JP2008122343A - 金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法およびその施工方法により製作された金属キャスク - Google Patents

金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法およびその施工方法により製作された金属キャスク Download PDF

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Abstract

【課題】遮へい欠損の発生を防止しつつ、レジンの硬化に要する時間を短縮する。
【解決手段】液状のレジンRを金属キャスクCのセクタ4に充填する充填工程と、セクタ4に充填されたレジンRを充填高さ方向の下部側から上部側へ硬化させる硬化工程と、を含み、硬化工程は、加熱手段によってセクタ4が下部側から上部側へ順次加熱されることでレジンRが充填高さ方向の下部側から上部側へ硬化され、併せて、レジンRの液面高さを経時的に測定することで、加熱手段によって加熱されている領域のレジンRの、硬化収縮の収束を検知し、これをもって加熱手段によって加熱される領域をセクタ4の下部側から上部側へ移す。
【選択図】図2

Description

本発明は、金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法およびその施工方法により製作された金属キャスクに関するものである。
原子炉から取り出された使用済燃料集合体は、原子力発電所内の冷却プールにおいて一定期間冷却されて、放射線量や発熱量を減衰させた後、燃え残りのウランや核反応で生成したプルトニウムを回収するために燃料再処理工場に輸送される。また、近年では、使用済燃料集合体を集中貯蔵施設(乾式貯蔵施設)に輸送して、貯蔵することも検討されている。使用済燃料集合体を原子力発電所からこれらの施設まで輸送し、さらに貯蔵するために用いられる放射性物質貯蔵容器として、金属キャスクがある。
金属キャスクは、容器を構成する外筒内に内筒を設け、内筒の外面に熱伝導性が高い銅等の金属板で構成される伝熱フィンが周方向に間隔をおいて取り付けられ、内筒の内側に金属製バスケットが収容される。外筒と内筒との間には、中性子遮へい体であるレジンが存在する。内筒は、上方が開口した炭素鋼製の筒であり、γ線遮へい体である。金属製バスケットは、複数のセルを備え、それぞれのセル内に使用済燃料集合体が挿入されている。金属製バスケットは、沸騰水型軽水炉燃料の場合で最大約70体の使用済燃料集合体を収納する。内筒の開口部には放射性物質の漏洩を防止する一次蓋が取り付けられ、さらにその外側に二次蓋が取り付けられる。
中性子遮へい材であるレジンは、水素原子を多数含む、すなわち水素数密度が高い物質であり、一般に高分子化合物が使用される。金属キャスクでは、耐熱性と水素数密度のバランスがよいという特徴を活かして、エポキシ系樹脂が多く用いられている。この場合には、液状のエポキシ主剤と硬化剤、これに難燃性を付与する水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、および中性子吸収体である炭化ホウ素を均一になるように混合した後、混合の際に取り込まれた気泡を減圧環境下で脱泡する。このようにして得られた液状のレジンを、金属キャスクの内筒、外筒および伝熱フィンに囲まれるセクタにホース等によって充填する。
このようなエポキシ樹脂系レジンは、エポキシ主剤と硬化剤とが反応し、液状から固体へと硬化する。温度が高いほど反応速度は大きく、速やかに硬化する。また、硬化反応には発熱を伴う。そして、レジンの硬化は、常温において行われていた(例えば、特許文献1,2参照)。
特許第3150672号公報 特許第3692310号公報
ところで、レジンの硬化にあたっては、通常、ストリーミングの考慮が必要になるような隙間が生じないようにすることが必要である。そのためには、レジン内部で温度分布が生じないようにすることが最も有効であり、そのために、従来では、前記したように常温の環境温度でレジンを硬化させている。しかし、レジンの特性や硬化時の環境温度によっては硬化時間が長くなり、金属キャスクの製作日数への配慮が必要になる場合もあり得る。
そこで、レジンを加熱して硬化反応速度を大きくし、レジンの硬化時間を短縮することが考えられる。極めて概略的な評価をすると、レジン温度が10℃高くなれば反応速度は2倍になり、硬化時間は半減する。ところで、レジンを加熱して硬化を促進することは一見容易であるが、金属キャスクのように大型でレジンを多量に必要とする場合には特有の難しさがある。その難しさは、レジンの硬化が発熱反応であること、レジン自体の熱伝導性が低いこと、およびレジンが硬化すると体積収縮を生じることに起因する。
金属キャスクの外部からレジンを加熱すると、前記のようにレジン自体の熱伝導性が低いことにより、レジン内部に温度分布が生じる。充填したレジン内部に一旦温度分布が生じると、温度の高い部分は先に硬化反応が進む。硬化は発熱反応であるため、その部分の温度はさらに高くなり、加えてレジンの熱伝導性が低いため、周囲に相対的に温度の低い部分があっても熱が伝わりにくい状況になる。こうして、レジン内部の温度差は広がっていく可能性がある。
このように、レジン内部に温度差が生じていることは、硬化反応の進み具合が場所によって異なっていることを意味する。つまり、先に硬化する領域は、体積収縮を起こし、その周辺にある硬化反応が十分に進んでいない、すなわち僅かながらも流動性があるレジンを引っ張る。後から硬化する領域のレジンは、先に硬化した領域に引っ張られて変形した状態となってから硬化が完了すると、極端な場合には、周囲部材の間に隙間を生じる可能性がある。
