JP2007294377A - 色素増感型太陽電池用封止材組成物およびそれを用いた色素増感型太陽電池用封止材 - Google Patents

色素増感型太陽電池用封止材組成物およびそれを用いた色素増感型太陽電池用封止材 Download PDF

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Abstract

【課題】色素増感型太陽電池に使用される電解液に対して優れた耐性を有し、電極基板との接着性に優れ、信頼性の高いシール性能を有する色素増感型太陽電池用封止材組成物およびそれを用いた色素増感型太陽電池用封止材を提供する。
【解決手段】色素増感型太陽電池の電解液を封止する封止材形成用の組成物であって、下記の(A)〜(D)を必須成分とし、その組成物中の(D)成分がナノ分散されている色素増感型太陽電池用封止材組成物とする。また、上記組成物を用いて形成されている色素増感型太陽電池用封止材とする。
(A)1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状フルオロポリエーテル化合物。
(B)上記(A)成分の硬化剤。
(C)反応触媒。
(D)層状粘土鉱物。
【選択図】なし

Description

本発明は、色素増感型太陽電池用封止材組成物およびそれを用いた色素増感型太陽電池用封止材に関するものであり、詳しくは、色素増感型太陽電池内に封入される電解液の封止に用いられ、電解液のシール性能等に優れる色素増感型太陽電池用封止材組成物およびそれを用いた色素増感型太陽電池用封止材に関するものである。
1991年にグレッツェルらが発表した色素増感型太陽電池は、シリコン半導体のpn接合型の太陽電池とは異なるメカニズムによって作動し、CVDなどの設備投資が不要な為、製造コストが安いという利点がある。この太陽電池は、内部に電解液を封入してあることから湿式太陽電池とも呼ばれる。上記色素増感型太陽電池は、具体的には、図1に示すような構造を有する。すなわち、図において、1は、ガラス等からなる透明基板であり、上記透明基板1の片方の面に透明導電膜2を形成し、上記透明導電膜2の上に酸化チタンの粒子を均一に塗布、加熱して多孔質膜3を設け、さらに上記多孔質膜3に、ルテニウム錯体等といった太陽光を効率的に吸収することのできる増感色素4を吸着させている。このようにして、陰極となる電極基板を構成する一方、陽極となる電極基板は、上記と同様の透明基板1’の片方の面に透明導電膜2’を形成したものであり、これら二枚の電極基板の導電膜側を、図示のように対峙させ封止材7を介して接合し、両基板と封止材7とによって形成された密閉空間に電解液5を注入することにより、図示のような色素増感型太陽電池となる。
図1の色素増感型太陽電池が電気を発生する仕組みは、以下のとおりである。すなわち、陰極側において、透明基板1に光が当たると、増感色素4が光を吸収し、電子を放出する。この電子は、酸化チタン粒子を用いてなる多孔質膜3に移動し透明導電膜2(電極)に伝わる。そして、この電子が、陽極側の透明導電膜2’(電極)に移動することにより、電解液5中のイオンを還元する。その還元されたイオンが、電解液5中を移動し、陰極側の増感色素4上で再び酸化される。これを繰り返すことにより、電気が発生する。
このように、色素増感型太陽電池では、電子の授受のために電解質が必要である。電解質には、例えばゲル電解質や固体電解質もあるが、発電効率の点から、図1のように、液体である電解液5が用いられることが多い。上記電解液としては、好ましくは、ヨウ素溶液、臭素溶液、未結合電子を運搬する遷移金属錯体溶液が用いられ、これらの溶液には、アセトニトリルなどの有機溶媒が使用されている。
また、図1において、封止材7は、二枚の電極基板の間に電解液を封入する空間を構成するためのスペーサーとしての機能だけでなく、電解液が電池から漏れないようにするためのシール材としての機能も要求される。ここで、従来の封止材の一例として、溶媒に溶解しにくい樹脂製の固形ガスケットがあげられる。しかし、このような固形ガスケットは、二枚の電極基板を密着させ、その反発力にてシール性を発揮するものであるため、経時でその反発力の低下が起こると、シールの信頼性が著しく低下する。また、電極基板と固形ガスケットとはお互いに密着しているだけであるため、接合界面からの洩れを起こしやすい。上記のような洩れを生じる個所を塞ぐには、通常、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の液状硬化性樹脂が用いられる(特許文献1参照)。
一方、上記封止材7の形成材料として、ポリイソブチレン系、イソプレン系またはメタアクリレート系の弾性材料を使用することも提案されている。このような弾性材料の使用により、電極基板の重量に対する耐圧縮永久歪み性や、電極基板の変形に追従する低モジュラス性も得られることから、良好なシール性が得られるようになる(特許文献2〜4参照)。
