JP2008116319A - 3軸力センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 円形板状の起歪部3の中心に、柱状の荷重受け部4が一体に直立させられ、起歪部3の荷重受け部4が直立させられた側と反対側の力検出面5上に、3個のホイートストンブリッジ回路10、20、30の各々に組み込まれた所定数の歪みゲージが貼着されて、荷重受け部4が力を受けると、起歪部3が歪んで、3個のホイートストンブリッジ回路のうちの少なくとも1つのホイートストンブリッジ回路の平衡が崩れることにより、対応するX、Y、Z軸方向の3分力のうちの少なくとも1つの分力がそれぞれ検出されるようになっている3軸力センサ1において、3個のホイートストンブリッジ回路の各々は、隣接する2辺の各辺にのみ歪みゲージを有するハーフブリッジ回路から構成されている。
【選択図】 図2
Description
すなわち、その請求項1に記載された発明は、円形板状の起歪部の中心に、柱状の荷重受け部が一体に直立させられ、前記起歪部の前記荷重受け部が直立させられた側と反対側の力検出面上に、3個のホイートストンブリッジ回路の各々に組み込まれた所定数の歪みゲージが貼着されて、前記荷重受け部が力を受けると、前記起歪部が歪んで、3個の前記ホイートストンブリッジ回路のうちの少なくとも1つのホイートストンブリッジ回路の平衡が崩れることにより、対応するX、Y、Z軸方向の3分力のうちの少なくとも1つの分力がそれぞれ検出されるようになっている3軸力センサにおいて、3個の前記ホイートストンブリッジ回路の各々は、隣接する2辺の各辺にのみ歪みゲージを有するハーフブリッジ回路から構成されていることを特徴とする3軸力センサである。
その他、前記したような効果を奏することができる。
図1は、本実施例の3軸力センサの縦断面図、図2は、同底面図、図3は、同3軸力センサの起歪部周辺部の分解斜視図、図4は、同3軸力センサの信号取り出し用配線部材の要部の平面図、図5は、同3軸力センサにおいて、X軸方向の分力を検出するハーフブリッジ回路の歪みゲージを有する一半部分を示す図、図6は、同じくY軸方向の分力を検出するハーフブリッジ回路の歪みゲージを有する一半部分を示す図、図7は、同じくZ軸方向の分力を検出するハーフブリッジ回路の歪みゲージを有する一半部分を示す図、図8〜図10は、X、Y、Z軸方向の分力をそれぞれ検出するハーフブリッジ回路の作用説明図であって、当該ハーフブリッジ回路を併せて示す図、図11は、同3軸力センサのセンサ部(3軸力センサに搭載される回路部分)と増幅回路部とを含む全体回路図である。
本実施例では、図2に示される3つのブリッジ回路10、20、30の一半部を構成する8個の歪みゲージとそれらを繋ぐ配線とを、金属薄膜によって、シート状フィルムである円形ベース9上に形成している。円形ベース9上にこれら歪みゲージX1、X2、Y1、Y2、Z1、Z2、Z3、Z4及び配線を金属薄膜によって形成する方法としては、フォトエッチング、インク印刷、蒸着、スパッタリング等種々の方法がある。いずれかの方法で形成された歪みゲージと配線とは、各接続ポイントのみを外部に露出するようにして、絶縁体からなる保護膜で覆われている。歪みゲージと配線とを形成した薄い円形ベース9は、起歪部3の力検出面5上に位置決めされて、接着剤で貼着される。このように、全ての歪みゲージを1枚の円形ベース9上に集約すると、歪みゲージを力検出面5上に正確かつ容易に配置することができる。
図2は、本実施例の3軸力センサ1の底面図であるが、信号取出し用FPC6については、直線部とその部分の配線の一部のみを描いており、それより奥に位置する円形ベース9については、その詳細を描いている。この円形ベース9上の配線については、後で詳述する。
なお、普通、ブリッジ回路と呼ばれるものは、他半部を構成する隣接する2辺にも歪みゲージを有するフルブリッジ回路を指すことが多いが、本実施例におけるブリッジ回路は、他半部を構成する隣接する2辺に歪みゲージを有さず、代わりに固定抵抗を有しており、フルブリッジ回路に対してハーフブリッジ回路と呼ばれるものになっている。
