JP2008120579A - シート材搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ループを形成しつつシート材の斜行を補正するシート材搬送装置において、正確な斜行補正を行うことのできる技術を提供する。
【解決手段】一対の斜行補正ローラ203とこれより上流側にあるループ形成用の搬送ローラ206とによって、シート材にループを形成しつつシート材の斜行を補正するシート材搬送装置であって、斜行補正ローラの上流側と下流側にそれぞれ設けられた上流斜行検知センサ204および下流斜行検知センサ205を有し、上流斜行検知センサ204によって検知されたシート材の斜行量に基づいて補正量を決定するとともに、下流斜行検知センサによってあらかじめ求められた補正前後の斜行量の関係に基づいて前記補正量を調整する。
【選択図】図2

Description

本発明は、シート材を搬送するシート材搬送装置及び画像形成装置に関する。
従来の画像形成装置に設けられているシート材搬送装置の一例について、図を用いて説明する。図11は、従来の画像形成装置における印字位置調整機構を示す側面図である。図12は、図11の印字位置調整機構の一部を示す平面図である。
図11において、1301は感光ドラムである。1302は感光ドラム1301に潜像を形成するレーザである。1303はシート材の送りタイミングを決めるレジストクラッチ(レジストローラ)である。1304は搬送されるシート材を検知する紙センサである。
図12において、1305はシート材の搬送方向に対して直交方向(幅方向)の紙位置が標準位置からどれだけずれているかを表すズレ量を検知するズレ量検知センサである。また、1401は出力されたシート材である。1403はシート材の搬送方向を示す。
上記構成を有する従来の印字位置調整機構では、CPU(図示せず)は、ズレ量検知センサ1305によって検知されるシート材の横端のズレ量を取得するとともに、紙センサ1304によって検知されるシート材搬送方向のシート材位置を取得する。CPUはこれらの取得した情報を画像制御回路(図示せず)に伝達する。そして、画像制御回路は、これらの取得した情報を基に、レーザ1302を駆動するレーザ制御回路(図示せず)に転送される画像データの転送タイミングを調整していた。
さらに、レーザ1302による画像書き出し位置を設定した後、ズレ量検知センサ1305によって検知される少なくとも2箇所のシート材の横端位置を基に、シート材の斜行を判断していた。そして所定の量以上の斜行が検知された場合には、エラー表示等を行っていた(参考文献1)。
一方、従来から、シート材の斜行量を検知し、2個の搬送ローラの回転比を変える事により、斜行を修正する技術が提案されている。例えば、特許文献2では、シート材の斜行を2つのセンサで検知し、2つのローラの速度を変える事により斜行を補正している。
また、特許文献2のような制御を行うためには、2個の搬送ローラの回転比を変える前に、2個の搬送ローラの上流側にあってシート材を挟持しているローラを、シート材から離さなければいけない(脱させなければいけない)。特許文献3では、ローラを脱させる必要をなくすために、2個の搬送ローラと、2個の搬送ローラの上流側にあるローラとの間でシート材をループさせてから、2個の搬送ローラの回転比を変えることで斜行補正を行っている。
特開平9−219776号公報 特開平10−212055号公報 特開2000−118800号公報
しかしながら、上記従来の技術では、以下に掲げる問題があり、その改善が要望されていた。
特許文献1に記載の技術に関しては、印字速度を向上させるためにシート材の搬送を高速にした場合は、特に紙送り方向の紙センサの読み取り性能が問題となる。紙センサに安価な機械的センサを用いた場合、読み取り誤差が大きく、読み取り誤差がそのまま画像位置のズレとなって現れてしまっていた。
また、シート材の斜行検知では、紙搬送中、ズレ量検知センサによって検知されるシート材の横端位置を基に判断する。したがって、検知時点で既に画像形成が行われており、エラーとしてオペレータに通知するしかなく、斜行補正を行えなかった。
また、特許文献2に記載の技術に関しては、この斜行補正制御を屈曲した搬送路(屈曲パス)上で行うと、シート材と屈曲パスとの摩擦が大きくなってしまって、2個の搬送ローラによる斜行補正を妨げてしまうという問題がある。
