JP2008122842A - レンズ駆動装置用バネ部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レンズホルダを固定部材である上下のケースに弾性支持する上,下のバネ部材16を、上記レンズホルダに固定される内周側固定部16aと、上ケースもしくは下ケースに固定される外周側固定部16bと、上記内周側固定部16aと外周側固定部16bとを連結する腕部16cとから構成するとともに、上記腕部16cを外周側固定部16bの一辺に平行な方向に延長する第1の梁部16pと、この第1の梁部16pに直交する方向に延長する第2の梁部16qとを連結したL字状とし、一方の梁部へ圧縮力ないしは引張力が加わった場合には、上記圧縮力ないしは引張力を他方の梁部の撓み及び捩れ変形として吸収することができるようにした。
【選択図】図2
Description
上記バネ部材58A,58Bは、詳細には、図6に示すように、円板状の板バネ58の内周側に形成された120°毎の切り欠き溝58kにより、それぞれが円環状である内周側固定環部58aと外周側固定環部58bと、上記内周側固定環部58aと突出片58mにより連結され上記外周側固定環部58bと突出片58nにより連結される3つの円弧状の腕部58cとに分けられ、これら3つの腕部58cが可動部である上記レンズホルダ54を固定部であるフレーム57及びベース56とに可動支持するバネ部材の機能を有している(例えば、特許文献1参照)。
上記駆動用コイル55は、上記ヨーク51と上記マグネット52とにより印加される、コイル周りに放射状に分布する磁界中に設置されているので、上記駆動用コイル55に通電すると、上記駆動用コイル55には、図5の矢印に示すような、被写体の方向(上方)へ向けたローレンツ力が発生して、上記レンズホルダ54を上記バネ部材58A,58Bの復元力と釣り合った位置に移動させることができる。したがって、上記駆動用コイル55に通電する電流値を制御することにより、上記レンズホルダ54の移動量を制御して、上記レンズ53の位置を制御することができる。
上記のような揺れや衝撃によるバネ部材の変形を緩和する方法としては、例えば、図7(a)に示すように、円弧部を有する腕部58cに代えて、径方向に略S字をなすように形成した腕部58Sを設けて、この腕部58Sの変形により、上記衝撃力を緩和する方法(例えば、特許文献2参照)や、図7(b)に示すように、上記腕部58cの円弧部に代えて、互いに半径の異なる径で周方向に沿って延長する3つの周囲部68p,68q,68rを連結した複合湾曲部68wを設けるとともに、この複合湾曲部68wの内周側固定環部68aと外周側固定環部68bとの接続部である突出片68m,68nを円弧状に形成した腕部68cを備えたバネ部材68A,68Bを作製し、上記内周及び外周連結部68m,68nと上記複合湾曲部68wの弾性変形により、上記衝撃力を分散させて上記バネ部材68A,68Bの変形を抑制する方法 (例えば、特許文献3参照) などが提案されている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のレンズ駆動装置用バネ部材であって、上記L字状腕部の屈曲部を当該バネ部材の駆動方向の撓みに対する曲げモーメントがほぼゼロとなる位置もしくはその近傍に設けたことを特徴とするものである。
このとき、上記L字状腕部の屈曲部を当該バネ部材の駆動方向の撓みに対する曲げモーメントがほぼゼロとなる位置もしくはその近傍に設けるようにすれば、一方の片に加わる圧縮力ないしは引張力が他の片へ及ばないようにできるので、上記腕部の塑性変形を確実に防止することができる。
図1は、本発明の最良の形態に係るレンズ駆動装置10の構成を示す模式図で、同図において、11はレンズ、12はこのレンズ11を保持するレンズホルダ、13は上記レンズホルダに装着される環状の駆動用コイル、14は上記駆動用コイル13に放射状に分布する磁界を印加するためのマグネット、15はヨーク、16A,16Bは上記レンズホルダ12を固定部材である上ケース17Aと下ケース17Bとに弾性支持するバネ部材である。
上記マグネット14とヨーク15とは上記下ケース17Bに支持されたベース18に装着されている。また、レンズ開口部側に位置する上部のバネ部材16Aの外周部は上記上ケース17Aとスペーサ19との間に固定され、その内周部は上記レンズホルダ12の上部に固定されている。一方、レンズ開口部側とは反対側に位置する下部のバネ部材16Bの外周部は上記ベース18と上記下ケース17Bとの間に固定され、その内周部は上記レンズホルダ12の下部に固定されている。
