JP7477088B2 - 地中遮水壁の構築方法及び検定方法 - Google Patents

地中遮水壁の構築方法及び検定方法 Download PDF

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本発明は、地中遮水壁の構築方法及び検定方法、特に粘土系地中遮水壁の構築方法及び検定方法に関する。
従来、セメント系固化材を使用しないでベントナイト等の粉末粘土を地中に送り込み混合させて粘土遮水壁を構築する技術が開発されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、土壌汚染に対する厳しい対策基準や耐震性の観点を考慮し、かつ従来よりも高い遮水効果が長期間安定的に持続する地中遮水壁の構築方法が提案されている(特許文献3)。しかし、この特許文献3の地中遮水壁の構築方法には施工中に遮水壁の性能を適時(随時ないし逐次に)監視し、これを反映させて施工することについて記載がない。
特開2006-291703号公報 特開2003-129466号公報 特開2016-176198号公報
セメント系固化材でなくベントナイト等の、水膨潤性及び増粘性を有する粘土を用いる場合、構築過程での取り扱いの難しさがある。例えば、ナトリウム型ベントナイトは、泥水として用いる場合、その水膨潤による粘性増加による取り扱いにくさを回避するために相当程度泥水を希釈することが必要となる。そのため、十分な遮水性と耐久性のある遮水壁とするためのベントナイト必要量の調整が難しい。また、大量の泥水を用いなければならないため、廃土量が多くなりこれを産業廃棄物として処分しなければならない。一方、カルシウム型のベントナイトを用いる場合、泥水とした場合の粘性増加が大きくないので高濃度での扱いが可能である。しかし、粘度発現や水膨潤性に乏しいため、遮水壁として十分な遮水性が得られない。
一方、近年、水膨潤性及び増粘性を有する粘土を用いて土壌汚染に対する厳しい対策基準や耐震性に対処し廃土処理の問題を配慮し、かつ遮水壁の性能安定化ばかりでなく、施工の管理、効率化の問題をも解決し得る、地中遮水壁の構築方法の開発に対し要求が高まっている。
本発明は、上記の問題点に鑑み、水膨潤性及び増粘性を有する粘土を用いながら、廃土処理の問題を大きく低減しより優れた遮水性を備え、現地土に応じて地盤追従性と自己修復性とによる耐震性を有する地中遮水壁の造壁ができる地中遮水壁の構築方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は造壁中に、遮水壁の遮水性能を適時に(随時ないし逐次に)監視して、これを迅速に反映して調節し、施工を続行でき、形成遮水壁の性能安定化を図り、施工の効率化、ひいては工期短縮化も可能にする施工方法、及びそれを可能とする検定方法の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため種々検討を重ねた結果、多価陽イオンを有する層状珪酸塩鉱物を主成分とする粘土の泥水(A)を地中の地盤土砂の所定深さに注入したのち、深部泥水に1価の陽イオンのイオン交換剤の液(B)を注入して地中遮水壁を構築する工法であって、前記泥水(A)と1価の陽イオン交換剤の液(B)との造壁用イオン交換混合物の導電率を適時に測定し、この導電率を1価の陽イオン交換剤で多価陽イオン含有現地土を十分にイオン置換したときの置換量と導電率との関係を示す検量線が得られこと、これによって遮水壁の陽イオン混合量を検知することができること、及びこの陽イオン混合量に対応して泥水中の前記多価陽イオンに対して注入する1価の陽イオン交換剤の量に調節することにより地中遮水壁の性能を、造壁工程中も逐次監視でき、そして遮水壁の性能を安定化させて遮水性能の向上を図り、施工の効率化も可能とし得ることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づき、研究を重ねなされるに至ったものである。
