JP2008120545A - ロープ固定装置 - Google Patents

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尚宏 高村
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Abstract

【課題】長さ調整部をロープ引止め部材に干渉させることなく、エレベータ昇降路の省スペース化を実現できる構造のロープ固定装置を提供する。
【解決手段】ロープ側固定部と引止め部材側固定部との間に設けられてエレベータロープ3の経年劣化による伸びを吸収する長さ調整部の最大外径寸法(複合ナット113の外径寸法L1)を、ロープ引止め部材としてのヒッチプレート9に設けられた貫通孔9aの孔径L2以下として、乗りかご1の積載荷重に応じて変動するエレベータロープ3の張力を均等にするために設けられたバネ部材12が伸長する際に、長さ調整部(複合ナット113)がヒッチプレート9の貫通孔9a内に入り込めるようにする。
【選択図】図2

Description

本発明は、エレベータの乗りかごを懸架するエレベータロープをロープ引止め部材に固定するロープ固定装置に関し、特に、エレベータロープの伸縮を吸収するための長さ調整部を有するロープ固定装置に関する。
トラクション方式のエレベータは、乗りかごとカウンターウェイトをワイヤロープ(本明細書においては「エレベータロープ」と呼称する。)で連結し、巻上機の駆動で回転する駆動綱車にエレベータロープを巻掛けして、駆動綱車とエレベータロープ間に生じる摩擦力によりエレベータロープを送り動作することで、乗りかごを昇降路内で昇降させる構造である。このトラクション方式のエレベータにおいて、乗りかごやカウンターウェイトを懸架するエレベータロープは、端部がロープ固定装置によってロープ引止め部材に固定されている。ここで、ロープ引止め部材は、1:1ローピングの場合は乗りかごの上枠及びカウンターウェイトの上枠に設けられ、2:1ローピングの場合は、昇降路上部の機械室のマシンビーム等に設けられるのが一般的である。
エレベータロープには経年劣化により伸びが生じ、このエレベータロープの伸びがエレベータの適切な運行を妨げる要因となる。そこで、定期的なメンテナンスにより、エレベータロープを伸びに相当する長さ分だけ切断する切り詰め作業を行っていた。近年では、エレベータロープをロープ引止め部材に固定するためのロープ固定装置に長さ調整部を設け、このロープ固定装置の長さ調整部でエレベータロープの伸縮を吸収できるようにして、メンテナンス作業性の向上を図る試みがなされている(例えば、特許文献1,2等を参照。)。
この種のロープ固定装置は、エレベータロープの端部に固定される一端側と、ロープ引止め部材に固定される他端側との間に、エレベータロープの経年劣化による伸びを吸収するための長さ調整部が設けられている。また、ロープ引止め部材に固定されるロープ固定装置の他端側は、ロープ引止め部材に設けられた貫通孔に挿入され、ロープ引止め部材の裏面側にバネ部材を介して固定されている。このバネ部材は、エレベータロープに沿った方向に伸縮することで、乗りかごの積載荷重に応じて変動するエレベータロープの張力を均等にするためのものである。
特開平5−294584号公報 特開平10−120332号公報
ところで、近年では、エレベータが設置される建物内スペースの有効利用を図るために、エレベータ昇降路の省スペース化が望まれている。エレベータ昇降路の省スペース化を実現するには、乗りかごを最上階まで上昇させたときに乗りかご上端と昇降路上端との間にできるだけ隙間が形成されないようにすることが有効である。
しかしながら、エレベータロープの固定に上述した長さ調整部を有するロープ固定装置を用いる場合、乗りかごを最上階まで上昇させたときの乗りかご上端と昇降路上端との間の間隔を小さくすると、乗りかごの上枠、或いは昇降路上部機械室のマシンビーム等に設けられたロープ引止め部材に、ロープ固定装置の長さ調整部が干渉してしまう場合がある。そして、ロープ固定装置の長さ調整部がロープ引止め部と干渉することにより、ロープ引止め部材の裏面側に設けられているバネ部材の伸縮が阻害され、エレベータロープの張力変動を効果的に吸収できなくなるといった問題があった。
