JP2008121792A - しゅう動式トリポード形等速ジョイント - Google Patents
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Abstract
【課題】誘起スラスト力を低減しつつ、大型化を抑制できるしゅう動式トリポード型等速ジョイントを提供する。
【解決手段】しゅう動式トリポード形等速ジョイントは、転動体80を備える。この転動体80は、ローラ溝11の溝側面に外輪回転軸の直交軸回りに回転可能に支持され、ローラ30の外周面に当接可能であり、ローラ溝11の溝側面に外輪回転軸方向に複数列配置されている。
【選択図】図1
【解決手段】しゅう動式トリポード形等速ジョイントは、転動体80を備える。この転動体80は、ローラ溝11の溝側面に外輪回転軸の直交軸回りに回転可能に支持され、ローラ30の外周面に当接可能であり、ローラ溝11の溝側面に外輪回転軸方向に複数列配置されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、しゅう動式トリポード形等速ジョイントに関するものである。
しゅう動式トリポード形等速ジョイントとしては、例えば、特開2000−256694号公報(特許文献1)に開示されたものがある。特許文献1に開示されたしゅう動式トリポード形等速ジョイントは、トリポード軸部が円柱状をなしており、ローラの断面形状の内周側がローラ軸方向に平行な直線状をなしている。この場合、ローラは、常にトリポード軸部に対して同軸上に位置している。そのため、ジョイント角が0度でない場合に、ローラがローラ溝を転動しようとする方向と、ローラ溝の延びる方向とが一致しない状態となる。このため、ローラとローラ溝との間に滑りが発生し、その結果、ジョイント軸方向に誘起スラスト力が発生する。この誘起スラスト力は、車体の振動や騒音の発生原因となり、車両のNVH性能に影響を与える。
そこで、誘起スラスト力を低減するために、例えば、特開平3−172619号公報(特許文献2)に開示されたものがある。特許文献2に開示されたトリポード型等速ジョイントは、トリポード軸部の外周面形状を球面状にしている。これにより、ローラがトリポード軸部に対して揺動可能となり、ローラがローラ溝を転動しようとする方向と、ローラ溝の延びる方向とが常に一致するようになる。従って、ローラとローラ溝との間に滑りが発生しないとされている。
特開2000−256694号公報
特開平3−172619号公報
しかし、特許文献2に開示されたしゅう動式トリポード型等速ジョイントにおいては、トリポード軸部の根元部がくびれ形状をなしているため、根元部の断面係数が小さくなる。そのため、トリポード軸部の強度を確保するために、トリポード軸部の断面形状を大型化する必要がある。
さらに、ローラは、内側ローラと外側ローラとその間に配置される複数のニードルローラとから構成される。一方、特許文献1に開示されたしゅう動式トリポード形等速ジョイントのローラは、ローラ本体とニードルローラとからなり、特許文献2のローラに比べて部品点数が少ない。従って、特許文献2のローラは、特許文献1のローラに比べて外径が大きくなる。
このように、特許文献2のしゅう動式トリポード形等速ジョイントは、特許文献1に比べて、トリポード軸部及びローラの外径が大型化することにより、等速ジョイント全体の外径が大型化する。従って、特許文献1の構成からなるしゅう動式トリポード形等速ジョイントであって、誘起スラスト力を低減できる構成が望まれる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、誘起スラスト力を低減しつつ、大型化を抑制できるしゅう動式トリポード型等速ジョイントを提供することを目的とする。
