JP2008121311A - アンカー設置角度設定用アジャスター - Google Patents

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Abstract

【課題】360度方位において法面に直角状のアンカー打ち込み方向の検出・設定を簡易、迅速に行うことができ、全方向同耐力のアンカーを的確に設置することを可能ならしめる実用的な治具を提供する。
【解決手段】アンカー設置予定部位の地表面に対して直角方向を検出・設定する手段であって、棒状の規準杭と、下端が対象法面に接地する折畳み自在な三本の脚体とこれの天部中心から鉛直状に延在し前記規準杭を貫通させるガイドパイプとを備えた治具本体とからなる。
【選択図】図3

Description

本発明は落石防止施設用アンカーなど法面に埋設されるアンカーの設置角度を検出・設定するのに好適な治具に関する。
法面に設置される施設として落石防止施設や雪崩防止施設などが用いられており、たとえば、先行技術においては、浮石等が点在する傾斜面における落石防止のためにワイヤロープを縦横の網目状にしたネットを斜面の地表に密着するように敷設し、アンカーで固定することで浮石を地表に押さえつけ、浮石の落下エネルギーを吸収させる工法(ロープネット工法)を採用している。
アンカーを設けるべき法面の地盤は、岩盤である場合と、土質及び礫混じり、石混じりの地質である場合があり、いずれも、アンカーは網目状のロープの端部および交点に打ち込まれるが、従来では、かかるアンカーを地軸(下方の道路横断面)に対して鉛直に設置するのが一般であった。なお、先行技術も、斜面に対する最適な打ち込み角度や方向が開示されていない。
しかし、これによると、アンカー周辺の土圧や定着材によるアンカー固定強度が一様でなくなる。しかも、落石防止ネットは、ロープが縦横に交差して結合されている特殊性から、アンカーにはロープを通じて上方向、下方向、左方向、右方向の何れか、またはそれらの複合した引張り力が働く。このため、従来ように斜面の地形にかかわらず地軸に対して鉛直方向に打ち込まれたのでは、アンカーに対する上下左右の土圧が不均一になり、下方からの引張りには耐力があるが上方又は左右からの引張りには十分な土圧耐力が保障されない問題があった。
この対策として、本発明者らは、特願2006−107346号などにおいて、アンカーを対象法面部位に対し360度の方位において直角状に埋設することを提案した。
しかし、上記のようにアンカーを対象法面部位に対し360度の方位において直角状に埋設するためには、その前段作業として、角度を精度よく検出することが枢要となる。しかるに、従来では、分度器や定規といった一方向での角度測定手段しかなく、前記作業を簡単、正確に実施し得る治具がなかった。
特許第2679966号
本発明は前記のような問題点を解消するためになされたもので、その目的とするところは、360度方位において法面に直角状のアンカー打ち込み方向の検出・設定を簡易、迅速に行うことができ、全方向同耐力のアンカーを容易かつ的確に設置することを可能ならしめる実用的な治具を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、アンカー設置予定部位の地表面に対して直角方向を検出・設定する手段であって、棒状の規準杭と、下端が対象法面に接地する折畳み自在な三本の脚体とこれの天部中心から鉛直状に延在し前記規準杭を貫通させるガイドパイプとを備えた治具本体とからなることを特徴としている。
治具本体が折畳み自在なため、急峻な現場でも容易に持ち運びすることができ、アンカー設置予定場所において、三本の脚体を開脚して接地させ、棒状の規準杭をガイドパイプを通して地盤に所要長刺して自立させる簡単な作業により、設置対象法面に、360度の方位において直角状出しと設定を行うことができ、前記規準杭を基準線としてアンカーを埋設することにより、アンカーを設置対象法面部位に対し360度の方位において直角状に埋設することができる。