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて創案されたものであって、長さ調整部をロープ引止め部材に干渉させることなく、エレベータ昇降路の省スペース化を実現できる構造のロープ固定装置を提供することを目的としている。
本発明の適用対象となるロープ固定装置は、一端側がエレベータロープの端部に固定されるロープ側固定部とされているとともに、他端側がロープ引止め部材に設けられた貫通孔に挿入されてロープ引止め部材の裏面側にバネ部材を介して固定される引止め部材側固定部とされ、これらロープ側固定部と引止め部材側固定部との間に、エレベータロープの伸縮を吸収するための長さ調整部が設けられた構造のものである。このような構造のロープ固定装置において、本発明では、バネ部材の伸縮方向と直交する面内における長さ調整部の最大外形寸法を、ロープ引止め部材に設けられた貫通孔の孔径以下とすることで、上述した課題を解決する。
本発明に係るロープ固定装置は、バネ部材の伸縮方向と直交する面内における長さ調整部の最大外形寸法がロープ引止め部材に設けられた貫通孔の孔径以下であるので、ロープ引止め部材の貫通孔に長さ調整部を入り込ませることが可能である。したがって、長さ調整部を引止め部材側固定部に近づけても、長さ調整部がロープ引止め部材に干渉することがなく、長さ調整部を引止め部材側固定部に近づけた分だけ、乗りかごを最上階まで上昇させたときの乗りかご上端と昇降路上端との間の間隔を小さくすることが可能となる。
本発明に係るロープ固定装置によれば、長さ調整部をロープ引止め部材に干渉させずにバネ部材によるエレベータロープの張力調整を有効に機能させながら、エレベータ昇降路の省スペース化を実現することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態として、ローピング方式に2:1ローピングを採用したエレベータで用いられるロープ固定装置に本発明を適用した例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、ローピング方式に2:1ローピングを採用したエレベータの概要を示す模式図である。このエレベータは、乗客を搬送する乗りかご1とカウンターウェイト2とをエレベータロープ3で連結し、エレベータロープ3の送り動作により、乗りかご1をカウンターウェイト2とバランスさせながら昇降路4内で昇降させる仕組みとなっている。
昇降路4の上部には機械室5が設けられており、この機械室5のマシンビーム6上に、エレベータロープ3送り動作の駆動源となる巻上機7が設置されている。巻上機7には駆動綱車8が連結されており、この駆動綱車8にエレベータロープ3が巻掛けられている。また、エレベータロープ3の両端部は、それぞれロープ固定装置100によってマシンビーム6に設置されたヒッチプレート(ロープ引止め部材)9に固定されている。そして、エレベータロープ3の駆動綱車8に巻掛けられている部分を基準として、一方の端部側にかご吊車10を介して乗りかご1が連結され、他方の端部側に吊車11を介してカウンターウェイト2が連結されている。
このような構造のエレベータでは、巻上機7の駆動により駆動綱車8が回転すると、エレベータロープ3と駆動綱車8との間に働く摩擦力により、エレベータロープ3が駆動綱車8の回転方向に従って図中A方向又はB方向に送り動作される。そして、エレベータロープ3が図中A方向に送り動作されると、エレベータロープ3の一端側から駆動綱車8に巻掛けられている部分までの長さが短くなるので、この間に懸架されている乗りかご1が昇降路4内を上昇する。逆に、エレベータロープ3が図中B方向に送り動作されると、エレベータロープ3の一端側から駆動綱車8に巻掛けられている部分までの長さが長くなるので、この間に懸架されている乗りかご1は昇降路4内を下降する。