図2は上記バネ部材16(16A,16B)の一構成を示す図で、16aはレンズホルダ12に固定される内周側固定部、16bは上ケース17Aもしくは下ケース17Bに固定される外周側固定部、16cは上記内周側固定部16aと外周側固定部16bとを連結する腕部で、この腕部16cが可動部であるレンズホルダ12を固定部である上下のケース17A,17Bに弾性支持するバネ部材の機能を有する。
本例では、上記バネ部材16の内周側固定部16aをレンズホルダ12の外周形状と同じ円環状とし、外周側固定部16bを上下のケース17A,17Bの枠形状と同じ矩形枠状とするとともに、上記腕部16cを4本設け、これら4本の腕部16cを90度間隔でバネ部材16の中心に対して4回対称になるように配置している。
このように、バネ部材16(16A,16B)の腕部16cをL字状とすれば、腕部16cの長さを、図6に示した従来のバネ部材58A,58Bの腕部58cの長さよりも長くすることができるとともに、その幅についても広くすることができる。このような腕部であれば、腕部の構造が単純なため、複数の腕部のバネ係数を安定させることが容易となり、レンズホルダ12を安定して平行移動させることができ、光軸ズレを抑制することができる。
このとき、上記第1及び第2の梁部16p,16qの連結点である腕部16cの屈曲部16Kの位置を、バネ部材である腕部16cの駆動方向の撓みに対する曲げモーメントがほぼゼロとなる位置もしくはその近傍に位置するように、上記第1及び第2の梁部16p,16qの長さ及び寸法を設定することが肝要である。すなわち、第1の梁部16pと第2の梁部16pの長さ及び幅が異なる場合には、第1の梁部16pへ加わった圧縮力ないしは引張力を第2の梁部16qで十分に吸収できない場合がある。そこで、腕部16cの屈曲部16Kの位置を腕部16cの駆動方向の撓みに対する曲げモーメントがほぼゼロとなる位置もしくはその近傍に位置するようにすれば、第2の梁部16pの変形が撓み及び捩れ変形のみとなるので、第1の梁部16pへ加わった圧縮力ないしは引張力を第2の梁部16qで確実に吸収することができる。
また、上記例では、バネ部材16の腕部16cをその延長方向が直交する第1及び第2の梁部16p,16qを連結した、その屈曲部16Kが直角となるL字状としたが、屈曲部の形状はこれに限るものではなく、図3(a)に示すように、円弧状の屈曲部16Rであってもよいし、図3(b)に示すように、第1及び第2の梁部16p,16qとを直線状の連結片16kで連結した形状であってもよい。
また、図4に示すように、第2の梁部16qが第1の梁部16pの外側まで延長するようなL字状の腕部16Zとしてもよい。この場合には、腕部16Zの長さを更に長くできるとともに、その幅を広くすることもできるので、レンズホルダ12を更に安定して平行移動させることができる。
また、上記例では、上部のバネ部材16Aと下部のバネ部材16BとをともにL字状の腕部16cを備えたバネ部材としたが、上部のバネ部材16Aと下部のバネ部材16Bのいずれか一方を本発明によるバネ部材16とし、他方のバネ部材を従来の構造のバネ部材としても、バネ部材の塑性変形を十分に防止することができる。
なお、本発明のバネ部材16は、図1に示す構造のレンズ駆動装置10に使用されるだけでなく、図5に示した従来のレンズ駆動装置50のような、他の構成のレンズ駆動装置に適用可能であることはいうまでもない。
14 マグネット、15 ヨーク、16,16A,16B バネ部材、
16a 内周側固定環部、16b 外周側固定環部、16c 腕部、
16m 内周側突出片、16n 外周側突出片、16p 第1の梁部、
16q 第2の梁部、16K 屈曲部、17A 上ケース、17B 下ケース、
18 ベース、19 スペーサ。
Claims (2)
- レンズを保持するホルダに固定される内周側固定部と、上記ホルダの外側に離間して配置された固定部材に固定される外周側固定部と、上記内周側固定部と外周側固定部を連結する腕部とを備え、上記ホルダを上記固定部材に弾性支持するレンズ駆動装置用バネ部材において、上記腕部を上記外周側固定部と同一平面内に配置される略L字状の腕部としたことを特徴とするレンズ駆動装置用バネ部材。
- 上記L字状腕部の屈曲部を当該バネ部材の駆動方向の撓みに対する曲げモーメントがほぼゼロとなる位置もしくはその近傍に設けたことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置用バネ部材。
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