JP2006185646A - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 色素増感型太陽電池の由来する特殊な電解液の漏洩を防止すること、より詳細には電解液漏洩防止のためのシール材層の幅や厚み、物性、耐電解液特性などを制御することで電解液漏洩のない色素増感型太陽電池を提供すること。
【解決手段】 本発明の請求項では、光増感材を吸着した多孔質金属酸化膜物半導体膜を積層した電極部(A)と電極部(B)と電解液(C)とを二枚のプレート間にシール材層を介して封入した色素増感型太陽電池であって、前記二枚のプレートの少なくとも一方が光透過性を有するとともに、前記シール材層を幅2mm以上かつ厚さ1〜40μmで形成するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は色素増感型太陽電池に関するものであり、特に電解液に対する耐性に優れた色素増感型太陽電池のシール材層の構造に関するものである。
1991年にグレッツェルらが発表した色素増感型太陽電池はシリコン半導体のpn接合型の太陽電池とは異なるメカニズムによって作動し、変換効率が高く、しかも製造コストが安いという利点がある。この太陽電池は、内部に電解液を封入してあることから湿式太陽電池とも呼ばれる。
以下その構造を簡単に説明すると、まず、一枚の透明基板の片方の面に透明導電膜を形成し、その上に色素などの光増感材を吸着させた酸化チタンの粒子を主成分とする多孔質膜を設ける。一方もう一枚の透明基板に透明導電膜を形成し、さらにその上に白金触媒層を形成した導電性基板をする。ついで両基板を封止剤を介して対向させて、両基板と封止剤によって形成された隙間に電解液を注入して色素増感型太陽電池セルを製造する。
この太陽電池が電気を発生する仕組みは以下のとおりである。透明基板に光が当たると色素が光を吸収し電子を放出する。電子は酸化チタン膜に移動し電極に伝わる。さらに電子は対極に移動し電解液中のイオンを還元する。還元されたイオンは色素上で再び酸化される。これを繰り返して電気が発生する。
電池内に存在する電解液は色素増感型太陽電池が発電を行うために必至成分であり、通常は極性の高い有機溶剤にヨウ素を溶解させたものを用いる。よってこの電解液が漏洩することは電池の性能低下に大きく起因すると考えられ、そのため電解液の漏洩防止は色素増感型太陽電池の信頼性を得るためには電解液の封止は重要技術である。
色素増感型太陽電池用の封止剤についてはこれまでに幾つかの発明事例が存在する。特開2004−6328号公報、特開2003−168493号公報、特開2003−168494号公報、特開2003−188394号公報にはアイオノマーを用いたシート状の封止剤が電池作成時に用いられている。特開2000−173680号公報によれば、受光電極と対極とを重ねるように組み合わせると共に電極間には、シール用樹脂を塗った封止用の固形物を介在させる技術が開示されている。また液状の樹脂を色素増感型太陽電池用の封止剤として使用する発明も既知であり、例えば特開2000−173680号公報や特開2002−368236号公報によれば、受光電極と対極とを重ねるように組み合わせると共に電極間のシール用材としてエポキシ系樹脂とシリコーン系樹脂が用いられており、特開2002−313443号公報においては反応性ポリイソブチレンが、特開2003―223939号公報においてはガラス転移点が80℃以上の硬質な樹脂としてエポキシ樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂が用いられている。
さらに最近では電解液を封止する技術でなく、漏洩の少ない電解液の開発が盛んに行われている。例えば電解液を高分子ゲル中に分散および含浸させる技術によりセルの信頼性を向上させる技術もある。例えば、特開2002−289268号公報、特開2002−299665号公報、特開2004−87202号公報、特開2003−132964号公報には高分子ゲル中に電解液を封じ込めることで電解液の漏洩を防止する手法が考案されている。
また特開2000−173680号公報、に係る公開特許公報によれば、光極と対極とを重ねるように組み合わせると共に、光極と対極との間には、シール用樹脂を塗った封止用の固形物を介在させる技術が開示されている。しかしこの様な手法では固形のシール剤を特定の幅で定型化させることがシールに大きな特徴を有しており、その観点から見ても、ある幅以上のシール面積を必要とし、かつ液状の樹脂にて二重封止を行うことを踏まえて考えると、シール剤としても封止能力は低いと考えられる。
一方、下記の特許文献1〜7には厚さ8μm〜20μmのポリエチレン製のスペーサーを使用し、外周部をエポキシ樹脂接着剤でシールした実施例が示されている。特許文献8〜11には厚さ20μmのポリフッ化エチレン製のシートを、特許文献12には幅約3mm、厚さ20μmのポリフッ化エチレン製のシートをスペーサーとして使用し、外周部をエポキシ樹脂接着剤でシールした実施例が示されている。特許文献13〜14には厚さ10μmのポリフッ化エチレン製の微粒子をスペーサーとして使用し、外周部をエポキシ樹脂接着剤でシールした実施例が示されている。特許文献15には直径10.3μmのシリカを、特許文献16には厚さ25μmのアイオノマーシートを、特許文献17には100μm〜3mm程度のスペーサーを、特許文献18には直径50μmのガラスをそれぞれスペーサーとして使用し、外周部をエポキシ樹脂接着剤でシールした実施例が示されている。
