JP2005329845A - 車両用サスペンションシステム - Google Patents

車両用サスペンションシステム Download PDF

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正基 金谷
Masaaki Tabata
雅朗 田畑
Mikihiko Honma
幹彦 本間
Osamu Yasuike
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Abstract

【課題】 各車輪に設けられた懸架シリンダ10とそれらが接続される制御シリンダ12とを含んで構成されるサスペンションシステムの実用性を向上させる
【解決手段】 各車輪の懸架シリンダ10に対して2つのアキュムレータ14,16を接続させ、それらの一方と懸架シリンダ10との連通の有無を切換える切換弁18を設ける。ばねとして機能する懸架シリンダ10のばね定数を、車両の操作状態,走行状態等に対応して変更させることで、各懸架シリンダ10におけるばねの機能と各懸架シリンダが接続された制御シリンダの機能との両者を効果的な状態で発揮させることが可能となる。具体的には、通常の路を走行する場合には、充分なクッション効果を得ることができ、また、悪路走行においては、制御シリンダ12によって関連付けられる懸架シリンダ10の相互動作の応答性を向上させ、車体の姿勢を充分に安定させることが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用サスペンションシステム、詳しくは、車輪と車体との間に設けられた複数の懸架シリンダおよびそれらと接続される制御シリンダを有するサスペンションシステムに関する。
上記のようなサスペンションシステムでは、制御シリンダは、複数の懸架シリンダの作動を関係付ける機能を有するものとされており、車体の姿勢の安定化、車両の乗り心地等を向上させるといった種々の目的で車両に搭載されている。そのようなサスペンションシステムに関して具体的な例を挙げれば、例えば、下記特許文献に記載された技術が存在する。その特許文献に記載されているサスペンションシステムでは、制御シリンダは、2つのピストンを有するピストン組立体(シリンダ区画体の一種である)によって、ハウジング内が4つの作動液室に区分される構造とされており、それぞれの作動液室には、車輪に設けられた4つの懸架シリンダが連通されられ、ピストン組立体の作動によって、各懸架シリンダの作動が関係付けられた状態で制御される。そのシステムの作動に関して具体的に言えば、例えば、車両のピッチングに対しては、ピストン組立体はハウジング内において移動せず、そのピッチングが抑制され、また、例えば、いずれか1つの車輪が路面の隆起に乗上げたような場合等には、ピストン組立体が移動して、その1輪の乗上げによる影響が緩和されることになる。
米国特許第3024037号明細書
上記特許文献に記載されたサスペンションシステムに関して言えば、そのシステムが有する懸架シリンダは、気体室が設けられており、気体ばねとして機能するものとなっている。その気体ばねのばね定数を小さくすれば、小さなギャップ等によって発生する高周波的な振動の車体への伝達は抑制され、その意味においての車両の乗り心地は良好なものとなる。ところが、気体ばねのばね定数を小さくすると、上記制御シリンダの機能が充分には発揮されなくなる。具体的に言えば、例えば、上述したピッチング抑制の効果が低減され、また、ピストン組立体の作動の応答性が悪くなって、上述した1輪乗上げによる影響緩和の効果が低減される。逆に、制御シリンダの機能を充分に発揮させるべく気体ばねのばね定数を大きくすれば、高周波的な振動吸収が充分に行い得ないことになる。つまり、上記特許文献に記載のサスペンションシステムは、上記のような二律背反的な問題を抱え、実用的なサスペンションシステムとはなっていないのである。そこで、本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、車輪と車体との間に設けられた複数の懸架シリンダとそれらが接続される制御シリンダとを含んで構成されるサスペンションシステムの実用性を向上させることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のサスペンションシステムは、制御シリンダと、その制御シリンダに接続されて互いの作動が関係付けられる複数の懸架シリンダとを備えたシステムであって、各懸架シリンダに対して、それに接続される2つのアキュムレータと、それらの一方と懸架シリンダとの連通の有無を切換える切換弁とを設けたことを特徴とする。
発明の作用,効果
簡単に言えば、本発明のサスペンションシステムは、上記複数の懸架シリンダの各々において、それに接続された2つのアキュムレータを含んで構成されており、上記切換弁を有することで、懸架シリンダと2つのアキュムレータとによって1つのばねが構成されていると仮定した場合におけるそのばねのばね定数が変更可能なものとされている。したがって、車両の操作状態,走行状態等に対応してそのばね定数を変更させることで、各懸架シリンダにおけるばねの機能と各懸架シリンダが接続された制御シリンダの機能との両者を効果的な状態で発揮させることが可能となる。つまり、制御シリンダを備えるサスペンションシステムが、充分に実用的な装置となるのである。なお、上記サスペンションシステムは、本発明の基本的な態様の1つであり、本発明は、種々の態様で実施することが可能である。それら種々の態様については、後の、〔発明の態様〕の項において詳しく説明する。それらの態様は、自身の構成に応じた種々のメリットを有し、それらのメリットにより、いずれの態様も実用性の高いものとなっている。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(7)項が請求項2に、(2)項および(3)項を合わせたものが請求項3に、(12)項が請求項4に、(13)項が請求項5に、(14)項が請求項6に、(15)項が請求項7に、それぞれ相当する。
(1)液圧式の制御シリンダと、
それぞれが、複数の車輪の各々と車体との間に設けられるとともに前記制御シリンダに接続され、その制御シリンダによって互いの作動が関係付けられる液圧式の複数の懸架シリンダと、
それぞれが前記複数の懸架シリンダの各々に接続された複数組の第1アキュムレータおよび第2アキュムレータと、
それぞれがそれら複数の第2アキュムレータの各々と前記複数の懸架シリンダの各々との連通の有無を切換える複数の第2アキュムレータ切換弁と、
それら複数の第2アキュムレータ切換弁を制御する切換弁制御部を備えた制御装置と
を含んで構成された車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様のサスペンションシステムは、上記制御シリンダ、つまり、各懸架シリンダの作動を関係付ける役割を果たす制御シリンダを備えている。また、本項に記載のサスペンションシステムは、上記2つのアキュムレータを備えている。それらのアキュムレータは、ばねとして機能するものであり、言い換えれば、懸架シリンダにばねとしての機能を付与し、懸架シリンダへの外部からの入力に対するクッションとしての作用を付与する。
先に説明したように、アキュムレータのばね定数(例えば、「蓄積されている作動液の液圧変化/作動液の蓄積量変化」と定義できる)が小さい場合、厳密に言えば、2つのアキュムレータを1つのばねとして考えた場合のばね定数が小さい場合は、路面からの高周波的な振動(例えば、小さなギャップ,小石等を車輪が踏み付ける状態等において発生する振動等)等に対して、充分なクッション機能が発揮されることで車両の乗り心地を良好なものとすることができる。しかし、その場合、懸架シリンダとアキュムレータとの間の作動液の移動量が比較的多く、それによって懸架シリンダと制御シリンダとの間の作動液の移動が抑制されることから、懸架シリンダ相互間の作動の関係付けが弱まることになる。つまり、制御シリンダによる制御効果が低減することになるのである。逆に、アキュムレータのばね定数が大きい場合は、制御シリンダの機能は充分に発揮されるものの、上記高周波的な振動に対するクッションとしての効果が低減されることになる。
本項の態様のサスペンションシステムでは、各懸架シリンダに対して2つのアキュムレータを接続し、それらの1つと各懸架シリンダとの連通を切換えるように構成されており、本サスペンションシステムは、懸架シリンダと2つのアキュムレータとによって1つのばねが構成されたと仮定した場合において、そのばねのばね定数(以下、「懸架シリンダのばね定数」という場合がある。例えば、「作動液の液圧変化/作動液のシリンダからの流出・流入量」と定義できる。)を変更可能とされている。つまり、上記第2アキュムレータ切換弁(以下、単に「切換弁」と略す場合がある)は、各懸架シリンダのばね定数を変更するばね定数変更装置を構成するものとされているのである。そのため、車両の操作状態,走行状態等に対応してそのばね定数を変更させれば、各懸架シリンダにおけるばねの機能と各懸架シリンダが接続された制御シリンダの制御機能との両者を効果的な状態で発揮させることが可能となる。より具体的に言えば、例えば、ある状態の場合には、上記クッション的な効果が充分に実現されるようにし、また、別のある状態の場合には、上記制御シリンダによる効果が充分に実現されるようにすることが可能となる。つまり、2つのアキュムレータと、それらの一方と懸架シリンダとの連結を切換える切換弁とを含む構造は、ばね定数変更装置を構成するものであり、そのようなばね定数変更装置を備える本項のサスペンションシステムは、実用的なサスペンションシステムとなるのである。
本項の態様における「懸架シリンダ」は、1の車輪に対して設けられ、他の車輪とは独立した状態で、車体を懸架するものであればよい。例えば、4輪独立懸架式のサスペンションシステムおいてサスペンションスプリング(コイルばね等)と併用されるショックアブソーバも、本項にいう懸架シリンダとなり得る。また、サスペンションスプリングの機能を上記アキュムレータによって実現させることで、サスペンションスプリングと併用されないシリンダ装置であってもよい。また、サスペンションストラットとしての機能を有するものであってもよく、サスペンションストラットと並設されるようなものであってもよい。懸架シリンダの具体的な構造も特に限定されるものではなく、例えば、ハウジングと一端部にピストンが設けられたピストンロッドとを含んで構成され、それらの一方が車輪に連結され、他方が車体に連結されるものとすることができる。このような構造の場合、例えば、ピストンによって区画された2室の各々に作動液が充満され、それら2室を連通するバルブ(減衰力を発生させるようなバルブ)がピストンに設けられたような構造のものとすることができる。また、作動液が充満される作動液室がピストンの一方の側にのみ設けられるような構造のものであってもよい。
本項の態様において、「複数の懸架シリンダ」は、それぞれが車両が有する全ての車輪(4輪者であれば、4つの車輪)の各々に配置されたものであってもよく、また、一部の車輪の各々に配置されたものであってもよい。平たく言えば、本項に記載の態様は、例えば、前後左右4つの車輪の各々に設けられた4つの懸架シリンダが制御シリンダに接続された態様でもよく、また、例えば、左右の前輪若しくは後輪、前後の右側若しくは左側の車輪、または、互いに対角位置にある2つの車輪に配置された2つの懸架シリンダのみが制御シリンダに接続されたような態様であってもよい。また、複数の懸架シリンダは、それらのすべてが同じ構造のものであってもよく、また、例えば、前輪側のものと後輪側のものとが互いに異なる構造とされているといった具合に、一部のものどうしが互いに異なる構造のものであってもよい。