ところで、この種のエレベータでは、乗りかご1の荷重やカウンターウェイト2の荷重が、駆動綱車8やかご吊車10、吊車11を介して全てエレベータロープ3にかかるので、エレベータロープ3に経年劣化による伸びが生じて、エレベータの適切な運行が妨げられる場合がある。そこで、このエレベータでは、エレベータロープ3をヒッチプレート9に固定させるためのロープ固定装置100として長さ調整部を有するものを用い、メンテナンス作業員が定期的なメンテナンスを行うときに、エレベータロープ3に経年劣化による伸びが発生していれば、その伸びに応じて長さ調整部を操作することで伸びを吸収させるようにしている。なお、ロープ固定装置100として長さ調整部を有するものを用いれば、エレベータロープ3に伸びが発生した場合だけでなく、縮みが発生した場合にもその縮みを吸収することが可能である。
ロープ固定装置100は、一端側がエレベータロープ3に固定されるロープ側固定部とされているとともに、他端側がロープ引止め部材であるヒッチプレート9に設けられた貫通孔に挿入されてヒッチプレート9の裏面側にバネ部材12を介して固定される引止め部材側固定部とされ、これらロープ側固定部と引止め部材側固定部との間に、エレベータロープ3の伸縮を吸収するための長さ調整部が設けられている。そして、特に本発明を適用したロープ固定装置100では、長さ調整部をヒッチプレート9に近い位置に配置して昇降路4の省スペース化を実現しながら、バネ部材12が伸縮する際に長さ調整部がヒッチプレート9と干渉しないようにするために、バネ部材12の伸縮方向と直交する面内における長さ調整部の最大外形寸法を、ヒッチプレート9に設けられた貫通孔の孔径以下としている。以下、このような特徴を有する本発明を適用したロープ固定装置100の具体例として、第1実施例のロープ固定装置110及び第2実施例のロープ固定装置120の2つの実施例について説明する。
[第1実施例]
図2は、第1実施例のロープ固定装置110を示す側面図である。本実施例のロープ固定装置110は、ロープ側固定部となる一端側にロープソケット111を有し、このロープソケット111にエレベータロープ3の端部が固定されている。ロープソケット111は、例えばスウェージング加工によってエレベータロープ3の端部を固定している。また、ロープソケット111には、周面がネジ加工されたロープ側ネジ付きロッド112が一体に接合されている。
ロープソケット111と一体化されたロープ側ネジ付きロッド112の先端は、高ナット113aの一端側に螺合され、ナット113bの締め付けにより高ナット113aに固定されている。また、高ナット113aの他端側には、周面がネジ加工された中継ネジ付きロッド114が螺合されている。この中継ネジ付きロッド114も、ナット113cの締め付けにより高ナット113aに固定されている。本実施例のロープ固定装置110では、これら高ナット113a及び2つの締付用ナット113b,113c(以下、これらをまとめて複合ナット113と呼ぶ。)が中継ネジ付きロッド114を介して複数段(図2に示す例では3段)に繋ぎ合わされ、これら複合ナット113と中継ネジ付きロッド114との組み合わせにより、長さ調整部が構成されている。
また、最上段の高ナット113aの他端側には、周面がネジ加工されたヒッチ側ネジ付きロッド115の一端側が螺合されており、ナット113cの締め付けにより高ナット113aに固定されている。このヒッチ側ネジ付きロッド115は、一端側が高ナット113aに固定された状態で、ヒッチプレート9に設けられた貫通孔9aからヒッチプレート9の裏面側に挿入されて、ヒッチプレート9の裏面側に配置されている。このヒッチ側ネジ付きロッド115の周囲には、両端をバネ座116で支持されたコイルバネなどのバネ部材12が配置されている。そして、ヒッチ側ネジ付きロッド115の他端側が、ダブルナット117による締め付けにより、バネ部材12を介してヒッチプレート9の裏面側に固定されている。つまり、本実施例のロープ固定装置110では、このヒッチ側ネジ付きロッド115が引止め部材側固定部とされ、このヒッチ側ネジ付きロッド115と、ロープソケット111に一体化されたロープ側ネジ付きロッド112との間に、長さ調整部である複合ナット113と中継ネジ付きロッド114との組み合わせが配置された構造となっている。