しかしながら、特許文献1〜18のスペーサーは電極間距離を確保するためのものでシール材の厚さとは異なり、シール材層の厚さや幅に関する例示はない。また、本発明の目的であるところの電解液漏洩を防止するために、シール材層の厚さや幅が重要であることを示唆する内容は含まれていない。特許文献19〜22にはハイミラン等の熱可塑性樹脂をシール材として使用した実施例が示されているが、熱圧着後のシール材の厚さに関する記載がなかったり、あってもシール材の幅に関する記載はない。特許文献23には直径10μmのポリスチレン粒子を含むエポキシ系樹脂を使用して、厚さ10μmのシール材層を形成した実施例が示されているが、シール材の幅に関する記載はない。また、本発明の目的であるところの電解液漏洩を防止するために、シール材層の厚さや幅が重要であることを示唆する内容は含まれていない。特許文献24〜25には実質的に厚さ10μm、幅5mmのシール材層を形成した実施例が示されている。
しかしながら、シール材層がこのようなサイズである必然性や理由についての記載がなく、また本発明の目的であるところの電解液漏洩を防止するために、シール材層の厚さや幅が重要であることを示唆する内容は含まれていない。特許文献26には粒径が10μm以下の充填剤を含有する、エポキシ系シール剤に関する技術が開示されている。このシール剤を使用すると、実質的に充填剤の粒径に応じたシール材層、すなわち厚さが10μm以下のシール材層が形成されることになるが、この理由として10μmを超えた充填剤を使用するとギャップ形成がうまくできないことが挙げられている。しかしながら、この特許文献においてシール材は電解液漏洩を防止するというシール材本来の機能を主目的としていないため、シール材の幅に関する記載はなく、またシール材層の厚さや幅が電解液漏洩を防止する因子として重要であることを示唆する内容は含まれていない。
特許文献27には電解液の漏洩を防止するために、ガラス転移温度の高いシール材を使用することが開示されている。しかしながら、本発明者らが行った実験においては、電解液漏洩を防止するためにはシール材層の厚さや幅が重要であり、むしろガラス転移温度が高いとヒートサイクル性に劣るという結果が得られている。特許文献28にはセルが大型化しても、基板間隔を所定の間隔に保持できるようにする技術が開示されている。この特許技術においてシール材層は、不織布や織布からなるスペーサーを介在していることが必須であり、シール材が電解液漏洩を防止するというシール材本来の機能を主目的としていないため、シール材層の厚さや幅が電解液漏洩を防止する因子として重要であることを示唆する内容は含まれていない。特許文献29には実質的にシール材層の厚さを1μm〜200μmで形成する技術が開示されている。この特許技術においてシール材層の厚さは、遠心力を利用して電解液を注入できるようにするためであって、シール材は電解液漏洩を防止するというシール材本来の機能を主目的としていないため、シール材の幅に関する記載はなく、またシール材層の厚さや幅が電解液漏洩を防止する因子として重要であることを示唆する内容は含まれていない。
特開2000−285877号公報 特開2001−35549号公報 特開2001−93588号公報 特開2001−143771号公報 特開2001−185242号公報 特開2001−229984号公報 特開2001−243995号公報 特開2000−285980号公報 特開2000−294304号公報 特開2000−294814号公報 特開2000−323189号公報 特開2000−357544号公報 特開2000−323192号公報 特開2001−307785号公報 特開2000−299138号公報 特開2002−75474号公報 特開2002−216861号公報 特開2003−151355号公報 特開2002−343454号公報 特開2003−297446号公報 特開2003−303630号公報 特開2003−342488号公報 特開2002−298936号公報 特開2002−184477号公報 特開2003−100359号公報 特開2002−368233号公報 特開2003−223939号公報 特開2003−331935号公報 特開2004−327167号公報 特開2004−6328号公報 特開2003−168493号公報 特開2003−168494号公報 特開2003−188394号公報 特開2000−173680号公報 特開2002−368236号公報 特開2002−313443号公報 特開2003―223939号公報 特開2002−289268号公報 特開2002−299665号公報 特開2004−87202号公報 特開2003−132964号公報 特開2000−173680号公報