一例として、キャスクの外筒側から一様に加熱する場合を考える。この場合、セクタの平断面の中心からやや外筒寄りで、充填高さ方向に中央部となる部分において、レジンの硬化反応が最も速く進むと考えられる。一方、内筒側の上下端部においては、レジンの反応は最も遅くなると考えられる。その結果、内筒側の上下端部のレジンは、中央部に向かって引っ張られるかたちとなるので、レジンと、内筒あるいは内筒に近い方の伝熱フィンとの間に隙間が生じる可能性がある。このようにレジンと周囲の部材との間に隙間が生じる可能性がある場合には、そこからのストリーミングを考慮した遮へい設計を行う必要があり、例えば、遮へい厚さ自体を増やすことが考えられる。このことは、金属キャスクの重量増加に直結してしまう。
そこで、本発明の目的は、気泡や充填隙間等の遮へい欠損の発生を防止しつつ、充填したレジンの硬化に要する時間を短縮することができる金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法およびその施工方法により製作された金属キャスクを提供することにある。
すなわち、本発明では、レジンの充填高さ方向の下側から上側へ順に温度を変化(レジンを加熱)させてレジンを硬化させるようにしたので、温度を変化させない場合に比べてレジンの硬化に要する時間を短縮することができる。また、レジン中に気泡が生じていたり、レジンが硬化する際の温度差で、セクタ内に仮に充填隙間が形成されたりしても、レジンの温度が下側から上側へ順に変化されるので、硬化中の領域の上側には未硬化で流動性を有するレジンが存在し、硬化する過程でこれらの気泡や充填隙間にこの流動性を有するレジンが流れ込む。したがって、気泡や充填隙間が埋められる状態となる。しかも、検知工程によりレジンの液面高さが経時的に測定され、レジンの硬化収縮の終了が検知されるので、レジンの硬化収縮を確認しつつレジンの温度を下側から上側へ順に変化させることができ、気泡や充填間隙等の遮へい欠損が発生するのを好適に防止することができる。
ヒータを用いることによって、レジンの温度を簡単に変化させることができ、また、ヒータを断続的あるいは連続的に移動させることで、レジンの充填高さ方向の下側から上側へ順にレジンを加熱することができる。
また、硬化反応速度の速くされたレジンでは、冷却装置を用いて、硬化反応速度を調節し、冷却部による冷却をレジンが充填高さ方向の下側から上側へ順に解除することで、レジン充填方向の下側から上側へレジンを順に硬化させることができ、気泡や充填間隙等の遮へい欠損が発生するのを好適に防止しつつ、例えば、全体の硬化反応速度を遅らせて遮へい欠損の発生を防止したレジンの硬化を試みた場合に比べて、硬化に要する時間を大幅に短縮することができる。
また、このようにセクタに充填されたレジンが硬化されて製作された金属キャスクでは、遮へい欠損が生じず、製作日数も低減されて経済効果が高く、コスト低減を図れる。
本発明によれば、気泡や充填隙間等の遮へい欠損の発生を防止しつつ、充填したレジンの硬化に要する時間を短縮することができる金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法およびその施工方法により製作された金属キャスクが得られる。
次に、本発明の金属キャスクを適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態では、金属キャスクとして原子力発電所から発生する使用済燃料集合体を収納するための金属キャスクCについて説明する。また、以下の説明において、「上」「下」は、金属キャスクCが立てられた状態(図1(b)の状態)を基準とする。
(第1実施形態)
図1(a)(b)に示すように、金属キャスクCは、使用済燃料集合体(不図示)を収納する内筒1と、この内筒1の外周に伝熱フィン2(図1(a)参照)を介して設けられた外筒3と、これらの内筒1、伝熱フィン2および外筒3で少なくとも囲まれて金属キャスクCの軸線方向(後記するレジンRの充填方向)に延設される状態に形成されたセクタ4と、このセクタ4に充填されて硬化される中性子遮へい材としてのレジンRとを備えて構成される。
ここで、内筒1および外筒3は、放射線(主としてガンマ線等)を遮へいすることが可能な炭素鋼ないしステンレス鋼製である。
内筒1の上部開口には、図1(b)に示すように、一次蓋1Aおよび二次蓋1Bが取り付けられる。なお、外筒3の上部および下部には、金属キャスクCの吊上げ吊下し等に使用される図示しないトラニオンが周方向に所定の間隔を置いて複数個設けられている。
図1(a)(b)に示すように、内筒1の内側には、使用済燃料集合体(不図示)を納めるバスケット5aを収容するためのキャビティ5が設けられている。バスケット5aは、中性子吸収材を含む平板状の金属板を平面視で格子状に組んでなる。金属板としては、ボロン含有ステンレス鋼の他、熱伝導率の大きいボロン含有アルミニウム合金等が用いられる。
セクタ4は、前記したように、内筒1、伝熱フィン2および外筒3で少なくとも囲まれて金属キャスクCの周方向略全体に設けられており、それぞれが平面視で扇形(図1(a)参照)を呈している。伝熱フィン2は、熱伝導性に優れた材料、例えば、銅、炭素鋼と銅とのクラッド材等からなる。伝熱フィン2の一端が内筒1の外周面に溶接され、また、他端が外筒3の内周面に溶接されている。