特開2000−30767公報 特開2004−95248公報 特開2004−311036公報 特開2005−30264公報
ところで、上記色素増感型太陽電池の電解液の封止には、以下の項目(1)〜(3)に示す機能が特に重要視される傾向がある。すなわち、(1)電解液(アセトニトリル等)を外へ漏らさない耐溶剤性、(2)電解液から発生するガス(揮発溶媒、昇華ヨウ素等)を外へ漏らさないガスバリア性、および、(3)電極基板との隙間を作らない自己接着性である。上記項目(1)が重要視される理由は、電解液漏洩による発電特性の低下防止の為である。上記項目(2)が重要視される理由は、酸化還元能力低下による発電特性低下防止の為である。上記項目(3)が重要視される理由は、空隙から漏れ・侵入による発電特性低下防止の為である。
このような要求に照らして、前記前記液状硬化性樹脂および弾性材料をみてみると、前記液状硬化性樹脂として使用のエポキシ樹脂やシリコーン樹脂は、色素増感型太陽電池の電解液に長期間接触すると、膨潤したり、劣化したりして、結果、電解液が漏洩するおそれがある。一方、ポリイソブチレン系、イソプレン系またはメタアクリレート系の弾性材料を用いて封止材を形成した場合、ガスバリア性等には優れているが、アセトニトリル等の有機溶楳に対する耐性が低く、結果、電解液漏洩による発電特性の低下を招くおそれがある。
本発明者らは、このような上記材料の欠点の解消を目的として、これまで、耐有機溶楳性等の点でフッ素系ポリマーを用いた弾性材料の使用を検討したが、ガスバリア性において問題があり、これに対し有効な解決手段が得られていなかった。このため、フッ素系ポリマーの使用は、実用化には至っていない。なお、上記ガスバリア性に問題があると、外部からの酸素の透過による色素分解も生じやすく、その結果、発電特性の低下を引き起こすおそれがある。
このように、上記項目(1)〜(3)に示す機能をすべて備えた封止材は、未だ得られていないのが現状である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、色素増感型太陽電池に使用される電解液に対して優れた耐性を有し、電極基板との接着性に優れ、信頼性の高いシール性能を有する色素増感型太陽電池用封止材組成物およびそれを用いた色素増感型太陽電池用封止材の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、色素増感型太陽電池の電解液を封止する封止材形成用の組成物であって、下記の(A)〜(D)を必須成分とし、その組成物中の(D)成分がナノ分散されている色素増感型太陽電池用封止材組成物を第一の要旨とする。また、上記第一の要旨の組成物を用いて形成されている色素増感型太陽電池用封止材を第二の要旨とする。
(A)1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状フルオロポリエーテル化合物。
(B)上記(A)成分の硬化剤。
(C)反応触媒。
(D)層状粘土鉱物。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決するため更に研究を重ね、各種実験を行った結果、色素増感型太陽電池用封止材組成物に、特定のパーフルオロポリエーテル系フッ素ポリマーと、その硬化剤と、反応触媒とを用いたところ、優れた弾性が得られ、前記項目(1)の、アセトニトリル等の有機溶楳に対する耐性が得られるとともに、前記項目(3)の、電極基板との接着性も得られることを突き止めた。しかしながら、上記フッ素ポリマー自体は、先に述べたように、電解液から発生するガス(昇華ヨウ素、揮発有機溶媒等)のバリア性には乏しく、そのため、太陽電池の発電特性低下の要因となる。そこで、フッ素系ポリマーの持つ有利性を保持したまま、上記問題を解消するため、一連の研究を重ねた結果、その組成物中に、マイカ等の層状粘土鉱物をナノ分散させると、このナノ分散された層状粘土鉱物の重なりによる遮断作用によってガスの低透過性能(タルク等のフィラーでは成し得なかった低透過性能)が効果的に得られるようになることを見いだし、本発明に到達した。ここで、ナノ分散とは、通常、上記色素増感型太陽電池用封止材組成物中に分散含有される層状粘土鉱物のサイズがナノメートルオーダー(1×10-7〜1×10-9m)の状態で分散していることをいい、例えば、厚み約1nm、長さ50〜1000nm程度の層状粘土鉱物の板状結晶の場合、層間距離(結晶間距離)が、おおむね30〜85Å以上となることをいう。なお、上記層間距離は、例えば、X線回折法により測定される。
