JP4720766B2 - バルブタイミング可変装置及び油圧アクチュエータ制御装置 - Google Patents

バルブタイミング可変装置及び油圧アクチュエータ制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、バルブタイミング可変装置とそれに用いて好適な油圧アクチュエータ制御装置とに関する。
バルブタイミング可変装置では、クランク軸に対するカム軸の位相角を変化させるための手段として油圧アクチュエータが用いられている。この油圧アクチュエータには、2つの油室、すなわち、進角室と遅角室とが設けられている。進角室への加圧油の供給及び遅角室からの加圧油の排出によってバルブタイミングは進角され、遅角室への加圧油の供給及び進角室からの加圧油の排出によってバルブタイミングは遅角される。
油圧アクチュエータの両油室に対する加圧油の給排は、制御弁(Oil Control Valve:OCV)によって制御されている。制御弁はスリーブ内のスプール弁の位置によって加圧油の給排を制御することができる。スプール弁がスリーブ内の中立域にあるとき、両油室はともに油圧ポンプともオイルタンクとも連通を遮断されている。スプール弁が中立域から一方(進角方向)に移動することで、進角室が油圧ポンプに接続され遅角室がオイルタンクに接続される。スプール弁が中立域から進角方向と逆方向(遅角方向)に移動することで、遅角室が油圧ポンプに接続され進角室がオイルタンクに接続される。スプール弁はソレノイドによって駆動され、その位置はソレノイドに出力されるデューティ(電流値)によって制御されている。
油圧アクチュエータへの加圧油の供給流量がほぼゼロとなったとき、油圧アクチュエータは停止状態となって現在のバルブタイミングが保持される。このときのデューティを保持デューティという。制御弁に出力するデューティを保持デューティから増大側に変化させることで、バルブタイミングを進角させることができる。逆に制御弁に出力するデューティを保持デューティから減少側に変化させることで、バルブタイミングを遅角させることができる。従来のバルブタイミング制御では、以下の特許文献に記載されているように実際に油圧アクチュエータの動作を制御する中で保持デューティを学習し、その学習値を基準にして制御弁のデューティ制御を行っていた。
特開2003−336529号公報 特開平8−338271号公報
図7はバルブタイミング可変装置における制御弁のデューティと位相速度(バルブタイミングの変化速度)との関係を示す特性線図である。図7において位相速度がゼロとなるデューティが保持デューティである。保持デューティ付近には、デューティの変化に対して位相速度の変化が少ない不感帯が存在する。従来のバルブタイミング制御では、保持デューティは常に不感帯内の中心付近に位置し、保持デューティを基準とする制御弁の制御特性は一定である仮定していた。つまり、保持デューティの学習値がP1からP2に変化した場合、制御弁のデューティと位相速度との関係を示す特性線はL1からL2に変化したという前提のもとでデューティ制御を行っていた。
しかしながら、実際に起きている制御弁の制御特性の変化は必ずしもデューティ軸の方向のみではない。位相速度軸の方向に制御弁の制御特性が変化する場合もある。例えば、カム軸の軸受け内部に加圧油の油路が形成されている場合、軸受けとカム軸との間隙が大きくなると加圧油の漏れが増加する。このような状態で制御弁のスプール弁を中立域に設定したとしても、カム軸の動摩擦力によって間隙から加圧油が漏れることで油圧アクチュエータは遅角方向に変位してしまう。油圧アクチュエータの動作位置を変化させないためには、スプール弁を中立域よりも進角側に位置させる必要がある。結果、この状態での制御弁の制御特性は図7において特性線L3に示すようになる。特性線L3では保持デューティは不感帯の上限値を超えている。