色素増感型太陽電池において電解液を封止する技術はセル構成上重要な技術であり、その技術が確立されることでセルの寿命や信頼性の向上に大きく寄与するものと思われる。一方、一般に流体の漏洩は、シール材層とシール基体との間に発生する界面漏洩と、シール材層の内部を透過する浸透漏洩に分類される。このうち、浸透漏洩を防止するには、シール媒体とシール材の接触面積を小さくする(シール材厚みを薄くする)こと、およびシール媒体が透過する経路を長くする(シール材幅を広くする)ことが有効であることはよく知られている。しかしながら、いままでの色素増感型太陽電池においては、電解液をシールするシール材(封止材)の構造に関して詳細に説明するものはほとんど無く、特にシール材として液状の反応性樹脂の硬化物を使用する場合のシール幅やシール厚みについて詳細に解説するものはなかった。そこで、本発明は色素増感型太陽電池の由来する特殊な電解液漏洩を防止すること、より詳細には電解液漏洩防止のためのシール材層の幅や厚み、物性、耐電解液特性などを制御することで電解液漏洩のない色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、色素増感型太陽電池の長期信頼性を確保するために、封止セル中の電解液漏洩を防止するための方法について種々検討を行った結果、ある特定のシール材幅以上、かつある特定のシール材厚さ以下で電解液の漏洩が急に低下する現象を見いだし本発明に至った。すなわち、本発明の請求項1では、光増感材を吸着した多孔質金属酸化膜物半導体膜を積層した電極部(A)と電極部(B)と電解液(C)とを二枚のプレート間にシール材層を介して封入した色素増感型太陽電池であって、前記二枚のプレートの少なくとも一方が光透過性を有するとともに、前記シール材層が、幅2mm以上かつ厚さ1〜40μm以下で形成させることにより、前記課題を解決するに至った。
以下本発明をより詳細に説明する。まず、本発明における色素増感型太陽電池の構造は次のようなものがある。図1は通称グレッツェルセルと呼ばれる色素増感型太陽電池で、透明基板2aに透明電極6aおよび光増感材(色素)が吸着された多孔質金属酸化物半導体膜4(酸化チタン粒子を多孔質状に形成した膜)を順次積層した積層基板1aと、基板2bに電極6bおよび白金触媒3を順次積層形成した積層基板1bとを積層面を内側にしてシール材5により封止するとともに、積層基板1a、1bおよびシール材5により形成された空間に電解液7を封入してある。また、図2では、電極6と多孔質金属酸化物半導体膜4とを積層した部材と電極6と白金触媒3とを積層した部材とを一方の基板1bに交互に積層させて、積層面を内側にして他方の透明基板1aとの間をシール材5により封止している。また、これにより生じた空間に電解液7が封入されている。
本発明における封止電解液は色素増感型太陽電池において電荷移動媒体として作用される成分であり、光電変換作用には不可欠な成分である。一般的な光電変換作用はグレッツェルらの文献J.Am.Chem.Soc.,115,6382(1993)に記されているが、その成分は高極性の有機溶剤と酸化還元剤からなっている。公知の知識としては任意の有機溶剤系電解液成分が利用出来るが、酸化還元過程における再生型の電解液として、光電変換作用を得ると言う点では、酸化チタン半導体部に含浸しやすいこと、光電変換過程において劣化しにくいこと、光・熱作用において電解液成分中に副反応が生じないこと等の作用が望ましい。これらを満たす成分において、好ましい組み合わせが上記の電解液成分である。高極性有機溶剤としては、電気化学反応における反応媒体として公知のものが望ましく、特にリチウムイオン電池に使用される様な誘電率が高く塩の溶解も可能なものが好ましい。この様な溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等の非環状カーボネート類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、ジメチルスフホキシド、スルホラン等のスルホキシド類、γ−ブチロラクトンプロピレンカーボネート、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン正極性溶媒類、γ−ブチロラクトン、等のラクトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、3−メチル−2−オキサゾリノン等の複素環類等を用いることが可能である。またこれらの有機溶剤は電解液の粘度や用いる電池の性能にあわせて任意で選択が可能であり、必要に応じて混合もできる。
酸化還元剤成分としてはヨウ素と金属ヨウ素化合物が好ましい。金属ヨウ素化合物の例としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム等がある。またヨウ素と組み合わせる酸化還元剤は上記金属ヨウ素化合物だけでなく、四級ピリジニウム塩や四級イミダゾリウム塩のヨウ化物塩も挙げられる。さらにアミン類やチオール類などのヘテロ化合物も還元助剤として使用することができ、フェロシアン酸塩、フェリシアン酸塩、フェロセン、フェロシアニウムイオン塩等のレドックス系触媒の添加も可能である。これらの酸化還元剤および酸化還元助剤の組み合わせとして、特に好ましくはヨウ素とヨウ化物塩系であり、電解液に対する濃度は0.01〜2mol/Lであり、特に0.01〜0.05mol/Lの範囲が好ましい。電解質として添加するこれら酸化還元剤成分は添加する濃度に光電変換効率は大きく依存する。
