。さらに、中央の発光層3に各キャリヤあるいは励起子を有効に閉じこめて発光効率の向上を図ることも可能になる。
図4は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図4は図3に対してホール注入層7を陽極2側に挿入した構成であり、陽極2とホール輸送層5の密着性改善あるいはホールの注入性改善に効果があり、低電圧化に効果的である。
図5および図6は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図5および図6は、図3および図4に対してホールあるいは励起子(エキシトン)が陰極4側に抜けることを阻害する層(ホールブロッキング層8)を、発光層3、電子輸送層6間に挿入した構成である。イオン化ポテンシャルの非常に高い化合物をホールブロッキング層8として用いる事により、発光効率の向上に効果的な構成である。
ただし、図1乃至図6はあくまでごく基本的な素子構成であり、本発明の有機発光素子の構成はこれらに限定されるものではない。例えば、電極と有機層界面に絶縁性層を設ける、接着層あるいは干渉層を設ける。ホール輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる2層から構成される。など多様な層構成をとることができる。
本発明の縮合ヘテロ環化合物は、従来の化合物に比べ電子輸送性、発光性および耐久性の優れた化合物であり、図1乃至図6のいずれの形態でも使用することができる。
特に、本発明の縮合ヘテロ環化合物を用いた有機層は、ホールブロック層、電子輸送層および電子注入層として有用であり、また真空蒸着法や溶液塗布法などによって形成した層は結晶化などが起こりにくく経時安定性に優れている。
本発明の有機発光素子は、本発明の縮合ヘテロ環化合物を用いるものであるが、これまで知られているホール輸送性化合物、発光性化合物あるいは電子輸送性化合物などを必要に応じて一緒に使用することもできる。
以下にこれらの化合物例を挙げる。
Figure 2008127316
Figure 2008127316
Figure 2008127316
Figure 2008127316
Figure 2008127316
Figure 2008127316
本発明の有機発光素子において、本発明の縮合ヘテロ環化合物を含有する層および他の有機化合物を含有する層は、一般には真空蒸着法あるいは、適当な溶媒に溶解させて塗布法により薄膜を形成する。特に塗布法で成膜する場合は、適当な結着樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記結着樹脂としては広範囲な結着性樹脂より選択でき、たとえば以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、尿素樹脂等
また、これらは単独または共重合体ポリマーとして1種または2種以上混合してもよい。
陽極材料としては仕事関数がなるべく大きなものがよい。例えば、金、銀、白金、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム等の金属単体あるいはこれらの合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化錫インジウム(ITO),酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェニレンスルフィド等の導電性ポリマーも使用できる。これらの電極物質は単独で用いてもよく、複数併用することもできる。
一方、陰極材料としては仕事関数の小さなものがよく、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、銀、鉛、錫、クロム等の金属単体あるいは複数の合金またはこれらの塩などを用いることができる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化の利用も可能である。また、陰極は一層構成でもよく、多層構成をとることもできる。
本発明で用いる基板としては、特に限定するものではないが、金属製基板、セラミックス製基板等の不透明性基板、ガラス、石英、プラスチックシート等の透明性基板が用いられる。また、基板にカラーフィルター膜、蛍光色変換フィルター膜、誘電体反射膜などを用いて発色光をコントロールする事も可能である。
なお、作成した素子に対して、酸素や水分等との接触を防止する目的で保護層あるいは封止層を設けることもできる。保護層としては、ダイヤモンド薄膜、金属酸化物、金属窒化物等の無機材料膜、フッソ樹脂、ポリパラキシレン、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂等の高分子膜さらには、光硬化性樹脂等が挙げられる。また、ガラス、気体不透過性フィルム、金属などをカバーし、適当な封止樹脂により素子自体をパッケージングすることもできる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明していくが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<合成実施例1[例示化合物No.3の合成]>
Figure 2008127316
Roczniki Chemie,31,1041(1957)に記載の方法で、2,6−ジアミノピリジン[1]から2,6−ジアミノピリジン−3,5−ジオール[3]をトータル80%で得た。続いてHeterocycles,55,1329(2001)に記載の合成法で、[3]と4−ヨード安息香酸[4]から2,6ビス(4−ヨードフェニル)ジオキサゾロ[4,5−b:5’,4’−e]ピリジン[5]を収率69%で得た。
200ml三ツ口フラスコに、以下の化合物を入れ、窒素雰囲気中、室温で攪拌下、炭酸ナトリウム2g/水20mlの水溶液を滴下した。
2,6ビス(4−ヨードフェニル)ジオキサゾロ[4,5−b:5’,4’−e]ピリジン[5]3.88g(6.86mmol)
9,9−ジメチルフルオレン−2−ボロン酸ピナコールエステル体[6]1.00g(3.12mmol)
トルエン50mlおよびエタノール25ml
次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.79g(0.69mmol)を添加した。室温で10分攪拌した後78℃に昇温し加熱還流下5時間攪拌した。反応液をろ過し、得られた粗生成物を70℃下、クロロホルム650mlに溶解させ、この溶液をシリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール=30/1)で精製することで、例示化合物No.3(白色結晶)0.85g(収率39%)を得た。
<合成例2[例示化合物No.2の合成]>
Figure 2008127316
文献既知の方法で、2,6−ジブロモピリジン[7]から収率60%で6−ブロモピコリン酸[8]を得た。
Figure 2008127316
合成実施例1と同様に、2,6−ジアミノピリジン−3,5−ジオール[3]と6−ブロモピコリン酸[8]から2,6ビス(6−ブロモピリジン−2−イル)ジオキサゾロ[4,5−b:5’,4’−e]ピリジン[9](淡黄色結晶)を収率52%で得た。
続いて、200ml三ツ口フラスコに、以下の化合物を入れ、窒素雰囲気中、室温で攪拌下、炭酸ナトリウム2g/水20mlの水溶液を滴下した。
2,6ビス(6−ブロモピリジン−2−イル)ジオキサゾロ[4,5−b:5’,4’−e]ピリジン[9]3.23g(3.23mmol)
9,9−ジメチルフルオレン−2−ボロン酸ピナコールエステル体[6]1.00g(3.12mmol)
トルエン50mlおよびエタノール25ml
