JP2008120931A - 微多孔ポリプロピレンフィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともβ晶核剤(A)を含む2種類以上の異なる種類の結晶核剤を含有せしめた微多孔ポリプロピレンフィルムとする。
【選択図】図2
Description
R2−NHCO−R1−CONH−R3
[ここで、式中のR1は、炭素数1〜24の飽和もしくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和もしくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基または炭素数6〜28の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R2、R3は同一または異なる炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基またはこれらの誘導体である。]、
R5−CONH−R4−NHCO−R6
[ここで、式中のR4は、炭素数1〜24の飽和もしくは不飽和の脂肪族ジアミン残基、炭素数4〜28の飽和もしくは不飽和の脂環族ジアミン残基または炭素数6〜12の複素環式ジアミン残基または炭素数6〜28の芳香族ジアミン残基を表し、R5、R6は同一または異なる炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基またはこれらの誘導体である。]、
ガーレ透気度が10〜1,000秒/100mlであることを特徴とする。
1. 1,2−ヒドロキシステアリン酸カリウム、安息香酸マグネシウム、コハク酸マグネシウム、フタル酸マグネシウムなどに代表されるカルボン酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩;
2. N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミドなどに代表されるアミド系化合物;
3. ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムなどに代表される芳香族スルホン酸化合物;
4. 二または三塩基カルボン酸のジもしくはトリエステル類;
5. テトラオキサスピロ化合物類;
6. イミドカルボン酸誘導体;
7. フタロシアニンブルーなどに代表されるフタロシアニン系顔料;
8. キナクリドン、キナクリドンキノンなどに代表されるキナクリドン系顔料;
9. 有機二塩基酸である成分Aと周期律表第IIA族金属の酸化物、水酸化物または塩である成分Bとからなる二成分系化合物
10.ナノスケールのサイズを有する酸化鉄
などの各種化合物のうちの1種類が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これら分類1〜10のβ晶核剤は、本発明においてそれぞれ異なる種類のβ晶核剤としてみなすことができる。一方、同じ分類に属するβ晶核剤で化学式が異なるものは、異なる種類のβ晶核剤とはみなさない。例えば、下記に示したアミド系化合物の場合、本発明においては分類2に属し、分類1、3〜10のβ晶核剤とは異なる種類のβ晶核剤であるが、下記に示した化合物R2−NHCO−R1−CONH−R3と化合物R5−CONH−R4−NHCO−R6は、同種のβ晶核剤である。
[ここで、式中のR1は、炭素数1〜24の飽和もしくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和もしくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基または炭素数6〜28の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R2、R3は同一または異なる炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基またはこれらの誘導体である。]
R5−CONH−R4−NHCO−R6