セクタ4に充填されるレジンRは、中性子線を遮へいすることが可能であり、例えば、耐熱性と水素数密度のバランスがよいという特徴を活かして、エポキシ系樹脂が利用される。この場合には、液状のエポキシ主剤と硬化剤、これに難燃性を付与する水酸化アルミニウム、および中性子吸収体である炭化ホウ素を均一になるように混合してなる。ここで、セクタ4の厚さ(大きさ)は、収納される使用済燃料集合体の特性等を考慮して適宜決定される。なお、本実施形態の金属キャスクCでは、図1(b)に示すように、一次蓋1Aおよび内筒1の底部1Cにも、同様のレジンRが充填されて硬化されている。
本実施形態では、セクタ4に充填されるレジンRを、温度変化手段としてのヒータHで加熱して硬化させている。ヒータHは、図2(a)に示すように、可撓性を備えた板状の絶縁体からなる基体20Aと、この基体20Aに内設された電気抵抗体からなる電熱線20と、基体20Aの周縁部に設けられ、金属キャスクCの外筒3に取り付けるための磁石21とを主として備えて構成される。このようなヒータHは、図2(b)に示すように、金属キャスクCの外筒3に巻き付けた状態で装着可能であり、外筒3を通じてセクタ4に充填されたレジンRを加熱することが可能となっている。本実施形態では、ヒータHの高さ寸法hに基づく加熱領域HD1,HD2等の高さ(図3(a)〜(c)参照)を、レジンRの充填高さ(液面RFの高さ)h1のおよそ1/6(1/5〜1/10の範囲)となるように設定してある。なお、ヒータHの一端部22は、図2(a)に示すように、薄肉に形成されており、他端部25に形成された段差に係合可能となっている。また、一端部22に設けられたフック23を他端部25側に設けられた保持部24に引っ掛けることで、端部同士が係止されるようになっている(図2(b)参照)。
このようなヒータHには、電力線Wを通じて電源7から電力が供給されるようになっている。電源7には、ヒータHのオンオフを制御してヒータHの加熱温度を制御する、図示しない制御装置を有している。なお、加熱温度の制御は、ヒータHの所定箇所に設けられた図示しないサーモスタットからの信号等に基づいて行われる。
ヒータHの加熱温度の制御(出力)は、次のような測定を踏まえて設定される。例えば、硬化反応に伴うレジンRの単位量あたりの発熱量、熱伝導率および比熱を測定し、また、種々の温度におけるレジンRの硬化反応速度を測定する。そして、これらの物性値を用いて、レジンRの硬化反応の進み方を解析するシミュレータを作成する。そして、種々の出力のヒータHによって外部から加熱したときのレジンRの硬化反応がどのように進むかを計算し、全体がほぼ均一に硬化するような温度にレジンRが加熱されるように、ヒータHの出力を決定する。全体がほぼ均一に硬化するレジンRの温度の目安としては、硬化中のレジンRの最高温度が常に70℃を超えないようにするか、硬化中のレジンRの最高温度と最低温度の差が30℃以下になるような条件である。
このような条件とすることによって、硬化中のレジンRの反応がヒータHにより加熱される領域内でほぼ均一になり、主として硬化収縮が局所に集中して生じる遮へい欠損を、好適に防止することができる。
次に、このようなヒータHを用いて行われるレジンRの施工方法について説明する。
はじめに、セクタ4に異物等が入っていないかを目視等によって確認する。このとき、内部に結露水があれば、必要に応じてブロアー等によって乾燥する。
レジンRの充填に先立ってセクタ4に図示しない離型剤を塗布する。離型材は、シリコーン系化合物をトルエン等の溶剤に溶かしたものが適用できる。例えば、エポキシ用の公知の離型剤を使用することができる。離型剤の塗布には、スプレーにより噴霧する方法、あるいは離型材を含浸したウェスにより塗布する方法等が適用できる。その後、所定時間放置して、離型剤に含まれる溶剤を揮発させる。
次に、セクタ4にレジンRを充填する。レジンRは、図示しない配合装置内でエポキシ主剤、硬化剤、難燃剤および中性子吸収材を混練して、真空脱泡した後、加圧しながらホース等によってセクタ4に充填する。ホース等を用いる場合には、セクタ4の底まで吐出口(先端)を挿入してから充填を開始し、充填中は、上昇してくるレジンRの液面高さにあわせてホースの吐出口を上昇させ、吐出口の高さ調節を行う操作をする。
その後、金属キャスクCの外筒3の下部に、図2(b),図3(a)に示すように、ヒータHを装着する(第1の位置、図3(a)参照)。この場合、ヒータHは、図3(a)に示すように、セクタ4の底部4aに対応する位置に、ヒータHの下部がかかる状態となるように装着する。つまり、セクタ4の底部4a付近にあるレジンRもヒータHによって確実に加熱されるようにヒータHを装着する。
ヒータHを装着したら、電源7(図2(b)参照)のスイッチを投入して、ヒータHに電力を供給する。これによって、ヒータHの第1の位置に対応してセクタ4内のレジンRが加熱される。このとき、ヒータHによる加熱がセクタ4の上側にも伝わるので、ヒータHによって加熱される加熱領域HD1は、ヒータHの高さh以上にセクタ4の上側にも及ぶこととなる。
ヒータHによる加熱の開始とともに、レジンRの液面RFの高さ測定(液面RFの位置の測定)を開始する。これは、加熱領域HD1におけるレジンRの硬化収縮の収束状況を確認して、ヒータHの移動のタイミングを把握するためである。つまり、ヒータHによる加熱によってレジンRの硬化が進むと、硬化収縮によってレジンRの液面RFが下がってくる。そこで、液面RFの位置を所定時間、例えば、1時間ごとに記録し、その位置の変化が十分小さくなった時点で加熱領域HD1のレジンRの硬化が完了したことを判断することができる。