図7に示す例では、特性線L2と特性線L3の何れの場合でも保持デューティはP2となる。この場合、従来のバルブタイミング制御では特性線L2を前提としてデューティ制御が行われる。このため、実際の制御弁の制御特性がデューティ軸の方向に変化しているのであれば、従来のバルブタイミング制御でも高い精度を得ることができる。しかし、特性線L3に示すように位相速度軸の方向に制御特性が変化している場合には、従来のバルブタイミング制御では制御精度が低下してしまう。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、制御弁の制御特性が変化した場合でも高い精度でバルブタイミングを制御することが可能なバルブタイミング可変装置を提供することを目的とする。
また、制御弁の制御特性が変化した場合でも高い精度で油圧アクチュエータの動作速度を制御することが可能な油圧アクチュエータ制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブのバルブタイミングを可変にする油圧式のバルブタイミング可変装置であって、
加圧油の給排によって動作してバルブタイミングを変化させる油圧アクチュエータと、
前記油圧アクチュエータに対する加圧油の給排を制御する制御弁と、
前記制御弁に出力する制御信号によってバルブタイミングを制御するバルブタイミング制御装置とを備え、
前記バルブタイミング制御装置は、
バルブタイミングの変化速度(以下、位相速度)がゼロとなるときの制御信号の値(以下、保持値)をバルブタイミングを制御する中で学習する保持値学習手段と、
前記保持値学習手段で学習された保持値が適正範囲内か否か判定する判定手段と、
前記保持値が前記適正範囲内にある場合には前記保持値を制御信号の基準値とし、前記保持値が前記適正範囲外の場合には前記適正範囲の限界値を制御信号の基準値として設定する制御基準値設定手段と、
前記保持値が前記適正範囲外の場合に前記保持値の前記適正範囲からの逸脱量を算出し、前記制御基準値における位相速度(以下、基準位相速度)を前記逸脱量に基づいて推定計算する基準位相速度推定手段と、
前記制御基準値を基準とする制御量と位相速度との理想の関係を前記制御弁のモデル制御特性として記憶した記憶手段と、
前記モデル制御特性を前提としてバルブタイミングの目標値と実際値との偏差に応じた制御量を仮制御量として算出する仮制御量算出手段と、
前記モデル制御特性に基づいて前記仮制御量に対応する位相速度を目標位相速度として算出する目標位相速度算出手段と、
前記モデル制御特性に基づいて前記目標位相速度と前記基準位相速度との差分に対応する制御量を確定制御量として算出する確定制御量算出手段と、
前記制御基準値と前記確定制御量とに基づいて記制御弁に出力すべき制御信号を設定する制御信号設定手段とを含むことを特徴としている。
また、第2の発明は、上記の目的を達成するため、加圧油の給排によって動作する油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータに対する加圧油の給排を制御する制御弁とを有し、前記制御弁に出力する制御信号によって前記油圧アクチュエータの動作を制御する油圧アクチュエータ制御装置において、
前記油圧アクチュエータの動作速度がゼロとなるときの制御信号の値(以下、保持値)を前記油圧アクチュエータの動作を制御する中で学習する保持値学習手段と、
前記保持値学習手段で学習された保持値が適正範囲内か否か判定する判定手段と、
前記保持値が前記適正範囲内にある場合には前記保持値を制御信号の基準値とし、前記保持値が前記適正範囲外の場合には前記適正範囲の限界値を制御信号の基準値として設定する制御基準値設定手段と、
前記保持値が前記適正範囲外の場合に前記保持値の前記適正範囲からの逸脱量を算出し、前記制御基準値における前記油圧アクチュエータの動作速度(以下、基準動作速度)を前記逸脱量に基づいて推定計算する基準動作速度推定手段と、
前記制御基準値を基準とする制御量と前記油圧アクチュエータの動作速度との理想の関係を前記制御弁のモデル制御特性として記憶した記憶手段と、
前記モデル制御特性を前提として前記油圧アクチュエータの目標動作量と実際動作量との偏差に応じた制御量を仮制御量として算出する仮制御量算出手段と、
