JP2008116152A - 空調システムおよび空調システムの制御方法 - Google Patents

空調システムおよび空調システムの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒートポンプとファンコイルユニットが一体となった空調システムにおいて、ヒートポンプの運転によるエネルギー消費量の増加を抑制し、運転効率を高めることを課題とする。
【解決手段】ヒートポンプ60の運転状態に基づいて、空調システム全体が、追加運転を行っているヒートポンプ60が所定の割合または所定の台数以上に達する追加運転状態ではないと判定された場合、ヒートポンプ60による追加運転が発生しない範囲で、熱源装置40による熱源水の温度制御に係る消費エネルギー量が削減される方向に目標温度を設定し、追加運転状態であると判定された場合、ヒートポンプ60がその追加運転を停止する方向に目標温度を設定することとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調システムおよび空調システムの制御方法に関する。
空調システムにおけるエネルギー消費量を削減する技術として、水熱源ヒートポンプとファンコイルユニットとが一体になったユニットを用いた空調システムにおいて、一定範囲の熱源水入口温度毎に、室内温度と予め入力した基準温度とを比較して、圧縮機、四方弁、水対空気熱交換器と水対冷媒熱交換器に対する熱源水の通水切替を担う三方弁を制御することで、きめ細かい運転制御を行ってエネルギー消費量を削減する技術がある(特許文献1を参照)。
また、建物の個別空調システムにおいて電力消費の平準化と設備の小規模化を図り、省エネルギーと低ランニングコストを実現する技術や(特許文献2を参照)、ハイブリッドエアコンから熱源水の送水温度、室内温度および設定室内温度を収集し、ここから処理熱量とこれに対応する消費電力の予測値を算出し、消費電力の予測値が最も小さい送水温度を採用することで省エネルギーを実現する技術がある(特許文献3を参照)。
更に、配管の長さを短くし制御弁を省略してポンプの所要動力を低下させ、配管材料の省資源化とランニングコストの低減を実現する技術がある(特許文献4を参照)。
特許第2901911号公報 特開平5−118595号公報 特開2005-140367号公報 特許第3733371号公報
従来、ヒートポンプとファンコイルユニットが一体となったユニットを用いた空調システムがある。このような空調システムでは、例えば熱源装置で温度制御された熱源水によって全室に対して一律にファンコイルユニットによる冷房運転を行い、温度調節が不足している場合にヒートポンプを個別に冷房運転し、特定の部屋のみヒートポンプで個別に暖房運転を行う等の、柔軟性の高い空調を行うことが可能である。
しかし、このような空調システムでは、熱源装置による熱源水の温度制御と、ヒートポンプによる熱媒の圧縮運転が行われることで、エネルギー消費量が多くなるという問題がある。特に、ヒートポンプがファンコイルユニットによる温度調節の方向と同方向の温度調節である追加運転を行った場合、ヒートポンプを運転することによるエネルギー消費量の増加に加え、ヒートポンプの追加運転によって熱源水の温度が大きく変化し、この変化分が熱源装置の運転に係るエネルギー消費量をも増加させ、運転効率が低下するという状況が発生する。より具体的には、熱源装置で熱源水を冷却している場合に、ヒートポンプの追加運転(ここでは冷房運転)が行われると、熱源装置に還流してくる熱源水の温度が大きく上昇し、熱源装置による熱源水の冷却運転に係るエネルギー消費量が増加するという状況が発生する。
本発明は、上記した問題に鑑み、ヒートポンプとファンコイルユニットが一体となった空調システムにおいて、ヒートポンプの運転によるエネルギー消費量の増加を抑制し、運転効率を高めることを課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するために、ヒートポンプが追加運転を行わない境界近傍まで熱源装置による熱源水の温度制御の目標温度を近づけることで、ヒートポンプの運転によるエネルギー消費量の増加を抑制し、運転効率を高めることを可能にした。
詳細には、本発明は、設定された目標温度に従って熱源水の温度を制御し、該熱源水を供給する熱源装置と、水対空気熱交換器およびヒートポンプを有する複合水熱源ヒートポンプユニットシステムであって、前記水対空気熱交換器は、前記熱源水の供給を受けて該熱源水と温度調節対象の空気との間で熱交換を行う水対空気熱交換器であり、前記ヒートポンプは、前記水対空気熱交換器による温度調節が十分でない場合に、前記熱源水の供給を受けて運転を行うヒートポンプである、一又は複数の複合水熱源ヒートポンプユニットシステムと、を備える空調システムであって、前記ヒートポンプの運転状態を取得する運転状態取得手段と、前記運転状態取得手段によって取得された運転状態に基づいて、前記空調システム全体が、前記水対空気熱交換器による温度調節の方向と同方向の温度調節である追加運転を行っている前記ヒートポンプが所定の割合または所定の台数以上に達する追加運転状態であるか否かを判定する運転状態判定手段と、前記運転状態判定手段によって前記追加運転状態ではないと判定された場合、前記ヒートポンプによる前記追加運転が発生しない範囲で、前記熱源装置による熱源水の温度制御に係る消費エネルギー量が削減される方向に前記目標温度を設定し、前記運転状態判定手段によって前記追加運転状態であると判定された場合、ヒートポンプがその追加運転を停止する方向に前記目標温度を設定する目標温度設定手段と、を更に備える空調システムである。
本発明に係る空調システムは、水対空気熱交換器による温度調節と、ヒートポンプによる温度調節とを併せて用いることによって、柔軟性の高い空調を行うことが可能である。しかし、この双方を稼動させて空調を行った場合、熱源装置の運転によるエネルギー消費量に、ヒートポンプによるエネルギー消費量が加わり、エネルギー消費量の増加が著しい。
特に、ヒートポンプが水対空気熱交換器による温度調節の方向と同方向の温度調節である追加運転を行った場合、ヒートポンプを運転することによるエネルギー消費量の増加に加え、追加運転による排熱によって熱源水の温度が大きく変化し、この変化分が熱源装置に求められる温度制御幅を大きくすることで、熱源装置の運転に係るエネルギー消費量をも増加させる。このため、空調システム全体としては、可能な限り熱源装置と水対空気熱交換器による温度調節で空調を行い、ヒートポンプは稼動させないことが望ましい。
とはいえ、熱源装置と水対空気熱交換器による温度調節のみでは温度調節が不足する状況が発生する。このため、本発明では、上記した運転状態取得手段、運転状態判定手段および目標温度設定手段を備えることによって、ヒートポンプが追加運転を行わない境界近傍まで熱源装置による熱源水の温度制御の目標温度を近づけることとした。
即ち、本発明に拠れば、ヒートポンプが追加運転を行う頻度が減少することによるエネルギー消費量の削減効果が得られ、ヒートポンプの排熱が減少して熱源装置による熱源水の温度制御幅が小さくなることによるエネルギー消費量の削減効果が得られる。更に、冷房運転時には目標温度が可能な限り上げられ、暖房運転時には目標温度が可能な限り下げられることで、熱源装置の運転によるエネルギー消費量も削減され、全体として効率の高い空調システムの運転が可能となる。
また、本発明は、前記熱源装置の熱源水の出口における熱源水の温度である熱源装置出口温度および前記熱源装置の熱源水の入口における熱源水の温度である熱源装置入口温度を計測する熱源水温度計測手段を更に備え、前記運転状態判定手段は、前記熱源装置出口
温度と前記熱源装置入口温度との温度差に基づいて、前記空調システム全体の運転状態が冷房運転状態であるかまたは暖房運転状態であるかを更に判定し、前記目標温度設定手段は、前記運転状態判定手段によって判定されたシステム全体の運転状態に基づいて前記目標温度を設定する方向を決定し、前記目標温度を設定することとしてもよい。
熱源装置出口温度に比べて熱源装置入口温度が高い場合、システム全体として冷房運転が行われていると判断でき、熱源装置出口温度に比べて熱源装置入口温度が低い場合、システム全体として暖房運転が行われていると判断できる。但し、厳密にはシステムによる冷房運転、暖房運転以外の要因による放熱等も考慮する必要があるため、システム全体として冷房運転であるか暖房運転であるかの判断の境界値は、個別の具体的なシステムごとに設定されることが好ましい。
