JP2008120360A - サスペンション装置 - Google Patents

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Abstract

【目的】懸架シリンダとセンタシリンダとを備えた車高制御装置において、車体の左右方向の傾きを良好に補正する。
【解決手段】車体8が左側が下となる向きに傾いた姿勢である場合において、左前輪4FLについてアップ制御が行われた場合には、右前輪4FR、左後輪RLについて車高が高くなり、右後輪4RRについて車高が低くなる。センタシリンダにおいて後輪側受圧面の面積が前輪側受圧面の面積より大きいため、右前輪4FRについての車高の変化量は小さく、左右後輪4RL、RRの各々についての車高の変化量は大きくなる。その結果、前輪側においても後輪側においても左右方向の傾きを小さくすることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両の前後左右の各輪に対応してそれぞれ設けられた懸架シリンダと、それら懸架シリンダが接続されたセンタシリンダとを含むサスペンション装置に関するものである。
特許文献1には、左右後輪のいずれか一方について車高制御が行われることにより、車体の左右方向の傾きを小さくする姿勢制御部を含む車高制御装置が記載されている。姿勢制御において、左右後輪のうち、実際の車高と目標車高との差が大きい方の車輪について車高制御が行われ、実際の車高が他方の車輪の車高に近づけられるのである。また、この姿勢制御は、車高制御に先立って行われる。その結果、車高制御中における乗員の乗り心地の低下を抑制することができる。特許文献2には、前後左右の各輪に対応してそれぞれ設けられた懸架シリンダと、それら懸架シリンダが接続されたセンタシリンダとを含むサスペンション装置が記載されている。
特開平11−240319号公報 特開2006−159993号公報
本発明の課題は、懸架シリンダとセンタシリンダとを含むサスペンション装置において、姿勢制御が効果的に行われるようにすることである。
課題を解決するための手段および効果
請求項1に記載のサスペンション装置は、(1)車両の前後左右の各輪の各々に対応して、車輪保持部と車体との間にそれぞれ設けられた懸架シリンダと、(2)シリンダ本体と、そのシリンダ本体に摺動可能に嵌合され、前記前後左右の各輪に対応する懸架シリンダの液圧をそれぞれ別個に受ける4つの受圧面を備えたピストンとを含むセンタシリンダと、(3)前記前後左右の各輪に対応する懸架シリンダの各々において、作動液を供給したり、排出させたりすることにより、前記前後左右の各輪についての車高をそれぞれ制御する車高制御装置とを含むとともに、前記センタシリンダが、前記ピストンの4つの受圧面のうち、左右後輪の懸架シリンダの液圧を受ける受圧面各々の面積が、左右前輪の懸架シリンダの液圧を受ける受圧面各々の面積より大きくされたものであり、前記車高制御装置が、前記車体が左右方向に傾いている場合に、左右後輪については車高制御を行わないで左右前輪のいずれか一方について車高制御を行うことにより、前記左右方向の傾きを小さくする姿勢制御部を含むものとされる。
本項に記載のサスペンション装置において、センタシリンダには、前後左右の各輪に対応する懸架シリンダが接続されており、懸架シリンダ各々の液圧がそれぞれピストンに作用し、それら懸架シリンダの液圧により作動させられる。ピストンは、1つの段付きピストンとしても、複数のピストン部が連結されて構成されたピストン組立体としてもよく、以下、センタピストンと称する。センタピストンの4つの受圧面のうち、左右後輪の懸架シリンダの液圧を受ける受圧面(以下、後輪側受圧面と称する)各々の面積(有効受圧面積)Srが、左右前輪の懸架シリンダの液圧を受ける受圧面(以下、前輪側受圧面と称する)各々の面積(有効受圧面積)Sfより大きくされているのであり、後輪側受圧面の面積Srの前輪側の受圧面の面積Sfに対する面積比率γs(Sr/Sf)が1より大きい値とされている。
一方、車高制御においては、車高制御対象輪に対応して設けられた懸架シリンダに、作動液が供給されたり、排出させられたりすることによって、その車高制御対象輪についての車高が制御される。車輪保持部と車体との間に、懸架シリンダとサスペンションスプリングとが並列に設けられている場合には、車輪に加えられる荷重が、サスペンションスプリングの弾性力と懸架シリンダの液圧による力(実施例において説明するように、懸架シリンダに接続されたアキュムレータの弾性力)とによって支持される。そのため、荷重が一定である場合において、懸架シリンダに作動液が供給されることにより車高が高くされると、サスペンションスプリングが伸ばされ、弾性力が小さくなり、懸架シリンダの液圧が高くなる。逆に、懸架シリンダから作動液が排出させられることにより車高が低くされると、サスペンションスプリングの弾性力が大きくなり、懸架シリンダの液圧が低くなる。
そして、前後左右の車輪のうちの1輪(制御対象輪)について車高制御が行われ、その制御対象輪に対応する懸架シリンダの液圧が変化すると、センタシリンダにおいて、センタピストンが移動させられ、制御対象輪でない車輪についての車高も変化する。センタピストンにおいて、右前輪に対応する懸架シリンダの液圧を受ける前輪側受圧面と左前輪に対応する懸架シリンダの液圧を受ける前輪側受圧面とが互いに対向し、右後輪に対応する懸架シリンダの液圧を受ける後輪側受圧面と左後輪のそれの液圧を受ける後輪側受圧面とが対向した状態で設けられる場合には、前輪側、後輪側のいずれか一方の側において、左側輪と右側輪とのいずれか一方の車輪について車高制御が行われると、他方の車輪についての車高は、一方の制御対象輪についての車高の変化と同じ向きに変化する。
また、センタピストンにおいて、後輪側受圧面の各々の面積が前輪側受圧面の各々の面積より大きくされているため、センタピストンは、前輪に対応する懸架シリンダの液圧変化によっては動き難いが、後輪に対応する懸架シリンダの液圧変化に起因しては動き易い。そのため、仮に、前輪、後輪に加えられる荷重が同じで、サスペンションの諸元が同じであるとした場合において、制御対象輪についての車高制御量(車高の変化量)が同じである場合に、制御対象輪が後輪である場合には、前輪である場合より、車高制御において(車高制御が終了するまでの間において)、その制御対象輪に対応する懸架シリンダが接続されたセンタシリンダの液室における作動液の供給・排出量が多くなる。
これらの事情から、制御対象輪の車高制御量を同じにした場合に、前輪側の左右輪のいずれか一方を制御対象輪とした場合の他方の車輪についての車高の変化量が、後輪側の左右輪のいずれか一方を制御対象輪とした場合の他方の車輪についての車高の変化量より小さくなることがわかる。したがって、前輪側の左右輪の車高差が設定値以上である場合に、左右前輪のいずれか一方を制御対象輪とした場合の左右前輪の車高差の減少量(補正量)は、後輪側の左右輪の車高差が設定値以上である場合に、左右後輪のいずれか一方を制御対象輪とした場合の左右後輪の車高差の減少量より大きくなるのである。
また、車体は、剛体あるいは剛体に近い物体であるため、車体の前輪側の部分において左右方向の傾きが小さくされれば、後輪側の部分においても傾きが小さくなる。また、センタシリンダにおける前後左右の懸架シリンダの接続態様によっては、センタシリンダの作動により、車体の前輪側と後輪側とのいずれか一方の側において、左右輪のいずれか一方の車輪について車高制御が行われることにより、左右方向の傾きが小さくされれば、他方の側において、左右輪について車高制御が行われなくても、左右方向の傾きが小さくなる向きに、車高が変化させられることがある。
以上のように、前輪側、後輪側のいずれか一方の側において、左右輪の車高差を小さくすれば、車体全体の左右方向の傾きを小さくすることができるが、前述のように、左右前輪のいずれか一方について車高制御を行う方が、左右後輪のいずれか一方について車高制御を行う場合より、車体の左右方向の傾きを効果的に小さくできることがわかる。そこで、本項に記載のサスペンション装置においては、車体が左右方向に傾いている場合に、左右後輪について車高制御を行わないで左右前輪のいずれか一方の車輪について車高制御が行われるようにしたのである。
なお、以上、車輪保持部と車体との間にサスペンションスプリングと懸架シリンダとが並列に設けられた場合について説明したが、サスペンションスプリングが設けられていない場合にも事情は同じである。懸架シリンダとの間で作動液の授受が行われ、懸架シリンダの液圧に応じた弾性力が発生させられるアキュムレータが設けられている場合において、懸架シリンダに作動液が供給されれば、車高が高くなり、液圧が高くなる。
姿勢制御は、車体が左右方向に傾いた姿勢である場合に行われるのであるが、左右方向に傾いた姿勢であることを実際に検出しても検出しなくてもよい。左右方向に傾いた姿勢であると推定される場合、傾いた姿勢である可能性がある場合等に、姿勢制御が行われるようにすることもできる。例えば、車高制御が行われた後においては、左右方向に傾いた姿勢にある可能性があるとすることができる。右側車輪と左側車輪とで加えられる荷重が同じであるとは限らないため、左右輪の車高の平均値が目標車高となるように、車高制御が行われた場合には、荷重差等に起因して左右方向に傾くことがあるからである。
