JP2008126819A - プライオリティバルブ - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力変動に強いプライオリティバルブを提供することである。
【解決手段】 メインスプールSにはサブスプール27を組み込むとともに、このサブスプールは、その移動位置に応じて第3制御通路部36の開度を制御する構成にし、しかも、このサブスプールの一端を第1パイロット室28に臨ませ、他端を第2パイロット室29に臨ませる。そして、サブスプールは、第1パイロット室と第2パイロット室との作用力がバランスする位置を保つとともに、そのバランス位置で上記第3制御通路部36を閉じたり、その開度を大きくしたりし、かつ、第3制御通路部を閉じたとき、サブスプールに形成したダンパオリフィス34が第3制御通路部36に開口する構成にしている。しかも、上記第1パイロット室28と一方の圧力室6との直接的な連通を遮断するようにしている。
【選択図】 図1
【解決手段】 メインスプールSにはサブスプール27を組み込むとともに、このサブスプールは、その移動位置に応じて第3制御通路部36の開度を制御する構成にし、しかも、このサブスプールの一端を第1パイロット室28に臨ませ、他端を第2パイロット室29に臨ませる。そして、サブスプールは、第1パイロット室と第2パイロット室との作用力がバランスする位置を保つとともに、そのバランス位置で上記第3制御通路部36を閉じたり、その開度を大きくしたりし、かつ、第3制御通路部を閉じたとき、サブスプールに形成したダンパオリフィス34が第3制御通路部36に開口する構成にしている。しかも、上記第1パイロット室28と一方の圧力室6との直接的な連通を遮断するようにしている。
【選択図】 図1
Description
この発明は、ポンプの吐出流体を、例えばステアリング系回路に供給する制御流量と、作業機系回路に供給する余剰流量とに分流させ、ステアリング系回路には常に一定の制御流量が供給されるようにしたプライオリティバルブに関する。
この種のプライオリティバルブとして、本出願人は、特願2006−145046号出願にかかわる発明としてすでに提案しているが、この特願2006−145046号出願にかかわる発明を図2に示した。この図2からも明らかなように、バルブ本体Bに、ポンプポート1、制御流ポート2および余剰流ポート3を形成するとともに、スプール孔4を形成している。そして、このスプール孔4は、その一端を開口してそれをプラグ5でふさぐとともに、他端は底部4aでふさいでいる。このようにしたスプール孔4にはメインスプールSを摺動自在に組み込むとともに、このメインスプールSの一端を一方の圧力室6に臨ませ、他端を他方の圧力室7に臨ませている。そして、上記他方の圧力室7にはスプリング8を設け、メインスプールSを、通常は、スプリング8のばね力の作用で、図示のノーマル位置を保つようにしている。
メインスプールSには、その外周に環状溝9を形成し、メインスプールSが上記のノーマル位置にあるとき、バルブ本体Bと上記環状溝9とが相まって形成する第1制御通路部10の開度を最大に保つ一方、ポンプポート1と余剰流ポート3とを連通する第2制御通路部11を閉じる構成にしている。そして、メインスプールSがスプリング8のばね力に抗して移動するにしたがって、上記第1制御通路部10が徐々に閉じる一方、第2制御通路部11が徐々に開く関係にしている。
上記のようにしたメインスプールSには、サブスプール孔12を形成するとともに、このサブスプール孔12の一端、すなわち一方の圧力室6側に、連通孔13を形成したストッパー14をネジ止めしている。このようにしたサブスプール孔12には、サブスプール15を摺動自在に組み込んでいるが、このサブスプール15の一端はストッパー14側に形成した第1パイロット室16に臨ませ、他端は、サブスプール15を挟んで第1パイロット室16と対向する第2パイロット室17に臨ませている。そして、この第2パイロット室17にはスプリング18を設け、このスプリング18の作用で、サブスプールは、通常、図示のノーマル位置を保つようにしている。なお、上記第2パイロット室17は通孔19を介して上記他方の圧力室7に連通させている。
さらに、上記サブスプール15には、サブスプールの軸線に平行な凹部からなる流通路20を形成し、サブスプール15に形成した流通孔21と上記流通路20とは、サブスプール15の移動位置に関わりなく、常に、連通する関係にしている。