[ここで、式中のR4は、炭素数1〜24の飽和もしくは不飽和の脂肪族ジアミン残基、炭素数4〜28の飽和もしくは不飽和の脂環族ジアミン残基または炭素数6〜12の複素環式ジアミン残基または炭素数6〜28の芳香族ジアミン残基を表し、R5、R6は同一または異なる炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基またはこれらの誘導体である。]
かかる特に好ましいβ晶核剤(A)もしくはβ晶核剤(A)添加(含有)ポリプロピレンの具体例としては、新日本理化(株)社製β晶核剤“エヌジェスター”(タイプ名:NU−100など)などが挙げられる。
β晶分率が上記範囲未満であると、得られる微多孔フィルムの空孔率が低くなったり、透過性に劣る場合がある。β晶分率は、より好ましくは40%以上、さらに好ましく50%以上、最も好ましくは60%以上である。
・ ソルビトール系化合物;
・ 有機リン酸エステル金属塩系化合物;
・ 有機カルボン酸金属塩系化合物;
・ ロジン系化合物
など各種化合物が挙げられるが、特に限定されない。これらのなかでも、上記β晶核剤(A)との併用下で透過性改良効果が高いことから、ソルビトール系化合物、ロジン系化合物が特に好ましい。かかる特に好ましいソルビトール系α晶核剤の具体例としては、三井化学(株)製ソルビトール系核剤(タイプ名:NC−4、NC−6など)などが挙げられる。また、かかる特に好ましいロジン系α晶核剤の具体例としては、荒川化学(株)製“パインクリスタル”(タイプ名:KM−1300、KM−1500、KM−1600など)などが挙げられる。これらのα晶核剤で上記した特に好ましい効果が得られるのは、ポリプロピレンに添加し、溶融押出する際に、当該α晶核剤が溶解・微分散することにより、上記β晶核剤(A)により形成されるβ晶のラメラ構造が、効率的に乱されるためと推定される。
(1)比重、空孔率
フィルムの比重は、ミラージュ貿易(株)製高精度電子比重計(SD−120L)を用いて、30×40mmのサイズに切り出したサンプルについて、JIS K 7112(1999) A法(水中置換法)に準じて23℃、65%RHにて測定した。同じサンプルについて同様の測定を5回行い、得られた比重の平均値を当該サンプルの比重とした。
(2)β晶分率
Seiko Instruments製熱分析装置RDC220型を用いて、JIS K 7122(1987)に準じて測定した。フィルムを重量4.5〜5.5mgとしてアルミニウムパンに封入して装填し、当該装置にセットし、窒素雰囲気下で10℃/分の速度で30℃から280℃まで昇温し(ファーストラン)、昇温完了後280℃で5分間待機させ、引き続き10℃/分の速度で30℃まで冷却し、冷却完了後30℃で5分間待機させ、次いで再度10℃/分の速度で280℃まで昇温する際に得られる熱量曲線(セカンドランの熱量曲線)において、140℃以上160℃未満に頂点が観測されるβ晶の融解に伴う1本以上の吸熱ピークから算出される融解熱量(ΔHβ)と160℃以上に頂点が観測されるβ晶以外のポリプロピレン由来の結晶の融解に伴う吸熱ピークから算出される融解熱量(ΔHα)から、下記式を用いて求めた。この際、ΔHβの融解ピークとΔHαの融解ピーク間に、微少な発熱もしくは吸熱ピークが観測される場合があるが、このピークは削除した。
同じサンプルについて同様の測定を5回行い、得られたβ晶分率の平均値を当該サンプルのβ晶分率とした(単位:%)。なお、各種キャスト条件により製造された未延伸シートについて測定を行う場合など、工程条件によるβ晶分率の違いを評価する場合は、ファーストランの熱量曲線を用いる以外は上記と同様の条件で測定を行えばよい。
・サンプル:フィルムの方向を揃え、熱プレス調製後のサンプル厚さが1mm程度になるよう重ね合わせる。このサンプルを0.5mm厚みの2枚のアルミ板で挟み、280℃で3分間熱プレスして融解・圧縮させ、ポリマー鎖をほぼ無配向化する。得られたシートを、アルミ板ごと取り出した直後に100℃の沸騰水中に5分間浸漬して結晶化させる。その後アルミ板ごと25℃の雰囲気下に放置し、当該温度まで冷却して得られるシートを切り出したサンプルを測定に供する。
・X線発生装置:理学電機(株)製 4036A2(管球型)
・X線源:CuKα線(Niフィルター使用)
・出力:40kV、20mA
・光学系:理学電機(株)製 ピンホール光学系(2mmφ)
・ゴニオメーター:理学電機(株)製
・スリット系:2mmφ(上記)−1°−1°
・検出器:シンチレーションカウンター