車両が左右方向に傾いていることは、左右輪の車高差に基づいて検出したり、ロール角に基づいて取得したりすることができる。ロール角は、車体の前後軸線回りの傾き角であり、車体が水平である場合の、その車体の上下を規定する上下方向線の鉛直軸線に対する傾き角として取得することができる。左右輪の車高差が設定値以上である場合、ロール角の絶対値が設定角度以上である場合に、姿勢制御が行われるようにすることができる。
なお、姿勢制御において、左右後輪について車高制御を行わないで左右前輪のいずれか一方の車輪について車高制御が行われた後に、左右前輪について車高制御を行わないで左右後輪のいずれか一方の車輪について車高制御が行われるようにしてもよい。左右後輪のいずれか一方の車輪についても車高制御が行われるようにすることにより、車体の左右方向の傾きをさらに小さくできる場合がある。
本願請求項6に記載のように、センタシリンダにおけるピストンについて、前後左右の車輪のうち互いに対角位置にある2つずつの車輪を含む2つの組のうち一方の組に属する2つの車輪にそれぞれ対応する懸架シリンダの液圧を受ける2つの受圧面と、他方の組に属する2つの車輪にそれぞれ対応する懸架シリンダの液圧を受ける2つの受圧面とを、互いに、反対向きに設けることができる。
センタピストンには、右前輪に対応する懸架シリンダの液圧に応じた作用力および左後輪に対応する懸架シリンダの液圧に応じた作用力と、左前輪に対応する懸架シリンダの液圧に応じた作用力および右後輪に対応する懸架シリンダに液圧に応じた作用力とが、互いに、逆向きに作用し、理論的には、これらが釣り合うように移動する。
そのため、センタピストンが移動すると、互いに対角位置にある2つずつの車輪を含む2つの組のうちの一方の組に属する2つの車輪については、車高が逆向きに変化する。例えば、車体が右側が下になる向きに傾いた姿勢にある場合において、右前輪についてアップ制御が行われた場合には、センタピストンの移動により、左前輪について車高が高くなり、右後輪について車高が高くなり、左後輪について車高が低くなる。同様に、右後輪についてアップ制御が行われた場合には、左後輪、右前輪については車高が高くなり、左前輪については車高が低くなる。その結果、前輪側、後輪側のいずれか一方の側において、左右輪のいずれか一方について車高制御が行われれば、他方の側の左右輪については車高制御を行わなくても車体の左右方向の傾きを小さくすることができる。
この場合において、制御対象輪を前輪とした場合における後輪側の車輪についての車高の変化量が、制御対象輪を後輪とした場合における前輪側の車輪についての車高の変化量より大きくなるため、制御対象輪を前輪とした場合における後輪側の傾きの減少量(左右後輪の各々についての車高変化量の差)が、制御対象輪を後輪とした場合における前輪側の傾きの減少量(左右前輪の各々についての車高変化量の差)より大きくなるのであり、制御対象輪を前輪とした方が車体の左右方向の傾きをより小さくすることができる。
請求項2に記載のサスペンション装置においては、前記姿勢制御部が、前記左右前輪についての車高差の絶対値と、前記左右後輪についての車高差の絶対値との少なくとも一方が、予め定められた設定値より大きい場合に、前記左右前輪のいずれか一方について車高制御を行う傾き大時姿勢制御部を含む。
左右前輪についての車高差の絶対値が設定値より大きい場合にも、左右後輪についての車高差の絶対値が設定値より大きい場合にも、左右前輪のいずれか一方について車高制御が行われる。換言すれば、左右後輪についての車高差の絶対値が設定値より大きく、左右前輪についての車高差の絶対値が設定値以下であっても、左右前輪のいずれか一方について車高制御が行われるのである。
請求項3に記載のサスペンション装置においては、前記姿勢制御部が、前記左右前輪のうち、実際の車高と目標車高との差の絶対値が大きい方の車輪について車高制御を行い、実際の車高を目標車高に近づける偏差依拠車高制御部を含む。
例えば、車両の右側の車輪についての左側の車輪についての目標車高より低く、かつ、右側が下になる向きで傾いている場合には、右前輪についてアップ制御が行われる。それによって、車両の前輪側においても後輪側においても左右方向の傾きを小さくすることができる。
請求項4に記載のサスペンション装置においては、前記姿勢制御部が、前記車高制御装置による車高制御が終了した後に、前記車体の左右方向の傾きを小さくするものであり、請求項5に記載のサスペンション装置においては、前記車高制御装置が、(a)前記前後左右の各輪に対応する懸架シリンダの各々における作動液の供給・排出を制御して、左右前輪の車高の平均値を目標車高に近づけるとともに、左右後輪の車高の平均値を目標車高に近づける前後独立車高制御部と、(b)前記前後左右の各輪に対応する懸架シリンダの各々における作動液の供給・排出を同時に制御して、前後左右の各輪についての車高を目標車高に近づける4輪同時車高制御部との少なくとも一方を含むものとされる。
車高制御においては、4輪同時制御と前後独立制御(左右前輪、左右後輪同時制御)との両方が行われても、いずれか一方が行われないで他方が行われるようにしてもよい。その他、4輪独立に車高制御が行われるようにすることも可能である。
4輪同時制御においては、4輪の実際の車高の平均値が目標車高で決まる制御終了しきい値に達した場合に車高制御が終了したとしたり、4輪のうちの少なくとも1輪の実際の車高が制御終了しきい値に達した場合に車高制御が終了したとしたりすること等ができる。制御終了しきい値は、目標車高H*と同じ値としても、目標車高H*と不感帯とを考慮して決まる値としてもよい。制御終了しきい値Hendは、例えば、ダウン制御時においては、目標車高H*より不感帯幅(車高差)Δhだけ大きい値(Hend=H*+Δh)とし、アップ制御時においては、車高差Δhだけ小さい値(Hend=H*−Δh)とすることができる。4輪同時車高制御が行われる場合において、4輪各々に加えられる荷重が同じでない場合には、車高制御終了後に、4輪各々についての車高が同じにならないことがある。
また、前後独立制御において、前輪側、後輪側の各々における左右輪の平均値が目標車高に近づくように車高制御が行われる。しかし、前後独立制御においては、右側輪と左側輪とで、車高が異なっていても(車体が左右方向に傾いていても)平均値が制御終了しきい値に達すると車高制御が終了させられるため、車高制御が行われた後に姿勢が左右方向に傾いている可能性がある。
さらに、各輪毎に独立に車高制御が行われる場合には、それぞれについての車高制御が行われる毎に、センタピストンが移動させられるため、4輪各々について車高制御が終了しても(1輪ずつ車高制御が行われる場合において、各々について、実際の車高が制御終了しきい値に達したことによって車高制御が終了しても)、実際には、制御終了しきい値から異なる車高になることがある。
いずれにしても、車高制御が行われた場合には、姿勢が左右方向に傾いている可能性があるのであり、車高制御が終了した後に(車高制御における終了条件が満たされた場合としたり、車高制御についての終了処理が行われた場合としたりすることができる)、姿勢制御が行われるようにすることは有効なことである。また、姿勢制御は、単独で、すなわち、車高制御とは関係なく行われるようにすることもできる。例えば、人の乗降、荷物の上げ下ろし等によって車体が左右方向に傾いた場合に、傾きを小さくするように、姿勢制御が行われるようにするのである。
姿勢制御は車高制御の一態様であるが、車高制御とは、原則として、車体の姿勢を変えることなく車高を変化させる制御であり、姿勢制御とは、姿勢が変わるように、少なくとも一輪についての車高を変化させる制御である。また、車高制御における目標車高は、走行状態、イグニッションスイッチの状態、シフト位置、車高調整指示部材の状態等に基づいて決まるが、姿勢制御における目標車高は、車体の左右方向における姿勢が水平となる大きさに決まるのが普通である。また、車高制御は、車両が停止状態にあっても、走行速度が停止状態を表す設定速度以上であっても行われるが、姿勢制御は、停止状態において行われ、走行速度が設定速度以上である場合には行われないようにすることができる。そのことから、停止状態において車高制御が行われた後に、姿勢制御が行われるようにすることができる。なお、前述のように、車高制御が行われる際に、各輪に加えられる荷重差、センタシリンダの作動等に起因して、姿勢が変化することがあるが、この場合の制御は姿勢制御と称しない。
請求項7に記載のサスペンション装置は、(1)車両の前後左右の各輪の各々に対応して、車輪保持部と車体との間にそれぞれ設けられた懸架シリンダと、(2)シリンダ本体と、そのシリンダ本体に摺動可能に嵌合され、前記前後左右の各輪に対応する懸架シリンダの液圧をそれぞれ別個に受ける4つの受圧面を備えたピストンとを含むセンタシリンダと、(3)前記前後左右の各輪に対応する懸架シリンダの各々において、作動液を供給したり、排出させたりすることにより、前記前後左右の各輪についての車高をそれぞれ制御する車高制御装置とを含むとともに、前記センタシリンダが、前記ピストンの4つの受圧面のうち、左右後輪の懸架シリンダの液圧を受ける受圧面各々の面積が、左右前輪の懸架シリンダの液圧を受ける受圧面各々の面積より大きくされたものであり、前記車高制御装置が、前記左右前輪についての車高差の絶対値が予め定められた設定値より大きい場合でも、前記左右後輪についての車高差の絶対値が前記設定値より大きい場合でも、前記左右前輪のいずれか一方について車高制御を行うことにより、前記前輪側の左右差の絶対値と後輪側の左右差の絶対値とを小さくする姿勢制御部を含むものとされる。
