JP2008115729A - 油圧アクチュエータ制御装置 - Google Patents

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智洋 中野
Shuji Yuda
修事 湯田
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正勝 永井
Takahiro Uchida
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Abstract

【課題】油圧アクチュエータ制御装置に関し、制御弁に出力する制御信号の設定域を油圧アクチュエータの動作速度を制御可能な範囲内に限定することを可能にする。
【解決手段】不感帯の上端値D2及び下端値D1に基づいて不感帯の中心値(OCV中心)を算出する。このOCV中心、或いは、不感帯の上端値D2及び下端値D1を基準にして使用デューティ域(D3からD4までの範囲)を決定する。OCVに出力すべきOCV駆動デューティは、この使用デューティ域内において設定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、油圧アクチュエータ制御装置に関し、特に、内燃機関において吸気バルブ或いは排気バルブの開閉タイミングを可変制御するバルブタイミング可変機構に用いて好適の油圧アクチュエータ制御装置に関する。
バルブタイミング可変機構では、クランク軸に対するカム軸の位相角を変化させるための手段として油圧アクチュエータが用いられている。この油圧アクチュエータには、2つの油室、すなわち、進角室と遅角室とが設けられている。進角室への加圧油の供給及び遅角室からの加圧油の排出によってバルブタイミングは進角され、遅角室への加圧油の供給及び進角室からの加圧油の排出によってバルブタイミングは遅角される。
油圧アクチュエータの両油室に対する加圧油の給排は、制御弁(Oil Control Valve:OCV)によって制御されている。制御弁はスリーブ内のスプール弁の位置によって加圧油の給排を制御することができる。スプール弁がスリーブ内の中立域にあるとき、両油室はともに油圧ポンプともオイルタンクとも連通を遮断されている。スプール弁が中立域から一方(進角方向)に移動することで、進角室が油圧ポンプに接続され遅角室がオイルタンクに接続される。スプール弁が中立域から進角方向と逆方向(遅角方向)に移動することで、遅角室が油圧ポンプに接続され進角室がオイルタンクに接続される。スプール弁はソレノイドによって駆動され、その位置はソレノイドに出力されるデューティ(電流値)によって制御されている。
制御弁においてスプール弁が位置する中立域は一定の幅をもって形成されている。スプール弁が中立域を移動している間は、両油室に対する加圧油の給排は行われないか或いは殆ど行われない。このため、バルブタイミング可変機構には、加圧油の供給流量がほぼゼロとなるデューティ、すなわち、現在のバルブタイミングを保持するデューティ付近に、デューティ値の変化に対するバルブタイミングの応答が無い或いは応答性が低い不感帯が存在する。
バルブタイミングを進角させる場合は、制御弁に出力するデューティを保持デューティから増大側に変化させる。逆にバルブタイミングを遅角させる場合は、制御弁に出力するデューティを保持デューティから減少側に変化させる。その際、デューティが不感帯を超えるまではバルブタイミングの変化速度は小さく、デューティが不感帯を超えた時点からバルブタイミングはデューティの値に応じて急激に変化し始める。このように、不感帯の存在はバルブタイミングの制御性に大きな影響を与えている。そこで、以下の特許文献に記載されているように、従来のバルブタイミング制御では学習等の手法によって不感帯を特定し、不感帯を考慮して制御弁のデューティ制御を行っていた。
特開2001−164964号公報 特開2005−9393号公報 特開2003−336529号公報 特開2005−147083号公報 特開2001−317382号公報 特開平9−317503号公報