さらに、上記サブスプール15の流通路20には、第1パイロット室16に連通するダンパオリフィス22を形成する一方、上記第2パイロット室17に連通する制御オリフィス23を形成している。なお、上記ダンパオリフィス22および制御オリフィス23は、サブスプール15の移動位置に関わりなく、常に、流通孔21に連通する関係にしている。
さらに、上記サブスプール15の流通路20には、第1パイロット室16に連通するダンパオリフィス22を形成する一方、上記第2パイロット室17に連通する制御オリフィス23を形成している。なお、上記ダンパオリフィス22および制御オリフィス23は、サブスプール15の移動位置に関わりなく、常に、流通孔21に連通する関係にしている。
そして、上記サブスプール15には、第1パイロット室16に常時開口する通路孔24を形成するとともに、この通路孔24は、流通路20と流通孔21とが相まって形成する第3制御通路部25を介して、上記流通孔21に連通する構成にしている。ただし、この第3制御通路部25は、サブスプール15が図示のノーマル位置にあるときに最大に開口し、サブスプール15がスプリング18に抗して移動するにしたがって徐々に閉じる構成にしている。
今、ポンプポート1からポンプ吐出流体が流入すると、その流体は先ず制御オリフィス23を通過する。このとき、制御オリフィス23の上流側の圧力は、流通路20→第3制御通路部25を経由して第1パイロット室16に導かれるとともに、この第1パイロット室16からさらに連通孔13を経由して一方の圧力室6にも導かれる。また、制御オリフィス23の下流側の圧力は、第2パイロット室17に導かれるとともに、この第2パイロット室17および通孔19を経由して他方の圧力室7に導かれる。さらに、この他方の圧力室7に導かれた圧力流体は、制御流ポート2を介して、図示していないステアリング系回路に導かれる。
そして、上記のように制御オリフィス23に流体が通過すると、その前後に差圧が発生するので、その差圧の分だけ、一方の圧力室6および第1パイロット室16の圧力が、他方の圧力室7および第2パイロット室17の圧力よりも高くなる。このように一方の圧力室6の圧力が他方の圧力室7の圧力よりも高くなれば、メインスプールSは、スプリング8に抗して移動しながら、第1制御通路部10の開度を徐々に狭くしていく。そして、メインスプールSは、制御オリフィス23前後の差圧がスプリング8のばね力と等しくなる関係位置で停止して、第1制御通路部10を絞るとともに、制御オリフィス23の開口面積で決められた制御流量が、他方の圧力室7を経由して制御流ポート2から流出する。
また、上記のようにメインスプールSがスプリング8に抗して移動すると、環状溝9を介してポンプポート1と余剰流ポート3とが連通するが、その連通過程における第2制御通路部11の開度は、制御オリフィス23の上流側の圧力に依存する。すなわち、ポンプポート1から流入する流量が多くなって制御オリフィス23前後の差圧が大きくなれば、メインスプールSは、スプリング8のばね力が制御オリフィス23前後の差圧に等しくなるように移動して、スプリング8を大きく撓ませる。そして、メインスプールSが上記のように移動することによって、第2制御通路部11の開度が決まることになる。言い換えると、ポンプポート1からの流量は、制御オリフィス23で決められた一定の制御流量を制御流ポート2から流出させるとともに、その制御流量以上の流量を余剰流ポート3から流出させる。
また、このとき、サブスプール15の第1パイロット室16と第2パイロット室17との間にも圧力差が発生するので、サブスプール15もスプリング18に抗して移動して第3制御通路部25の開度を徐々に狭くしていくことになる。この時、ポンプポート1側の負荷圧が急激に高くなると、その高圧が第1パイロット室16に作用するので、サブスプール15がスプリング18に抗して移動し、第3制御通路部25を即座に閉じる。このように第3制御通路部25が閉じられると、一方の圧力室6はダンパオリフィス22を介してのみポンプポート1と連通することになるので、メインスプールSの急激な移動を防止できる。すなわち、ダンパー効果を発揮することができる。