請求項7に記載のサスペンション装置には、請求項1〜6のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
請求項8に記載のサスペンション装置は、(a)車両の前後左右の各輪の各々に対応して、車輪保持部と車体との間にそれぞれ設けられた懸架シリンダと、(b)シリンダ本体と、そのシリンダ本体に摺動可能に嵌合され、前記前後左右の各輪に対応する懸架シリンダの液圧をそれぞれ別個に受ける4つの受圧面を備えたピストンとを含むとともに、前記ピストンの4つの受圧面のうち、左右後輪の懸架シリンダの液圧を受ける受圧面各々の面積が、左右前輪の懸架シリンダの液圧を受ける受圧面各々の面積より大きくされたセンタシリンダとを含むものとされる。
前輪、後輪のロール剛性は、各輪毎に加えられる荷重が変わったり、ばね定数が可変である場合においてばね定数が変わったりすると変化する。
それに対して、センタシリンダを設け、前輪側受圧面の面積が後輪側受圧面の面積より小さくされれば、前輪側において後輪側におけるより、ロール剛性を大きくすることができる。また、センタシリンダによれば、前後左右のそれぞれの車輪についての車高の変化の向き、車高変化量の大きさに関連を持たせることができる。
以上の事情を考慮して、本サスペンション装置においては、前輪側受圧面の面積Sfが後輪側受圧面の面積Srより小さくされて{後輪側受圧面の面積Srの前輪側受圧面の面積Sfに対する比率(面積比率)γs(=Sr/Sf)が1より大きい値とされて}、前輪のロール剛性Gfが後輪のロール剛性Grより大きくされる。また、面積比率γsは、前後ロール剛性配分比γg(Gf/Gr)が、たとえ、荷重、ばね定数等が変化しても、1より大きい予め定められた所望の一定の値となるように設計される。前後ロール剛性配分比γgが1より大きい値とされれば、ステア特性をアンダステア特性とすることができる。
面積比率γsは、例えば、1.2以上、1.5以上、1.8以上、2.0以上、2.2以上、2.5以上、2.8以上、3.0以上等とすることができる。
請求項8に記載のサスペンション装置には、請求項1〜7のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
以下、本発明の一実施例としてのサスペンション装置を、図面に基づいて詳細に説明する。
本サスペンション装置は、図1に示すように、前後左右輪4FL、FR、RL、RRの各々において、車輪4を保持する車輪保持装置6FL、FR、RL、RRと車体8との間に、それぞれ、懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRがサスペンションスプリング21とともに設けられる。懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRは流体としての作動液により作動させられる。以下、車輪位置で区別する必要がある場合には、車輪位置を表す符号FL、FR、RL、RRを付して使用し、区別する必要がない場合に符号を付さないで使用する。
懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRは、互いに構造が同じものであり、それぞれ、ハウジング11と、ハウジング11の内部を相対移動可能に嵌合されたピストン12と、ピストンロッド14とを含み、ピストンロッド14が車体8に、ハウジング11が車輪保持装置6に、それぞれ上下方向に相対移動不能に連結される。ピストン12には、そのピストン12により仕切られた2つの液室16,18を連通させる連通路20が設けられ、連通路20には絞りが設けられる。絞りにより、ピストン12のハウジング11に対する相対移動速度(絞りを流れる作動液の流速)に応じた減衰力が発生させられる。懸架シリンダ10はショックアブソーバとして機能する。
図1に示すように、ピストンロッド14は、サスペンションスプリング21を保持するスプリングリテーナ22にゴム等の弾性部材を介して取り付けられ、スプリングリテーナ22が車体8に上下方向に相対移動不能に取り付けられる。また、スプリングリテーナ22には、バウンド側ストッパ24が取り付けられる。バウンド側ストッパ24にシリンダ本体11の外側上端面26が当接することによってバウンド側の移動限度が規定される。
それに対して、ピストン12のピストンロッド14が設けられた側にはリバウンド側ストッパ28が設けられる。リバウンド側ストッパ28に本体11の内側上端面30が当接することにより、リバウンド側の移動限度が規定される。
懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRの液室16には、それぞれ、個別通路32FL、FR、RL、RRが接続される。
左右前輪4FL、FRにおいて、懸架シリンダ10FL、FRの各々に対応して、互いに並列に3つずつのアキュムレータ34FL,FR、アキュムレータ35FL,FRおよびアキュムレータ36FL,FRが接続される。これらアキュムレータ34、35、36は、いずれもばねとしての機能を有するものであり、例えば、ハウジングとそのハウジングの内側を仕切る仕切部材とを含み、その仕切部材の一方の容積変化室に個別通路32が連通させられ、他方の容積変化室に弾性体が設けられたものであり、一方の容積変化室の容積の増加に起因して他方の容積変化室の容積が減少し、それによって弾性力を発生させるものとすることができる。アキュムレータ34,35、36は、ベローズ式のものとしたり、ブラダ式のものとしたり、ピストン式のものとしたりすること等ができる。本実施例において、アキュムレータ34は、アキュムレータ35よりばね定数が小さいものとされており、以下、アキュムレータ34を低圧アキュムレータと称し、アキュムレータ35を高圧アキュムレータと称する。また、アキュムレータ36は、アキュムレータ34,35よりセット荷重が大きいものであり、リリーフ用アキュムレータとして機能する。さらに、低圧アキュムレータ34FL,FRと個別通路32FL,FRとの間には、ばね定数切換弁38FL,FRが設けられる。
また、図1に示すように、左右前輪4FL、FRの各々について、リリーフ用アキュムレータ36が低圧、高圧アキュムレータ34,35より上流側、すなわち、懸架シリンダ10に近い側に設けられる。その結果、個別通路32に脈動が生じ難くすることができ、懸架シリンダ10の作動が不安定になることを回避することができる。
左右後輪4RL、RRにおいて、懸架シリンダ10RL、RRの各々に対応して、低圧アキュムレータ34RL,RRおよびリリーフ用アキュムレータ36RL,RRが接続される。懸架シリンダ10RL,RRには、高圧アキュムレータ35が設けられておらず、低圧アキュムレータ34と個別通路32RL、RRとの間にはばね定数切換弁38も設けられていない。
個別通路32FL、FR、RL、RRには、それぞれ、可変絞り40FL、FR、RL、RRが設けられる。前述のように、車輪保持装置6の車体8に対する相対的な上下動により液室16において作動液が流入・流出させられるが、この場合に、可変絞り40によって個別通路32の流路面積が制御されることにより、懸架シリンダ10において発生させられる減衰力が制御される。本実施例においては、可変絞り40等により減衰力調整機構が構成される。
懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRの各々は、個別通路32FL、FR、RL、RRを介してセンタシリンダ48に接続される。センタシリンダ48は、センタピストン50と、そのセンタピストン50を液密かつ摺動可能に収容するシリンダハウジング51とを含む。
シリンダハウジング51は中央部が大径部とされ、それの両側が小径部とされた段付き状のシリンダボアを備え、そのシリンダボアに、中央部が大径部53とされ、それの両側に小径部54,55が設けられた段付き形状を成したセンタピストン50が嵌合され、それによって、ハウジング51内に4つの液室56〜59が形成される。
シリンダボアの大径部に段付きピストン50の大径部(以下、大径ピストンと称する)53が嵌合され、シリンダボアの小径部に段付きピストン50の小径部(以下、小径ピストンと称する)54,55が嵌合される。大径ピストン53の両側に形成された液室56,57には、右後輪4RR、左後輪4RLの懸架シリンダ10RR、RLがそれぞれ接続され、小径ピストン54,55に対向する液室58,59には、左前輪4FL,右前輪4FRの懸架シリンダ10FL、FRがそれぞれ接続される。以下、液室56,57を後輪側液室と称し、液室58,59を前輪側液室と称する。