このことを、図4を参照して説明すると、加熱開始後に液面RFの高さh1がしだいに低くなる方向へ変化し始め(時刻T1’)、その後、変化の傾きは大きくなる(時刻T1’’)。そして、加熱領域HD1におけるレジンRの硬化収縮が収束に向かい始めると、液面RFの高さh1の変化が十分小さくなり、その後、ほとんど変化しない状態となる(時刻T2)。この時点で、加熱領域HD1におけるレジンRの硬化収縮が終了したことを確認することができる。
ところで、レジンR中に気泡が生じていたり、レジンRが硬化する際の温度差で、加熱領域HD1に、図5に示すように、仮に充填隙間Bが形成されたりしたとしても、この上側には、図3(a)に示すように、未硬化で流動性を有するレジンR’が存在し、硬化する過程でこれらの気泡や充填隙間Bにこの流動性を有するレジンR’が流れ込む。したがって、気泡や充填隙間Bが埋められる状態となる。なお、液面RFの位置を記録する時間は、任意に設定することができる。
前記のように加熱領域HD1の硬化収縮の終了が確認されたら、ヒータHを第1の位置から取り外し、図3(b)に示すように、第1の位置よりも上方位置となる第2の位置に移動させて取り付ける。本実施形態では、第2の位置にヒータHを移動させて取り付けた状態で、ヒータHの加熱領域HD2が、その下のレジンRの硬化した領域RHに及ぶ(重なる)ようにしてある。これによって、符号HD1’で示される部分の領域が、ヒータHの移動前および移動後のいずれにおいてもオーバーラップして加熱される領域となり、ヒータHの移動によって加熱されない領域が形成されないようにしてある。これによって、レジンRの加熱による硬化が確実に行われる。
第2の位置におけるレジンRの液面RFの高さh1と時刻Tとの関係を再び図4を参照して説明すると、第2の位置においてヒータHの加熱を開始すると、液面RFの高さh1がしだいに低くなる方向へ変化してゆき(時刻T2’)、その後、高さh1の変化が十分小さくなり、ほとんど変化しなくなる状態となる(時刻T3)。したがって、この時点で、加熱領域HD2におけるレジンRの硬化収縮が終了したと確認することができる。
このように加熱領域HD1の硬化収縮の終了が確認されたら、ヒータHを第2の位置から取り外し、図3(c)に示すように、第2の位置よりも上方位置となる第3の位置に移動させて取り付ける。この場合にも、第3の位置にヒータHを移動させて取り付けた状態で、ヒータHの加熱領域HD3が、その下のレジンRの硬化した領域RHに及ぶようにしてある。これによって、符号HD2’で示される部分の領域が、ヒータHの移動前および移動後のいずれにおいても、加熱される領域となり、ヒータHの移動によって加熱されない領域が形成されないようにしてある。これによって、レジンRの加熱による硬化が確実に行われる。
その後、同様にして、硬化収縮の終了の確認(T4,T5)とともにヒータHを上方へ移動させて取り付け、同様に、ヒータHの加熱によるレジンRの硬化を行う。そして、最上端位置(レジンRの液面RFにかかる位置)にヒータHを移動した後、ヒータHによる加熱でレジンRの硬化収縮の終了が確認(T6)されたら、ヒータHを金属キャスクCの外筒3から取り外す。これによって、セクタ4に充填されたレジンRの全体の硬化収縮が終了する。
なお、レジンRの全体が硬化した後に、レジンRの硬化収縮分の高さ調節を行うため少量のレジンRを追加充填して硬化させてもよい。最終的には、レジンRの熱膨張分を考慮して、セクタ4の上部に、空隙部が形成される状態にレジンRが硬化されるように調節する。そして、硬化後にレジンRの高さや表面状態を検査し、検査後、図1(b)に示すように、蓋部6をセクタ4の開口縁に溶接して固定し、セクタ4を密閉する。これによって、レジンRの充填に係る施工作業を終了する。
なお、レジンRの充填よりも先にヒータHを第1の位置に装着しておいてもよい。
以下では、本実施形態において得られる効果を説明する。
(1)レジンRを下側から上側へ順に加熱して硬化させるようにしたので、加熱によってレジンRの硬化に要する時間を短縮することができる。
(2)レジンR中に気泡が生じていたり、レジンRが硬化する際の温度差で、セクタ4内に仮に充填隙間Bが形成されたりしても、レジンRが充填方向の下部側から上部側へ順次加熱されるので、加熱領域(図3(a)では、加熱領域HD1)の上側には未硬化で流動性を有するレジンR’が存在し、硬化する過程でこれらの気泡や充填隙間Bに流動性を有するレジンR’が流れ込む。したがって、気泡や充填隙間Bが埋められる状態となり、遮へい欠損が発生するのを好適に防止することができる。
また、以下の理由により、レジンR中に気泡が生じていなことを確認できる。硬化前のレジンRの液面RFの高さh1と硬化後のレジンRの液面RFの高さh1との差は、基本的には硬化収縮率から予測できるはずである。しかし、実際には、レジンRの配合誤差やレジンR自体の温度によりレジンRの比重のばらつきが生じるので、その影響も受ける。すなわち、そのばらつき分があるため、レジンRの内部に気泡が発生していても、それがばらつきにより生じているのか、気泡によって生じているのかを検知することができない。
これに対して、本実施形態では、下側から上側へレジンRが順に硬化されることによって気泡の発生リスクを極小化しているので、レジンRの高さの変化が予測ばらつきの範囲内に入っていれば、レジンRの内部に気泡が生じている可能性が極めて低いと考えられ、遮へい欠損が発生することが好適に防止された金属キャスクCのレジンRの施工方法が得られる。