また、前記目標温度設定手段は、前記運転状態判定手段によってシステム全体が冷房運転状態であり且つ前記追加運転状態ではないと判定された場合、前記ヒートポンプによる追加運転が発生しない範囲で前記目標温度を上げ、前記運転状態判定手段によってシステム全体が冷房運転状態であり且つ前記追加運転状態であると判定された場合、前記目標温度を下げ、前記運転状態判定手段によってシステム全体が暖房運転状態であり且つ前記追加運転状態ではないと判定された場合、前記ヒートポンプによる追加運転が発生しない範囲で前記目標温度を下げ、前記運転状態判定手段によってシステム全体が暖房運転状態であり且つ前記追加運転状態であると判定された場合、前記目標温度を上げることとしてもよい。
また、前記ヒートポンプは、追加運転の許可があるまで前記追加運転を開始せず、前記目標温度が設定可能な限界値に達し、前記水対空気熱交換器による温度調節が十分でない場合に、前記ヒートポンプに追加運転を許可する追加運転許可手段を更に備えてもよい。
上記構成によれば、追加運転の許可が行われるまでヒートポンプによる追加運転が開始されないため、より確実にヒートポンプの運転抑制効果を得ることが出来る。
また、本発明は、前記複合水熱源ヒートポンプユニットシステムの熱源水の出口における熱源水の温度であるユニット出口温度を計測するユニット出口温度計測手段を更に備え、前記目標温度設定手段は、前記ユニット出口温度が凍結が予見される温度である場合に、前記目標温度を上げることとしてもよい。
特に、システム全体として冷房運転を行っている状態で、ヒートポンプが暖房運転を行う状況が発生すると、熱源装置により冷却された熱源水が、ヒートポンプの運転によって更に冷却されることとなり、凍結の虞が高まる。本発明に拠れば、このような場合に凍結を防止することが可能である。
また、本発明は、前記熱源装置から前記水対空気熱交換器および前記ヒートポンプに前記熱源水を供給するための流路に設けられ、前記水対空気熱交換器および前記ヒートポンプへの前記熱源水の供給量を可変制御する熱源水ポンプと、前記熱源水ポンプの上流側または下流側に設けられ、該熱源水ポンプが運転を停止したときに前記熱源水の逆流を防止する逆流防止手段と、を更に備えてもよい。
複数の複合水熱源ヒートポンプユニットシステムを熱負荷の特性、使用運転時間帯、空間位置等に基づいたグループにまとめて、このグループごとに上記熱源水ポンプおよび逆流防止手段を設ける構成とすることで、熱源水の送水に係るエネルギー消費量を削減することが可能となる。
また、本発明は、前記熱源水ポンプの運転状態を取得する熱源水ポンプ運転状態取得手段と、前記熱源水ポンプ運転状態取得手段によって取得された前記熱源水ポンプの運転状態が、可変制御による制御能力の下限に至っており、且つ全ての前記ヒートポンプが運転を行っていない場合に、前記熱源水ポンプの運転を停止させる熱源水ポンプ制御手段と、を更に備えてもよい。
熱源水ポンプによる送水量が下限に至っている状態は、複合水熱源ヒートポンプユニットシステムに要求されている熱源水量が少ない状態である。即ち、この状態であれば温度調節は十分であると判断できる。これに加え、ヒートポンプが運転をしていない場合、複合水熱源ヒートポンプユニットシステムに熱源水を供給する必要性は極めて小さい。このような状況で熱源水ポンプの運転を停止することで、熱源水ポンプのエネルギー消費量を削減することが可能となる。
また、前記複合水熱源ヒートポンプユニットシステムは、必要とされる温度調節の効率に応じて回転数を自律的に変化させる送風機を更に有し、前記送風機の運転状態を取得する送風機運転状態取得手段を更に備え、前記熱源水ポンプ制御手段は、前記送風機の運転状態に基づいて、前記熱源水ポンプによる前記水対空気熱交換器および前記ヒートポンプへの前記熱源水の供給量を制御してもよい。
本発明に拠れば、送風機の運転状態に基づいて、送風機が最適な送風量を選択するように、熱源水ポンプの送水量を制御することで、空調システム全体としてのエネルギー消費量を抑制し、且つ空調を受ける室内の快適性を向上させることが可能となる。
また、本発明は、熱源水を冷却し、前記熱源装置と選択的に該熱源水を供給する冷却塔と、外気温を取得する外気温取得手段と、前記外気温取得手段によって取得された外気温が所定の温度以下であるか否かを判定する外気温判定手段と、前記運転状態取得手段によって取得された運転状態に基づいて、暖房運転を行っている前記ヒートポンプがあるか否かを判定する暖房運転判定手段と、前記外気温判定手段によって外気温が所定の温度以下であると判定され、且つ前記暖房運転判定手段によって暖房運転を行っている前記ヒートポンプがないと判定された場合に、前記熱源水の供給元を、前記熱源装置から前記冷却塔へ切り替える切替手段と、を更に備えてもよい。
ここで、外気温判定手段における所定の温度は、熱源水を冷却するために冷凍機等の熱源装置が不要なほど外気温(例えば、外気湿球温度)が低いか否かを判定するための閾値である。外気温が十分に低い場合、熱源装置に代えて、冷却塔で十分に低温の熱源水を生成し、供給することが可能である。このため、外気温(湿球温度)が十分に低く、且つヒートポンプが暖房運転を行っていない(即ち、比較的高温の熱源水を必要としていない)場合、熱源水の供給元を熱源装置から冷却塔に切り替えることで、システム全体のエネルギー消費量を削減することが可能となる。
また、前記ヒートポンプは、前記熱源水の供給を受けて該熱源水と前記熱媒との間で熱交換を行う水対熱媒熱交換器、該熱媒を圧縮又は膨張させる圧縮機又は膨張弁、前記圧縮又は膨張された熱媒と温度調節対象の空気との間で熱交換を行う熱媒対空気熱交換器、および前記空気を冷やす方向の温度調節である冷房運転と前記空気を暖める方向の温度調節である暖房運転とを切り替える冷暖房切替手段を有してもよい。
ここで、冷暖房切替手段として、例えば四方弁が挙げられる。但し、本発明に係るヒートポンプは、この構成を有するヒートポンプに限られるものではない。
また、本発明は、上記空調システムを制御する方法としても把握することが可能である
。即ち、本発明は、設定された目標温度に従って熱源水の温度を制御し、該熱源水を供給する熱源装置と、水対空気熱交換器およびヒートポンプを有する複合水熱源ヒートポンプユニットシステムであって、前記水対空気熱交換器は、前記熱源水の供給を受けて該熱源水と温度調節対象の空気との間で熱交換を行う水対空気熱交換器であり、前記ヒートポンプは、前記水対空気熱交換器による温度調節が十分でない場合に、前記熱源水の供給を受けて運転を行うヒートポンプである、一又は複数の複合水熱源ヒートポンプユニットシステムと、を備える空調システムにおける空調システムの制御方法であって、前記ヒートポンプの運転状態を取得する運転状態取得ステップと、前記運転状態取得ステップで取得された運転状態に基づいて、前記空調システム全体が、前記水対空気熱交換器による温度調節の方向と同方向の温度調節である追加追加運転を行っている前記ヒートポンプが所定の割合または所定の台数以上に達する追加運転状態であるか否かを判定する運転状態判定ステップと、前記運転状態判定ステップで前記追加運転状態ではないと判定された場合、前記ヒートポンプによる前記追加運転が発生しない範囲で、前記熱源装置による熱源水の温度制御に係る消費エネルギー量が削減される方向に前記目標温度を設定し、前記運転状態判定ステップで前記追加運転状態であると判定された場合、ヒートポンプが前記追加運転を停止する方向に前記目標温度を設定する目標温度設定ステップと、が実行される空調システムの制御方法としても把握することが出来る。
本発明によって、ヒートポンプとファンコイルユニットが一体となった空調システムにおいて、ヒートポンプの運転によるエネルギー消費量の増加を抑制し、運転効率を高めることが可能となる。
本発明に係る空調システムの実施の形態について、図面に基づいて説明する。
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10の概略構成を示す図である。複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10は、空調の対象となる部屋に設けられ、大きく分けてコイル70、ヒートポンプ60、熱源水の送水を制御する三方弁18および送風機21を有する。コイル70は、水対空気熱交換器11および熱源水管路12を有する。コイル70は、水対空気熱交換器11によって、熱源水管路12を通って供給された熱源水とフィルタ20を介して吸入された還気RAとの熱交換を行い、熱交換によって温度調節された空気を送風機21によって室内に給気SAとして送り出すことで、複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10が設置された部屋の空気の温度調節を行う。