このような構造の第1実施例のロープ固定装置110では、ネジ部材12の伸縮方向と直交する面内における長さ調整部の最大外径寸法、すなわち、複合ナット113の外径寸法L1が、ヒッチプレート9に設けられた貫通孔9aの孔径L2以下とされ、複合ナット113が貫通孔9a内に入り込めるようにしている。これにより、複合ナット113と中継ネジ付きロッド114との組み合わせよりなる長さ調整部をヒッチプレート9に近い位置に配置しながら、バネ部材12の伸縮時における複合ナット113とヒッチプレート9との干渉が有効に防止されることになる。
すなわち、バネ部材12は、乗りかご1の積載荷重に応じて変動するエレベータロープ3の張力を均等にするために設けられており、乗りかご1の積載荷重に応じて、図2に示したような伸長した状態から図3に示すような収縮した状態の間で伸縮変位して、乗りかご1の積載荷重の変動を吸収する。このとき、ヒッチ側ネジ付きロッド115はバネ部材12を介してヒッチプレート9の裏面側に固定されているので、バネ部材12の伸縮に伴ってその位置が変化し、ヒッチ側ネジ付きロッド115に連結されている複合ナット113の位置も変化する。
ここで、複合ナット113の外径寸法L1がヒッチプレート9に設けられた貫通孔9aの孔径L2よりも大きくされていると、乗りかご1の積載荷重が減少してバネ部材12が伸長する際に複合ナット113がヒッチプレート9と干渉してバネ部材12の伸長が妨げられ、乗りかご1の積載荷重の変動に伴うエレベータロープ3の張力変化を効果的に吸収できなくなる場合がある。これに対して、本実施例のロープ固定装置110では、複合ナット113の外径寸法L1がヒッチプレート9に設けられた貫通孔9aの孔径L2以下とされ、バネ部材12が伸長する際には複合ナット113がヒッチプレート9の貫通孔9a内に入り込めるようにしているので、長さ調整部を構成する複合ナット113をヒッチプレート9に近い位置に配置してもバネ部材12の伸縮が妨げられることがなく、バネ部材12によるエレベータロープ3の張力調整を有効に機能させながら、長さ調整部をヒッチプレート9に近づけたことによる昇降路4の省スペース化の実現が可能となる。
以上の構造を有する第1実施例のロープ固定装置110では、経年劣化によるエレベータロープ3の伸びを、複合ナット113と中継ネジ付きロッド114との組み合わせの長さ調整部によって、以下のようにして吸収することが可能である。
まず、経年劣化によるエレベータロープ3の伸びが僅かであれば、中継ネジ付きロッド114の複合ナット113に対する螺合位置を調整し、中継ネジ付きロッド114の端部が複合ナット113に対してより深く螺合されるようにすることで吸収可能である。このとき、例えば図4に示すように、中継ネジ付きロッド114の周面に一定間隔で塗装を施すなど、何らかのかたちで長さ調整の目安となるマーカ118を設けるようにしておけば、メンテナンス作業員による長さ調整作業が極めて簡便に行えるようになる。
この手法による長さ調整は、最大で、中継ネジ付きロッド114が図5に示すように隣接する2つの複合ナット113内に完全に螺入された状態となるまで、つまり、中継ネジ付きロッド114による調整しろがなくなるまで有効である。そして、これ以上の伸びがエレベータロープ3に生じている場合には、図6や図7に示すように、複数段に繋ぎ合わされている複合ナット113と中継ネジ付きロッド114との組み合わせを1つずつ外して、連結されている複合ナット113の数を減らしていくことで、その伸びを吸収することが可能となる。
本実施例のロープ固定装置110では、最終的に、図7に示したように複合ナット113の数が1つとなり、ロープ側ネジ付きロッド112とヒッチ側ネジ付きロッド115とがこの複合ナット113を介して連結された状態となるまで、エレベータロープ3の経年劣化による伸びを長さ調整部で吸収することが可能である。ここで、図7に示した状態となるまでの長さ調整部による全調整しろが、エレベータロープ3の許容伸びしろと対応した長さとなるように、複合ナット113や中継ネジ付きロッド114のサイズ、個数などを予め設定しておけば、エレベータロープ3の交換時期も容易に把握することが可能となり、メンテナンス作業性をさらに向上させることが可能となる。