このため、周囲の土圧を十分かつ均一に受けることができ、上下左右全方向からの引張り力に対して安定に対応することができる全方向同耐力のアンカーを能率よく簡易に設置することが可能となる。
棒状の規準杭は先端を先鋭に加工した棒鋼を基本とするが、先端に螺旋状のドリルビットを有する回転用棒鋼である場合を含んでおり、この場合には、治具本体のガイドパイプは内部に潤滑面を有することが好ましい。
後者によれば、回転用棒鋼を回転させることにより地盤に推進されるので、アンカー設置対象法面が転石、礫などを有する地質や岩盤である場合にも、容易に直角状のアンカー打ち込み方向の検出・設定を行うことができる。
以下添付図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1と図2は本発明にかかるアンカー設置角度検出・設定用アジャスターの一実施例を示しており、治具本体1と、これと独立した棒状の規準杭2とからなっている。
前記治具本体1はステンレス、アルミニウムなどの材料で構成され、120度間隔で配置された3本の脚長が等しい脚体1a、1a、1aと、それら脚体1a、1a、1aの上端部を枢着した天部(頭部)1bと、天部の中心から天部1bから上方に開口し、鉛直状に下方に延在するガイドパイプ1cと、ガイドパイプ1cの下端部付近に摺動可能に外嵌したスライド1dと、該スライド1dに一端が枢着され、他端が前記脚体1a、1a、1aの下部付近に枢着された3本の開閉バー1e、1e、1eとを備えている。
前記3本の脚体1a、1a、1aは、岩が存するなど地表に凹凸があっても設置が可能なように、図1の仮想線で示すようにそれぞれ下部が伸縮可能になっている。
棒状の規準杭2は、前記ガイドパイプ1cの内径よりも細く、全長Lが前記治具本体1の垂直高さよりも十分に長い棒鋼などで構成され、鋭角に加工された先端部2aを有している。
仕様例をあげると、治具本体1の脚体1a、1a、1aは外接円半径1m、天部1bまでの垂直高さが標準時に1m程度であり、ガイドパイプ1cは、内径が20mm〜30mm、長さは70〜80mm程度であり、規準杭2は直径が15〜25mm程度、長さが1.5m程度である。
図3は第1実施例の使用法を示しており、治具本体1の脚体1a、1a、1aを開脚し、図3(a)のように、アンカーを設置すべき法面部位の3方向に脚体1a、1a、1aの下端が接地するように配す。このときに、ガイドパイプ1cの中心をアンカー設置の中心点となるようにする。法面の傾斜がきついときや凹凸があるときには手などで治具本体1が倒れないように支え、あるいは、脚体の下部を適度に引き出すか縮める。なお、施工場所の地形の凹凸が極端な場合や、急な折れを有する場合には、脚体1a、1a、1aを適度に閉脚気味にし、外接円半径を小さくするなどの補正を行う。
120度間隔の脚体の方向(三方向)は任意であり、脚体1a、1a、1aの下端が地盤表面に接触した点で三脚体中心から地盤方向中心に延在しているガイドパイプ1cが360度直角方向と判断することができる。
そこで、図3(a)のように、棒状の規準杭2を脚体の天部から上方に開口しているガイドパイプ1cに挿入し、ガイドパイプ1cを貫いて地盤のアンカーポイントapに接触させ、ハンマーなどの工具HMで棒状の規準杭2を後端から殴打し、図3(b)のように地盤中にたとえば300〜500mm程度打ち込んで、自立させる。
これにより、アンカー設置対象法面に360度の方位において直角状出しと設定がなされたことになる。
ここで、「直角状」とは,斜面に対して厳密に90度でない場合を含むという意味であり、これは、施工場所の地形や作業面から測定に誤差が含まれざるを得ないからである。誤差の許容範囲は一概には決められないが、耐力的に問題ない範囲、たとえば5〜15度程度を含む。
以上で方向が設定されるので、図3(c)のように治具本体1を持ち上げ、ガイドパイプ1cを規準杭2に沿って移動するように引抜く。これで規準杭2が自立されたまま残るので、図3(d)のように、規準杭2を基準線として、アンカー3を埋設すればよい。
