JP2008117608A - 色素増感型太陽電池用封止材組成物およびそれを用いた色素増感型太陽電池用封止材ならびにその封止材を用いた色素増感型太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】色素増感型太陽電池に使用される電解液に対して優れた耐性を有し、気泡の発生等を抑制して、封止材の外観性を高めるとともにガスバリア性を高め、信頼性の高いシール性能を発揮しうる色素増感型太陽電池用封止材組成物およびそれを用いた色素増感型太陽電池用封止材ならびにその封止材を用いた色素増感型太陽電池を提供する。
【解決手段】色素増感型太陽電池の電解液を封止する封止材形成用の組成物であって、下記の(A)および(B)を構成成分とするプレポリマーを主要成分とする色素増感型太陽電池用封止材組成物とする。また、上記組成物を用いた色素増感型太陽電池用封止材ならびにその封止材を用いた色素増感型太陽電池とする。
(A)1分子中にイソシアネート基と反応する反応基を有するフッ素系樹脂。
(B)イソシアネート化合物。
【選択図】なし
【解決手段】色素増感型太陽電池の電解液を封止する封止材形成用の組成物であって、下記の(A)および(B)を構成成分とするプレポリマーを主要成分とする色素増感型太陽電池用封止材組成物とする。また、上記組成物を用いた色素増感型太陽電池用封止材ならびにその封止材を用いた色素増感型太陽電池とする。
(A)1分子中にイソシアネート基と反応する反応基を有するフッ素系樹脂。
(B)イソシアネート化合物。
【選択図】なし
Description
本発明は、色素増感型太陽電池内に封入される電解液の封止に用いられ、電解液のシール性能等に優れた封止材を形成しうる色素増感型太陽電池用封止材組成物およびそれを用いた色素増感型太陽電池用封止材ならびにその封止材を用いた色素増感型太陽電池に関するものである。
一般に、色素増感型太陽電池は図1のように構成されている。すなわち、図において、1は、ガラス等からなる透明基板であり、上記透明基板1の片方の面に透明導電膜2が形成され、さらに上記透明導電膜2の上に酸化チタンの粒子を均一に塗布、加熱して多孔質膜3が形成され、さらに上記多孔質膜3に、ルテニウム錯体等といった太陽光を効率的に吸収することのできる増感色素4が吸着されている。このようにして、陰極となる電極基板が構成されている。陽極となる電極基板は、上記と同様の透明基板1’の片方の面に透明導電膜2’が形成されたものであり、これら二枚の電極基板の導電膜側を、図示のように対峙させた状態で封止材7を介して接合され、両基板と封止材7とによって形成された密閉空間に電解液5が注入され、図示のような色素増感型太陽電池が構成されている。
この種の色素増感型太陽電池において封止材は、図1に示すように、上記電解液を封入する空間を形成すると同時に、封入された電解液の漏れ止めを行う。すなわち、封止材7には、2枚の電極基板の間に電解液を封入する空間を構成するためのスペーサーとしての機能だけでなく、電解液が電池から漏れないようにするためのシール材としての機能も要求される。
このような封止材7の形成材料として、最近では、ポリイソブチレン系、イソプレン系またはメタアクリレート系の弾性材料を使用することが提案されている。このような弾性材料の使用により、電極基板の重量に対する耐圧縮永久歪み性や、電極基板の変形に追従する低モジュラス性も得られることから、良好なシール性が得られるようになる(特許文献1〜4参照)。しかしながら、ポリイソブチレン系、イソプレン系またはメタアクリレート系の弾性材料を用いて封止材を形成した場合、電解液に用いられているアセトニトリル等の有機溶剤に対する耐性が低いため、やはり、電解液漏洩という問題を生じ、発電特性の低下を招いている。
特開2004−95248公報
特開2004−311036公報
特開2005−30264公報
特開2006−185646公報
このような従来の封止材料の欠点の解消を目的として、本発明者らは、これまで、耐溶剤性の点で、フッ素系樹脂を主剤とした弾性材料の使用を検討してきた。しかしながら、主剤として用いるフッ素系樹脂を硬化剤成分と組合せて硬化させる等の封止材化する過程において、場合により、気泡等が封止材中に発生し分布するため、封止材の外観性が悪くなるとともに、この気泡の存在により、ガスバリアが低下するという問題が生じている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐溶剤性に優れるフッ素系樹脂を用いつつ、気泡の発生等を抑制し、封止材の外観性を高めるとともに、ガスバリア性も高め、信頼性の高いシール性能を発揮しうる色素増感型太陽電池用封止材組成物およびそれを用いた色素増感型太陽電池用封止材ならびにその封止材を用いた色素増感型太陽電池の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、色素増感型太陽電池の電解液を封止する封止材形成用の組成物であって、下記の(A)および(B)を構成成分とするプレポリマーを主要成分とする色素増感型太陽電池用封止材組成物を第1の要旨とする。