本発明の上記課題は下記の手段により解決された。
1.掘削と造壁用泥水の混合撹拌とを行う掘削施工法により地中遮水壁を構築する方法であって、下記の工程(1)~(3)(以下、それぞれを、単に、工程(1)、(2)、(3)という)を有する地中遮水壁の構築方法。
(1)層間に多価陽イオンを有する層状珪酸塩鉱物を主成分とする粘土の泥水(A)を地中の現地土の所定深さにおいて、1価の陽イオン交換剤の液(B)と混合撹拌して造壁用イオン交換混合物に置換(変換)する
(2)前記泥水(A)と1価の陽イオン交換剤の液(B)との造壁用イオン交換混合物の導電率を適時に測定する
(3)この得られた導電率を、1価の陽イオンで多価陽イオン含有現地土をイオン置換したときのイオン交換混合物の1価の陽イオン交換剤量と導電率との関係を示す検量線に参照して、造壁用イオン交換混合物中の1価の陽イオンの混合量を検定する。
2.前記工程(3)ののち工程(4)前記1価の陽イオン混合量の検定結果を、造壁用イオン交換混合物に供給する1価の陽イオン交換剤の液(B)量にフィードバックする2項記載の地中遮水壁の構築方法。
3.泥水(A)とイオン交換剤の液(B)とを地盤土砂に注入する掘削と、地盤土砂との混合撹拌とを同時に行って所定深さの深部泥水とする掘削施工法を用いる1または2項記載の地中遮水壁の構築方法。
4.泥水(A)及び/又はイオン交換剤の液(B)が掘削施工機の掘削カッター先端部近傍より、地盤土砂に吐出され深部泥水として作用する1または2項記載の地中遮水壁の構築方法。
5.泥水(A)及び/又はイオン交換剤の液(B)が掘削施工機の掘削カッター先端部近傍であって周回するカッターチェーン下降側より、地盤土砂に吐出され深部泥水として作用する4項記載の地中遮水壁の構築方法。
6.前記多価陽イオンがカルシウムイオンである1~5のいずれか1項に記載の地中遮水壁の構築方法。
7.前記1価の陽イオンがナトリウムイオンである1~6のいずれか1項に記載の地中遮水壁の構築方法。
8.前記泥水(A)における粘土の濃度が50%以上である1~7のいずれか1項に記載の地中遮水壁の構築方法。
9.前記地盤土砂に対する前記泥水(A)の注入率が10%以上50%以下である1~8のいずれか1項に記載の地中遮水壁の構築方法。
10.前記地盤土砂と前記泥水(A)との混合物に対し、前記イオン交換剤の液(B)の注入率が5%以上25%以下である1~9のいずれか1項に記載の地中遮水壁の構築方法。
11.層間に多価陽イオンを有する層状珪酸塩鉱物を主成分とする粘土の泥水(A)の前記多価陽イオンを1価の陽イオンにイオン置換してイオン交換混合物を地中遮水壁用に調製するに当たり、前記地中遮水壁用イオン交換混合物中の1価の陽イオン混合量を、イオン交換混合物の1価の陽イオン交換剤の濃度と導電率との関係を示す検量線から検定する検定方法。
12.泥水(A)とイオン交換剤の液(B)が掘削施工機の掘削カッター先端部近傍より、地盤土砂に吐出される11記載の検定方法。
13.前記多価陽イオンがカルシウムイオンである11又は12記載の検定方法。
14.前記1価の陽イオンがナトリウムイオンである11~13のいずれか1項に記載の検定方法。
15.前記地中遮水壁1mに対し、前記イオン交換剤の液(A)の注入で得られた、層間に1価の陽イオンを有する層状珪酸塩鉱物を主成分とする粘土の含有量が50kg/m以上である11~15のいずれか1項に記載の検定方法。
