JP5147786B2 - カム位相可変型内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、カム位相が連続的に可変制御されるカム位相可変型内燃機関に係り、詳しくは、制御応答性の向上等を実現する技術に関する。
4サイクルエンジン(以下、単にエンジンと記す)では、出力および燃費の向上や有害排出ガス成分の低減等を図るべく、種々の可変動弁機構を搭載したものが多くなっている。可変動弁機構としては、従来より存在する複数のカム(例えば、低速型カムおよび高速型カム)を切り換えるものに代わり、過渡特性の更なる向上やスロットルレス化等を実現すべく、カム位相とバルブリフトとを個別に連続可変制御するものが近年では主流となってきている。カム位相の可変制御に供されるバルブタイミングコントロール装置(Variable Timing Control Device:以下、VTCと記す)は、シリンダヘッドにおけるカムシャフトの端部付近に設置されたベーン式の油圧アクチュエータ(以下、VTCアクチュエータと記す)や、VTCアクチュエータへの供給油圧(エンジン油圧)を制御するためのリニアソレノイド等から構成されている(特許文献1,2参照)。
一般に、VTCアクチュエータでは目標カム位相と実カム位相との差に応じてカム位相がフィードバック制御(位相制御)されるが、この際のフィードバックゲインは、制御のオーバシュートやハンチングを避ける都合上、いたずらに大きくすることができない。そのため、運転者の急加速操作や急減速操作によって目標カム位相と実カム位相とが大きく乖離した場合、目標カム位相が確立されるまでに比較的長時間を要することになり、エンジンレスポンスや燃費の悪化がもたらされる問題があった。そこで、特許文献1の制御装置では、目標相対回転角(目標カム位相)の急変時において、所定期間にわたりVTCアクチュエータを最大速度で駆動した後、位相制御に切り換えて目標カム位相を確立する方法を採っている。また、特許文献2の制御装置では、目標カム位相と実カム位相との差が所定値以上であった場合、差が小さくなるまでVTCアクチュエータを最大速度で駆動した後、位相制御に切り換えて目標カム位相を確立する方法を採っている。
特許4061674号公報 特開2007−332956号公報
しかしながら、特許文献1,2の方法はどちらも、最終的にはVTCアクチュエータを位相制御するものであるため、カム位相変化の要求応答速度を満足させられないことがあった。例えば、近年の低燃費型エンジンにはアトキンソンサイクル(例えば、吸気バルブの早閉じ、あるいは遅閉じ:ミラーサイクル)や内部EGRによって低回転・部分負荷時のポンピングロスを減少させるものがあるが、この種のエンジンではスロットルバルブによる調整代が少ないことから、負荷の急変時に吸気バルブのカム位相を瞬時に変化させる必要がある。ところが、上述した方法では、VTCアクチュエータの実カム位相は、最大速度での駆動によって目標カム位相には近づくももの、位相制御によって目標カム位相が確立されるまでにある程度の時間を要してしまうことが避けられない。この場合、吸入空気量の変化速度が低い値に制限されてしまい、エンジンレスポンスの低下によってドライバビリティが悪化する、あるいは、エンジンレスポンスを優先させた場合には十分な燃費低減効果を得られなくなる問題があった。
本発明者等は、VTCアクチュエータに高速作動が要求される状況の殆どはエンジンの急加減速運転に伴う特定カム位相(最遅角位相および最進角位相)の確立時であり、特定カム位相でVTCアクチュエータが突き当て状態となるため(それ以上、遅角側あるいは進角側に作動しないため)、目標カム位相に基づく上述した位相制御を行う必要がなく、所定の目標角速度をもって速度制御すればよいことを見いだした。ところが、特定カム位相の確立を速度制御によって行った場合、VTCアクチュエータに大きな作動油圧が印加され続けることから、その後に位相制御に移行する際には一旦作動油圧を低減させる必要が生じ、制御遅れによるエンジンレスポンスの低下等がもたらされることが避けられなかった。
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、制御応答性の向上等を実現したカム位相可変型内燃機関を提供することを目的とする。
第1の発明は、所定の角度範囲をもってカム位相が可変制御されるカム位相可変型内燃機関であって、クランクシャフトに同期して回転する第1回転部材と、カムシャフトと一体に回転するとともに前記第1回転部材に相対回転可能に連結される第2回転部材と、前記第1回転部材および前記第2回転部材の間に形成された進角側油室と遅角側油室とに連絡する作動油回路を切り換えることにより、カム位相を進角と遅角と保持との間でシフトさせるカム位相切換手段と、運転者による運転操作状態を検出する運転操作状態検出手段と、機関運転状態を検出する機関運転状態検出手段と、前記運転操作状態検出結果と機関運転状態検出結果の少なくとも一方から目標角速度を設定し、当該目標角速度に基づいて前記カム位相変化速度を制御する速度制御手段と、前期運転操作状態検出結果と機関運転状態検出結果の少なくとも一方から目標カム位相を設定し、当該目標カム位相に基づいて、前記カム位相を制御する位相制御手段と、前記運転操作状態検出手段の検出結果と前記機関運転状態検出手段の検出結果との少なくとも一方に基づき、前記速度制御と前記位相制御とのどちらか一方を選択する制御選択手段と、前記速度制御の終了を判定する速度制御終了判定手段と、前記速度制御終了判定手段によって速度制御が終了したと判定された場合、速度制御終了時点でのカム位相を当該速度制御の方向に所定の付勢力をもって保持制御する保持制御手段とを備えたことを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明に係るカム位相可変型内燃機関において、前記位相制御において、カム位相を保持するための保持制御量を逐次学習する保持制御量学習手段を備え、前記保持制御手段は、前記保持制御量に対して前記速度制御の方向への付加制御量を加えることで前記付勢力を設定することを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明に係るカム位相可変型内燃機関において、前記保持制御手段は、前記速度制御終了判定手段によって速度制御が終了したと判定された場合、速度制御終了時点での制御量から前記付勢力を与える制御量に向けて、所定の漸減量をもって制御量を漸減させることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1〜第3の発明に係るカム位相可変型内燃機関において、前記制御選択手段は、急加速時あるいは急減速時に前記速度制御手段を選択することを特徴とする。
また、第5の発明は、第1〜第4の発明に係るカム位相可変型内燃機関において、前記制御選択手段は、機関回転速度、機関負荷および実カム位相の少なくとも1つと、要求トルク変化速度とに基づいて前記選択を行うことを特徴とする。
また、第6の発明は、第1〜第5の発明に係るカム位相可変型内燃機関において、前記制御選択手段は、機関負荷の増加速度が高い場合に前記速度制御手段を選択することを特徴とする。
また、第7の発明は、第1〜第6の発明に係るカム位相可変型内燃機関において、前記制御選択手段は、目標カム位相と実カム位相との差が大きい場合に前記速度制御手段を選択することを特徴とする。