上記のように、本発明の色素増感型太陽電池用封止材組成物は、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状フルオロポリエーテル化合物と、その硬化剤と、反応触媒と、層状粘土鉱物とを含有し、上記組成物中で層状粘土鉱物がナノ分散された状態で存在する。そのため、色素増感型太陽電池内に封入される電解液(アセトニトリル等)に対して優れた耐性を有し、電解液漏洩による発電特性の低下を防止することができるとともに、電解液から発生するガス(揮発溶媒、昇華ヨウ素等)等の低透過性を有し、上記ガスの漏洩による酸化還元能力低下に起因する発電特性の低下も防止することができるという封止材を構成することが可能となる。そして、この封止材は、電極基板に対する接着性にも優れるため、上記電解液やそのガスの漏れ防止効果は一層高い。また、上記層状粘土鉱物のナノ分散により、補強効果も高くなる。そのため、例えばタルクを配合した場合では補強効果が得られず封止材破壊が起こりやすかったのに対し、本発明では、層状粘土鉱物のナノ分散により、ガス低透過性に優れるとともに、機械強度も向上するようになる。
特に、上記硬化剤が、1分子中にイソシアネート基を少なくとも2個有する有機イソシアネート化合物であって、上記反応触媒がウレタン化反応触媒であると、耐電解液性および電極基板に対する接着性に、より優れるようになる。
また、上記層状粘土鉱物が、有機化処理剤により有機化したものであると、層状粘土鉱物のナノ分散が効果的になされ、その含有割合が少なくても、ガス低透過性、補強性等に優れるようになる。
そして、上記組成物を用いて形成された本発明の色素増感型太陽電池用封止材は、前記のように、色素増感型太陽電池内に封入される電解液(アセトニトリル等)に対して優れた耐性を有し、電解液漏洩による発電特性の低下を防止することができるとともに、電解液から発生するガス(揮発溶媒、昇華ヨウ素等)の低透過性を有し、上記ガスの漏洩による酸化還元能力低下に起因する発電特性の低下も防止することができる。さらに、電極基板に対し、強固に接着一体化させることができる。そして、上記層状粘土鉱物のナノ分散により補強効果も高いため、機械強度にも優れる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の色素増感型太陽電池用封止材組成物は、先に述べたように、下記の(A)〜(D)を必須成分とし、その組成物中の(D)成分がナノ分散されている。
(A)1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状フルオロポリエーテル化合物。
(B)上記(A)成分の硬化剤。
(C)反応触媒。
(D)層状粘土鉱物。
上記(A)成分の、水酸基を有する特定の直鎖状フルオロポリエーテル化合物としては、特に限定はないが、好ましくは、下記の一般式(1)に示すようなものがあげられる。
Figure 2007294377
上記式(1)において、p+q=8〜22の範囲内とすることが、封止材の性能の点で好ましく、特に、p+q=8〜12の範囲内とするものは、有機溶楳に対する耐性の点でより優れており、また、p+q=17〜22の範囲内とするものは、電極基板の歪みや振動等に対する追従性の点でより優れている。
上記特定の直鎖状フルオロポリエーテル化合物は、その平均分子量(Mn)が1500〜4000の範囲とするものが、封止材の性能の点で好ましい。特に、平均分子量(Mn)が3000〜4000の範囲のものを用いると、例えば電極基板に、ポリエチレンナフタレート等からなる透明樹脂基板にITO(酸化インジウム錫)等の導電膜が設けられてなるフレキシブル電極基板を用いた場合であっても、その基板の歪みや振動等に対し追従性に優れるようになる。
上記水酸基を有する特定の直鎖状フルオロポリエーテル化合物(A)とともに用いられる硬化剤(B)としては、特に限定はないが、好ましくは、1分子中にイソシアネート基を少なくとも2個有する有機イソシアネート化合物が用いられる。
上記有機イソシアネート化合物としては、具体的には、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、3,3′−ビトリレン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートウレチジンジオン(2,4−TDIの二量体)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、カルボジイミド変性MDI、オルトトルイジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル等のジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート等のトリイソシアネート、ポリメリックMDI等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