(A)1分子中にイソシアネート基と反応する反応基を有するフッ素系樹脂。
(B)イソシアネート化合物。
(A)1分子中にイソシアネート基と反応する反応基を有するフッ素系樹脂。
(B)イソシアネート化合物。
また、この第1の要旨の色素増感型太陽電池用封止材組成物を用いて形成されている色素増感型太陽電池用封止材を第2の要旨とし、その色素増感型太陽電池用封止材を用いて形成されている色素増感型太陽電池を第3の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、フッ素系樹脂と硬化剤とを構成成分(構成材料)とする組成物について研究を重ねた結果、前記気泡の生成は、フッ素系樹脂とイソシアネート化合物とを組み合わせた系で生起することが判明した。これについて、本発明者らは、さらに研究を重ねた結果、イソシアネート化合物中のイソシアネート基が、空気中の水分と反応してガスを生成し、これが原因で封止材中に気泡が分布して、外観性が悪くなるとともに、気泡の存在により封止材の肉厚が薄くなることに起因するガスバリア性の低下が生じることをつき止めた。本発明者らは、この知見にもとづき、さらに研究を進めた結果、イソシアネート化合物をそのまま用いるのではなく、フッ素系樹脂として、イソシアネート基と反応する反応基を有するものを用い、これとイソシアネート化合物とを組み合わせプレポリマー化したものを用いると、封止材化する際には、所要量のイソシアネート基がフッ素系樹脂の反応基と反応して潰されているため、空気中の水分との反応による気泡生成が抑制されることを見出し本発明に到達した。
以上のように、本発明の色素増感型太陽電池用封止材組成物は、1分子中にイソシアネート基と反応する反応基を有するフッ素系樹脂と、イソシアネート化合物とを構成成分とするプレポリマーを主要成分とする。そのため、この組成物によれば、色素増感型太陽電池内に封入される電解質の溶媒(アセトニトリル等)に対して優れた耐性を有するとともに、封止材中の気泡の発生等を抑制して、封止材の外観性を高めるとともに電解液から発生するガス(揮発溶媒、昇華ヨウ素等)等のバリア性を高めうる封止材の形成が可能となる。そして、この封止材は、電極基板に対する接着性にも優れるため、上記電解液やそのガスの漏れ防止効果は一層高くなる。
また、反応触媒がさらに配合されている封止材組成物であると、常温で比較的早く硬化するため、硬化(架橋)の作業性が向上する。
さらに、上記(A)成分が、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するフルオロポリエーテル化合物である場合には、耐電解液性等により優れた封止材を形成することができるようになる。
特に、上記(A)成分が、下記の一般式(1)に示すものである場合には、さらに耐電解液性等に優れた封止材を形成することができるようになる。
また、上記(B)成分が、1分子中にイソシアネート基を少なくとも2個有する有機イソシアネート化合物である場合には、耐電解液性および電極基板に対する接着性等に、より一層優れた封止材を形成することができるようになる。
そして、上記組成物を用いて形成された本発明の色素増感型太陽電池用封止材は、上記のように、優れた耐電解液性および電極基板に対する接着性を有することによって、電解液漏洩による発電特性の低下を防止することができ、かつ、気泡の低減ないし不存在によって外観性がよく、ガスバリア性にも富むようになる。そして、それを用いた色素増感型太陽電池は、封止材の上記特性により、信頼性に富んだものとなる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の色素増感型太陽電池用封止材組成物は、先に述べたように、下記の(A)および(B)を構成成分とするプレポリマーを主要成分とする。ここで主要成分とは、色素増感型太陽電池の封止材組成物全体の過半を占める成分のことをいい、全体が主要成分のみからなる場合も含める趣旨である。
(A)1分子中にイソシアネート基と反応する反応基を有するフッ素系樹脂。
(B)イソシアネート化合物。
(A)1分子中にイソシアネート基と反応する反応基を有するフッ素系樹脂。
(B)イソシアネート化合物。
上記(A)成分の、イソシアネート基と反応する反応基を有するフッ素系樹脂としては、ポリマー等の高分子量のものだけでなく、オリゴマー等の比較的低分子量のものも含む。ここで、上記フッ素系樹脂とは、炭素とフッ素とからなる主鎖中に、酸素,窒素,硫黄等の元素の1種ないし2種以上含んでいてもよく、その主鎖から上記元素を含むか、もしくは、含まない側鎖を伸ばしていてもよい。側鎖の一例としては、アルキル基があげられる。