ヒートポンプ60は、後述する熱源装置40で温度制御された熱源水の供給を受けて該熱源水と熱媒との間で熱交換を行う水対熱媒熱交換器17、熱媒を圧縮させる圧縮機14、熱媒を膨張させる膨張弁16、熱媒と温度調節対象の空気との間で熱交換を行うことで空気の温度調節を行う熱媒対空気熱交換器13、および熱媒の流路を切り替えることで冷房運転と暖房運転とを切り替える四方弁15を有する。これらの構成要素は熱媒管路19で接続され、四方弁15の切り替えによって、冷房運転と暖房運転とを切り替えることが出来る。熱媒が循環する順番が圧縮機14、水対熱媒熱交換器17、膨張弁16、熱媒対空気熱交換器13の順であるときが冷房運転、圧縮機14、熱媒対空気熱交換器13、膨張弁16、水対熱媒熱交換器17であるときが暖房運転である。
ここで、ヒートポンプ60は、制御装置90によって運転が許可されるまで運転を開始しない。これは、ヒートポンプ60が運転されることによってエネルギー消費量が増大するためである。即ち、本実施形態に係る空調システムは、制御装置90によって運転が許
可されるまではコイル70のみで室内空気の温度調節を行う。
なお、ヒートポンプ60による運転は、追加運転と複合運転に分類される。追加運転とは、複合運転ヒートポンプユニットシステム10が設置されている室内においてコイル70による温度調節が十分でない場合に、ヒートポンプ60が、コイル70による温度調節の方向と同方向の温度調節を行うことである。具体的には、コイル70が低温の熱源水の供給を受けて冷房運転を行っている場合に、ヒートポンプ60が冷房運転を行う場合がこれにあたる。換言すると、コイル70とヒートポンプ60とを一体にしたユニットが受け持つ空調エリアで冷房または暖房の増強運転を行うことである。また、複合運転とは、複合運転ヒートポンプユニットシステム10が設置されている室内において要求されている温度調節の方向が、コイル70による温度調節の方向と逆方向である場合に、ヒートポンプ60が、要求されている温度調節の方向と同方向の温度調節を行うことである。具体的には、コイル70が低温の熱源水の供給を受けて冷房運転を行っている場合に、ヒートポンプ60が暖房運転を行う場合がこれにあたる。
また、複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10は送風機21を有しており、送風機21によって室内の空気が還気RAとしてフィルタ20を介して複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10に取り込まれ、温度調節後に給気SAとして室内に送られる。送風機21の送風量は、タップ切替で「大(Hi)」「中(Mid)」「小(Lo)」のいずれかに切り替えられる。温度調節の効率が不足している場合、送風量は「大(Hi)」に設定され、温度調節の効率が十分である場合、送風量は「小(Lo)」に設定される。本実施形態では、「中(Mid)」が最適な送風量であるものとする。また、本実施形態では、送風量の切替は3段階となっているが、これは実施の形態における一例であり、送風量の切替は3段階に限られない。
加えて、複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10には各種温度センサが設けられている。熱源水の入口管路に熱源水の温度(ユニット入口温度)を計測するユニット入口温度センサ32、熱源水の出口管路に熱源水の温度(ユニット出口温度)を計測するユニット出口温度センサ33が設けられ、還気RAの吸入口付近に空気の温度を計測する還気温度センサ31が設けられている。これらの温度センサによる計測結果は、ユニット内に設けた制御装置(図示せず)を介して有線または無線の通信手段を用いて電気的に制御装置90に送信される。
更に、圧縮機14の運転状態や、四方弁15の状態などが、ユニット内に設けた制御装置を介して有線または無線の通信手段を用いて電気的に制御装置90に送信される(図示は省略する)。制御装置90は、圧縮機14の運転状態や、四方弁15の状態等を取得することで、ヒートポンプ60が運転中であるか否か、運転中であるヒートポンプ60は冷房運転であるか暖房運転であるか、等の情報を得ることが出来る。
図2は、本実施形態における空調システムの全体の概要を示す図である。空調システムは、対象となる建物の部屋ごとに設けられた複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10、建物のフロアごとに設けられた熱源水ポンプユニット50、建物全体に設置された複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10に供給される熱源水の温度を制御する熱源装置40、およびこれらを接続する熱源水配管43を備える。
熱源装置40は、冷熱源としての冷凍機および温熱源としてのボイラを含む装置であり、制御装置90から指示された目標温度に従って、冷凍機またはボイラを運転することで、熱源水の温度制御を行う。また、熱源装置40への熱源水の入口および出口付近の熱源水配管43には、熱源水の温度を計測する熱源装置入口温度センサ42および熱源装置出口温度センサ41が設置されている。制御装置90は、熱源装置出口温度センサ41によ
って計測された温度(熱源装置出口温度)によって、熱源装置40による温度制御が目標温度に達しているか否かを判定する。もっとも、熱源装置40は、1台で冷水と温水とを切り替えて生成可能な冷温熱源兼用のヒートポンプでもよく、型式は圧縮膨張式、吸収式を問わない。また、凝縮器等の排熱器の冷却方式は水冷または空冷の何れであってもよい。
熱源水ポンプユニット50は、インバータ制御の熱源水ポンプ52および熱源水ポンプ52が停止したときの熱源水の逆流を防止する逆止弁51を有する。熱源水ポンプ52がインバータ制御であることで、各フロアに設置された複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10のグループごとに適切な量の熱源水を送ることが出来る。但し、熱源水ポンプ52が熱源水を送る複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10のグループはフロアごとでなくてもよいし、各複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10に一対一で熱源水ポンプ52が設けられていてもよい。また、各室の複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10に送られた熱源水は、室内の空気の温度調節等に使用された上で、熱源装置40に還流する。熱源装置40に還流した熱源水の温度(熱源装置入口温度)は、熱源装置入口温度センサ42によって計測される。なお、逆止弁51は、ユニット内に内蔵されなくともよく、例えば熱源水配管43におけるポンプに介装された枝管に設けられてもよい。
<処理の流れ>
図3から図6は、本実施形態における熱源水目標温度設定制御の流れを示すフローチャートである。これらのフローチャートに示された処理は、制御装置90によって定期的に実行される。
図3は、本実施形態における熱源水目標温度設定制御のうち、システム全体の運転状態を判定する処理の流れを示すフローチャートである。ステップS101では、空調システム全体として冷房運転状態であるか否かが判定される。制御装置90は、熱源装置出口温度センサ41によって計測された熱源装置出口温度と、熱源装置入口温度センサ42によって計測された熱源装置入口温度を比較して、空調システム全体として冷房運転を行っているか暖房運転を行っているかを判定する。具体的には、熱源装置出口温度に比べて熱源装置入口温度が高い場合、空調システム全体として冷房運転が行われていると判定し、熱源装置出口温度に比べて熱源装置入口温度が低い場合、空調システム全体として暖房運転が行われていると判定する。冷房運転が行われていると判定された場合、処理はステップS102へ進む。暖房運転が行われていると判定された場合、以降の処理は、冷房運転状態であると判定された場合の処理内容である以降に説明する処理と対称であるため、説明を省略する。即ち、以降に説明する処理は、全て空調システム全体として冷房運転が行われている場合の処理である(つまり、ボイラではなく冷凍機によって熱源水の温度制御が行われている)。
ステップS102では、運転しているヒートポンプ60の割合が所定の割合以下であるか否かが判定される。制御装置90は、空調システムとして備えるヒートポンプ60の全台数に対する運転しているヒートポンプ60の割合を算出し、算出された割合が、予め制御装置90に設定されている所定の割合以下であるか否かを判定する。ここで、所定の割合には、例えば5%等の値が設定される。運転しているヒートポンプ60の割合が所定の割合以下であると判定された場合、処理は図4に示されるステップS111へ進む。運転しているヒートポンプ60の割合が所定の割合以下でない(即ち、一定割合以上のヒートポンプ60が運転している)と判定された場合、処理はステップS103へ進む。