また、第8の発明は、第1〜第7の発明に係るカム位相可変型内燃機関において、前記制御選択手段は、実カム位相が突き当て付近であり、かつ実カム位相の変化速度が所定値を下回った場合に前記位相制御手段を選択することを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載されたカム位相可変型内燃機関。
また、第9の発明は、第1〜第8の発明に係るカム位相可変型内燃機関において、前記速度制御手段が積分項を含むフィードバック制御を実行し、当該速度制御手段は、前記制御選択手段によって位相制御手段が選択された場合、前記積分項を停止させることを特徴とする。
また、第10の発明は、第1〜第9の発明に係るカム位相可変型内燃機関において、前記速度制御手段は、機関回転速度、機関負荷および実カム位相の少なくとも1つと、要求トルク変化速度とに基づいて速度目標値を設定することを特徴とする。
また、第11の発明は、第10の発明に係るカム位相可変型内燃機関において、前記速度制御手段は、機関回転速度、機関負荷および実カム位相の少なくとも1つと、要求トルク変化速度とに基づいて要求空気量変化速度を算出し、当該要求空気量変化速度に基づいて前記速度目標値を設定することを特徴とする。
また、第12の発明は、第1〜第11の発明に係るカム位相可変型内燃機関において、前記位相制御手段が積分項を含むフィードバック制御を実行し、前記位相制御手段は、前記制御選択手段によって速度制御手段が選択された場合、前記積分項を停止させることを特徴とする。
また、第13の発明は、第1〜第12の発明に係るカム位相可変型内燃機関において、前記位相制御手段は、機関回転速度と要求トルクとに基づいて位相目標値を設定することを特徴とする。
また、第14の発明は、第1〜第13の発明に係るカム位相可変型内燃機関において、燃費優先モードを含む運転モードのうちの1つが運転者によって選択される運転モード切換手段を備え、前記燃費優先モードが運転者によって選択された場合、前記位相制御から前記速度制御に切り換える閾値を高くすることを特徴とする。
また、第15の発明は、第1〜第14の発明に係るカム位相可変型内燃機関において、前記カム位相切換手段がリニアソレノイドによって駆動され、当該リニアソレノイドの抵抗率の変化を補償する抵抗率補償手段を更に備えたことを特徴とする。
本発明によれば、急加減速時において速度制御によって最遅角状態あるいは最進角状態に迅速に作動させることができる。また、速度制御の終了時点で保持モードに移行するため、位相制御が開始される際に制御遅れが生じ難くなり、エンジンレスポンスの低下等が抑制される。また、カム位相を保持するための保持制御量を逐次学習するものでは、エンジン油温等による位相制御手段の作動特性の変化に対し、保持制御量を追従させることができる。また、速度制御や位相制御の停止時に、フィードバック制御の制御偏差を0にするとともに積分機構も停止するものでは、速度制御と位相制御との間の切換時に過大な制御量が出力されなくなって制御の円滑化が実現される。また、リニアソレノイドの抵抗率に応じて目標制御入力を補償するものでは、より高い精度をもってカム位相切換手段を駆動制御できる。
実施形態に係るエンジンの要部透視斜視図である。 実施形態に係るVTCアクチュエータの分解斜視図である。 実施形態に係るVTCアクチュエータの概略構成図である。 実施形態に係るエンジンECUの概略構成図である。 実施形態に係るVTCアクチュエータの進角作動を示す模式図である。 実施形態に係るVTCアクチュエータの遅角作動を示す模式図である。 実施形態に係るVTCアクチュエータの保持作動を示す模式図である。 実施形態に係るVTCアクチュエータのフェール時作動を示す模式図である。 実施形態に係る目標制御入力設定制御の手順を示すフローチャートである。 実施形態に係るドライバ要求判定処理の手順を示すフローチャートである。 実施形態に係るペダル開度−要求トルクマップである。 実施形態に係る制御選択処理の手順を示すフローチャートである。 実施形態に係る加速側の動作点条件判定マップである。 実施形態に係る減速側の動作点条件判定マップである。 実施形態に係る制御判定マップである。 実施形態に係る位相制御停止処理の手順を示すフローチャートである。 実施形態に係る速度制御終了判定処理の手順を示すフローチャートである。 実施形態に係る速度目標値設定処理の手順を示すフローチャートである。 実施形態に係る要求空気量変化速度マップである。 実施形態に係る速度目標値マップである。 実施形態に係る速度入力値算出処理の手順を示すフローチャートである。 実施形態に係るFF目標電流マップである。 実施形態に係るメイン制御入力値設定処理の手順を示すフローチャートである。 実施形態に係る保持入力値学習処理の手順を示すフローチャートである。 実施形態に係る速度制御停止処理の手順を示すフローチャートである。 実施形態に係る位相制御移行判定処理の手順を示すフローチャートである。 実施形態に係る位相目標値設定処理の手順を示すフローチャートである。 実施形態に係る定常燃費最適点マップである。 実施形態に係る加速側の動作点条件判定マップである。 実施形態に係る減速側の動作点条件判定マップである。 実施形態に係る位相入力値算出処理の手順を示すフローチャートである。 実施形態に係る速度制御の作用を示すグラフである。 実施形態に係る保持モードの作用を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明に係るカム位相可変型内燃機関の一実施形態を詳細に説明する。
≪実施形態の構成≫
<全体構成>
図1に示すエンジン(カム位相可変型内燃機関)Eは、自動車に搭載されるDOHC4バルブ型の4サイクル直列4気筒ガソリンエンジンであり、そのシリンダヘッド1に、各気筒2本ずつの吸気バルブ2および排気バルブ3、これら吸排気バルブ2,3を駆動する吸気カムシャフト4および排気カムシャフト5を備えている。両カムシャフト4,5は、クランクスプロケット6、カムチェーン7、吸気カムスプロケット8、排気カムスプロケット9を介して、クランクシャフト10によって1/2の回転速度をもって回転駆動される。また、クランクシャフト10は、コネクティングロッド11を介してピストン12に連結されるとともに、チェーン13を介して斜め下方に設置されたオイルポンプ14を駆動する。
吸気カムシャフト4の前端には、VTCアクチュエータ21が取り付けられている。シリンダヘッド1およびシリンダブロック15には、VTCアクチュエータ21にオイルポンプ14からの作動油(エンジンオイル)を供給するための作動油供給油路16が形成されている。また、シリンダヘッド1にはノーマルオープン型の電磁シャットバルブ17が装着されており、この電磁シャットバルブ17が作動することによってVTCアクチュエータ21に対する作動油の供給形態が切り換えられる。なお、吸気カムシャフト4の後端には吸気側カム角センサ18が設置されている。本実施形態の場合、VTCアクチュエータ21の作動範囲は、進角側と遅角側との間で0°〜70°となっている。
車室内には、吸気側カム角センサ18やアクセルペダルセンサ19を始め、燃費優先モードを含む複数の運転モードの1つを運転者が選択するためのECONスイッチ20と、各種センサ(吸気量センサ、吸気圧センサ、クランク角センサ、水温センサ等)の出力情報に基づき、エンジンEに付設された各種被制御装置(電磁シャットバルブ17、VTCアクチュエータ21、図示しない燃料噴射弁や点火コイル等)の制御量を決定して駆動電流を出力するエンジンECU70が設置されている。
<VTCアクチュエータ>