(1)本発明のしゅう動式トリポード形等速ジョイントは、外輪と、トリポードと、ローラとを備える。ここで、外輪は、筒状からなり、内周面に外輪回転軸方向に延びるように3本のローラ溝が形成されている。トリポードは、シャフトに連結されるボス部と、ボス部からそれぞれシャフトの径方向外側に延在しそれぞれのローラ溝内に挿入される3本の円柱状のトリポード軸部とを備える。ローラは、環状からなり、それぞれのトリポード軸部にニードルローラを介してトリポード軸回りに回転可能に軸支され、且つ、ローラ溝に転動可能に係合する。
そして、本発明のしゅう動式トリポード形等速ジョイントの特徴的な構成は、さらに、ローラ溝の溝側面に外輪回転軸の直交軸回りに回転可能に支持され、ローラの外周面に当接可能であり、ローラ溝の溝側面に外輪回転軸方向に複数列配置された転動体を備えることである。
つまり、本発明のしゅう動式トリポード形等速ジョイントは、トリポード軸部は円柱状をなし、ローラは、トリポード軸部にニードルローラを介して配置される構成からなる。従って、特許文献2のようにトリポード軸部の根元部の断面係数が小さくなることもなく、ローラ自体が大型化することもない。従って、本発明のしゅう動式トリポード形等速ジョイントは、特許文献2の構成に比べて、小型化を図ることができる。
しかし、単にこのような構成であれば、上述したように、ローラがローラ溝を転動しようとする方向と、ローラ溝の延びる方向とが一致しないことに起因して、ローラとローラ溝との間に滑りが発生する。ところが、本発明によれば、転動体をローラ溝の溝側面に配置している。この転動体は、外輪回転軸方向に複数列配置され、且つ、外輪回転軸の直交軸回りに回転可能にローラ溝の溝側面に支持されている。そして、この転動体に、ローラの外周面が当接可能である。
つまり、ローラがローラ溝の延びる方向に移動しようとする際に、ローラは、転動体に当接しながら移動する。このとき、それぞれの転動体は外輪回転軸(ローラ溝の延びる方向と一致)の直交軸回りに回転可能とされており、且つ、ローラがローラ溝の延びる方向に移動するため、ローラに当接する転動体は転動することになる。この現象は、ローラがローラ溝を転動しようとする方向と、ローラ溝の延びる方向とが一致しない場合にも同様である。つまり、特に、ローラがローラ溝を転動しようとする方向とローラ溝の延びる方向とが一致しない場合に、ローラと転動体は、転がり接触することになる。もちろん、両方向が一致する場合にも、ローラと転動体は転がり接触することになる。
このように、ローラは、転動体に対して転がり接触となり、転動体は、外輪のローラ溝に対して回転可能となる。つまり、ローラと転動体との間、および、転動体と外輪のローラ溝との間において、何れも滑りが発生することはない。従って、ローラがローラ溝を転動しようとする方向とローラ溝の延びる方向とが一致しない場合であっても、確実に滑りが発生することを防止できる。これにより、誘起スラスト力を確実に低減できる。
(2)また、ローラの外周面は、円弧凸状からなり、転動体は、ローラ溝のそれぞれの溝側面において、外輪回転軸に直交する所定の平面上に複数列配置され、当該所定の平面上に配置された複数列の転動体は、内接円弧が前記円弧凸状に対応する円弧凹状とするとよい。ここで、しゅう動式トリポード形等速ジョイントにおいて、外輪に対するローラの径方向位置を位置決めするために、ローラの外周面を円弧凸状にし、且つ、ローラ溝の溝側面を円弧凹状にする必要がある。そして、本発明のように、ローラ溝の溝側面に配置する転動体を円弧凹状に配置することで、確実に外輪に対するローラの径方向位置を位置決めできる。
(3)また、上記のように、転動体を円弧凹状に配置する場合、当該転動体は、外輪の中心側から径方向外側に向かって、第一ころ軸受、球体、第二ころ軸受の順に配置されるようにするとよい。これにより、確実に、内接円弧を円弧凹状に配置できる。さらに、第一ころ軸受および第二ころ軸受は、球体に比べて、容易に取り付けることができる。さらに、当該順序に配置することで、球体を第一ころ軸受と第二ころ軸受との間に圧入することで、当該球体を幾何学的に位置決め固定することができる。