また、ステップS102の処理は、ヒートポンプ60が全て停止しているか否かを判定する処理であってもよい。ヒートポンプ60が全て停止していると判定された場合、処理は図4に示されるステップS111へ進む。ヒートポンプ60が全て停止していない(即
ち、ヒートポンプ60が1台以上運転している)と判定された場合、ステップS103へ進む。
ステップS103では、冷房運転を行っているヒートポンプ60が有るか否かが判定される。制御装置90は、各複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10より受信した情報から各複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10の有するヒートポンプ60の運転状態を得て、冷房運転を行っているヒートポンプ60が有るか否かを判定する。冷房運転を行っているヒートポンプ60が有ると判定された場合、処理は図5に示されるステップS121へ進む。冷房運転を行っているヒートポンプ60がないと判定された場合、処理はステップS104へ進む。
ステップS104では、暖房運転を行っているヒートポンプ60が有るか否かが判定される。制御装置90は、各複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10より取得した情報から各複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10の有するヒートポンプ60の運転状態を得て、暖房運転を行っているヒートポンプ60が有るか否かを判定する。暖房運転を行っているヒートポンプ60が有ると判定された場合、処理は図6に示されるステップS131へ進む。暖房運転を行っているヒートポンプ60がないと判定された場合、本フローチャートに示された処理は終了する。
図4は、本実施形態における熱源水目標温度設定制御のうち、運転しているヒートポンプ60の割合が所定の割合以下である場合(即ち、空調システム全体としては、コイル70のみで温度調節を行っている状態と見做してよい場合)の処理の流れを示すフローチャートである。ステップS111では、送水能力の上限(例えば、50Hz)に達した熱源水ポンプ52があるか否かが判定される。制御装置90は、各熱源水ポンプユニット50から取得した情報から、送水能力の上限に達した熱源水ポンプ52があるか否かを判定する。送水能力の上限に達した熱源水ポンプ52(即ち、これ以上送水量を増加させることができない熱源水ポンプ52)があると判定された場合、処理はステップS112へ進む。送水能力の上限に達した熱源水ポンプ52がない(即ち、全ての熱源水ポンプ52が部分負荷で運転している)と判定された場合、処理はステップS118へ進む。
ステップS112では、送水能力の上限に達した熱源水ポンプ52によって熱源水が送水される複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10のグループ中に、送風量が「大(Hi)」である送風機21があるか否かが判定される。制御装置90は、各複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10から取得した情報から、該当するグループ中に送風量が「大(Hi)」である送風機21があるか否かを判定する。送風量が「大(Hi)」である送風機21があると判定された場合、処理はステップS113へ進む。送風量が「大(Hi)」である送風機21がないと判定された場合、処理はステップS116へ進む。
ステップS113では、熱源装置出口温度が下限値に達しているか否かが判定される。制御装置90は、熱源装置出口温度センサ41から取得した情報と、予め設定されている閾値を比較することで、熱源装置出口温度が下限値に達しているか否かを判定する。ここで、予め設定された閾値とは、熱源水の凍結を防止するために設定された閾値である。即ち、ステップS113の処理は、熱源水配管43が凍結してしまう虞の有無を判定する処理である。熱源装置出口温度が下限値に達していると判定された場合、処理はステップS114へ進む。熱源装置出口温度が下限値に達していないと判定された場合、処理はステップS115へ進む。
ステップS114では、ヒートポンプ60の運転が許可される。送水能力の上限に達した熱源水ポンプ52があり(ステップS111)、該当するグループ中に送風量が「大(Hi)」である送風機21があり(ステップS112)、且つ熱源装置出口温度が下限値
に達している(ステップS113)ということは、熱源装置40、熱源水ポンプ52および送風機21の全てを最大限まで稼動させても温度調節が不足しているということを意味する。また、これ以上熱源装置40による熱源水の冷却の目標温度を下げると、熱源水配管43が凍結してしまう虞がある。このため、制御装置90は、ヒートポンプ60の運転を許可する。結果的に、運転を許可されたヒートポンプ60は追加運転を開始し、温度調節の不足を補う。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
即ち、ステップS111からステップS114の処理は、熱源装置40、熱源水ポンプ52および送風機21によって対応できる限界まで、エネルギー消費量の大きいヒートポンプ60による追加運転を抑制し、空調システム全体としてのエネルギー消費量を抑制する処理である。
ステップS115では、熱源装置40による温度制御の目標温度が1段階下げられる。この場合、熱源装置出口温度は下限値に達していない(ステップS113)ため、制御装置90は、温度調節の不足を補うために目標温度を1段階下げる。結果的に、1段階下の目標温度を設定された熱源装置40は、目標温度まで熱源水の温度を制御し、温度調節の不足を補う。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
ステップS116では、全ての送風機21の送風量が「小(Lo)」であるか否かが判定される。制御装置90は、各複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10から取得した情報から、全ての送風機21の送風量が「小(Lo)」であるか否かを判定する。全ての送風機21の送風量が「小(Lo)」であると判定された場合、処理はステップS117へ進む。全ての送風機21の送風量が「小(Lo)」であると判定されなかった場合、本フローチャートに示された処理は終了する。
ステップS117では、熱源装置40による温度制御の目標温度が1段階上げられる。この場合、全ての送風機21の送風量が「小(Lo)」であるため、制御装置90は、温度調節は十分であると判断して、エネルギー消費量を削減するために目標温度を1段階上げる。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
ステップS118では、送水能力の下限(例えば、10Hz)に達した熱源水ポンプ52があるか否かが判定される。制御装置90は、各熱源水ポンプユニット50から取得した情報から、送水能力の下限に達した熱源水ポンプ52があるか否かを判定する。送水能力の下限に達した熱源水ポンプ52(即ち、これ以上送水量を減らすことができない熱源水ポンプ52)があると判定された場合、処理はステップS119へ進む。送水能力の下限に達した熱源水ポンプ52がないと判定された場合、本フローチャートに示された処理は終了する。
ステップS119では、熱源装置40による温度制御の目標温度が1段階上げられる。この場合、送水能力の下限に達した熱源水ポンプ52があるため、制御装置90は、温度調節は十分であると判断して、エネルギー消費量を削減し、ポンプユニットの送水量を増やしてポンプ能力を安定させるために目標温度を1段階上げる。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
図5は、本実施形態における熱源水目標温度設定制御のうち、追加運転状態である場合の処理の流れを示すフローチャートである。ステップS121では、暖房運転を行っているヒートポンプ60が有るか否かが判定される。制御装置90は、各複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10より受信した情報から各複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10の有するヒートポンプ60の運転状態を得て、暖房運転を行っているヒートポンプ60が有るか否かを判定する。暖房運転を行っているヒートポンプ60が有ると判定さ