すなわち、X軸方向の分力Fxを検出するハーフブリッジ回路10は、その一半部の連結点dを介して隣接する2辺のうちの一方の辺daに歪みゲージX1を有し、他方の辺cdに歪みゲージX2を有するようにして構成されている。また、Y軸方向の分力Fyを検出するブリッジ回路20は、その一半部の連結点dを介して隣接する2辺のうちの一方の辺daに歪みゲージY1を有し、他方の辺cdに歪みゲージY2を有するようにして構成されている。さらに、Z軸方向の分力Fzを検出するブリッジ回路30は、その一半部の連結点dを介して隣接する2辺のうちの一方の辺daに第3の歪みゲージZ3、第2の歪みゲージZ2を有し、他方の辺cdに第1の歪みゲージZ1、第4の歪みゲージZ4を有するようにして構成されている。
X軸方向の分力Fxを検出するハーフブリッジ回路10の一半部(図5参照)がその隣接する2辺のうちの一方の辺daに有する歪みゲージX1と、他方の辺cdに有する歪みゲージX2とは、図2に図示されるように、起歪部3の力検出面5の中心に対して対称で、半径方向に見てより内方の第1位置に、それぞれ配置されている。また、Y軸方向の分力Fyを検出するハーフブリッジ回路20の一半部(図6参照)がその隣接する2辺のうちの一方の辺daに有する歪みゲージY1と、他方の辺cdに有する歪みゲージY2とは、同じく図2に図示されるように、起歪部3の力検出面5の中心に対して対称で、半径方向に見てより外方の第2位置に、それぞれ配置されている。そして、これら第1位置と第2位置とは、互いに90°位相が偏位させられているものである。
なお、歪みゲージX1、X2の力検出面5の中心に対する位置関係、歪みゲージY1、Y2の力検出面5の中心に対する位置関係は、相互に転換されても構わない。これらの歪みゲージが、力検出面5上で互いに干渉し合うことはない。
Z軸方向の分力Fzを検出するハーフブリッジ回路30の一半部(図7参照)は、その隣接する2辺のうちの一方の辺daに第3の歪みゲージZ3と、第2の歪みゲージZ2とを有し、他方の辺cdに第1の歪みゲージZ1と、第4の歪みゲージZ4とを有している。そして、第3の歪みゲージZ3と、第2の歪みゲージZ2とは、図2に図示されるように、起歪部3の力検出面5の中心に対して対称で、半径方向に見てより内方の第3位置に、それぞれ配置され、第1の歪みゲージZ1と、第4の歪みゲージZ4とは、同じく図2に図示されるように、起歪部5の力検出面5の中心に対して対称で、半径方向に見てより外方の第4位置に、それぞれ配置されている。これら第3位置と第4位置とは、同じ位相にあって、第1位置と第2位置との間の位置にその位相が偏位させられている。また、この場合において、第1の歪みゲージZ1と、第2の歪みゲージZ2と、第3の歪みゲージZ3と、第4の歪みゲージZ4とは、この順に並べて配置されている。
先ず、ハーフブリッジ回路10の作用について説明する。
図8(a)〜(c)は、3軸力センサ1にX、Z軸方向の分力Fx、Fzが作用する場合のハーフブリッジ回路10の作用説明図である。これらの図を参照して、3軸力センサ1にX軸の正方向に分力+Fxが作用する場合(図8(a))には、歪みゲージX1に引張り歪み+Δε1が生じ、歪みゲージX2に圧縮歪み−Δε2が生じ、Δε1=Δε2=Δεとなる。また、3軸力センサ1にX軸の負方向に分力−Fxが作用する場合(図8(b))には、歪みゲージX1に圧縮歪み−Δε1が生じ、歪みゲージX2に引張り歪み+Δε2が生じ、Δε1=Δε2=Δεとなる。さらに、3軸力センサ1にZ軸の正方向に分力+Fzが作用する場合(図8(c))には、歪みゲージX1に引張り歪み+Δε1が生じ、歪みゲージX2に引張り歪み+Δε2が生じ、Δε1=Δε2=Δεとなる。
X軸の正方向に分力+Fxが作用する場合(図8(a)):
Eac=FE/4(0+(Δε)−(−Δε)+0)=FE/4(+2Δε)
X軸の負方向に分力−Fxが作用する場合(図8(b)):
Eac=FE/4(0+(−Δε)−(Δε)+0)=FE/4(−2Δε)
Z軸の正方向に分力+Fzが作用する場合(図8(c)):
Eac=FE/4(0+(Δε)−(Δε)+0)=FE/4(0)=0
以上のとおり、分力+Fx、−Fxに応じて、その分力によって生じる歪の2倍である+2Δε、−2Δεに比例する出力信号(電圧)Eacが得られるが、分力+Fzによる信号は0であり、これによる干渉出力はない。また、分力+Fy、−Fyに対しても、歪みゲージX1、X2が中立軸上にあるため、これらによる干渉出力はないことになる。