このアンカー3の埋設方法は限定がなく、規準杭2を抜いて、打ち込み孔に先端を先鋭にしたアンカーを打ち込んでもよいし、図3(d)のように、アンカー3を規準杭2と同軸状に配し、ハンマーで打ち込み、あるいは回転させて土中を削孔しながら埋め込んでもよい。
打ち込み、回転あるいはパイプアンカーと独立したビットを使用しこれに軸方向の打撃力と回転運動を与える掘削アッセンブリーを使用するなどして、アンカー埋設を専用機で機械的に行うときには、打ち込み用の架台であるフィードを基準線である前記規準杭2に沿わせて設置し、フィードを介して土中に埋設する。こうして基準線とおりにフィードが設置されると、アンカー3はおのずから360度直角状に設置することが可能となる。
図4はアンカー3の埋設状態を模式的に示しており、Lはアンカー長さを表し、第1の傾斜領域7Aは、正面から見てほぼ上下方向のみの成分で傾斜しているので、この領域でのアンカー3は軸線が法面傾斜角度に対して直角状に埋設されている。
第2の傾斜領域7Bは、道路に対して上下方向に傾斜する成分と左右方向に傾斜する成分が複合しており、左領域7B1においては、アンカー3は第1の傾斜領域7Aに近づくほど高い左右方向での傾斜角αに対して直角状でしかも上下方向での傾斜角に対しても直角をなすように埋設される。
ここでの上下方向の傾斜角は第1の領域7Aのそれに比べて小さいので、各アンカー3は同等の長さを有していても左領域7B1のアンカーは正面から見た等高線では見かけ上高位に挿設されている。なお、第2の傾斜領域7Bの右領域7B2は第3の傾斜領域に近づくほど高いため、図示しないが、ここでのアンカーは左領域7Bと対照的に埋設される。
埋め込まれたアンカー3には、図5(a)のように、地表から突出した頭部にワイヤロープRPAの端末に巻着した巻き付けグリップ5の輪部50が外嵌され、アンカーの軸線と直角に貫通するピン30により抜け止めされる。
また、別の個所のアンカー3には、図5(b)のように地表から突出した頭部にキャップ31が嵌合され、パイプを貫通するピン30により固定される。前記キャップ31にはグリップを固定するボルト32が植え立てられており、十字状のワイヤロープRPAとワイヤロープRPBの交差部を挟む上下で組をなす小判状の盤40,41からなる結合金具4の一端部が前記ボルト32に通されてナットで緊締されることによりアンカーと一体化される。結合金具4の他端部はボルトナット33で緊締される。
図6は本発明によるアンカー設置角度設定用アジャスターの第2実施例を示している。
この実施例は、アンカー設置対象の法面部位が主として岩盤(岩部)である場合に好適なもので、規準杭2は先端にらせん状のドリルビッド2bを有している。このドリルビッド2bは超硬合金などで構成され、規準杭本体に溶接などで一体化されるか、交換可能に連結される。
治具本体1は第1実施例と同様な構成であるが、ガイドパイプ1cは内側に前記規準杭2の回転を円滑にするために潤滑面10を有している。潤滑面10は、摩擦を現ずるグリースなどの液状部材でもよいし、ベアリングなどの固体部材であってもよい。
他の構成は第1実施例と同様であるから、説明は省略する。
この第2実施例においては、図7(a)のように治具本体1のガイドパイプ1cに規準杭2を貫挿させる。このときに、ドリルビッド2bの外径がガイドパイプ1cの内径よりも大きい場合には、規準杭2の後端部をガイドパイプ1cの下端から挿入すればよい。
次いで、図7(b)のように三角配置の脚体1a、1a、1aを対象法面部位に設置させれば、ガイドパイプ1cは前記のように地表に対して自動的に直角方向を指向することから、ガイドパイプ1cから突出しているドリルビッド2bはアンカー設置対象法面に360度の方位において直角状出しがなされたことになる。
そこで、規準杭2の後端側に回転駆動手段6を連結し、押圧しながら回転させる。これにより、ドリルビッド2bが地盤を穿孔しつつ推進されるので、図7(c)のように所要長さ推進された状態で自立させる。これにより、アンカー設置対象法面に360度の方位において直角状の設定がなされたことになる。