また、特許文献3に記載の技術では、屈曲パス上でループを作ることで、シート材と屈曲パスとの摩擦を軽減することができる。しかし、ループを作ることにより、シート材のコシによりシート材が押されてしまい、斜行補正動作を妨げるという問題がある。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ループを形成しつつシート材の斜行を補正するシート材搬送装置において、正確な斜行補正を行うことができる技術を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、シート材搬送路においてシート材の斜行を補正するシート材搬送装置であって、シート材搬送路を搬送されるシート材の搬送方向と直交する幅方向に沿って配置された一対の斜行補正用搬送ローラと、該一対の斜行補正用搬送ローラより上流側に設けられたループ形成用搬送ローラを有し、該ループ形成用搬送ローラのシート材搬送速度を前記一対の斜行補正用搬送ローラのシート材搬送速度より速くすることでシート材にループを形成するとともに、前記一対の斜行補正用搬送ローラのシート材搬送速度差によってシート材の斜行を補正する斜行補正手段と、前記一対の斜行補正用搬送ローラより上流側に設けられ、斜行補正前のシート材の斜行量を検知する上流斜行量検知手段と、前記一対の斜行補正用搬送ローラより下流側に設けられ、斜行補正後のシート材の斜行量を検知する下流斜行量検知手段と、前記上流斜行量検知手段によって検知されたシート材の斜行量に応じて、前記斜行補正手段によって補正する補正量を算出する補正量算出手段と、前記補正量算出手段によって算出された補正量を用いて補正した場合の斜行補正前の斜行量と斜行補正後の斜行量との関係を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された斜行補正前の斜行量と斜行補正後の斜行量との関係に基づいて、前記補正量算出手段によって算出された補正量を調整する補正量調整手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ループを形成しつつシート材の斜行を補正するシート材搬送装置において、正確な斜行補正を行うことが可能となる。
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
[全体構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るシート搬送装置が適用される画像形成装置の構成を示す図である。
本画像形成装置は、ディジタル複写機として構成されており、本体画像形成部10、本体画像入力部11、自動原稿送り装置12、ソータ13から大略構成されている。本体画像形成部10は、被搬送物である記録紙(シート材)に原稿画像を形成し出力する装置である。本体画像入力部11は、原稿から画像データを読み取る装置である。自動原稿送り装置12は、本体画像入力部11の上部に装着されており、コピー対象の原稿を自動的に本体画像入力部11に給送する装置である。ソータ13は、本体画像形成部10の側部に装着されており、本体画像形成部10から排出されるコピー済みのシート材を複数の排紙トレイ33に仕分けして排出する装置である。
原稿から画像データを読み取る装置である本体画像入力部11は、具体的には、CCD26により原稿上の画像が画素化し、画像データとして装置に読み込み、必要な画像処理が行った後、画像メモリに蓄える。その画像データは、本体画像入力部11から本体画像形成部10に転送され、本体画像形成部10で画像再生されて記録紙にコピーされる。
上記構成を動作と共に詳述すると、本体画像入力部11は、該本体画像入力部11上面の原稿台に載置された原稿を照射しながら走査する光源21を備える。光源21は、光学系モータ(図示略)から駆動力を得て、図1の左右方向に往復駆動される。光源21から発生した光は、原稿台に載置された原稿で反射し、光学像が得られる。その光学像は、ミラー22、23、24及びレンズ25を介してCCD26に伝送される。ここで、ミラー22、23、24は光源21と一体的に駆動される。CCD26は、光を電気信号に変換する素子により構成されており、この素子の働きにより、伝送されてきた光学像が電気信号に変換され、更にディジタル信号(画像データ)に変換される。読み込まれた原稿の画像データには、種々の補正処理とユーザの希望する処理による画像処理が加えられ、画像メモリ(図示略)に蓄積される。
本体画像形成部10は、上記画像メモリに蓄積された画像データを読み出し、ディジタル信号からアナログ信号に再変換し、更に露光制御部(図示略)により適正な出力値に増幅し、光学照射部27により光信号に変換する。その光信号は、スキャナ28、レンズ29及びミラー30を伝播して、感光ドラム31上に照射され静電による潜像が形成される。この潜像から、トナーにより画像が形成され、本体画像形成部10内を搬送されてくる記録紙上に転写され、更に定着ローラ32により記録紙上にトナーが定着され、ソータ13に送られる。