図2に示すように、VTCアクチュエータ21は、外周に吸気カムスプロケット8が形成されたハウジング(第1回転部材)22、ハウジング22内に回転自在に保持されるとともに吸気カムシャフト4の前端にその後面が締結されるロータ(第2回転部材)23、ハウジング22の前面を覆うフロントプレート24、ハウジング22の後面を覆うバックプレート25、フロントプレート24の内周側に配置されたリードバルブ26、リードバルブ26をロータ23に固定するリードバルブカバー27、ハウジング22とロータ23とを進角方向に相対回動させるバイアススプリング28、軸心に設置されたスプールバルブ29、エンジンECUによって制御されることによってスプールバルブ29を駆動するリニアソレノイド31、ロータ23に保持されたロックピン33、ロックピン33をバックプレート25側に付勢するロックピンスプリング34、ロータ23に保持されたバイパスバルブ36、バイパスバルブ36をバックプレート25側に付勢するバイパスバルブスプリング37等を構成要素としている。なお、スプールバルブ29は、吸気カムシャフト4やロータ23の軸心に保持されたバルブスリーブ38と、バルブスリーブ38に摺動自在に内嵌したスプール39と、スプール39をリニアソレノイド31側に付勢するリターンスプリング40とから構成されている。
図3に示すように、ロータ23の外周には第1〜第3ベーン41〜43が立設される一方、ハウジング22の内周にはこれらベーン41〜43を0°〜70°の相対角度変位を許容して回動自在に収容する第1〜第3ベーン室45〜47が形成されている。本実施形態の場合、第1ベーン41および第1ベーン室45は第1油圧駆動型位相可変機構(Oil Pressure Actuated phaser:以下、OPAと記す)の構成要素であり、第2ベーン42および第2ベーン室46は第2OPA62の構成要素であり、第3ベーン43および第3ベーン室47はカムトルク駆動型位相可変機構(Cam Torque Actuated phaser:以下、CTAと記す)63の構成要素である。
第3ベーン43にはバイパスバルブ36とバイパスバルブスプリング37(図2参照)とが収容されている。また、第1ベーン41にはロックピン33とロックピンスプリング34(図2参照)とが収容される一方、バックプレート25にはロックピン33が嵌入するロック孔25aが穿設されている。実施形態の場合、ロックピン33およびバイパスバルブ36は、エンジンEの運転時に吸気カムシャフト4の回転に伴う遠心力が殆ど作用しないように、VTCアクチュエータ21の軸心(すなわち、吸気カムシャフト4の軸心)と平行に設置されている。図3中、符号49で示す部材はロータ23の外周に設けられたロータ側シールであり、符号50で示す部材はハウジング22の内周に設けられたハウジング側シールである。
第1,第2ベーン室45,46は、第1,第2ベーン41,42により、スプールバルブ29からの作動油がOPA側進角油路51,52を介して供給されるOPA側進角室45a,46aと、スプールバルブ29からの作動油がOPA側遅角油路53,54を介して供給されるOPA側遅角室45b,46bとに、第1,第2ベーン41,42によってそれぞれ区画されている。また、第3ベーン室47は、第1CTA油路56を介してスプールバルブ29に連通するCTA側進角室47aと、第2CTA油路55を介してスプールバルブ29に連通するCTA側遅角室47bとに、第3ベーン43によって区画されている。また、OPA側進角油路51,52は、図5〜図8に示すように、作動油排出路81〜83を介して電磁シャットバルブ17に接続している。
第1ベーン41にはロックピン33とロックピンスプリング34(図2参照)とが収容されており、ロックピン解除油路への作動油の供給が行われない場合にのみ、ロックピンスプリング34のばね力によってロックピン33の先端がバックプレート25に形成されたロック孔25aに嵌入する。なお、ロック孔25aは、ロータ23がハウジング22に対して始動時カム位相(本実施形態では、最遅角位相)となった際に、ロックピン33が嵌入する位置に穿設されている。
<エンジンECU>
図4に示すように、エンジンECU70には、入力インタフェース71と、上位司令部72と、カム位相変化速度推定部73と、位相制御部74と、速度制御部75と、保持モード制御部76と、保持入力値学習部77と、制御選択部78と、抵抗率補償部79と、出力インタフェース80とが内装されている。
入力インタフェース71には、アクセルペダルセンサ19から入力したアクセル開度(運転操作状態量)やECONスイッチ20から入力した運転モード選択信号の他、吸気量や冷却水温、エンジン回転速度Ne等の機関運転状態量、吸気側カム角センサ18の検出信号が入力される。上位司令部72は、上述した運転操作状態量および機関運転状態量に基づき、VTCアクチュエータ21の位相制御目標値と速度制御目標値とを設定するとともに、速度制御と位相制御と保持モード制御とのいずれかを選択して制御選択部78に選択指令を出力する。カム位相変化速度推定部73は、吸気側カム角センサ18によって検出された実カム位相の変化(時間微分値)に基づき、VTCアクチュエータ21のカム位相変化速度を推定する。位相制御部74は、位相制御目標値と実カム位相とに基づき、VTCアクチュエータ21に出力する第1駆動電圧を設定する。速度制御部75は、速度制御目標値とカム位相変化速度とに基づき、VTCアクチュエータ21に出力する第2駆動電圧を設定する。保持モード制御部76は、速度制御の終了タイミングと実カム位相と保持入力値とに基づき、VTCアクチュエータ21に出力する第3駆動電圧を設定する。制御選択部78は、選択指令に基づき、第1駆動電圧と第2駆動電圧と第3駆動電圧とのいずれかを目標駆動電圧として選択する。抵抗率補償部79は、供給された電流や電圧に基づいてリニアソレノイド31の抵抗率を推定し、目標駆動電圧の抵抗率補償を行う。出力インタフェース80からは、VTCアクチュエータ21に目標駆動電圧が出力される。
≪実施形態の作用≫
エンジンEの運転時において、エンジンECU70は、VTCアクチュエータ21の駆動制御を所定の制御インターバル(例えば、5ms)をもって繰り返し実行する。駆動制御を開始すると、エンジンECU70は、運転操作状態量および機関運転状態量に基づき吸気カムシャフト4の速度制御目標値や位相制御目標値を決定した後、これらを実現するための駆動電圧をVTCアクチュエータ21のリニアソレノイド31に対して適宜出力する。
<VTCアクチュエータの作動態様>
(進角作動)
エンジンEの運転中に吸気カムシャフト4を進角させる場合、エンジンECU70は、図5に示すように、電磁シャットバルブ17によって作動油供給油路16を連通させた状態で、リニアソレノイド31によってスプール39を進角方向(図中、右方)に移動させる。すると、オイルポンプ14から作動油供給油路16を経由して供給された作動油は、ロックピン33を解除状態で保持するとともに、スプールバルブ29を介して第1,第2OPA61,62側の進角側油圧室45a,46aに流入して第1,第2ベーン41,42を進角側に付勢する。なお、エンジンEの通常運転時には電磁シャットバルブ17に駆動電流が供給されず(作動油供給油路16が連通され)、オイルポンプ14からの作動油によってロックピン33が解除状態で保持される。一方、CTA63では、吸気カムシャフト4に進角側のカムトルクが作用し、ハウジング22に対してロータ23が進角側に相対回転するごとにリードバルブ26の第2弁体26bが開き、遅角側油圧室47b内の作動油がスプールバルブ29を介して進角側油圧室47aに流入する。また、遅角側のカムトルクが作用した場合には、リードバルブ26の第1,第2弁体26a,26bは閉じ、作動油の移動は起こらずにカム位相が保持される。これら第1,第2OPA61,62およびCTA63の作動により、ロータ23がハウジング22に対して図中時計回りに相対回転し、吸気カムシャフト4が進角する。なお、CTA63への作動油の供給は、エンジンEの運転開始時にCTA63が満たされるまで行われる。