れた場合、処理はステップS122へ進む。暖房運転を行っているヒートポンプ60がないと判定された場合、処理はステップS126へ進む。
ステップS122からステップS125の処理は、空調システム全体として冷房運転であり、追加運転である冷房運転を行っているヒートポンプ60に加え、複合運転である暖房運転を行っているヒートポンプ60もある状態における処理である。
ステップS122では、暖房運転(複合運転)を行っているヒートポンプ60に係る複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10のユニット出口温度が下限値に達しているか否かが判定される。制御装置90は、複合運転を行っているヒートポンプ60に係る複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10に設けられたユニット出口温度センサ33から取得したユニット出口の熱源水の温度と、予め設定された閾値を比較することで、ユニット出口温度が下限値に達しているか否かを判定する。ここで、予め設定された閾値とは、熱源水の凍結を防止するために設定された閾値である。即ち、ステップS122の処理は、熱源水配管43が凍結してしまう虞の有無を判定する処理である。ユニット出口温度が下限値に達していると判定された場合、処理はステップS123へ進む。ユニット出口温度が下限値に達していないと判定された場合、処理はステップS125へ進む。
ステップS123では、暖房運転(複合運転)を行っているヒートポンプ60に係る複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10が属するグループの熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の上限に達しているか否かが判定される。制御装置90は、各熱源水ポンプユニット50から取得した情報から、該当する熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の上限に達しているか否かを判定する。該当する熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の上限に達している(即ち、これ以上送水量を増加させることができない)と判定された場合、処理はステップS124へ進む。該当する熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の上限に達していないと判定された場合、本フローチャートに示された処理は終了する。
ステップS124では、熱源装置40による温度制御の目標温度が1段階上げられる。この場合、複合運転を行っているヒートポンプ60に係る複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10のユニット出口温度が下限値に達しており(ステップS122)、熱源水ポンプ52の運転状態も送水能力の上限に達しているため(ステップS123)、制御装置90は、凍結の虞があると判断して、目標温度を1段階上げる。この結果、熱源水配管43の凍結を防止することが出来る。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
なお、ステップS123で熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の上限に達していないと判定された場合、複合運転を行っているヒートポンプ60に係る複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10のユニット出口温度が下限値に達しているものの、熱源水ポンプ52の送水量を変化させることで凍結を防止することが可能であるため、目標温度の変更は行われない。
ステップS125では、熱源装置40による温度制御の目標温度が1段階下げられる。この場合、複合運転を行っているヒートポンプ60に係る複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10のユニット出口温度は下限値に達していない(ステップS122)ため、制御装置90は、温度調節の不足を補うために目標温度を1段階下げる。1段階下の目標温度を設定された熱源装置40が目標温度まで熱源水の温度を制御することにより、コイル70による温度調節の効率が上がる。結果、追加運転の発生が抑制され、加えて追加運転を行っているヒートポンプ60が温度調節が十分であると判断し追加運転を止めることで、空調システム全体としてのエネルギー消費量が削減される。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
ステップS126からステップS128の処理は、空調システム全体として冷房運転であり、追加運転である冷房運転を行っているヒートポンプ60があり、複合運転である暖房運転を行っているヒートポンプ60はない状態における処理である。
ステップS126では、熱源装置出口温度が下限値に達しているか否かが判定される。制御装置90は、熱源装置出口温度センサ41から取得した情報と、予め設定されている閾値を比較することで、熱源装置出口温度が下限値に達しているか否かを判定する。ステップS126の処理は、熱源水配管43が凍結してしまう虞の有無を判定する処理である。熱源装置出口温度が下限値に達していると判定された場合、処理はステップS127へ進む。熱源装置出口温度が下限値に達していないと判定された場合、処理はステップS128へ進む。
ステップS127では、冷房運転(追加運転)を行っているヒートポンプ60に係る複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10が属するグループの熱源水ポンプ52の送水量が増やされる。制御装置90は、該当する熱源水ポンプ52に対して送水量を増やすよう指示し、送水量を増加させることで、温度調節の不足を補い、併せて熱源水配管43の凍結を防止する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
ステップS128では、熱源装置40による温度制御の目標温度が1段階下げられる。この場合、追加運転を行っているヒートポンプ60に係る複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10のユニット出口温度は下限値に達していない(ステップS126)ため、制御装置90は、温度調節の不足を補うために目標温度を1段階下げる。1段階下の目標温度を設定された熱源装置40が目標温度まで熱源水の温度を制御することにより、コイル70による温度調節の効率が上がる。結果、追加運転の発生が抑制され、加えて追加運転を行っているヒートポンプ60が温度調節が十分であると判断し追加運転を止めることで、空調システム全体としてのエネルギー消費量が削減される。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
図6は、本実施形態における熱源水目標温度設定制御のうち、複合運転状態である場合の処理の流れを示すフローチャートである。ステップS131では、暖房運転を行っているヒートポンプ60に係る複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10のユニット出口温度が下限値に達しているか否かが判定される。制御装置90は、複合運転を行っているヒートポンプ60に係る複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10に設けられたユニット出口温度センサ33から取得したユニット出口の熱源水の温度と、予め設定された閾値を比較することで、ユニット出口温度が下限値に達しているか否かを判定する。ステップS131の処理は、熱源水配管43が凍結してしまう虞の有無を判定する処理である。ユニット出口温度が下限値に達していると判定された場合、処理はステップS132へ進む。ユニット出口温度が下限値に達していないと判定された場合、処理はステップS111(図4を参照)へ進む。
ここで、ユニット出口温度が下限値に達していないと判定された場合、以降の処理は運転しているヒートポンプ60の割合が所定の割合以下である場合(即ち、空調システム全体としては、コイル70のみで温度調節を行っている状態と見做してよい場合)の処理の流れと同様である(図4を参照)。これは、熱源水温度を下げる要因となる暖房運転が行われている複合運転状態であっても、ユニット出口温度が下限値に達していない場合は、凍結の虞が低く、更にヒートポンプ60は冷房運転を行っていないため、コイル70のみで温度調節を行っている場合と同様に、可能な限りエネルギー消費量を抑制できる方向に目標温度を設定するための処理を実行して問題ないからである。