また、後輪側液室56に対向する大径ピストン53の受圧面60には、右後輪4RRの懸架シリンダ10RRの液圧が作用し、前輪側液室58に対向する小径ピストン54の受圧面62には、左前輪4FLの懸架シリンダ10FLの液圧が作用する。また、後輪側液室56に対向する大径ピストン53の受圧面61には左後輪4RLの懸架シリンダ10RLの液圧が作用し、前輪側液室59に対向する小径ピストン55の受圧面63には右前輪4FRの懸架シリンダ10FRが作用する。以下、受圧面60,61を後輪側受圧面と称し、受圧面62,63を前輪側受圧面と称する。
また、図1に示すように、受圧面60,62は同じ向きに設けられるとともに、受圧面61,63は同じ向きに設けられ、かつ、受圧面60,62と受圧面61,63とは互いに逆向きに設けられる。そして、同じ向きに設けられた受圧面には、それぞれ、互いに対角位置にある2つの車輪に対応する懸架シリンダ10が接続されている。
したがって、センタピストン50において、同じ側(同じ向き)に右前輪4FRの懸架シリンダ10FRに応じた力と、左後輪4RLの懸架シリンダ10RLの液圧に応じた力とを受け、これらと反対側(反対向き)に、左前輪4FLの懸架シリンダ10FLに応じた力と右後輪4RRの懸架シリンダ10RRの液圧に応じた力とを受け、これらが釣り合うように移動させられる。
なお、後輪側受圧面60,61の面積(有効受圧面積)Srは、前輪側受圧面62,63の面積(有効受圧面積)Sfより大きくされており(Sr>Sf)、これらの面積比率γs(Sr/Sf)が1より大きい値とされている。
換言すれば、大径ピストン53の外径(シリンダボアの大径部の内径)Drは、小径ピストン54,55の外径(シリンダボアの小径部の内径)Df、面積比率γs(γs>1)とした場合に、
Sf=(π・Df2)/4
Sr={π・(Dr2−Df2)}/4
Dr=Df・√(γs+1)
で表される大きさとされる。
また、センタシリンダ48において。小径ピストン54,55とハウジング51の端面との間には、それぞれ、リターンスプリング71,72が設けられる。
本実施例においては、後輪側受圧面60,61の面積Srの前輪側受圧面62,63の面積Sfに対する面積比率γs(Sr/Sf)の値が、前後ロール剛性配分比γgが1より大きい所望の値となるように決められている。
ロール剛性G(ロール剛性の値であり、ロール剛性値と称する)は、ロールセンタ回りのモーメントMをロール角φで除した値であり、式
G=M/φ
で表され、前輪ロール剛性値Gf、後輪ロール剛性値Grは、それぞれ、式
Gf=Mf/φf
Gr=Mr/φr
で表され、前後ロール剛性配分比γgは、式
γg=Gf/Gr
で表される。
これら前輪ロール剛性値Gf、後輪ロール剛性値Grは、それぞれ、前輪側、後輪側のサスペンションの諸元、前輪側、後輪側に加えられる荷重等で決まる。また、サスペンションの諸元のうち、サスペンションスプリング21のばね定数、前輪側、後輪側のそれぞれにおける低圧アキュムレータ34のばね定数、前輪側の高圧アキュムレータ35のばね定数等は設計上予め定められているが、前輪側のアキュムレータ34,35によるばね定数はばね定数切換弁38の開閉制御により可変とされている。また、各輪4FL、FR、RL、RRに加えられる荷重は、人の乗り降り、荷物の上げ下ろし等によって変わる。そして、ばね定数や荷重が変わると、前輪側、後輪側のホイールレートが変わり、それによって、ロール剛性値が変わる。
一方、図4に示すように、センタシリンダ48において、車両のローリングに起因してセンタピストン50が移動させられると、そのセンタピストン50の移動に起因して、各輪4FL、FR、RL、RRについての車高が変化する。また、後輪受圧面60,61の面積Srが前輪受圧面62,63の面積Sfより大きくされているため、前輪側においては後輪側における場合より、ロール剛性が大きくなる。
例えば、センタシリンダ48が設けられていない場合において、後輪側に荷物が積載されており、後輪側に加えられる荷重が前輪側に加えられる荷重より大きく、かつ、前輪側においてばね定数切換弁38が開状態にある場合(前輪側においてばね定数が小さい状態にある場合)には、後輪側における方が前輪側におけるよりホイールレートが大きくなり、後輪ロール剛性値Grが前輪ロール剛性値Gfより大きくなる(Gr>Gf)。
それに対して、センタシリンダ48が設けられた場合において、車体8が右側が下になる向きに傾いた場合には、センタピストン50は図1の右方へ移動させられると推定される。ローリングに起因する左右方向の荷重移動により、右前輪4FR、右後輪4RRに加えられる荷重が大きくなるため、懸架シリンダ10FR、RRの液圧が高くなる。この場合において、後輪側に加えられる荷重は前輪側に加えられる荷重より大きいため、懸架シリンダ10RRの液圧が懸架シリンダ10FRの液圧より高くなると推定される。その結果、後輪側液室56の液圧が高くなり、センタピストン50が右方へ移動させられると推定されるのである。このセンタピストン50の移動により、前輪側液室58,後輪側液室56の容積が大きくなり、前輪側液室59,後輪側液室57の容積が小さくなる。懸架シリンダ10FL,10RRから作動液が流出するとともに懸架シリンダ10FR,10RLに流入し、図4の破線が示すように、左前輪4FL、右後輪4RRについての車高が低くなり、右前輪4FR、左後輪RLについての車高が高くなる。
このように、車体8が完全な剛体ではないと仮定した場合、センタシリンダ48の作動により、右後輪4RRについての車高が低くなり、左後輪4RLについての車高が高くなるため、後輪側においてはロール角φrが大きくなる。また、右前輪4FRについての車高が高くなって、左前輪4FLについての車高が低くなるため、前輪側においてロール角φfが小さくなる。センタシリンダ48が設けられていない場合に比較して、後輪ロール剛性値Grが小さくなり、前輪ロール剛性値Gfが大きくなるのである。
また、後輪側受圧面60,61の面積Srが前輪側受圧面62,63の面積Sfより大きくされているため、後輪側における車高の変化量が前輪側の車高の変化量より大きくなり、後輪側のロール角φrの増加量は前輪側のロール角φfの減少量より大きくなる。
これら前輪側のロール角φfの減少量と後輪側のロール角φrの増加量との比率は、後輪側受圧面60,61の面積Srの前輪側受圧面62,63の面積Sfに対する面積比率γsが大きいほど大きくなる。そのことから、前後ロール剛性配分比γgは、面積比率γsの影響を受けることがわかる。
また、センタシリンダ48が設けられていない場合において、前輪側に加えられる荷重が後輪側に加えられる荷重より大きく、かつ、前輪側においてばね定数切換弁38が閉状態にある場合(前輪側においてばね定数が大きい状態)には、前輪側において後輪側におけるよりホイールレートが大きくなり、前輪ロール剛性値Gfが後輪ロール剛性値Grより大きくなる(Gf>Gr)。
それに対して、センタシリンダ48が設けられている場合において、ローリングにより車体8が右側が下になる向きに傾いた場合には、センタピストン50が図1の左方へ移動すると推定される。左右方向の荷重移動により、右前輪4FR、右後輪4RRに加えられる荷重が大きくなるが、前輪側におけるばね定数が後輪側におけるばね定数より大きいため、右前輪4FRの懸架シリンダ10FRの液圧が高くなり、後輪側受圧面60,61の面積Srが前輪側受圧面62,63の面積Sfより大きくても、センタピストン50は左方へ移動させられると考えられる。
このセンタピストン50の移動により、前輪側液室58,後輪側液室56の容積が小さくなり、前輪側液室59,後輪側液室57の容積が大きくなるのであり、懸架シリンダ10FL,10RRへ作動液が流入し、懸架シリンダ10FR,10RLから作動液が流出する。その結果、図4の一点鎖線が示すように、左前輪4FL、右後輪RRについての車高が高くなり、右前輪4FR、左後輪RLについての車高が低くなる。前輪側においてはロール角φrが大きくなり、後輪側においてはロール角φfが小さくなる。しかし、前輪側におけるロール角φfの増加量は後輪側におけるロール角φrの減少量より小さいため、センタシリンダ48が設けられていない場合に比較して、後輪ロール剛性値Grが大きくなり、前輪ロール剛性値Gfが小さくなるが、前輪ロール剛性値Gfの減少量も小さくなる。センタシリンダ48の作動により、後輪側に高圧アキュムレータ35を設けなくても、後輪ロール剛性値Grを大きくすることができるのである。
以上のように、後輪側受圧面60,61の面積の前輪側受圧面62,63の面積に対する面積比率γsの値が変わると、前輪ロール剛性値Gf、後輪ロール剛性値Grが変わり、前後ロール剛性配分比γgが変わる。
そして、本実施例においては、前輪側、後輪側に加えられる荷重、ばね定数等が変化しても、前後ロール剛性配分比γgが常に一定の1より大きい所望の値となるように、面積比率γsが設計されているのである。
本サスペンション装置には、作動液給排装置74が設けられる。作動液給排装置74は、高圧源76、低圧源78としてのリザーバ、個別制御弁装置80等を含む。