(3)レジンRの液面高さh1を経時的に測定して、加熱されている領域のレジンRの硬化収縮の終了を検知し、この検知によってヒータHをレジンRの充填方向上側へ移動させて、順に加熱するようにしたので、加熱されている領域が硬化されないまま次の領域が加熱されるということがなくなり、これによって、セクタ4内に気泡や充填隙間B等の遮へい欠損が発生するのを好適に防止することができる。
(4)液面高さh1を経時的に測定してその変化する速度から、加熱されている領域のレジンRの温度が適正に維持されていることを確認することができる。液面高さh1が変化する速度は、加熱されている領域の反応速度に依存し、反応速度はレジンRの温度に依存する。すなわち、液面高さh1が変化する速度から加熱されている領域のレジンRの温度が推定される。したがって、液面高さh1の変化が所期の範囲内であれば、レジンRの温度は適正範囲に入っており、過度な温度上昇による硬化反応のムラがないことが確認できる。
(5)ヒータHは、断続的にレジンRの充填方向の下側から上側へ移動されて取り付けられ、ヒータHによる加熱領域HD1,HD2等の高さは、液面高さh1の1/6(1/5〜1/10の範囲)に設定されるので、一回に加熱されるレジンRの体積を小さくすることができ、これによって、硬化中のレジンRの温度が均一になり易い。なお、硬化収縮が局所に集中したとしても、収縮量自体が小さいので、遮へい欠損としての影響がない。
(6)ヒータHの移動にともなって、図3(b)(c)に符号HD1’,HD2’で示される部分の領域が、ヒータHの移動前および移動後のいずれにおいてもオーバーラップして加熱される領域となるので、これによって、移動の前後にわたってレジンRの加熱による硬化が確実に行われる。したがって、遮へい欠損が発生することがより一層好適に防止される。
(7)ヒータHの出力は、硬化中のレジンRの温度が常に70℃を超えないように設定されるか、加熱されている領域のレジンRの最高温度と最低温度との差が30℃以下になるように設定されるので、加熱されている領域内での反応が均一になり、硬化収縮が局所に集中して遮へい欠損が生じる不具合を好適に防止することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態である金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法を説明する。本実施形態では、セクタ4の下側から上側へヒータHを連続的に移動させて、レジンRを下側から上側へ硬化させるようにした点が異なっている。
図6に示すように、金属キャスクCの上部には、ヒータHを吊上げて移動させるための吊上げ装置10が取り付けられる。吊上げ装置10は、制御部11と、この制御部11によって駆動が制御されるモータ12と、このモータ12の回転によって作動される巻上げ機構13と、この巻上げ機構13に巻き付けられた吊下部材Y1,Y2とを有して構成される。
制御部11は、ヒータHが移動しつつ加熱する間に、対応する領域のレジンRが完全に硬化する状態となるように、ヒータHの上昇速度を所定の速度に制御すべく、モータ12の駆動を制御するようになっている。そのために、本実施形態では、モータ12を図示しないインバータ回路等の制御によって所定の低速度で安定した状態に回転させるようになっている。例えば、ヒータHの上昇速度は、金属キャスクCの全体の熱容量およびレジンRの硬化反応速度との関係から導き出される所定の速度として設定される。
なお、本実施形態においても、前記のように、硬化中のレジンRの最高温度が常に70℃を超えないように、また、硬化中のレジンRの最高温度と最低温度の差が30℃以下になるような条件で、ヒータHの加熱温度の制御が行われる。
本実施形態におけるヒータHによる加熱を、再び図3(a)を参照しつつ説明すると、はじめに、図3(a)に示した第1の位置にヒータHを停滞させて、加熱領域HD1のレジンRを硬化させる。そして、この加熱領域HD1のレジンRが十分に硬化した時点で、吊上げ装置10を作動させる。すると、制御部11の駆動制御によってモータ12が駆動制御され、巻上げ機構13に吊下部材Y1,Y2が巻き付けられてヒータHが連続的に移動(上方向の移動)する。そして、移動に伴って、レジンRが下側から上側に加熱されて硬化される。ヒータHが最上端位置まで移動した後は、上端部のレジンRが硬化するのに必要な時間、ヒータHによる加熱が行われ、ヒータHによるレジンRの硬化収縮が終了する。そして、その後、ヒータHおよび吊下げ装置10が金属キャスクCから取り外される。
本実施形態では、ヒータHが充填方向の下側から上側へ連続的に移動されてレジンRが同方向へ連続的に加熱されるので、レジンR中に気泡が存在したり硬化する過程で充填隙間Bが形成されたりしても、これらに対して流動性を有するレジンR’(図3(b)参照)が流れ込み易くなり、これらがより一層好適に埋められる状態となる。したがって、遮へい欠損が発生するのをより一層好適に防止することができる。
なお、ヒータHの磁石(不図示)には、外筒3との接触面に、滑りをよくするためのコーティング処理等を施してもよい。このようにすることで、吊下げ装置10によるヒータHの上昇動作がスムーズに行われるようになる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態である金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法を説明する。本実施形態では、金属キャスクCの仕様により、硬化反応速度の速いレジンRがセクタ4に充填される場合を想定したものであり、温度変化手段としての冷却装置30を用いて、硬化反応速度を調節し、レジンRの充填方向の下側から上側へレジンRを順に硬化させるようにした点が異なっている。