なお、本実施例のロープ固定装置110では、上述したように、複合ナット113の外径寸法L1がヒッチプレート9に設けられた貫通孔9aの孔径L2以下とされているので、複合ナット113をヒッチプレート9に干渉させることなくヒッチ側ネジ付きロッド115を引き上げることが可能であり、このヒッチ側ネジ付きロッド115の引き上げによっても、エレベータロープ3の経年劣化による伸びを吸収することができる。この場合、ロープ固定装置110が設置される環境によっては、引き上げたヒッチ側ネジ付きロッド115の端部が構造物に干渉する場合があるので、このような場合には、ヒッチ側ネジ付きロッド115の端部をその引き上げ量に応じて切断することが望ましい。
[第2実施例]
次に、第2実施例のロープ固定装置120について説明する。本実施例のロープ固定装置120は、エレベータロープ3の経年劣化による伸びを吸収する長さ調整部の構成が、上述した第1実施例とは異なるものである。
図8は、第2実施例のロープ固定装置120を示す側面図である。第2実施例のロープ固定装置120は、第1実施例と同様、ロープ側固定部となる一端側にロープソケット121を有し、このロープソケット121に、例えばスウェージング加工によってエレベータロープ3の端部が固定されている。また、第2実施例のロープ固定装置120では、このロープソケット121に、先端側に係合突起122aが設けられたロッド122が一体に接合されている。
ロープソケット121と一体化されたロッド122の先端は、筒の内径がロッド122の外径と略等しくされた筒状部材123の一端側から、この筒状部材123の内部に挿入されている。この筒状部材123には、その長手方向に亘って所定間隔で並ぶように複数の位置決め孔123aが設けられており、ロッド122は、その先端側に設けられた係合突起122aを筒状部材123の複数の位置決め孔123aの何れかに係合させることで、筒状部材123に対する挿入位置が位置決めされて固定される。
ロッド122に設けられた係合突起122aは、例えば図9に示すように、ロッド122内部に配置されたバネ122bに支持されて、このバネ122bの付勢により先端部をロッド122の周面から突出させている。ロッド122の周面から突出する係合突起122aの先端部は、筒状部材123に対するロッド122の挿入方向(図9中のC方向)側の端面が傾斜面とされており、ロッド122の先端を筒状部材123の一端側から筒状部材123内部に押し込むと、係合突起123aの傾斜面が筒状部材123の一端縁に当接して、傾斜面の作用により係合突起122aがバネ122bを圧縮させながらロッド122の内方に移動する。そして、ロッド122の先端を筒状部材123内部にさらに押し込み、係合突起122aが筒状部材123に設けられた位置決め孔123aの位置に到達すると、バネ122bの付勢により係合突起122aの先端部が突出して筒状部材の位置決め孔122bに係合され、これにより、筒状部材123に対するロッド122の挿入位置が位置決めされる。また、この状態から、ロッド122の先端を筒状部材123内部にさらに押し込むと、係合突起122aの傾斜面が位置決め孔123aの端縁に当接し、傾斜面の作用により係合突起122aがバネ122bを圧縮させながらロッド122の内方に移動する。そして、ロッド122の先端を筒状部材123内部にさらに押し込み、係合突起122aが次の位置決め孔123aの位置に到達すると、バネ122bの付勢により係合突起122aの先端部が突出して次の位置決め孔122bに係合され、これにより、筒状部材123に対するロッド122の挿入位置が切り替えられる。
以上のように、ロッド122は、筒状部材123の複数の位置決め孔123aのうち、係合突起122aを係合させる位置決め孔123aを切り替えることで、筒状部材123に対する挿入位置を複数段に切り替え可能となっている。本実施例のロープ固定装置120では、これらロッド122と筒状部材123との組み合わせにより、長さ調整部が構成されている。