イソシアネート基と反応する反応基とは、特に限定するものではないが、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基等があげられる。
上記フッ素系樹脂の具体例としては、特に限定はないが、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するフルオロポリエーテル化合物等があげられ、好ましくは、下記の一般式(1)に示すようなものがあげられる。
上記イソシアネート基と反応する反応基を有するフッ素系樹脂(A)とともに用いられるイソシアネート化合物(B)としては、特に限定はないが、通常、1分子中にイソシアネート基を少なくとも2個有する有機イソシアネート化合物が用いられる。このイソシアネート化合物は、上記フッ素系樹脂に対し架橋剤的に作用する。
上記有機イソシアネート化合物としては、具体的には、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、3,3′−ビトリレン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートウレチジンジオン(2,4−TDIの二量体)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、カルボジイミド変性MDI、オルトトルイジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル等のジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート等のトリイソシアネート、ポリメリックMDI等があげられる。これらは単独であるいは2種以上併せて用いられる。
上記イソシアネート化合物(B)と上記フッ素系樹脂(A)のNCO/OHインデックス(イソシアネート基の数/ 水酸基の数×100)は、100〜300に設定することが好ましく、特に好ましくは、120〜200である。すなわち100未満であると、架橋が充分に行われないため接着力が悪くなる傾向にあり、逆に300を超えると、未反応イソシアネート基が発生しやすくなり、硬化速度の遅延につながる傾向にあるからである。
上記フッ素系樹脂(A)とイソシアネート化合物(B)とを構成成分とするプレポリマーとしては、上記フッ素系樹脂(A)の全部または一部と、イソシアネート化合物(B)の全部または一部とが反応したものをいう。必要に応じて、後記の反応触媒等を含有していてもよい。
プレポリマーは、例えば、上記イソシアネート基と反応する反応基を有するフッ素系樹脂(A)と、イソシアネート化合物(B)とを、セパラブルフラスコ等に入れ、80℃×数時間、攪拌羽根などで混合し一部または全部反応させることで得られる。プレポリマー化することで、封止材の気泡発生の抑制や、封止材塗布時の作業性を向上させることができる。
また、反応触媒(C)は、フッ素系樹脂とイソシアネート化合物との反応時の触媒作用を奏するもので、プレポリマーないしはそれを含む組成物を目的物に塗工等したのち、それらの硬化を促進する作用を奏する。この触媒は、上記プレポリマーを形成するフッ素系樹脂,イソシアネート化合物とともに用いられるか、プレポリマー、ないしはそのプレポリマーを含む組成物に、後から添加する等して必要に応じて用いられる。
上記反応触媒(C)は、上記のように、架橋反応に対し触媒機能を発揮できるものであれば特に限定はないが、好ましくは、ウレタン化反応触媒が用いられる。上記ウレタン化反応触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン等のアミン系化合物、有機錫化合物等の有機金属化合物、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5(DBN)、ジアザビシクロアミン塩等があげられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記反応触媒(C)は必要に応じて配合されるが、その配合割合は、上記イソシアネート基と反応する反応基を有するフッ素系樹脂(A)100重量部(以下、「部」と略す)に対して、0.01〜5部の範囲に設定することが好ましい。
さらに、本発明の色素増感型太陽電池用封止材組成物には、上記(A)〜(C)の各成分以外にも、必要に応じて、界面活性剤、加硫促進剤、可塑剤、充填剤、加硫遅延剤、加工助剤、難燃剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等の他の添加剤を適宜に配合することができる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