・計数記録装置:理学電気(株)製 RAD−C型
・測定方法:透過法
・2θ/θスキャン:ステップスキャン、2θ範囲10〜55°、0.05°ステップ、積算時間2秒
ここで、K値は、2θ=16°付近に観測され、β晶に起因する(300)面の回折ピーク強度(Hβ1とする)と2θ=14,17,19°付近にそれぞれ観測され、α晶に起因する(110)、(040)、(130)面の回折ピーク強度(それぞれHα1、Hα2、Hα3とする)とから、下記の数式により算出できる。K値はβ晶の比率を示す経験的な値であり、各回折ピーク強度の算出方法などK値の詳細については、ターナージョーンズ(A.Turner Jones)ら,“マクロモレキュラーレ ヒェミー”(Makromolekulare Chemie),75,134−158頁(1964)を参考にすればよい。
K = Hβ1/{Hβ1+(Hα1+Hα2+Hα3)}
なお、ポリプロピレンの結晶型(α晶、β晶)の構造、得られる広角X線回折プロファイルなどは、例えば、エドワード・P・ムーア・Jr.著、“ポリプロピレンハンドブック”、工業調査会(1998)、p.135−163;田所宏行著、“高分子の構造”、化学同人(1976)、p.393;ターナージョーンズ(A.Turner Jones)ら,“マクロモレキュラーレ ヒェミー”(Makromolekulare Chemie),75,134−158頁(1964)や、これらに挙げられた参考文献なども含めて多数の報告があり、それを参考にすればよい。
(3)ガーレ透気度
JIS P 8117(1998)に準拠して、23℃、65%RHにて測定した(単位:秒/100ml)。同じサンプルについて同様の測定を5回行い、得られたガーレ透気度の平均値を当該サンプルのガーレ透気度とした。この際、ガーレ透気度の平均値が1,000秒/100mlを超えるものについては実質的に透気性を有さないものとみなし、無限大(∞)秒/100mlとした。
(4)メルトインデックス(MI)
JIS K 7210(1999)に準じて条件M(230℃、2.16kgf(21.18N)で測定した(単位:g/10分)。同じサンプルについて同様の測定を5回行い、得られたMFRの平均値を当該サンプルのMIとした。
(5)アイソタクチックインデックス(II)
フィルムのポリプロピレンを60℃の温度のn−ヘプタンで2時間抽出し、ポリプロピレン中の不純物・添加物を除去する。その後130℃で2時間減圧乾燥する。これから重量W(mg)の試料を取り、ソックスレー抽出器に入れ沸騰n−ヘプタンで12時間抽出する。次に、この試料を取り出し、アセトンで十分洗浄した後、130℃で6時間減圧乾燥し、その後常温まで冷却し、重量W’(mg)を測定し、次式で求める。
II(%) = (W’/W)×100(%)
同じサンプルについて同様の測定を5回行い、得られたIIの平均値を当該サンプルのIIとする。
(6)β晶核剤(A)の分散状態の確認
加熱装置を備えた光学顕微鏡を用い、サンプル(チップ形状の原料はそのまま、フィルム・シート形状のものは10mm角に切り出して用いる)を松浪硝子(株)製カバーグラス(18×18mm、No.1)にのせて200℃で加熱し、溶融させる。溶融後、そのままもう一枚のカバーグラスを被せて圧縮し、厚さ0.03mmの溶融体とする。サンプルの任意の5カ所について倍率400倍で焦点深度を変えて厚み方向の全ての核剤の分散状態を観察し、観測された全ての核剤について長径と短径を測定し、その比(=長径/短径)の平均値を算出する。同じサンプルで同様の測定を5回行い、得られた長径と短径の比の平均値を当該サンプルの長径と短径の比とする。本発明では、該長径と短径の比が10以上のものを、核剤が針状に分散しているものと判断する。
(7)粒子の平均粒径
遠心沈降法(堀場製作所製 CAPA500を使用)を用いて測定した体積平均径を平均粒径(μm)とする。
(8)微多孔フィルムの断面構造の観察
凍結ミクロトーム法を用い、−100℃で微多孔フィルムの横方向−厚み方向断面を採取した。得られた微多孔フィルムの断面に、Ptをコートした後、下記条件にて走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて断面を観察し、断面像を採取した。また、得られた断面像から、各層の厚み(μm)を測定した。なお、サンプル調製および断面観察は、(株)東レリサーチセンターにて行った。また、観察倍率は、必要に応じて下記の範囲で設定を変更した。