上述した何れの構造を用いた色素増感型太陽電池においても、二枚のプレート間に発電要素を封じ込めた構造を有しているため、電解液など液状物が漏洩しないようシール材5で封止する必要がある。このシール材5は、常温で液状のシール剤をディスペンサ等により少なくとも一方のプレート上にビード状に塗布し、加熱やその他の手段により硬化もしくは固化させて形成する。このシール材5は二枚のブレート(基板)を貼合わす際に同時に硬化させてもよいし、一方もしくは双方のプレート(基板)上に任意の厚さと寸法で予め形成しておいてもよい。なお、シール材の厚みをなるべく薄くするには、シール剤を液状のままで貼合わせ押圧してシール剤層を所望の厚みとしてから、シール剤を反応硬化させてシール材層を形成するとよい。このとき、シール剤中にスペーサ材(粒径を整えた充填剤)を混入してシール材5の厚みを制御することもできる。このときのシール剤5のシール材の長手方向に対する幅は2mm以上であればよく、製造する色素増感型太陽電池セルの大きさに合わせて決定される。シール材の幅が2mm未満であると耐電解液性が低下する。また、シール材の厚みは1〜40μmの範囲が好ましい。1μm未満であるとシール層が介在しない部位が生じるため電解液漏れが発生する場合があり、40μmを超えるとやはり電解液漏れが発生しやすくなる。
上述のようにして製造された発電要素を内包した二枚のプレート間に、電解液を注入して封入孔をシール剤等で封孔して色素増感型太陽電池を製造する。電解液の封入は、シール材5に一部切り欠き部を設けここから電解液を注入したり、あるいはプレートの一部に孔を2箇所開けてここから電解液を注入する方法があるが、特に制限はない。このようにして得られた色素増感型太陽電池セルの大きさ(表面積)は約1〜500cm程度であり、このセルを複数連結して所望の電圧を作り出す。
次に、本発明の色素増感型太陽電池のシール材5を形成するシール剤について説明する。本発明に用いれるシール剤は、常温(作業環境下 約25℃)で液状のシール剤である必要があり、そのためにはアクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、天然ゴム、合成ゴムおよびこれらの混合物などを溶媒に溶解したものや、これらの樹脂やゴムに反応基を導入して反応硬化性を持たせた常温で液状の樹脂組成物を用いることができる。これらの中でも飽和炭化水素系の樹脂を主成分とすることが特に有効である。具体的には、低密度ポリエチレン、ポリブテン、ポリプロピレン等が挙げられるが、これらの中でも反応性を有する架橋高分子であることが望ましく、さらに好ましくは、イソブチレン系樹脂を主成分とする反応性シール剤またはポリブタジエン系樹脂を主成分とする反応性シール剤である。
前述のイソブチレン系樹脂を主成分とする反応性シール剤の具体例としては、例えば、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を含有するイソブチレン系重合体が白金触媒存在下、ヒドロシリル反応によってオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの架橋体を形成する反応系は本発明において特に適したシール剤である。このシール剤において、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を含有するイソブチレン系重合体(A)成分は分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するポリイソブチレンである。ここで、ポリイソブチレンとは少なくとも50モル%、好ましくは80モル%の反復単位がイソブチレン単位であるものである。平均分子量は100〜20000であることが好ましい。イソブチレン以外の単量体単位成分としては炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類等が挙げられる。この様な共重合体成分の具体例として、例えば1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−ヘキセニルオキシスチレン、p−アリロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルジメチルメトキシシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等と共重合することができる。
また、ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基とは、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素二重結合を含む基であれば制限されるものではない。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロピニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロピニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基が挙げられる。本発明において、(A)成分は、1分子中にアルケニル基を2個以上個有していることが望ましい。さらに、本発明における(A)成分は、上記ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基が重合体末端に導入されていることが望ましい。この様にアルケニル基が重合体末端にあるときは、最終的に形成される硬化物の有効網目鎖量が多くなり、高強度で高伸びのゴム状硬化物が得られやすくなるなどの点から好ましい。