本発明の色素増感型太陽電池用封止材組成物は、上記A成分およびB成分等からなるプレポリマーに、必要に応じて、C成分および上記の添加剤を配合して調製される。このようにして得られた封止材組成物を、0〜150℃の温度範囲で、0.1〜24時間放置または加熱することにより、本発明の色素増感型太陽電池用封止材を製造することができる。
本発明の色素増感型太陽電池用封止材組成物を色素増感型太陽電池の封止材として実際に用いることは、たとえば、つぎのようにして行う。すなわち、上記封止材組成物を、色素増感型太陽電池の基板上の周縁部に塗布等し、図1に示すように基板1および1’を、この封止材組成物により貼り合わせる。その後、放置(例えば、室温で1時間放置等)することにより、完全硬化させ、色素増感型太陽電池用封止材7にする。また、放置に代えて、加熱処理(例えば、100℃で10分の加熱等)を行うことにより、短時間で色素増感型太陽電池用封止材7にすることもできる。
本発明の色素増感型太陽電池用封止材組成物は、図1に示すように、二枚の電極基板の間に電解液を封入する空間を構成するためのスペーサー等としての役割を果たす封止材7の形成材料として用いられるものであるが、その接着性の高さから、従来の固形ガスケットと電極基板との接合界面からのガス洩れや液漏れを塞ぐための封止剤(接着剤)としても利用することができる。なお、本発明の色素増感型太陽電池用封止材は、図1に示す封止材7のような形状や使用形態に、特に限定されるものではない。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1分子中にイソシアネート基と反応する反応基を有するフッ素系樹脂A(ソルベイソレクシス社製、フルオロリンクD10H、上記一般式(1)においてp+q=8〜12)100部と、イソシアネート化合物(BASFイノアックポリウレタン社製、NE−1320B)22部とを予め80℃で4時間攪拌羽根にて攪拌し、プレポリマーとした。その後、そのプレポリマー中へウレタン化反応触媒(花王社製、KAO.No.31)0. 3部を添加して、攪拌羽根を用いて混練することにより、色素増感型太陽電池用封止材組成物を調製した。
イソシアネート化合物の配合量を、17部にした。これ以外は、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池用封止材組成物を調製した。
イソシアネート化合物の配合量を、31部にした。これ以外は、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池用封止材組成物を調製した。
上記フッ素系樹脂A100部を、1分子中にイソシアネート基と反応する反応基を有するフッ素系樹脂B(ソルベイソレクシス社製、フルオロリンクD4000、上記一般式(1)においてp+q=21〜32)100部に代え、NCO/OHインデックスが実施例1と同様になるように、イソシアネート化合物を8部に代えた。これ以外は実施例1と同様にして色素増感型太陽電池用封止材組成物を調製した。
〔比較例1〕
上記フッ素系樹脂A100部を、フッ素原子を含まないポリエーテルポリオール、すなわち非フッ素系樹脂C(三洋化成製、PP−1200)100部に代え、イソシアネート化合物を29部に代えた。これ以外は実施例1と同様にして色素増感型太陽電池封止材組成物を調製した。
上記フッ素系樹脂A100部を、フッ素原子を含まないポリエーテルポリオール、すなわち非フッ素系樹脂C(三洋化成製、PP−1200)100部に代え、イソシアネート化合物を29部に代えた。これ以外は実施例1と同様にして色素増感型太陽電池封止材組成物を調製した。
〔比較例2〕
上記フッ素系樹脂A100部と、上記イソシアネート化合物22部と、上記ウレタン化反応触媒0. 3部とを、攪拌羽根を用いて混練することにより、色素増感型太陽電池用封止材組成物を調製した。
上記フッ素系樹脂A100部と、上記イソシアネート化合物22部と、上記ウレタン化反応触媒0. 3部とを、攪拌羽根を用いて混練することにより、色素増感型太陽電池用封止材組成物を調製した。
このようにして得られた実施例1〜4および比較例1〜2の各封止材組成物の、配合割合と、NCO/OHインデックスと、プレポリマー化の有無とを、後記の表1に示し、この際、プレポリマー化したものについては○、していないものについては×とした。また、実施例1〜4および比較例1〜2の各封止材組成物を用いて、下記の基準に従ってサンプルを作製し、各特性の評価を行った。また、これらの結果を、後記の表1に併せて示した。
〔気泡発生の有無〕