ソータ13は、本体画像形成部10の図中左側に設置されている装置であり、本体画像形成部10から出力された記録紙を複数の排紙トレイ33に仕分けして排紙する処理を行う。複数の排紙トレイ33は、本体制御部(図示略)により制御され、出力された記録紙は上記本体制御部の指示した任意の排紙トレイに排出される。
給紙トレイ34、35は、本体画像形成部10の下部に配置されており、記録紙をある程度蓄積しておくことが可能である。上記本体制御部により、給紙トレイ34、35から、蓄積された記録紙が搬送され画像出力が行われる。給紙デッキ36は、本体画像形成部10の図中右側に設置されている装置で、記録紙を大量に蓄積しておくことが可能である。給紙トレイ34、35と同様に、本体制御部により、蓄積された記録紙が搬送され画像出力が行われる。
本体画像形成部10の図中右側に、操作者が少数の任意種類の記録紙を比較的容易に給紙することが可能となる手差しトレイ37が設置されている。また、この手差しトレイ37は、OHPシートや厚紙、はがきサイズ紙等特殊なシート材を使用する場合にも使用される。
本体画像形成部10の給紙ローラ38、39、40、41、42は、紙搬送ローラである。各給紙ローラ38、39、40、41、42は、コピー出力処理の給紙を行う際、記録紙を実際に搬送する役割を担っている。各給紙ローラ38、39、40、41、42は、それぞれ独立に、駆動源としてステッピングモータに歯車等の伝達装置を介して接続されている。
ここで、DCブラシレスモータで制御され潜像を形成するための感光ドラム31と、記録媒体上にトナーを定着し画像データを記録するための定着ローラ32の回転速度は、プロセススピードと呼ばれる。プロセススピードは、トナーの形状や定着特性、レーザの発光特性等に大きく左右され、各画像形成装置特有の速度となっているので、可変制御することは困難である。よって、これらの駆動源としては、厚紙が搬送されるのに十分なトルクを出力できるモータが選択されている。
これに対し、給紙ローラ38、39、40、41、42は、記録紙の給紙乃至搬送の動作のみを行っており、前記定着ローラ32と感光ドラム31のいずれかに記録紙が挟まれていない場合は、できるだけ高速に駆動し高速搬送や高速給紙を行う。このような高速搬送および高速給紙によって、記録紙と記録紙との間の距離をできるだけ短くするように制御し、画像形成装置としてのプロダクティビティを向上させるようになっている。
[搬送装置]
次に、本実施形態におけるシート材の搬送制御について説明する。図2は、本実施形態におけるシート材搬送装置の印字位置調整機構と斜行補正機構の概略構成を示す図である。図2に示す搬送路は、感光ドラム31の手前の搬送路である。図2において、203は、シート材搬送方向と直交する方向に1対配置された左右のローラで、別々の駆動をもつ斜行補正ローラ(スキューローラ)であり、206は屈曲パス上にあるシート材支持ローラである。204は斜行補正ローラ203の上流側に配置された2つのシート材検知センサから構成され、搬送されるシート材の斜行を検知する上流斜行検知センサである。205は斜行補正ローラ203の下流側に配置された2つのシート材検知センサから構成され、搬送されるシート材の斜行を検知する下流斜行検知センサである。また、207は後述するループを形成するタイミングを検知するためのループタイミングセンサである。208は斜行補正後のシート材位置を検知するレジセンサである。209はシート材の横端部を検知するためイメージセンサであり、CCDやCIS(コンタクトイメージセンサ)が用いられる。なお、斜行補正ローラ203及びシート材支持ローラ206はそれぞれ駆動ローラと、駆動ローラに圧接するピンチローラとからなるローラ対で構成されている(図4参照)。
<印字位置調整機構>
ここで、印字位置調整機構について、図3及び4も参照して詳細に説明する。図3は印字位置調整機構の構成を示す図であり、図4はシート材の送りタイミングと画像形成タイミングとの関係を示す図である。なお、これらの図では本来は屈曲パスであるが簡略化のために直線パスとして図示している。画像形成動作を行う際に、斜行補正ローラ203から送り出されたシート材は、搬送パス210に沿って感光ドラム31側に搬送される。このとき、画像の書き出し位置を調整するために、シート材の搬送方向(副走査方向という)のタイミング、および搬送方向に対して直交する方向(主走査方向という)のタイミングを検知し、レーザ光202による書き出しを制御する必要がある。