本明細書において、「層間に多価陽イオンを有する層状珪酸塩鉱物を主成分とする粘土」を「多価陽イオン型粘土」という。また、該「多価陽イオン型粘土」を初期原料としてイオン交換により得られた「層間に1価の陽イオンを有する層状珪酸塩鉱物を主成分とする粘土」を「1価の陽イオン交換粘土」という。
その具体例として、層間にアルカリ土類金属イオンを有する粘土及びベントナイトをそれぞれ「アルカリ土類金属型粘土」、「アルカリ土類金属型ベントナイト」といい、層間の大半がカルシウムイオンを有する粘土及びベントナイトをそれぞれ「カルシウム型粘土」、「カルシウム型ベントナイト」という。また、これら「アルカリ土類金属型粘土」、「アルカリ土類金属型ベントナイト」を初期原料としてイオン交換により得られた、層間にアルカリ金属イオンを有する粘土及びベントナイトをそれぞれ「アルカリ金属交換粘土」、「アルカリ金属交換ベントナイト」といい、前記「カルシウム型粘土」、「カルシウム型ベントナイト」を初期原料としてイオン交換により得られた、層間にナトリウムイオンを有する粘土及びベントナイトをそれぞれ「ナトリウム交換粘土」、「ナトリウム交換ベントナイト」という。また、本明細書において、「ナトリウム型ベントナイト」、「1価の陽イオン型粘土」は、前記イオン交換で得られたものとは異なるもので、天然のものを意味する。
本発明は、廃土処理の問題を大きく軽減し、より優れた遮水性を備え、現地土に応じて地盤追従性と自己修復性とによる耐震性を有する地中遮水壁を構築することができる。また、造壁施工中に遮水壁の性能を適時に(逐次ないし随時に)短時間で、導電率で検定でき、遮水壁の造壁を監視、品質、性能を安定化し、施工の効率化、ひいては工期短縮化をも可能にすることができる。
さらに、本発明の検定方法によれば、上記の遮水壁の造壁を適時に、短時間で検定、ないし監視または制御することができる。
本発明に用いられる地中遮水壁を構築するための掘削機の一例を示す概略説明図である。 Na交換剤水溶液の濃度確認検量線(導電率)を示すグラフである。 現地土1mに対するCaベントナイト注入量(kg)に対比させたNa交換剤相当量に対する検量線(導電率)を示すグラフである。 実施例2における現地土1mへのNa交換剤の注入量(kg)を確認した検量線(導電率)を示すグラフである。
<地中遮水壁の構築方法>
本発明の地中遮水壁の構築方法の好ましい実施形態を以下に図面を参照して説明する。この形態では、多価陽イオン型粘土の泥水(A)を地中に、所定深さに注入(一次注入)し、地盤土砂(原位置土であり、現地土ともいう)と混合し均質にする。こうして遮水壁の前躯体を形成する。次いで、遮水性を付与するため前記多価陽イオン型粘土の多価陽イオンを1価の陽イオンに交換するイオン交換剤液(B)を注入(二次注入)し前記遮水壁の前躯体と混合して、粘土系の地中遮水壁を構築する。なお、一次注入及び二次注入後の混合は、例えば地中における攪拌などによって行うことができる。
この工程においては、後述のとおり、多価陽イオン型粘土を用いることで高濃度の泥水(A)を送り込むことができる。すなわち、粘土の大量注入が可能となり、地盤土砂との均質混合の精度が向上する。また、地中遮水壁として完成したときには、高水膨潤性の1価の陽イオン交換粘土に置換されており、地中遮水壁としての高い遮水性、可塑性を長期に持続することができる。
1価の陽イオンが十分に混練され、現地土、及び多価陽イオン型粘土(典型的にはCa型ベントナイト)と混合、置換して、均質な遮水体になっているかを導電率で確認できる。より詳しくは、現地土に設定したCa型ベントナイトに相当する1価の陽イオンが存在しているかの確認を素早く、精度よく知ることができる。その所定深さにCa型ベントナイトと1価の陽イオンが存在すればイオン交換は必然的に行われる。本発明において導電率は1価の陽イオンの置換に比例して測定値が変化するので正しく検量線を作成することが可能である。