また、前記(A)のイソブチレン系重合体としては、下式で示される化合物が特に好ましく使用できる。
Figure 2006185646

nは10〜300の整数、Phはフェニル基を示す
本発明の(B)成分である硬化剤としては、オルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。ここでいうオルガノハイドロジェンポリシロキサンとは、Si原子上に炭化水素基あるいは水素原子を有するポリシロキサンを指し、その構造について具体的に示すと、下式にようになる。
Figure 2006185646

〔mは2〜30の整数、nは0〜30の整数 R1、R2はアルキル基(C1〜C20程度を示す)およびフェニル基(その誘導体を含む)〕
また、これら(B)成分に含まれるヒドロシリル基の個数については少なくとも1分子中に2個あればよいが2〜40個が好ましい。本発明の組成物をヒドロシリル化反応により硬化させる場合には、該ヒドロシリル基の個数が40より多くなると、(B)成分である硬化剤の安定性が悪くなり、その上硬化後も多量のヒドロシリル基が硬化物中に残存し、ボイドやクラックの原因となる。
本発明の(C)成分であるヒドロシリル化触媒については、特に制限はなく、任意のものが使用できる。具体的に例示すれば、塩化白金酸、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体{例えば、Ptn(ViMeSiOSiMeVi)n、Pt[(MeViSiO)]m};白金−ホスフィン錯体{例えばPt(PPh、Pt(PBu};白金−ホスファイト錯体{例えば、Pt[P(OPh)、Pt[P(OBu)}(式中Meはメチル基、Buはブチル基、Viビニル基、Phはフェニル基を表し、n,mは整数を表す)。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh、RhCl、Rh/Al、RuCl、IrCl、FeCl、AlCl、PdCl・2HO、NiCl、TiCl等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種類以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。触媒量としては特に制限が、(A)成分中のアルケニル基1molに対して10−1〜10−8molの範囲で用いるのがよい。好ましくは10−2〜10−6molの範囲で用いるのがよい。また、ヒドロシリル基化触媒は、一般的に高価であり、また、水素ガスを発生して硬化物が発泡してしまう場合があるので10−1mol以上用いない方がよい。
本発明においては、貴金属触媒を用いたアルケニル基に対するSi−H基の付加反応によって硬化性組成物が硬化するので、硬化速度が非常に速くライン生産を行う上で非常に好都合である。
本発明に使用できるイソブチレン系樹脂を主成分とする反応性シール剤には、必要に応じてシランカップリング剤、可塑剤、無機フィラーなどの成分を添加することも可能である。シランカップリング剤としては、分子中にエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基と、ケイ素原子結合アルコール基を有するシランカップリング剤が望ましい。前記官能基については、中でも硬化性及び接着性の点から、分子中にエポキシ基、メタクリル基、アクリル基があるのが好ましい。具体的には、エポキシ官能基とケイ素原子結合アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランが挙げられる。また、メタクリル基あるいはアクリル基とケイ素原子結合アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物としては3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシランが挙げられる。
さらには、本発明に使用できるイソブチレン系樹脂を主成分とする反応性シール剤には流動性を付与する目的で可塑剤の添加も可能である。可塑剤としては一般的に使用されている可塑剤が使用できるが、本発明に用いる飽和炭化水素系重合体と相溶性の良いものが好ましい。可塑剤の具体例としてはポリブテン、水添ポリブテン、α−メチルスチレンオリゴマー、液状ポリブタジエン、水添液状ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテン油、アタクチックポリプロピレンなどの炭化水素系化合物類が望ましい。