ステップS132では、暖房運転(複合運転)を行っているヒートポンプ60に係る複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10が属するグループの熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の上限に達しているか否かが判定される。制御装置90は、各熱源水ポンプユニット50から取得した情報から、該当する熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の上限に達しているか否かを判定する。該当する熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の上限に達している(即ち、これ以上送水量を増加させることができない)と判定された場合、処理はステップS133へ進む。該当する熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の上限に達していないと判定された場合、本フローチャートに示された処理は終了する。
ステップS133では、熱源装置40による温度制御の目標温度が1段階上げられる。この場合、複合運転を行っているヒートポンプ60に係る複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10のユニット出口温度が下限値に達しており(ステップS131)、熱源水ポンプ52の運転状態も送水能力の上限に達しているため(ステップS132)、制御装置90は、凍結の虞があると判断して、目標温度を1段階上げる。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
図3から図6に示された処理に拠れば、熱源装置40、熱源水ポンプ52および送風機21によって対応できる限界まで、エネルギー消費量の大きいヒートポンプ60による追加運転を抑制することで、空調システム全体としてのエネルギー消費量を抑制することが可能となる。
図7及び図8は、本実施形態におけるグループごとの熱源水ポンプ52制御の流れを示すフローチャートである。これらのフローチャートに示された処理は、空調システムに設けられた各グループについて、制御装置90によって定期的に実行される。
図7は、本実施形態におけるグループごとの熱源水ポンプ52制御のうち、システム全体の運転状態を判定する処理およびグループ中の全てのヒートポンプ60が運転を停止している場合の処理の流れを示すフローチャートである。ステップS201では、空調システム全体として冷房運転状態であるか否かが判定される。処理の詳細は、先述のステップS101と同様であるため、説明を省略する。冷房運転が行われていると判定された場合、処理はステップS202へ進む。暖房運転が行われていると判定された場合、以降の処理は、冷房運転状態であると判定された場合の処理内容である以降に説明する処理と対称であるため、説明を省略する。即ち、以降に説明する処理は、全て空調システム全体として冷房運転が行われている場合の処理である。
ステップS202では、グループ中の全ての複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10のヒートポンプ60が停止しているか否かが判定される。制御装置90は、複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10から取得した情報に基づいて、処理中のグループに属するヒートポンプ60が全て停止しているか否かを判定する。グループ中の全てのヒートポンプ60が停止していると判定された場合、処理はステップS203へ進む。グループ中の全てのヒートポンプ60が停止していない(即ち、グループ中に一つ以上の稼動しているヒートポンプ60がある)場合、処理は図8に示されるステップS211へ進む。
ステップS203では、処理中のグループの熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の上限よりも下であるか否かが判定される。制御装置90は、各熱源水ポンプユニット50から取得した情報から、該当するグループの熱源水ポンプ52の運転状態が予め設定された送水能力の上限よりも下であるか否かを判定する。該当するグループの熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の上限よりも下であると判定された場合、処理はステップS204へ進む。該当するグループの熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の上限よりも下ではない(即ち、送水能力の上限に達している)と判定された場合、本フローチャートに示
された処理は終了する。
即ち、該当するグループの熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の上限に達していると判定された場合、熱源水ポンプ52が送水能力の上限の運転状態で運転されている状態が維持される。これは、既に熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の上限に達し、これ以上温度調節の不足を運転状態を変更し、送水量を増やすことで補うことは出来ないため、熱源水ポンプ52の運転状態に関しては現状を維持しようとするものである。熱源水ポンプ52の運転状態を送水能力の上限で維持しても、温度調節が不足している場合、図3から図6を用いて先述した処理によって、制御装置90から運転が許可され、ヒートポンプ60の運転が開始されることとなる。
ステップS204では、処理中のグループの熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の下限よりも上であるか否かが判定される。制御装置90は、各熱源水ポンプユニット50から取得した情報から、該当するグループの熱源水ポンプ52の運転状態が予め設定された送水能力の下限よりも上であるか否かを判定する。該当するグループの熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の下限よりも上であると判定された場合、処理はステップS205へ進む。該当するグループの熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の下限よりも上ではない(即ち、送水能力の下限に達している)と判定された場合、処理はステップS206へ進む。
ステップS205では、送風機21の運転状態に基づいて、熱源水ポンプ52が制御される。制御装置90は、各複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10から取得した送風機21の運転状態に係る情報に基づいて、送風機21が最適な送風量を選択するように、熱源水ポンプ52の送水量を制御する。より具体的には、送風機21の運転状態が「大(Hi)」である場合には、制御装置90は熱源水ポンプ52に対して送水量を1段階上げる指示を行い、送水量の増加により温度調節を十分とすることで送風機21の運転状態が自動的に「中(Mid)」に切り替わることを促す。送風機21の運転状態が「小(Lo)」である場合には、制御装置90は熱源水ポンプ52に対して送水量を1段階下げる指示を行い、送水量の減少により温度調節を不足させることで送風機21の運転状態が自動的に「中(Mid)」に切り替わることを促す。本実施形態では、送風機21は「中(Mid)」で運転されることがエネルギー消費量の観点および空調を受ける室内の快適性の観点から最適であるからである。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
ステップS206では、熱源水ポンプ52の運転が停止される。この場合、処理中のグループにおいて全てのヒートポンプ60が停止しており(ステップS202)、且つ該当する熱源水ポンプ52は送水能力の下限で運転しているため、制御装置90は、該当するグループの熱源水ポンプ52に対し、運転の停止を指示する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