前記「多価陽イオン型」は、粘土が有する層状珪酸塩鉱物の層間に取り込まれた陽イオンの電荷により決められる粘土の種類を意味する。この層間の陽イオンの電荷によって、粘土の水分散性、水膨潤性が異なり、それに伴って粘性が異なる。多価陽イオン型粘土は、1価の陽イオン型粘土に比べて、水膨潤性が低く、粘度発現も低い。この多価陽イオン型粘土を用いれば、高濃度の流動性のある粘土泥水(A)を調製することができる。
多価陽イオンとしては、特に制限なく、例えば2価イオンとしてはアルカリ土類金属のイオンなどが挙げられる。具体的には、カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)など2価以上の陽イオンが挙げられる。特に、イオン交換の速度の観点から、アルカリ土類金属のイオンが好ましく、カルシウムイオンが好ましい。すなわち、二次注入される泥水(A)の多価陽イオン型粘土としては、アルカリ土類金属型粘土が好ましく、カルシウム型粘土がより好ましく、とりわけカルシウム型ベントナイトを用いることが特に好ましい。
1価の陽イオンとしては、特に制限なく、例えばアルカリ金属のイオンなどが挙げられる。具体的には、ナトリウムイオン(Na)、リチウムイオン(Li)等が挙げられる。その中でも、費用対効果及び安全性の観点から、アルカリ金属のイオンが好ましく、ナトリウムイオン(Na)が好ましい。すなわち、二次注入で得られる地中遮水壁が含有する粘土は、アルカリ金属交換粘土が好ましく、ナトリウム交換粘土がより好ましく、とりわけナトリウム交換ベントナイトであることが特に好ましい。また、本発明における地中遮水壁において、ナトリウムイオン(Na)のみを含有するものに限らず、ナトリウムイオン(Na)と他の1価の陽イオンとを含有するものであってもよい。
本発明において、一次注入される多価陽イオン型粘土、一次注入及び二次注入、一次注入に用いる泥水(A)の調製、及び一次注入に用いる泥水(A)の濃度の各詳細については、特開2016-176198号公報の段落[0014]~[0015]に記載した内容のとおりであり、それらをここに援用して、発明の詳細な説明の記載とする。
前記泥水(A)の、注入対象の地盤土砂に対する注入率は、外割で、10%以上50%以下が好ましく、20%以上50%以下がより好ましく、20%以上30%以下が更に好ましい。注入率が低すぎるとベントナイトの必要量不足、均質混合性の低下となり、高すぎると排土・排泥量が極端に多くなる。なお、ここでいう泥水(A)の注入率は、地盤土砂の土量1mに対する注入容量(m)を示す。(本明細書で特に断らない限り組成を表す%は容量%を示す。)
さらに、一次注入後の粘土と地盤土砂との混合土1mに対する、注入粘土の含有量は、50kg/m以上が好ましく、60kg/m以上がより好ましく、65kg/m以上が更に好ましい。含有量が少なすぎると十分な遮水性や可塑性が得られなくなる。またその上限は特に無く、求める遮水性や地盤土砂の特徴にあわせて適宜決められる。
このように、一次注入では高濃度の泥水(A)を用いるため、地中に注入する際に比較的少ない泥水(A)で、必要量の粘土を地中に送ることができる。しかも、該泥水(A)は、適度な粘性であり流動性が長時間維持されたものとなり、地盤土砂に注入しやすく、拡散・混合に際して負荷が掛からず効率よく構築できる。これにより、地盤土砂に対する多価陽イオン型粘土の含有割合を精度よく制御することができ、また、地盤土砂と多価陽イオン型粘土との均質な混合が可能となる。加えて、粘土の粉末による注入が無いので、発塵などがなく作業環境の改善が期待できる。