しかしながら、制御弁に出力しうるデューティ(0〜100%)のうち、デューティ値の変化に対してバルブタイミングの応答が無くなるのは前述の不感帯だけには限らない。制御弁において進角室と油圧ポンプとを繋ぐ供給通路或いは遅角室とオイルタンクとを繋ぐドレーン通路が全開になったときは、デューティ値をそれ以上に大きくしてもバルブタイミングの変位速度には変化はない。また、制御弁において遅角室と油圧ポンプとを繋ぐ供給通路或いは進角室とオイルタンクとを繋ぐドレーン通路が全開になったときは、デューティ値をそれ以下に小さくしてもバルブタイミングの変位速度には変化はない。バルブタイミングの制御性を高めるためには、バルブタイミングの変位速度を制御可能なデューティの範囲を把握し、それに基づいて制御弁に出力すべきデューティを決定することが望ましい。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、制御弁に出力する制御信号の設定域を油圧アクチュエータの動作速度を制御可能な範囲内に限定することが可能な油圧アクチュエータ制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、加圧油の給排によって動作する油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータに対する加圧油の給排を制御する制御弁とを有し、前記制御弁に出力する制御信号によって前記油圧アクチュエータの動作を制御する油圧アクチュエータ制御装置において、
制御信号が出力される信号域のうち制御信号の変化に対する前記油圧アクチュエータの応答が無い或いは応答性が低い不感帯を特定する不感帯特定手段と、
前記不感帯の中心値を基準にして使用信号域を決定する使用信号域決定手段と、
前記制御弁に出力すべき制御信号を前記使用信号域内において設定する制御信号設定手段と、
を備えることを特徴としている。
また、第2の発明は、上記の目的を達成するため、加圧油の給排によって動作する油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータに対する加圧油の給排を制御する制御弁とを有し、前記制御弁に出力する制御信号によって前記油圧アクチュエータの動作を制御する油圧アクチュエータ制御装置において、
制御信号が出力される信号域のうち制御信号の変化に対する前記油圧アクチュエータの応答が無い或いは応答性が低い不感帯を特定する不感帯特定手段と、
前記不感帯の上端値及び下端値を基準にして使用信号域を決定する使用信号域決定手段と、
前記制御弁に出力すべき制御信号を前記使用信号域内において設定する制御信号設定手段と、
を備えることを特徴とする油圧アクチュエータ制御装置。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記制御信号設定手段は、
油圧アクチュエータの動作速度がゼロとなるときの制御信号の値(以下、保持値)を特定する保持値特定手段と、
前記油圧アクチュエータの動作量とその目標動作量との偏差に基づき、前記制御弁の前記保持値を基準とする制御量を算出する制御量算出手段と、
前記制御量が前記不感帯を超える場合、前記制御量を加圧油の温度に応じて補正する制御量補正手段と、
を含み、前記保持値と補正後の前記制御量とに基づいて前記制御弁に出力すべき制御信号を設定するように構成され、
前記制御量補正手段は、前記制御量が前記不感帯に近いときにはその補正度を小さし、前記制御量が前記不感帯を大きく超えるときにはその補正度を大きくするように構成されていることを特徴としている。
第1の発明によれば、不感帯中心値を基準にして使用信号域が決定され、その信号域内で制御弁に出力すべき制御信号が設定される。この使用信号域を油圧アクチュエータの動作速度を制御可能な範囲に合わせることで、油圧アクチュエータの制御性を向上させることができる。
第2の発明によれば、不感帯の上端値及び下端値を基準にして使用信号域が決定され、その信号域内で制御弁に出力すべき制御信号が設定される。この使用信号域を油圧アクチュエータの動作速度を制御可能な範囲に合わせることで、油圧アクチュエータの制御性を向上させることができる。
また、第3の発明によれば、加圧油の温度に応じた制御量の補正により、加圧油の温度が油圧アクチュエータの制御特性に与える影響を排除することができる。また、制御量が不感帯に近いときにはその補正度を小さくすることで、不感帯の推測誤差が油圧アクチュエータの制御性に与える影響を抑えることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態としての油圧アクチュエータ制御装置が適用されたバルブタイミング可変機構の油圧システムの概略構成を示す図である。本発明は吸気バルブと排気バルブの何れのバルブタイミング可変機構にも適用可能であるが、ここでは吸気バルブのバルブタイミング可変機構に本発明が適用されている。