(遅角作動)
エンジンEの運転中に吸気カムシャフト4を遅角させる場合、エンジンECU70は、図6に示すように、リニアソレノイド31によってスプール39を遅角方向(図中、左方)に移動させる。すると、オイルポンプ14から作動油供給油路16を経由して供給された作動油は、スプールバルブ29およびOPA側遅角油路53,54を介してOPA側遅角室45b,46bに流入し、第1,第2ベーン41,42を遅角側に相対回転させる。なお、OPA側進角室45a,46a内の作動油は、OPA側進角油路51,52を介してスプール39の右方から外部に排出される。一方、CTA63では、スプール39が遅角ポジションに移動したスプールバルブ29を介して、第1CTA油路56と中央油路57とが連通する。そして、排気カムシャフト5に遅角側のカムトルクが作用し、ハウジング22に対してロータ23が遅角側に相対回転するごとにリードバルブ26の第1弁体26aが開き、CTA側進角室47a内の作動油がCTA側遅角室47bに流入して第3ベーン43を遅角側に相対回転させる。また、進角側のカムトルクが作用した場合には、リードバルブ26の第1,第2弁体26a,26bは閉じ、作動油の移動は起こらずにカム位相が保持される。
(保持作動)
上述した進角作動や遅角作動によって目標カム位相が得られると、エンジンECU70は、図7に示すように、リニアソレノイド31によってスプール39を保持位置(図中、中央)に移動させる。すると、第1,第2OPA61,62では、進角側油圧室45a,46a内の作動油がスプールバルブ29によって封じ込められ、第1,第2ベーン41,42が移動できなくなる。一方、CTA63では、進角側油圧室47aと遅角側油圧室47bとの間で作動油が移動できなくなり、第3ベーン43も移動できなくなる。これら第1,第2OPA61,62およびCTA63の作動により、ロータ23がハウジング22に対して相対回転しなくなり、吸気カムシャフト4のカム位相が保持される。
(フェール時作動)
リニアソレノイド31の断線やスプールバルブ29の固着等が生じ、カム位相の制御が行えなくなった場合、エンジンECUは、インストルメントパネル等に設置された異常警告灯を点灯させるとともに、エンジンEの再始動時に電磁シャットバルブ17への電流供給を行う。
図8に示すように、スプールバルブ29が例えば遅角位置で固着していた場合、第1,第2OPA61,62では、ハウジング22とロータ23との間からのリークの他、作動油供給油路16および電磁シャットバルブ17を介して、OPA側進角室45a,46aの作動油がVTCアクチュエータ21の外部に排出される。また、CTA63内では、バイパスバルブ36に供給されていた作動油が電磁シャットバルブ17から排出される。その結果、バイパスバルブスプリング37のばね力によってバイパスバルブ36がバックプレート25側(図8中の上方)に移動してフェールポジションとなり、連通油路43c,43dとバイパスバルブ36の連通溝36aとを介して、CTA側進角室47a内の作動油がCTA側遅角室47bに流入するようになる。更に、第1ベーン41では、ロックピン33に供給されていた作動油が、電磁シャットバルブ17から排出される。その結果、ロックピンスプリング34のばね力によってロックピン33がバックプレート25側(図8中の上方)に付勢され、ロックピン33がロック孔25aに嵌入できるようになる。これにより、吸気カムシャフト4が受けるカムトルクによってロータ23とハウジング22とが断続的に相対回転し、フェールカム位相(本実施形態では、最遅角位相)となった瞬間にロックピン33がロック孔25aに嵌入する。
<目標制御入力設定制御>
エンジンECU70は、運転操作状態量や機関運転状態量に基づいて目標カム位相CAtgtや要求カム位相変化速度CAcmd’を設定した後、図9のフローチャートに示す手順をもって、VTCアクチュエータ21に対する目標制御入力設定制御を所定の制御周期(本実施形態では、5ms)で繰り返し実行する。
(抵抗率推定処理)
目標制御入力設定制御を開始すると、エンジンECU70は、図9のステップS1で下式によりリニアソレノイド31の抵抗率Rhatを推定する。
Rhat(Ak)
=Rhat(A(k−1))+KP(A(k−1))・eid(A(k−1))
ここで、kは制御周期(5ms)、Aはインダクタンス等による遅れを無視できるようにするための係数(本実施形態では、200)であり、Akは1,000ms(1sec)となる。
また、KPは学習ゲインであり、リニアソレノイド31の駆動電流Iと同定ゲインPとから、逐次最小二乗法を用いて下式によって求められる。
KP(A(k−1))
=P・ζ/(1+ζ(A(k−1))・P・ζ(A(k−1)))
=P・I(A(k−1))/(1+I(A(k−1))・P)
一方、eidは推定誤差であり、リニアソレノイド31への最終入力電圧Ufinalと駆動電流Iと抵抗率Rhatとから、下式によって求められる。
eid(A(k−1))
=Ufinal(A(k−1))−I(A(k−1))・Rhat(A(k−1))
(ドライバ要求判定処理)
次に、エンジンECU70は、ステップS2で、図10のフローチャートにその手順を示すドライバ要求判定処理を実行する。ドライバ要求判定処理を開始すると、エンジンECU70は、図10のステップS41で、アクセルペダルセンサ19から入力したアクセルペダル開度APに基づき、図11のペダル開度−要求トルクマップから目標要求トルクTRQcmdを検索/設定した後、ステップS42で目標要求トルクTRQcmdの今回値TRQcmd(k)と前回値TRQcmd(k−1)とに基づきエンジンEが急加減速状態にあるか否かを判定する。そして、エンジンECU70は、この判定がYesであればステップS43で急加減速フラグFgunを1とする一方、NoであればステップS44で急加減速フラグFgunを0としてドライバ要求判定処理を終了する。なお、本実施形態の場合、エンジンECU70は、下式(1),(2)のどちから一方と、下式(3)とが同時に満たされたとき、急加減速状態であると判定する。
TRQcmd(k)<Tlow ・・・(1)
TRQcmd(k)>Thigh ・・・(2)
|TRQcmd’|>Dtlim ・・・(3)
ここで、Tlowは低トルク判定閾値、Thighは高トルク判定閾値、TRQcmd’は要求トルク変化率(TRQcmd(k)−TRQcmd(k−1))、Dtlimはトルク変化判定閾値である。
(制御選択処理)
次に、エンジンECU70は、図9のステップS3で、図12のフローチャートにその手順を示す制御選択処理を実行する。制御選択処理を開始すると、エンジンECU70は、図12のステップS51で、急加減速フラグFgunが1であるか否かを判定し、この判定がNoであればステップS52で位相制御フラグFpcを1として制御選択処理を終了する。
一方、ステップS51の判定がYesであった場合、エンジンECU70は、ステップS53でエンジン運転状態(要求トルク変化率TRQcmd’および負荷の増減(例えば、正味平均有効圧(Brake Mean Effective Pressure:以下、BMEPと記す)の増減)に基づき、図13,図14に示す動作点条件判定マップを用いてエンジン動作点を判定する。図13は加速側の動作点条件判定マップ、図14は減速側の動作点条件判定マップであり、どちらも、要求トルク変化率TRQcmd’が大きい側が速度制御領域に設定され、要求トルク変化率TRQcmd’が小さい側が位相制御領域に設定されている。なお、加速側の動作点条件判定マップと減速側の動作点条件判定マップとの間には、制御ハンチング等を防止すべく、所定のヒステリシスが設けられている。