図7に示すように、冷却装置30は、冷却器30A〜30Dと、これらの冷却器30A〜30Dに冷却配管31,32を介してそれぞれ接続され、冷却器30A〜30Dからの冷却水が供給される冷却ジャケットJ1〜J4とを備えて構成される。
冷却ジャケットJ1〜J4は、内部に冷却水が循環する金属製のパイプが設けられており、金属キャスクCの外筒3に図示しない取付手段(磁石やベルト等)によってそれぞれ取り付けられる。本実施形態では、冷却ジャケットJ1〜J4によってレジンRの充填方向に、冷却される領域を分割しており、各領域が金属キャスクCの周囲の温度よりも5℃ないし10℃低い温度に冷却されて維持されるように、各冷却器30A〜30D、各冷却ジャケットJ1〜J4の冷却能力が設定されている。
次に、このような冷却装置30を用いて行われるレジンRの施工方法について説明する。
ここで、レジンRの充填は、前記第1実施形態と基本的に同様である。ただし、本実施形態で想定しているような比較的反応速度の速いレジンRの場合では、レジンRの温度の管理に十分な配慮が必要である。つまり、レジンRが所定温度よりも高いと、硬化反応時にムラを生じやすく、また、逆にレジンRが所定温度よりも低い場合には、レジンRの粘度が高くなるため充填が行い難く、気泡を巻き込む確率も高くなるからである。
レジンRの充填後、図7に示すように、各冷却ジャケットJ1〜J4を金属キャスクCの外筒3に取り付け、冷却器30A〜30Dを作動させる。そうすると、冷却器30A〜30Dから冷却配管31を通じて各冷却ジャケットJ1〜J4に冷却水が供給され、冷却配管32を通じて再び冷却器30A〜30Dに戻されるという循環が繰り返され、各冷却ジャケットJ1〜J4を通じて各領域が所定温度に冷却される。
本実施形態では、外筒3の下部に冷却ジャケットJ1が取り付けられておらず、図8(a)に示すように、この部分が非冷却領域D1となる。つまり、非冷却領域D1では、金属キャスクCの周囲の温度条件に対応してレジンRの硬化反応が進む。一方、冷却ジャケットJ1〜J4が取り付けられた領域では、所定温度に冷却されていることで、レジンRの硬化反応速度が遅くなる。なお、冷却ジャケットJ1によって冷却される冷却領域CD1は、冷却ジャケットJ1の高さ寸法以上にセクタ4の上下方向に及ぶこととなる。このことは、他の冷却ジャケットJ2〜J4についても同様である。
そして、非冷却領域D1におけるレジンRの硬化収縮の終了を確認するために、前記第1実施形態と同様に、液面RFの高さh1の測定を開始する。この場合にも、非冷却領域D1のレジンRの硬化が進むと、硬化収縮によってレジンRの液面RFが下がってくる。そこで、液面RFの位置を所定時間、例えば、1時間ごとに記録し、その位置の変化が十分小さくなった時点で非冷却領域D1のレジンRの硬化が終了したことを判断する。
ところで、レジンR中に気泡が生じていたり、レジンRが硬化する際の温度差で、非冷却領域D1に、前記図5に示すように、仮に充填隙間Bが形成されたりしても、この上側には、図8(a)に示すように、未硬化で流動性を有するレジンR’が存在し、硬化する過程でこれらの気泡や充填隙間Bに流動性を有するレジンR’が流れ込む。したがって、気泡や充填隙間Bが埋められる状態となる。
前記のように非冷却領域D1の硬化収縮の終了が確認されたら、冷却器30Aを停止し、冷却ジャケットJ1による冷却を終了する。冷却ジャケットJ1の冷却が終了されると、図8(b)に示すように、これに対応する領域が非冷却領域D2となって、金属キャスクCの周囲の温度条件に対応して温度が上昇し、この非冷却領域D2におけるレジンRの硬化反応が進む。
その後、同様に、非冷却領域D2におけるレジンRの硬化収縮の終了を、液面RFの高さh1の測定から確認したら、次の領域に対応した冷却器30Bを停止して、冷却ジャケットJ2による冷却を終了する。冷却ジャケットJ2の冷却が終了されると、図8(c)に示すように、これに対応する領域が非冷却領域D3となり、金属キャスクCの周囲の温度条件に対応して温度が上昇し、この非冷却領域D3におけるレジンRの硬化反応が進むこととなる。
その後、同様にして、液面RFの高さh1の測定から硬化収縮の終了を確認して、冷却器30C,30Dを順に停止させ、対応する冷却ジャケットJ3,J4への冷却水の供給をそれぞれ終了し、対応する部分のレジンRの硬化を順に行う。そして、最終的に、最上端の冷却ジャケットJ4に対応する部分で、レジンRの硬化収縮の終了が確認されたら、レジンRの液面RFの高さh1やその表面状態を検査する。そして、検査後、図1(b)に示すように、蓋部6をセクタ4の開口縁に溶接して固定し、セクタ4を密閉する。これによって、レジンRの充填に係る施工を終了する。
本実施形態では、比較的硬化反応速度の速いレジンRを用いた金属キャスクCにおいて、セクタ4内に気泡や充填隙間B等の遮へい欠損が発生するのを好適に防止しつつ、例えば、全体の硬化反応速度を遅らせて遮へい欠損の発生を防止したレジンRの硬化を試みた場合に比べて、硬化に要する時間を大幅に短縮することができる。
前記した第1,第2実施形態では、外筒3の周りにヒータHを取り付けて、レジンRを外筒3側から加熱するようにして硬化収縮させるようにしたが、これに限られることはなく、内筒1の内周面にヒータHを取り付け、これをレジンRの充填方向の下側から上側へ段階的にあるいは連続的に移動させることで、レジンRを内筒1側から加熱して硬化収縮させるように構成してもよい。
また、外筒3側と内筒1側との両方にヒータHを取り付けて、両側からレジンRを加熱するように構成してもよい。このように構成することで、レジンRの加熱を効率よく行うことができ、気泡や充填隙間B等の遮へい欠損の発生を防止しつつ、充填したレジンRの硬化に要する時間をさらに短縮することができる。