また、このとき、サブスプール15の第1パイロット室16と第2パイロット室17との間にも圧力差が発生するので、サブスプール15もスプリング18に抗して移動して第3制御通路部25の開度を徐々に狭くしていくことになる。この時、ポンプポート1側の負荷圧が急激に高くなると、その高圧が第1パイロット室16に作用するので、サブスプール15がスプリング18に抗して移動し、第3制御通路部25を即座に閉じる。このように第3制御通路部25が閉じられると、一方の圧力室6はダンパオリフィス22を介してのみポンプポート1と連通することになるので、メインスプールSの急激な移動を防止できる。すなわち、ダンパー効果を発揮することができる。
一方、余剰流ポート3に接続した作業機系回路の圧力が、例えばリリーフ圧まで上昇すると、メインスプールSおよびサブスプール15は、その圧力作用で第1制御通路部10および第3制御通路部25を最小にする位置まで移動する。そして、この状態で、作業機系回路のバルブを操作して、作業機系回路をタンクに連通するとポンプポート1の圧力も低くなるが、このままであれば、ポンプポート1から流入した流体は、負荷圧の低い作業機系回路側に多く流れてしまい、制御流ポート2から流出する流量が不足する。しかし、この実施形態では、上記のようにポンプポート1の圧力が低くなると、それにともなってサブスプール15がスプリング18のばね力で図示のノーマル位置に復帰して、第3制御通路部25の開度を大きくする。
上記のように第3制御通路部25の開度が大きくなれば、一方の圧力室6の圧力も、連通孔13→通路孔24→第1パイロット室16→第3制御通路部25を介してポンプポート1側に流出するので、一方の圧力室6の圧力が低くなる。このようにして一方の圧力室6の圧力が低くなれば、それにともなってメインスプールSがスプリング8のばね力の作用で移動し、第1制御通路部10の開度を大きくする。したがって、作業機系回路の圧力が低くなっても、第1制御通路部10の開度が大きくなっているので、一定の制御流量を確保することができる。
特願2006−145046号明細書
上記のようにした従来のプライオリティバルブでは、圧力室6と第1パイロット室16とが常時連通する構成にしているので、例えば、サブスプール15が、スプリング18を撓ませた移動位置にある状態から、上記したように即座にノーマル位置に復帰させるときの応答遅れが発生していたが、その原因は次の通りである。つまり、一方の圧力室6の流体が流出するとき、第1パイロット室16を経由して流出する構成にしているので、第1パイロット室16の圧力がサブスプールに作用する。この作用力は、サブスプールに対してその復帰を妨げる方向の力となるが、この力が、サブスプールをノーマル位置に復帰させるときの遅れの原因となる。
当該サブスプール15に応答遅れが発生すると、例えば、作業機系回路の圧力がリリーフ圧にまで到達した状態で、その作業機系回路のバルブを中立位置に復帰して、当該作業機系回路をタンク圧にまで急激に落とすが、この場合に、次のような不都合が生じる。すなわち、上記のように作業機系回路がリリーフ圧にまで到達した状態では、メインスプールは、それにともなって、ステアリング系回路に導く流路を絞ることになる。この状態から、作業機系回路を上記のようにタンク圧にまで落としてしまうと、メインスプールが、ステアリング系回路に導く流路の開度を即座に大きくしなければ、ポンプ吐出量のほとんどが、タンク圧になっている作業機系回路に流れてしまい、ステアリング系回路に流れる流量が一瞬少なくなってしまう。そのために、サブスプール15に応答遅れが発生すると、ステアリング系回路に設けたパワーシリンダの動作も不安定になり、ドライバーは、ステアリング操作に引っかかりを感じてしまうという問題があった。
この発明は、バルブ本体にポンプポート、制御流ポートおよび余剰流ポートを形成するとともに、このバルブ本体にメインスプールを摺動自在に組み込む一方、メインスプールの一端を一方の圧力室に臨ませ、他端を他方の圧力室に臨ませるとともに、この他方の圧力室に臨ませたスプールの他端にはスプリングのばね力を作用させてなり、上記ポンプポートと制御流ポートとは、メインスプールに直接または間接的に設けた制御オリフィスを介して連通して、制御流ポートにはこの制御オリフィスを経由した一定の制御流が流通する構成にし、しかも、制御オリフィスの上流側の圧力を上記一方の圧力室に導き、制御オリフィスの下流側の圧力を他方の圧力室に導くとともに、制御オリフィス前後の圧力差に応じてメインスプールが移動し、ポンプポートと制御流ポートとを連通させる第1制御通路部の開度、およびポンプポートと余剰流ポートとを連通させる第2制御通路部の開度を制御する構成にしたプライオリティバルブを前提にするものである。