高圧源76は、ポンプ81とポンプモータ82とを備えたポンプ装置84、蓄圧用アキュムレータ86等を含む。ポンプ装置84,蓄圧用アキュムレータ86等は制御通路88に設けられる。ポンプ81によってリザーバ78の作動液が汲み上げられて吐出され、蓄圧用アキュムレータ86において加圧した状態で蓄えられる。蓄圧用アキュムレータ86は常閉の電磁開閉弁である蓄圧制御弁90を介して制御通路88に接続される。制御通路88には、液圧センサ92が設けられる。液圧センサ92によれば、ポンプ81の吐出圧やアキュムレータ圧を検出することができる。また、ポンプ81の作動状態において、制御通路88の液圧と懸架シリンダ10の液圧とが同じ場合には、懸架シリンダ10の液圧を検出することもできる。本実施例においては、高圧源76,低圧源78等により液圧源98が構成される。
制御通路88のポンプ81の吐出側には、逆止弁94,消音用アキュムレータ(脈動減衰用アキュムレータ)96が設けられる。また、ポンプ81の高圧側とリザーバ78とを接続する流出通路104が設けられ、流出通路104に流出制御弁106が設けられる。
流出制御弁106は、ポンプ81の吐出圧をパイロット圧とするメカ式の開閉弁である。ポンプ81の非作動時には開状態にあるが、ポンプ81の作動により吐出圧が高くなると閉状態とされる。ポンプ81は、ギアポンプである。
車高制御弁装置80は、個別制御通路108FL、FR、RL、RRに設けられた車高制御弁110FL、FR、RL、RRを含む。個別制御通路108FL、FR、RL、RRは制御通路88と懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRとをそれぞれ接続する通路である。個別制御通路108FL、FR、RL、RRは、個別通路32FL、FR、RL、RRに接続されても、センタシリンダ48の液室58,59,57,56に接続されても、懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRに接続されてもよい。また、個別制御通路108FL、FRを接続する前輪側左右連通路111に左右連通弁112が設けられ、個別制御通路108RL、RRを接続する後輪側左右連通路113に左右連通弁114が設けられる。本実施例においては、個別制御通路108と個別通路32とによって、懸架シリンダ10と制御圧通路88とがそれぞれ接続される。
これら車高制御弁110FL、FR、RL、RR、左右連通弁112,114は、常閉の電磁開閉弁であり、左右連通弁112,114の閉状態において車高制御弁110FL、FR、RL、RRを個別に制御することにより、各車輪4FL、FR、RL、RRの各々において、車輪保持装置6FL、FR、RL、RRとそれに対応する車体8の部分(懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRに対応する部分)との間の距離である車高が独立に制御可能とされる。
本サスペンション装置は、コンピュータを主体とするサスペンションECU200によって制御される。サスペンションECU200は、実行部204,記憶部206,入出力部208等を含み、入出力部208には、ばね定数切換弁38、可変絞り40、作動液給排装置74(蓄圧用制御弁90,車高制御弁110,左右連通弁112、114のコイル、ポンプモータ82等)が図示しない駆動回路を介して接続されるとともに、流体圧センサ92,前後左右の各輪毎に設けられ、車高をそれぞれ検出する車高センサ220,車高調整モード選択スイッチ224,車高調整指示スイッチ226、車両状態検出装置228等がそれぞれ接続される。サスペンションECU200は、本実施例に係るサスペンション装置においては、主として、作動液給排装置74に制御指令を出力するECUであるため、車高制御ECU200と称することもできる。
車高調整モード選択スイッチ224は、運転者によって操作されるものであり、スイッチ224の操作により、自動モードとマニュアルモードとのいずれか一方が選択される。
車高調整指示スイッチ226は、車高を増大させる場合、車高を減少させる場合等に操作されるスイッチで、運転者のマニュアル操作によって切り換えられる。
車両状態検出装置228は、車輪速センサ、ヨーレイトセンサ等の車両の走行状態を検出したり、イグニッションスイッチ、シフト操作部材の位置を検出するシフト位置センサ等の車両の状態を検出したりするものである。
記憶部206には、図2のフローチャートで表される姿勢制御付き車高制御プログラム等が記憶される。
以上のように構成されたサスペンション装置における作動について説明する。
懸架シリンダ10の各々において、減衰特性が可変絞り40の制御により制御される。
可変絞り40により個別通路32の流路面積が小さくされた場合には、サスペンションの硬さがハード(車輪と車体との上下方向の相対移動速度が同じ場合の減衰力が大きくなる状態)となり、流路面積が大きくされた場合にはソフト(相対移動速度が同じ場合の減衰力が小さくなる状態)となる。サスペンションの硬さは、図示しないモード選択スイッチの運転者による操作に応じて切り換えられるが、車両の走行状態に基づいて制御されるようにすることもできる。
また、ばね定数切換弁38の制御によりばね定数が切り換えられる。
左右前輪4FL、FRにおいて、ばね定数切換弁38が開状態とされた場合には、液室16に2つのアキュムレータ34,35が連通させられて、ばね定数が小さい状態とされ、ばね定数切換弁38が閉状態とされた場合には、液室16から低圧アキュムレータ34が遮断されて高圧アキュムレータ35が連通させられるため、ばね定数が大きい状態とされる。
センタシリンダ48の作動によりピッチング、ローリングが抑制され、アーティキュレーションが許容される。
センタシリンダ48において、センタピストン50には、各車輪に設けられた懸架シリンダ10の液圧に応じた力(その液圧と、それに対応する受圧面の受圧面積との積で表される力)が作用し、原則として、静止状態においては、これらが釣り合っている。
ピッチングが生じた場合、例えば、車両の前側において車輪保持装置6と車体8との間の距離が減少して後側において増大した場合(例えば、制動した場合等)には、左右前輪4FL,4FRの懸架シリンダ10FL,10FRの液圧が高くなり、左右後輪4RL,4RRの懸架シリンダ10RL,10RRの液圧が低くなる。そのため、前輪側液室58,59に対向する受圧面62,63に作用する液圧が高くなり、後輪側液室56,57に対向する受圧面60,61に作用する液圧が低くなる。この場合には、センタピストン50に作用する力の釣り合いの状態は変わらないため、センタピストン50の移動が抑制され、各懸架シリンダ10は、それぞれ独立しているに等しい状態となり、大きな減衰力が発生させられ、車両のピッチングが効果的に抑制される。
ローリングが生じた場合、例えば、車両の左側において車輪保持装置6と車体8との間の距離が増大して右側において減少した場合(例えば、左旋回時等の場合)には、左前輪4FL、左後輪4RLの懸架シリンダ10FL,10RLの液圧が低くなり、右前輪4FR、右後輪4RRの懸架シリンダ10FR,10RRの液圧が高くなる。それに応じ、受圧面62,61に作用する液圧が低くなり、受圧面63,60に作用する液圧が高くなる。ローリング時にセンタピストン50に作用する力の釣り合い状態が変わらない場合には、各懸架シリンダ10は、それぞれ独立しているに近い状態(極端に言えば、センタシリンダ48がなきに等しい状態)となり、ピストン12の移動に伴って懸架シリンダ10の各々において大きい減衰力が発生させられて、ローリングが効果的に抑制される。
それに対して、ローリングに起因する各懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRの液圧変化により、センタピストン50の釣り合い状態が変わると、それによって、センタピストン50が移動させられる。例えば、後輪側に荷物が積載されており、後輪側に加えられる荷重が前輪側に加えられる荷重より大きく、かつ、前輪側においてばね定数切換弁38が開状態にある場合においてローリングが生じると、センタピストン50が図1の右方へ移動させられる。また、前輪側に加えられる荷重が後輪側に加えられる荷重より大きく、かつ、前輪側においてばね定数切換弁38が閉状態にある場合には、センタピストン50は図1の左方へ移動させられる。
いずれにしても、後輪ロール剛性値Grが前輪ロール剛性値Gfより小さく、前後ロール剛性配分比γgが1より設定値となる。その結果、ステア特性をアンダステア特性とすることができ、旋回時の走行安定性を向上させることができる。
アーティキュレーションが生じた場合、すなわち、路面から、前後左右の車輪の1つに入力が加わった場合、例えば、左前輪4FLに設けられた懸架シリンダ10FLに車輪保持装置6と車体8との間の距離を小さくする力が加わった場合(例えば左前輪FLが路面の隆起に乗り上げたような場合)あるいは車体8の対角位置にある車輪にそれらを同相移動させる力、例えば、懸架シリンダ10FL,10RRに車輪保持装置6と車体8との間隔を小さくする力が加わった場合には、懸架シリンダ10FL,10RRの液圧が高くなり、懸架シリンダ10FR,10RLの液圧が低くなる。これに伴い、受圧面62,60に作用する液圧が高くなり、受圧面61,63に作用する液圧が低くなる。それによって、センタピストン50は、図1において右方へ移動する。その結果、前輪側液室58,後輪側液室56の容積が大きくなり、前輪側液室59,後輪側液室57の容積が小さくなる。したがって、懸架シリンダ10FL,10RRから作動液が流出するとともに懸架シリンダ10FR,10RLに流入し、あたかも、センタシリンダ48を介して2つの懸架シリンダ10FL,10RRと2つの懸架シリンダ10FR,10RLとが連通させられ、それらの間で作動液の授受が行われるに等しい状態となる。