前記モデル制御特性に基づいて前記仮制御量に対応する前記油圧アクチュエータの動作速度を目標動作速度として算出する目標動作速度算出手段と、
前記モデル制御特性に基づいて前記目標動作速度と前記基準動作速度との差分に対応する制御量を確定制御量として算出する確定制御量算出手段と、
前記制御基準値と前記確定制御量とに基づいて記制御弁に出力すべき制御信号を設定する制御信号設定手段と、
を備えることを特徴としている。
油圧式のバルブタイミング可変装置において、制御弁の制御基準値を基準とする制御量と位相速度との関係、つまり、制御弁の制御特性は、制御量軸の方向のみならず位相速度軸の方向にも変化する可能性がある。バルブタイミングを制御する中で学習される保持値の変化が大きい場合、制御弁の制御特性が位相速度軸の方向に変化した可能性が高い。
第1の発明によれば、学習した保持値が適正範囲外の場合、保持値を制御弁の制御基準値とするのではなく適正範囲の限界値を制御基準値とし、さらに、制御基準値における基準位相速度を保持値の適正範囲からの逸脱量に基づいて推定計算する。制御基準値における基準位相速度が推定できれば、それとモデル制御特性とから制御弁の実際の制御特性を高い確度で推定することができる。したがって、第1の発明によれば、制御弁の制御特性がその位相速度軸の方向に変化した場合でも高い精度でバルブタイミングを制御することができる。
また、制御弁に出力する制御信号によって油圧アクチュエータの動作を制御する油圧アクチュエータ制御装置において、制御弁の制御基準値を基準とする制御量と油圧アクチュエータの動作速度との関係、つまり、制御弁の制御特性は、制御量軸の方向のみならず動作速度軸の方向にも変化する可能性がある。油圧アクチュエータの動作を制御する中で学習される保持値の変化が大きい場合、制御弁の制御特性が動作速度軸の方向に変化した可能性が高い。
第2の発明によれば、学習した保持値が適正範囲外の場合、保持値を制御弁の制御基準値とするのではなく適正範囲の限界値を制御基準値とし、さらに、制御基準値における油圧アクチュエータの基準動作速度を保持値の適正範囲からの逸脱量に基づいて推定計算する。制御基準値における基準動作速度が推定できれば、それとモデル制御特性とから制御弁の実際の制御特性を高い確度で推定することができる。したがって、第2の発明によれば、制御弁の制御特性がその動作速度軸の方向に変化した場合でも高い精度で油圧アクチュエータの動作速度を制御することができる。
図1は、本発明の実施の形態としてのバルブタイミング可変装置の油圧システムの概略構成を示す図である。本発明は吸気バルブと排気バルブの何れのバルブタイミング可変装置にも適用可能であるが、ここでは吸気バルブのバルブタイミング可変装置に本発明が適用されている。
図1に示すように、バルブタイミング可変装置の油圧システムは、クランク軸に対するカム軸の変位角を変化させるための油圧アクチュエータ20を備えている。油圧アクチュエータ20は、クランク軸に同期して回転するハウジング22と、ハウジング22内に配置されカム軸に同期して回転するロータ24を備えている。ハウジング22の内部には油室26、28が形成されている。この油室26、28はロータ24によって進角側油室26と遅角側油室28とに区画されている。
油圧アクチュエータ20は、油室26、28へ加圧油が供給されてハウジング22に対するロータ24の回転角が変化することにより動作する。進角側油室26へ加圧油が供給されるときには、油圧アクチュエータ20はクランク軸に対するカム軸の変位角を進角側に変化させるように動作し、遅角側油室28へ加圧油が供給されるときにはクランク軸に対するカム軸の変位角を遅角側に変化させるように動作する。このとき、加圧油が供給されない側の油室からは、加圧油が供給される側の油室の拡大に伴い内部の加圧油が押し出されて排出されるようになっている。