あとは第1実施例と同じように治具本体1を持ち上げ、ガイドパイプ1cを規準杭2に沿って移動するように引抜く。これで図7(d)のように規準杭2が自立されたまま残るので、規準杭2を基準線として、アンカー3を埋設すればよい。
アンカー設置場所が岩盤である場合には、規準杭2を逆回転して引抜き、規準杭2による穿孔を基準線として削岩機により穿孔し、そのボアホールにカプセル状のセメント系定着材を挿入し、アンカーを挿入して定着させればよい。あるいは、ボアホールにアンカーを挿入してからモルタルや樹脂などの定着材を注入して定着させればよい。
ボアホールは軸線が設置法面部位の360度の方位において直角状をなしているので、アンカーはこの角度で設置され、したがって、きわめて強力で安定したアンカーが得られる。
図8は本発明によるアンカー設置角度設定用アジャスターを適用して得られた落石防止施設の一例を示しており、道路RDから上方に存する法面は全体に浮石が点在し、立木が点在している。この例では法面7は白抜きの矢印で示す方向から見て道路に対してほぼ上下方向のみの成分で傾斜する第1の傾斜領域7Aと、第1傾斜領域7Aに隣接し、道路に対して上下方向に傾斜する成分と左右方向に傾斜する成分が複合した第2の傾斜領域7Bと、該第2の傾斜領域7Bに隣接し、ほぼ上下方向のみの成分で傾斜する第3の傾斜領域7Cを有している。
前記第2の傾斜領域7Bは、沢のごとき地形を指し、左右方向での傾斜は幅方向の途中で方向が切り替わり、第1の傾斜領域7Aに近づくほど高い左領域7B1と、第3の傾斜領域に近づくほど高い右領域7B2とを有している。なお、左領域7B1と右領域7B2は傾斜角度が同じであるとは限られない。
Nは本発明を利用して設置したロープネット型落石防止装置であり、前記のように浮石や立木の点在している法面7の全体または所要範囲にわたり敷設されており、主縦ワイヤロープRPAと主横ワイヤロープRPBをたとえば2m角の網目状となるように交差させ、かつ可能な限り立木を避けて引き回され、浮石の上を通るように地形に沿って張設してなる。
各主縦ワイヤロープRPAの上下方向端末と各主横ワイヤロープRPBの左右方向端末はそれぞれアンカー3、3にて地盤に固定され、かつ、主縦ワイヤロープRPAと主横ワイヤロープRPBの交差部は十字グリップなどの結合金具4を介してアンカー3、3に固定されている。
前記アンカー3のうち360度の方位で略同等な耐力が要求される領域にあるもの(全部であることもあり、一部であることもある)が、道路RDの横断面に対して直角状(地軸に対して鉛直)ではなく、前記第1の傾斜領域7Aと第3の傾斜領域7Cはもとより第2の傾斜領域7Bにおいても、アンカー設置対象斜面に対して、360度の方位において直角状に埋設されている。
網目状のロープRPA,RPBはどのような傾斜においても常に法面傾斜角度に対して直角状に埋設されているため、どのアンカーも周囲の土圧が十分にかつ均一にかかることになり、全方向で同耐力が得られる。
したがって第1の傾斜領域も第2の傾斜領域も同等な安定した支持力が得られ、浮石が動いて多方向の荷重が作用してもしっかりと受け止めることができる。
すなわち、ロープの交差部は結合金具4で締結してあるので、一箇所で一つの石の落石初動が始まったとき、石の上下、左右のアンカーに引張り力が加わる。これらの個々のアンカーに加わる力は地形や落石発生の状況で異なり、かつ、落石は複数箇所で同時に発生する事が多く、アンカー3に加わる力はロープによる力の持たれ合いで複雑になるが、アンカー3は傾斜面に略直角に打ち込まれているので上下左右均等の耐力が維持され、確実に落石を防止することができる。
沢部は上下方向と左右方向に傾斜成分が複合しているため、従来では、左右方向での傾斜角αに対して直角状をなすようにアンカーを埋め込んでいなかった。このため、土圧がアンカー全周で均等にならず、第1の傾斜領域7Aと第2の傾斜領域7Bではアンカー耐力が相違することになり、十分な落石防止効果をあげられなかった。この理由から落石の危険が十分にある沢部に対して落石防止装置Nを設置しても十分な効果を期待しがたかったが、本発明によれば、沢領域以外のアンカーと略同等の耐力のアンカーを沢領域に設置でき、ロープによる網目ネットで落石の荷重がかかったときにも安定して支えることができる。