一次注入においては、前述した泥水(A)を、地中の遮水壁を構築したい所定深さに直接注入する。ここでいう「所定深さ」とは、遮水壁を構築する場所の範囲を意味しており、地表から一定深さにおける1地点、地表から一定深さまでの領域、及び地表から一定深さの地点からさらに一定深さまでの領域のいずれをも含む意味である。また、遮水壁前躯体及びその後に完成する遮水壁が前記所定深さで所定長さ、所定厚さとなるよう、地中における所定容積に対して一次注入を行うことができる。例えば、粒子の粗い砂質分の多い地層の範囲に合わせて行うことができる。その場合、地表の1箇所からの注入、複数個所からの注入のいずれの方法であってもよい。
このようにして上記の工程により、粘土を高濃度かつ均質とした遮水壁前躯体形成することができる。
なお、前記泥水(A)と地中の地盤土砂との混合は、上記の一次注入と同時、又は、その後に行うことができる。
次いで、二次注入では、多価陽イオン型粘土をイオン交換剤で層間イオン交換した、1価陽イオン交換粘土に置換する。その際、粘土と地盤土砂との均質化は保持されたまま、粘土の性質を、高水膨潤性で可塑性を備えたものに変えることができる。すなわち、一次注入及び二次注入の工程を経ることで、1価陽イオン交換粘土と地盤土砂とが均質混合された、柔軟性と一体性を備えた可塑体の遮水壁が地中に構築される。
上記のイオン交換剤は液(B)として二次注入される。この液としては、遮水壁前躯体中の多価陽イオンをイオン交換できるものであればどのような形態でもよい。例えば、溶液や混合物、スラリーなど種々の液状物などが挙げられる。液状にする媒体としては、通常用いられるものを特に制限なく採用でき、通常は水(水道水、地下水など)を使用する。
二次注入における、前記イオン交換剤の液(B)の、注入対象の地盤土砂及び一時注入された泥水(A)の合計容量に対する注入率は、外割で、5%以上25%以下が好ましく、5%以上15%以下がより好ましく、5%以上12%以下が更に好ましい。注入率が低すぎると完全にナトリウム置換できず、高すぎると余剰イオンとなり無駄となる。なお、ここでいうイオン交換剤の注入率は、対象の地盤土砂及び泥水(A)の合計容量1mに対する注入容量(m)を示す。
また、イオン交換剤の液(B)について、一次注入された泥水(A)中の粘土の陽イオンを完全に1価の陽イオンに交換するために必要な1価の陽イオン量を100(等量)とした場合のイオン交換剤の比は、100以上が好ましく、110以上150以下がより好ましく、115以上120以下が更に好ましい。
したがって、本発明の方法で得られる地中遮水壁中の1価の陽イオン交換粘土の含有量としては、地中遮水壁1mに対し、50kg/m以上が好ましく、60kg/m以上がより好ましく、65kg/m以上が更に好ましい。含有量が少なすぎると十分な遮水性や可塑性が得られない。またその上限は特に無く、求める遮水性や地盤土砂の特徴にあわせて適宜決められる。
前記イオン交換剤と地盤土砂及び多価陽イオン型粘土の混合物(遮水壁の前躯体)との混合は、上記の二次注入と同時、又は、その後に行うことができる。
これにより得られる地中遮水壁は、粘土系地中遮水壁であり、地中の土砂(特に、粒子の粗い砂質分の多い土砂)を改質し、透水係数1×10-9m/秒未満とすることができ、本発明の構築方法を用いない従来工法によるものに比べて高いレベルの遮水性を備えたものとすることができる。しかも、前述のように、高濃度で低粘度発現の泥水(A)を用いた一次注入時の均質化で、二次注入後の粘土による遮水性にムラの無いものとなる。なお、前記「透水係数」はJIS A 1218:2009「土の透水試験方法」に準拠して測定することができる。