油圧アクチュエータ20に供給される加圧油は、エンジンにより駆動されるオイルポンプ30から圧送される。オイルポンプ30と油圧アクチュエータ20との間にはオイルコントロールバルブ(以下、OCV)10が設けられている。OCV10は4ポートスプール弁であって、スリーブ18内のスプール12の位置によって、油圧アクチュエータ20の両油室26、28に対する加圧油の給排を制御することができる。OCV10のAポートは油圧アクチュエータ20の進角側油室26に接続され、Bポートは遅角側油室28に接続されている。また、OCV10のPポートはオイルポンプ30に接続され、Rポートはオイルタンク32に接続されている。
スプール12は、移動方向の一方の端部をスプリング16によって支持され、他方の端部をソレノイド14によって支持されている。スリーブ18内でのスプール12の位置は、ソレノイド14に供給する駆動電流のデューティ(以下、OCV駆動デューティという)によって制御することができる。図1に示すスプール12の位置では、A、BポートとP、Rポートとの連通が遮断されて両油室26、28に対する加圧油の給排は実質的に行わない。以下、A、BポートとP、Rポートとの連通が遮断されるスプール12の動作域を中立域という。
スプール12が中立域にある状態においてOCV駆動デューティが増大されると、スプール12はソレノイド14に押されて移動する。これにより、AポートがPポートに連通し、BポートがRポートに連通して、進角側油室26への加圧油の供給と遅角側油室28からの加圧油の排出とが同時に行われるようになる。逆に、スプール12が中立域にある状態においてOCV駆動デューティが低減されると、スプール12はスプリング16に押されて移動する。これにより、AポートがRポートに連通し、BポートがPポートに連通して、遅角側油室28への加圧油の供給と進角側油室26からの加圧油の排出とが同時に行われるようになる。
OCV10の制御は、制御装置40によって行われる。この制御装置40と油圧アクチュエータ20及びOCV10を含む機構部分(バルブタイミング可変機構)とによりバルブタイミング可変装置が構成される。以下、制御装置40によるOCV10の制御の概要について図2乃至図6を用いて説明する。
制御装置40は、次の式(1)に従ってOCV駆動デューティを算出する。式(1)における制御基準デューティは、OCV10をデューティ制御する上での制御基準である。制御基準デューティの決定方法に関しては後述する。制御量は、バルブタイミングの目標値と実際値との偏差に基づいて計算される。バルブタイミングの目標値はエンジンの運転状態をパラメータとするマップから決定される。バルブタイミングの実際値はクランク角センサ42の出力信号とカム角センサ44の出力信号とから特定されるクランク軸に対するカム軸の変位角から計算することができる。
OCV駆動デューティ=制御基準デューティ+制御量 ・・・(1)
制御装置40には、制御基準デューティを基準とするOCV駆動デューティと位相速度(バルブタイミングの変化速度)との理想の関係がモデル制御特性として記憶されている。図2はOCV10のモデル制御特性を位相速度軸とデューティ軸とで示す特性線図である。モデル制御特性では、デューティの変化に対して位相速度の変化が小さいデューティ域(不感帯)のほぼ中心に保持デューティが位置し、制御基準デューティは保持デューティに設定されている。
実際のOCV10の制御特性はOCV10毎の個体差があり、また、経年変化や運転条件による変化もある。したがって、実際のOCV10の制御特性を予め特定しておくことは難しいが、上記のモデル制御特性は予め実験等によって確認された制御特性であり、少なくとも特性線の形状は実際の制御特性とモデル制御特性とでほぼ一致していると考えてよい。そこで、制御装置40は、上記のモデル制御特性を利用し、制御特性に関する最小限のデータから実際のOCV10の制御特性を推定することにしている。
制御装置40は、OCV10の制御特性に関する最小限のデータとして、まず、OCV10の保持デューティを学習によって特定する。OCV10の保持デューティは、OCV10のデューティ制御によって油圧アクチュエータ20の動作を制御する中で、つまり、バルブタイミングを制御する中で学習される。本発明を実施するにあたっては保持デューティの学習方法には限定はなく、従来提案されている方法の何れを用いてもよい。一例としては、目標バルブタイミングが一定時間を超えて変化していない状態で、実際のバルブタイミングにも一定時間を超えて変化がないとき、その時点でのOCV駆動デューティを保持デューティとして学習することができる。