また、無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、カーボンブラックといった各種の無機フィラーが使用できる。しかし、本発明の硬化性組成物はヒドロシリル化反応による硬化を利用するため、その使用に当たっては、例えば組成物に水分が多く含まれると硬化反応時に副反応等が起こる可能性があるなど、ヒドロシリル化反応に対する阻害の有無を考慮しなければならない。さらに、本発明の硬化物組成物には、必要に応じてその他の充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、界面活性剤等を適宜添加することが出来る。
前述したイソブチレン系樹脂を主成分とする反応性シール剤以外に本発明に好ましいシール剤としては、ポリブタジエン系樹脂を主成分とする反応性シール剤が挙げられる。具体的には、末端に(メタ)アクリル基を有し主骨格を水添(水素化)されたポリブタジエンである重合体成分(X)、飽和な脂肪族エラストマー成分(Y)、炭素数が5以上の鎖状脂肪族または脂環式単官能(メタ)アクリレート成分(Z)の混合系が有望である。
末端に(メタ)アクリル基を有し主骨格を水添されたポリブタジエン骨格を持つ重合体(X)成分は下式で表される。
Figure 2006185646

(一般式(1)において、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を、RおよびRはそれぞれ独立して単なる連結基、酸素原子または炭素数1〜16の置換、非置換の二価の有機基を表す。x:y=0〜100:100〜0、nは15〜150である。
上述のシール剤に混合可能な飽和な脂肪族エラストマー(Y)成分は、本発明組成物の柔軟性・透湿度性・耐溶剤性の向上を目的として用いられるものである。この成分(Y)としては、成分(X)に相溶し、組成物の硬化性、硬化物の物性等に問題を生じないもので、常温にてゴム弾性を示すものであれば使用できる。特に好ましいエラストマーとしては、ポリブタジエンやポリイソブチレン等が挙げられ、添加量は成分(X)に対して20〜80重量部の割合で添加することが好ましい。20重量部未満では十分な耐溶剤性を得ることが困難であり、また80重量部を超えると硬化後に成分(X)と成分(Y)が分離や、著しい透湿性の低下となる。
上述シール剤組成物中の鎖状脂肪族および脂環式単官能(メタ)アクリレートモノマー(Z)成分は、脂肪族鎖部分の直鎖の炭素数が5〜20のものが好ましく、8〜16のものがより好ましい。また本発明に用いる単官能(メタ)アクリレートには水酸基やアミノ基などの極性を持った構造は適さず、極性基を持った(メタ)アクリレートを添加すると本発明成分(Y)との相溶性が著しく低下するだけでなく、相溶性が得られたとしても耐溶剤性が低下する。鎖状脂肪族単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、具体的には、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート等が例示される。また本発明で使用する脂環式(メタ)アクリレート成分の具体例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。添加量は成分(A)に対して80重量部以下の割合で添加することが好ましい。80重量部を超えると硬化物の柔軟性を著しく損ねてしまう。
上述の請求項5および6に記載されるシール剤は熱および光による硬化が可能である。熱硬化の場合はアゾ化合物類や過酸化物類の添加によって適度な温度にて硬化する。また光硬化においては、ベンゾフェノン類、シクロヘキシルケトン類、アセトフェノン類の添加によって、紫外線照射下で硬化する。さらには、過酸化物と金属イオンによるレドックス系の硬化も可能である。
上述の請求項5および6に記載されるシール剤においても、本発明のシール性および塗布性を損なわない範囲において他の添加剤を適量配合しても良い。他の添加剤としては、増感剤、顔料、染料などの着色剤、重合禁止剤、顔剤、消泡剤、カップリング剤、有機や無機充填剤等が例示される。
なお、本発明の色素増感型太陽電池は、シール材層の外周部あるいはセルの外周部などをエポキシ系やアクリル系等の接着剤で補強してもよい。
本発明の色素増感型太陽電池においては、シール材層を長手方向に対する幅で2mm以上とし、かつ、厚さ1〜40μmとすることで電解液の漏洩を効率よく防止できる。また、用いるシール材により、シール材層の幅や厚み予め分かるので色素増感型太陽電池全体の設計を容易に行える。
また、イソブチレン系樹脂を主成分とする反応性シール剤やポリブタジエン系樹脂を主成分とする反応性シール剤を用いた場合、より電解液の漏洩を防ぐことができるため、色素増感型太陽電池の信頼性を大きく向上させることができる。また特許文献30、31、32、33等に使用されている熱可塑性シール剤による色素増感型太陽電池における一般的な封止樹脂とは異なり、本発明に使用する樹脂は低Tgであることから、ヒートサイクルの様な冷熱環境下において、電極との密着性を長期に渡り維持出来ることが予想されることからも、電池の信頼性向上に大きく寄与する。
以下本発明を実施例を用いて詳述するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[イソブチレン系樹脂を主成分とする反応性シール剤Aの調整]