・装置 :(株)日立製作所製 超高分解能電解放射型走査電子顕微鏡(UHR−FE−SEM)S−900H
・加速電圧:2kV
・観察倍率:2,000〜20,000倍
(9)濡れ張力
ホルムアミドとエチレングリコールモノエーテルとの混合液を用いて、JIS K 6768(1999)に準じて測定した(単位:mN/m)。
(10)25℃での長手方向のヤング率、長手方向の破断強度
JIS K 7127(1999、試験片タイプ2)に準じて、(株)オリエンテック社製フィルム強伸度測定装置(AMF/RTA−100)を用いて、25℃、65%RHにて測定した。サンプルを長手方向:15cm、幅方向:1cmのサイズに切り出し、原長50mm、引張り速度300mm/分で伸張して、ヤング率(単位:GPa)、破断強度(単位:MPa)を測定した。同じサンプルについて同様の測定を5回行い、得られたヤング率、破断強度の平均値を当該サンプルのヤング率、破断強度とした。
(11)105℃での長手方向の熱収縮率
サンプルを長手方向:260mm、幅方向:10mmにサンプリングし、原寸(L0)として200mmの位置にマークを入れる。このサンプルの下端に3gの荷重をかけ、105℃の熱風循環オーブン中で15分間熱処理した後室温中に取り出し、サンプルにマークした長さ(L1)を測定する。この際、熱収縮率は次式により求めた(単位:%)。
同じサンプルについて同様の測定を5回行い、得られた熱収縮率の平均値を当該サンプルの熱収縮率とした。
(12)二軸配向の判別
フィルムの配向状態を、フィルムに対して以下に示す3方向からX線を入射した際に得られるX線回折写真から判別した。
・Through入射:フィルムの縦方向(MD)・横方向(TD)で形成される面に垂直に入射
・End入射 :フィルムの横方向・厚み方向で形成される面に垂直に入射
・Edge入射 :フィルムの縦方向・厚み方向で形成される面に垂直に入射。
・X線発生装置 :理学電気(株)製 4036A2型
・X線源 :CuKα線(Niフィルター使用)
・出力 :40Kv、20mA
・スリット系 :1mmφピンホールコリメータ
・イメージングプレート:FUJIFILM BAS−SR
・撮影条件 :カメラ半径(サンプルとイメージングプレートとの間の距離)40mm、露出時間5分。
・無配向 :いずれの方向のX線回折写真においても実質的にほぼ均等強度を有するデバイ・シェラー環が得られる
・縦一軸配向:End入射のX線回折写真においてほぼ均等強度を有するデバイ・シェラー環が得られる
・二軸配向 :いずれの方向のX線回折写真においてもその配向を反映した、回折強度が均等ではない回折像が得られる。
(13)フィルムの厚み
ダイヤルゲージ式厚み計(JIS B 7503(1997)、PEACOCK製UPRIGHT DIAL GAUGE(0.001×2mm)、No.25、測定子5mmφ平型、125gf(1.23N)荷重)を用いて、フィルムの長手方向および幅方向に10cm間隔で10点測定し、それらの平均値を当該サンプルのフィルム厚みとした(単位:μm)。
(14)実効延伸倍率
スリット状口金から押し出し、金属ドラムにキャストしてシート上に冷却固化せしめた未延伸フィルムに、長さ1cm四方の升目をそれぞれの辺がフィルムの長手方向、幅方向に平行になるように刻印した後、延伸・巻き取りを行い、得られたフィルムの升目の長さ(cm)を長手方向に10升目分、幅方向に10升目分測定し、これらの平均値をそれぞれ長手方向・横方向の実効延伸倍率とした。
(15)製膜性
フィルムをキャスト速度2m/分で5時間製膜した際に、下記の基準で判定した。
・A :破れが発生しない。
・B :破れが1回発生。
・C :破れが2回発生。
・D :破れが3回以上発生。
下記の組成を有するポリプロピレン樹脂を準備した。
<ポリプロピレン樹脂A>
ポリプロピレン:住友化学(株)製ポリプロピレンWF836DG3(メルトフローレイト(MFR):7g/10分)・・99.95重量%
β晶核剤(A):N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレン ジカルボキサミド(新日本理化(株)製NU−100)・・0.05重量%