次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.79g(0.69mmol)を添加した。室温で10分攪拌した後78℃に昇温し加熱還流下6時間攪拌した。反応液をろ過して得られた粗生成物を70℃下、クロロホルム650mlに溶解させ、この溶液をシリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール=20/1)で精製することで、例示化合物No.2(白色結晶)0.54g(収率25%)を得た。
<実施例1>
図3に示す構造の素子を作成した。
基板1としてのガラス基板上に、陽極2としての酸化錫インジウム(ITO)をスパッタ法にて120nmの膜厚で成膜したものを透明導電性支持基板として用いた。これをアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、次いでIPAで煮沸洗浄後乾燥した。さらに、UV/オゾン洗浄したものを透明導電性支持基板として使用した。
透明導電性支持基板上に下記構造式で示される化合物のクロロホルム溶液をスピンコート法により15nmの膜厚で成膜しホール輸送層5を形成した。
Figure 2008127316
さらに下記構造式で示されるフルオレン化合物を真空蒸着法により20nmの膜厚で成膜し発光層3を形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は0.1乃至0.2nm/secの条件で成膜した。
Figure 2008127316
さらに例示化合物No.3を真空蒸着法により20nmの膜厚で成膜し電子輸送層6を形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は0.1乃至0.2nm/secの条件で成膜した。
次に、陰極4として、アルミニウムとリチウム(リチウム濃度1原子%)からなる蒸着材料を用いて、上記有機層の上に真空蒸着法により厚さ50nmの金属層膜を形成し、さらに真空蒸着法により厚さ150nmのアルミニウム層を形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は1.0乃至1.2nm/secの条件で成膜した。
さらに、窒素雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。
この様にして得られた素子に、ITO電極(陽極2)を正極、Al−Li電極(陰極4)を負極にして、6Vの直流電圧を印加すると60mA/cm2の電流密度で電流が素子に流れ、3200cd/m2の輝度で青色の発光が観測された。
さらに、電流密度を30mA/cm2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度1620cd/m2から100時間後1100cd/m2と輝度劣化は小さかった。
<実施例2乃至8>
例示化合物No.3に代えて、表1に示す化合物を用いた他は実施例1と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例1乃至2>
例示化合物No.3に代えて、下記構造式で示される化合物を用いた他は実施例1と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2008127316
Figure 2008127316
<実施例9>
図5に示す構造の素子を作成した。
実施例1と同様に、透明導電性支持基板上にホール輸送層5を形成し、続いて発光層3を形成した。
例示化合物No.2を真空蒸着法により20nmの膜厚で成膜しホールブロッキング層8を形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は0.1乃至0.2nm/secの条件で成膜した。
さらに2,9−ビス(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−1,10−フェナントロリンを真空蒸着法により20nmの膜厚で成膜し電子輸送層6を形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は0.1乃至0.2nm/secの条件で成膜した。
次に、実施例1と同様にして陰極4を形成し、封止した。
この様にして得られた素子に、ITO電極(陽極2)を正極、Al−Li電極(陰極4)を負極にして、6Vの直流電圧を印加すると62mA/cm2の電流密度で電流が素子に流れ、3000cd/m2の輝度で青色の発光が観測された。
さらに、電流密度を30mA/cm2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度1300cd/m2から100時間後970cd/m2と輝度劣化は小さかった。
<実施例10乃至15>
例示化合物No.2に代えて、表2に示す化合物を用いた他は実施例9と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。結果を表2に示す。
<比較例3乃至4>
例示化合物No.2に代えて、上記比較化合物No.1、2を用いた他は実施例9と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2008127316
本発明における有機発光素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 発光層
4 陰極
5 ホール輸送層
6 電子輸送層
7 ホール注入層
8 ホールブロッキング層

Claims (5)

  1. 下記一般式[I]で示されることを特徴とする縮合ヘテロ環化合物。
    Figure 2008127316
    (式中、Xは窒素原子もしくは炭素原子を表す。
    1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基から選ばれる基を表わす。R1およびR2は、同じであっても異なっていてもよく、a=0以上3以下、b=0以上3以下を表す。
    Ar1、Ar2は置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表す。)
  2. 下記一般式[II]で示されることを特徴とする縮合ヘテロ環化合物。
    Figure 2008127316
    (式中、Xは窒素原子もしくは炭素原子を表す。
    1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基から選ばれる基を表わす。R1およびR2は、同じであっても異なっていてもよく、a=0以上3以下、b=0以上3以下を表す。
    Ar1、Ar2は置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基、置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表す。)
  3. a=b=0であることを特徴とする請求項1または2に記載の縮合ヘテロ環化合物。
  4. 陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された有機化合物を含む一または複数の層を少なくとも有する有機発光素子において、前記有機化合物を含む層の少なくとも一層が請求項1乃至3のいずれかに記載の縮合ヘテロ環化合物のうち少なくとも一種を含有することを特徴とする有機発光素子。
  5. 有機化合物からなる層のうちホールブロック層、電子輸送層または電子注入層から選ばれる少なくとも一層が、前記縮合ヘテロ環化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項4に記載の有機発光素子。
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