JP2008115618A - 岩盤におけるグラウト工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Ca型ベントナイトを水で溶解してなるCa型ベントナイトスラリー11及びナトリウム溶液12を岩盤に注入する直前の位置をなす注入孔3の混合領域3Aで混合させ、その混合により改質された改質Na型ベントナイトを岩盤に注入することで、或いはナトリウム溶液12を先に注入した岩盤内にCa型ベントナイトスラリー11を注入混合させることで改質Na型ベントナイトが岩盤中の地下水を吸収して水と反応して膨潤する。そして、改質Na型ベントナイトが岩盤の亀裂を塞ぐことで地下水の流れを遮断して止水効果を発揮させるようにした。
【選択図】図2
Description
そこで、汚染された地下水の地上流出を防止するためには、処分孔と地上を連絡するアクセス坑道となる立坑の周辺の水みちを遮断することが有効である。そのため、断層破砕帯などの極めて透水性の高い地質不良部に対して、遮断箇所にベントナイトグラウト等を注入し、そのベントナイト材料による止水プラグを設置する方法が一般的である。ベントナイトグラウトは、ベントナイトに水やエタノール等の有機溶媒を混合したベントナイトスラリーから形成されている。止水プラグの構築方法は、坑道断面より大きく拡幅掘削し、この拡幅箇所に膨潤性が高く低透水性のベントナイトブロック等を設置する。これにより、坑道周辺に流れる水みちを遮断し、さらに拡幅掘削によって生じた掘削損傷領域が新たな水みちとなりうる箇所にベントナイトグラウトを注入する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
このグラウトのベントナイト材料には、膨潤性に優れるNa型ベントナイトが使用されることが想定されているが、Na型ベントナイトを水を溶媒としてスラリー化した場合、ベントナイト中のモンモリロナイトによる膨潤に起因して粘性度が極めて増大するため、高濃度のベントナイトスラリーを作成することができない。このため、溶媒としてエタノールや塩水を使用する方法があるが、岩盤へ注入した後にエタノールや塩水などが地下水と置換して十分な膨潤力が得られるかどうかが確実ではなく、止水性の確実性に問題があった。
本発明では、Ca型ベントナイトスラリー及びナトリウム溶液を混合させ、その混合により改質された改質Na型ベントナイト(グラウト)を岩盤に注入することで、改質Na型ベントナイトが岩盤中の地下水を吸収して水と反応して膨潤する。これにより、改質Na型ベントナイトが岩盤の亀裂を塞ぎ、地下水の流れを遮断して止水効果を発揮することができる。
本発明では、岩盤への注入直前の位置をなす注入孔の最深部でCa型ベントナイトスラリー及びナトリウム溶液を混合し、その最深部から注入管等を介すことなく岩盤に注入できることから、例えばミキサなどを使用してCa型ベントナイトスラリーとナトリウム溶液とを混合してから注入管を挿通させて注入する場合において混合したグラウトの粘性が高くなって注入管内で詰まるといった不具合をなくすことができる。
本発明では、先にナトリウム溶液を岩盤の所定領域に注入しておき、その注入後にCa型ベントナイトスラリーをナトリウム溶液の注入領域に注入することで、Ca型ベントナイトスラリー及びナトリウム溶液が混合され、その混合により改質された改質Na型ベントナイト(グラウト)が岩盤内に充填される。改質Na型ベントナイトは岩盤中の地下水を吸収して水と反応して膨潤し、岩盤の亀裂を塞ぎ、地下水の流れを遮断して止水効果を発揮することができる。
そして、例えば、高レベル放射性廃棄物の地層処分場などでその放射性廃棄物を埋設する坑道において、その坑道周辺の掘削損傷領域や、処分孔、処分坑道周辺などの岩盤に本グラウトを注入することで、止水プラグによる止水性能が確実なものとなり、高レベル放射性核種を含んだ地下水が地上などに移行することを防止することができる。
図1は本発明の第一の実施の形態による岩盤におけるグラウト工法を示す図、図2は図1に示すグラウト注入箇所の拡大図である。
また、坑道1の周辺岩盤には、その坑道1を構築する際に掘削によって緩みが発生した掘削損傷領域Dがあり、この掘削損傷領域Dが岩盤に存在する地下水の水みちを形成させるものとなっている。