次に、エンジンECU70は、ステップS54で、エンジン動作点が速度制御領域にあるか否かを判定し、この判定がNoであれば(すなわち、エンジン動作点が位相制御領域にあれば)ステップS52で位相制御フラグFpcを1として制御選択処理を終了する。
一方、ステップS54の判定がYesであった場合、エンジンECU70は、ステップS55で、カム位相状態(要求カム位相変化速度CAcmd’およびカム位相差ΔCA)に基づき、図15の制御判定マップを用いて制御判定を行う。ここで、カム位相差ΔCAは、吸気側カム角センサ18から入力した実カム位相CAと目標カム位相CAtgtとの差の絶対値である(ΔCA=|CA−CAtgt|)。制御判定マップにおいては、カム位相状態が大きい側が速度制御領域に設定され、カム位相状態が小さい側が位相制御領域に設定されている。
次に、エンジンECU70は、ステップS56で、カム位相状態が速度制御領域にあるか否かを判定し、この判定がNoであれば(すなわち、カム位相状態が位相制御領域にあれば)ステップS52で位相制御フラグFpcを1として制御選択処理を終了する。
ステップS56の判定もYesであった場合(すなわち、カム位相状態も速度制御領域にあった場合)、エンジンECU70は、ステップS57で速度制御フラグFvcを1として制御選択処理を終了する。
次に、エンジンECU70は、図9のステップS4で、VTCアクチュエータ21を速度制御するか否か(すなわち、速度制御フラグFvcが1であるか否か)を判定する。そして、この判定がYesであった場合、エンジンECU70は、ステップS5で図16のフローチャートにその手順を示す位相制御停止処理を実行する。
(位相制御停止処理)
位相制御停止処理を開始すると、エンジンECU70は、図16のステップS61で後述する位相入力値算出処理における位相制御偏差e(k)を0とし、ステップS62で同じく位相入力値算出処理における外乱推定誤差Kp・edobs(k)を0とする(外乱推定の積分機構(積分項)を停止する)。これにより、位相制御が再び開始される際には、積分機構の作動等に起因する過剰な出力が発生しなくなる。
(速度制御終了判定処理)
次に、エンジンECU70は、ステップS6で、図17のフローチャートにその手順を示す速度制御終了判定処理を実行する。速度制御終了判定処理を開始すると、エンジンECU70は、図17のステップS71で前回の処理時にも速度制御が行われていたか否かを判定し、この判定がNoであれば(位相制御から速度制御に切り換わったときには)ステップS72で速度制御終了フラグFvcendを0とする。また、ステップS71の判定がYesであった場合(すなわち、現在が速度制御中であった場合)、エンジンECU70は、ステップS73で要求動作方向の突当付近であるか否かを判定し、この判定がNoであればステップS72で速度制御終了フラグFvcendを0とする。
本実施形態の場合、ステップS73の判定は、前回速度目標値が正の場合(すなわち、遅角方向に駆動されていた場合)には65°<CA<75°を満たすとYesとなり、前回速度目標値が負の場合(すなわち、進角方向に駆動されていた場合)には−5°<CA<5°を満たすとYesとなる。突当付近の判定に±5°の幅を持たせている理由は、VTCアクチュエータ21の構成要素に製品誤差や組付誤差が存在することや、長期にわたる運転によって突当位置が変化することによる。
ステップS73の判定がYesであった場合(すなわち、VTCアクチュエータ21が突当付近であった場合)、エンジンECU70は、ステップS74でVTCアクチュエータ21の作動速度Vvtcが所定の閾値Vth以下であるか否かを判定し、この判定がNoであればステップS72で速度制御終了フラグFvcendを0とする。本実施形態の場合、作動速度Vvtcは、実カム位相CAの今回値CA(k)と前回値CA(k)との差から求めるが、疑似微分法や速度オブザーバ等によって求めるようにしてもよい。
ステップS74の判定もYesであった場合、エンジンECU70は、VTCアクチュエータ21が突当状態になったとものとし、ステップS75で速度制御フラグFvcを0とするとともに速度制御終了フラグFvcendを1とする。
次に、エンジンECU70は、図9のステップS7で、速度制御が終了したか否か(速度制御終了フラグFvcendが1であるか否か)を判定し、この判定がNoであればステップS8で図18のフローチャートにその手順を示す速度目標値設定処理を実行する。
(速度目標値設定処理)
速度目標値設定処理を開始すると、エンジンECU70は、図18のステップS81で各種エンジンパラメータを取得した後、ステップS82で、要求トルク変化率TRQcmd’およびエンジン回転速度Neに基づき、図19の要求空気量変化速度マップから要求空気量変化速度SAcmd’を検索/設定する。次に、エンジンECU70は、ステップS83で、要求空気量変化速度SAcmd’、吸気管圧力Pbおよびエンジン回転速度Neに基づき、図20の速度目標値マップから速度目標値DCAcmd(k)を検索/設定した後、ステップS84で速度目標値DCAcmd(k)にフィルタリング処理を施す。なお、吸気管圧力Pbによる速度目標値DCAcmd(k)の相違は、要求空気量変化速度マップではなく、演算によって求めるようにしてもよい。
(速度入力値算出処理)
次に、エンジンECU70は、図9のステップS9で、図21のフローチャートにその手順を示す速度入力値算出処理を実行する。速度入力値算出処理を開始すると、エンジンECU70は、図21のステップS91で、速度目標値DCAcmd(k)に基づいて、図22のFF目標電流マップからFF(フィードフォワード)用の目標入力電流(以下、FF目標電流と記す)Ucrnt(k)を検索/設定する。なお、FF目標電流マップでは、リニアソレノイド31の作動特性に影響を与えるエンジンパラメータ(エンジン油温Toやエンジン回転速度Ne等)に応じてFF目標電流Ucrnt(k)の値を変えているが、これを学習によって行うようにしてもよい。
次に、エンジンECU70は、ステップS92で、FF目標電流Ucrnt(k)と抵抗率Rhat(k)とから、速度制御FF項Udff(k)を下式によって算出する。
Udff(k)=Ucrnt(k)・Rhat(k)
次に、エンジンECU70は、ステップS93で、以下の手順によって速度制御FB項Udfb(k)を算出する。
先ず、エンジンECU70は、速度目標値DCAcmd(k)と実速度DCA(k)から、下式によって速度制御偏差ed(k)を求める。
ed(k)=DCAcmd(k)−DCA(k)
次に、エンジンECU70は、今回および前回の速度制御偏差ed(k),ed(k−1)と応答指定パラメータPoleとから、下式によって拡大速度制御偏差σd(k)を求める。
σd(k)=ed(k)+Pole・ed(k−1)
次に、エンジンECU70は、拡大速度制御偏差σd(k)とフィードバックゲインKp,Kadpとから、下式によって速度制御FB生値Udftemp(k)を求める。
Udftemp(k)=Kp・σd(k)+Kadp・Σσd(k)
しかる後、エンジンECU70は、速度制御FB生値Udftemp(k)、抵抗率Rhat(k)および抵抗率初期値Rbaseとから、下式によって速度制御FB項Udfb(k)を求める。
Udfb(k)=(Rhat(k)/Rbase)・Udftemp(k)