また、筒状部材123の他端側には、周面がネジ加工されたネジ付きロッド124が一体に接合されている。このネジ付きロッド124は、一端側が筒状部材123の他端側に接合された状態で、ヒッチプレート9に設けられた貫通孔9aからヒッチプレート9の裏面側に挿入されて、ヒッチプレート9の裏面側に配置されている。このネジ付きロッド124の周囲には、第1実施例と同様に、両端をバネ座125で支持されたコイルバネなどのバネ部材12が配置されている。そして、ネジ付きロッド124の他端側が、ダブルナット126による締め付けにより、バネ部材12を介してヒッチプレート9の裏面側に固定されている。つまり、本実施例のロープ固定装置120では、このネジ付きロッド124が引止め部材側固定部とされ、このネジ付きロッド124とロープソケット121との間に、長さ調整部であるロッド122と筒状部材123との組み合わせが配置された構造となっている。
このような構造の第2実施例のロープ固定装置120では、ネジ部材12の伸縮方向と直交する面内における長さ調整部の最大外径寸法、すなわち、筒状部材123の外径寸法L3が、ヒッチプレート9に設けられた貫通孔9aの孔径L2以下とされ、筒状部材123が貫通孔9a内に入り込めるようにしている。これにより、第1実施例と同様に、ロッド122と筒状部材123との組み合わせよりなる長さ調整部をヒッチプレート9に近い位置に配置しながら、バネ部材12の伸縮時における筒状部材123とヒッチプレート9との干渉が有効に防止されることになる。
以上の構造を有する第2実施例のロープ固定装置120では、筒状部材123に対するロッド122の挿入位置を切り替えることで、経年劣化によるエレベータロープ3の伸びを吸収することが可能である。そして、最終的には、図10に示すように、筒状部材123に対するロッド122の挿入位置を最大とし、ロッド122の先端に設けられた係合突起122aが、筒状部材123の複数の位置決め孔123aのうちで最もヒッチプレート9に近い位置の位置決め孔123aに係合された状態となるまで、エレベータロープ3の経年劣化による伸びを長さ調整部で吸収することが可能である。ここで、第2実施例のロープ固定装置120においても、第1実施例と同様に、図10に示した状態となるまでの長さ調整部による調整しろが、エレベータロープ3の許容伸びしろと対応した長さとなるように、ロッド122や筒状部材123のサイズ、筒状部材123の位置決め孔123aの個数などを予め設定しておけば、エレベータロープ3の交換時期も容易に把握することが可能となり、メンテナンス作業性をさらに向上させることが可能となる。
なお、本実施例のロープ固定装置120では、上述したように、筒状部材123の外径寸法L3がヒッチプレート9に設けられた貫通孔9aの孔径L2以下とされているので、筒状部材123をヒッチプレート9に干渉させることなくヒッチ側ネジ付きロッド124を引き上げることが可能であり、第1実施例と同様に、このヒッチ側ネジ付きロッド124の引き上げによっても、エレベータロープ3の経年劣化による伸びを吸収することができる。この場合、ロープ固定装置120が設置される環境によっては、引き上げたヒッチ側ネジ付きロッド124の端部が構造物に干渉する場合があるので、このような場合には、ヒッチ側ネジ付きロッド124の端部をその引き上げ量に応じて切断することが望ましい。
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本発明を適用したロープ固定装置100(110,120)は、ロープ側固定部と引止め部材側固定部との間に設けられてエレベータロープ3の経年劣化による伸びを吸収する長さ調整部の最大外径寸法が、ロープ引止め部材としてのヒッチプレート9に設けられた貫通孔9aの孔径以下とされており、乗りかご1の積載荷重に応じて変動するエレベータロープ3の張力を均等にするために設けられたバネ部材12が伸長する際に、長さ調整部をヒッチプレート9の貫通孔9a内に入り込ませることができる。したがって、このロープ固定装置100(110,120)を用いてエレベータロープ3をヒッチプレート9に固定するようにすれば、長さ調整部をヒッチプレート9に近い位置に配置してもバネ部材12の伸縮が妨げられることがなく、バネ部材12によるエレベータロープ3の張力調整を有効に機能させながら、長さ調整部をヒッチプレート9に近づけたことによる昇降路4の省スペース化の実現が可能となる。