本項に記載の「アキュムレータ」は、その構造が特に限定されるものではない。例えば、ハウジングとそのハウジングを2室に仕切る仕切部材としてのピストンとを備え、それら2室のうちの一方が作動液の蓄液室とされ、他方にそのピストンを蓄液室向かう方向に付勢するスプリングを含むような構造のものを採用することが可能である。また、仕切部材としてブラダ,ダイヤフラム等を採用し、蓄液室とは反対側の室が高圧気体の封入された高圧気体室とされたような構造のものを採用することも可能である。なお、アキュムレータのばね定数は、上記スプリングのばね定数、ピストンの面積、高圧気体の封入量、高圧気体室の体積等に応じて決定され、それらを変更することにより、任意のばね定数を有するアキュムレータを構成することが可能である。また、1つの懸架シリンダに対して設けられた2つのアキュムレータ、つまり、1つの懸架シリンダにおける上記「第1アキュムレータ」,「第2アキュムレータ」は、互いに同じ値のばね定数のものとしてもよく、互いに異なる値のばね定数のものとしてもよい。さらに、第1アキュムレータ,第2アキュムレータの各々は、1つのアキュムレータによって構成されたものであってもよく、また、2以上のアキュムレータが並列的に配置されてそれらが1つのアキュムレータとして機能するような構成のものであってもよい。なお、複数の第1アキュムレータは、すべてが同じ構造のものとすることもでき、また、前輪側のものと後輪側のものとで互いに異なるといった具合に、一部のものどうしが互いに異なる構造のものとすることも、さらには、前輪側と後輪側との少なくとも一方において、左右のものが互いに異なる構造のものとすることもできる。複数の第2アキュムレータについても、第1アキュムレータと同様である。
2つのアキュムレータ、すなわち、第1アキュムレータおよび第2アキュムレータと、懸架シリンダとの接続は、例えば、管路等によって、それらアキュムレータの各々の蓄液室と懸架シリンダの作動液室を連通可能な状態とすることによって行えばよい。作動液室が2つ設けられた懸架シリンダの場合、いずれの作動液室と連通可能としてもよい。その場合、2つのアキュムレータの両者の蓄液室が、懸架シリンダの2つの作動液室のうちの一方に連通可能な状態とされてもよく、2つのアキュムレータの一方の蓄液室が懸架シリンダの2つの作動液室のうちの一方に、他方が他方に連通可能な状態とされてもよい。なお、本項に記載の態様では、2つのアキュムレータは互いに一体的に構成されたようなものであってもよく、両者が別体として構成されたものであってもよい。また、懸架シリンダと2つのアキュムレータの各々とが別体とされたような構成であってもよく、懸架シリンダと2つのアキュムレータの少なくとも一方が懸架シリンダと一体化されたような構成であってもよい。なお、アキュムレータが懸架シリンダと別体とされる場合は、アキュムレータのばねとしての機能に鑑み、懸架シリンダの近傍に、つまり、アキュムレータと懸架シリンダとの連通路が比較的短くなる位置に配置されることが望ましい。
本項の態様において、「第2アキュムレータ切換弁」は、2つのアキュムレータの一方である第2アキュムレータの蓄液室と、それと連通可能とされた懸架シリンダの作動液室との連通の有無を切換えるものである。切換弁の具体的な構造が特に限定されるものではなく、例えば、電磁開閉弁等を採用することが可能であり、例えば、第2アキュムレータと懸架シリンダとの連通路に介在するように配置することが可能である。なお、本項の態様は、2つのアキュムレータの他方である第1アキュムレータと懸架シリンダとの連通の有無を切換える切換弁を、第2アキュムレータ切換弁とは別途設けることを妨げるものではない。
本項に記載の「制御シリンダ」は、既に公知の種々の具体的態様の液圧式のものを幅広く採用可能である。例えば、ハウジングとそれの内部を区画するシリンダ区画体(形状等が特に限定されるものではないが、例えば、ピストンのようなものが相当する)を有して1以上の作動液室を備える構造のものとし、その1以上の作動液室の各々に、上記複数の懸架シリンダのうちの1以上のものの作動液室が連通するように構成することが可能である。そのような構成において、例えば、シリンダ区画体の移動,回転あるいは変位に伴って、1以上の作動液室の容積が変化するような構造とし、その容積変化によって、複数の懸架シリンダの作動が関係付けられるものとすることが可能である。そのような構成の場合、1以上の作動液室の容積変化は、各作動液室の液圧、つまり、それに連通させられた複数の懸架シリンダの作動液室の液圧によってシリンダ区画体が移動等させられることで生じるものであってもよく、外部からの他の力によってシリンダ区画体が移動等させられることで生じるものであってもよい。つまり、平たく言えば、制御シリンダは、1以上の懸架シリンダの作動によって生じる液圧の変化に応じて、各懸架シリンダの液圧のバランスをとるように各懸架シリンダの作動を制御するといった受動的な制御を行うものであってもよく、また、シリンダ区画体を外部力によって強制的に移動等させて各懸架シリンダの作動を制御するといった能動的な制御を行うものであってもよい。なお、制御シリンダは、上記複数の懸架シリンダが接続される作動液室の他、高圧気体等が収容される高圧気体室,外部力によってシリンダ区画体を移動させるための作動液が収容される作動液室等の流体室が別途設けられた態様のものであってもよい。
本項に記載の「制御シリンダ」は、それに接続された複数の懸架シリンダの作動を関係付ける機能を有するが、その関係付けは、各懸架シリンダの動作(例えば、伸縮動作等)を関連させるといった直接的な事象を主目的とするものであってもよく、また、各懸架シリンダの連動によって各懸架シリンダについて発生する減衰力を制御するといった間接的な事象を主目的とするものであってもよい。また、制御シリンダは、それに接続された複数の懸架シリンダ1つのものの作動を他のすべてのものの作動と関係付けるものである必要はない。例えば、制御シリンダに接続された複数の懸架シリンダのうち、前輪あるいは後輪,右側輪あるいは左側輪といった一部の車輪に配置された一部の懸架シリンダどうしの作動を関係付けるものであってもよい。
本項に記載の「制御装置」は、例えば、コンピュータを主体とする電子制御装置を採用することが可能である。また、制御装置は、上記切換弁制御部の他に、第2アキュムレータ切換弁の制御に関する制御以外の制御を行う機能部を含むものであってもよい。
「切換弁制御部」は、先に説明したように、懸架シリンダのばね定数を変更する制御を行う部分となる。2つのアキュムレータが懸架シリンダに接続されている場合、詳しくは、それらが並列的に接続されている場合において、両方のアキュムレータと懸架シリンダとの連通を確保した状態と、一方のアキュムレータとの連通を確保しつつ他方のアキュムレータとの連通を遮断した状態とを比較すれば、前者に比べ、後者の方が懸架シリンダのばね定数が大きくなる。簡単に言えば、懸架シリンダは硬いばねとして機能することになる。後者の状態においては、例えば、前者の状態における場合と同じ量だけ懸架シリンダが動作した場合であっても、懸架シリンダとアキュムレータとの間の作動液の移動量が比較的少なく、懸架シリンダと制御シリンダとの間の作動液の移動量が比較的多くなる。そのため、制御シリンダによるその懸架シリンダの制御性が比較的高い状態となる。それに対し前者の状態の場合、すなわち、上記両方のアキュムレータとの連通を確保した場合には、懸架シリンダのばね定数が小さくなる。簡単に言えば、懸架シリンダは、柔らかいばねとして機能することになる。つまり、前者の状態においては、懸架シリンダと制御シリンダの間の作動液の移動量は比較的少なく、制御シリンダによる懸架シリンダの制御性は低いものの、クッション性は良好となる。このように、本項に記載のサスペンションシステムは、切換弁制御部の制御によって、自身の特性が変更させられることになる。
切換弁制御部による制御は、目的に応じて種々の態様とすることが可能である。例えば、制御する切換弁の数量に関して言えば、複数の切換弁の全てを同時にあるいは略同時に作動させて、複数の第2アキュムレータの各々と複数の懸架シリンダの各々との連通の有無の切換を同時にあるいは略同時に行うような制御を実行することも可能であり、また、任意の1つ切換弁のみを作動させて、それに対応する第2アキュムレータと懸架シリンダとの連通の有無のみを切換えるような制御を行うことも可能であり、さらには、複数の切換弁の一部である2以上のもの(例えば、前後いずれかの車輪に対応する2つのもの,左右いずれかの車輪に対応する2つのもの等)のみを同時あるいは略同時に作動させて、それらに対応する第2アキュムレータの各々と懸架シリンダの各々との連通の有無のみを同時にあるいは略同時に切換えるような制御を行うことも可能である。
また、制御において依拠するものに関して言えば、車両の操作状態、走行状態,異常状態等に基づいて切換弁の切換制御を行うことが可能である。「車両の操作状態」とは、運転車によって車両がどのように操作されているかということであり、例えば、アクセル操作,ブレーキ操作,ステアリング操作,ギヤシフト操作等の程度,段階等が含まれ、各種の操作スイッチ、例えば、サスペンションシステムの硬さモードのスイッチ,車高モードのスイッチ,四輪駆動車のデファレンシャルロックスイッチ,直接的なものとしの切換弁切換スイッチ等の操作状態も含まれる。また、「車両の走行状態」とは、車両の挙動全般、車両の置かれている環境全般等を意味するものであり、例えば、車両速度,車輪速度,車両加減速度,横加速度,コーナリングフォース,ヨーレート,ピッチレート,車輪のスリップ率,車体の傾斜角度等の車両自体の姿勢,動作を示すものの他、走行路面の状態(路面μ,路面のうねりの程度等),天候等も含まれる。また、「車両の異常状態」とは、車両を構成する各種装置,デバイス(センサ等をも含む)の異常の有無であり、直接的なものとして、第2アキュムレータ切換弁の異常の有無等が含まれる。
(2)前記複数の懸架シリンダとして、前後左右に配置された4つの車輪の各々と車体の間にそれぞれ設けられた4つの懸架シリンダが前記制御シリンダに接続された(1)項に記載の車両用サスペンションシステム。
一般の車両は、前後左右に4つの車輪を有し、それらの車輪の各々対して配設された4つの懸架シリンダを有している。本項に記載の態様によれば、このような一般的な車両において、それら各車輪に設けられた懸架シリンダの各々の作動を、1つの制御シリンダによって関係付けることが可能であり、比較的構造が単純化されたサスペンションシステムが実現する。なお、本項の場合は、第1アキュムレータおよび第2アキュムレータは4組設けられ、第2アキュムレータ切換弁も4つ設けられることになる。