まず、20mm×20mmのガラス板を2枚準備し、封止材組成物を一方のガラス板片面に全面塗布し、他方のガラス板をその上に置いて、封止材組成物層の厚み0.1mmになるようガラス板2枚を貼り合わせる。これを室温にて1時間放置して、サンプルを作製した。得られたサンプルを観察し、気泡が存在しているものを×、気泡のないものを○と評価した。
まず、20mm×20mmのガラス板を2枚準備し、封止材組成物を一方のガラス板片面に全面塗布し、他方のガラス板をその上に置いて、封止材組成物層の厚み0.1mmになるようガラス板2枚を貼り合わせる。これを室温にて1時間放置して、サンプルを作製した。得られたサンプルを観察し、気泡が存在しているものを×、気泡のないものを○と評価した。
〔耐電解液性〕
まず、各封止材組成物を用いて、ドクターブレード法により10mm×10mm×厚み0. 1mmの膜を作製し、これを室温にて1時間放置して、サンプルを作製した。そして、室温(23℃)にて、500時間このサンプルを、電解質の溶媒(片山化学社製、アセトニトリル)に浸漬した。この浸漬前後のサンプルの寸法変化率を、下記の数式(i)に基づき算出し、耐電解液性の評価を行った。すなわち、本発明では、上記寸法変化率が5%以上であるものを×、重量変化率が5%未満であるものを○と評価した。
まず、各封止材組成物を用いて、ドクターブレード法により10mm×10mm×厚み0. 1mmの膜を作製し、これを室温にて1時間放置して、サンプルを作製した。そして、室温(23℃)にて、500時間このサンプルを、電解質の溶媒(片山化学社製、アセトニトリル)に浸漬した。この浸漬前後のサンプルの寸法変化率を、下記の数式(i)に基づき算出し、耐電解液性の評価を行った。すなわち、本発明では、上記寸法変化率が5%以上であるものを×、重量変化率が5%未満であるものを○と評価した。
〔ヨウ素低透過性〕
まず、各封止材組成物を用いて、ドクターブレード法により20mm×20mm×厚み0.1mmの膜を作製し、これを室温にて1時間放置して、サンプルを作製した。一方、容量7mlのガラス瓶を準備し、その中へヨウ素0.5gを入れた後、上記ガラス瓶の開口部を上記サンプルで蓋をし、これをエポキシ系接着剤で固定した。そして、上記サンプルの上に白紙を置き、室温(23℃)にて放置した。このとき、昇華したヨウ素が上記サンプルを透過し、上記白紙を着色するまでの時間を測定し、ヨウ素低透過性の評価を行った。すなわち、本発明では、上記着色にかかる時間が6時間未満であるものを×、24時間以上であるものを○と評価した。なお、本発明に要求されるヨウ素透過に必要な時間は、室温で24時間以上である。
まず、各封止材組成物を用いて、ドクターブレード法により20mm×20mm×厚み0.1mmの膜を作製し、これを室温にて1時間放置して、サンプルを作製した。一方、容量7mlのガラス瓶を準備し、その中へヨウ素0.5gを入れた後、上記ガラス瓶の開口部を上記サンプルで蓋をし、これをエポキシ系接着剤で固定した。そして、上記サンプルの上に白紙を置き、室温(23℃)にて放置した。このとき、昇華したヨウ素が上記サンプルを透過し、上記白紙を着色するまでの時間を測定し、ヨウ素低透過性の評価を行った。すなわち、本発明では、上記着色にかかる時間が6時間未満であるものを×、24時間以上であるものを○と評価した。なお、本発明に要求されるヨウ素透過に必要な時間は、室温で24時間以上である。
〔揮発アセトニトリル低透過性〕
まず、容量7mlのガラス瓶を準備し、その中へアセトニトリル6mlを入れた後、上記ガラス瓶の開口部を20mm×20mmのガラス板を各封止材組成物にて固定し、これを室温にて3時間放置して、接着処理をした。そして、このものを、85℃に設定した、温水浴中へ250時間浸漬した。この浸漬前後の上記アセトニトリルの重量変化率を、下記の数式(ii)に基づき算出し、揮発アセトニトリル低透過性の評価を行った。すなわち、本発明では、上記重量変化率が1%以上であるものを×、重量変化率が1%未満であるものを○と評価した。なお、本発明に要求されるアセトニトリル重量変化率は、85℃で250時間経過後1%未満である。
まず、容量7mlのガラス瓶を準備し、その中へアセトニトリル6mlを入れた後、上記ガラス瓶の開口部を20mm×20mmのガラス板を各封止材組成物にて固定し、これを室温にて3時間放置して、接着処理をした。そして、このものを、85℃に設定した、温水浴中へ250時間浸漬した。この浸漬前後の上記アセトニトリルの重量変化率を、下記の数式(ii)に基づき算出し、揮発アセトニトリル低透過性の評価を行った。すなわち、本発明では、上記重量変化率が1%以上であるものを×、重量変化率が1%未満であるものを○と評価した。なお、本発明に要求されるアセトニトリル重量変化率は、85℃で250時間経過後1%未満である。
〔接着性〕
JIS K6850に準拠し、各封止材組成物の剪断剥離強度(剥離速度50mm/分)を測定し、評価した。すなわち、本発明では、上記剪断剥離強度が0. 5MPa以上であるものを○、0.5MPa未満であるものを×と評価した。
