JP2003048278A - 複合成形体およびその製造方法 - Google Patents

複合成形体およびその製造方法

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JP2003048278A
JP2003048278A JP2001237983A JP2001237983A JP2003048278A JP 2003048278 A JP2003048278 A JP 2003048278A JP 2001237983 A JP2001237983 A JP 2001237983A JP 2001237983 A JP2001237983 A JP 2001237983A JP 2003048278 A JP2003048278 A JP 2003048278A
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norbornene
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composite molded
inorganic aggregate
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JP2001237983A
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English (en)
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Manabu Okubo
学 大久保
Hajime Naito
一 内藤
Nobuhiro Goto
信弘 後藤
Hiroshi Yoshitani
博司 吉谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐薬品性、耐衝撃性、剛性に優れ、構造部材と
して使用可能で使用表面の耐摩耗性にも優れた複合成形
体およびその製造方法を提供することを目的としてい
る。 【解決手段】少なくとも無機骨材とノルボルネン系樹脂
とからなる成形体本体と、この成形体本体の少なくとも
耐蝕性要求面側を被覆するように設けられた無機骨材非
含有のノルボルネン系樹脂からなる保護層とを備えてい
る構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合成形体および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】下水道配管等には、従来から、コンクリ
ート製のものあるいはレジンコンクリート(特開平10
−182205号公報参照)製のものなどが使用されて
いるが、コンクリート製のものにおいては耐薬品性、耐
磨耗性に乏しいという欠点を有し、レジンコンクリート
製のものにおいてはコンクリート製のものに比べ耐薬品
性の向上はみられるもののその性能は不十分なものであ
る。また、レジンコンクリートの場合、元のレジンコン
クリート用エポキシ樹脂組成物やフェノール樹脂組成物
の粘度が高いため、レジンコンクリート用樹脂組成物の
流動性が悪い。したがって、嵌合用凸部や凹部、フラン
ジ部などが一体に形成された配管材等を注型成形等の成
形方法で得ることができない。
【0003】一方、本発明の発明者等は、ポリジシクロ
ペンタジエンに代表される高強度で、耐薬品性および耐
磨耗性に優れたノルボルネン系樹脂の場合、粘度が低く
流動性に優れたノルボルネン系モノマーを触媒存在下で
成形型内で重合されて得られるため、精密な成形品の成
形にも向いていることに着目した。しかしながら、ノル
ボルネン系樹脂の場合、弾性率が低いため、剛性が要求
されるような用途、たとえば、構造部材などに使用する
ことができないという欠点を有していた。
【0004】そこで、本発明の発明者等は、無機骨材と
ノルボルネン系モノマーを主成分として含む硬化性樹脂
組成物とをまず混合し、混合物を型内に流し込み、型内
で硬化性樹脂組成物を硬化させるようにすれば、ノルボ
ルネン系モノマーも粘度が低いことから、混合物の流動
性がよいのでうまく型に沿った成形性に富んで、無機骨
材により構造部材として十分な剛性を備えた複合成形体
を得られるのではないかと考えた。ところが、この複合
成形体は、表面に無機骨材が露出している場合があり、
表面の耐摩耗性に問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて、耐薬品性、耐衝撃性、剛性に優れ、構造
部材として使用可能で使用表面の耐摩耗性にも優れた複
合成形体およびその製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の請求項1に記載の複合成形体(以
下、「請求項1の成形体」と記す)は、少なくとも無機
骨材とノルボルネン系樹脂とからなる成形体本体と、こ
の成形体本体の少なくとも耐蝕性要求面側を被覆するよ
うに設けられた無機骨材非含有のノルボルネン系樹脂か