(4)また、転動体は、外輪回転軸に直交する所定の平面状に、複数列配置する場合に限られない。その他に、転動体は、ローラ溝のそれぞれの溝側面において、外輪回転軸に直交する所定のそれぞれの平面上に1つずつ配置されたころ軸受からなるようにしてもよい。このように、外輪回転軸に直交する所定の平面上に、1つのころ軸受を配置しているので、部品点数の増加を抑制できる。さらに、ころ軸受を用いることで、容易に取り付けることができる。
(5)そして、所定のそれぞれの平面上に1つのころ軸受を配置する場合には、当該ころ軸受の外周面は、ローラの外周面に対応した形状からなるようにするとよい。つまり、1つのころ軸受で、上述した円弧凹状を形成することができる。これにより、確実に、外輪に対するローラの径方向位置を位置決めできる。さらに、1つのころ軸受からなる転動体のみにより、ローラとの接触点を複数とすることができる。
(6)また、所定のそれぞれの平面上に1つのころ軸受を配置する場合に、当該ころ軸受の外周面は、円筒状からなるようにしてもよい。円筒状のころ軸受は、非常に汎用性が高い。従って、低コスト化を図ることができる。
本発明のしゅう動式トリポード型等速ジョイントによれば、誘起スラスト力を低減しつつ、大型化を抑制できる。
(1)第1実施形態
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。ここで、本実施形態のしゅう動式トリポード型等速ジョイント(以下、単に「等速ジョイント」と称する。)は、車両の動力伝達シャフトの連結に用いる場合を例に挙げて説明する。例えば、ディファレンシャルギヤに連結された軸部とドライブシャフトなどのシャフトとの連結部位に用いる場合である。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。ここで、本実施形態のしゅう動式トリポード型等速ジョイント(以下、単に「等速ジョイント」と称する。)は、車両の動力伝達シャフトの連結に用いる場合を例に挙げて説明する。例えば、ディファレンシャルギヤに連結された軸部とドライブシャフトなどのシャフトとの連結部位に用いる場合である。
第1実施形態の等速ジョイントについて、図1および図2を参照して説明する。図1は、外輪回転軸およびシャフトが同軸上の場合における、等速ジョイントの軸径方向の部分断面図を示す。図2は、転動体80が組み付けられた状態における外輪10の外輪軸回転軸方向の断面図を示す。
この等速ジョイントは、図1に示すように、外輪10と、トリポード20と、ローラ30と、複数のニードルローラ40と、アウタワッシャ50と、止め輪60と、支持金具70と、転動体80とから構成される。
外輪10は、図2に示すように、筒状(例えば、有底筒状)に形成されており、図2の左端側がディファレンシャルギヤ(図示せず)に連結されている。そして、外輪10の筒状部分の内周面には、外輪回転軸方向(図1の前後方向、図2の左右方向)に延びるようにローラ溝11が、外輪回転軸の周方向に等間隔に3本形成されている。これら3本のローラ溝11の側面(図1の左右両側の側面)の外輪回転軸径方向断面は、それぞれ、ほぼ円を内接する形状からなる。つまり、ローラ溝11のそれぞれの側面の最も内側の面は、ほぼ円に接する形状からなる。さらに詳細には、ローラ溝11の側面において、ローラ溝11のトリポード軸(後述する)方向のほぼ中央が、トリポード軸から最も離間した位置となるように形成されている。従って、ローラ溝11の側面において、ローラ溝11のトリポード軸方向のほぼ中央からローラ溝11の溝底面側(外輪10の径方向外側)に行くに従って、トリポード軸からの離間距離が短くなる。また、ローラ溝11の側面において、ローラ溝11のトリポード軸方向のほぼ中央からローラ溝11の開口側(外輪10の中心軸側)に行くに従って、トリポード軸からの離間距離が短くなる。
さらに、これら3本のローラ溝11の側面の両側には、それぞれ、外輪回転軸方向に延びるように、転動体溝11a、11bが1本ずつ形成されている。つまり、外輪10には、6本の転動体溝11a、11bが形成されている。より詳細には、転動体溝11a、11bは、ローラ溝11の側面のうち、トリポード軸方向のほぼ中央部に形成されている。さらに、転動体溝11a、11bの一端側(図2の右側)は、外輪10の開口側に開放されている。