上記有機イソシアネート化合物の配合割合は、上記フルオロポリエーテル化合物100重量部(以下、「部」と略す)に対して、11〜29部の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは20〜26部である。すなわち、11部未満であると、架橋が充分に行われないため、強度等が悪くなり、逆に29部を超えると、架橋密度が高くなりすぎ、硬く脆くなったりするからである。
上記(A)のフルオロポリエーテル化合物および(B)の有機イソシアネート化合物とともに用いられる反応触媒(C)としては、架橋反応に対し触媒機能を発揮できるものであれば特に限定はないが、好ましくは、ウレタン化反応触媒が用いられる。上記ウレタン化反応触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン等のアミン系化合物、有機錫化合物等の有機金属化合物、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5(DBN)、ジアザビシクロアミン塩等があげられる。なお、上記反応触媒の配合量は、上記フルオロポリエーテル化合物100部に対して、0.1〜5部の範囲に設定することが好ましい。
そして、上記(A)〜(C)成分とともに用いられる層状粘土鉱物〔(D)成分〕としては、例えば、モンモリロナイト,サポナイト,ヘクトライト,バイデライト,ノントロナイト,ソーコナイト,スチブンサイト等のスメクタイト系の層状粘土鉱物や、バーミキュライト,ハロイサイト,マイカ等のカチオン交換能を有する層状粘土鉱物が用いられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なかでも、マイカが、ガス低透過性等により優れることから、好ましい。
上記(D)成分の層状粘土鉱物は、有機化処理剤により有機化したものであると、粘土鉱物の層間距離が拡がりやすくなり、本発明の色素増感型太陽電池用封止材組成物において、層状粘土鉱物のナノ分散が効果的になされ、その含有割合が少なくても、上記封止材組成物のガス低透過性、補強性等に優れるようになるため、好ましい。
上記有機化処理剤は、具体的には、ジメチルジアルキルアンモニウム,トリオクチルメチルアンモニウム,アルキルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム,ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム,ヘキシルアンモニウムイオン,オクチルアンモニウムイオン,2−エチルヘキシルアンモニウムイオン,ドデシル(ラルリル)アンモニウムイオン,オクタデシル(ステアリル)アンモニウムイオン,ジオクチルジメチルアンモニウムイオン,トリオクチルアンモニウムイオン,ジステアリルジメチルアンモニウムイオン等のアンモニウムイオンや、ホスフォニウムイオン、オキソニウムイオン、スルホニウムイオン等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なお、このような有機化処理剤で処理された有機化層状粘土鉱物としては、市販品では、例えば、コープケミカル社製のMPE−B3が、好適なものとしてあげることができる。
上記(D)成分の層状粘土鉱物の配合割合は、上記(A)成分のフルオロポリエーテル化合物100部に対し、2〜15部の範囲に設定されていると好ましく、より好ましくは4〜10部の範囲である。すなわち、上記層状粘土鉱物が2部未満であると、目的とするガス低透過性効果が充分に得られないからであり、逆に15部を超えると、電極基板に対する接着性等に悪影響が出るおそれがあるからである。
さらに、本発明の色素増感型太陽電池用封止材組成物には、上記(A)〜(D)の各成分以外にも、必要に応じて、界面活性剤、加硫促進剤、可塑剤、充填剤、加硫遅延剤、加工助剤、難燃剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等の他の添加剤を適宜に配合することができる。
ところで、本発明の色素増感型太陽電池用封止材組成物は、例えば、上記(A)、(C)および(D)の各成分を配合し、さらに必要に応じて他の添加剤を配合し、ホモジナイザー、ビーズミル等を用いて混練した後、上記(B)成分と混合(攪拌羽根等により混練)することにより得られる。なお、上記混練時に、先に、上記(A)成分のフルオロポリエーテル化合物の一部(50重量%程度)と、(D)の層状粘土鉱物とを混練した後、その混練物を、(A)成分の残部や、その他の成分と混練するようにすると、組成物中に、より効果的に層状粘土鉱物をナノ分散させることができるため好ましい。
そして、このように調製された封止材組成物を、50〜100℃×30〜60分加熱加硫することにより、本発明の色素増感型太陽電池用封止材を製造することができる。