制御装置40は、学習した保持デューティに基づいて制御基準デューティを決定し、制御基準デューティにおける位相速度(以下、基準位相速度)を推定計算する。制御基準デューティの決定と基準位相速度の推定計算は図3のフローチャートに示すルーチンに従って行われる。
図3に示すルーチンの最初のステップS2では、制御基準デューティGDVTHと保持デューティの学習更新量Dとの和が保持デューティの上限値Aを超えているが判定される。ステップS2の条件が不成立の場合にはステップS10に進む。ステップS10では、制御基準デューティGDVTHと学習更新量Dとの和が保持デューティの下限値Bを下回っているか判定される。ステップS10の条件も不成立の場合にはステップS18に進む。ステップS18では制御基準デューティGDVTHと学習更新量Dとの和が新たな制御基準デューティGDVTHとして更新される。
ステップS2,S10及びS18の処理によれば、学習した保持デューティの値が下限値Bから上限値Aまでの適正範囲内にある場合には、保持デューティが制御基準デューティGDVTHとして設定される。これは、保持デューティの値が所定の適正範囲内にある限りは、OCV10の制御特性に変化があったとしてもそれはデューティ軸方向であり、保持デューティを基準とした制御特性はモデル制御特性に一致しているという前提に基づく処理である。一方、学習した保持デューティの値が適正範囲外の場合には次のような処理が行われる。
保持デューティの値が上限値Aを超える場合は、OCV10の制御特性が位相速度軸のマイナス方向に変化した可能性が高い。そこで、その場合にはステップS4、S6及びS8の処理が行われる。ステップS4では、次の式(2)に示すように、制御基準デューティGDVTHと学習更新量Dとの和と保持デューティ上限値Aとの差に基づいて基準位相速度GVTDLのマイナス方向への変化量αが算出される。式(2)におけるKは比例係数である。
α=K×(GDVTH+D−A) ・・・(2)
次のステップS6では、保持デューティ上限値Aが新たな制御基準デューティGDVTHとして設定される。ステップS8では、ステップS4で計算された変化量αを用いて基準位相速度GVTDLの更新が行われる。これは、保持デューティの値が上限値Aを超える場合には、OCV10の制御特性は位相速度軸のマイナス方向に変化しており、その変化量は保持デューティの上限値Aからの逸脱量に比例しているという前提に基づく処理である。
保持デューティの値が下限値Bを下回る場合は、OCV10の制御特性が位相速度軸のプラス方向に変化した可能性が高い。そこで、その場合にはステップS12、S14及びS16の処理が行われる。ステップS12では、次の式(3)に示すように、制御基準デューティGDVTHと学習更新量Dとの和と保持デューティ下限値Bとの差に基づいて基準位相速度GVTDLのプラス方向への変化量βが算出される。式(3)におけるKは比例係数である。
β=K×(GDVTH+D−B) ・・・(3)
次のステップS14では、保持デューティ下限値Bが新たな制御基準デューティGDVTHとして設定される。ステップS16では、ステップS12で計算された変化量βを用いて基準位相速度GVTDLの更新が行われる。これは、保持デューティの値が下限値Bを下回る場合には、OCV10の制御特性は位相速度軸のプラス方向に変化しており、その変化量は保持デューティの下限値Bからの逸脱量に比例しているという前提に基づく処理である。
制御基準デューティGDVTHと基準位相速度GVTDLとが定まれば、それらの値とモデル制御特性とからOCV10の実際の制御特性を推定することができる。図4に実線で示す特性線はモデル制御特性であり、破線で示す特性線は推定した実際の制御特性である。この図に示すように、モデル制御特性を基準位相速度GVTDLだけ位相速度軸の方向にずらしたものをOCV10の実際の制御特性として推定する。