そして、これらの転動体溝11a、11bの側面(図1の上下面)は、トリポード軸に直角な面上に位置するように、且つ、相互に対向するように形成されている。また、転動体溝11a、11bの溝底面(図1の左右端側面)は、ローラ溝11の側面の最も内側の面に沿った形状となるように形成されている。つまり、転動体11a、11bの溝側面において、トリポード軸方向のほぼ中央が、トリポード軸から最も離間した位置となるように形成されている。ただし、第1実施形態においては、転動体溝11a、11bの溝底面は、トリポード軸方向のほぼ中央より図1の上側部分と、トリポード軸方向中央より図1の下側の部分を、それぞれ平面状に形成している。すなわち、転動体溝11a、11bの溝底面の外輪回転軸径方向断面は、「く」の字型形状をなしている。従って、1つのローラ溝11に形成される一方の転動体溝11aと他方の転動体溝11bとは、相互に、「く」の字の広がる側が対向するように形成されている。
トリポード20は、外輪10の筒状部分の内側に配置されている。このトリポード20は、ボス部21と、3本のトリポード軸部22とを備える。ボス部21は、円筒状からなり、内周側には内周スプラインが形成されている。この内周スプラインは、ドライブシャフト(図示せず)の端部の外周スプラインに連結される。それぞれのトリポード軸部22は、ボス部21の外周側に、シャフト(トリポード20の中心軸に一致した軸)の径方向外側に向かって延びるように、且つ、ボス部21の周方向に等間隔(120度間隔)に形成されている。トリポード軸部22は、円柱状からなる。それぞれのトリポード軸部22の先端部は、外輪10のそれぞれのローラ溝11内に挿入されている。また、トリポード軸部22の基端22aは、段差付に形成されており、先端側に周方向全周に亘ってリング溝22bが形成されている。
ローラ30は、環状からなる。詳細には、ローラ30の内周面は、同径に形成されている。また、ローラ30の外周面は、ローラ軸断面形状において、外側に凸状のほぼ円弧状に形成されている。そして、ローラ30のローラ軸方向のほぼ中央部が、最も外側に突出するような形状からなる。このローラ30は、トリポード軸部22の外周側に、複数のニードルローラ40を介してトリポード軸(トリポード軸部22の中心軸、図1の上下方向)回りに回転可能に、且つ、トリポード軸方向に摺動可能に、軸支されている。そして、ローラ30は、ローラ溝11に転動可能に係合している。
ニードルローラ40は、針状ころからなり、トリポード軸部22の外周面とローラ30の内周面との間に、周方向に複数介在している。つまり、ニードルローラ40は、トリポード軸部22の外周面とローラ30の内周面とに対して転動する。そして、このニードルローラ40は、トリポード軸部22の基端22aの段差に対してトリポード軸方向に係合している。
アウタワッシャ50は、トリポード軸部22の外周側であって、ニードルローラ40の図1の上方に積層するように配置される。このアウタワッシャ50は、ニードルローラ40の抜け止めの役割を有している。そして、アウタワッシャ50は、トリポード軸部22のリング溝22bに係止される止め輪60により、トリポード軸部22から抜け落ちないようにされている。つまり、ニードルローラ40は、トリポード軸部22の基端22aとアウタワッシャ50との間に挟まれるように配置されている。
支持金具70は、薄い金属板の対向2辺を屈曲形成した形状からなる。つまり、支持金具70の断面形状は、ほぼ「コ」の字型形状に形成されている。詳細には、支持金具70の「コ」の字対向面の離間距離は、転動体溝11a、11bの溝側面の対向距離とほぼ同等にされている。また、支持金具70の「コ」の字対向面の高さは、転動体溝11a、11bの溝深さとほぼ同等にされている。さらに、支持金具70の「コ」の字の座面の断面は、転動体溝11a、11bの溝底面と同様の「く」の字型形状をなしている。さらに、支持金具70の長手方向長さは、転動体溝11a、11bの外輪回転軸方向の長さと同等にされている。つまり、支持金具70は、それぞれの転動体溝11a、11bに倣う形状に形成されている。さらに、支持金具70の「コ」の字の対向する両面には、長手方向に等間隔に複数の貫通孔71、72が形成されている。そして、これら支持金具70は、それぞれの転動体溝11a、11bに圧入されている。具体的には、支持金具70は、転動体溝11a、11bのほぼ全面を被覆するように、且つ、転動体溝11a、11bの内側に収容された状態となる。