図1に示すように、バルブタイミング可変機構の油圧システムは、クランク軸に対するカム軸の変位角を変化させるための油圧アクチュエータ20を備えている。油圧アクチュエータ20は、クランク軸に同期して回転するハウジング22と、ハウジング22内に配置されカム軸に同期して回転するロータ24を備えている。ハウジング22の内部には油室26、28が形成されている。この油室26、28はロータ24によって進角側油室26と遅角側油室28とに区画されている。
油圧アクチュエータ20は、油室26、28へ加圧油が供給されてハウジング22に対するロータ24の回転角が変化することにより動作する。進角側油室26へ加圧油が供給されるときには、油圧アクチュエータ20はクランク軸に対するカム軸の変位角を進角側に変化させるように動作し、遅角側油室28へ加圧油が供給されるときにはクランク軸に対するカム軸の変位角を遅角側に変化させるように動作する。このとき、加圧油が供給されない側の油室からは、加圧油が供給される側の油室の拡大に伴い内部の加圧油が押し出されて排出されるようになっている。
油圧アクチュエータ20に供給される加圧油は、エンジンにより駆動されるオイルポンプ30から圧送される。オイルポンプ30と油圧アクチュエータ20との間にはオイルコントロールバルブ(以下、OCV)10が設けられている。OCV10は4ポートスプール弁であって、スリーブ18内のスプール12の位置によって、油圧アクチュエータ20の両油室26、28に対する加圧油の給排を制御することができる。OCV10のAポートは油圧アクチュエータ20の進角側油室26に接続され、Bポートは遅角側油室28に接続されている。また、OCV10のPポートはオイルポンプ30に接続され、Rポートはオイルタンク32に接続されている。
スプール12は、移動方向の一方の端部をスプリング16によって支持され、他方の端部をソレノイド14によって支持されている。スリーブ18内でのスプール12の位置は、ソレノイド14に供給する駆動電流のデューティ(以下、OCV駆動デューティという)によって制御することができる。
図2は、OCV10の各流路の開口径とOCV駆動デューティとの関係を示す図である。OCV10の流路には、AポートとPポートとが連通することで形成される進角供給路と、AポートとRポートとが連通することで形成される進角ドレーン路と、BポートとPポートとが連通することで形成される遅角供給路と、BポートとRポートとが連通することで形成される遅角ドレーン路とがある。OCV駆動デューティの大きさに応じてスプール12が移動し、スプール12の位置によって各流路の開口径が変化する。
図1に示すスプール12の位置では、A、BポートとP、Rポートとの連通が遮断されて両油室26、28に対する加圧油の給排は実質的に行わない。以下、A、BポートとP、Rポートとの連通が遮断されるスプール12の動作域を中立域という。この中立域の幅はOCV10の構造によって決まる。図2において、D1からD2までのOCV駆動デューティの範囲がOCV10の中立域である。
スプール12が中立域にある状態においてOCV駆動デューティを増大させると、スプール12はソレノイド14に押されて移動する。これにより、AポートがPポートに連通し、BポートがRポートに連通する。図2に示すように、OCV駆動デューティの増大に応じて進角供給路と遅角ドレーン路の各開口径は次第に拡大していき、やがてOCV駆動デューティがある値D4に達したとき、進角供給路と遅角ドレーン路の各開口径はそれぞれ最大径に達する。このとき、スプール12は進角方向の限界位置まで移動している。以下、進角供給路と遅角ドレーン路とがともに開口するスプール12の動作域を進角域という。図2において、D2よりも大きいOCV駆動デューティの範囲がOCV10の進角域である。
逆に、スプール12が中立域にある状態においてOCV駆動デューティを低下させると、スプール12はスプリング16に押されて移動する。これにより、AポートがRポートに連通し、BポートがPポートに連通する。図2に示すように、OCV駆動デューティの減少に応じて遅角供給路と進角ドレーン路の各開口径は次第に拡大していき、やがてOCV駆動デューティがある値D3まで低下したとき、遅角供給路と進角ドレーン路の各開口径はそれぞれ最大径に達する。このとき、スプール12は遅角方向の限界位置まで移動している。以下、遅角供給路と進角ドレーン路とがともに開口するスプール12の動作域を遅角域という。図2において、D1よりも小さいOCV駆動デューティの範囲がOCV10の遅角域である。