最後に、エンジンECU70は、ステップS94で、速度制御FF項Udff(k)および速度制御FB項Udfb(k)から、下式によって速度制御入力値Ud(k)を算出する。
Ud(k)=Udff(k)+Udfb(k)
(メイン制御入力値設定処理)
次に、エンジンECU70は、図9のステップS10で、図23のフローチャートにその手順を示すメイン制御入力値設定処理を実行する。メイン制御入力値設定処理を開始すると、エンジンECU70は、図23のステップS101で、速度制御終了フラグFvcendあるいは後述する保持モードフラグFcnstmdの少なくとも一方が1であるか否かを判定し、この判定がNoであればステップS102で制御入力値Uctr(k)をそのままメイン制御入力値Umain(k)とする。なお、制御入力値Uctr(k)は、上述した速度制御入力値Ud(k)、あるいは後述する位相制御入力値Up(k)である。
Umain(k)=Uctr(k)
一方、速度制御終了フラグFvcendあるいは保持モードフラグFcnstmdが1であり、ステップS101の判定がYesになると、エンジンECU70は、ステップS103で現状入力値Utempが所定の判定閾値Uthより小さいか否かを判定する。そして、ステップS103の判定がNoであった場合、エンジンECU70は、下式によってメイン制御入力値Umain(k)を算出する。
Umain(k)=λUtemp(k−1)+Uoft(k)
ここで、λ(0<λ<1)は忘却係数であり、Uoft(k)はVTCアクチュエータ21の突当方向への微少値である。これにより、速度制御終了フラグFvcendあるいは保持モードフラグFcnstmdが1となった場合(すなわち、速度制御が終了している場合)、メイン制御入力値Umain(k)が速度制御終了時点から漸減してゆく。
メイン制御入力値Umain(k)が減少してステップS103の判定がYesになると、エンジンECU70は、ステップS105において、速度制御終了フラグFvcendを0とする一方で、保持モードフラグFcnstmdを1とする。これにより、速度制御終了時点から所定時間が経過すると、VTCアクチュエータ21のロータ23が微少な押付力をもって突当方向に押し付けられる状態となる。
(目標制御入力値算出処理)
メイン制御入力値設定処理を終了すると、エンジンECU70は、図9のステップS11で、下式を用いて目標制御入力値U(k)を算出する。
U(k)=Uctr(k)+Umain(k)
ここで、Uctr(k)は保持入力であり、以下に述べる手順で設定される。
<保持入力値学習処理>
エンジンECU70は、目標制御入力設定制御と並行して、図24のフローチャートにその手順を示す保持入力値学習処理を所定の制御周期(本実施形態では、1sec)で繰り返し実行する。保持入力値学習処理を開始すると、エンジンECU70は、図24のステップS211で位相制御中であるか否かを判定し、この判定がNoであれば保持入力学習を行わずにスタートに戻る。
現在が位相制御中であり、ステップS211の判定がYesになると、エンジンECU70は、ステップS212でVTCアクチュエータ21の作動速度Vvtcが所定の閾値Vth以下であるか否かを判定し、この判定がNoであればやはり保持入力学習を行わずにスタートに戻る。なお、作動速度Vvtcが閾値Vth以下となる場合は、VTCアクチュエータ21が殆ど作動してない状態(すなわち、保持状態)である。
VTCアクチュエータ21が保持状態であり、ステップS212の判定がYesになると、エンジンECU70は、ステップS213でVTCアクチュエータ21が突当付近であるか否かを判定し、この判定がYesであれば、やはり保持入力学習を行わずにスタートに戻る。本実施形態の場合、ステップS213の判定は、5°<CA<65°を満たすとYesとなる。
VTCアクチュエータ21が突当付近になく、ステップS213の判定がNoとなると、エンジンECU70は、ステップS214で下式によって保持入力Uctr(k)を学習する。ここで、Uctrintは保持入力初期値であり、α(Ak)は学習値である。
Uctr(k)=Uctrint+α(Ak)
学習値α(Ak)は下式によって算出される。
α(Ak)=α(A(k−1))+KP(Ak)・eid(Ak)
ここで、kは制御周期(5ms)、Aはインダクタンス等による遅れを無視できるようにするための係数(本実施形態では、200)であり、Akは1,000ms(1sec)となる。
また、KPは学習ゲインであり、リニアソレノイド31の駆動電流Iと同定ゲインPとから、固定ゲイン法を用いて下式によって求められる。
KP(Ak)
=P・ζ/(1+ζ(Ak)・P・ζ(Ak))
=P/(1+P)
一方、eidは、位相制御入力が0となるように、下式によって算出される。
eid(Ak)=Umain(Ak)
(速度制御停止処理)
速度制御が終了して(速度制御終了フラグFvcendが1となって)、図9のステップS7の判定がYesになると、エンジンECU70は、ステップS12で、図25のフローチャートにその手順を示す速度制御停止処理を実行する。速度制御停止処理を開始すると、エンジンECU70は、図25のステップS111で前述した速度入力値算出処理における速度制御偏差ed(k)を0とし、ステップS112で同じく位相入力値算出処理におけるフィードバックゲインKadpを0とする(積分機構を停止する)。これにより、速度制御が再び開始される際には、積分機構の作動等に起因する過剰な出力が発生しなくなる。
(保持モード移行処理)
速度制御停止処理を終えると、エンジンECU70は、ステップS13で、保持モード移行処理を実行する。すなわち、速度制御終了フラグFvcendを0とすると同時に、保持モードフラグFcnstmdを1とする。
(位相制御移行判定処理)
速度制御フラグFvcが0であり、図9のステップS4の判定がNoとなった場合、エンジンECU70は、ステップS14で現在が保持モード中であるか否かを判定する。そして、この判定がYesであった場合、エンジンECU70は、ステップS15で図26のフローチャートにその手順を示す位相制御移行判定処理を実行する。位相制御移行判定処理を開始すると、エンジンECU70は、図26のステップS121で後述する位相目標値CAcmd(k)が突当付近に無い(5°<CAtgt<65°)か否かを判定し、この判定がNoであればそのまま処理を終了し、YesであればステップS122で保持モードフラグFcnstmdを0とすると同時に位相制御フラグFpcrを1とする。
次に、エンジンECU70は、ステップS16で位相制御に移行したか否か(すなわち、位相制御フラグFpcrが1であるか否か)を判定し、この判定がNoであれば保持モードを継続するため、ステップS10に移行して前述のメイン制御入力値設定処理および目標制御入力値算出処理を実行する。
(位相目標値設定処理)
位相制御フラグFpcrが1となり、ステップS16の判定がYesになると、エンジンECU70は、ステップS17で図27のフローチャートにその手順を示す位相目標値設定処理を実行する。位相目標値設定処理を開始すると、エンジンECU70は、図27のステップS131で各種エンジンパラメータを取得した後、ステップS132で、BMEPとエンジン回転速度Neとに基づいて、図28の定常燃費最適点マップからVTCアクチュエータ21の位相目標値CAcmd(k)を検索/設定する。