転動体80は、ローラ溝11の溝側面の転動体溝11a、11bに収容されるように、外輪回転軸方向に複数列配置されている。ここで、図2においては、転動体80が11列配置された状態を示す。これらの転動体80は、ローラ溝11の溝側面の転動体溝11a、11bに、外輪回転軸の直交軸回りに回転可能に支持されている。さらに、転動体80は、ローラ30の外周面に当接可能である。具体的には、ローラ30がローラ溝11を移動した場合に、転動体80の何れかにローラ30が当接する。
これらの転動体80は、外輪回転軸方向のそれぞれの列において、具体的には、第一ころ軸受81と、球体82と、第二ころ軸受83とから構成される。図2においては、第一ころ軸受81が11列、球体82が11列、第二ころ軸受82が11列、外輪回転軸方向に配置されている。
第一ころ軸受81は、円柱状の当接部81aと、当接部81aの一端側(図1の下端側)に棒状に突出するように一体形成された突出部81bとから構成される。そして、第一ころ軸受81の当接部81aの直径は、転動体11a、11bの溝深さとほぼ同等もしくは僅かに小さく形成されている。球体82は、球状からなり、その直径は、転動体11a、11bの溝深さとほぼ同等もしくは僅かに小さく形成されている。また、第二ころ軸受83は、第一ころ軸受81と同形状からなる。つまり、第二ころ軸受83は、円柱状の当接部83aと、当接部83aの一端側(図1の上端側)に棒状に突出するように一体形成された突出部83bとから構成される。
そして、外輪10の中心側から径方向外側に向かって、第一ころ軸受81、球体82、第二ころ軸受83の順に配置されている。つまり、外輪回転軸に直交する所定の平面上に、転動体80の構成部品が複数列配置されていることになる。
さらに詳細には、第一ころ軸受81の突出部81bが、支持金具70の貫通孔71に挿通され、回転可能に軸支されている。そして、第一ころ軸受81の当接部81aは、支持金具70の「コ」の字の座面(「く」の字型部分)のうち図2の下側平面部分にほぼ平行に配置されている。つまり、第一ころ軸受81は、外輪回転軸に直交する軸回りであって、支持金具70の「コ」の字の座面のうち図2の下側平面部分に平行な軸回りに回転可能とされている。具体的には、図1の右側に示す第一ころ軸受81は、図1の垂直線より僅かに左側に傾斜させた軸回りに回転可能に軸支されている。また、図1の左側に示す第一ころ軸受81は、図1の垂直線より僅かに右側に傾斜させた軸回りに回転可能に軸支されている。
また、第二ころ軸受83の突出部83bが、支持金具70の貫通孔72に挿通され、回転可能に軸支されている。そして、第二ころ軸受83の当接部83aは、支持金具70の「コ」の字の座面(「く」の字型部分)のうち図2の上側平面部分にほぼ平行に配置されている。つまり、第二ころ軸受83は、外輪回転軸に直交する軸回りであって、支持金具70の「コ」の字の座面のうち図2の上側平面部分に平行な軸回りに回転可能とされている。具体的には、図1の右側に示す第二ころ軸受83は、図1の垂直線より僅かに右側に傾斜させた軸回りに回転可能に軸支されている。また、図1の左側に示す第二ころ軸受83は、図1の垂直線より僅かに左側に傾斜させた軸回りに回転可能に軸支されている。
そして、球体82は、第一ころ軸受81の上側端面と第二ころ軸受83の下側端面との間に、挟まれるように配置されている。つまり、第一ころ軸受81の上側端面と第二ころ軸受83の下側端面の離間距離のうち、ローラ溝11の中心側は、球体82の直径より狭くなっている。従って、球体82が、第一ころ軸受81と第二ころ軸受83との間に配置された状態を幾何学的に維持できる。この球体82は、図1の垂直軸回りに回転可能である。