(3)前記4つの懸架シリンダのうちのいずれか1つのものに対して外部からの力が作用した場合に、そのいずれか1つのものに対する対角位置に存在する懸架シリンダがそのいずれか1つのものと同方向に連動し、他の2つの懸架シリンダがそのいずれか1つのものと逆方向に連動するように、前記4つの懸架シリンダの作動が前記制御シリンダによって関係付けられた(2)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、それぞれが4輪の各々に設けられた4つの懸架シリンダを1つの制御シリンダで制御作動させる場合の一態様であり、互いに対角位置にある2つの懸架シリンダが同方向に動作し(「同方向動作」という場合がある)、それら2つの懸架シリンダとは別の互いに対角位置にある2つ懸架シリンダが、先の2つとは逆方向に同方向動作するように、4つの懸架シリンダの動作が関係付けられた態様である(ちなみに、このように関係付けられた作動を、以下、「対角相互同方向作動」と呼ぶ場合がある)。本項にいう外部からの力(「外部入力」という場合がある)とは、例えば、懸架シリンダが伸縮動作するものである場合、車輪が路面の起伏,凹凸等を通過することによって懸架シリンダを伸縮させるように作用する力や、車体がローリング,ピッチング,ヒーブ等することにより、懸架シリンダを伸縮させるように作用する力等を意味する。また、本項にいう同方向の連動とは、例えば、懸架シリンダが伸縮動作するものである場合には、1つの懸架シリンダが伸びる場合に他の1つの懸架シリンダが伸び、縮む場合に縮むような連動を意味する。より平たく言えば、本項に記載の態様では、例えば、左前輪が路面の隆起に乗り上げてその車輪に設けられた懸架シリンダが縮む場合に、右後輪に設けられた懸架シリンダも縮み、かつ、左後輪および右前輪に設けられた2つの懸架シリンダがともに伸びるように、4つの懸架シリンダが連動させられることになる。このような4つの懸架シリンダの対角相互同方向作動は、各車輪の接地性が高めるために有効な作動であり、4つの車輪に対して高い接地性を要求される悪路(うねりの大きな路面の路、「不整地路」ということも可能である)走行の場合等に好適な作動である。本項に記載のサスペンションシステムは、搭載される車両が特に限定されるものではないが、上述したような対角相互同方向作動が可能であることから、悪路走行,不整地走行が予期されている車両、例えば、クロスカントリ4WD、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)等の車両のサスペンションシステムとして好適である。なお、本項に記載の態様を実現させるための具体的構成、例えば、制御シリンダの具体的構造,制御シリンダと4つの懸架シリンダとの接続等については、特に限定されるものではなく、既に公知の種々の構成を採用することが可能である。
本項に記載の態様においては、4つの懸架シリンダの各々について、第1アキュムレータおよび第2アキュムレータが設けられ、また、第2アキュムレータ切換弁が設けられることになる。本項に記載の態様における4つの切換弁の切換制御の一例を挙げれば、例えば、通常の路面を走行する場合には、4つの切換弁のすべてを連通状態として4輪のすべてについての第2アキュムレータと懸架シリンダとの連通を確保し、各懸架シリンダを比較的柔らかなばねとして機能させることで乗り心地の良い状態を実現し、悪路走行の場合に、4つの切換弁のすべてを非連通状態として4輪のすべてについての第2アキュムレータと懸架シリンダとの連通を遮断し、4輪接地性の高い状態を実現するような制御を行うことが可能である。
また、本項に記載の態様では、上記対角相互同方向作動に加え、例えば、前輪側あるいは後輪側の2つの懸架シリンダ、または、左側あるいは右側車輪の2つの懸架シリンダに同方向の外部入力があった場合に、4つの懸架シリンダの連動、詳しくは、4つの懸架シリンダすべての動作を抑制するように、制御シリンダによって4つの懸架シリンダの作動を関係付けることも可能である。つまり、4つの懸架シリンダが、それぞれ独立している状態に近い状態、極端に言えば、制御シリンダが存在しないに等しい状態とすることも可能である。このように関係付けられた作動(以下、「平行入力時動作抑制作動」という場合がある)をも行い得るように構成すれば、例えば、車体がローリングあるいはピッチングする場合等において、それらローリング,ピッチングを効果的に抑制することが可能である。このような平行入力時動作抑制作動が可能とされた態様のサスペンションシステムにおいては、例えば、通常の状態では、4つの切換弁のすべてを連通状態として4輪のすべてについての第2アキュムレータと懸架シリンダとの連通を確保し、各懸架シリンダを比較的柔らかなばねとして機能させることで乗り心地の良い状態を実現し、運転者がブレーキ操作を行った場合には、4つの切換弁のすべてを非連通状態として4輪のすべてについての第2アキュムレータと懸架シリンダとの連通を遮断し、車体のダイブ(ピッチングの一種と考えることができる)を効果的に抑制する状態を実現するような制御を行うことが可能である。また、ヨーレートを検出し、所定の値を超えるヨーが発生している場合に、旋回外側の2つの車輪についての2つの切換弁を非連通状態としてそれらの車輪の第2アキュムレータと懸架シリンダとの連通を遮断し、車体のローリングを効果的に抑制する状態を実現するような制御を行うことも可能である。
(4)前記制御シリンダが、ハウジングとそのハウジング内部を区画するシリンダ区画体を備えて、それぞれに前記複数の懸架シリンダの各々が接続されるとともにそれぞれの容積が前記ハウジング区画体の動作に伴って変化する複数の作動液室を備える構造とされた(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、制御シリンダの具体的な構造に関して限定を加えた態様である。本項における「シリンダ区画体」は、シリンダ内部を区画して1以上の液密な作動液室を実現させるものであり、その典型的なものとして、例えば、ピストンや、複数のピストンが互いに連結されたピストン組立体等、自身が移動,回転あるいは変位することで、区画された複数の作動液室うちの1以上のものの容積を変化させるものが該当する。本項の態様の制御シリンダを採用すれば、例えば、制御シリンダの各作動液室の液圧バランス、つまり、各作動液室に接続された各懸架シリンダの液圧のバランスによって、シリンダ区画体がハウジング内を移動等するような構造の制御シリンダとすることが可能であり、そのような制御シリンダによれば、各懸架シリンダに対する外部入力に応じて各懸架シリンダを連動させるような制御作動が可能となる。
(5)前記制御シリンダが、前記複数の作動液室として4つの作動液室を備えるものとされ、かつ、前記複数の懸架シリンダとしての、前後左右に配置された4つの車輪の各々と車体の間にそれぞれ設けられた4つの懸架シリンダが、それぞれ、前記4つの作動液室の各々に接続された(4)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、上記シリンダ区画体を有する制御シリンダにより、それぞれが4つの車輪の各々に設けられた4つの懸架シリンダの作動の関係付けが行われる態様の、簡便な一態様である。
(6)前記制御シリンダが、前記ハウジングが仕切壁を有し、前記シリンダ区画体が、2つのピストンとそれらを連結する連結部材とを有してその連結部材が前記仕切壁を貫通する状態で前記ハウジング内に配設されたピストン組立体とされたことで、前記4つの作動液室として、それぞれが前記2つのピストンの各々と前記仕切壁との間に存在する2つの内側液室と、それぞれが前記2つのピストンの各々を挟んで前記2つの内側液室の各々とは反対側に存在する2つの外側液室を備えた構造のものとされ、
前記2つの内側液室と2つの外側液室との一方の各々に、前記4つの懸架シリンダのうちの左右前輪に配置された2つの懸架シリンダの各々が接続され、前記2つの内側液室と2つの外側液室との他方の各々に、前記4つの懸架シリンダのうちの左右後輪に配置された2つの懸架シリンダの各々が接続された(5)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、シリンダ区画体を有する制御シリンダであって、それぞれが4つの車輪の各々設けられた4つの懸架シリンダの作動を関連付ける制御シリンダに関して、さらに具体的に構造を限定した態様である。本項の態様では、制御シリンダの上記4つの作動液室(2つの内側液室および2つの外側液室)は、それぞれ、上記のように、各懸架シリンダの作動液室と接続されるが、より具体的に言えば、一方のピストンを挟んで存在する内側液室と外側液室とに、左右のいずれか一方の2つの懸架シリンダの各々の作動液室が連通可能な状態とされ、他方のピストンを挟んで存在する内側液室と外側液室とに、左右の他方の2つの懸架シリンダの各々が連通可能な状態とされるように接続されることが望ましい。また、各懸架シリンダがピストンによって区画された2つの作動液室を有する構造のものである場合には、各懸架シリンダのピストンの同じ側に存在する作動液室が、制御シリンダの4つの作動液室の各々と連通するように、各懸架シリンダと制御ピストンとが接続されることが望ましい。
本項に記載の態様によれば、先に説明した平行入力時動作抑制作動および対角相互同方向作動を容易に実現させることが可能である。具体的に説明すれば、例えば、車体のピッチング時には、上記ピストン組立体はハウジング内において移動しないようにして、ピッチングを抑制するように4つの懸架シリンダの作動を関係付けることが可能であり、また、例えば、1輪に対する入力に対しては、ピストン組立体の移動を許容して、対角位置にある2つの懸架シリンダを同方向に移動させるように作動を関係付け、各車輪の接地性が高められる状態を実現させることが可能である。さらに、車体のローリングに対しては、例えば、上記内側液室と外側液室とに対するピストンの受圧面積比等を調整することにより、ピストン組立体を移動しないようにして、ローリングを抑制することも可能であり、また、上記受圧面積比等を調整することで、ピストン組立体を制限的に移動可能とし、ローリング時における前後輪のロール剛性配分を任意な配分としつつ、ローリングを抑制するように懸架シリンダの作動を関係付けることが可能である。
本項に記載の態様では、例えば、懸架シリンダの各々と、各懸架シリンダについて設けられている第2アキュムレータの各々を連通させた状態では、前述したように、各懸架シリンダと制御シリンダとの間の作動液の移動が抑制されることから、各懸架シリンダの動作に対するピストン組立体の動作の応答性が悪くなり、上述の制御シリンダによる制御効果が充分には得られない。そのため、平行入力時動作抑制作動および対角相互同方向作動の効果を充分なものとする場合には、先に述べたように、各懸架シリンダと各第2アキュムレータとの連通を遮断するように各切換弁を制御作動させ、ピストン組立体の動作の応答性を高めることで制御シリンダの制御性を高めればよい。また、逆に、通常状態,通常の路面を走行する状態では、先に述べたように、各懸架シリンダと各第2アキュムレータとの連通を確保するように各切換弁を制御作動させ、各懸架シリンダのばね定数を小さくして、乗り心地のよい状態を実現させることが可能である。
(7)前記複数組の第1アキュムレータおよび第2アキュムレータの各々において、第2アキュムレータが第1アキュムレータよりばね定数が小さい(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
2つのアキュムレータと懸架シリンダとを連通させて懸架シリンダのばね定数を小さくし、2つのアキュムレータのうちの一方と懸架シリンダとの連通を遮断してばね定数を大きくする場合において、連通の有無が切換えられる一方のアキュムレータのばね定数が切換えられない他方のアキュムレータのばね定数より小さい場合に、一方のアキュムレータとの連通の有無による懸架シリンダのばね定数の変化の程度、つまり、連通させられている場合と遮断されている場合とのばね定数の差は、他方のアキュムレータのばね定数が一方のアキュムレータのばね定数以下である場合に比較して大きくなる。したがって、本項に記載の態様では、各懸架シリンダのばね定数の変化量が大きく、前述のクッション効果を重視する場合と制御シリンダによる制御効果を重視する場合とのそれぞれにおいて、それぞれの効果をより確実に発揮させることができる。