また、第1実施例として示したロープ固定装置110や第2実施例として示したロープ固定装置120は、第1実施例であれば複合ナット113に対する中継ネジ付きロッド114の螺合位置の調整や複合ナット113及び中継ネジ付きロッド114の取り外し、第2実施例であれば筒状部材123に対するロッド122の挿入位置の調整といった簡便な作業でエレベータロープ3の伸びを吸収させることができ、メンテナンス作業性を向上させることができる。
なお、以上は本発明の一実施形態を例示したものであり、本発明の技術的範囲は、以上の実施形態の説明で開示した内容に限定されるものではなく、これらの開示から容易に導き得る様々な代替技術も含まれることは勿論である。例えば、以上の実施形態では、ローピング方式に2:1ローピングを採用したエレベータに用いられるロープ固定装置100を対象としたが、1:1ローピングのエレベータに用いられるロープ固定装置に対しても本発明は有効に適用可能である。
ローピング方式に2:1ローピングを採用したエレベータの概要を示す模式図。 第1実施例のロープ固定装置を示す図。 第1実施例のロープ固定装置を示す図であり、乗りかごの積載荷重の変動によりバネ部材が収縮した状態を示す図。 第1実施例のロープ固定装置を示す図であり、中継ネジ付きロッドの周面に長さ調整の目安となるマーカ(一定間隔の塗装)が設けられた様子を示す図。 第1実施例のロープ固定装置を示す図であり、中継ネジ付きロッドが隣接する2つの複合ナット内に完全に螺入された状態を示す図。 第1実施例のロープ固定装置を示す図であり、連結されている複合ナットの数を減らした状態を示す図。 第1実施例のロープ固定装置を示す図であり、複合ナットの数が1つとされた状態を示す図。 第2実施例のロープ固定装置を示す図。 第2実施例のロープ固定装置を示す図であり、ロッドと筒状部材との係合状態を説明するための拡大図。 第2実施例のロープ固定装置を示す図であり、筒状部材に対するロッドの挿入位置が最大とされた状態を示す図。
符号の説明
1 乗りかご
2 カウンターウェイト
3 エレベータロープ
4 昇降路
5 機械室
6 マシンビーム
9 ヒッチプレート(ロープ引止め部材)
9a 貫通孔
12 バネ部材
100 ロープ固定装置
110 ロープ固定装置(第1実施例)
111 ロープソケット
112 ロープ側ネジ付きロッド
113 複合ナット
114 中継ネジ付きロッド
115 ヒッチ側ネジ付きロッド
120 ロープ固定装置(第2実施例)
121 ロープソケット
122 ロッド
122a 係合突起
123 筒状部材
123a 位置決め孔
124 ネジ付きロッド

Claims (4)

  1. 一端側がエレベータロープの端部に固定されるロープ側固定部とされているとともに、他端側がロープ引止め部材に設けられた貫通孔に挿入されて前記ロープ引止め部材の裏面側にバネ部材を介して固定される引止め部材側固定部とされ、前記ロープ側固定部と前記引止め部材側固定部との間に、前記エレベータロープの伸縮を吸収するための長さ調整部が設けられたロープ固定装置において、
    前記バネ部材の伸縮方向と直交する面内における前記長さ調整部の最大外形寸法が、前記ロープ引止め部材に設けられた貫通孔の孔径以下とされていることを特徴とするロープ固定装置。
  2. 前記長さ調整部は、周面がネジ加工されたネジ付きロッドと、当該ネジ付きロッドに螺合される複数のナットとの組み合わせで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のロープ固定装置。
  3. 前記ネジ付きロッドに、長さ調整の目安となるマーカが設けられていることを特徴とする請求項2に記載のロープ固定装置。
  4. 前記長さ調整部は、筒状部材と、当該筒状部材の内部に挿入されるロッドとの組み合わせで構成され、前記筒状部材と前記ロッドとの間に、前記筒状部材に対する前記ロッドの挿入位置を複数段に切り替え可能な位置決め手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のロープ固定装置。
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