本発明の色素増感型太陽電池用封止材組成物は、図1に示すように、二枚の電極基板の間に電解液を封入する空間を構成するためのスペーサー等としての役割を果たす封止材7の形成材料や、さらに、その接着性の高さから、従来の固形ガスケットと電極基板との接合界面からのガス洩れや液漏れを塞ぐための封止剤(接着剤)としても利用することができる。なお、本発明の色素増感型太陽電池用封止材は、図1に示す封止材7のような形状や使用形態に、特に限定されるものではない。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状フルオロポリエーテル化合物(ソルベイソレクシス社製、フルオロリンクD10H(Mn=1500))100部と、イソシアネート化合物(BASFINOACポリウレタン社製、NE−1320B)15部と、ウレタン化反応触媒(花王社製、KAO.No.31)2部と、有機化処理マイカ(コープケミカル社製、MPE−B36)6部とを、攪拌羽根を用いて混練することにより、色素増感型太陽電池用封止材組成物を調製した。
有機化処理マイカの配合量を、2部にした。これ以外は、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池用封止材組成物を調製した。
有機化処理マイカの配合量を、10部にした。これ以外は、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池用封止材組成物を調製した。
有機化処理マイカの配合量を、15部にした。これ以外は、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池用封止材組成物を調製した。
1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状フルオロポリエーテル化合物として、ソルベイソレクシス社製のフルオロリンクD10H(Mn=1500)90部と、ソルベイソレクシス社製のフルオロリンクD4000H(Mn=4000)10部とを併せて用いた。これ以外は、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池用封止材組成物を調製した。
1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状フルオロポリエーテル化合物として、ソルベイソレクシス社製のフルオロリンクD10H(Mn=1500)50部と、ソルベイソレクシス社製のフルオロリンクD4000H(Mn=4000)50部とを併せて用いた。これ以外は、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池用封止材組成物を調製した。
1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状フルオロポリエーテル化合物として、ソルベイソレクシス社製のフルオロリンクD4000H(Mn=4000)100部を用いた。これ以外は、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池用封止材組成物を調製した。
〔比較例1〕
マイカを配合しなかった。これ以外は、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池用封止材組成物を調製した。
このようにして得られた実施例1〜7および比較例1の色素増感型太陽電池用封止材組成物を用い、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1に併せて示した。なお、実施例1〜7の色素増感型太陽電池用封止材組成物におけるマイカの板状結晶の層間距離(結晶間距離)は、X線回折法により測定したところ、おおむね30〜85Åであった。
〔耐溶剤性〕
まず、各封止材組成物を用いて、ドクターブレード法により10mm×10mm×厚み5mmの膜を作製し、これを50℃×60分間加熱加硫して、サンプルを作製した。そして、室温(23℃)にて、このサンプルを、電解液(片山化学社製、アセトニトリル)に浸漬した。この浸漬前後のサンプルの重量変化率を、下記の数式(i)に基づき算出し、耐溶剤性の評価を行った。すなわち、本発明では、上記重量変化率が5%未満であるものを○と評価した。
Figure 2007294377
〔ヨウ素低透過性〕
まず、各封止材組成物を用いて、ドクターブレード法により20mm×20mm×厚み0.1mmの膜を作製し、これを50℃×60分間加熱加硫して、サンプルを作製した。一方、容量7mlのガラス瓶を準備し、そのなかへヨウ素0.5gを入れた後、上記ガラス瓶の開口部を上記サンプルで蓋をし、これをエポキシ系接着剤で固定した。そして、上記サンプルの上に白紙を置き、室温(23℃)にて放置した。このとき、昇華したヨウ素が上記サンプルを透過し、上記白紙を着色するまでの時間を測定し、ヨウ素低透過性の評価を行った。すなわち、本発明では、上記着色にかかる時間が6時間未満であるものを×、24時間以上であるものを○と評価した。なお、本発明に要求されるヨウ素透過に必要な時間は24時間以上である。