そして、上記の発明を前提にしつつ、この発明は、上記メインスプールにはサブスプールを摺動自在に組み込み、このサブスプールの一端は第1パイロット室に臨ませ、他端はスプリングを設けた第2パイロット室に臨ませ、しかも、この第1パイロット室と上記一方の圧力室との直接の連通を遮断し、第2パイロット室と他方の圧力室とを常時連通させるとともに、上記第1パイロット室はサブスプールに形成した連通路を介して上記第2パイロット室に常時連通させ、この連通路に制御オリフィスを設け、メインスプールには、ポンプポートと上記連通路とを常時連通する連通ポートを設ける一方、サブスプールの移動位置に応じて開度が制御されるとともに上記連通路と上記一方の圧力室とを連通させる第3制御通路部を設け、かつ、サブスプールには、当該サブスプールが上記第2パイロット室内のスプリングのばね力に抗して移動したとき、第3制御通路部に開口して、上記一方の圧力室を連通路に連通させるダンパオリフィスを設けた点に特徴を有する。
この発明によれば、メインスプールの一端を臨ませた一方の圧力室と、サブスプールの一端を臨ませた第1パイロット室との直接的な連通を遮断したので、上記一方の圧力室の圧力が、サブスプールに作用することがなくなる。したがって、サブスプールがノーマル位置へ復帰するとき、上記一方の圧力室の圧力によって、その復帰の応答性が損なわれたりしなくなる。
次に、図1に示したこの発明の実施形態を説明するが、従来と同一の構成要素については、同一符号をもって説明する。バルブ本体Bに、ポンプポート1、制御流ポート2および余剰流ポート3を形成するとともに、スプール孔4を形成している。そして、このスプール孔4は、その一端を開口してそれをプラグ5でふさぐとともに、他端は底部4aでふさいでいる。このようにしたスプール孔4にはメインスプールSを摺動自在に組み込むとともに、このメインスプールSの一端を一方の圧力室6に臨ませ、他端を他方の圧力室7に臨ませている。そして、上記他方の圧力室7にはスプリング8を設け、メインスプールSを、通常は、スプリング8のばね力の作用で、図示のノーマル位置を保つようにしている。
メインスプールSには、その外周に環状溝9を形成し、メインスプールSが上記のノーマル位置にあるとき、バルブ本体Bと上記環状溝9とが相まって形成する第1制御通路部10の開度を最大に保つ一方、ポンプポート1と余剰流ポート3とを連通する第2制御通路部11を閉じる構成にしている。そして、メインスプールSがスプリング8のばね力に抗して移動するにしたがって、上記第1制御通路部10が徐々に閉じる一方、第2制御通路部11が徐々に開く関係にしている。
上記のようにしたメインスプールSであって、一方の圧力室6側における端部には、ケーシング部材26をはめるとともに、このケーシング部材26にサブスプール27を摺動自在に組み込んでいる。そして、上記サブスプール27の一端は第1パイロット室28に臨ませ、他端を第2パイロット室29に臨ませているが、上記第1パイロット室28と上記一方の圧力室6との直接的な連通は遮断されている。また、上記第2パイロット室29にはスプリング30を設け、このスプリング30のばね力の作用で、通常は、サブスプール27が図示のノーマル位置を保つようにしている。
上記のようにしたサブスプール27は、その軸線に沿って連通路31を形成し、この連通路31を介して第1,2パイロット室28,29が常時連通する構成にするとともに、この連通路31には制御オリフィス32を設けている。そして、上記第2パイロット室29は、他方の圧力室7に常時連通するものである。
また、上記サブスプール27には、環状溝33を形成するとともに、この環状溝33は、上記制御オリフィス32の上流側における連通路31に常時連通させている。さらに、上記環状溝33よりも、一方の圧力室6寄りにダンパオリフィス34を設けているが、このダンパオリフィス34は、サブスプール27が図示のノーマル位置にあるとき、ケーシング部材26の内面によって閉じられる関係位置を保っている。