なお、本発明の地中遮水壁が有し得る前記透水係数1×10-9m/秒未満は、1(地盤工学会室内試験規格・基準委員会編集「地盤材料試験の方法と解説」-二分冊の1-、(社)地盤工学会、平成21年11月25日、450頁「図4-透水性と試験方法との適用性」の一部抜粋)に示すように、「実質上不透水」の領域であり、極めて高い不透水性を示す。
さらに、地盤土砂中に均質に存在する1価の陽イオン交換粘土の可塑性により、地中遮水壁全体が、亀裂を生じ難く、地盤追従性と自己修復性とによる耐震性を有する。しかも、有機材料を含まない無機の粘土を用いているため、腐敗による劣化がない。このように、得られる地中遮水壁は耐久性に優れ、長期間、高い遮水性を保持することができる。
上記の特性の詳細については、特開2016-176198号公報の段落[0030]~[0031]に記載した内容のとおりであり、また、本発明の地中遮水壁の構築に用いられる粘土、イオン交換剤及び上記の多価陽イオン型粘土の泥水(A)の調製に用いる分散媒については、上記特許公開公報の段落[0032]~[0033]に記載した内容のとおりであるので、それらを全てここに援用して、本発明の詳細な説明の記載とする。
また、本発明の地中遮水壁の構築方法によれば、構築する地中の深さや、該地中遮水壁の大きさ(幅、厚み、深さ)を任意のものとでき、その場合も、均質な遮水性を長期間の保持する地中遮水壁を構築できる。これにより、汚染土や汚染水の囲い込み、地下水の流出入の遮断を長期的かつ効果的に行うことができる。
<地中遮水壁を構築する施工方法>
本発明の上記の地中遮水壁の構築方法の好ましい一実施形態を説明する。前記の一次注入及び二次注入、及び混合を行うに当たり、機械及び装置としては、地中遮水壁を構築するための原位置土攪拌工法に用いられる等厚式ソイルセメント地中連続壁施工機等の掘削施工機及び装置を用いて又はそれを一部変更して行うことができる。この施工では水、ベントナイト、添加剤を混練した掘削液を注入し、掘削土を流動化(スラリー化)させ、原位置の溝の中で、流動化した掘削土に固化液を添加して混合・撹拌する。
具体的には、地中連続壁は、地盤にチェーンソー型のカッター(カッターポスト)を挿入し地盤に横方向から押付けた状態で、カッターチェーンを周回(地表面から下降させ、地盤の底部から転回して地表面に上昇する)させることにより地盤を掘削し、その掘削土に固化液を混合させ、原位置の掘削溝の中で固化させた地中壁である。
この方法において、混合・撹絆という特別な装置は必要なく、掘削する時点で切込み深さをコントロールしながら、地山面を掘削チェーンの歯で細かく削りほぐすことで、固化液をほぐされた土砂に十分に混ぜることができる。
図1は本発明に用いられる地中遮水壁を構築するための掘削機の一例10を示す概略説明図である。図中1は地盤を掘削するカッターポスト、2はこのカッターカッターポストを駆動回転する駆動部、3はカッターポストの周り上下に回動する周囲外面に歯部を設けた掘削チェーン(チェーンソー)、4はカッターポスト1から、多価陽イオンを有する層状珪酸塩鉱物を主成分とする粘土の泥水(A)、1価の陽イオン交換剤の液(B)等を、地盤に吐出する吐出部でありこの図では吐出口は、2種の吐出口を有し、高濃度Ca型ベントナイト泥水吐出口41及び1価陽イオン水溶液吐出口42を有するのが好ましい。吐出部4はカッターポストの先端部近傍で、回動する掘削チェーン3の地山側の下降方向の位置に配設するのが好ましい。5、5はカッターポスト1の周りを上下に回動する掘削チェーン3の回転方向を示す。地山側5が下降方向、フレックスエコウォール側5が上昇方向である。6は導電率を測定する試料の好ましい採取箇所を示す。吐出部4への材料の送入は、カッターポストの内部配管4a,4b(一点鎖線で示す)によって、多価陽イオンを有する層状珪酸塩鉱物を主成分とする粘土の泥水(A)、及び1価の陽イオン交換剤の液(B)をそれぞれ送り込むことができる。