この樹脂組成100重量部に、酸化防止剤として、チバガイギー(株)製IRGANOX1010を0.15重量部、熱安定剤として、チバガイギー(株)製IRGAFOS168を0.1重量部添加した。これを二軸押出機に供給して300℃で溶融・混練した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。
<ポリプロピレン樹脂B>
ポリプロピレン:住友化学(株)製ポリプロピレンWF836DG3(メルトインデックス(MI):7g/10分)・・99.6重量%
α晶核剤(B):荒川化学(株)製ロジン系α晶核剤“パインクリスタル”KM−1600・・0.4重量%
この樹脂組成を二軸押出機に供給して250℃で溶融・混練した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。
実施例1において、ポリプロピレン樹脂Aを99重量%、ポリプロピレン樹脂Bを1重量%の比率で添加混合した樹脂組成を一軸押出機に供給したこと以外は同様の条件で作製した厚さ25μmの微多孔ポリプロピレンフィルムを実施例2とした。
実施例2において、長手方向の延伸倍率を5倍に上げた以外は同様の条件で作製した厚さ25μmの微多孔ポリプロピレンフィルムを実施例3とした。
実施例1において、ポリプロピレン樹脂Aを90重量%、下記の組成で準備したポリプロピレン樹脂Cを10重量%の比率で添加混合した樹脂組成を一軸押出機に供給したこと以外は同様の条件で作製した厚さ25μmの微多孔ポリプロピレンフィルムを実施例4とした。
<ポリプロピレン樹脂C>
ポリプロピレン:住友化学(株)製ポリプロピレンWF836DG3(メルトインデックス(MI):7g/10分)・・99.8重量%
α晶核剤(B):三井化学(株)製ソルビトール系α晶核剤NC−4・・0.2重量%
この樹脂組成を二軸押出機に供給して250℃で溶融・混練した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。
実施例4において、ポリプロピレン樹脂Aを99重量%、ポリプロピレン樹脂Cを1重量%の比率で添加混合した樹脂組成を一軸押出機に供給したこと以外は同様の条件で作製した厚さ25μmの微多孔ポリプロピレンフィルムを実施例5とした。
実施例1において、ポリプロピレン樹脂Aを99重量%、下記の組成で準備したポリプロピレン樹脂Dを1重量%の比率で添加混合した樹脂組成を一軸押出機に供給したこと以外は同様の条件で作製した厚さ25μmの微多孔ポリプロピレンフィルムを実施例6とした。
<ポリプロピレン樹脂D>
ポリプロピレン:住友化学(株)製ポリプロピレンWF836DG3(メルトインデックス(MI):7g/10分)・・99.8重量%
α晶核剤(B):旭電化工業(株)製有機リン酸金属エステル金属塩系α晶核剤NA−11・・0.2重量%
この樹脂組成を二軸押出機に供給して250℃で溶融・混練した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。
実施例1において、ポリプロピレン樹脂Aを95重量%、下記の組成で準備したポリプロピレン樹脂Dを5重量%の比率で添加混合した樹脂組成を一軸押出機に供給したこと以外は同様の条件で作製した厚さ25μmの微多孔ポリプロピレンフィルムを実施例7とした。
<ポリプロピレン樹脂D>
ポリプロピレン:住友化学(株)製ポリプロピレンWF836DG3(メルトインデックス(MI):7g/10分)・・90重量%
β晶核剤(A)とは異なる種類のβ晶核剤添加PP:MAYZO社製β晶核剤添加PPマスターバッチ“BNX”BETA−PPLN・・10重量%
この樹脂組成を二軸押出機に供給して250℃で溶融・混練した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。
実施例6において、ポリプロピレン樹脂Aを98重量%、ポリプロピレン樹脂Cを2重量%の比率で添加混合した樹脂組成を一軸押出機に供給したこと以外は同様の条件で作製した厚さ25μmの微多孔ポリプロピレンフィルムを実施例8とした。
実施例1において、ポリプロピレン樹脂Aを96重量%、下記の組成で準備したポリプロピレン樹脂Eを4重量%の比率で添加混合した樹脂組成を一軸押出機に供給したこと以外は同様の条件で作製した厚さ25μmの微多孔ポリプロピレンフィルムを実施例9とした。