(8)前記複数の第2アキュムレータ切換弁が、非励磁状態において開弁し励磁状態において閉弁する電磁式開閉弁である(1)項ないし(7)項のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、上記切換弁をいわゆる常開(ノーマルオープン)の電磁式開閉弁とした態様である。先に説明したようシステム、つまり、対角相互同方向作動を利用して、うねりのある路面等における4輪接地性を向上させるシステムを例にとれば、そのシステムにおいては、悪路走行時には高い接地性が要求されるが、通常の路面ではそれ程高い接地性は要求されず、むしろ車両の乗り心地が重視されると考えられる。同様に、他のシステムでも、一般に、平坦路走行時等の通常状態において、車両の姿勢の安定化よりも乗り心地が優先されるものと考えられる。本項に記載の態様では、非励磁状態において第2アキュムレータと懸架シリンダとが連通させられており、懸架シリンダのばね定数は小さく、比較的乗り心地のよい状態とされる。したがって、本態様のシステムでは、例えば、切換弁の制御系統が失陥したような場合であっても、切換弁が開弁状態にあることから、通常状態に適したサスペンション特性が得られるという利点を有する。
(9)当該車両用サスペンションシステムが、それぞれが前記複数の懸架シリンダの各々と前記複数組の第1アキュムレータおよび第2アキュムレータの各々との間に配設された複数の可変絞り弁を含む(1)項ないし(8)項のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、懸架シリンダがショックアブソーバとしての機能を有する場合に好適な態様である。2つのアキュムレータと懸架シリンダとの間に配設された可変絞り弁は、懸架シリンダに減衰力を発生させる機能を果たし、その絞り弁が絞り量を可変とされていることから、本項の態様のサスペンションシステムによれば、懸架シリンダの発揮する減衰力の調整を効果を行うことが可能となる。
(10)前記制御装置が、前記複数の可変絞り弁を車両の操作状態と走行状態との少なくとも一方に基づいて制御する可変絞り弁制御部を備えた(9)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、上記制御装置が、可変絞り弁を制御可能な態様である。前述したような車両の操作状態,走行状態に基づいて減衰力を制御すれば、アクティブなサスペンションシステムが実現する。さらに言えば、先に説明したところの、制御シリンダによる効果および切換弁による懸架シリンダのばね定数の変更による効果が得られることに相俟って、サスペンション特性のより自由度の高いサスペンションシステムが実現することになる。なお、可変絞り弁の絞り量の調節によって減衰力を充分に変化させるためには、懸架シリンダに接続されているアキュムレータのばね定数が充分に低いことが望ましい。そのことに考慮すれば、本項の態様における可変絞り弁制御部は、上記第2アキュムレータと懸架シリンダとが連通されている状態において可変絞り弁の制御を実行し、連通されていない状態において可変絞り弁の制御を実行しないものであることが望ましい。
(11)当該車両用サスペンションシステムが、前記複数の懸架シリンダの各々に対して作動液を流入・流出させることで車高を調整する車高調整装置を含む(1)項ないし(10)項のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
本項の態様のサスペンションシステムは、車高調整装置が含まれており、さらに、高性能なサスペンションシステムが実現する。例えば、乗員数,積荷量の変化がある場合においても任意に設定された一定の車高とする調整、また、乗員の搭乗位置,積荷の状態等よる車体の傾斜を緩和する調整、車速が速い場合において車両の走行安定性を増すために車高を低目にする調整、うねりの大きな路面を走行する場合において車高を高くするような調整等、種々の目的の車高調整を行うことが可能である。車高調整装置は、各車輪に設けられた懸架シリンダの長さが独立して調整可能なものであることが望ましい。また、車高調整装置からの懸架シリンダに対する作動液の流入・流出路は、懸架シリンダに直接接続されるものであってもよく、また、制御シリンダの各作動液室,制御シリンダと各懸架シリンダとの連通路等に接続されるものであってもよい。
(12)当該車両用サスペンションシステムが、前記複数の懸架シリンダとして、前後左右に配置された4つの車輪の各々と車体の間にそれぞれ設けられた4つの懸架シリンダが前記制御シリンダに接続されたものであり、かつ、前記4つの懸架シリンダのうちのいずれか1つのものに対して外部からの力が作用した場合に、そのいずれか1つのものに対する対角位置に存在する懸架シリンダがそのいずれか1つのものと同方向に連動し、他の2つの懸架シリンダがそのいずれか1つのものと逆方向に連動するように、前記4つの懸架シリンダの作動が前記制御シリンダによって関係付けられたものであり、
前記切換弁制御部が、前記4つの車輪に対する接地性の要求が高い場合に前記4つの懸架シリンダの各々と前記4つの第2アキュムレータの各々との連通を遮断する高接地性要求時制御を行う高接地性要求時制御部を有する(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、前後左右4つの車輪の各々に設けられた懸架シリンダが、制御シリンダによって、前述の対角相互同方向作動するように関係付けられた態様において有効な一態様である。悪路(本明細書では、「うねりの大きな路面を有する路(荒地,山野等、厳密には路でない場合をも含む)」を意味するものとする)を走行する場合等には、4輪各々の接地性が高いことが要求される。高接地性の要求に対しては、懸架シリンダのアーティキュレーションすなわち関連動作性能を高くする必要がああり、懸架シリンダの動作に対する制御シリンダのピストン組立体の作動の応答性を高めることが望まれる。本項に記載の態様では、高接地性要求時に、懸架シリンダとアキュムレータとの間の作動液の移動量が小さくされ、制御シリンダによる制御性が高くなる。そのことにより、制御シリンダによる各懸架シリンダの関係付けられた作動の確実性が増し、より接地性の良好な状態が実現されることになる。
(13)当該車両用サスペンションシステムが、前記複数の懸架シリンダとして、前後左右に配置された4つの車輪の各々と車体の間にそれぞれ設けられた4つの懸架シリンダが前記制御シリンダに接続されたものであり、かつ、前記4つの懸架シリンダのうちのいずれか1つのものに対して外部からの力が作用した場合に、そのいずれか1つのものに対する対角位置に存在する懸架シリンダがそのいずれか1つのものと同方向に連動し、他の2つの懸架シリンダがそのいずれか1つのものと逆方向に連動するように、前記4つの懸架シリンダの作動が前記制御シリンダによって関係付けられたものであり、
前記切換弁制御部が、設定された悪路走行判定条件を満たす場合に前記4つの懸架シリンダの各々と前記4つの第2アキュムレータの各々との連通を遮断する悪路走行時制御を行う悪路走行時制御部を有する(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、前後左右4つの車輪の各々に設けられた懸架シリンダが、制御シリンダによって、前述の対角相互同方向作動するように関係付けられた態様において有効な一態様である。先に説明したように、悪路を走行する場合は、4輪の高い接地性を要求され、そのため、懸架シリンダの関連動作性能を高くすることが望まれる。本項に記載の態様によれば、悪路走行において、制御シリンダの制御性が高められ、高い接地性能が得られることになる。本項に記載の悪路走行時制御は、先の高接地性要求時制御と関連するものと考えることができ、例えば、高接地性要求時制御の下位の概念に相当するものと考えることも可能である。
(14)前記悪路走行時制御部が、車両の操作状態に基づいて前記悪路走行判定条件を満たしたことを判断し、前記悪路走行時制御を行うものである(13)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、悪路走行時制御を行う際の判定条件についての限定を加えた態様である。「車両の操作状態」は、先の説明と同様の意味であるため、ここでの説明は省略する。例えば、車両に対してなされた運転者の操作に基づいて前記悪路走行判定条件を満たしたことを判断するような態様が、本項に記載の態様に含まれる。より具体的に言えば、4輪駆動車におけるデファレンシャルロックスイッチ等、悪路走行のために操作される操作スイッチ等の操作状態から悪路走行時と判断するような態様が、本項に記載の態様に含まれる。
(15)前記悪路走行時制御部が、車両の走行状態に基づいて前記悪路走行判定条件を満たしたことを判断し、前記悪路走行時制御を行うものである(13)項または(14)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、悪路走行時制御を行う際の判定条件についての限定を加えた態様である。「車両の走行状態」は、先の説明と同様の意味であるため、ここでの説明は省略する。例えば、車両の挙動に基づいて前記悪路走行判定条件を満たしたことを判断するような態様が、本項に記載の態様に含まれる。より具体的に言えば、4つの車輪の各々とそれら各々が設けられる車体の一部との相対変位量,変位速度等の経時的な変化等から、走行路面の状態がうねりの大きな路面であるか否かを判断するような態様が、本項に記載の態様に含まれる。
(16)前記切換弁制御部が、
前記複数の第2アキュムレータ切換弁のうちのいずれか1つが作動不能な作動不能弁となった場合において、それら複数の第2アキュムレータ切換弁のうちの前記作動不能弁以外の第2アキュムレータ切換弁の少なくとも1つのものの連通・非連通状態を、前記作動不能弁の連通・非連通状態と同じ状態とする作動不能弁存在時制御を行う作動不能弁存在時制御部を有する(1)項ないし(15)項のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、切換弁制御部が、車両の異常状態に基づいて第2アキュムレータ切換弁を制御する態様の一態様である。複数の切換弁のうちのいずれか1つが作動不能となっている場合(それが常開弁であり断線等によって閉弁することが不能となった場合等)、制御シリンダによって関係付けられるところの、その作動不能な切換弁が設けられている懸架シリンダの作動と他の懸架シリンダの作動とのバランスが崩れることがある。本項に記載の態様によれば、そのような場合にも、他の切換弁の連通・非連通状態(例えば、開閉弁である場合には、開弁・閉弁状態)を作動不能となった切換弁の連通・非連通状態と整合させることができ、制御シリンダによる複数の懸架シリンダの作動のバランスを良好な状態に維持することが可能となる。なお、作動不能弁の状態に整合させる切換弁は、状況に応じて適切なものを任意に選択することが可能である。それぞれが前後左右4つの車輪の各々に配置された複数の懸架シリンダの作動を制御するシステム例にとって、より具体的に言えば、作動不能弁以外の3つの切換弁を作動不能弁の状態に整合させることも可能であり、作動不能弁と左右において同じ側に位置する1つの切換弁のみを整合させること、作動不能弁と前後において同じ側に位置する1つの切換弁のみを整合させることも可能である。
(17)当該車両用サスペンションシステムが、前記複数の懸架シリンダとして、前後左右に配置された4つの車輪の各々と車体の間にそれぞれ設けられた4つの懸架シリンダが前記制御シリンダに接続されたものであり、
前記作動不能弁存在時制御部が、前記作動不能弁が設けられた懸架シリンダと前後における同じ側かつ左右における反対側に配置された懸架シリンダに設けられた第2アキュムレータ切換弁の連通・非連通状態を、前記作動不能弁の連通・非連通状態と同じ状態とする前記作動不能弁存在時制御を行うものである(16)項に記載の車両用サスペンションシステム。