副走査方向についての同期は、レジセンサ208によって斜行補正ローラ203から送り出されるシート材の位置を検知し、シート材位置検知信号によって画像形成タイミング信号との同期を取っている。つまり、レジセンサ208でシート材の先端位置が検知され
てからシート材が所定の距離L2だけ進んだときにレーザによる書き出しを開始するよう制御する。これによって、副走査方向の画像の書き出し位置を調整することができる。
また、主走査方向の書き出し位置制御は、CIS209により検知されるシート材の横端位置(横レジ)に基づいて制御される。CIS209でシート材の横端位置が検知されると、ビームディテクタ(BM)108からCIS209の下端までの距離L3に、CIS209の下端からシート材の横位置までの距離xを加えた距離(x+L3)を算出する。そして、ビームディテクタ108によってレーザ光が検知されてから上記算出された距離だけレーザ光が主走査方向に振られた後、レーザによる書き出しを開始することで、主走査方向の画像の書き出し位置を調整することができる。
このようなレーザ光による副走査方向および主走査方向の画像書き出し位置の調整は、補正制御ユニット105によって行われる。すなわち、補正制御ユニット105は、斜行補正ローラ203をオンにしてシート材の搬送を開始させた後、レジセンサ208からの検知信号に基づいて、書き出しタイミングをレーザ制御回路27に出力する。レーザ制御回路27は、補正制御ユニット105から出力された書き出しタイミングに同期して、画像処理回路から送られてきた画像信号を基にレーザ素子202を駆動する。
<斜行補正制御>
以下では、本実施形態における斜行補正機構について説明する。まず図5を用いてシート材の斜行量(斜行角)を算出する方法について説明する。図5は、下流斜行検知センサ205によって斜行量を算出する方法を説明する図であるが、上流斜行検知センサ204でも同様の方法によって斜行量を算出することが可能である。下流斜行検知センサ205は、2つの光学センサ205a,bによって構成されている。光学センサは通常の反射型センサであり、図ではシート材の斜行が原因で、まず光学センサ205bがシート材を検知し、さらにシート材を搬送すると光学センサ205aがシート材を検知する。搬送ローラ203,206はパルスモータにより駆動されており、シート材の搬送スピードはステップ角と、パルスを出すタイミングとから計算することができる。さらに、光学センサ205a,bのそれぞれがシート材を検知したタイミングから斜行量を計算することができる。具体的には、光学センサ205a,b間の距離をL、搬送速度をS、光学センサ205a,bでのシート材検知の時間差をTとすると、θ=tan−1(L/ST)によって斜行角を算出することができる。
次に、図2及び図6を用いて屈曲パス上の斜行補正の一連の流れを説明する。シート材が図2において下側から搬送されてきて、屈曲パスを通りながらシート材支持ローラ206に入り、斜行補正ローラ203へと入る。シート材が斜行補正ローラ203に入る前に上流斜行検知センサ204によって上述した方法でシート材の斜行量を算出する。そして、シート材が斜行補正ローラ203に入りループタイミングセンサ207に入ると、シート材支持ローラ206のシート材搬送速度を斜行補正ローラ203のシート材搬送速度よりも若干速くすることで、屈曲パス上にループを形成する。ループを形成する理由は、屈曲パスとシート材との摩擦によってこれから行われる斜行補正動作が妨げられることを防ぐためである。ループ形成後、上流斜行検知センサ204によって算出された斜行量を基に、補正制御回路105が斜行補正ローラ203の左右のローラに速度差を設けて斜行を補正する。補正制御回路105は、左右のローラのシート材搬送速度差(回転速度差)とシート材搬送速度差を設ける時間とによって補正量を決定することができる。斜行が補正された後のシート材の斜行量は下流斜行検知センサ205によって算出される。
図6(a)は搬送路におけるループ形成前のシート材を説明する図であり、図6(b)は搬送路におけるループ形成後のシート材を説明する図である。図中において、ループタイミングセンサ207は省略している。図6(b)に示すように、屈曲パス上でループを
形成することによって、シート材のコシやループ量に影響されて、斜行補正動作中にシート材が搬送方向に押し込まれる。このようにループによってシート材が搬送方向に押し込まれるので、斜行補正ローラ203上で斜行補正動作の他にすべりが発生し、シート材の斜行が完全には補正されない。すなわち下流斜行検知センサ205ではシート材の斜行が検知されないことが望まれるが、ループによる押し込みによって斜行を補正しきれず、下流斜行検知センサ205で斜行が検知される。