<ポリプロピレン樹脂E>
ポリプロピレン:住友化学(株)製ポリプロピレンWF836DG3(メルトインデックス(MI):7g/10分)・・90重量%
β晶核剤(A)とは異なる種類のβ晶核剤添加PP:SUNOCO社製β晶核剤添加PP“BEPOL”B022−SP・・25重量%
この樹脂組成を二軸押出機に供給して250℃で溶融・混練した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。
実施例7において、ポリプロピレン樹脂Aの代わりに、下記の組成で準備したポリプロピレン樹脂Fを用いたこと以外は同様の条件で作製した厚さ25μmの微多孔ポリプロピレンフィルムを実施例10とした。
<ポリプロピレン樹脂F>
ポリプロピレン:住友化学(株)製ポリプロピレンWF836DG3(メルトインデックス(MI):7g/10分)・・99.8重量%
β晶核剤(A):N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレン ジカルボキサミド(新日本理化(株)製NU−100)・・0.2重量%
この樹脂組成100重量部に、酸化防止剤として、チバガイギー(株)製IRGANOX1010を0.15重量部、熱安定剤として、チバガイギー(株)製IRGAFOS168を0.1重量部添加した。これを二軸押出機に供給して300℃で溶融・混練した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。
実施例1において、ポリプロピレン樹脂A 100重量を一軸押出機に供給したこと以外は同様の条件で作製した厚さ25μmの微多孔ポリプロピレンフィルムを比較例1とした。
比較例1において、長手方向の延伸倍率を5倍に上げた以外は同様の条件で製膜を試みた(比較例2)。
実施例10において、ポリプロピレン樹脂F 100重量を一軸押出機に供給したこと以外は同様の条件で作製した厚さ25μmの微多孔ポリプロピレンフィルムを比較例3とした。
実施例7において、ポリプロピレン樹脂Dを20重量%、住友化学(株)製ポリプロピレンWF836DG3(メルトインデックス(MI):7g/10分)を80重量%の比率で添加混合した樹脂組成を一軸押出機に供給したこと以外は同様の条件で作製した厚さ25μmの微多孔ポリプロピレンフィルムを比較例4とした。
実施例1において、SUNOCO社製β晶核剤添加PP“BEPOL”B022−SP 100重量%を一軸押出機に供給したこと以外は同様の条件で作製した厚さ25μmの微多孔ポリプロピレンフィルムを比較例5とした。
実施例2において、ポリプロピレン樹脂Aの代わりに住友化学(株)製ポリプロピレンWF836DG3(メルトインデックス(MI):7g/10分)を用いたこと以外は同様の条件で製膜を試みた(比較例6)。
比較例6において、ポリプロピレン樹脂B 100重量%をそのまま一軸押出機に供給し、一軸押出機、口金の温度を240℃とし、キャスト温度を25℃、長手方向の延伸倍率、予熱温度、延伸温度をそれぞれ5倍、132℃、137℃とし、幅方向の延伸倍率、予熱温度、延伸温度、熱固定温度をそれぞれ10倍、165℃、160℃、160℃としたこと以外は同様の条件で作製した厚さ25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを比較例7とした。
実施例4において、ポリプロピレン樹脂Aの代わりに住友化学(株)製ポリプロピレンWF836DG3(メルトインデックス(MI):7g/10分)を用いたこと以外は同様の条件で製膜を試みた(比較例8)。
比較例8において、ポリプロピレン樹脂C 100重量%をそのまま一軸押出機に供給し、一軸押出機、口金の温度を240℃とし、キャスト温度を25℃、長手方向の延伸倍率、予熱温度、延伸温度をそれぞれ5倍、132℃、137℃とし、幅方向の延伸倍率、予熱温度、延伸温度、熱固定温度をそれぞれ10倍、165℃、160℃、160℃としたこと以外は同様の条件で作製した厚さ25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを比較例9とした。
実施例6において、ポリプロピレン樹脂Aの代わりに住友化学(株)製ポリプロピレンWF836DG3(メルトインデックス(MI):7g/10分)を用いたこと以外は同様の条件で製膜を試みた(比較例10)。