制御シリンダによって、それぞれが前後左右の4つの車輪の各々に設けられた4つの懸架シリンダの作動が制御されるシステムの場合、一般的には、前輪側と後輪側との両方において、左右の懸架シリンダの作動が均等な状態となるようにバランスさせられる。そのようなシステムにおいて、本項に記載の態様を採用すれば、作動不能弁が存在する場合にあっても、懸架シリンダの作動に関する左右のバランスを維持することが可能であり、作動不能弁が存在する場合でも、車体の挙動に関する左右のバランスが比較的良好な状態となる。
(18)当該車両用サスペンションシステムが、前記複数の懸架シリンダの各々に対して作動液を流入・流出させることで車高を調整する車高調整装置を含み、
前記作動不能弁存在時制御部が、前記車高調整装置による車高の調整が行われる場合に、前記作動不能弁存在時制御を行うものである(16)項または(17)項に記載の車両用サスペンションシステム。
先に説明したような車高調整装置を備えるサスペンションシステムにおいて、懸架シリンダへの作動液の流入・流出によって車高を調整する際、懸架シリンダに連通する2つのアキュムレータへの作動液にも流入・流出する。その場合、作動不能弁が存在してそれの連通・非連通状態が他の切換弁と異なるときには、懸架シリンダへの作動液の流入・流出量,流入・流出速度が、作動不能弁となった切換弁が設けられた懸架シリンダと、他の切換弁が設けられた懸架シリンダとの間で異なることになる。その場合、車高調整中,車高調整後における複数の車輪の各々が設けられる車体の各部分の車高バランスが崩れたり、制御シリンダによって関係付けられた複数の懸架シリンダの作動のバランスが崩れたりする場合がある。本項に記載の態様によれば、車高調整時に作動不能弁とそれ以外の切換弁との連通・非連通状態を整合させることで、上記車高バランスの崩れ、懸架シリンダの関連動作のバランスの崩れ等を回避することが可能となる。
(19)当該車両用サスペンションシステムが、前記複数の懸架シリンダとして、前後左右に配置された4つの車輪の各々と車体の間にそれぞれ設けられた4つの懸架シリンダが前記制御シリンダに接続されたものであり、かつ、前記4つの懸架シリンダのうちのいずれか1つのものに対して外部からの力が作用した場合に、そのいずれか1つのものに対する対角位置に存在する懸架シリンダがそのいずれか1つのものと同方向に連動し、他の2つの懸架シリンダがそのいずれか1つのものと逆方向に連動するように、前記4つの懸架シリンダの作動が前記制御シリンダによって関係付けられたものであり、
前記作動不能弁存在時制御部が、前記4つの車輪に対する接地性の要求が高い場合に前記作動不能弁存在時制御を行うものである(16)項ないし(18)項のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、前後左右4つの車輪の各々に設けられた懸架シリンダが、制御シリンダによって、前述の対角相互同方向作動するように関係付けられたシステムにおいて有効な一態様である。そのようなシステムにおいては、先に説明したように、4輪の高い接地性が要求される場合に、制御シリンダによる4つの懸架シリンダの作動の関係付けの効果が充分に得られること、つまり、対角相互同方向作動が充分な状態で行われることが期待される。したがって、本項に記載の態様によれば、作動不能弁が存在する場合において高い接地性が要求されるときにも、懸架シリンダの作動バランスを比較的良好な状態に維持することが可能となる。
(20)当該車両用サスペンションシステムが、前記複数の懸架シリンダとして、前後左右に配置された4つの車輪の各々と車体の間にそれぞれ設けられた4つの懸架シリンダが前記制御シリンダに接続されたものであり、かつ、前記4つの懸架シリンダのうちのいずれか1つのものに対して外部からの力が作用した場合に、そのいずれか1つのものに対する対角位置に存在する懸架シリンダがそのいずれか1つのものと同方向に連動し、他の2つの懸架シリンダがそのいずれか1つのものと逆方向に連動するように、前記4つの懸架シリンダの作動が前記制御シリンダによって関係付けられたものであり、
前記作動不能弁存在時制御部が、設定された悪路走行判定条件を満たす場合に前記作動不能弁存在時制御を行うものである(16)項ないし(18)項のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、前後左右4つの車輪の各々に設けられた懸架シリンダが、制御シリンダによって、前述の対角相互同方向作動するように関係付けられたシステムにおいて有効な一態様である。そのようなシステムでは、先に説明したように、悪路を走行する場合に、制御シリンダによる4つの懸架シリンダの作動の関係付けの効果が充分に得られること、つまり、対角相互同方向作動が充分な状態で行われることが期待される。したがって、本項に記載の態様によれば、作動不能弁が存在する場合において悪路を走行するときにも、懸架シリンダの作動バランスを比較的良好な状態に維持することが可能となる。悪路判定条件については、先の説明と同様であるため、ここでの説明は省略する。
以下、本発明の一実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
<サスペンションシステムの構成>
本実施例のサスペンションシステムは、SUV等の4輪駆動車に搭載される4輪独立懸架式のサスペンションシステムであり、図1に示すように、左側前輪FL,右側前輪FR,左側後輪RL,右側後輪RRの4つの車輪に設けられた4つの懸架シリンダ10と、それら懸架シリンダ10の各々と接続された制御シリンダ12と、それら懸架シリンダ10の各々にそれぞれ並列的に接続された2つのアキュムレータである第1アキュムレータ14,第2アキュムレータ16と、各懸架シリンダ10と各第2アキュムレータ16との連通の有無を切換える第2アキュムレータ切換弁18(以下、単に「切換弁18」と略す場合がある)と、車高調整装置20と、本サスペンションシステムの制御装置である電子制御ユニット(ECU)22とを含んで構成されている。ちなみに、サスペンションシステムは、作動液を作動油とする油圧システムとして構成されている。なお、懸架シリンダ10,第1アキュムレータ14,第2アキュムレータ16,切換弁18は、総称であり、以下の説明において、どの車輪に対するものであるかを明確にする必要のある場合には、図に示すように、車輪位置を示す添え字(FL,FR,RL,RR)を付すこととする。
懸架シリンダ10の各々は、サスペンションスプリングであるコイルスプリング(図示を省略)とともに、車輪と車体との間に配設されている。懸架シリンダ10は、ハウジング30と、ハウジング30内部を移動可能とされたピストン32と、一端部がピストン32に連結され他端部がハウジング30より延びだすピストンロッド34とを含んで構成されている。懸架シリンダ10は、ピストンロッド34のハウジング30から延びだす一端部が車輪に連結され、ハウジング30のピストンロッド34が延び出していない端部が車体の一部に連結されるようになっており、車体の一部に対する車輪の上下動に伴って伸縮するようになっている。
懸架シリンダの10の各々において、ハウジング30の内部は、ピストン32によって、ピストンロッド34が存在していない側の作動液室36と、ピストンロッド34が存在する側の作動液室38との2つの作動液室に区画されている。また、ピストン32には、絞りを有して2つの作動液室36,38を連通する連通路40が設けられており、車体の一部に対する車輪の上下動によって、ピストン32のハウジング30内の移動の際に、作動液がその連通路40を通って移動可能とされている。この絞りを有した連通路40の存在により、懸架シリンダ10は、減衰力を発生させるもの、つまり、ショックアブソーバとして機能するものされている。
また、各々の懸架シリンダ10の作動液室36には、作動液を流入・流出可能なポートが設けられており、そのポートは、可変絞り弁50を介して、制御シリンダ12への液通路である主管路52に接続されている。車輪の車体の一部に対する上下動によりピストン32がハウジング30内を移動することにより、作動液室36に対して作動液が流入・流出するようになっている。なお、この可変絞り弁50は、懸架シリンダ10に対して流入・流出する作動液の流れを絞るものであり、その絞り量が可変とされていることで、懸架シリンダ10が発生させる減衰力を調節する機能を有するもの、つまり、減衰力調整機構を構成するものとされている。なお、可変絞り弁50,主管路52は総称であり、どの車輪に対するものであるかを明確にする必要のある場合には、図に示すように、車輪位置を示す添え字を付す場合がある。
制御シリンダ12は、ハウジング54と、ハウジング54内部を移動可能なピストン組立体56(「シリンダ区画体」の一態様である)とを含んで構成されている。ピストン組立体56は、2つのピストン58と、それら2つのピストン58を連結する連結部材60とを含んで構成されている。ハウジング54には仕切壁62が設けられており、連結部材60は、その仕切壁62を貫通して配設されている。このような構造により、制御シリンダ12は、互いに液密な4つの作動液室64,66を有するものとされている。詳しく言えば、2つのピストン58の各々と仕切壁62の間に2つの内側液室64を有し、ピストン58の各々を挟んで2つの内側液室64の反対側に2つの外側液室66を有している。なお、ピストン58,内側液室64,外側液室66は、左右の車輪のいずれに対応するものかを明確にする必要がある場合において、図に示すように、車輪の左右を示す添え字(L,R)を付すこととする。
2つの内側液室64および2つの外側液室66の各々には、それら各々に対して作動液が流入・流出可能なポートが設けられており、そのそのポートには、上述の主管路52が接続されている。具体的には、左側前輪FLの懸架シリンダ10FLからの主管路52FLが、外側液室66Lに、右側前輪FRの懸架シリンダ10FRからの主管路52FRが、外側液室66Rに、それぞれ接続されており、左側後輪RLの懸架シリンダ10RLからの主管路52RLが、内側液室64Lに、右側後輪RRの懸架シリンダ10RRからの主管路52RRが、内側液室64Rに、それぞれ接続されている。後に詳しく説明するが、制御シリンダ12において、ピストン組立体56は、各作動液室64,66内の作動液の圧力の変化によって移動し、それらの作動液室64,作動液室66の圧力バランス、つまり、各懸架シリンダ10の作動液室36の圧力バランスに応じた位置に位置させられる。つまり、制御シリンダ12は、4つの懸架シリンダ10の作動を関連付けるものとされているのである。
各車輪ごとに設けられている第1アキュムレータ14は、主管路52の懸架シリンダ10に近い箇所に接続されており、懸架シリンダ10の作動液室36と連通させられている。また、第2アキュムレータ16は、主管路52の懸架シリンダ10に近い箇所に、切換弁18を介して接続されている。つまり、2つのアキュムレータ14,16は、互いに並列的に配設され、懸架シリンダ10の同じ作動液室36に連通させらるものとなっている。
切換弁18は、常開の電磁式開閉弁であり、非励磁状態において連通状態となっており、その状態において、第2アキュムレータ16は懸架シリンダ10の作動液室36と連通させられている。切換弁18が励磁状態とされた場合には、切換弁18は非連通状態となり、その状態では、第2アキュムレータ16と懸架シリンダ10との連通が遮断されることになる。なお、第1アキュムレータ14および第2アキュムレータ16は、主管路52によって、制御シリンダ12の4つの作動液室64,66のいずれかとも連通させられあるいは連通可能なものとされている。