4つの車輪4FL,FR,RL,RRに対応する車高が作動液給排装置74により制御される。左右連通弁112,114、車高制御弁110は、通常は、図示する原位置にある。制御対象輪についての実際の車高が目標車高で決まる範囲内に入るように車高制御が行われる。
例えば、左前輪4FLについて、車輪保持装置6FLと車体8の左前輪4FLに対応する部分との間の距離である車高を大きくする制御(以下、アップ制御と称する)が行われる場合には、ポンプモータ82の駆動によりポンプ81が作動させられ、車高制御弁110FLが開状態とされる。ポンプ81の作動により流出制御弁106が閉状態とされるため、ポンプ81と蓄圧用アキュムレータ86との少なくとも一方から吐出された作動液が懸架シリンダ10FLに供給され、車高が高くされる。
実際の車高が目標車高で決まる制御終了しきい値に達すると、車高制御弁110FLが閉状態とされ、ポンプモータ82が停止させられる。目標車高で決まる制御終了しきい値は、目標車高H*としたり、目標車高H*と不感帯幅に対応する車高差Δhとで決まる値としたりすることができる。本実施例におけるアップ制御においては、制御終了しきい値が目標車高H*から車高差Δhを引いた下限値(H*−Δh)とされて、実際の車高が制御終了しきい値に達した場合に、車高制御弁110FLが閉状態とされる。
アップ制御における車高制御開始処理は、ポンプモータ82を始動させるとともに、制御対象輪に対応する車高制御弁110を開状態に切り換えることであり、車高制御終了処理は、制御対象輪に対応する車高制御弁110を閉状態に切り換えるとともにポンプモータ82を停止させることである。また、制御対象輪の各々について、実際の車高が制御終了しきい値に達した場合に車高制御弁110が閉状態に切り換えられるが、すべての制御対象輪について、それぞれ、実際の車高が制御終了しきい値に達した場合に車高制御終了条件が満たされたとされて、車高制御終了処理が行われる。
車高を小さくする制御(以下、ダウン制御と称する)が行われる場合には、車高制御弁110FLが開状態とされる。ポンプ81は停止状態にあるため、流出制御弁106は開状態にある。懸架シリンダ10FLからリザーバ78に作動液が流出させられ、実際の車高が制御終了しきい値に達すると、車高制御弁110FLが閉状態とされる。制御終了しきい値は、目標車高H*としても、目標車高H*に不感帯幅で決まる車高差Δhを加えた上限値(H*+Δh)としてもよい。ダウン制御においては、車高制御開始処理が制御対象輪に対する車高制御弁110を開状態に切り換えることであり、車高制御終了処理が車高制御弁110を閉状態に切り換えることである。制御対象輪の各々について、実際の車高が制御終了しきい値に達した場合に車高制御弁110が閉状態に切り換えられるが、すべての制御対象輪について、それぞれ、実際の車高が制御終了しきい値に達した場合に車高制御終了条件が満たされたとされて、車高制御終了処理(その制御対象輪についての車高制御弁が閉状態とされる)が行われる。
前述の目標車高で決まる範囲は、これら下限値(H*−Δh)と上限値(H*+Δh)とで決まる範囲である。
車高制御は、4輪同時に行われる場合、前後独立(左右前輪4FL、FR、左右後輪4RL、RRの各々について)に行われる場合等がある。4輪同時制御が行われる場合には、4輪のうち、少なくとも1輪についての実際の車高Hij(i=F、R、j=L、R)が制御終了しきい値に達すると、車高制御弁110FL、FR、RL、RRすべてが開状態とされる。前後独立制御が行われる場合(前後2輪ずつ行われる場合)には、左右前輪4FL、FRについて、これらの実際の車高HFL、HFRの平均値{(HFL+HFR)/2}が制御終了しきい値に達すると車高制御弁110FL、FRが閉状態に切り換えられ、左右後輪4RL、RRの実際の車高HFL、HFRの平均値{(HFL+HFR)/2}が制御終了しきい値に達すると車高制御弁110RL、RRが閉状態に切り換えられる。
車高制御要求は、車高調整モード選択スイッチ224によって自動モードが選択されている場合において、車両状態に基づき、予め定められた条件が満たされた場合に、満たされる。また、マニュアルモードが選択されている場合においては、車高調整指示スイッチ226が操作された場合に満たされる。そして、目標車高H*は、車両状態(乗降制御において、シフト位置、イグニッションスイッチの状態、走行状態において、車両の走行速度)に基づいて決まる場合、車高調整指示スイッチ226の操作状態で決まる場合等がある。
4輪同時車高制御、あるいは、前後独立車高制御が行われる場合には、各輪に加えられる荷重差等に起因して、車高制御が終了した場合に、車体が左右方向に傾ている可能性がある。そこで、本実施例においては、車高制御が終了した場合に、姿勢制御が行われるのである。
姿勢制御においては、左右前輪4FL、FRのうち、実車高HFjと目標車高H*との差の絶対値が大きい方の車輪が制御対象輪とされる。左右後輪4RL、RRが制御対象輪とされることはない。
例えば、車体が左側が下になる向きに傾いている場合において、左前輪4FLについても右前輪4FRについても実車高HFjが目標車高H*より低い場合には、制御対象輪が左前輪4FLとされる。また、右前輪4FRについては実車高HFjが目標車高H*より高くても、左前輪4FLの方が、右前輪4FRにおけるより車高偏差の絶対値が大きい場合(|H*−HFL|>|H*−HFR|)には、左前輪4FLが制御対象輪とされる。
左前輪4FLについてアップ制御が行われると、センタシリンダ48の作動により、制御対象輪ではない他の車輪4FR、RL、RRについての車高は、図5に示すように変化する。左前輪4FLについてアップ制御が行われると、懸架シリンダ10FLの液圧が高くなり、前輪側液室58の液圧が高くなるため、センタピストン50が図1の右方へ移動させられる。その結果、右前輪4FR、左後輪4RLの車高が高くなり、右後輪4RRの車高が低くなる。また、センタシリンダ48において、後輪側受圧面60,61の面積は、前輪側受圧面62,63の面積より大きいため、右前輪4FRについての車高変化量より、左右後輪4RL、RRについての車高変化量の方が大きくなる。
その結果、図5に示すように、左右前輪4FL、FRについては、いずれも車高が高くなるが、右前輪4FRについての車高の変化量は小さいため、左右前輪4FL、FR各々についての車高の変化量の差が大きくなり、前輪側について車体の左右方向の傾きが小さくなる(傾きの補正量が大きくなる)。また、左右後輪4RL、RRについては右後輪についての車高が小さくなり、左後輪についての車高が大きくなり、それらの車高の変化量が大きいため、左右方向の傾きが小さくなる(傾きの補正量が大きくなる)。
それに対して、仮に、左後輪4RLについてアップ制御が行われた場合に他の車輪4FL、FR、RRについての車高の変化の状態を図6に示す。左後輪4RLについてのアップ制御により、懸架シリンダ10RLの液圧が高くなり、後輪側液室57の液圧が高くなるため、センタピストン50が図1の左方へ移動させられる。それによって、右前輪4FRについての車高が低くなり、右後輪4RR、左前輪4FLについての車高が高くなる。また、後輪側受圧面60,61の面積が前輪側受圧面62,63の面積より大きいため、左右前輪4FL、FRについての車高変化量より、左後輪4RLについての車高変化量の方が大きくなる。
その結果、図6に示すように、右後輪4RRについての車高変化量が大きいため、左右後輪4RL、RRについての車高の変化量の差が小さい。左右前輪4FL、FRについては、車高の変化の向きが逆になるが、車高の変化量自体が小さい。
また、センタピストン50において、後輪側受圧面60,61の面積Srが前輪側受圧面62,63の面積Sfより大きくされているため、センタピストン50は、左右前輪4FL、FRに対応する懸架シリンダ10FL、FRの液圧変化によっては動き難いが、左右後輪4RL、RRに対応する懸架シリンダ10RL、RRの液圧変化に起因しては動き易くされている。そのため、制御対象輪についての車高制御量(車高の変化量)が同じである場合において、車高制御中に(車高制御が終了するまでの間に)、制御対象輪が左右前輪4FL、FRのいずれかである場合におけるセンタシリンダ48の前輪側液室58,59における作動液の供給・排出量は、制御対象輪が左右後輪4RL、RRのいずれかである場合における後輪側液室56,57における作動液の供給・排出量より少なくなる。そのため、図5に示す場合と図6に示す場合とで、左前輪4FLについての車高制御量と、左後輪4RLについての車高制御量とを同じにした場合に、右前輪4FRについての車高の変化量が、右後輪4RRについての車高変化量より小さくなる。
また、車体8は完全な剛体ではないが、剛体に近い物体であると考えることができる。
したがって、これらのことから、車体8が左右方向に傾いていた場合に、制御対象輪を左右前輪4FL、FRのいずれか一方の車輪とした方が、左右後輪4RL、RRのいずれか一方の車輪とするより、効果的に、車体8の左右方向の傾きを小さくすることができることがわかる。