比較例10において、ポリプロピレン樹脂D 100重量%をそのまま一軸押出機に供給し、一軸押出機、口金の温度を240℃とし、キャスト温度を25℃、長手方向の延伸倍率、予熱温度、延伸温度をそれぞれ5倍、132℃、137℃とし、幅方向の延伸倍率、予熱温度、延伸温度、熱固定温度をそれぞれ10倍、165℃、160℃、160℃としたこと以外は同様の条件で作製した厚さ25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを比較例11とした。
実施例1において、ポリプロピレン樹脂A、ポリプロピレン樹脂Bの代わりに住友化学(株)製ポリプロピレンWF836DG3(メルトインデックス(MI):7g/10分)100重量%を用いたこと以外は同様の条件で製膜を試みた(比較例12)。
比較例12において、一軸押出機、口金の温度を240℃とし、キャスト温度を25℃、長手方向の延伸倍率、予熱温度、延伸温度をそれぞれ5倍、132℃、137℃とし、幅方向の延伸倍率、予熱温度、延伸温度、熱固定温度をそれぞれ10倍、165℃、160℃、160℃としたこと以外は同様の条件で作製した厚さ25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを比較例13とした。
1 β晶活性を有するポリプロピレンフィルムの熱量曲線
2 β晶の融解熱量(ΔHβ)
3 β晶以外のポリプロピレン由来の結晶の融解熱量(ΔHα)
T 温度
Endo. 吸熱方向
Claims (9)
- 少なくともβ晶核剤(A)を含む2種類以上の異なる種類の結晶核剤を含有する微多孔ポリプロピレンフィルム。
- 比重が0.1〜0.6である、請求項1記載の微多孔ポリプロピレンフィルム。
- β晶核剤(A)の濃度が、含有されるフィルム層のポリプロピレン全量に対して0.001〜1重量%である、請求項1または2に記載の微多孔ポリプロピレンフィルム。
- β晶核剤(A)以外の異種結晶核剤の濃度の和が、β晶核剤(A)の濃度の1/5以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の微多孔ポリプロピレンフィルム。
- β晶核剤(A)以外の異種結晶核剤がα晶核剤(B)である、請求項1〜4のいずれかに記載の微多孔ポリプロピレンフィルム。
- 2種類以上の異なるβ晶核剤を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の微多孔ポリプロピレンフィルム。
- β晶分率が40%以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の微多孔ポリプロピレンフィルム。
- β晶核剤(A)が下記化学式の少なくとも一方で表されるアミド系化合物である、請求項1〜7のいずれかに記載の微多孔ポリプロピレンフィルム。
R2−NHCO−R1−CONH−R3
[ここで、式中のR1は、炭素数1〜24の飽和もしくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和もしくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基または炭素数6〜28の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R2、R3は同一または異なる炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基またはこれらの誘導体である。]
R5−CONH−R4−NHCO−R6
[ここで、式中のR4は、炭素数1〜24の飽和もしくは不飽和の脂肪族ジアミン残基、炭素数4〜28の飽和もしくは不飽和の脂環族ジアミン残基または炭素数6〜12の複素環式ジアミン残基または炭素数6〜28の芳香族ジアミン残基を表し、R5、R6は同一または異なる炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基またはこれらの誘導体である。] - ガーレ透気度が10〜1,000秒/100mlである、請求項1〜8のいずれかに記載の微多孔ポリプロピレンフィルム。
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