第1アキュムレータ14および第2アキュムレータ16は、いずれもばねとしての機能を有するものであり、両者が懸架シリンダ10に対して並列的に接続された構造により、懸架シリンダ10と2つのアキュムレータ14,16とにより1つのばねが構成されることとなる。切換弁18によって、第2アキュムレータ16と懸架シリンダ10との連通の有無が切換えられることにより、そのばねのばね定数が変更されることになる。なお、第2アキュムレータ16のばね定数は、第1アキュムレータ14のばね定数より小さいものとされており(第1アキュムレータ14が高圧アキュムレータとされ、第2アキュムレータ16が低圧アキュムレータとされていると言うことができる)、切換弁18による連通の有無の切換により、ばね定数は、比較的大きく変更されることとなる。
車高調整装置20は、ポンプ80とポンプモータ82とを備えたポンプ装置84,リザーバ86,蓄圧用アキュムレータ88,車高調整用バルブセット90等を含んで構成されている。リザーバ86とポンプ80とは汲上通路92によって接続され、ポンプ80の吐出側にはポンプ通路94が接続されている。ポンプ通路94には、ポンプ圧を検出する圧力センサ96,逆止弁98,消音用アキュムレータ100が接続されているとともに、蓄圧用アキュムレータ88が常閉の電磁式開閉弁である蓄圧用アキュムレータ弁102を介して接続されている。さらに、ポンプ通路94と汲上通路92とをポンプ80をバイパスして接続する流出通路104が設けられ、流出通路104には常閉の電磁式開閉弁である流出弁106が設けられている。
ポンプ通路94は、4つの主管路52の各々に接続される4つの流出入路108に分岐しており、それら流出入路108によって、作動液が、懸架シリンダ10の各々対して流出入させられる。車高調整用バルブセット90は、6つの常閉の電磁式開閉弁から構成され、それらうちの4つのものである流出入路開閉弁110の各々は、4つの流出入路108の各々に、その各々の導通・非導通状態を切換えるべく設けられており、残る2つの電磁式開閉弁である左右連通弁112F,112R(「左右連通弁112」と総称する場合がある)が、前輪側、後輪側の各々の2つの流出入路108を互いに連通可能とすべく、上記流出入路開閉弁110の懸架シリンダ10側に設けられている。4つの流出入路開閉弁110の各々を開弁することにより、4つの懸架シリンダ10の各々のシリンダ長が、すなわち、各懸架シリンダ10が設けられている部分の車高が、独立して調整可能とされ、また、左右弁通弁112の各々を開弁することで、前輪側、後輪側の各々における左右の車高が、独立して整合可能とされている。なお、流出入路108,流出入路開閉弁110は、総称であり、以下の説明において、どの車輪に対するものであるかを明確にする必要のある場合には、図に示すように、車輪位置を示す添え字(FL,FR,RL,RR)を付すこととする。
前述した4つの切換弁18、4つの可変絞り弁50および車高調整装置20(詳しくは、各種開閉弁,ポンプ装置)の作動は、ECU22によって制御される。ECU22は、後に説明するように、コンピュータと駆動回路とを含んで構成される電子式の制御装置である。また、本サスペンションシステムには、各種のスイッチ、制御のために依拠する情報としての車両の操作状態,走行状態を検出するための各種のセンサ等が設けられている。具体的に言えば、各車輪に対しては、車輪とそれが設けられている車体の一部との車両高さ方向の距離(以下、「車輪車体間距離」という場合がある。例えば、懸架シリンダ10の全長等であってもよい)を検出する車高センサ(L)、車輪の回転速度を検出するための車輪速センサ(v)が設けられており、また、車室内には、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサ(θ)、ブレーキペダルの操作を検出するブレーキペダルセンサ(B)、所望の車高を選択するための車高モードスイッチ(HM)、デファレンシャルギヤをロックさせるためのデファレンシャルロックスイッチ(DR)、サスペンションの減衰力の大きさのモードを変更するためのサスペンションモードスイッチ(SM)等が設けられている。それら、スイッチ,センサ等もECU22に接続されている。
<制御シリンダの機能およびそれとアキュムレータとの関係>
前述した構成から、制御シリンダ12のピストン組立体56には、各車輪に設けられた懸架シリンダ10の液圧(詳しくは、作動液室36の液圧)に応じた力(概ねその液圧と受圧面の受圧面積との積で表される力)が作用し、静止状態においては、これらが釣り合っている。
車体にローリングが生じた場合には、4つの懸架シリンダ10は、制御シリンダ12によって、先に説明した平行入力時動作抑制作動の状態とされる。例えば、車両の左側において車輪車体間距離が増大して右側において減少した場合(例えば、左旋回時等の場合)、左前輪FLおよび左後輪RLの懸架シリンダ10FL,10RLの液圧が低くなり、右前輪FRおよび右後輪RRの懸架シリンダ10FR,10RRの液圧が高くなる。それに応じ、ピストン58Lの外側受圧面SOLおよび内側受圧面SILに作用する液圧が低くなり、ピストン58Rの外側受圧面SORおよび内側受圧面SIRに作用する液圧が高くなる。この場合にピストン組立体56が移動するか否か、移動するのであればいずれの向きに移動するかは、一義的には決まらない。ローリングに伴って各懸架シリンダ10に生じる液圧変化、4つの受圧面SOL,SIL,SOR,SIR(以下、「受圧面S」と総称する場合がある)の面積の関係等よって、変わるのである。つまり、上記液圧変化,受圧面Sの面積関係等を変えることによって、制限的にピストン組立体を移動させ、前輪側と後輪側とのローリング剛性配分を変えることができるのである。典型的な例を挙げれば、上記液圧変化,受圧面Sの面積関係等を調整して、ローリング時にもピストン組立体56に作用する力の釣り合い状態が変わらないようにすることもでき、その場合には、各懸架シリンダ10は、それぞれ独立しているに近い状態(極端に言えば、制御シリンダ12がなきに等しい状態)となる。本サスペンションシステムでは、説明を単純化するため、そのような典型的な構成とされているものとする。そのため、本実施例のサスペンションシステムでは、車体のローリングが効果的に抑制されることなる。
車体にピッチングが生じた場合にも、4つの懸架シリンダ10は、制御シリンダ12によって、先に説明した平行入力時動作抑制作動の状態とされる。例えば、車両の前側において車輪車体間距離が増大して後側において減少した場合(急加速した場合等)、左右前輪FL,FRの懸架シリンダ10FL,10FRの液圧が低くなり、左右後輪RL,RRの懸架シリンダ10RL,10RRの液圧が高くなる。そのため、2つの外側受圧面SOL,SORに作用する液圧が低くなり、2つの内側受圧面SIL,SIRに作用する液圧が高くなる。この場合には、ピストン組立体56に作用する力の釣り合いの状態は変わらないため、ピストン組立体56の移動が抑制され、各懸架シリンダ10は、それぞれ独立しているに等しい状態となり、車両のピッチングが効果的に抑制されることになる。
次に、路面から、前後左右の車輪の1つに外部入力が加わった場合を考える。例えば、左前輪FLに設けられた懸架シリンダ10FLに車輪車体間距離を小さくする力が加わった場合(例えば左前輪FLが路面の隆起に乗り上げたような場合である)、懸架シリンダ10FLとそれの対角位置に位置する懸架シリンダ10RRとの液圧が高くなり、他の2つの懸架シリンダ10FR,10RLの液圧が低くなる。これに伴い、外側受圧面SOLおよび内側受圧面SIRに作用する液圧が高くなり、内側受圧面SILおよび外側受圧面SORに作用する液圧が低くなり、ピストン組立体56において力の釣り合いが破れ、ピストン組立体56は、図1において右方へ移動する。その結果、外側液室66Lおよび内側液室64Rの容積が大きくなり、内側液室64L,外側液室66Rの容積が小さくなる。したがって、作動液は、懸架シリンダ10FL,10RRから作動液が流出するとともに懸架シリンダ10FR,10RLに流入し、あたかも、制御シリンダ12を介して2つの懸架シリンダ10FL,10RRと2つの懸架シリンダ10FR,10RLとが連通させられ、あたかもそれらの間で作動液の授受が行われるに等しい状態となるのである。
上記ピストン組立体56の移動により、互いに対角に位置する懸架シリンダ10FLとが懸架シリンダ10RRとがともに縮むように動作し、別の対角に位置する懸架シリンダ10FRと懸架シリンダ10RLとが伸びるように動作する。つまり、1つの懸架シリンダ10に外部入力が作用した場合(対角位置に位置する懸架シリンダ10に同時に同じ向きの力が作用場合も同様である)には、4つの懸架シリンダ10は、制御シリンダ12によって、先に説明した対角相互同方向作動の状態とされるのである。対角相互同方向作動の状態では、対角位置に配置された対角車輪の同方向移動が容易となるとともに、別の対角位置に配置された対角車輪の逆方向の同方向移動が容易となることで、車体の上下動が抑制されることになる。対角相互同方向作動の状態では、起伏の大きな悪路等を走行する場合において、車体姿勢に関して高い安定性が得られるとともに、4つの車輪の接地性が高められることになる。
前述したように、本サスペンション装置は、各懸架シリンダ10に対して、第1アキュムレータ14,第2アキュムレータ16の2つのアキュムレータが設けられており、切換弁18による第2アキュムレータ16と懸架シリンダ10との連通の有無の切換により、懸架シリンダ10のばね定数が変更されることなる。切換弁18が連通状態とされることでばね定数が小さくされている場合は、懸架シリンダ10からの作動液の流入・流出が比較的容易に行われることになり、例えば、先に説明した高周波的な振動に対するクッション的な機能が高く、車両の乗り心地は良好となる。そのため、通常の路面を走行する場合には、第2アキュムレータ16と懸架シリンダ10とを連通する状態とすることが、すなわち、切換弁18を連通状態とすることが、望ましいのである。
一方、切換弁18によって、上記ばね定数が切換られた場合、2つのアキュムレータ14,16の作動液の合計蓄液量(厳密に言えば、同じ液圧下における蓄液量)が変更されるため、懸架シリンダ10のピストン32が移動して、作動液室36に対して流入・流出する作動液の量と、制御シリンダ12に対して流入・流入する作動液の量との関係が変更されることになる。具体的に言えば、切換弁18を連通状態とした場合、2つのアキュムレータ14,16の合計蓄液量は増加し、それに起因して、制御シリンダ12に対する流入・流出量が減少することななる。逆に、切換弁18を非連通状態とした場合、2つのアキュムレータ14,16の合計蓄液量が減少し、制御シリンダ12に対する流入・流出量が増加することになる。つまり、切換弁18は、懸架シリンダ10と制御シリンダ12との間の作動液の移動量(移動のし易さ)を変更するように機能するのである。
先に説明したように、1輪に対する入力があった場合は、懸架シリンダ10の液圧変化により、制御シリンダ12のピストン組立体56が移動する。ところが、アキュムレータ14,16の合計蓄液量の変更によって、懸架シリンダ10と制御シリンダ12との相互作動の応答性、つまり、懸架シリンダ10のピストン32と制御シリンダ12のピストン組立体56の動作の応答性(それらの一方の移動に対する他方の移動の程度と考えることができる)も変更させられることになる。具体的に言えば、上記ばね定数が小さい場合には、大きい場合と比較して、上記応答性が悪い状態となる。このことは、前述したところの、制御シリンダ12による各懸架シリンダ10の関係付けられた作動の効果が、充分に発揮されないことになる。言い換えれば、制御シリンダ12による制御性が低い状態となる。そのため、悪路走行時等、4つの車輪の高い接地性が要求される場合には、第2アキュムレータ16と懸架シリンダ10とを連通しない状態とする、すなわち、切換弁18を非連通状態とすることが望ましいのである。