また、前記した第3実施形態では、外筒3の周りに冷却ジャケットJ1〜J4を取り付けて冷却するように構成したが、これに限られることはなく、内筒1の内周面にこれらの冷却ジャケットJ1〜J4を取り付け、これを制御するように構成してもよい。
さらに、図9(a)(b)に示すように、内筒1のキャビティ5の底面にヒータH1を設置して、内筒1の内側底面から主として内筒1を加熱し、内筒1側から伝わる熱でセクタ4に充填されたレジンRを硬化収縮させるように構成してもよい。なお、ヒータH1には、電力線W1を通じて電源7から電力が供給される(図9(b)参照)。
この場合にも、セクタ4に充填されたレジンRは、充填方向の下側から上側に向けて徐々に加熱されるようになり、下側から硬化収縮するようになる。このように、レジンRが下側から徐々に硬化収縮されるので、充填隙間B(図5参照)がより形成されにくくなり、また、仮にこれが形成されたとしても、未硬化で流動性を有するレジンR’が流れ込んで、気泡や充填隙間Bが好適に埋められることとなる。したがって、遮へい欠損が発生するのを好適に防止することができる。
なお、図9(a)(b)に示すように、ヒータH1からの熱が内筒1および外筒3の上側へ良好に伝わるように、内筒1および外筒3に断熱材35,36を装着するように構成してもよい。断熱材35,36としては、無機繊維系断熱材や硬質ウレタンフォーム等、種々のものを採用することができる。
また、図10(a)(b)に示すように、円環状のヒータH2を底部1Cに予め埋設して、底部1C側から内筒1および外筒3に伝わる熱でセクタ4に充填されたレジンRを加熱して硬化させるように構成してもよい。
なお、前記第1〜第3実施形態では、金属キャスクCの外筒3の全周をカバーするヒータHや冷却ジャケットJ1〜J4を示したが、これに限られることはなく、外筒3の一部をカバーする寸法に形成してもよい。例えば、レジンRが充填されているのが全てのセクタ4ではなくて一部のセクタ4だけであるような場合には、その領域だけの加熱や冷却を行うことができるように、寸法を設定してヒータHや冷却ジャケットJ1〜J4を形成してもよい。
(a)は本発明の第1実施形態に係る金属キャスクの中性子遮へい部材の施工方法により製作される金属キャスクを示す模式横断面図、(b)は同じく模式縦断面図である。 (a)は使用されるヒータの模式斜視図、(b)はヒータの装着状態を示す要部の部分拡大図である。 (a)〜(c)は施工手順の説明図である。 レジンの液面の高さと時刻との関係を示す図である。(a)は本発明の一実施形態に係る金属キャスクのその他の例を示す模式横断面図、(b)は同じく模式縦断面図である。 充填隙間の様子を示す模式横断面図である。 本発明の第2実施形態に係る金属キャスクの中性子遮へい部材の施工方法を示す説明図である。 本発明の第3実施形態に係る金属キャスクの中性子遮へい部材の施工方法を示す説明図である。 (a)〜(c)は施工手順の説明図である。 (a)はヒータの取付位置のその他の例に係る金属キャスクを示す模式横断面図、(b)は同じく模式縦断面図である。 (a)はヒータの取付位置のその他の例に係る金属キャスクを示す模式横断面図、(b)は同じく模式縦断面図である。
符号の説明
1 内筒
2 伝熱フィン
3 外筒
4 セクタ
5 キャビティ
5a バスケット
6 蓋部
7 電源
10 吊上げ装置
21 磁石
30 冷却装置(温度変化手段)
30A〜30C 冷却器
35 断熱材
B 充填隙間
C 金属キャスク
H ヒータ(温度変化手段)
H1 ヒータ(温度変化手段)
H2 ヒータ(温度変化手段)
HD1〜HD3 加熱領域
h ヒータの高さ
h1 充填高さ
J1〜J4 冷却ジャケット
R レジン(中性子遮へい材)
R’ レジン(中性子遮へい材)
RF 液面
RH 硬化領域

Claims (13)

  1. 使用済原子燃料を納めるバスケットを収容するためのキャビティが設けられた内筒と、この内筒の外周に伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記内筒、前記伝熱フィンおよび前記外筒で囲まれて形成されたセクタと、を備え、前記セクタに中性子遮へい材としてのエポキシ樹脂系レジンが充填されて硬化される金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法であって、
    液状の前記レジンを前記セクタに充填する充填工程と、
    前記レジンの充填高さ方向の下側から上側へ前記レジンの温度を変化させる温度変化手段によって前記レジンを下側から上側へ順に硬化させる硬化工程と、を含み、
    前記硬化工程は、前記レジンの液面の位置を経時的に測定することで前記レジンの硬化収縮の終了を検知する検知工程を含むことを特徴とする金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法。
  2. 前記温度変化手段が前記外筒および前記内筒の少なくとも一方に装着されるヒータであり、前記硬化工程は、前記ヒータによる加熱領域を、前記レジンの充填高さ方向の下側から上側へ順次移動させるものであることを特徴とする請求項1に記載の金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法。