そして、上記のようにサブスプール27を組み込んだケーシング部材26には、連通ポート35と第3制御通路部36とを設けている。上記連通ポート35は、環状溝33と常時連通するとともに、メインスプールSに設けたポート37を介して、第1制御通路部10に連通している。また、第3制御通路部36は、サブスプール27の移動位置に応じて、環状溝33とのラップ量が制御され、結果的に第3制御通路部36の開度が制御されることになる。そして、サブスプール27がスプリング30のばね力に抗してフルストロークすると、上記第3制御通路部36が閉じられるとともに、ダンパオリフィス34がこの第3制御通路部36に開口する関係にしている。
今、メインスプールSおよびサブスプール27が図示のノーマル位置にあるとき、ポンプポート1からポンプ吐出流体が流入すると、その流体は、第1制御通路部10→ポート37→連通ポート35→環状溝33→制御オリフィス32→圧力室7→制御流ポート2を経由して、図示していないステアリング系回路に導かれる。
上記のようにして制御オリフィス32に流体が流れると、その前後に圧力差が生じるが、制御オリフィス32の上流側の圧力は、第1パイロット室28に導かれるとともに、全開状態にある第3制御通路部36を経由して一方の圧力室6にも導かれる。また、制御オリフィス32の下流側の圧力は、第2パイロット室29に導かれるとともに、この第2パイロット室29を経由して他方の圧力室7にも導かれる。
また、上記のように制御オリフィス32の前後に差圧が発生すれば、その差圧の分だけ、一方の圧力室6および第1パイロット室28の圧力が、他方の圧力室7および第2パイロット室29の圧力よりも高くなる。このように一方の圧力室6の圧力が他方の圧力室7の圧力よりも高くなれば、メインスプールSは、スプリング8に抗して移動しながら、第1制御通路部10の開度を徐々に狭くしていく。そして、メインスプールSは、制御オリフィス32前後の差圧がスプリング8のばね力と等しくなる関係位置で停止して、第1制御通路部10を絞るとともに、制御オリフィス32の開口面積で決められた制御流量が、他方の圧力室7を経由して制御流ポート2から流出する。
上記のようにメインスプールSがスプリング8に抗して移動すると、環状溝9を介してポンプポート1と余剰流ポート3とが連通するが、その連通過程における第2制御通路部11の開度は、制御オリフィス32の上流側の圧力に依存する。すなわち、ポンプポート1から流入する流量が多くなって制御オリフィス32前後の差圧が大きくなれば、メインスプールSは、スプリング8のばね力が制御オリフィス32前後の差圧に等しくなるように移動して、スプリング8を大きく撓ませる。そして、メインスプールSが上記のように移動することによって、第2制御通路部11の開度が決まることになる。言い換えると、ポンプポート1からの流量は、制御オリフィス32で決められた一定の制御流量を制御流ポート2から流出させるとともに、その制御流量以上の流量を余剰流ポート3から流出させる。
また、上記したようにサブスプール27の第1パイロット室28と第2パイロット室29との間にも圧力差が発生するので、サブスプール27もスプリング30に抗して移動し、第3制御通路部36の開度を徐々に狭くしていくことになる。この時、ポンプポート1側の負荷圧が急激に高くなると、その高圧が第1パイロット室28に作用するので、サブスプール27がスプリング30に抗して移動し、第3制御通路部36を即座に閉じるとともに、この第3制御通路部36にはダンパオリフィス34が開口することになる。したがって、一方の圧力室6はダンパオリフィス34を介してのみポンプポート1と連通することになるので、上記のようにポンプポート1側の圧力が急上昇しても、メインスプールSの急激な移動を防止できる。
一方、余剰流ポート3に接続した作業機系回路の圧力が、例えばリリーフ圧まで上昇すると、メインスプールSは、その圧力作用で第1制御通路部10を最小にする位置まで移動するとともに、サブスプール27も移動して第3制御通路部36を閉じ、ダンパオリフィス34を第3制御通路部36に開口させる。この状態で、作業機系回路のバルブを操作して、作業機系回路をタンクに連通するとポンプポート1の圧力も低くなるが、ポンプポート1の圧力が低くなると、それにともなってサブスプール27がスプリング30のばね力で図示のノーマル位置に復帰して、第3制御通路部36の開度を大きくする。このとき、第1パイロット室28と一方の圧力室6とは、その連通が遮断されるので、サブスプール27がノーマル位置に復帰する際に、一方の圧力室6の圧力がサブスプール27に作用したりしない。そのために、サブスプール27は、きわめてスムーズにノーマル位置に復帰することになり、高い応答性を確保することができる。