以上の事情から、本実施例においては、姿勢制御において、左右後輪4RL、RRについては車高制御が行われないで、左右前輪4FL、FRのいずれか一方について車高制御が行われる。
図2のフローチャートで表される姿勢制御付き車高制御プログラムは、予め定められた設定時間毎に実行される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、車高制御要求が有るか否かが判定され、車高制御要求が有る場合には、S2において車高制御が行われ、その後、S3〜14において姿勢制御が行われる。
S2の車高制御は、図3のフローチャートで表される車高制御ルーチンに従って実行される。車高制御は、4輪同時に行われるようにしても、前輪側、後輪側のそれぞれについて別個に行われるようにしても、これらの両方が順番に行われるようにしてもよい。本実施例においては、4輪同時制御、前後独立制御の両方が、この順番で行われる。
S21において、4輪同時車高制御開始処理が行われ、S22〜24において、4輪同時車高制御が行われる。
4輪同時車高制御においてアップ制御が行われる場合には、車高制御開始処理において、ポンプモータ82が始動させられるとともに車高制御弁110FL、FR、RL、RRが開状態とされる。ダウン制御が行われる場合には、車高制御弁110FL、FR、RL、RRが開状態とされる。S22において、前後左右輪4FL、FR、RL、RRについて車高が検出され、S23において、4輪のうちの少なくとも1輪の実車高Hijが制御終了しきい値に達したか否かが判定される。制御終了しきい値は、前述のように、アップ制御においては下限値(H*−Δh)とされ、ダウン制御においては上限値(H*+Δh)とされる。少なくとも1輪の実車高が制御終了しきい値に達すると、終了条件が満たされたとされて、S23の判定がYESとなり、S24において、すべての車高制御弁110FL、FR、RL、RRが閉状態とされる。
なお、4輪同時車高制御において、前後左右の車輪4FL、FR、RL、RRの実車高の平均値が制御終了しきい値に達した場合に終了条件が満たされたとすることもできる。
次に、前後独立制御が行われる。左右前輪4FL、FRについて車高制御が行われ、左右後輪4RL、RRについて車高制御が行われる。
S25〜28において、左右前輪4FL、FRについて、車高制御弁110FL、FRが開状態とされ、実際の左右前輪4FL、FRの車高値HFL、FRが検出され、これら車高値の平均値{(HFL+HFR)/2}が目標車高HF*で決まる制御終了しきい値に達すると、車高制御弁110FL、FRが閉状態とされる。次に、S29〜S32において、左右後輪4RL、RRについて、車高制御弁110RL、RRが開状態とされ、実際の左右後輪4RL、RRの車高値HR、LRRが検出され、これら車高値の平均値{(HRL+HRR)/2}が目標車高HR*で決まる制御終了しきい値に達すると、車高制御弁110FL、FRが閉状態とされる。これによって、一回(一連)の車高制御が終了させられる。通常の車高制御においては、S32において、車高制御終了処理も行われるのであるが、本実施例においては、この後、姿勢制御が行われるため、姿勢制御が終了した後に、車高制御終了処理が行われることになる。
なお、S32において、車高制御終了処理が行われるようにすることも可能である。
姿勢制御において、図2のフローチャートで表される車高制御・姿勢制御プログラムのS3〜5において、姿勢制御における制御対象輪が決定される。S3において、左右前輪4FL、FRについて車高が検出され、それぞれ、目標車高との差の絶対値(車高偏差の絶対値)が取得される。
ΔHFR=|HF*−HFR|
ΔHFL=|HF*−HFL|
そして、右前輪4FRについての車高偏差の絶対値ΔHFRと、左前輪4FLについての車高偏差の絶対値ΔHFLとで、いずれが大きいかが判定される。
車高偏差の絶対値ΔHFRの方が大きい場合には、姿勢制御についての制御対象輪が右前輪4FRとされ、S6〜9について姿勢制御が行われる。S6において、車高制御弁110FRが開状態とされ、S7において、右前輪4FRについての実際の車高HFRが検出され、S8において、実際の車高値が制御終了しきい値に達したか否かが判定される。実際の車高が制御終了しきい値に達すると、車高制御弁110FRが閉状態とされる。そして、S10において、車高制御終了処理が行われる。ダウン制御においては、車高制御弁110を閉状態とすることが終了処理であるため、S10のステップにおいては、何も行われることがないが、アップ制御においては、ポンプモータ82が停止させられる。S10の終了処理は、車高制御の終了処理と姿勢制御の終了処理との両方を兼ねた処理である。
それに対して、左前輪4FLの車高偏差の絶対値ΔHFLが右前輪4FRの車高偏差の絶対値ΔHFR以上である場合には、姿勢制御についての制御対象輪が左前輪4FLとされる。S11〜14において、S6〜9と同様な制御が行われる。左前輪の車高制御弁110FLが開状態とされ、左前輪4FLについての実際の車高が制御終了しきい値に近づけられる。実際の車高が制御終了しきい値に達すると、車高制御弁110FLが閉状態とされるのであり、姿勢制御が終了させられる。
図7に示すように、車高制御において、左右前輪4FL、FRについての車高の平均値が制御終了しきい値に達した場合、すなわち、アップ制御においては、平均値が下限値に達した場合に、車高制御弁110が閉状態とされるのであるが、その場合には、車体8が左右方向に傾いている場合がある。そして、その後の姿勢制御において、車高偏差の絶対値が大きい方の車輪4Fjが制御対象輪とされ、車高偏差が大きい方の車輪4Fjについて、実車高が制御終了しきい値となるように、車高制御が行われる。この場合において、車高偏差の絶対値が小さい方の車輪(制御対象輪でない車輪)については、車高の変化量は小さいため、左右方向の傾きを小さくすることが可能となる。
また、左前輪4FLと右前輪4FRとで車高偏差の絶対値ΔHFL、ΔHFRが同じである場合(ΔHFL=ΔHFR)は、左前輪4FLについての車高HFLと右前輪4FRについての車高HFRとが同じ(HFL=HFR)で、車体8は左右方向に傾いていないと考えられる。この場合には、S5の判定はNOとなるが、S13の判定が直ちににYESとなり、実質的に車高制御は行われないと考えられる。
このように、本実施例においては、左右前輪4FL、FRの車高偏差の絶対値が大きい方の車輪について、車高制御が行われることによって、姿勢制御が行われるのであり、左右後輪4RL、RRについては車高制御が行われることがない。そして、左右前輪4FL、FRのいずれか一方の車輪について車高制御が行われることにより、車体8の左右方向の傾きを良好に小さくすることが可能となる。さらに、車高制御が終了した後に姿勢制御が行われるため、車高制御に起因する車体8の傾きを良好に補正することができる。また、姿勢制御において、前後左右の各輪4FL、FR、RL、RRの各々について車高制御が行われる場合に比較して、センタピストン50の移動量を小さくすることができる。その結果、通常は、センタピストン50の中立位置からのずれを小さくすることができる。センタピストン50はリターンスプリング71,72で決まる中立位置において静止することが望ましいが、各輪4FL、FR、RL、RRに加えられる荷重が同じでない状態で車高制御が行われる場合には、中立位置から外れた位置で釣り合って静止することがある。そして、極端な場合には、センタピストン50がシリンダ本体51の端面に当接し、センタシリンダ48としての機能を充分に果たせないことがある。そのことを回避するためには、センタピストン50の移動量はできる限り小さくすることが望ましい。それに対して、本実施例におけるように、姿勢制御において、左右前輪4FL、FRのいずれか一方の車輪についてのみ車高制御が行われるようにすれば、前後左右の各輪4FL、FR、RL、RRすべてについて車高制御が行われる場合に比較して、センタピストン50の移動量を小さくすることができるのである。
本実施例においては、作動液給排装置74,サスペンションECU200の図2のフローチャートで表される姿勢制御付き車高制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等により車高制御装置が構成され、車高制御装置のうちの、S3〜14を記憶する部分、実行する部分等により姿勢制御部が構成される。姿勢制御部は、偏差依拠車高制御部でもある。また、車高制御装置のうちのS25〜32を記憶する部分、実行する部分等により前後独立車高制御部が構成され、S21〜24を記憶する部分、実行する部分等により4輪同時車高制御部が構成される。
なお、上記実施例においては、車高制御において、4輪同時制御と前後独立制御との両方が行われるようにされていたが、前後独立制御と4輪同時制御とのいずれか一方が行われ、他方が行われないようにすることもできる。車高制御の態様については問わないのである。
また、上記実施例においては、車高制御が終了した後(終了条件が満たされた後に)、姿勢制御が行われるようにされていたが、車高制御とは別個に、すなわち、車高制御に起因しないで、車体が傾いていることが検出された場合において、その傾きを修正する場合に、本発明に係る姿勢制御が行われるようにすることもできる。