  3. 前記加熱領域は、前記レジンの充填高さ方向に断続的に移動されるようになっており、前記検知工程によって前記レジンの硬化収縮の終了を検知した後に、上側へ所定量移動されることを特徴とする請求項2に記載の金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法。
  4. 前記加熱領域は、前記レジンの充填高さ方向に連続的に移動されるようになっており、その移動速度が、前記金属キャスクの所定の熱容量と前記レジンの硬化反応速度との関係で決まる速度とされていることを特徴とする請求項2に記載の金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法。
  5. 前記ヒータは、前記レジンの充填高さよりも低い高さを備えて形成されており、前記加熱領域の移動が当該ヒータ自体を充填高さ方向上側へ移動させることによって行われることを特徴とする請求項2から請求孔4のいずれか1項に記載の金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法。
  6. 前記ヒータの出力は、硬化中の前記レジンの温度上昇分を含めて前記レジンの温度が70℃を下回る温度に抑えられて加熱される仕様であることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法。
  7. 前記ヒータの出力は、前記ヒータにより加熱されている領域の前記レジンの最高温度と最低温度との差が30℃以下に設定される仕様であることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法。
  8. 前記ヒータにより一度に加熱される加熱領域の高さは、前記セクタにおける前記レジンの充填高さの1/5ないし1/10の高さに設定されることを特徴とする請求項2から請求7のいずれか1項に記載の金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法。
  9. 使用済原子燃料を納めるバスケットを収容するためのキャビティが設けられた内筒と、この内筒の外周に伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記内筒、前記伝熱フィンおよび前記外筒で囲まれて形成されたセクタと、を備え、前記セクタに中性子遮へい材としてのエポキシ樹脂系レジンが充填されて硬化される金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法であって、
    液状の前記レジンを前記セクタに充填する充填工程と、
    前記レジンの充填高さ方向の下側から上側へ前記レジンの温度を変化させる温度変化手段によって前記レジンを下側から上側へ順に硬化させる硬化工程と、を含み、
    前記温度変化手段が、前記外筒および前記内筒の少なくとも一方に装着される冷却部を備えて、前記レジンを前記金属キャスクの周囲の温度よりも低い温度に冷却することが可能な冷却装置であり、
    前記硬化工程は、前記冷却部によって前記レジンを冷却して前記レジンの硬化反応を遅らせつつ、前記レジンの充填高さ方向の下側から上側へ前記冷却部による冷却を順に解除することで前記レジンが充填高さ方向の下側から上側へ順に硬化されるものであり、
    前記レジンの液面の位置を経時的に測定することで、前記冷却部による冷却が解除された領域での前記レジンの硬化収縮の終了を検知する検知工程を含むことを特徴とする金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法。
  10. 使用済原子燃料を納めるバスケットを収容するためのキャビティが設けられた内筒と、この内筒の外周に伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記内筒、前記伝熱フィンおよび前記外筒で囲まれて形成されたセクタと、を備え、前記セクタに中性子遮へい材としてのエポキシ樹脂系レジンが充填されて硬化される金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法であって、
    液状の前記レジンを前記セクタに充填する充填工程と、
    前記レジンの充填高さ方向の下側から上側へ前記レジンの温度を変化させる温度変化手段によって前記レジンを下側から上側へ順に硬化させる硬化工程と、を含み、
    前記温度変化手段が、前記金属キャスクの底部に設置した底部ヒータであり、
    前記硬化工程は、前記底部ヒータによって前記レジンを充填高さ方向の下側から上側へ加熱して硬化させるものであることを特徴とした金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法。
  11. 前記底部ヒータによって前記レジンを加熱する際に、前記外筒の外周面および前記内筒の内周面のうち、少なくともいずれかの一部に断熱材が設置されることを特徴とする請求項10に記載の金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法。
  12. 前記底部ヒータは、硬化中の前記レジンの温度上昇分を含めて前記レジンの温度が常に70℃を下回る温度に抑えられて加熱される仕様であることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の金属キャスクの中性子遮へい材の施工方法によって前記セクタに充填された前記レジンが硬化されて製作されたことを特徴とする金属キャスク。
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