この掘削機10を用いて地中遮水壁の構築をさらに詳細に説明する。
工程(1)は、掘削機10ではなくとも、プラントのミキサー(図示しない)で層状珪酸塩鉱物を主成分とする粘土の泥水(A)と1価の陽イオン交換剤の液(B)を別々のミキサーで作液することができる。
ここで、泥水(A)はアジテーダ内(ミキサーから排出した泥水(A)を貯留するところ(図示しない)から採取し、陽イオン交換剤の液(B)はミキサー内から採取し、現地土と混合する。
この時、工程(2)の前段階として設定どおりの濃度に適切に調整されているかを検定するための、造壁用イオン交換混合物の導電率を測定して検量線を設定する。この検量線を用いて工程(2)、(3)を行う。工程(4)は工程(3)続いて行うのが好ましい。
本発明において、吐出部4をカッターポストの先端部近傍で、回動する掘削チェーンの下降方向の位置に配設した場合、多価陽イオンを有する層状珪酸塩鉱物を主成分とする粘土の泥水(A)、1価の陽イオン交換剤の液(B)を、地盤に吐出すると、カッターポスト1の周りを上下に回動する掘削チェーンによって、1価の陽イオンが、現地土、Ca型ベントナイトと十分に混練される。
本発明によれば、混練した混合物が均質な遮水体になっているかを確認する手段として導電率を採用することができる。そこにCa型ベントナイトと1価の陽イオンが存在すればイオン交換は必然的に行われる。導電率は陽イオン量に比例して数値が変化するので正しく検量線を作成することが可能となる。勿論現地土にも陽イオンが存在するので導電率として測定される。したがって遮水壁を造成するには現地土が必要である。現場で工法を実施するには、現地土は数カ所必ずボーリングにより造成深さまでサンプリングし、そのサンプルを均一混合したものを現地土として用いる。
導電率を測定する試料は、工程(3)の段階で掘削機により十分に現地土と混練された際に採取し設定量を調べる。こうして、工程(4)に反映させ、フィードバックに使用できる検量線ができる。こうして均一にした現地土に段階的にCa型ベントナイトを配合し、それに相当する1価の陽イオンを混合させて、導電率の測定方法に準じて検量線を作成する。
導電率を測定する試料の採取は、表層付近より採取することが容易であり、TRD機の進行方向に対して反対側である後部のカッターチェーン3が地上方向に上昇した地表近傍の表層部の箇所6において行うのが好ましい。
地中に建て込んだチェーンソー型のカッターポストをベースマシンと接続し、横方向に移動させて、溝の掘削と液の注入、原位置土との混合・撹拌を行い、地中に連続した壁を造成できる。
<地中遮水壁用遮水体の導電率に基づく検定方法>
本発明の地中遮水壁の構築方法は導電率に基づく検量線を作製する検定方法を用いて行う。
前記1価の陽イオン混合量を、遮水壁形成用の深部泥水の1価の陽イオン交換剤の濃度と導電率との関係を示す検量線から検定する。検量線の作成は具体的には以下のようにして行うことができる。地中に送り込む炭酸ナトリウム水溶液が設定された濃度になっていることを導電率で検定するが、これに加えて適宜に、均質混合液の比重を測定してよい。このように二段の確認を行うことで、より高い、混合均質精度の安定、維持が図ることができる。また、測定時間が数分と短いため修正が可能となる。
[Na交換剤水溶液の濃度確認検量線(導電率)の作成]<陽イオン交換剤がNa交換剤の例で示す>
Na交換剤を設定量溶解したNa交換剤水溶液(現場溶解ミキサー内)からピペットにより5ml採取し、100mlトールビーカーに完全に注入する。その後、蒸留水100mlを加え撹拌した後に導電率計で導電率を測定する。Na交換剤水溶液の外割り濃度18~21質量%に対する導電率を検量線として図2に示した。