このように転動体80として、第一ころ軸受81、球体82、および第二ころ軸受83により構成することで、転動体80の内接円弧が、ローラ30の外周面の円弧凸状に対応する円弧凹状とすることができる。
以上説明したように等速ジョイントを構成することにより、以下の効果を発揮する。まず、ジョイント角が0度の場合について説明する。この場合、外輪10とシャフトとが軸方向に相対移動する場合には、ローラ30がローラ溝11の延びる方向に移動する。このとき、ローラ30は、転動体80に当接しながら移動する。ここで、転動体80を構成する第一ころ軸受81、球体82および第二ころ軸受83は、外輪回転軸に直交する軸回りに回転可能となるように、ローラ溝11に支持されている。従って、第一ころ軸受81、球体82および第二ころ軸受83は、ローラ30がローラ溝11の延びる方向に移動する際に、ローラ溝11に対して転動する状態(転がり接触状態)となる。
次に、ジョイント角が0度以外の場合について説明する。この場合、等速ジョイントが回転する際に、ローラ30がローラ溝11を転動しようとする方向と、ローラ溝11の延びる方向とが一致しない場合が存在する。このときであっても、第一ころ軸受81、球体82および第二ころ軸受83は、ローラ30の移動に伴って、ローラ溝11に対して転動する状態(転がり接触状態)となる。
従って、ローラ30と転動体80とは転がり接触となり、従来のように、ローラ30とローラ溝11との間において滑りが発生することがない。これにより、誘起スラスト力を確実に低減できる。
また、第一ころ軸受81、球体82および第二ころ軸受83により、内接円弧がローラ30の外周面の円弧凸状に対応する円弧凹状としている。これにより、外輪10に対してローラ30の径方向位置の位置決めが可能となる。さらに、第一ころ軸受81および第二ころ軸受83を用いることにより、容易に配置でき、確実にローラ30と転動するようにできる。なお、球体82を用いているが、第一ころ軸受81と第二ころ軸受83との間に挟まれるように配置するのみであるため、この点も容易に配置できる。
(2)第2実施形態
次に、第2実施形態の等速ジョイントについて図3および図4を参照して説明する。図3は、外輪回転軸およびシャフトが同軸上の場合における、等速ジョイントの軸径方向の部分断面図を示す。図4は、転動体180が組み付けられた状態における外輪10の外輪軸回転方向の断面図を示す。ここで、第2実施形態の等速ジョイントは、第1実施形態の等速ジョイントに対して、転動体溝11a、11b、支持金具70および転動体80のみが相違する。そこで、以下に、第2実施形態の等速ジョイントを構成する転動体溝111a、111b、支持金具170および転動体180のみについて説明する。
次に、第2実施形態の等速ジョイントについて図3および図4を参照して説明する。図3は、外輪回転軸およびシャフトが同軸上の場合における、等速ジョイントの軸径方向の部分断面図を示す。図4は、転動体180が組み付けられた状態における外輪10の外輪軸回転方向の断面図を示す。ここで、第2実施形態の等速ジョイントは、第1実施形態の等速ジョイントに対して、転動体溝11a、11b、支持金具70および転動体80のみが相違する。そこで、以下に、第2実施形態の等速ジョイントを構成する転動体溝111a、111b、支持金具170および転動体180のみについて説明する。
転動体溝111a、111bの溝底面は、トリポード軸にほぼ平行な平面に形成されている。つまり、転動体溝111a、111bは、外輪回転軸径方向断面において、ほぼ「コ」の字型形状をなしている。
支持金具170は、第1実施形態の支持金具70とほぼ同様に薄い金属板の対向2辺を屈曲形成した形状からなる。そして、この支持金具170の「コ」の字の座面の断面は、転動体溝111a、111bの溝底面と同様の平面上をなしている。そして、支持金具170における他の構成は、第1実施形態の支持金具70と同様であるので、説明を省略する。