本サスペンションシステムは、上述したような、第2アキュムレータ16と懸架シリンダ10との連通の有無によるサスペンション特性の差異を考慮し、その有無を、車両の操作状態,走行状態に応じて適宜制御するものとされている。その制御は、上記ECU22によって、後述するような態様で行われる。
<ECUの機能構成>
本サスペンションシステムの制御装置であるECU22機能構成をブロック図で概念的に示せば、図2のようになる。ECU22は、コンピュータを主体とする制御部150と、駆動回路152,154,156とを含んで構成されている。制御部150は、本発明に関係の深い3つの制御を行う機能部であるところの、切換弁18に関する制御を行う切換弁制御部160と、可変絞り弁50に関する制御を行う可変絞り弁制御部162と、車高調整装置20に関する制御を行う車高調整制御部164を有している。切換弁制御部160は、さらに、目的の異なる2つの制御を行う機能部であるところの、高接地性要求時制御部166と、作動不能弁存在時制御部168とを有している。なお、本実施例では、高接地性要求時制御部166は、悪路を走行する場合に高い接地性が要求されるものとして切換弁18の制御を行うことから、悪路走行時制御部として機能するものとされている。ここに掲げた各機能部の機能については、後に詳しく説明するため、ここでの説明は省略する。
また、制御部150は、入出力インターフェース(I/O)170を有しており、そのI/O170には、第2アキュムレータ切換弁18、可変絞り弁50、車高調整装置20が、それぞれ、駆動回路152,駆動回路154,駆動回路156を介して接続されている。また、I/O170には、先に説明した車高センサ120,車輪速センサ122,操舵角センサ124,ブレーキペダルセンサ126,車高モードスイッチ128,デファレンシャルロックスイッチ130,サスペンションモードスイッチ132が、それぞれ接続されている。なお、車高調整装置20に関しては簡略化して示しているが、実際には、制御対象となるアクチュエータであるポンプモータ82,蓄圧用アキュムレータ弁102,流出弁106,流出入路開閉弁110,左右連通弁112が、個々に、それぞれの駆動回路を介してI/O170に接続され、また、圧力センサ90がI/O170に接続されるような構成となっている。
<ECUによる制御>
ECU22は、自身が有するROMに格納されているサスペンション制御プログラムが実行されることによって、サスペンションシステムの制御を行う。本発明に関係のある制御として、ECU22は、切換弁制御,可変絞り弁制御,車高調整制御を行うが、それぞれの制御は、上記サスペンション制御プログラムの一部分を構成する切換弁制御ルーチン,可変絞り弁制御ルーチン,車高調整制御ルーチンのそれぞれが実行されて行われる。ちなみに、サスペンション制御プログラムは、短い時間間隔(例えば、数十msec)をおいて繰り返し実行されることになり、その繰り返しに応じて、それら3つのルーチンも繰り返し実行される。以下に、それぞれの制御について、順次、具体的に説明する。なお、車高調整制御,可変絞り弁制御は、既に公知の種々の制御が存在し、それらの制御を広く取り入れることができるため、明細書の冗長化を避けるため、本サスペンション装置では、典型化された一部の制御が行われるものとして、それについてのみ簡単に説明する。また、可変絞り弁制御ルーチン,車高調整制御ルーチンのフローチャートについても、同様の理由で省略する。
i)車高調整制御
本サスペンションシステムにおいては、4つの車輪を個別に車高調整可能となっているが、説明を単純化するために、主として、4輪全てについて共通に車高調整がなされる場合を説明する。車高調整制御は、車高調整装置20を制御作動することによって行われる。本サスペンションシステムでは、車高が高(H),中(M),低(L)の3つの状態をとり得るように設定されている。つまり、車高に対して3つのモードが用意されおり、そのモードの選択は、運転者による車高モードスイッチ128による操作によって行われる。運転者によるモード選択がなされた場合には、マニュアル車高調整が実行される。このマニュアル車高調整は、車輪速センサ122の検出値に基づいて車両速度を判断し、車両が略停止している状態においてのみ実行されるように制限されている。実際の車高は、4つの車高センサ120の検出値に基づいて取得され(例えば、4つの検出値の平均等)、各モードについて設定されている目標値との偏差に基づいて車高調整がなされる。
マニュアル車高調整において、車高を上げる必要がある場合は、蓄圧用アキュムレータ弁102が開弁されるとともにポンプ80が作動させられ、流出入路開閉弁110が開弁されることで、作動液がリザーバ86から汲上られて流出入路108から主管路を52を通って懸架シリンダ10に流入する状態とされる。実際の車高が目標値となるまで、その状態が維持され、実際の車高が目標値となった場合は、流出入路開閉弁110が閉弁され、その後、圧力センサ96によって検出されるポンプ通路94の作動液圧、つまり、蓄圧アキュムレータ88の液圧が、設定された圧力(次の車高を上げるための作動が実行可能な程度の圧力として設定されている)となった場合に、蓄圧用アキュムレータ弁102が閉弁されてポンプ80の作動が停止させられる。逆に、車高を下げる必要がある場合は、流出弁106が開弁されるとともに、流出入路開閉弁110が開弁されることで、懸架シリンダ10から作動液がリザーバ86に戻される状態とされる。実際の車高が目標値となるまで、その状態が維持され、実際の車高が目標値となった場合は、流出入路開閉弁110が閉弁され、流出弁106が閉弁される。
本サスペンションシステムにおける固有の制御として、マニュアル車高調整では、第2アキュムレータ切換弁18の閉弁制御も行われる。先に説明したように、各流出入路108は、各主管路52を介して各懸架シリンダ10に連通するとともに、2つのアキュムレータ14,16とも連通するものとなっている。そのため、マニュアル車高調整において、作動液を懸架シリンダ10に対して流入・流出させる場合に、2つのアキュムレータ14,16に対しても作動液が流入・流出することになる。切換弁18が連通状態となっており、第2アキュムレータ16が主管路52と連通する状態とされている場合は、2つのアキュムレータ14,16の合計の蓄液量が多いため、マニュアル車高調整を実行する時間が長くなる。そこで、本サスペンションシステムでは、マニュアル車高調整を行う際、それの時間短縮を目的として、切換弁18を、流出入路開閉弁110の開閉に先立って、閉弁するようにされている。この切換弁18の制御は、後に説明する切換弁制御ルーチンにおいて行われる。
本サスペンションシステムでは、上記マニュアル車高調整の他に、車両の速度に基づくオート車高調整が行われる。オート車高調整は、車輪速センサ122の検出値から得られる車両速度が設定速度(例えば、40km/h)より大きい状態が設定時間連続する場合に、車高モードスイッチ128の操作によって指定されているモードから、1段階車高の低いモードに変更し、車両速度が設定速度以下の状態が設定時間連続する場合に、変更された車高モードを復帰させる制御である(指定されているモードが低(L)の場合は除く)。このオート車高調整は、比較的高速の走行状態において車両の挙動を安定させるために行う制御である。調整のための車高調整装置20の制御作動は、マニュアル車高調整と同様に行われる。しかし、走行中の車高調整であることから、車両の乗り心地,可変絞り弁制御における減衰力の変更等を優先させるべく、上述した第2アキュムレータ切換弁18の閉弁制御は行われないようになっている。
以上、4輪全てについて共通に車高調整がなされる場合のみを説明したが、4つの車輪に関して個別に車高調整する場合は、流出入路開閉弁110を個別に制御作動すればよく、また、前輪側、後輪側の各々の左右の車輪に関して共通に、かつ、前輪側、後輪側に関して個別に車高調整する場合は、左右連通弁112を開弁した状態において調整すればよい。以上説明した、車高調整制御は、ECU22が、車高調整制御ルーチンを実行することによって行われるが、ECU22におけるそのルーチンを実行する部分が、車高調整制御部164を構成するものとなっている。
ii)可変絞り弁制御
本サスペンションシステムでは、各懸架シリンダ10に設けられた可変絞り弁50の絞り量の制御が行われる。可変絞り弁50は、先に説明したように、ショックアブソーバとして機能する懸架シリンダ10の減衰力を変更、変化させる制御である。本サスペンションシステムに、アクティブサスペンションとしての機能を付加する制御である。
可変絞り弁50の基準となる絞り量は、発生させる減衰力の大きさの差により、つまり、いわゆる所望するサスペンションの硬さにより、硬(H),軟(S)となる2つの値が設定されており、それらの2つの基準絞り量は、運転者によるサスペンションモードスイッチ132の切換操作によって選択される。可変絞り弁50の制御は、絞り量をその基準絞り量からシフトさせた値になるように制御が行われる。本サスペンションシステムでは、可変絞り弁制御として、制動時制御と旋回時制御との2つの制御が行われる。
制動時制御は、ブレーキ操作時において、車両の前方部分が沈み込む現象、いわゆるダイブ現象を積極的に抑制することを目的とする制御である。車輪速センサ122の検出値を基に取得された車両速度と、ブレーキペダルセンサ126によって検出されたブレーキ操作の有無に基づいて可変絞り弁50の目標絞り量が決定され、その目標絞り量となるように可変絞り弁50が制御作動させられる。具体的に言えば、ブレーキペダルの操作がされていることをトリガとして、車両速度の大きさに応じたシフト値だけ作動液の流量が小さくなるように目標絞り量がシフトさせられる。このような可変絞り弁50の制御作動により、アブソーバとしての懸架シリンダ10の減衰力が大きくされ、制動時におけるダイブ現象が抑制されることになる。
旋回時制御は、車両旋回時における車体のローリングを積極的に抑制することを目的とする制御である。車輪速センサ122の検出値を基に取得された車両速度と、操舵角センサ124によって検出されたステアリングホイールの操舵角とに基づき、車体に生じているヨーレイトを推定し、そのヨーレートの大きさに応じた値だけ作動液の流量が小さくなるように、目標絞り量がシフトさせられる。このような可変絞り弁50の制御作動により、アブソーバとしての懸架シリンダ10の減衰力が大きくされ、旋回時のローリングが抑制されることになる。なお、旋回時制御は、旋回時の旋回外輪となる側の前後輪だけ、目標絞り量がシフトさせられる。
本サスペンションシステムでは、2つのアキュムレータ14,16が懸架シリンダ10に接続され、第2アキュムレータ16と懸架シリンダ10の連通の有無が第2アキュムレータ切換弁18によって切換えられる。第2アキュムレータ16が連通状態にあり、2つのアキュムレータ14,16の合計の蓄液量が大きい場合に、減衰力を変化させる効果が大きくなる。つまり、第2アキュムレータ16が非連通状態にある場合は、懸架シリンダ10に対する作動液の流出・流入量が比較的少なくなることから、比較的減衰力が大きな状態となっており、その状態から減衰力を変化させることによる効果が小さく、また、減衰力が大きくなりすぎることを回避する必要もある。また、第2アキュムレータ16が連通状態にある場合は、上述した懸架シリンダ10のばね定数が小さいことから、通常路面の走行において、その場合に車体の姿勢が変化しやすく、その場合にのみ、減衰力を変化させれば充分であると考えられる。そこで、本サスペンションシステムでは、切換弁18の状態が非連通状態とされている場合には、上記制動時制御および旋回時制御のいずれも実行されないようにされている。