らなる保護層とを備えている構成とした。
【0007】本発明の請求項2に記載の複合成形体(以
下、「請求項2の成形体」と記す)は、請求項1の成形
体において、成形体本体の全面が保護層で被覆されてい
る構成とした。
【0008】本発明の請求項3に記載の複合成形体(以
下、「請求項3の成形体」と記す)は、請求項1または
請求項2の成形体において、ノルボルネン系樹脂として
ポリジシクロペンタジエンを用いるようにした。
【0009】本発明の請求項4に記載の複合成形体の製
造方法(以下、「請求項4の製造方法」と記す)は、ゲ
ル化状態又は硬化状態の無機骨材非含有ノルボルネン系
樹脂を型面に沿って所定厚みで配置する工程と、ノルボ
ルネン系モノマーを主成分とする硬化性樹脂組成物と無
機骨材との混合物を型の残部に流し込み硬化性樹脂組成
物を型内で硬化させる工程とを備えている構成とした。
【0010】本発明の請求項5に記載の複合成形体の製
造方法(以下、「請求項5の製造方法」と記す)は、請
求項4の製造方法において、型内に流し込まれた混合物
中の硬化性樹脂組成物が硬化する前に型に振動を与え混
合物中の無機骨材を沈降させるようにした。
【0011】本発明の請求項6に記載の複合成形体の製
造方法(以下、「請求項6の製造方法」と記す)は、ノ
ルボルネン系モノマーを主成分とする硬化性樹脂組成物
と無機骨材との混合物を型内に流し込み、振動により混
合物中の無機骨材を沈降させる工程と、型内で硬化性樹
脂組成物を硬化させる工程とを備えている構成とした。
【0012】本発明の請求項7に記載の複合成形体の製
造方法(以下、「請求項7の製造方法」と記す)は、請
求項4〜請求項6のいずれかの製造方法において、型の
下方から加熱して型内の硬化性樹脂組成物を硬化させる
ようにした。
【0013】本発明の請求項8に記載の複合成形体の製
造方法(以下、「請求項8の製造方法」と記す)は、請
求項4または請求項6の製造方法において、型内に混合
物を充填後、型を回転させながら型の外側から加熱して
硬化性樹脂組成物を硬化させるようにした。
【0014】本発明で使用されるノルボルネン系モノマ
ーとしては、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの二
環体、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタ
ジエン、ヒドロキシジシクロペンタジエンなどの三環
体、テトラシクロドデセンなどの四環体、トリシクロペ
ンタジエンなどの五環体、テトラシクロペンタジエンな
どの七環体、及びこれらのアルキル置換体(例えば、メ
チル、エチル、プロピル、ブチル置換体など)、アルキ
リデン置換体(例えば、エチリデン置換体)、アリール
置換体(例えば、フェニル、トリル置換体)はもちろん
のこと、エポキシ基、メタクリル基、水酸基、アミノ
基、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン基、エーテル
基、エステル結合含有基等の極性基を有する誘導体など
が挙げられる。これらは、単独で使用しても良いし、2
種以上を混合して用いてもよい。
【0015】しかし、入手の容易さ、反応性、ポリマー
の物性バランス、コスト等の観点からノルボルネン系モ
ノマーとしてジシクロペンタジエンを用いることが好ま
しい。
【0016】また、硬化性樹脂組成物中には、反応触媒
が含まれているが、反応触媒としては、特に限定されな
いが、酸素や水分の存在下で反応を阻害されないことか
らルテニウム系メタセシス重合触媒が挙げられる。ルテ
ニウム系メタセシス重合触媒としては、下記一般式
(1)であらわされるルテニウム−カルベン錯体
【0017】
【化1】 (式(1)中、R1 及びR2 は、互いに独立に、水素、
C2 〜C20のアルケニル基、C1〜C20のアルキル基、
アリール基、C1 〜C20のカルボキシレート、C1〜C2
0のアルコキシ基、C2 〜C20のアルケニルオキシ基、
アリールオキシ基、C2〜C20のアルコキシカルボニル
基、又はC1 〜C20のアルキルチオ基(これらは、C1
〜C5のアルキル基、ハロゲン、C1〜C5のアルコキシ
基によって置換されていてもよいし、あるいはC1〜C5
のアルキル基、ハロゲン、C1〜C5のアルコキシ基によ
って置換されたフェニル基によって置換されていてもよ
い)を表し、X1及びX2は、互いに独立に、任意のアニ
オン性配位子を表し、L1及びL2は、互いに独立に、任
意の中性電子供与体を表し、X1、X2、L1及びL2の
内、2個または3個は、一緒に多座キレート化配位子を
形成してもよい)、および、下記一般式(2)で表され
るルテニウム−ビニリデン錯体
【0018】
【化2】 (式(2)中、R3及びR4は、互いに独立に、水素、C
2〜C20のアルケニル基、C1〜C20のアルキル基、アリ
ール基、C1〜C20のカルボキシレート、C1〜C20のア
ルコキシ基、C2〜C20のアルケニルオキシ基、アリー