制御装置40は、モデル制御特性と推定した実際の制御特性とを用いて制御基準デューティGDVTHを基準とする制御量を決定する。具体的には、まず、バルブタイミングの目標値と実際値との偏差をPD制御によって処理し、制御量(仮制御量)DVT0を計算する。PD制御にかかる各種パラメータはモデル制御特性を前提として調整されている。したがって、実際の制御特性がモデル制御特性に一致する場合、つまり、制御特性の変化がデューティ軸方向のみである場合には、制御量DVT0をそのまま上記の式(1)に代入することができる。しかし、制御特性が位相速度軸方向に変化している場合には、図4に示すように実際の制御特性はモデル制御特性に一致しない。
図4において、制御量DVT0を出力したときに実現される位相速度(目標位相速度)はモデル制御特性であればVTDL0となる。この位相速度VTDL0を実際の制御特性で実現するためには、制御量(確定制御量)はDVT1に設定する必要がある。この制御量DVT1は、モデル制御特性ではVTDL0−GVTDLの位相速度を実現するときの制御量に相当している。制御装置40は、仮制御量DVT0か確定制御量DVT1への変換を図5のフローチャートに示すルーチンに従って実施する。
図5に示すルーチンの最初のステップS22では、モデル制御特性で実現される位相速度VTDL0が算出される。モデル制御特性を表す関数をFとしたとき、位相速度VTDL0は式(4)によって算出することができる。
VTDL0=F(DVT0) ・・・(4)
次のステップS24では、モデル制御特性の逆関数F-1を用いて位相速度VTDL0を実現するための実際の制御量DVT1が算出される。逆関数F-1をグラフであらわすと図6に示すようになる。この逆関数F-1を用いれば、制御量DVT1は式(5)によって算出することができる。
DVT1=F-1(VTDL0−GVTDL) ・・・(5)
制御装置40は、式(5)によって算出された制御量DVT1と制御基準デューティGDVTHとを加算してOCV駆動デューティを算出する。このようにして算出されたOCV駆動デューティによれば、油路からの加圧油の漏れなどによってOCV10の制御特性がその位相速度軸の方向に変化した場合でも目標とする位相速度VTDL0を実現することができる。つまり、高い精度でバルブタイミングを制御することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、油圧アクチュエータに対する加圧油の給排を制御する制御弁は、図1に示すOCV10のような電磁式の制御弁には限らない。パイロット圧によって駆動されるパイロット式の制御弁でもよい。
また、本発明はバルブタイミング可変装置に限らず、2つの油室を備えて各油室に対する加圧油の給排によって動作を制御される油圧アクチュエータを用いる油圧システムであれば、広く適用することができる。つまり、本発明は制御弁に出力する制御信号によって油圧アクチュエータの動作を制御する油圧アクチュエータ制御装置として構成することもできる。
本発明の実施の形態としてのバルブタイミング可変装置の油圧システムの概略構成を示す図である。 OCVのモデル制御特性を示す特性線図である。 本発明の実施の形態において実施される制御基準デューティの決定と基準位相速度の推定計算のためのルーチンを示すフローチャートである。 OCVのモデル制御特性と実際の制御特性とを示す特性線図である。 本発明の実施の形態において実施される制御量の計算のためのルーチンを示すフローチャートである。 モデル制御特性の逆関数をグラフで示す図である。 バルブタイミング可変装置における制御弁のデューティと位相速度との関係を示す特性線図である。
符号の説明
10 OCV
12 スプール
14 ソレノイド
16 スプリング
18 スリーブ
20 油圧アクチュエータ
22 ハウジング
24 ロータ
26 進角側油室
28 遅角側油室
30 オイルポンプ
32 オイルタンク
40 制御装置
42 クランク角センサ
44 カム角センサ

Claims (2)