上記のようにして第3制御通路部36の開度が大きくなれば、一方の圧力室6の圧力も、第3制御通路部36→環状溝33→連通ポート35→ポート37を経由して、圧力が低くなったポンプポート1側に導かれ、一方の圧力室6の圧力が低くなる。このようにして一方の圧力室6の圧力が低くなれば、それにともなってメインスプールSがスプリング8のばね力の作用で移動し、第1制御通路部10の開度を大きくする。したがって、作業機系回路の圧力が低くなっても、第1制御通路部10の開度が大きくなっているので、一定の制御流量を確保することができる。
なお、上記実施形態では、サブスプール27を制御するスプリング30のばね力を、メインスプールSを制御するスプリング8のばね力よりも弱くしているので、圧力室6と第1パイロット室28とに同時に圧力が作用したときには、サブスプール27の方が必ず先に移動することになる。このようにサブスプール27が先に移動すれば、第3制御通路部36に対してダンパオリフィス34のみが開口することになる。言い換えると、メインスプールSが図面右方向に移動するときには、ダンパオリフィス34が機能して、メインスプールSの急激な移動を抑制する。
また、メインスプールSが図面左方向に移動するときには、サブスプール27がノーマル位置である左側位置に戻っているので、第3制御通路部36が開状態になる。このように第3制御通路部36が開状態にあれば、メインスプールSもスムーズに、左側位置に復帰することができる。
B バルブ本体
1 ポンプポート
2 制御流ポート
3 余剰流ポート
S メインスプール
6 一方の圧力室
7 他方の圧力室
8 スプリング
10 第1制御通路部
11 第2制御通路部
27 サブスプール
28 第1パイロット室
29 第2パイロット室
30 スプリング
31 連通路
32 制御オリフィス
34 ダンパオリフィス
35 連通ポート
36 第3制御通路部
1 ポンプポート
2 制御流ポート
3 余剰流ポート
S メインスプール
6 一方の圧力室
7 他方の圧力室
8 スプリング
10 第1制御通路部
11 第2制御通路部
27 サブスプール
28 第1パイロット室
29 第2パイロット室
30 スプリング
31 連通路
32 制御オリフィス
34 ダンパオリフィス
35 連通ポート
36 第3制御通路部
Claims (1)
- バルブ本体にポンプポート、制御流ポートおよび余剰流ポートを形成するとともに、このバルブ本体にメインスプールを摺動自在に組み込む一方、メインスプールの一端を一方の圧力室に臨ませ、他端を他方の圧力室に臨ませるとともに、この他方の圧力室に臨ませたスプールの他端にはスプリングのばね力を作用させてなり、上記ポンプポートと制御流ポートとは、メインスプールに直接または間接的に設けた制御オリフィスを介して連通して、制御流ポートにはこの制御オリフィスを経由した一定の制御流が流通する構成にし、しかも、制御オリフィスの上流側の圧力を上記一方の圧力室に導き、制御オリフィスの下流側の圧力を他方の圧力室に導くとともに、制御オリフィス前後の圧力差に応じてメインスプールが移動し、ポンプポートと制御流ポートとを連通させる第1制御通路部の開度、およびポンプポートと余剰流ポートとを連通させる第2制御通路部の開度を制御する構成にしたプライオリティバルブにおいて、上記メインスプールにはサブスプールを摺動自在に組み込み、このサブスプールの一端は第1パイロット室に臨ませ、他端はスプリングを設けた第2パイロット室に臨ませ、しかも、この第1パイロット室と上記一方の圧力室との直接の連通を遮断し、第2パイロット室と他方の圧力室とを常時連通させるとともに、上記第1パイロット室はサブスプールに形成した連通路を介して上記第2パイロット室に常時連通させ、この連通路に制御オリフィスを設け、メインスプールには、ポンプポートと上記連通路とを常時連通する連通ポートを設ける一方、サブスプールの移動位置に応じて開度が制御されるとともに上記連通路と上記一方の圧力室とを連通させる第3制御通路部を設け、かつ、サブスプールには、当該サブスプールが上記第2パイロット室内のスプリングのばね力に抗して移動したとき、第3制御通路部に開口して、上記一方の圧力室を連通路に連通させるダンパオリフィスを設けたプライオリティバルブ。
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