ルオキシ基、C2〜C20のアルコキシカルボニル基、C1
〜C20のアルキルチオ基(これらは、C1〜C5のアルキ
ル基、ハロゲン、C1〜C5のアルコキシ基によって置換
されていてもよいし、あるいはC1〜C5のアルキル基、
ハロゲン、C1〜C5のアルコキシ基によって置換された
フェニル基によって置換されていてもよい)又は、フェ
ロセン誘導体を表し、X3及びX4は、互いに独立に、任
意のアニオン性配位子を表し、L3及びL4は、互いに独
立に、任意の中性電子供与体を表し、X3、X4、L3及
びL4の内、2個または3個は、一緒に多座キレート化
配位子を形成してもよい)が挙げられる。
【0019】更に好ましい一般式(1)で表されるルテ
ニウム−カルベン錯体としては、式中、R1 及びR2
が、互いに独立に、水素、メチル基、エチル基、フェニ
ル基、またはメチル基、エチル基もしくはフェニル基に
よって必要に応じて置換されたビニルであり、また、X
1及びX2が、互いに独立に、C1またはBrであり、さ
らに、L1及びL2が、互いに独立に、トリメチルホスフ
ィン基、トリエチルホスフィン基、トリフェニルホスフ
ィン基またはトリシクロヘキシルホスフィン基である、
ルテニウム−カルベン錯体が挙げられる。
【0020】上記一般式(1)で表されるルテニウム−
カルベン錯体又は一般式(2)で表されるルテニウム−
ビリニデン錯体については、混合しながら成形型内に流
し込むため、溶媒を加え液状にすることが好ましい。そ
の一例として溶媒に希釈して用いることが好ましい。溶
媒の例としては、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフ
ラン(THF)、ジクロロメタンなどが挙げられる。な
お、ルテニウム−カルベン錯体を活性水素が存在する溶
媒あるいは酸に溶解させるのは、錯体の安定性を損なう
ので好ましくない。
【0021】一般式(2)のルテニウム−ビニリデン錯
体については、一般式(1)のルテニウム−カルベン錯
体よりは空気中での安定性が高いが、同様のことが言え
る。
【0022】本発明のノルボルネン系ポリマー成形品の
製造方法において、ノルボルネン系モノマーに対するル
テニウム−カルベン錯体またはルテニウムビニリデン錯
体の混合比率は、1/5〜1/500000モルの範囲
が好ましい。更に好ましくは、1/30〜1/2000
00モルの範囲である。この範囲で必要な硬化時間を基
に、触媒の混合比率を設定すればよい。
【0023】本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応
じて、消泡剤、酸化防止剤、着色剤、高分子改質剤、難
燃剤、発泡剤、揺変性付与剤、帯電防止剤、分子量調節
剤、顔料、染料、耐衝撃性改良剤としてのエラストマー
などの各種添加剤を配合してもよい。
【0024】無機骨材としては、従来のコンクリートの
骨材として使用されるものであれば特に限定されない
が、珪砂が好ましい。無機骨材の配合量は、得られる成
形体の剛性を確保できれば特に限定されないが、成形体
の表面部分を除き、無機骨材が最密充填されるような配
合量とすることが好ましい。
【0025】また、珪砂を用いた場合、本発明の複合組
成物で得られる成形体中で、珪砂の最密充填化を図るた
めには、6号珪砂(平均粒子径300μm)単独、ある
いは3号珪砂(平均粒子径1mm)と7号珪砂(平均粒
子径200μm)の混合物を用いることが好ましい。
【0026】また、本発明の製造方法で得られる複合成
形体の用途としては特に限定されないが、例えば、マン
ホール部材、減勢工(急傾斜面等にそって設けられる下
水配管路の途中に設けられ、下水配管路を流下する排水
の勢いを弱める)、面板等が挙げられる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は本発明にかか
る複合成形体の製造方法の第1の実施の形態をあらわし
ている。
【0028】図1に示すようにこの複合成形体の製造方
法は、ノルボルネン系モノマーを主成分とする硬化性樹
脂組成物11と、無機骨材12とを混合した成形材料1
を型2内に充填するとともに、振動付与手段21によっ
て型2を振動させて無機骨材12が最密充填化されるよ
うに下方に沈降させる。そして、型2を振動付与手段2
1によって振動させながら、型2の底面に沿って設けら
れたヒータ22によって型2の底側から成形材料1を加
熱し成形材料1中の硬化性樹脂組成物11を型2の底側
から硬化させて、図2に示すような無機骨材12が最密
充填された状態でノルボルネン系樹脂でバインディング
された成形体本体31とこの成形体本体31の厚み方向
の一方の面(型2の上面)に無機骨材非含有のノルボル
ネン系樹脂からなる保護層32が設けられた複合成形体
3を得るようになっている。
【0029】この製造方法によれば、硬化性樹脂組成物
11がノルボルネン系モノマーを主成分としているの
で、流動性に優れ、無機骨材12と混合した成形材料1
も十分な流動性を備えているので賦形性に優れている。