なお、ステップS202の判定基準を、グループ中の全てのヒートポンプ60が停止しているか否かではなく、グループ中の運転しているヒートポンプ60が所定の割合(例えば、3%)または所定の台数以下であるか否かとしてもよい。運転しているヒートポンプ60が所定の割合または所定の台数以下であれば、空調システム全体としては、コイル70のみで動作している状態と見做してよいからである。但し、この場合、グループ中の運転しているヒートポンプ60が所定の割合または所定の台数以下ではないと判定されたとしても、全てのヒートポンプ60が停止しているか否かは不明であるため、ステップS206に示された熱源水ポンプ52の運転停止処理は実行されない。ヒートポンプ60が動作している場合、ヒートポンプ60の水対熱媒熱交換器17への熱源水の供給を止めることは出来ないためである。
図8は、本実施形態におけるグループごとの熱源水ポンプ52制御のうち、グループ中に運転中のヒートポンプ60がある場合の処理の流れを示すフローチャートである。ステップS211では、グループ中の稼動しているヒートポンプ60が全て冷房運転であるか否かが判定される。制御装置90は、複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10から取得した情報に基づいて、グループ中の稼動しているヒートポンプ60が全て冷房運転であるか否かを判定する。グループ中の稼動しているヒートポンプ60が全て冷房運転であると判定された場合、処理はステップS212へ進む。稼動しているヒートポンプ60で冷房運転でないヒートポンプ60がある(即ち、暖房運転を行っているヒートポンプ60がある)と判定された場合、処理はステップS214へ進む。
ステップS212では、処理中のグループの熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の上限よりも下であるか否かが判定される。制御装置90は、各熱源水ポンプユニット50から取得した情報から、該当するグループの熱源水ポンプ52の運転状態が予め設定された送水能力の上限よりも下であるか否かを判定する。該当するグループの熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の上限よりも下であると判定された場合、処理はステップS213へ進む。該当するグループの熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の上限よりも下ではない(即ち、送水能力の上限に達している)と判定された場合、本フローチャートに示された処理は終了する。
ステップS213では、送風機21の運転状態に基づいて、熱源水ポンプ52が制御される。制御装置90は、各複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10から取得した送風機21の運転状態に係る情報に基づいて、送風機21が最適な送風量を選択するように、熱源水ポンプ52の送水量を制御する。より具体的な処理は、先述のステップS205と同様であるため、説明を省略する。なお、本ステップに至る前に処理中のグループの熱源水ポンプ52の運転状態が送水能力の下限よりも上であるか否かの判定(例えば、ステップS204を参照)が行われないのは、グループ中に運転中のヒートポンプ60があるため、熱源水ポンプ52を停止することは出来ず、熱源水ポンプ52を停止するか否かを判定するための処理を行う必要がないからである。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
ステップS214では、グループ中にユニット出口温度が下限値に達している複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10が有るか否かが判定される。制御装置90は、処理中のグループに属する複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10に設けられたユニット出口温度センサ33から取得したユニット出口の熱源水の温度と、予め設定された閾値を比較することで、ユニット出口温度が下限値に達している複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10が有るか否かを判定する。ここで、予め設定された閾値とは、熱源水の凍結を防止するために設定された閾値である。ユニット出口温度が下限値に達している複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10が有ると判定された場合、本フローチャートに示された処理は終了する。ユニット出口温度が下限値に達している複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10が無いと判定された場合、処理はステップS215へ進む。
ステップS215では、冷房運転(追加運転)中のヒートポンプ60に係る送風機21の運転状態に基づいて、熱源水ポンプ52が制御される。制御装置90は、冷房運転中のヒートポンプ60に係る複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10から取得した送風機21の運転状態に係る情報に基づいて、送風機21が最適な送風量を選択するように、熱源水ポンプ52の送水量を制御する。より具体的な処理は、先述のステップS205と同様であるため、説明を省略する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
図7及び図8に示された処理に拠れば、送風機21の運転状態に基づいて、送風機21が最適な送風量を選択するように、熱源水ポンプ52の送水量を制御することで、空調システム全体としてのエネルギー消費量を抑制し、且つ空調を受ける室内の快適性を向上させることが可能となる。
なお、中間期および冬季などの、熱源水を冷却するために冷凍機が不要であり、且つ複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10が暖房運転を行っていない場合、冷却塔によって熱源水を冷却するフリークーリングシステム80から熱源水の供給を受けることとしてもよい(図2を参照)。図示の例では冷凍機と冷却塔が並列に接続され、弁切替で熱源水配管43から分岐、接続される。もっとも、冷凍機が水冷方式の場合、冷凍機凝縮器を冷却する冷却塔を冷房用熱源水の生成機としてもよいことは勿論である。冷却塔は開放式または密閉式のいずれも利用可能であり、散布水の蒸発潜熱を利用して水を冷却し、要求される熱源水温度を冷却塔ファンの回転数や散水量の制御により実現する。もっとも、冷却塔ファンや冷却塔ポンプの制御をせず、気液接触風量と散水量を最大にして冷却水を冷やせるだけ冷やし、各複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10、または複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10のグループ(図2の細線で囲った範囲)に介装した弁や熱源水ポンプ52で水量制御し、残余をバイパスさせてもよい。制御装置90は、外気温度センサ(図示せず)より取得した外気温が熱源水を冷却するために冷凍機が不要な所定の温度以下であり、且つ複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10から運転状態を取得して全ての複合水熱源ヒートポンプユニットシステム10が暖房運転を行っていないと判定された場合、熱源水の供給を受ける装置を熱源装置40から前記フリークーリングシステム80に切り替える。この場合、熱源水の冷却に冷凍機を使用しないため、エネルギー消費量の削減効果が大きい。
実施形態に係る複合水熱源ヒートポンプユニットシステムの概略構成を示す図である。 実施形態における空調システムの全体の概要を示す図である。 実施形態における熱源水目標温度設定制御のうち、システム全体の運転状態を判定する処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態における熱源水目標温度設定制御のうち、運転しているヒートポンプの割合が所定の割合以下である場合の処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態における熱源水目標温度設定制御のうち、追加運転状態である場合の処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態における熱源水目標温度設定制御のうち、複合運転状態である場合の処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態におけるグループごとの熱源水ポンプ制御のうち、システム全体の運転状態を判定する処理およびグループ中の全てのヒートポンプが運転を停止している場合の処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態におけるグループごとの熱源水ポンプ制御のうち、グループ中に運転中のヒートポンプがある場合の処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10 複合水熱源ヒートポンプユニットシステム