ここで、上流斜行検知センサ204と下流斜行検知センサ205の斜行量検知結果によって、シート材の押され量(ループによる押し込みが斜行補正に与える誤差の量)を算出することができる。シート材の種類やループ量によって、シート材の押され量は変わってくるので、例えば、画像形成を行う前にあらかじめシート材を流して(テストモード)、シート材の押され量を把握し、次回の搬送で押され量を考量して斜行補正を行う。
図7にループによって斜行補正が妨げられる際の概念図を示す。なお、本来は屈曲パスであるが説明の簡略化のために直線パスとして説明する。図7(a)はループ形成後かつ斜行補正前の概念図である。図のような状態でループを形成した場合の、斜行補正ローラA、Bのそれぞれに加わるシート材の押され量を比較すると、斜行補正ローラAに加わる押され量の方が大きくなる。その結果、斜行補正ローラBのシート材搬送速度を速くして斜行補正を行っても、図7(b)に示す補正後の状態のように斜行が直りきらないという現象が発生する。斜行補正ローラに加わるシート材の押され量は、シート材のコシやループ量に依存する。
図8は、シート材がある種類、ある量のループ量のもとで斜行補正を行った際の斜行補正前の斜行量と、斜行補正後の斜行量の関係に関するグラフを示す。なお、ここでの斜行補正では、補正量は上流斜行検知センサ204によって検知される斜行量のみに基づいて決定されている。図に示すように、補正前の斜行量が大きければ大きいほど、シート材の押され量が大きくなるので、斜行補正後の斜行量も大きくなる。このグラフの傾きはシート材のコシやループ量によって異なるが、補正前の斜行量と補正後の斜行量とは大略比例関係とみなすことができる。
図9は、シート材の押され量を、次回の斜行補正制御にフィードバックする制御方法の一例を示す。まず、テストモードにおいて、シート材を搬送して、斜行補正前と斜行補正後の斜行量を、それぞれ上流斜行検知センサ204と下流斜行検知センサ205から検出する(図9(a)の黒丸の位置を決定する)。次に、図9(a)の黒丸と原点とを直線で結んだ直線(関数)を算出する(図9(b))。このグラフが、テストモードで使用されたシート材のおよびループ量における、斜行補正前後の斜行量の関係を示すものであり、したがってシート材の押され量を表すものである。補正制御回路105は、この斜行補正前後の斜行量の関係を内部のRAMに記憶する。そして、図9(c)に示すように、次のシート材が搬送され、上流斜行検知センサ204によって斜行量が検出されたときに、この補正前の斜行量を基に斜行補正後の斜行量を予想することができる(図9(c)の黒三角)。以上のことから、補正制御回路105は、シート材の押され量を考慮した斜行補正量を次のように求めることができる。
押され量を考慮した斜行補正量=上流斜行検知センサで検出された斜行量を基に算出した斜行補正量+グラフより予想される斜行補正後の斜行量
つまり、上流斜行検知センサ204で検出された斜行量を基に算出した斜行補正量を、シート材の押され量を考慮して調整することで、シート材の押され量を考慮した斜行補正を行うことが可能となる。
シート材の種類(紙種)やループ量を変えた場合には、再度テストモードを行うことで、新しい条件下でのシート材の押され量の影響(図9(b)のグラフ)を算出し直すことが好ましい。
本実施形態における斜行補正制御を図10のフローチャートを用いて説明する。まず、シート材の搬送が開始されると、シート材は屈曲パスのシート材支持ローラ206を通り、上流斜行検知センサ204にて斜行量が検出される(S2)。そして、ループタイミングセンサ207にシート材が突入する(S3)と、シート材支持ローラ206を他の搬送ローラよりも速く回転させることで、屈曲パス上においてシート材にループを形成する(S4)。ループを形成させた状態で、斜行補正ローラ203のシート材搬送速度を異ならせることで、斜行補正を行い(S5)、斜行補正後の斜行量を下流斜行検知センサ205にて検出する(S6)。その結果から、シート材の種類やループ量に依存する図9(b)のグラフを算出し、記憶する(S7)。次のシート材が搬送されると、上記と同様にループ形成までを行う(S8〜11)。S9で検出したシート材の斜行量から斜行補正量を算出し、S7で算出したシート材の押され量を考慮して、この斜行補正量を調整する(S12)。そして、シート材の押され量を考慮して調整した斜行補正量を用いてシート材の斜行を補正する(S13)。
(変形例)