JIS K6850に準拠し、各封止材組成物の剪断剥離強度(剥離速度50mm/分)を測定し、評価した。すなわち、本発明では、上記剪断剥離強度が0. 5MPa以上であるものを○、0.5MPa未満であるものを×と評価した。
上記表1の結果から、実施例1〜4品は、いずれも気泡がなく、耐電解液性、ヨウ素低透過性、揮発アセトニトリル低透過性および接着性評価において、優れることがわかる。
これに対して、比較例1品は、フッ素原子を含有していないため、耐電解液性が悪く、ヨウ素低透過性、揮発アセトニトリル低透過性に劣る結果となった。
さらに、比較例2品は、A成分およびB成分をあらかじめプレポリマー化していないため、気泡が発生し、揮発アセトニトリル低透過性に劣る結果となった。
以上より、実施例1〜4の封止材組成物より得られる封止材は、気泡発生を抑制でき、優れた耐溶剤性およびガスバリア性を有し、さらに電極基板に対する優れた接着性を有するものである。したがって、このような封止材を用いて形成されている色素増感型太陽電池は高い信頼性を有する。
本発明の色素増感型太陽電池用封止材組成物は、色素増感型太陽電池の電極基板間に設けられ、上記電池内に電解液を封止するための封止材の組成物として用いられ、さらに、従来の色素増感型太陽電池における固形ガスケットと電極基板との接合界面からのガス洩れや液漏れを塞ぐための封止剤(接着剤)としても利用することができる。なお、上記組成物を用いた封止材は、封止用途以外にも、上記電解液を封入する空間を構成するためのスペーサー等としての役割を果たす。
Claims (8)
- 色素増感型太陽電池の電解液を封止する封止材形成用の組成物であって、下記の(A)および(B)を構成成分とするプレポリマーを主要成分とすることを特徴とする色素増感型太陽電池用封止材組成物。
(A)1分子中にイソシアネート基と反応する反応基を有するフッ素系樹脂。
(B)イソシアネート化合物。 - さらに下記の(C)成分が配合されている請求項1記載の色素増感型太陽電池用封止材組成物。
(C)反応触媒。 - 上記(A)成分が、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するフルオロポリエーテル化合物である請求項1または請求項2記載の色素増感型太陽電池用封止材組成物。
- 上記(B)成分が、1分子中にイソシアネート基を少なくとも2個有する有機イソシアネート化合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池用封止材組成物。
- 上記(C)成分が、ウレタン化反応触媒である請求項2記載の色素増感型太陽電池用封止材組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池用封止材組成物を用いて形成されていることを特徴とする色素増感型太陽電池用封止材。
- 請求項7記載の色素増感型太陽電池用封止材を用いて形成されていることを特徴とする色素増感型太陽電池。
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JP2006299076A JP2008117608A (ja) | 2006-11-02 | 2006-11-02 | 色素増感型太陽電池用封止材組成物およびそれを用いた色素増感型太陽電池用封止材ならびにその封止材を用いた色素増感型太陽電池 |
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JP2012528217A (ja) * | 2009-05-25 | 2012-11-12 | ソルヴェイ・スペシャルティ・ポリマーズ・イタリー・エッセ・ピ・ア | 太陽電池モジュール用保護フィルム |
US10930913B2 (en) | 2018-01-09 | 2021-02-23 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Composite membrane, anode structure including the composite membrane, lithium battery including the anode structure, and method of preparing the composite membrane |
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2006
- 2006-11-02 JP JP2006299076A patent/JP2008117608A/ja active Pending
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