次に、エンジンECU70は、ステップS133でエンジン運転状態(要求トルク変化率TRQcmd’および負荷の増減(例えば、正味平均有効圧(Brake Mean Effective Pressure:以下、BMEPと記す)の増減)に基づき、図29,図30に示す動作点条件判定マップを用いてエンジン動作点を判定する。図29は加速側の動作点条件判定マップ、図30は減速側の動作点条件判定マップであり、どちらも、要求トルク変化率TRQcmd’が大きい高変化領域で位相零フラグFzeroが1に設定され、要求トルク変化率TRQcmd’が小さい低変化領域で位相保持フラグFcnstが1に設定される。なお、加速側の動作点条件判定マップと減速側の動作点条件判定マップとの間には、制御ハンチング等を防止すべく、所定のヒステリシスが設けられている。
次に、エンジンECU70は、ステップS134で、位相零フラグFzeroが1であるか否かを判定し、この判定がYesであればステップS135で位相目標値CAcmd(k)を0とする。ステップS134の判定がNoであった場合、エンジンECU70は、ステップS136で位相保持フラグFcnstが1であるか否かを判定し、この判定がYesであればステップS137で位相目標値CAcmd(k)を前回値CAcmd(k−1)のままとする。
ステップS136の判定もNoであった場合、エンジンECU70は、ステップS138において、ステップS132で設定した位相目標値CAcmd(k)にフィルタリング処理を施す。
(位相入力値算出処理)
次に、エンジンECU70は、図9のステップS18で、図31のフローチャートにその手順を示す位相入力値算出処理を実行する。位相入力値算出処理を開始すると、エンジンECU70は、図31のステップS141で、下記の手順によって位相制御入力Uphaseを設定する。
先ず、エンジンECU70は、下式に示すカム位相予測モデルを用い、カム位相予測値CA(k+1)を予測する。
CA(k+1)=a・CA(k)+a・CA(k−1)+b・Uphase(k)
+b・Uphase(k−1)+c(k)
ここで、a,a,b,bはモデルパラメータであり、Uphaseは位相制御の制御入力であり、cは外乱推定パラメータである。
次に、エンジンECU70は、追従性指定パラメータPole(0<Polef_lf<1)を用い、下式により制御用位相目標値CAcmd_f(k)を算出する。
CAcmd_f(k)=Pole・CAcmd_f(k−1)
+(1−Polef_lf)・CAcmd(k)
次に、エンジンECU70は、実位相CA(k)と制御用位相目標値CAcmd_f(k)とから、下式により位相制御偏差e(k)を算出する。
e(k)=CA(k)−CAcmd_f(k)
次に、エンジンECU70は、位相制御偏差の今回値e(k)および前回値e(k−1)と応答指定パラメータPole(−1<Pole<0)とから、下式により拡大位相制御偏差σ(k)を算出する。
σ(k)=e(k)+Pole・e(k−1)
次に、エンジンECU70は、外乱推定誤差Kp・edobs(k)を用い、下式により外乱推定値c(k)を算出する。
c(k)=c(k−1)+Kp・edobs(k)
ここで、Kpおよびedobs(k)は、それぞれ下式によって求められる。
Kp=P/(1+P)
edobs(k)=CA(k)−CAhat(k)
CAhat(k)=a・CA(k−1)+a・CA(k−2)+
・Uphase(k−1)+b・Uphase(k−2)+c(k−1)
なお、本実施形態では、フィードバックゲインKpの推定に固定ゲイン法を用いたが、重み付け最小二乗法等、他の推定方法を採用してもよい。
次に、エンジンECU70は、上述したカム位相予測モデルに基づき、下式によって制御入力値Uphase(k)を算出する。
Uphase(k)=Ueq(k)+Urch(k)
ここで、Ueq(k),Urch(k)は、それぞれ以下の式によって求められる。
Ueq(k)=(1/b)・{(1−Pole−a)・CA(k−1)
+(Pole−a)・CA(k−1)+CAcmd_f(k+1)−c(k)
+(Pole−1)・CAcmd_f(k)+Pole・CAcmd_f(k−1)
−b・Uphase(k−1)}
Urch(k)=(−Krch/b)・σ(k)
edov(k)=Liftin(k)−Liftin_hat(k)
次に、エンジンECU70は、ステップS142で、制御入力値Uphase(k)と、先に求めたリニアソレノイド31の抵抗率Rhat(k)とから、下式を用いて抵抗率補償を行う。
Uphase_f(k)=(Rhat(k)/Rbase)・Uphase(k)
(速度制御から保持モードへの移行)
ステップS14の判定がNoであった場合、エンジンECU70は、ステップS19で前回の処理時に位相制御が行われていたか否かを判定する。速度制御から移行して未だ位相制御に至っていない場合、ステップS19の判定がNoとなるため、エンジンECU70は、ステップS20で速度制御停止処理(図25)を実行した後、ステップS21で前述した保持モード移行処理を実行する。これにより、速度制御が再び開始される際には、積分機構の作動等に起因する過剰な出力が発生しなくなるとともに、メイン制御入力値Umain(k)が速度制御終了時点から漸減してゆく。
(位相制御中)
VTCアクチュエータ21が位相制御中であり、ステップS19の判定がYesとなった場合、エンジンECU70は、ステップS22で速度制御停止処理(図25)を実行する。これにより、速度制御が再び開始される際には、積分機構の作動等に起因する過剰な出力が発生しなくなる。次に、エンジンECU70は、ステップS17の位相目標値設定処理(図27)と、ステップS18の位相入力値算出処理(図31)とを実行する。
(速度制御の作用)
速度制御入力値Ud(k)に基づく目標制御入力値U(k)がリニアソレノイド31に出力されると(すなわち、VTCアクチュエータ21が速度制御されると)、図32のグラフに実線で示すように、カム位相CAの変化速度(角速度)が急峻に立ち上がり、カム位相CAは遅角側あるいは進角側に速やかに変化する。なお、図32はカム位相CAが遅角側に変化する状態を示しており、同図から、速度目標値に基づく速度制御(実線で示す)を行うと、位相目標値に基づく位相制御を行った場合(破線で示す)に較べ、カム位相CAの最遅角位置への変化が遅滞なくかつ短時間で実現されることが判る。
(保持モードの作用)
VTCアクチュエータ21が速度制御終了時点から保持モードに移行すると、図33のグラフに示すように、カム位相CAが最遅角位置あるいは最進角位置で保持されたまま、制御入力値U(k)が保持入力値に微少値を加算した小さなものとなる。そのため、位相制御が再開された際には、保持モードを経由しない場合に較べ、カム位相CAが速やかに変化し、制御遅れに起因するエンジンレスポンスの低下等が効果的に抑制される。
≪実施形態の効果≫
本実施形態では、以上述べた手順でリニアソレノイド31の制御入力値U(k)を算出するようにしたため、急加減速時に速度制御によってVTCアクチュエータ21を最遅角状態あるいは最進角状態に迅速に作動させることができる。また、速度制御の終了時点で保持モードに移行し、制御入力値U(k)(すなわち、作動油圧)をごく小さな値とするようにしたため、位相制御の再開時における制御遅れが効果的に抑制される。また、リニアソレノイド31の抵抗率に応じて目標駆動電圧を補償するようにしたため、より高い精度をもってリニアソレノイド31(すなわち、VTCアクチュエータ21)を駆動制御できる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態は本発明を直列4気筒DOHCガソリンエンジンに適用したものであるが、ディーゼルエンジン等にも当然に適用可能である。また、上記実施形態で吸気カムシャフト側にVTCアクチュエータを備えたものに言及したが、排気カムシャフト側にVTCアクチュエータを備えたカム位相可変型内燃機関に適用してもよい。また、上記実施形態ではOPAとCTAとを備えたVTCアクチュエータを採用したが、OPAとCTAとのどちらか一方のみを備えたVTCアクチュエータを採用してもよい。その他、VTCアクチュエータの作動角を始め、エンジンや可変動弁装置の具体的構成等についても、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。