図3は、バルブタイミング可変機構におけるOCV駆動デューティと油圧アクチュエータ20の変位速度(クランク軸に対するカム軸の変位角の変化速度)との関係を示す特性線図である。この図に示すように、バルブタイミング可変機構には、油圧アクチュエータ20の変位速度がゼロに保持されるデューティ(以下、保持デューティ)D0の付近に、デューティ値の変化に対して変位速度の変化が小さい、つまり、デューティ値の変化に対する応答性が低い不感帯が存在する。スプール12が中立域内にあるときのOCV駆動デューティの範囲、つまり、D1からD2までの範囲が不感帯となる。不感帯の中心をOCV中心という。OCV中心デューティは必ずしも保持デューティD0には一致しない。
OCV駆動デューティが不感帯の上端D2を超えて増大すると、油圧アクチュエータ20の変位速度は進角側に増大し始め、OCV駆動デューティの変化に対して線形に変化する。これは、スプール12の動作域が中立域から進角域に入ったことによる。しかし、OCV駆動デューティがD4まで増大した時点で油圧アクチュエータ20の変位速度は最大進角速度に達し、それ以上OCV駆動デューティを増大させても変位速度には変化は生じない。
逆に、OCV駆動デューティが不感帯の下端D1を超えて低下すると、油圧アクチュエータ20の変位速度は遅角側に増大し始め、OCV駆動デューティの変化に対して線形に変化する。これは、スプール12の動作域が中立域から遅角域に入ったことによる。しかし、OCV駆動デューティがD3まで低下した時点で油圧アクチュエータ20の変位速度は最大遅角速度に達し、それ以上OCV駆動デューティを減少させても変位速度には変化は生じない。
OCV10の制御は、制御装置40によって行われる。制御装置40は、クランク軸に対するカム軸の目標変位角を設定し、実際の変位角(制御変位角)と目標変位角との偏差に基づいてOCV駆動デューティを算出する。制御装置40は、算出したOCV駆動デューティを制御信号としてOCV10に出力する。なお、目標変位角はエンジンの運転状態に応じた最適なバルブタイミングを得るための変位角であり、エンジンの運転状態をパラメータとするマップから決定される。制御変位角は、クランク角センサ42の出力信号とカム角センサ44の出力信号とから計算することができる。
制御装置40は、図3中に示す各特徴値D0、D1、D2、D3、D4を求め、これら各特徴値を考慮に入れてOCV10に出力すべきOCV駆動デューティを決定する。以下、各特定値D0、D1、D2、D3、D4の算出方法について説明する。
[保持デューティD0]
保持デューティD0は、OCV10のデューティ制御を通じた学習によって特定することができる。本発明を実施するにあたっては保持デューティの学習方法には限定はなく、従来提案されている方法の何れを用いてもよい。一例としては、目標変位角が一定時間を超えて変化していない状態で、制御変位角にも一定時間を超えて変化がないとき、その時点でのOCV駆動デューティの値を取得し、その値を保持デューティD0として学習することができる。或いは、取得したOCV駆動デューティの値を時間方向に平滑処理した値を保持デューティD0として学習してもよい。制御装置40によって保持デューティD0が学習されることによって、第3の発明の「保持値特定手段」が実現される。
[不感帯下端デューティD1及び上端デューティD2]
OCV10の不感帯下端デューティD1及び上端デューティD2は、OCV10のデューティ制御を通じた学習によって特定することができる。本発明を実施するにあたっては不感帯の学習方法には限定はなく、従来提案されている方法の何れを用いてもよい。本実施の形態では、図4のフローチャートに示すルーチンによって、OCV10の不感帯下端デューティD1及び上端デューティD2が学習される。制御装置40によって図4に示すルーチンが実行されることによって、第1及び第2の発明の「不感帯特定手段」が実現される。なお、このルーチンは、制御装置40によって一定の周期で実行される。
図4に示すルーチンの最初のステップS100では、油圧アクチュエータ20の変位速度が算出され、その絶対値が所定値以下か否か判定される。つまり、油圧アクチュエータ20の制御変位角が一定値或いは略一定値に保持されているか否か判定される。なお、油圧アクチュエータ20の変位速度は、制御変位角の前回値と今回値との差として算出することができる。変位速度の絶対値が所定値よりも大きい場合、本ルーチンは終了する。
ステップS100において変位速度の絶対値が所定値以下と判定された場合には、続いてステップS102の判定が行われる。ステップS102では、現在のOCV駆動デューティが保持デューティD0よりも小さいか否か判定される。OCV駆動デューティが保持デューティD0よりも小さい場合には、ステップS104に進む。一方、OCV駆動デューティが保持デューティD0以上の場合には、ステップS110に進む。