図1に示すように、先ず、止水プラグ2の周囲には、坑道1の壁面1aより外方に向けて例えば放射状に所定数の注入孔3、3、…を削孔する。そして、図2に示すように、水で溶解してなる高濃度のCa型ベントナイトスラリー11とナトリウム溶液12とを注入孔3、3、…からほぼ同時に注入する。そして、両者11、12が混合された状態のグラウト10(改質Na型ベントナイト)は、注入孔3の先端部(後述する混合領域3A)から周辺岩盤の亀裂に浸透するようにして充填される。
また、本グラウト工法では、岩盤への注入直前の混合領域3AでCa型ベントナイトスラリー11とナトリウム溶液12とが混合され、その混合領域3Aから注入管等を介すことなく岩盤に注入されることから、例えばミキサなどを使用してCa型ベントナイトスラリー11とナトリウム溶液12とを混合してから注入管を挿通させて注入する場合において混合したグラウトの粘性が高くなって注入管内で詰まるといった不具合をなくすことができる。
そして、高レベル放射性廃棄物の地層処分場などでその放射性廃棄物を埋設する坑道1において、その坑道1周辺の掘削損傷領域Dや、処分孔、処分坑道周辺などの岩盤に本グラウト10を注入することで、止水プラグ2による止水性能が確実なものとなり、高レベル放射性核種を含んだ地下水が地上などに移行することを防止することができる。
図3は本発明の第二の実施の形態による岩盤におけるグラウト工法を示す図であって、図2に対応する図である。
図3に示すように、第二の実施の形態による岩盤におけるグラウト工法では、Ca型ベントナイトスラリー11にナトリウム溶液12を混合させる方法として、第一の実施の形態のように両者11、12を注入孔3の混合領域3A(図1参照)でほぼ同時に混合させる方法に代えて、先に溶液状で浸透性の高いナトリウム溶液12を岩盤に注入してからCa型ベントナイトスラリー11を注入し、岩盤内で両者11、12を混合させるものである。
次いで、先行して注入管4からナトリウム溶液12を岩盤内のグラウト充填領域Gに注入しておき、その注入後に同じ注入管4或いは別のCa型ベントナイトスラリー11用の注入管に交換してCa型ベントナイトスラリー11を岩盤に注入する。そうすると、岩盤内においてCa型ベントナイトスラリー11とナトリウム溶液12とが混合され、その混合により改質された改質Na型ベントナイト(グラウト10)が岩盤内に充填されることになる。
このように、第二の実施の形態では、第一の実施の形態と同様に、改質Na型ベントナイトは岩盤中の地下水を吸収して水と反応して膨潤し、岩盤の亀裂を塞いで地下水の流れを遮断して止水効果を発揮することができる。
例えば、本第一及び第二の実施の形態ではナトリウム溶液12として炭酸ナトリウムを用いているが、ナトリウム系の溶液であればとくに限定されるものではない。
また、本第一及び第二の実施の形態では高レベル放射性廃棄物の地層処分場などでその放射性廃棄物を埋設する坑道1周辺の岩盤をグラウト対象としているが、このような施工に限定されることはなく、例えば道路、鉄道、上下水道など他の用途のトンネルの周辺岩盤や、ダム工事、基礎工事などで岩盤の所定領域を止水するような施工に適用することができる。
また、注入孔3の具体的な形状、寸法、本数に関する制限はなく、必要とされるグラウト注入領域の範囲に応じて適宜設定すればよいとされる。
2 止水プラグ
3 注入孔
3A 混合領域
4 注入管
10 グラウト
11 Ca型ベントナイトスラリー
12 ナトリウム溶液
D 掘削損傷領域
G グラウト注入領域
Claims (3)
- 岩盤の透水性を低下させるための岩盤におけるグラウト工法であって、
Ca型ベントナイトを水で溶解してなるCa型ベントナイトスラリー及びナトリウム溶液を混合する工程と、
前記混合してなる前記Ca型ベントナイトスラリー及び前記ナトリウム溶液を前記岩盤に注入する工程と、
を有していることを特徴とする岩盤におけるグラウト工法。 - 前記Ca型ベントナイトスラリー及び前記ナトリウム溶液を注入するための注入孔が前記岩盤に設けられ、
前記Ca型ベントナイトスラリー及び前記ナトリウム溶液は、前記注入孔の最深部で混合され、該最深部から前記岩盤に向けて注入されることを特徴とする請求項1に記載の岩盤におけるグラウト工法。 - 岩盤の透水性を低下させるための岩盤におけるグラウト工法であって、
ナトリウム溶液を前記岩盤に注入する工程と、
前記注入後に、前記ナトリウム溶液の注入領域にCa型ベントナイトを水で溶解してなるCa型ベントナイトスラリーを注入することで、前記Ca型ベントナイトスラリー及び前記ナトリウム溶液を混合する工程と、
を有していることを特徴とする岩盤におけるグラウト工法。
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