また、型2を振動させて無機骨材12を型2の底側に沈
降させ最密充填化を図ると同時に型2の下方から加熱し
て硬化性樹脂組成物11を硬化させるようにしたのでボ
イドの少ない複合成形体3とするとともに、うまく無機
骨材非含有のノルボルネン系樹脂からなる保護層32を
成形体本体31の上面に形成することができる。
【0030】そして、このようにして得た複合成形体3
は、表面側となる部分が無機骨材非含有のノルボルネン
系樹脂からなる保護層32で覆われているので、表面の
耐衝撃性、耐摩耗性に優れているとともに、内部に無機
骨材12が最密充填されている成形体本体31をそなえ
ているので剛性にも優れたものとなる。したがって、マ
ンホール部材、減勢工、面板などの構造部材へ有効に利
用できる。
【0031】図3は、本発明にかかる複合成形体の製造
方法の第2の実施の形態をあらわしている。この製造方
法では、図3(a)に示すように、無機骨材非含有のノ
ルボルネン系モノマーを主成分とする硬化性樹脂組成物
のゲル化シート4を型2の内壁面および底面に沿って貼
り付けた状態に配置する。
【0032】つぎに、図3(b)に示すように、成形材
料1を型2の残部に充填するとともに、振動付与手段2
1によって型2を振動させて無機骨材12が最密充填化
されるように下方に沈降させる。型2を振動させなが
ら、型2の底面に沿って設けられたヒータ22によって
型2の底側から加熱しゲル化シート4および成形材料1
中の硬化性樹脂組成物11を型2の底側から硬化させ
て、図4に示すような内部に無機骨材12が最密充填さ
れた状態でノルボルネン系樹脂によってバインディング
された成形体本体51を有し、その周囲に成形材料1中
の無機骨材12の沈降により上面に生じた無機骨材非含
有のノルボルネン系樹脂、及び、ゲル化シート4により
生じた無機骨材非含有のノルボルネン系樹脂からなる保
護層52が設けられた複合成形体5を得るようになって
いる。
【0033】この製造方法によれば、成形体の所望の面
に保護層52を設けることができるようになり、成形体
5の用途が広がる。
【0034】図5は、本発明にかかる複合成形体の製造
方法の第3の実施の形態をあらわしている。図5に示す
ように、この製造方法は、第1の実施の形態の成形材料
1を円筒状のキャビティ61を有する型6内に充填する
とともに、型6を閉じた状態で、キャビティ61の軸6
2中心に回転させて遠心力で成形材料1中の無機骨材1
2をキャビティ61の半径方向外側に向かって最密充填
化させながら、外型63側から成形材料1を加熱して成
形材料1中の硬化性樹脂組成物11を外型63側から内
型64側に向かって硬化させて図6に示すような管7を
得るようにした以外は上記第1の実施の形態と同様にな
っている。
【0035】すなわち、この製造方法によれば、成形材
料1中の無機骨材12が型6の回転による遠心力によっ
てキャヒティ61の外周面側に最密充填された状態で硬
化性樹脂組成物11が硬化されるので、図6に示すよう
に、管7の外面側に最密充填された状態でノルボルネン
系樹脂によってバインディングされた成形体本体71を
有し、内面には無機骨材非含有のノルボルネン系樹脂か
らなる保護層72が形成され、下水管などの使用条件の
過酷な場所に用いることができる管7を得ることができ
る。
【0036】
【実施例】以下に、本発明の実施例をより詳しく説明す
る。
【0037】(実施例1)ノルボルネン系モノマーとし
てのジシクロペンタジエンを主成分とし、溶媒に溶かし
たルテニウム系メタセシス重合触媒を含む硬化性樹脂組
成物(25℃粘度100cps)と、無機骨材としての
3号珪砂と7号珪砂とを1:0.5の割合で混合した混
合物Iとを用意した。ジシクロペンタジエン(25℃粘
度100cps)と、無機骨材としての上記混合物Iと
を15:85の割合となるように、ミキサーで撹拌混合
して成形材料を得た。
【0038】この成形材料を上部が開口した縦1000mm
×横1000mm×高さ50mmの型内に充填するとともに、
型に200Hz前後の振動を与えつつ、型の底面側から
加熱して板状の成形体サンプルを得た。
【0039】(実施例2)実施例1と同様の型に、実施
例1の硬化性樹脂組成物のみを5mmの厚みとなるよう
にいれて、まず、この硬化性樹脂組成物をゲル化又は硬
化させたのち、実施例1と同様の成形材料を型の残部に
充填し、型に200Hz前後の振動を与えつつ、型の底
面側から加熱して板状の成形体サンプルを得た。
【0040】(比較例1)型に振動を与えなかった以外
は実施例1と同様にして板状の成形体サンプルを得た。
【0041】(比較例2)硬化性樹脂組成物として不飽
和ポリエステル樹脂(25℃粘度1500cps)を用
いた以外は実施例1と同様にして板状の成形体サンプル
を得た。
【0042】(比較例3)実施例1と同様の成形材料を
上部が開口した縦1000mm×横1000mm×高さ
50mmの型内に充填するとともに、型を100℃のオ
ーブン中に入れ硬化性樹脂組成物を硬化させて板状の成
形体サンプルを得た。板状の硬化物を得た。