図9(a)〜(c)は、3軸力センサ1にY、Z軸方向の分力Fy、Fzが作用する場合のハーフブリッジ回路20の作用説明図である。この場合も、3軸力センサ1にX、Z軸方向の分力Fx、Fzが作用する場合と同様にして、次のようなハーフブリッジ回路20の出力Eacが得られる。但し、この場合には、Z軸方向の分力Fzの作用に対し、歪みゲージY1に圧縮歪み−Δε1が生じ、歪みゲージY2に圧縮歪み−Δε2が生じ、Δε1=Δε2=Δεとなることに注意する必要がある。
Y軸の正方向に分力+Fyが作用する場合(図9(a)):
Eac=FE/4(0+(Δε)−(−Δε)+0)=FE/4(+2Δε)
Y軸の負方向に分力−Fyが作用する場合(図9(b)):
Eac=FE/4(0+(−Δε)−(Δε)+0)=FE/4(−2Δε)
Z軸の正方向に分力+Fzが作用する場合(図9(c)):
Eac=FE/4(0+(−Δε)−(−Δε)+0)=FE/4(0)=0
以上のとおり、分力+Fy、−Fyに応じて、その分力によって生じる歪の2倍である+2Δε、−2Δεに比例する出力信号(電圧)Eacが得られるが、分力+Fzによる信号は0であり、これによる干渉出力はない。また、分力+Fx、−Fxに対しても、歪みゲージY1、Y2が中立軸上にあるため、これらによる干渉出力はないことになる。
図10(a)〜(c)は、3軸力センサ1にX、Y、Z軸方向の分力Fx、Fy、Fzが作用する場合のハーフブリッジ回路10の作用説明図である。これらの図を参照して、3軸力センサ1にX、Y軸の正方向に分力+Fx、+Fyのいずれかが作用する場合(図10(a))には、歪みゲージZ1に引張り歪み+Δε1が生じ、歪みゲージZ2に引張り歪み+Δε2が生じ、歪みゲージZ3に圧縮歪み−Δε3が生じ、歪みゲージZ4に圧縮歪み−Δε4が生じ、Δε1=Δε4=Δεo、Δε2=Δε3=Δεiとなる。また、3軸力センサ1にX、Y軸の負方向に分力−Fx、−Fyのいずれかが作用する場合(図10(b))には、歪みゲージZ1に圧縮歪み−Δε1が生じ、歪みゲージZ2に圧縮歪み−Δε2が生じ、歪みゲージZ3に引張り歪み+Δε3が生じ、歪みゲージZ4に引張り歪み+Δε4が生じ、Δε1=Δε4=Δεo、Δε2=Δε3=Δεiとなる。さらに、3軸力センサ1にZ軸の正方向に分力+Fzが作用する場合(図10(c))には、歪みゲージZ1に圧縮歪み−Δε1が生じ、歪みゲージZ2に引張り歪み+Δε2が生じ、歪みゲージZ3に引張り歪み+Δε3が生じ、歪みゲージZ4に圧縮歪み−Δε4が生じ、Δε1=Δε4=Δεo、Δε2=Δε3=Δεiとなる。
3軸力センサ1にX、Y軸の正方向に分力+Fx、+Fyのいずれかが作用する場合(図10(a)):
歪みゲージZ2、Z3の歪み合計=+Δε2−Δε3=+Δεi−Δεi=0
歪みゲージZ1、Z4の歪み合計=+Δε1−Δε4=+Δεo−Δεo=0
よって、この場合には、干渉出力はない。
3軸力センサ1にX、Y軸の負方向に分力−Fx、−Fyのいずれかが作用する場合(図10(b)):
歪みゲージZ2、Z3の歪み合計=−Δε2+Δε3=−Δεi+Δεi=0
歪みゲージZ1、Z4の歪み合計=−Δε1+Δε4=−Δεo+Δεo=0
よって、この場合にも、干渉出力はない。
3軸力センサ1にZ軸の正方向に分力+Fzが作用する場合(図10(c)):
歪みゲージZ2、Z3の歪み合計=+Δε2+Δε3=+Δεi+Δεi=+2Δεi
歪みゲージZ1、Z4の歪み合計=−Δε1−Δε4=−Δεo−Δεo=−2Δεo
よって、ハーフブリッジ回路30の出力Eacは、既知の公式により、
Eac=FE/4(0+(+Δε2+Δε3)−(−Δε1−Δε4)+0)
=FE/4(2Δεi+2Δεo)
以上のとおり、分力Fx、Fyによる干渉出力はないが、分力+Fzに対しては、4個の歪みゲージZ1〜Z4の合計歪みに応じた出力信号(電圧)Eacが得られることになる。
3軸力センサ1の起歪部3の力検出面5上に貼着された3個のブリッジ回路の各々が、隣接する2辺の各辺にのみ歪みゲージを有するハーフブリッジ回路10、20、30から構成されているので、歪みゲージを有しない(固定抵抗のみを有する)隣接する残りの2辺の固定抵抗は、起歪部3の力検出面5上に貼着されなくて済むことになり、起歪部3の力検出面5上に貼着されるそれぞれの歪みゲージに繋がる配線の引き回しが交差することなく、簡易に行え、起歪部3への歪みゲージの組付け作業性が向上する。また、従来のフルブリッジ回路を用いた場合と比較して、回路構成のために必要な面積や半田付け個所が少なくなるので、3軸力センサ1の小型化が容易になる。