〔揮発アセトニトリル低透過性〕
上記「ヨウ素低透過性」試験に使用のサンプルと同様のものを用い、揮発アセトニトリル低透過性の評価を行った。すなわち、容量7mlのガラス瓶を準備し、そのなかへアセトニトリル6mlを入れた後、上記ガラス瓶の開口部を上記サンプルで蓋をし、これをエポキシ系接着剤で固定した。そして、このものを、室温(23℃)にて168時間放置した。この放置前後の上記アセトニトリルの重量変化率を、下記の数式(ii)に基づき算出し、揮発アセトニトリル低透過性の評価を行った。すなわち、本発明では、上記重量変化率が5%以上であるものを×、重量変化率が1%未満であるものを○と評価した。なお、本発明に要求されるアセトニトリル重量変化率は、168時間経過後1%未満である。
Figure 2007294377
〔接着性〕
JIS K6850に準拠し、各封止材組成物の剪断剥離強度(剥離速度50mm/分)を測定し、評価した。すなわち、本発明では、上記剪断剥離強度が1MPa以上であるものを○、0.5MPa以上1MPa未満の範囲内であるものを△と評価した。
Figure 2007294377
上記結果から、実施例1〜7の組成物は、いずれも耐溶剤性、ヨウ素低透過性、揮発アセトニトリル低透過性および接着性評価において、優れていることがわかる。
これに対して、比較例1の組成物は、マイカが分散されておらず、ヨウ素低透過性、揮発アセトニトリル低透過性に劣る結果となった。
なお、上記実施例のなかでも、実施例5〜7では、平均分子量(Mn)の大きな直鎖状フルオロポリエーテル化合物を用いていることから、追従性が良くなることが確認された。この「追従性」の評価は、その組成物からなるJIS7号ダンベルに対し、100mm/minで引張試験を行い、その伸びが10%以上であったことから評価した。
本発明の色素増感型太陽電池用封止材組成物は、色素増感型太陽電池の電極基板間に設けられ、上記電池内に電解液を封止するための封止材の組成物として用いられ、さらに、従来の色素増感型太陽電池における固形ガスケットと電極基板との接合界面からのガス洩れや液漏れを塞ぐための封止剤(接着剤)としても利用することができる。なお、上記組成物を用いた封止材は、封止用途以外にも、上記電解液を封入する空間を構成するためのスペーサー等としての役割を果たす。
色素増感型太陽電池の一例を示す断面図である。

Claims (8)

  1. 色素増感型太陽電池の電解液を封止する封止材形成用の組成物であって、下記の(A)〜(D)を必須成分とし、その組成物中の(D)成分がナノ分散されていることを特徴とする色素増感型太陽電池用封止材組成物。
    (A)1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状フルオロポリエーテル化合物。
    (B)上記(A)成分の硬化剤。
    (C)反応触媒。
    (D)層状粘土鉱物。
  2. 上記(B)成分が、1分子中にイソシアネート基を少なくとも2個有する有機イソシアネート化合物であって、上記(C)成分が、ウレタン化反応触媒である請求項1記載の色素増感型太陽電池用封止材組成物。
  3. 上記(A)成分が、下記の一般式(1)に示すものである請求項1または2記載の色素増感型太陽電池用封止材組成物。
    Figure 2007294377
  4. 上記(A)成分の平均分子量(Mn)が1500〜4000の範囲である請求項1〜3のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池用封止材組成物。
  5. 上記(D)成分の層状粘土鉱物が、マイカである請求項1〜4のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池用封止材組成物。
  6. 上記(D)成分の層状粘土鉱物が、有機化処理剤により有機化したものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池用封止材組成物。
  7. 上記(D)成分の含有割合が、上記(A)成分100重量部に対して、2〜15重量部の範囲に設定されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池用封止材組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物を用いて形成されていることを特徴とする色素増感型太陽電池用封止材。
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JP2009170343A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Honda Motor Co Ltd 燃料電池

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