転動体180は、ローラ溝11の溝側面の転動体溝11a、11bに収容されるように、外輪回転軸方向に複数列配置されている。ここで、図4においては、転動体180が11列配置された状態を示す。これらの転動体180は、ローラ溝11の溝側面の転動体溝11a、11bに、外輪回転軸の直交軸回りに回転可能に支持されている。さらに、転動体180は、ローラ30の外周面に当接可能である。具体的には、ローラ30がローラ溝11を移動した場合に、転動体180の何れかにローラ30が当接する。
それぞれの転動体180は、1つのころ軸受からなる。つまり、外輪回転軸に直交する所定のそれぞれの平面上に、転動体180が1つずつ配置されている。この転動体180であるころ軸受の外周面は、ローラ30の外周面に対応した形状からなる。すなわち、転動体180であるころ軸受の外周面の軸方向断面は、凹状のほぼ円弧状に形成されている。つまり、転動体180であるころ軸受は、軸方向の両端側から中央に向かって縮径する形状をなしている。そして、この転動体180は、両端に棒状に突出するように一体形成された突出部180a、180bを有する。これらの突出部180a、180bは、それぞれ、支持金具170の貫通孔71、72に挿通され、回転可能に軸支されている。
このように、第2実施形態の等速ジョイントによれば、それぞれの転動体180が1つのころ軸受のみからなるため、部品点数の増加を抑制でき、且つ、容易に取り付けることができる。さらに、1つのころ軸受からなる転動体のみにより、ローラ30との接触点を複数とすることができる。
(3)第3実施形態
次に、第3実施形態の等速ジョイントについて、図5を参照して説明する。図5は、外輪回転軸およびシャフトが同軸上の場合における、等速ジョイントの軸径方向の部分断面図を示す。ここで、第3実施形態の等速ジョイントは、第2実施形態の等速ジョイントに対して、転動体180のみが相違する。そこで、以下に、第3実施形態の等速ジョイントを構成する転動体280のみについて説明する。
次に、第3実施形態の等速ジョイントについて、図5を参照して説明する。図5は、外輪回転軸およびシャフトが同軸上の場合における、等速ジョイントの軸径方向の部分断面図を示す。ここで、第3実施形態の等速ジョイントは、第2実施形態の等速ジョイントに対して、転動体180のみが相違する。そこで、以下に、第3実施形態の等速ジョイントを構成する転動体280のみについて説明する。
それぞれの転動体280は、1つのころ軸受からなる。つまり、外輪回転軸に直交する所定のそれぞれの平面上に、転動体280が1つずつ配置されている。この転動体280であるころ軸受は、円筒状(円柱状を含む)からなる。そして、この転動体280は、両端に棒状に突出するように一体形成された突出部280a、280bを有する。これらの突出部280a、280bは、それぞれ、支持金具170の貫通孔71、72に挿通され、回転可能に軸支されている。
このように、第3実施形態の等速ジョイントによれば、それぞれの転動体280が1つのころ軸受のみからなるため、部品点数の増加を抑制でき、且つ、容易に取り付けることができる。さらに、このころ軸受は、円筒状からなるため、非常に汎用性が高く、低コスト化を図ることができる。
10:外輪、 11:ローラ溝、
11a、11b、111a、111b:転動体溝、
20:トリポード、 21:ボス部、 22:トリポード軸部、
22a:基端、 22b:リング溝、
30:ローラ、 40:ニードルローラ、 50:アウタワッシャ、 60:止め輪、
70、170:支持金具、 71、72:貫通孔、
80、180、280:転動体、
81:第一ころ軸受、 81a:当接部、 81b:突出部、 82:球体、
83:第二ころ軸受、 83a:当接部、 83b:突出部、
180a、180b、280a、280b:突出部
11a、11b、111a、111b:転動体溝、
20:トリポード、 21:ボス部、 22:トリポード軸部、