4 吸気カムシャフト
10 クランクシャフト
18 吸気側カム角センサ
19 アクセルペダルセンサ(運転操作状態検出手段)
20 ECONスイッチ(運転モード切換手段)
21 VTCアクチュエータ
22 ハウジング(第1回転部材)
23 ロータ(第2回転部材)
29 スプールバルブ(カム位相切換手段)
31 リニアソレノイド
61 第1OPA
62 第1OPA
63 CTA
70 エンジンECU
72 上位司令部
73 カム位相変化速度推定部
74 位相制御部(位相制御手段)
75 速度制御部(速度制御手段)
76 保持モード制御部(保持制御手段)
77 保持入力値学習部(保持制御量学習手段)
78 制御選択部(制御選択手段)
79 抵抗率補償部(抵抗率補償手段)
E エンジン(カム位相可変型内燃機関)

Claims (15)

  1. 所定の角度範囲をもってカム位相が可変制御されるカム位相可変型内燃機関であって、
    クランクシャフトに同期して回転する第1回転部材と、
    カムシャフトと一体に回転するとともに前記第1回転部材に相対回転可能に連結される第2回転部材と、
    前記第1回転部材および前記第2回転部材の間に形成された進角側油室と遅角側油室とに連絡する作動油回路を切り換えることにより、カム位相を進角と遅角と保持との間でシフトさせるカム位相切換手段と、
    運転者による運転操作状態を検出する運転操作状態検出手段と、
    機関運転状態を検出する機関運転状態検出手段と、
    前記運転操作状態検出結果と機関運転状態検出結果の少なくとも一方から目標角速度を設定し、当該目標角速度に基づいて前記カム位相変化速度を制御する速度制御手段と、
    前期運転操作状態検出結果と機関運転状態検出結果の少なくとも一方から目標カム位相を設定し、当該目標カム位相に基づいて、前記カム位相を制御する位相制御手段と、
    前記運転操作状態検出手段の検出結果と前記機関運転状態検出手段の検出結果との少なくとも一方に基づき、前記速度制御と前記位相制御とのどちらか一方を選択する制御選択手段と、
    前記速度制御の終了を判定する速度制御終了判定手段と、
    前記速度制御終了判定手段によって速度制御が終了したと判定された場合、速度制御終了時点でのカム位相を当該速度制御の方向に所定の付勢力をもって保持制御する保持制御手段と
    を備えたことを特徴とするカム位相可変型内燃機関。
  2. 前記位相制御において、カム位相を保持するための保持制御量を逐次学習する保持制御量学習手段を備え、
    前記保持制御手段は、前記保持制御量に対して前記速度制御の方向への付加制御量を加えることで前記付勢力を設定することを特徴とする、請求項1に記載されたカム位相可変型内燃機関。
  3. 前記保持制御手段は、前記速度制御終了判定手段によって速度制御が終了したと判定された場合、速度制御終了時点での制御量から前記付勢力を与える制御量に向けて、所定の漸減量をもって制御量を漸減させることを特徴とする、請求項2に記載されたカム位相可変型内燃機関。
  4. 前記制御選択手段は、急加速時あるいは急減速時に前記速度制御手段を選択することを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載されたカム位相可変型内燃機関。
  5. 前記制御選択手段は、機関回転速度、機関負荷および実カム位相の少なくとも1つと、要求トルク変化速度とに基づいて前記選択を行うことを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載されたカム位相可変型内燃機関。
  6. 前記制御選択手段は、機関負荷の増加速度が高い場合に前記速度制御手段を選択することを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載されたカム位相可変型内燃機関。
  7. 前記制御選択手段は、目標カム位相と実カム位相との差が大きい場合に前記速度制御手段を選択することを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載されたカム位相可変型内燃機関。
  8. 前記制御選択手段は、実カム位相が突き当て付近であり、かつ実カム位相の変化速度が所定値を下回った場合に前記位相制御手段を選択することを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載されたカム位相可変型内燃機関。
  9. 前記速度制御手段が積分項を含むフィードバック制御を実行し、
    当該速度制御手段は、前記制御選択手段によって位相制御手段が選択された場合、前記積分項を停止させることを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載されたカム位相可変型内燃機関。
  10. 前記速度制御手段は、機関回転速度、機関負荷および実カム位相の少なくとも1つと、要求トルク変化速度とに基づいて速度目標値を設定することを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載されたカム位相可変型内燃機関。
  11. 前記速度制御手段は、機関回転速度、機関負荷および実カム位相の少なくとも1つと、要求トルク変化速度とに基づいて要求空気量変化速度を算出し、当該要求空気量変化速度に基づいて前記速度目標値を設定することを特徴とする、請求項10に記載されたカム位相可変型内燃機関。
  12. 前記位相制御手段が積分項を含むフィードバック制御を実行し、
    前記位相制御手段は、前記制御選択手段によって速度制御手段が選択された場合、前記積分項を停止させることを特徴とする、請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載されたカム位相可変型内燃機関。
  13. 前記位相制御手段は、機関回転速度と要求トルクとに基づいて位相目標値を設定することを特徴とする、請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載されたカム位相可変型内燃機関。
  14. 燃費優先モードを含む運転モードのうちの1つが運転者によって選択される運転モード切換手段を備え、
    前記燃費優先モードが運転者によって選択された場合、前記位相制御から前記速度制御に切り換える閾値を高くすることを特徴とする、請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載されたカム位相可変型内燃機関。
  15. 前記カム位相切換手段がリニアソレノイドによって駆動され、
    当該リニアソレノイドの抵抗率の変化を補償する抵抗率補償手段を更に備えたことを特徴とする、請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載されたカム位相可変型内燃機関。
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