ステップS104では、現在のOCV駆動デューティが現在の不感帯下端デューティD1よりも小さいか否か判定される。OCV駆動デューティが現在の不感帯下端デューティD1よりも小さければ、ステップS106に進んで不感帯下端デューティD1の更新が行われる。一方、OCV駆動デューティが現在の不感帯下端デューティD1以上であれば、ステップS108に進んで不感帯下端デューティD1の更新が行われる。ステップS106及びS108では、フローチャート中に式で示すように、現在のOCV駆動デューティが時間方向に平滑処理され、その平滑値が新たな不感帯下端デューティD1として算出される。ステップS106とステップS108とでは、平滑化係数の大きさに差が有り、ステップS108で使用される平滑化係数BのほうがステップS106で使用される平滑化係数Aよりも格段に大きい値に設定されている。
ステップS110では、現在のOCV駆動デューティが現在の不感帯上端デューティD2よりも大きいか否か判定される。OCV駆動デューティが現在の不感帯上端デューティD2よりも大きければ、ステップS112に進んで不感帯上端デューティD2の更新が行われる。一方、OCV駆動デューティが現在の不感帯上端デューティD1以下であれば、ステップS114に進んで不感帯上端デューティD2の更新が行われる。ステップS112及びS114では、フローチャート中に式で示すように、現在のOCV駆動デューティが時間方向に平滑処理され、その平滑値が新たな不感帯上端デューティD2として算出される。ステップS112とステップS114とでは、平滑化係数の大きさに差が有り、ステップS114で使用される平滑化係数BのほうがステップS112で使用される平滑化係数Aよりも格段に大きい値に設定されている。
[遅角供給路及び進角ドレーン路全開デューティD3]
遅角供給路及び進角ドレーン路が全開となるデューティD3は、次の式(1)によって算出される。式(1)において、OCV中心デューティは、不感帯下端デューティD1と不感帯上端デューティD2との平均値として算出される。また、定数C1は、OCV10の構造から決まる定数である。
全開デューティD3=OCV中心デューティ−定数C1 ・・・(1)
[進角供給路及び遅角ドレーン路全開デューティD4]
進角供給路及び遅角ドレーン路が全開となるデューティD4は、次の式(2)によって算出される。式(2)において、定数C2は、OCV10の構造から決まる定数である。
全開デューティD4=OCV中心デューティ+定数C2 ・・・(2)
OCV駆動デューティの変化に対して油圧アクチュエータ20の応答性に変化が有るのは、遅角供給路及び進角ドレーン路が全開となる全開デューティD3から、進角供給路及び遅角ドレーン路が全開となるデューティD4までの範囲である。この範囲を超えるOCV駆動デューティをOCV10に出力しても、油圧アクチュエータ20の応答性には変化はない。そこで、制御装置40は、D3からD4までの範囲をOCV制御に使用するデューティ域として設定する。これは、制御装置40が有する第1の発明の「使用信号域決定手段」としての機能である。
制御装置40は、上記の使用デューティ域(D3からD4までの範囲)内でOCV10に出力すべきOCV駆動デューティを決定する。これは、制御装置40が有する第1の発明の「制御信号設定手段」としての機能である。このように、OCV制御に使用するデューティ域を油圧アクチュエータ20の変位速度を制御可能な範囲に合わせることで、油圧アクチュエータ20の制御性を向上させることができる。
次に、上記の使用デューティ域内でのOCV駆動デューティの決定方法について説明する。制御装置40は、油圧アクチュエータ20の制御変位角と目標変位角との偏差に基づくフィードバック制御によってOCV10のデューティ制御を行う。フィードバック制御にはPD制御が用いられる。
OCV駆動デューティの決定においては加圧油の油温が考慮される。これは、油温がOCV10の制御特性に影響を与えるためである。図5は、油温が40℃の場合と90℃の場合とでOCV駆動デューティと油圧アクチュエータ20の変位速度との関係を比較した図である。この図に示すように、油温が40℃の場合は90℃の場合に比較してOCV駆動デューティの変化に対する変位速度の変化が大きく、また、デューティ100%の変位速度(最大変位速度)も大きい。
制御装置40には、ある基準油温(例えば90℃)において適合された偏差とP制御量との関係が予めマップデータとして記憶されている。P制御量とは、PD制御におけるP制御とD制御のうちP制御の制御量を意味する。また、制御装置40には、OCV駆動デューティが0%のときの変位速度と油温との関係、及び、OCV駆動デューティが100%のときの変位速度と油温との関係がそれぞれマップデータとして記憶されている。制御装置40は、これらのマップデータを利用し、加圧油の油温に応じてOCV駆動デューティを決定する。