【0043】実施例1,2および比較例1〜3で得られ
た成形体サンプルについて、それぞれボイド率、硬化状
態、摩耗量をそれそれ調べ、その結果を表1に示した。
なお、ボイド率は、JIS K 7053に準拠した方
法により測定した。硬化状態は、外観を目視により判断
した。摩耗量はJIS K 7204に準拠した方法に
より測定した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明にかかる複合成形体は、以上のよ
うに構成されているので、耐薬品性、耐衝撃性、剛性に
優れ、構造部材として使用可能で使用表面の耐摩耗性に
も優れている。
【0046】本発明にかかる複合成形体の製造方法は、
以上のように構成されているので、上記本発明の複合成
形体を容易に製造することができる。特に請求項6の製
造方法のようにすれば、必要な面に確実に保護層を形成
することができる。
【0047】請求項7の製造方法のようにすれば、製造
プロセスをコンパクトにすることができる。また、請求
項8の製造方法のようにすれば、内面に保護層を有する
剛性の高い管状の成形体を容易に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる複合成形体の製造方法の第1の
実施の形態をあらわす断面図である。
【図2】図1の製造方法で得られる複合成形体の断面図
である。
【図3】本発明にかかる複合成形体の製造方法の第2の
実施の形態をあらわす断面図である。
【図4】図3の製造方法で得られる複合成形体の断面図
である。
【図5】本発明にかかる複合成形体の製造方法の第3の
実施の形態をあらわす断面図である。
【図6】図5の製造方法で得られる複合成形体の断面図
である。
【符号の説明】
1 成形材料 11 硬化性樹脂組成物 12,52 無機骨材 2 型 21 振動付与手段 22 ヒータ 3,5 複合成形体 31,51 成形体本体 32,52 保護層 4 ゲル化シート 6 型 7 管(複合成形体) 71 成形体本体
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 103:04 B29K 103:04 (72)発明者 吉谷 博司 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 2D063 BA02 BA20 CA25 4F100 AA01A AA01B AK02A AK02B AL05A AL05B AR00B BA02 CA24 EH81 EH812 EJ08 EJ082 EJ25 EJ252 EJ42 EJ422 JB02B 4F204 AA12 AB11 AB16 AD05 AD08 EA01 EB01 EB12 EK03 EK07 EK13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも無機骨材とノルボルネン系樹脂
    とからなる成形体本体と、この成形体本体の少なくとも
    耐蝕性要求面側を被覆するように設けられた無機骨材非
    含有のノルボルネン系樹脂からなる保護層とを備えてい
    る複合成形体。
  2. 【請求項2】成形体本体の全面が保護層で被覆されてい
    る請求項1に記載の複合成形体。
  3. 【請求項3】ノルボルネン系樹脂がポリジシクロペンタ
    ジエンである請求項1または請求項2に記載の複合成形
    体。
  4. 【請求項4】ゲル化状態又は硬化状態の無機骨材非含有
    ノルボルネン系樹脂を型面に沿って所定厚みで配置する
    工程と、ノルボルネン系モノマーを主成分とする硬化性
    樹脂組成物と無機骨材との混合物を型の残部に流し込み
    硬化性樹脂組成物を型内で硬化させる工程とを備えてい
    る複合成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】型内に流し込まれた混合物中の硬化性樹脂
    組成物が硬化する前に型に振動を与え混合物中の無機骨
    材を沈降させる請求項4に記載の複合成形体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】ノルボルネン系モノマーを主成分とする硬
    化性樹脂組成物と無機骨材との混合物を型内に流し込
    み、振動により混合物中の無機骨材を沈降させる工程
    と、型内で硬化性樹脂組成物を硬化させる工程とを備え
    ている複合成形体の製造方法。
  7. 【請求項7】型の下方から加熱して型内の硬化性樹脂組
    成物を硬化させる請求項4〜請求項6のいずれかに記載
    の複合成形体の製造方法。
  8. 【請求項8】型内に混合物を充填後、型を回転させなが
    ら型の外側から加熱して硬化性樹脂組成物を硬化させる
    請求項4または請求項6に記載の複合成形体の製造方
    法。
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