上記の説明では、テストモードにおいて1枚のシート材を搬送し、斜行補正前後の斜行量の関係を調べていた。しかし、テストモードにおいて複数枚のシート材を搬送し、斜行補正前後の斜行量の関係を複数取得しても良い。この場合、これら複数のサンプルデータに基づいて、最小二乗法などによって斜行補正前の斜行量と斜行補正後の斜行量の関係(グラフ)を算出することができる。なお、この関係はサンプルデータを基に直線として算出する必要はなく、2次曲線などの高次曲線として算出しても構わない。
また、斜行補正前後の斜行量の関係は、シート材の種類やループ量などの条件ごとに記憶しておき、シート材の種類などが変更された場合には、新しい条件に対応する上記の関係を読み出してこれを用いて補正量を調整するようにしても良い。
さらに、シート材の種類やループ量が変更された場合などに、自動的にシート材をテストモードで搬送して、斜行補正前後の斜行量を取得するように構成しても良い。
本実施形態に係るシート搬送装置が適用される画像形成装置の構成を示す図である。 シート搬送装置の印字位置調整機構と斜行補正機構の概略構成を示す図である。 印字位置調整機構の構成を示す図である。 シート材送りタイミングと画像形成タイミングとの関係を示す図である。 シート材の斜行量を算出する方法を説明する図である。 屈曲パス上でループを形成してシート材の斜行を補正する方法を説明する図である。 ループによって斜行補正が妨げられることを説明する図である。 ループによる影響を考慮せずに斜行補正を行った場合の斜行補正前と斜行補正後の斜行量の関係を示す図である。 ループによる影響を算出する方法を説明する図である。 斜行補正制御の流れを示すフローチャートである。 従来の画像形成装置における印字位置調整機構を示す図である。 従来の画像形成装置における印字位置調整機構を示す図である。
符号の説明
10 画像形成装置
31 感光ドラム
203 斜行補正ローラ(スキューローラ)
204 上流斜行検知センサ
205 下流斜行検知センサ
206 シート材支持ローラ
207 ループタイミングセンサ
208 レジセンサ
209 CIS

Claims (5)

  1. シート材搬送路においてシート材の斜行を補正するシート材搬送装置であって、
    シート材搬送路を搬送されるシート材の搬送方向と直交する幅方向に沿って配置された一対の斜行補正用搬送ローラと、該一対の斜行補正用搬送ローラより上流側に設けられたループ形成用搬送ローラと、を有し、該ループ形成用搬送ローラのシート材搬送速度を前記斜行補正用搬送ローラのシート材搬送速度より速くすることでシート材にループを形成するとともに、前記一対の斜行補正用搬送ローラのシート材搬送速度差によってシート材の斜行を補正する斜行補正手段と、
    前記一対の斜行補正用搬送ローラより上流側に設けられ、斜行補正前のシート材の斜行量を検知する上流斜行量検知手段と、
    前記一対の斜行補正用搬送ローラより下流側に設けられ、斜行補正後のシート材の斜行量を検知する下流斜行量検知手段と、
    前記上流斜行量検知手段によって検知されたシート材の斜行量に応じて、前記斜行補正手段によって補正する補正量を算出する補正量算出手段と、
    前記補正量算出手段によって算出された補正量を用いて補正した場合の斜行補正前の斜行量と斜行補正後の斜行量との関係を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された斜行補正前の斜行量と斜行補正後の斜行量との関係に基づいて、前記補正量算出手段によって算出された補正量を調整する補正量調整手段と、
    を備えるシート材搬送装置。
  2. 前記斜行補正手段は、屈曲した搬送路においてシート材にループを形成することを特徴とする請求項1記載のシート材搬送装置。
  3. 搬送するシート材の大きさ又は種類が変更された場合は、変更後のシート材を搬送し、前記記憶手段に斜行補正前の斜行量と斜行補正後の斜行量との関係を記憶しなおすことを特徴とする請求項1又は2記載のシート材搬送装置。
  4. 前記ループ形成用搬送ローラによって形成されるループの量が変更された場合は、シート材を搬送し、前記記憶手段に斜行補正前の斜行量と斜行補正後の斜行量との関係を記憶しなおすことを特徴とする請求項1又は2記載のシート材搬送装置。
  5. 前記請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート材搬送装置と、
    前記シート材搬送装置で搬送されてくるシート材に画像を形成する画像形成部と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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