以上説明した可変絞り弁制御は、制動時制御,旋回制御のいずれもが、車両速度に基づく制御、つまり、車両の走行状態に基づく制御とされており、また、ブレーキペダルの操作の有無あるいはステアリングホイールの操舵角に基づく制御、つまり、車両の操作状態に基づく制御とされている。上記可変絞り弁制御は、ECU22が、可変絞り弁制御ルーチンを実行することによって行われるが、ECU22におけるそのルーチンを実行する部分が、可変絞り弁制御部162を構成するものとなっている。
iii)切換弁制御
切換弁制御は、第2アキュムレータ切換弁18の連通状態と非連通状態との切換えを行うことにより、各懸架シリンダ10と各第2アキュムレータとの連通の有無を切換る制御である。この切換弁制御は、ECU22によって、図3にフローチャートを示す切換弁制御ルーチンが実行されることによって行われる。以下、そのフローチャートに従って、切換弁制御について詳しく説明する。
まず、ステップ1(以下、「S1」と略す。他のステップも同様とする。)において、切換弁作動フラグFのリセットが行われる。次いで、S2において、4つの第2アキュムレータ切換弁18のうちのいずれかが作動不能状態にあるか否かが判断される。ECU22は、切換弁18の駆動回路152をモニタしており、例えば、断線等によって、駆動回路152から切換弁18に作動電力が供給できない場合に、その情報を取得するようにされている。本サスペンションシステムでは、説明を単純化するために、そのような場合のみを、ある切換弁18が作動不能弁となったものと擬制し、作動不能弁は、常に連通状態にあるものとする。また、2以上の切換弁18が同時に作動不能弁とならないものと仮定する。S2において、作動不能弁が存在すると判断された場合は、S3において、上記フラグFが立てられるとともに、4つのうちのどの切換弁18が作動不能弁となっているかが特定される。作動不能弁が存在すると判断された場合は、S3は実行されず、フラグFは立てられない。
次いで、S4において、前述した車高調整が行われている最中か否かが判断される。詳しく言えば、前述のマニュアル車高調整が実行されているか否かが判断される。この判断は、車高調整制御部164からの信号に基づいて行われる。S4でマニュアル車高調整制御が行われていると判断された場合は、車高調整時切換弁制御が行われる。車高調整時切換弁制御では、まず、S5において、フラグFの状態が判断される。S5でフラグFが立てられていないと判断された場合、すなわち、作動不能弁が存在しないと判断された場合は、S6において、4つの切換弁18は、すべて閉弁される。つまり、4つの第2アキュムレータ16の各々と4つの懸架シリンダ10の各々との連通が、すべて遮断されることになる。この場合は、先に説明したように、各組の第1アキュムレータ14と第2アキュムレータ16との合計の蓄液量が小さくされることにより、マニュアル車高調整が速やかに行い得る状態とされるのである。
S5において、フラグFが立てられていると判断された場合、つまり、作動不能弁が存在している場合は、S7において、作動不能弁存在時制御が行われる。詳しく言えば、特定されている作動不能弁と、その作動不能弁と前後において同じ側であってかつ左右において反対側の切換弁18(連通・非連通状態を作動不能弁と整合させる切換弁であることから、以下、「整合弁」という場合がある)とを除く2つの切換弁18のみが閉弁される。作動不能弁は閉弁不能であることから、整合弁が閉弁された場合には、前輪側,後輪側の一方の左右における2つのアキュムレータ14,16の合計蓄液量に差が生じ、車高調整時において、懸架シリンダ10に対する作動液の流入・流出量に差が生じることになる。このことにより、前輪側あるいは後輪側の一方において、左右の車高バランスが崩れることになる。つまり、S7は、マニュアル車高調整の際に作動不能弁が存在することによって生じる左右の車高(車輪車体間距離)のアンバランスを防止すべく、整合弁の連通・非連通状態を作動不能弁の連通・非連通状態と同じ状態に整合させるための制御処理である。S6またはS7による切換弁18の閉弁制御が行われた後、車高調整時切換弁制御の実行が終了する。マニュアル車高調整時には車両が走行状態ではないため、車高調整時切換弁制御の終了の後、S8以下がスキップされて、本切換弁制御ルーチンの実行が終了する。
S4において、マニュアル車高調整中ではないと判断された場合は、S8において、車両が悪路走行時であるか否かが判定される。S8の判断に用いられる悪路走行判定条件は、以下の3つの条件
(a) デファレンシャルロックスイッチがロック状態に操作されていること
(b) 車両速度が、設定された速度以下であること
(c) 4つの車輪の挙動が設定された悪路走行時挙動範囲にあること
を含んでおり、それら3つの条件を満たした場合に、悪路走行時であると判定される。(a)については、車両の操作状態であるデファレンシャルロックスイッチ130の操作状態に基づいて判断され、(b)については、車両の走行状態であるところの車輪速センサ122の検出値から取得された車両速度に基づいて判断される。(c)については、詳細は省略するが、車高センサ120によって検出されたとことろの、設定時間内における各輪の車輪車体間距離の変化、変化速度等に基づいて、4つの車輪の挙動がうねりの大きな路面の挙動であるかどうかが判断される。つまり、(c)については、車両の走行状態の一種である車両の走行状態に基づいて判断されるのである。
S8において、悪路走行時であると判断された場合は、高接地性要求時制御としての悪路走行時制御が実行される。悪路走行時制御では、まず、S9において、フラグFの状態が判断される。S9でフラグFが立てられていないと判断された場合、すなわち、作動不能弁が存在しないと判断された場合は、S10において、4つの切換弁18が全て閉弁される。これにより、4つの懸架シリンダ10の各々のばね定数が大きくされ、先に説明したように、制御シリンダ12による各懸架シリンダ10の関連付け動作の応答性が向上させられ、先に説明したところの悪路走行に適したサスペンション特性が得られることになる。
S9において、フラグFが立てられていると判断された場合、すなわち、作動不能弁が存在すると判断された場合は、S11において、作動不能弁存在時制御が行われる。詳しくは、作動不能弁とそれに対する整合弁とを除く2つの切換弁18のみが閉弁される。作動不能弁のみが開弁状態にある場合は、関連付け動作のバランスが崩れることになる。具体的に言えば、前述の対角車輪の同相移動の状態が、一方の対角車輪を構成する車輪に路面からの入力が加わった場合と、他方の対角車輪を構成する車輪に加わった場合とで、異なるものとなる。その結果、悪路走行時における車体の姿勢の安定化が充分は実現されないこととなる。つまり、S11は、作動不能弁が存在することによって生じるところの、悪路走行における車体の挙動の左右のアンバランスを防止すべく、整合弁の連通・非連通状態を作動不能弁の連通・非連通状態と同じ状態に整合させるための制御処理である。S10またはS11による切換弁18の閉弁制御が行われた後、悪路走行時切換弁制御の実行が終了し、本切換弁制御ルーチンの実行が終了する。なお、S8で悪路走行時ではないと判断された場合には、通常路面を走行する状態であり、S9以下がスキップされて、4つの切換弁18は開弁状態を維持しつつ、本切換弁制御ルーチンの実行が終了する。
以上説明した切換弁制御は、ECU22が、切換弁制御ルーチンを実行することによって行われるが、ECU22におけるそのルーチンを実行する部分が、切換弁制御部160を構成するものとなっている。より詳しく言えば、S5〜S7の処理を実行する部分が車高調整時制御部を構成し、S9〜S11の処理を実行する部分が悪路走行時制御部、つまり、高接地性上級時制御部168を構成するものとなっている。さらに、作動不能弁が存在する場合の制御処理であるS7,S11の処理を実行する部分が、車両の異常状態に基づいて切換弁18の制御を実行する作動不能弁存在時制御部168を構成するものとなっている。なお、詳しく言えば、S7の処理が、車高調整時に作動不能弁存在時制御を行う処理となっており、S11の処理が高接地性要求時、詳しくは、悪路走行時に作動不能弁存在時制御を行う処理となっている。
本発明の実施例であるサスペンションシステムの概略構成を示す回路図である。 図1に示すサスペンションシステムの制御装置である電子制御ユニットの機能構成を概念的に示すブロック図である。 図2に示す電子制御ユニットによって実行されるサスペンション制御プログラムを構成する切換弁制御ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
10:懸架シリンダ 12:制御シリンダ 14:第1アキュムレータ 16:第2アキュムレータ 18:第2アキュムレータ切換弁 20:車高調整装置 22:電子制御ユニット(制御装置) 50:可変絞り弁 54:ハウジング 56:ピストン組立体(シリンダ区画体) 58:ピストン 60:連結部材 62:仕切壁 64:内側液室 66:外側液室 150:制御部 160:切換弁制御部 162:可変絞り弁制御部 164:車高調整制御部 166:高接地性要求時制御部(悪路走行時制御部) 168:作動不能弁存在時制御部

Claims (7)

  1. 液圧式の制御シリンダと、
    それぞれが、複数の車輪の各々と車体との間に設けられるとともに前記制御シリンダに接続され、その制御シリンダによって互いの作動が関係付けられる液圧式の複数の懸架シリンダと、
    それぞれが前記複数の懸架シリンダの各々に接続された複数組の第1アキュムレータおよび第2アキュムレータと、
    それぞれがそれら複数の第2アキュムレータの各々と前記複数の懸架シリンダの各々との連通の有無を切換える複数の第2アキュムレータ切換弁と、
    それら複数の第2アキュムレータ切換弁を制御する切換弁制御部を備えた制御装置と
    を含んで構成された車両用サスペンションシステム。
  2. 前記複数組の第1アキュムレータおよび第2アキュムレータの各々において、第2アキュムレータが第1アキュムレータよりばね定数が小さい請求項1に記載の車両用サスペンションシステム。
  3. 前記複数の懸架シリンダとして、前後左右に配置された4つの車輪の各々と車体の間にそれぞれ設けられた4つの懸架シリンダが前記制御シリンダに接続され、
    前記4つの懸架シリンダのうちのいずれか1つのものに対して外部からの力が作用した場合に、そのいずれか1つのものに対する対角位置に存在する懸架シリンダがそのいずれか1つのものと同方向に連動し、他の2つの懸架シリンダがそのいずれか1つのものと逆方向に連動するように、前記4つの懸架シリンダの作動が前記制御シリンダによって関係付けられた請求項1または請求項2に記載の車両用サスペンションシステム。
  4. 前記切換弁制御部が、前記4つの車輪に対する接地性の要求が高い場合に前記4つの懸架シリンダの各々と前記4つの第2アキュムレータの各々との連通を遮断する高接地性要求時制御を行う高接地性要求時制御部を有する請求項3に記載の車両用サスペンションシステム。
  5. 前記切換弁制御部が、設定された悪路走行判定条件を満たす場合に前記4つの懸架シリンダの各々と前記4つの第2アキュムレータの各々との連通を遮断する悪路走行時制御を行う悪路走行時制御部を有する請求項3に記載の車両用サスペンションシステム。
  6. 前記悪路走行時制御部が、車両の操作状態に基づいて前記悪路走行判定条件を満たしたことを判断し、前記悪路走行時制御を行うものである請求項5に記載の車両用サスペンションシステム。
  7. 前記悪路走行時制御部が、車両の走行状態に基づいて前記悪路走行判定条件を満たしたことを判断し、前記悪路走行時制御を行うものである請求項5または請求項6に記載の車両用サスペンションシステム。
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