(A)成分
Figure 2006185646

(B)成分
Figure 2006185646

m、nは3〜10の整数、R1、R2は炭素数3〜20のアルキル基
(C)成分 ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金触媒(8.3×10−5mmol/μl,キシレン溶液)
(D)成分 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製商品名:A−187)
前記(A)成分のアルケニル基量と(B)成分中のSi−H基量の比が1.0:2.0になるように秤量し、さらに可塑剤としてプロセスオイル(出光興産社製 商品名:PAO5010)を(A)成分100重量部に対し50重量部、さらに酸化防止剤としてMARK AO−50(アデカ・アーガス化学社製)を(A)成分100重量部に対し3重量部、さらにホワイトカーボン(日本シリカ工業社製)を(A)成分100重量部に対し50重量部秤量し攪拌脱泡した。続いて(D)成分として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを(A)成分100重量部に対し4.3重量部秤量し混合した。さらに保存安定性改良剤としてジメチルマレートを白金に対し30mol当量及び(C)成分の触媒としてビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金触媒(8.3×10−5mmol/μl,キシレン溶液)を白金が(A)成分のアルケニル基量のモル数に対して5×10−4当量になるように秤量し均一に混合した組成物を調整し、ついでギャップ材(スペーサー材)として粒径40μmのガラス球(触媒化学工業社製)を3重量%添加撹拌してシール剤を得た。
[ポリブタジエン系樹脂を主成分とする反応性シール剤Bの調整]
末端に(メタ)アクリル基を有し主骨格を水添されたポリブタジエン骨格を持つ重合体(X)としてTEAI1000(日本曹達社製)を100重量部、飽和脂肪族エラストマー(Y)としてポリブテン300H(出光興産製)50重量部、成分(Z)としてイソボロニルアクリレート(大坂有機工業製)50重量部、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の各成分をミキサーにて50℃で1時間攪拌して均一に混合した組成物を調整し、ついでギャップ材(スペーサー材)として粒径40μmのガラス球(触媒化学工業社製)を3重量%添加撹拌してシール剤を得た。
[疑似セルの作成]
3cm×3cmのガラス板上に先に調整したシール剤Aとシール剤Bをそれぞれ下記に示す所定のシール幅で、2.5cm×2.5cmの四角形を描くように塗布した(塗布にはスリーボンドTRC120ロボットを使用)。塗布後、3cm×3cmの別のガラス板上で1Φ(直径1mm)の孔が2つ開いたガラス板を張り合わせ、シール剤Aは100℃×30分、シール剤Bは3000mJ/cmの積作光量にて光照射を行い、それぞれのシール剤を硬化させた。その後、孔から電解液(アセトニトリル系電解液:アセトニトリル中にヨウ素0.05モル/L、ヨウ化カリウム0.03モル/L添加したもの)を十分に注入し、それぞれの注入孔周辺にシール剤Bを塗布して、さらに3cm×3cmの別のガラス板にて再度貼合わせ光照射を行った(ガスラ板の3層構造)。電解液のシール性は、本手法にて封止した電解液の漏洩量(初期との重量変化)にて計算した。
[電解液漏洩性試験条件]
先の手法により作成した疑似セルを用いて以下の試験を行い、電解液の漏洩性を確認することでシール性の優劣を判断した。
耐熱性:60℃の恒温状態で96時間放置した。
耐湿性:60℃×95%の高温高湿下に96時間放置した。
ヒートサイクル性:−40×30分、60℃×30分の往復を200サイクル行った。
耐候性:サンシャインウエザオメーターにて日照時間102分、降雨18分のサイクルを48サイクル行った。
前述のようにして調整したシール剤Aおよびシール剤Bを用いた疑似セルにおいて、塗布硬化後のシール幅を1、1.5、2、5、7(mm)として各環境試験を行い、電解液の漏洩性について観察を行ないその結果を表1〜4に示す。
Figure 2006185646

また、上記表1をグラフ化したものを表2に示す。
Figure 2006185646
Figure 2006185646

また、上記表3をグラフ化したものを表4に示す。
Figure 2006185646
シール剤Aおよびシール剤Bを用いて各種環境試験を行ったが、アセトニトリル系電解液を用いた場合は、シール剤AおよびBともにシール幅による漏洩率に顕著な差が見られ、シール幅が1.5mmから2mmへ移行する際に変曲点が観察された。
次にシール剤Aおよびシール剤Bのシール材ギャップ(硬化物層の厚み)を変化させて前述と同様にして色素増感型太陽電池の疑似セルを製造し、シール材幅とシール材厚みの関係を電解液漏洩率(%)について検討を行った。その結果を表5にまとめた。
Figure 2006185646

上記表5をシール材の種類毎にグラフ化したものを下表6および7に示した。
Figure 2006185646