Claims (6)
- 円形板状の起歪部の中心に、柱状の荷重受け部が一体に直立させられ、
前記起歪部の前記荷重受け部が直立させられた側と反対側の力検出面上に、3個のホイートストンブリッジ回路の各々に組み込まれた所定数の歪みゲージが貼着されて、
前記荷重受け部が力を受けると、前記起歪部が歪んで、3個の前記ホイートストンブリッジ回路のうちの少なくとも1つのホイートストンブリッジ回路の平衡が崩れることにより、対応するX、Y、Z軸方向の3分力のうちの少なくとも1つの分力がそれぞれ検出されるようになっている
3軸力センサにおいて、
3個の前記ホイートストンブリッジ回路の各々は、隣接する2辺の各辺にのみ歪みゲージを有するハーフブリッジ回路から構成されている
ことを特徴とする3軸力センサ。 - 前記隣接する2辺の信号取出し用配線部材との接続部が、前記歪みゲージが前記起歪部の前記力検出面上に貼着される位置よりも半径方向に見てより外方の位置に位置するようにして配置されていることを特徴とする請求項1に記載の3軸力センサ。
- 3個の前記ハーフブリッジ回路のうち、X軸方向の分力を検出する1つのハーフブリッジ回路がその隣接する2辺のうちの一方の辺に有する前記歪みゲージと、他方の辺に有する前記歪みゲージとは、前記起歪部の前記力検出面の中心に対して対称で、半径方向に見てより内方もしくはより外方の第1位置に、それぞれ配置され、
3個の前記ハーフブリッジ回路のうち、Y軸方向の分力を検出する他の1つのハーフブリッジ回路がその隣接する2辺のうちの一方の辺に有する前記歪みゲージと、他方の辺に有する前記歪みゲージとは、前記起歪部の前記力検出面の中心に対して対称で、半径方向に見てより外方もしくはより内方の第2位置に、それぞれ配置され、
前記第1位置と前記第2位置とは、互いに90°位相が偏位させられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の3軸力センサ。 - 3個の前記ハーフブリッジ回路のうち、Z軸方向の分力を検出する残りの1つのハーフブリッジ回路は、その隣接する2辺のうちの一方の辺に第3の歪みゲージと、第2の歪みゲージとを有し、他方の辺に第1の歪みゲージと、第4の歪みゲージとを有し、
前記第3の歪みゲージと、前記第2の歪みゲージとは、前記起歪部の前記力検出面の中心に対して対称で、半径方向に見てより内方の第3位置に、それぞれ配置され、
前記第1の歪みゲージと、前記第4の歪みゲージとは、前記起歪部の前記力検出面の中心に対して対称で、半径方向に見てより外方の第4位置に、それぞれ配置され、
前記第3位置と前記第4位置とは、同じ位相にあって、前記第1位置と前記第2位置との間の位置にその位相が偏位させられており、
前記第1の歪みゲージと、前記第2の歪みゲージと、前記第3の歪みゲージと、前記第4の歪みゲージとは、この順に並べて配置されている
ことを特徴とする請求項3に記載の3軸力センサ。 - 前記接続部は、前記隣接する2辺の連結点と両端点とを前記信号取出し用配線部材にそれぞれ接続する3つの接続ポイントを有し、
前記隣接する2辺の連結点を前記信号取り出し用配線部材に接続する前記接続ポイントは、他の2つの前記接続ポイントの中間に位置するようにして配置されている
ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の3軸力センサ。 - 前記起歪部は、起歪基体の中央部が前記荷重受け部が直立させられた側及びこれと反対側から同心にそれぞれ環形及び円形に抉られて、残された薄い円形板状部として形成されており、
前記荷重受け部が直立させられた側と反対側から抉られた円形の第1半径は、前記荷重受け部が直立させられた側から抉られた環形の外周の第2半径より大きくされ、
前記接続部が配置される、前記起歪部の前記力検出面上の半径方向に見てより外方の位置は、前記第1半径と前記第2半径との差分に相当する幅を有する環状領域内の位置とされている
ことを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の3軸力センサ。
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