前記したアンカーの埋設に当たっては、傾斜面の落石防止装置Nを敷設する場所に横方向幅と縦方向幅からなる施工範囲を決め、その範囲にある小さな浮石の除去、ブッシュなどの下刈り等を行い、次いで、繊維ロープ、平うち組紐、プラスチックテープなどの条体を前記施工範囲を囲むように矩形状に張り、上下の横条体と左右の縦条体にはそれぞれたとえば、横(左右)方向に2m間隔、縦(上下)方向に2m問隔でマーキングを施しておく。これらのマーキング位置が主縦ワイヤロープと主横ワイヤロープの端末固定アンカー位置となる。
次いで、上部の横条体のマーキング位置から位置決め用の縦糸を地表に沿うように垂らし、下部の横条体のマーキング位置に止める。それと共に、左(または右)の縦条体マーキング位置から横糸を地表に沿うように延在させ、右(または左)の縦条体マーキング位置に止める。これにより、縦糸と横糸Pはたとえば、横(左右)方向に2m間隔、縦(上下)方向に2m問隔で格子状に張られるので、それら縦糸と横糸の交点apでアンカーの設置場所が決定される。
このように決まったアンカー位置apごとにアンカー打ち込み方向(打ち込み角度)を決めるが、このときに本発明のアジャスターを使用するのであり、多数の箇所においても、きわめて簡単、迅速に360度の方位において直角状にアンカー埋設方向を設定することができ、治具本体1と規準杭2は繰り返し使用できるので経済的である。
図9〜図12は本発明を適用して法面に非自立型構造物をロープで吊持するアンカーを設置した例を示しており、アンカー3が設置対象法面部位に対し360度の方位において直角状に埋設されている。
法面における雪崩防止や落石防止のために法面の上方にアンカーを設置し、これからロープで棚状あるいは三角錐状などの形態をなした非自立型構造物を吊持する吊柵工法やシステムが知られているが、従来では、アンカーは地軸(下方の道路横断面)に対して鉛直に設置するのが一般的であった。
しかし、かかるアンカーは周囲の土圧で吊力を得るので、地軸に対して鉛直の埋設は前部(谷側)の土質や土量に大きく影響を受け、対象法面が沢のような切込み斜面がある場合に谷側の土砂量は沢傾斜に対応して減ることになるので、アンカー周辺の土圧が一様でなくなる。しかも、落石や雪崩は柵の中心に応力を加えるとは限らず中心から外れた部分に荷重が集中することがあるが、その場合アンカーにかかる引張り力が斜めになる。その結果、設置したパイプが倒れ、吊持が喪失して柵が落下する危険があった。
本発明のアジャスターを使用すれば、前記のようにアンカーを設置対象法面部位に対して360度の方位で直角状に埋設できるので、アンカーに対する土圧は均等になり、全方向で同耐力が得られる。このため、現場での施工時に非自立型構造物の配置自由度が増し、アンカーにどのような方向から引っ張り荷重が作用しても、安定した固定力を発揮することができる。
7は道路RDから上方に存する法面であり、この例では法面7は白抜きの矢印で示す方向から見て道路に対してほぼ上下方向のみの成分で傾斜する第1の傾斜領域7Aと、第1傾斜領域7Aに隣接し、道路に対して上下方向に傾斜する成分と左右方向に傾斜する成分が複合した第2の傾斜領域7Bと、該第2の傾斜領域7Bに隣接し、ほぼ上下方向のみの成分で傾斜する第3の傾斜領域7Cを有している。
前記第2の傾斜領域7Bは、端的には沢のごとき地形を指し、左右方向での傾斜は幅方向の途中で方向が切り替わり、第1の傾斜領域7Aに近づくほど高い左領域7B1と、第3の傾斜領域に近づくほど高い右領域7B2とを有している。
3は鋼管などのパイプを加工して構成されたアンカーであり、前記第1の傾斜領域から第3の傾斜領域に左右方向で所要の間隔をおいて設置されている。アンカー3は、上下方向では少なくとも1個所づつ、通常は上下方向で重なる位置とならぬよういわゆる千鳥状に複数箇所設置される。