制御装置40は、マップデータを用いて偏差に応じた基本P制御量を算出し、保持デューティD0に加算する。これは、制御装置40が有する第3の発明の「制御量算出手段」としての機能である。保持デューティD0に基本P制御量を加算した値が、油温による温度補正前のOCV駆動デューティ(以下、補正前OCV駆動デューティ)となる。補正前OCV駆動デューティが、不感帯内にある場合、つまり、不感帯下端デューティD1より大きく上端デューティD2より大きい場合には、油温による温度補正は行わない。不感帯内では油温が制御特性に与える影響は小さいからである。
補正前OCV駆動デューティが不感帯下端デューティD1以下の場合には、OCV駆動デューティに対して油温による温度補正が行われる。制御装置40が有する第3の発明の「制御量補正手段」としての機能である。具体的には、次の式(3)に示すように、基本P制御量に温度補正係数Eを乗算した値がP制御量として算出される。そして、保持デューティD0にP制御量を加算した値が、OCV駆動デューティとしてOCV10に出力される。ただし、保持デューティD0にP制御量を加算した値が全開デューティD3以下になるときには、OCV駆動デューティは全開デューティD3に設定される。
P制御量=基本P制御量×温度補正係数E ・・・(3)
温度補正係数Eは、補正前OCV駆動デューティの大きさに応じて設定される。補正前OCV駆動デューティが不感帯下端デューティD1に等しいとき、温度補正係数Eは1に設定される。補正前OCV駆動デューティが全開デューティD3以下のとき、温度補正係数Eは定数E0に設定される。定数E0は、次の式(4)に示すように、前述のマップデータを用いて油温Xに応じた値に設定される。なお、加圧油の油温Xは、オイルポンプ30とOCV10とを結ぶ油圧ライン上に配置された油温センサ46によって測定することができる。
定数E0=(90℃のときのデューティ0%の変位速度)/(X℃のときのデューティ0%の変位速度) ・・・(4)
補正前OCV駆動デューティが不感帯下端デューティD1から全開デューティD3までの範囲内にある場合、温度補正係数Eは、補正前OCV駆動デューティの不感帯下端デューティD1に対する偏差に応じて決定される。具体的には、補正前OCV駆動デューティが不感帯下端デューティD1から全開デューティD3に近付くに従い、温度補正係数Eは1から定数E0に向けて連続的に或いは段階的に変更される。
補正前OCV駆動デューティが不感帯下端デューティD2以上の場合には、OCV駆動デューティに対して油温による温度補正が行われる。制御装置40が有する第3の発明の「制御量補正手段」としての機能である。具体的には、次の式(5)に示すように、基本P制御量に温度補正係数Fを乗算した値がP制御量として算出される。そして、保持デューティD0にP制御量を加算した値が、OCV駆動デューティとしてOCV10に出力される。ただし、保持デューティD0にP制御量を加算した値が全開デューティD4以上になるときには、OCV駆動デューティは全開デューティD4に設定される。
P制御量=基本P制御量×温度補正係数F ・・・(5)
温度補正係数Fは、補正前OCV駆動デューティの大きさに応じて設定される。補正前OCV駆動デューティが不感帯上端デューティD2に等しいとき、温度補正係数Eは1に設定される。補正前OCV駆動デューティが全開デューティD4以上のとき、温度補正係数Fは定数F0に設定される。定数F0は、次の式(6)に示すように、前述のマップデータを用いて油温Xに応じた値に設定される。
定数F0=(90℃のときのデューティ100%の変位速度)/(X℃のときのデューティ100%の変位速度) ・・・(6)
補正前OCV駆動デューティが不感帯上端デューティD2から全開デューティD4までの範囲内にある場合、温度補正係数Fは、補正前OCV駆動デューティの不感帯上端デューティD2に対する偏差に応じて決定される。具体的には、補正前OCV駆動デューティが不感帯上端デューティD2から全開デューティD4に近付くに従い、温度補正係数Fは1から定数F0に向けて連続的に或いは段階的に変更される。
このようにしてOCV駆動デューティを決定することで、油温が油圧アクチュエータ20の制御特性に与える影響を排除することができる。また、保持デューティD0と基本P制御量との合算値が不感帯を超える場合、その合算値が不感帯に近いときには温度補正係数E、Fによる基本P制御量の補正度を小さくすることで、不感帯の推測誤差が油圧アクチュエータ20の制御性に与える影響を抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