例えば、車両の停止状態において、人の乗り降り、荷物の上げ下ろし等により、車両が傾いていることが検出された場合に、その傾きが小さくなるように姿勢制御が行われるのであるが、その場合においても上記実施例における場合と同様に、左右前輪4FL、FRのうち車高偏差の絶対値が大きい方の車輪が制御対象輪とされる。
図8のフローチャートで表される姿勢制御プログラムは、予め定められた設定時間毎に実行される。S51において、前後左右の各輪4FL、FR、RL、RRの車高が検出され、S52,53において、前輪側、後輪側の各々において、左右の車高差の絶対値が設定値より大きいか否かがそれぞれ検出される。
|HFL−HFR|>ΔHth
|HRL−HRR|>ΔHth
そして、S52,53の少なくとも一方のステップの判定がYESとなった場合に、左右方向の傾きが大きく、姿勢制御が必要な状態であると判定され、S54において、目標車高が決定され、S4以降において、上記実施例における場合と同様に姿勢制御が行われる。姿勢制御における目標車高は、例えば、標準車高値等の予め定められた値としたり、車高調整指示スイッチ226の状態で決まる値としたりすること等ができる。
このように、前輪側において左右輪の車高差の絶対値が大きい場合には勿論、後輪側において左右輪の車高差の絶対値が大きくても、左右後輪4RL、RRについて車高制御が行われないで、左右前輪4FL、FRのいずれか一方の車輪について車高制御が行われることにより姿勢制御が行われることになる。
本実施例においては、サスペンションECU200の図8のフローチャートで表される姿勢制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等により傾き大時姿勢制御部が構成される。
また、図9のフローチャートで表されるように、上記第1の実施例において、車高制御が行われた後に(S2の実行後)、S51〜53が実行されて、姿勢制御が必要であるか否か、すなわち、車体8が左右方向に傾いているか否かが判定され(左右車高差が設定値より大きいか否かが判定され)、左右方向に傾いている場合(左右車高差が設定値より大きい場合)には、姿勢制御が行われ(S4以降が実行され)、傾いていない場合、あるいは、傾きが非常に小さい場合(左右車高差が設定値以下である場合)には、姿勢制御が行われないようにすることができる(S4以降が実行されない)。
さらに、上記各実施例においては、姿勢制御において左右前輪4FL、FRのいずれか一方について車高制御が行われ、左右後輪4RL、RRについては、車高制御が行われないようにされていたが、左右前輪4FL、FRついて車高制御が行われた後に、左右後輪4RL、RRについて車高制御が行われるようにすることができる。左右後輪4RL、RRのいずれか一方について車高制御が行われれば、車体の傾きをより一層小さくできることがある。
本発明は、前述の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
本発明の一実施例であるサスペンション装置全体を示す図である。 上記サスペンション装置のサスペンションECUの記憶部に記憶された姿勢制御付き車高制御プログラムを表すフローチャートである。 上記姿勢制御付き車高制御プログラムの一部を表すフローチャートである。 上記サスペンション装置においてローリングした場合の車高の変化の状態を示す図である。 上記サスペンション装置において車体の傾きを補正した場合の車高の変化を表す図である。 図4で示す場合とは別の場合における車高の変化を表す図である。 上記姿勢制御付き車高制御プログラムの実行により姿勢制御が行われた場合の車高の変化の状態を示す図である。 上記サスペンションECUの記憶部に記憶された姿勢制御プログラムを表すフローチャートである。 上記サスペンションECUの記憶部に記憶された別の姿勢制御付き車高制御プログラムを表すフローチャートである。
符号の説明
10:懸架シリンダ 34,35,36:アキュムレータ 48:センタシリンダ 50:センタピストン 60,61:後輪側受圧面 62,63:前輪側受圧面 74:作動液給排装置 110:車高制御弁 200:サスペンションECU 220:車高センサ

Claims (8)

  1. 車両の前後左右の各輪の各々に対応して、車輪保持部と車体との間にそれぞれ設けられた懸架シリンダと、
    シリンダ本体と、そのシリンダ本体に摺動可能に嵌合され、前記前後左右の各輪に対応する懸架シリンダの液圧をそれぞれ別個に受ける4つの受圧面を備えたピストンとを含むセンタシリンダと、
    前記前後左右の各輪に対応する懸架シリンダの各々において、作動液を供給したり、排出させたりすることにより、前記前後左右の各輪についての車高をそれぞれ制御する車高制御装置とを含むとともに、
    前記センタシリンダが、前記ピストンの4つの受圧面のうち、左右後輪の懸架シリンダの液圧を受ける受圧面各々の面積が、左右前輪の懸架シリンダの液圧を受ける受圧面各々の面積より大きくされたものであり、前記車高制御装置が、前記車体が左右方向に傾いている場合に、左右後輪については車高制御を行わないで、左右前輪のいずれか一方について車高制御を行うことによって、前記左右方向の傾きを小さくする姿勢制御部を含むことを特徴とするサスペンション装置。
  2. 前記姿勢制御部が、前記左右前輪についての車高差の絶対値と、前記左右後輪についての車高差の絶対値との少なくとも一方が、予め定められた設定値より大きい場合に、前記左右前輪のいずれか一方について車高制御を行う傾き大時姿勢制御部を含む請求項1に記載のサスペンション装置。
  3. 前記姿勢制御部が、前記左右前輪のうち、実際の車高と目標車高との差の絶対値が大きい方の車輪について車高制御を行い、実際の車高を目標車高に近づける偏差対応車高制御部を含む請求項1または2に記載のサスペンション装置。
  4. 前記姿勢制御部が、前記車高制御装置による車高制御が終了した後に、前記車体の左右方向の傾きを小さくするものである請求項1ないし3のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
  5. 前記車高制御装置が、(a)前記前後左右の各輪に対応する懸架シリンダの各々における作動液の供給・排出を制御して、左右前輪の車高の平均値を目標車高に近づけるとともに、左右後輪の車高の平均値を目標車高に近づける前後独立車高制御部と、(b)前記前後左右の各輪に対応する懸架シリンダの各々における作動液の供給・排出を同時に制御して、前後左右の各輪についての車高を目標車高に近づける4輪同時車高制御部との少なくとも一方を含む請求項1ないし4のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
  6. 前記センタシリンダにおいて、前記ピストンの4つの受圧面のうち、前記前後左右の車輪のうち互いに対角位置にある2つずつの車輪を含む2つの組のうちの一方の組に属する2つの車輪にそれぞれ対応する懸架シリンダの液圧を受ける2つの受圧面と、他方の組に属する2つの車輪にそれぞれ対応する懸架シリンダの液圧を受ける2つの受圧面とが、互いに、反対向きに設けられた請求項1ないし5のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
  7. 車両の前後左右の各輪の各々に対応して、車輪保持部と車体との間にそれぞれ設けられた懸架シリンダと、
    シリンダ本体と、そのシリンダ本体に摺動可能に嵌合され、前記前後左右の各輪に対応する懸架シリンダの液圧をそれぞれ別個に受ける4つの受圧面を備えたピストンとを含むセンタシリンダと、
    前記前後左右の各輪に対応する懸架シリンダの各々において、作動液を供給したり、排出させたりすることにより、前記前後左右の各輪についての車高をそれぞれ制御する車高制御装置とを含むとともに、
    前記センタシリンダが、前記ピストンの4つの受圧面のうち、左右後輪の懸架シリンダの液圧を受ける受圧面各々の面積が、左右前輪の懸架シリンダの液圧を受ける受圧面各々の面積より大きくされたものであり、前記車高制御装置が、前記左右前輪についての車高差の絶対値が予め定められた設定値より大きくても、前記左右後輪についての車高差の絶対値が前記設定値より大きくても、前記左右前輪のいずれか一方について車高制御を行うことにより、前記前輪側の左右差の絶対値と後輪側の左右差の絶対値とを小さくする姿勢制御部を含むことを特徴とするサスペンション装置。
  8. 車両の前後左右の各輪の各々に対応して、車輪保持部と車体との間にそれぞれ設けられた懸架シリンダと、
    シリンダ本体と、そのシリンダ本体に摺動可能に嵌合され、前記前後左右の各輪に対応する懸架シリンダの液圧をそれぞれ別個に受ける4つの受圧面を備えたピストンとを含むとともに、前記ピストンの4つの受圧面のうち、左右後輪の懸架シリンダの液圧を受ける受圧面各々の面積が、左右前輪の懸架シリンダの液圧を受ける受圧面各々の面積より大きくされたセンタシリンダと
    を含むことを特徴とするサスペンション装置。
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