前記各アンカーには、地表から突出した頭部にワイヤロープRPが連結され、そのワイヤロープRPは下方(谷側)に延在し、下部に非自立型構造物Sが連結吊持される。非自立型構造物Sは限定はないが、この例では梁部体に桟部体を横架して剛結した柵体である。
本発明においては、前記各アンカー3は、道路1の横断面に対して直角(地軸に対して鉛直)ではなく、前記第1の傾斜領域7Aと第3の傾斜領域7Cはもとより第2の傾斜領域7Bにおいても、アンカー設置対象斜面部位の360度の方位において直角状に埋設されている。
図11は2本の道路RDA,RDBが交差し、第1の道路RDAに面する第1の法面7Aは切土成形法面であり、該法面7Aは矢印方向の方向から見て道路に対してほぼ上下方向のみの成分で傾斜している領域である。第2の法面7Cは道路RDBに面するフリーフレームなどの自然法面であり、前記第1の法面RDAとすりつけの尾根70によってつながっている。
かかる地形において、本発明のアジャスターを使用して角度の検出と設定を行うことにより、尾根70に近い第1の法面7Aに対し直角状をなすようにアンカー3,3を埋設し、それらアンカーから尾根70と交差するように第2の法面7CにロープRP,RPを延在させ、それらロープに非自立型構造物Sを吊持することを容易に行える。
図12は他の例を示しており、(a)では非自立型構造物(この例では三角錘状の雪崩防止柵)Sから左右のアンカー3,3にV状にロープRP,RPを導いて吊持させており、(b)ではアンカー3から逆V状にロープRPを導いて非自立型構造物Sに連結している。
なお前記適用例はあくまでも数例であり、本発明はこの例に限定されるものではなく、ポケットを形成するように張った落石防護ネットのロープや,覆式落石防護ネットのロープを法面上方のアンカーで吊持する場合、法面に沿って敷設した浮石押えロープを法面上方のアンカーで吊持する場合などにも適用できる。
本発明にかかるアンカー設置角度設定用アジャスターの第1実施例を示す部分切欠側面図である。 第1実施例の平面図である。 (a)〜(d)は、第1実施例によるアンカー設置角度設定作業を段階的に示す側面図である。 本発明を適用して設置したアンカーの埋設方向を模式的に示す正面図である。 (a)は主ロープの端末と端末固定アンカーの取り合いを示す側面図(b)は、主ロープの交差部の結合関係とアンカーの取り合いを示す側面図である。 本発明の第2実施例を示す部分切欠である。 (a)〜(d)は第2実施例によるアンカー設置角度検出・設定作業を段階的に示す側面図である。 (a)は本発明を適用してアンカーを設置したロープネット型落石防止施設の例を示す斜視図、(b)はその部分的拡大図である。 本発明を適用してアンカーを設置した吊式落石防止施設の斜視図である。施工範囲を囲むように矩形状に条体を張った段階の斜視図である。 図9の模式的正面図である。 本発明を適用して得た法面吊構造物用アンカーの他の適用例を示す平面図である。 (a)は本本発明を適用して得た法面吊構造物の他の例を示す正面図、(b)は他の例を示す正面図である。
符号の説明
1 治具本体
1a 脚体
1c ガイドパイプ
2 規準杭
2b らせんビッド
3 アンカー

Claims (3)

  1. アンカー設置予定部位の地表面に対して直角方向を検出・設定する手段であって、棒状の規準杭と、下端が対象法面に接地する折畳み自在な三本の脚体とこれの天部中心から鉛直状に延在し前記規準杭を貫通させるガイドパイプとを備えた治具本体とからなることを特徴とするアンカー設置角度設定用アジャスター。
  2. 棒状の規準杭が先端を先鋭に加工した棒鋼である請求項1に記載のアンカー設置角度設定用アジャスター。
  3. 棒状の規準杭が先端に螺旋状のドリルビットを有する棒鋼であり、治具本体のガイドパイプは内部に潤滑面を有している請求項1に記載のアンカー設置角度設定用アジャスター。
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