11 水対空気熱交換器
13 熱媒対空気熱交換器
17 水対熱媒熱交換器
21 送風機
33 ユニット出口温度センサ
40 熱源装置
41 熱源装置出口温度センサ
42 熱源装置入口温度センサ
50 熱源水ポンプユニット
52 熱源水ポンプ
60 ヒートポンプ
70 コイル
80 フリークーリングシステム
90 制御装置

Claims (11)

  1. 設定された目標温度に従って熱源水の温度を制御し、該熱源水を供給する熱源装置と、
    水対空気熱交換器およびヒートポンプを有する複合水熱源ヒートポンプユニットシステムであって、前記水対空気熱交換器は、前記熱源水の供給を受けて該熱源水と温度調節対象の空気との間で熱交換を行う水対空気熱交換器であり、前記ヒートポンプは、前記水対空気熱交換器による温度調節が十分でない場合に、前記熱源水の供給を受けて運転を行うヒートポンプである、一又は複数の複合水熱源ヒートポンプユニットシステムと、
    を備える空調システムであって、
    前記ヒートポンプの運転状態を取得する運転状態取得手段と、
    前記運転状態取得手段によって取得された運転状態に基づいて、前記空調システム全体が、前記水対空気熱交換器による温度調節の方向と同方向の温度調節である追加運転を行っている前記ヒートポンプが所定の割合または所定の台数以上に達する追加運転状態であるか否かを判定する運転状態判定手段と、
    前記運転状態判定手段によって前記追加運転状態ではないと判定された場合、前記ヒートポンプによる前記追加運転が発生しない範囲で、前記熱源装置による熱源水の温度制御に係る消費エネルギー量が削減される方向に前記目標温度を設定し、前記運転状態判定手段によって前記追加運転状態であると判定された場合、前記ヒートポンプがその追加運転を停止する方向に前記目標温度を設定する目標温度設定手段と、
    を更に備える空調システム。
  2. 前記熱源装置の熱源水の出口における熱源水の温度である熱源装置出口温度および前記熱源装置の熱源水の入口における熱源水の温度である熱源装置入口温度を計測する熱源水温度計測手段を更に備え、
    前記運転状態判定手段は、前記熱源装置出口温度と前記熱源装置入口温度との温度差に基づいて、前記空調システム全体の運転状態が冷房運転状態であるかまたは暖房運転状態であるかを更に判定し、
    前記目標温度設定手段は、前記運転状態判定手段によって判定されたシステム全体の運転状態に基づいて前記目標温度を設定する方向を決定し、前記目標温度を設定する、
    請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記目標温度設定手段は、
    前記運転状態判定手段によってシステム全体が冷房運転状態であり且つ前記追加運転状態ではないと判定された場合、前記ヒートポンプによる追加運転が発生しない範囲で前記目標温度を上げ、
    前記運転状態判定手段によってシステム全体が冷房運転状態であり且つ前記追加運転状態であると判定された場合、前記目標温度を下げ、
    前記運転状態判定手段によってシステム全体が暖房運転状態であり且つ前記追加運転状態ではないと判定された場合、前記ヒートポンプによる追加運転が発生しない範囲で前記目標温度を下げ、
    前記運転状態判定手段によってシステム全体が暖房運転状態であり且つ前記追加運転状態であると判定された場合、前記目標温度を上げる、
    請求項2に記載の空調システム。
  4. 前記ヒートポンプは、追加運転の許可があるまで前記追加運転を開始せず、
    前記目標温度が設定可能な限界値に達し、前記水対空気熱交換器による温度調節が十分でない場合に、前記ヒートポンプに追加運転を許可する追加運転許可手段を更に備える請求項1から請求項3の何れかに記載の空調システム。
  5. 前記複合水熱源ヒートポンプユニットシステムの熱源水の出口における熱源水の温度で
    あるユニット出口温度を計測するユニット出口温度計測手段を更に備え、
    前記目標温度設定手段は、前記ユニット出口温度が凍結が予見される温度である場合に、前記目標温度を上げる、
    請求項1から請求項4の何れかに記載の空調システム。
  6. 前記熱源装置から前記水対空気熱交換器および前記ヒートポンプに前記熱源水を供給するための流路に設けられ、前記水対空気熱交換器および前記ヒートポンプへの前記熱源水の供給量を可変制御する熱源水ポンプと、
    前記熱源水ポンプの上流側または下流側に設けられ、該熱源水ポンプが運転を停止したときに前記熱源水の逆流を防止する逆流防止手段と、
    を更に備える請求項1から請求項5の何れかに記載の空調システム。
  7. 前記熱源水ポンプの運転状態を取得する熱源水ポンプ運転状態取得手段と、
    前記熱源水ポンプ運転状態取得手段によって取得された前記熱源水ポンプの運転状態が、可変制御による制御能力の下限に至っており、且つ全ての前記ヒートポンプが運転を行っていない場合に、前記熱源水ポンプの運転を停止させる熱源水ポンプ制御手段と、
    を更に備える請求項6に記載の空調システム。
  8. 前記複合水熱源ヒートポンプユニットシステムは、必要とされる温度調節の効率に応じて回転数を自律的に変化させる送風機を更に有し、
    前記送風機の運転状態を取得する送風機運転状態取得手段を更に備え、
    前記熱源水ポンプ制御手段は、前記送風機の運転状態に基づいて、前記熱源水ポンプによる前記水対空気熱交換器および前記ヒートポンプへの前記熱源水の供給量を制御する、
    請求項7に記載の空調システム。
  9. 熱源水を冷却し、前記熱源装置と選択的に該熱源水を供給する冷却塔と、
    外気温を取得する外気温取得手段と、
    前記外気温取得手段によって取得された外気温が所定の温度以下であるか否かを判定する外気温判定手段と、
    前記運転状態取得手段によって取得された運転状態に基づいて、暖房運転を行っている前記ヒートポンプがあるか否かを判定する暖房運転判定手段と、
    前記外気温判定手段によって外気温が所定の温度以下であると判定され、且つ前記暖房運転判定手段によって暖房運転を行っている前記ヒートポンプがないと判定された場合に、前記熱源水の供給元を、前記熱源装置から前記冷却塔へ切り替える切替手段と、
    を更に備える請求項1から請求項8の何れかに記載の空調システム。
  10. 前記ヒートポンプは、前記熱源水の供給を受けて該熱源水と前記熱媒との間で熱交換を行う水対熱媒熱交換器、該熱媒を圧縮又は膨張させる圧縮機又は膨張弁、前記圧縮又は膨張された熱媒と温度調節対象の空気との間で熱交換を行う熱媒対空気熱交換器、および前記空気を冷やす方向の温度調節である冷房運転と前記空気を暖める方向の温度調節である暖房運転とを切り替える冷暖房切替手段を有する、請求項1から請求項9の何れかに記載の空調システム。
  11. 設定された目標温度に従って熱源水の温度を制御し、該熱源水を供給する熱源装置と、
    水対空気熱交換器およびヒートポンプを有する複合水熱源ヒートポンプユニットシステムであって、前記水対空気熱交換器は、前記熱源水の供給を受けて該熱源水と温度調節対象の空気との間で熱交換を行う水対空気熱交換器であり、前記ヒートポンプは、前記水対空気熱交換器による温度調節が十分でない場合に、前記熱源水の供給を受けて運転を行うヒートポンプである、一又は複数の複合水熱源ヒートポンプユニットシステムと、
    を備える空調システムにおける空調システムの制御方法であって、
    前記ヒートポンプの運転状態を取得する運転状態取得ステップと、
    前記運転状態取得ステップで取得された運転状態に基づいて、前記空調システム全体が、前記水対空気熱交換器による温度調節の方向と同方向の温度調節である追加運転を行っている前記ヒートポンプが所定の割合または所定の台数以上に達する追加運転状態であるか否かを判定する運転状態判定ステップと、
    前記運転状態判定ステップで前記追加運転状態ではないと判定された場合、前記ヒートポンプによる前記追加運転が発生しない範囲で、前記熱源装置による熱源水の温度制御に係る消費エネルギー量が削減される方向に前記目標温度を設定し、前記運転状態判定ステップで前記追加運転状態であると判定された場合、前記ヒートポンプが前記追加運転を停止する方向に前記目標温度を設定する目標温度設定ステップと、
    が実行される空調システムの制御方法。
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