遅角供給路及び進角ドレーン路が全開となるデューティD3は、次の式(7)によって算出してもよい。また、進角供給路及び遅角ドレーン路が全開となるデューティD4は、次の式(8)によって算出してもよい。式(7)、式(8)において、定数C3、C4は、OCV10の構造から決まる定数である。
全開デューティD3=不感帯下端デューティD1−定数C3 ・・・(7)
全開デューティD4=不感帯上端デューティD2+定数C4 ・・・(8)
本発明はバルブタイミング可変機構に限らず、2つの油室を備えて各油室に対する加圧油の給排によって動作を制御される油圧アクチュエータを用いる油圧システムであれば、広く適用することができる。また、油圧アクチュエータに対する加圧油の給排を制御する制御弁は、図1に示すOCV10のような電磁式の制御弁には限らない。パイロット圧によって駆動されるパイロット式の制御弁でもよい。
本発明の実施の形態としての油圧アクチュエータ制御装置が適用されたバルブタイミング可変機構の油圧システムの概略構成を示す図である。 OCVの各流路の開口径とOCV駆動デューティとの関係を示す特性線図である。 バルブタイミング可変機構におけるOCV駆動デューティと油圧アクチュエータの変位速度との関係を示す特性線図である。 本発明の実施の形態において実施される不感帯下端デューティ及び上端デューティの学習のためのルーチンを示すフローチャートである。 油温がOCVの制御特性に与える影響について説明するための図である。
符号の説明
10 OCV
12 スプール
14 ソレノイド
16 スプリング
18 スリーブ
20 油圧アクチュエータ
22 ハウジング
24 ロータ
26 進角側油室
28 遅角側油室
30 オイルポンプ
32 オイルタンク
40 制御装置
42 クランク角センサ
44 カム角センサ
46 油温センサ

Claims (3)

  1. 加圧油の給排によって動作する油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータに対する加圧油の給排を制御する制御弁とを有し、前記制御弁に出力する制御信号によって前記油圧アクチュエータの動作を制御する油圧アクチュエータ制御装置において、
    制御信号が出力される信号域のうち制御信号の変化に対する前記油圧アクチュエータの応答が無い或いは応答性が低い不感帯を特定する不感帯特定手段と、
    前記不感帯の中心値を基準にして使用信号域を決定する使用信号域決定手段と、
    前記制御弁に出力すべき制御信号を前記使用信号域内において設定する制御信号設定手段と、
    を備えることを特徴とする油圧アクチュエータ制御装置。
  2. 加圧油の給排によって動作する油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータに対する加圧油の給排を制御する制御弁とを有し、前記制御弁に出力する制御信号によって前記油圧アクチュエータの動作を制御する油圧アクチュエータ制御装置において、
    制御信号が出力される信号域のうち制御信号の変化に対する前記油圧アクチュエータの応答が無い或いは応答性が低い不感帯を特定する不感帯特定手段と、
    前記不感帯の上端値及び下端値を基準にして使用信号域を決定する使用信号域決定手段と、
    前記制御弁に出力すべき制御信号を前記使用信号域内において設定する制御信号設定手段と、
    を備えることを特徴とする油圧アクチュエータ制御装置。
  3. 前記制御信号設定手段は、
    油圧アクチュエータの動作速度がゼロとなるときの制御信号の値(以下、保持値)を特定する保持値特定手段と、
    前記油圧アクチュエータの動作量とその目標動作量との偏差に基づき、前記制御弁の前記保持値を基準とする制御量を算出する制御量算出手段と、
    前記制御量が前記不感帯を超える場合、前記制御量を加圧油の温度に応じて補正する制御量補正手段と、
    を含み、前記保持値と補正後の前記制御量とに基づいて前記制御弁に出力すべき制御信号を設定するように構成され、
    前記制御量補正手段は、前記制御量が前記不感帯に近いときにはその補正度を小さくし、前記制御量が前記不感帯を大きく超えるときにはその補正度を大きくするように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の油圧アクチュエータ制御装置。
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