22a:基端、 22b:リング溝、
30:ローラ、 40:ニードルローラ、 50:アウタワッシャ、 60:止め輪、
70、170:支持金具、 71、72:貫通孔、
80、180、280:転動体、
81:第一ころ軸受、 81a:当接部、 81b:突出部、 82:球体、
83:第二ころ軸受、 83a:当接部、 83b:突出部、
180a、180b、280a、280b:突出部
Claims (6)
- 筒状からなり、内周面に外輪回転軸方向に延びるように3本のローラ溝が形成された外輪と、
シャフトに連結されるボス部と、前記ボス部からそれぞれシャフトの径方向外側に延在しそれぞれの前記ローラ溝内に挿入される3本の円柱状のトリポード軸部と、を備えるトリポードと、
環状からなり、それぞれの前記トリポード軸部にニードルローラを介してトリポード軸回りに回転可能に軸支され、且つ、前記ローラ溝に転動可能に係合するローラと、
を備えるしゅう動式トリポード形等速ジョイントであって、
前記ローラ溝の溝側面に前記外輪回転軸の直交軸回りに回転可能に支持され、前記ローラの外周面に当接可能であり、前記ローラ溝の前記溝側面に前記外輪回転軸方向に複数列配置された転動体を備えることを特徴とするしゅう動式トリポード形等速ジョイント。 - 前記ローラの外周面は、円弧凸状からなり、
前記転動体は、前記ローラ溝のそれぞれの前記溝側面において、前記外輪回転軸に直交する所定の平面上に複数列配置され、
当該所定の平面上に配置された複数列の前記転動体は、内接円弧が前記円弧凸状に対応する円弧凹状とする請求項1に記載のしゅう動式トリポード形等速ジョイント。 - 前記転動体は、前記外輪の中心側から径方向外側に向かって、第一ころ軸受、球体、第二ころ軸受の順に配置される請求項2に記載のしゅう動式トリポード形等速ジョイント。
- 前記転動体は、前記ローラ溝のそれぞれの前記溝側面において、前記外輪回転軸に直交する所定のそれぞれの平面上に1つずつ配置されたころ軸受からなる請求項1に記載のしゅう動式トリポード形等速ジョイント。
- 前記ころ軸受の外周面は、前記ローラの外周面に対応した形状からなる請求項4に記載のしゅう動式トリポード形等速ジョイント。
- 前記ころ軸受の外周面は、円筒状からなる請求項4に記載のしゅう動式トリポード形等速ジョイント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006306561A JP2008121792A (ja) | 2006-11-13 | 2006-11-13 | しゅう動式トリポード形等速ジョイント |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006306561A JP2008121792A (ja) | 2006-11-13 | 2006-11-13 | しゅう動式トリポード形等速ジョイント |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008121792A true JP2008121792A (ja) | 2008-05-29 |
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ID=39506758
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006306561A Pending JP2008121792A (ja) | 2006-11-13 | 2006-11-13 | しゅう動式トリポード形等速ジョイント |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008121792A (ja) |
-
2006
- 2006-11-13 JP JP2006306561A patent/JP2008121792A/ja active Pending
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