Figure 2006185646
表5〜7の結果からも、電解液の漏洩性はシール材の厚みが40μm以下、かつシール材幅2mm以上であれば、有効にシール性が得られることが分かる。
さらにシール剤Bを用いて、電解液の種類を変化させた系によるシール幅と漏洩率(%)について耐候性試験(サンシャインウエザオメーターにて日照時間102分、降雨18分のサイクルを48サイクル)による電解液漏洩率を測定した。その結果を表8に示す。なお、この試験は前述と同様にして色素増感型太陽電池の疑似セルを製造し、シール材厚みを40μmとして行った。
Figure 2006185646

この表8の結果をグラフ化したものを表9に示す。
Figure 2006185646

表8及び9の結果から、電解液の種類によって漏洩率も変化するが、シール材幅が2mm以上であれば良好なシール性を有していることが分かる。
次に、シール剤Bを用いて、電解液を3−メトキシプロピオニトリル系(3−メトキシプロピオニトリル中にヨウ素0.05モル/L、ヨウ化カリウム0.03モル/L、イミダゾリウム塩0.01モル/L添加したもの)を用いて、シール材厚みを40μmとしたときの耐候性試験(サンシャインウエザオメーターにて日照時間102分、降雨18分のサイクル)を、96時間(48サイクル)、120時間(60サイクル)、360時間(180サイクル)と時間を変えて電解液漏洩率を測定した。その結果を表10に示す。なお、この試験も前述と同様にして色素増感型太陽電池の疑似セルを製造して行った。
Figure 2006185646

この表10の結果をグラフ化したものを表11に示す。
Figure 2006185646

表10および11の結果の結果から、耐候性試験による電解液漏洩性はシール材幅が2mm以上であれば、電解液漏洩率低下に大きく影響することが分かる。
本発明における請求項3および5に記載されたシール構造は、色素増感型太陽電池だけでなく、封入物の漏洩を制御すると言うことを外界からの水分や異物がシール剤を介して系内への侵入を遮断すると言うことへ、換言すると一般的な有機半導体におけるシール方法としての利用が可能である。例えば有機EL素子、ショットキー型pn素子、有機ラジカル系pn素子、固体型pn素子、液晶駆動型素子等への応用も可能である。
本発明の実施例における疑似色素増感型太陽電池セルを示す概略図である。 色素増感型太陽電池セルを示す概略図である。 色素増感型太陽電池セルを示す概略図である。
符号の説明
10 硬化前のシール剤
12 ガラス板
14 注入孔が設けられたガラス板
16 電解液注入孔

Claims (10)

  1. 光増感材を吸着した多孔質金属酸化膜物半導体膜を積層した電極部(A)と電極部(B)と電解液(C)とを二枚のプレート間にシール材層を介して封入した色素増感型太陽電池であって、前記二枚のプレートの少なくとも一方が光透過性を有するとともに、前記シール材層が、幅2mm以上かつ厚さ1〜40μmで形成されていることを特徴とする色素増感型太陽電池。
  2. 前記シール材層が、飽和炭化水素系樹脂を主成分とするシール剤により形成される請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
  3. 前記シール材層が、イソブチレン系樹脂を主成分とする反応性シール剤により形成される請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
  4. 前記シール材層が、(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を含有するイソブチレン系重合体、
    (B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
    (C)ヒドロシリル化触媒、
    の(A)〜(C)を主成分とする反応性シール剤により形成される請求項1に記載の色素増感型太陽電池
  5. 前記シール材層が、ポリブタジエン系樹脂を主成分とする反応性シール剤により形成される請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
  6. 前記シール材層が、(X)水添されたポリブタジエン系アクリレートオリゴマー、
    (Y)飽和な脂肪族エラストマー、
    (Z)炭素数が5以上の鎖状脂肪族または脂環式単官能(メタ)アクリレート、
    の(X)〜(Z)を主成分とする反応性シール剤により形成される請求項5に記載の色素増感型太陽電池。
  7. 前記色素増感型太陽電池が、面積1〜500cmである請求項1〜6に記載の色素増感型太陽電池。
  8. 前記色素増感型太陽電池に用いられる電解液が、エーテル系、ニトリル系、ラクトン系、カーボネート系の1種または2種以上の混合物である請求項1〜6に記載の色素増感型太陽電池。
  9. 前記光透過性を有するプレートがガラス製である請求項1〜6に記載の色素増感型太陽電池。
  10. 前記光透過性を有するプレートがプラスチック製である請求項1〜6に記載の色素増感型太陽電池。
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