  1. 内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブのバルブタイミングを可変にする油圧式のバルブタイミング可変装置であって、
    加圧油の給排によって動作してバルブタイミングを変化させる油圧アクチュエータと、
    前記油圧アクチュエータに対する加圧油の給排を制御する制御弁と、
    前記制御弁に出力する制御信号によってバルブタイミングを制御するバルブタイミング制御装置とを備え、
    前記バルブタイミング制御装置は、
    バルブタイミングの変化速度(以下、位相速度)がゼロとなるときの制御信号の値(以下、保持値)をバルブタイミングを制御する中で学習する保持値学習手段と、
    前記保持値学習手段で学習された保持値が適正範囲内か否か判定する判定手段と、
    前記保持値が前記適正範囲内にある場合には前記保持値を制御信号の基準値とし、前記保持値が前記適正範囲外の場合には前記適正範囲の限界値を制御信号の基準値として設定する制御基準値設定手段と、
    前記保持値が前記適正範囲外の場合に前記保持値の前記適正範囲からの逸脱量を算出し、前記制御基準値における位相速度(以下、基準位相速度)を前記逸脱量に基づいて推定計算する基準位相速度推定手段と、
    前記制御基準値を基準とする制御量と位相速度との関係によって定められる前記制御弁の設計制御特性を記憶した記憶手段と、
    前記設計制御特性を前提としてバルブタイミングの目標値と実際値との偏差に応じた制御量を仮制御量として算出する仮制御量算出手段と、
    前記設計制御特性に基づいて前記仮制御量に対応する位相速度を目標位相速度として算出する目標位相速度算出手段と、
    前記設計制御特性に基づいて前記目標位相速度と前記基準位相速度との差分に対応する制御量を確定制御量として算出する確定制御量算出手段と、
    前記制御基準値と前記確定制御量とに基づいて記制御弁に出力すべき制御信号を設定する制御信号設定手段とを含むことを特徴とするバルブタイミング可変装置。
  2. 加圧油の給排によって動作する油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータに対する加圧油の給排を制御する制御弁とを有し、前記制御弁に出力する制御信号によって前記油圧アクチュエータの動作を制御する油圧アクチュエータ制御装置において、
    前記油圧アクチュエータの動作速度がゼロとなるときの制御信号の値(以下、保持値)を前記油圧アクチュエータの動作を制御する中で学習する保持値学習手段と、
    前記保持値学習手段で学習された保持値が適正範囲内か否か判定する判定手段と、
    前記保持値が前記適正範囲内にある場合には前記保持値を制御信号の基準値とし、前記保持値が前記適正範囲外の場合には前記適正範囲の限界値を制御信号の基準値として設定する制御基準値設定手段と、
    前記保持値が前記適正範囲外の場合に前記保持値の前記適正範囲からの逸脱量を算出し、前記制御基準値における前記油圧アクチュエータの動作速度(以下、基準動作速度)を前記逸脱量に基づいて推定計算する基準動作速度推定手段と、
    前記制御基準値を基準とする制御量と前記油圧アクチュエータの動作速度との関係によって定められる前記制御弁の設計制御特性を記憶した記憶手段と、
    前記設計制御特性を前提として前記油圧アクチュエータの目標動作量と実際動作量との偏差に応じた制御量を仮制御量として算出する仮制御量算出手段と、
    前記設計制御特性に基づいて前記仮制御量に対応する前記油圧アクチュエータの動作速度を目標動作速度として算出する目標動作速度算出手段と、
    前記設計制御特性に基づいて前記目標動作速度と前記基準動作速度との差分に対応する制御量を確定制御量として算出する確定制御量算出手段と、
    前記制御基準値と前記確定制御量とに基づいて記制御弁に出力すべき制御信号を設定する制御信号設定手段と、
    を備えることを特徴とする油圧アクチュエータ制御装置。
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