[遮水壁形成用の深部泥水の1価の陽イオン交換剤の濃度と導電率との関係を示す検量線の作成]<陽イオン交換剤がNa交換剤、多価陽イオン型粘土がCaベントナイトの多価陽イオンの例で示す>
電子天秤を用い、遮水体100gを500mlの栓付きポピーカーに入 れる。その後、蒸留水300mlを注入し栓をして十分に振とうす る。撹拌後3分間そのまま静置させ再度十分に振とう後に導電率 計で導電率を測定する。左図より現地土1mに対するNa交換剤 注入量を算出する。現地土1mに対するCaベントナイト注入量(kg)に対比させたNa交換剤相当量に対する導電率のグラフ(検量線)を図3に示した。これが遮水壁形成用の深部泥水の検量線となる。
遮水体の採取方法は2種類に大別され、これは、上述のように掘削遮水体表面(上部)からの採取する方法と採取器を用いて遮水体造成直後に遮水体中を地表面から深度方向に下降させて予定深度の遮水体を採取方法である。Na交換剤は、Ca型ベントナイト中のCaイオンをNaイオンに置換するのに必要な計算量の1.5~2倍量を設定し注入するのが基本である。
導電率が下限値(図3の検量線値)を下回る場合は、Na交換剤水溶液の流量計で即時に調整(フィードバック)を行う。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書において組成を示す「部」および「%」とは特に断らない限りいずれも質量基準である。
実施例1
地表面より深さ7m,厚さ55cmの遮水壁造成対象の地盤は、地表より砂混じりシルト、シルト混じり細砂,シルトの3層である。
図1のTRD機によりカッターポスト1の先端部のカッターポスト先端アイドラー1a近傍の(例えば50cm上方、回動上流側)吐出部4の2種の吐出口41,42より、順にそれぞれ、濃度60%Ca型ベントナイトスラリー及び濃度20%Na交換剤水溶液を設定量で吐出させカッターチェーン3により均一に撹拌、混合した。
TRD機の造成速度は4m/hr,濃度60%Ca型ベントナイトスラリーの注入率は23.85%,濃度20%Na交換剤水溶液の注入率は4.31%とした。
注入率とは、地盤1mに対して注入する容量を%で表現したもので、例えばベントナイトスラリー200Lを注入するとなると、注入率は20%と表す。
濃度60%Ca型ベントナイトスラリー及び濃度20%Na交換剤水溶液の注入率の設定は、造成地盤1mに対してCa型ベントナイトを110kg混合した。Na交換剤はそのCa型ベントナイト層間のCaイオンをNaイオンに置換することで高い膨潤性(すなわち、遮水性が高い)に変換するのに必要な量の1.5倍量とした。

以上の設定により撹拌、混合された遮水体を地表面より採取し、その遮水体中のNa交換剤の量を検定した。
検定方法は、図3に示した遮水壁構築工法 「現地土1mへのNa交換剤の注入量確認方法及び検量線」に従って行った。
具体的には、本現場は予め110kgのCa型ベントナイトを造成地盤1mに対して高濃度スラリーとして注入、混合するとして設計した。
本施工を実施した状況としては、Na交換剤の均一混合を導電率により採取地点を設定し確認しているが、本造成現場の基準管理範囲とする導電率は960±50μs/cmであり、これは設計された遮水体の透水係数1×10-8m/秒以下を十分に確保されるものであった。
基準管理範囲とする導電率の960±50(μs/cm)は、遮水体1m中のCa型ベントナイトが100~120kg含有するものに対応させたものである。下記の方法による透水試験(遮水性試験)の値は5.25×10-10m/秒であった。
例外的にその基準管理範囲を超えた場合の対処方法の一例として示す。
確認すべき造成地点で掘削中の掘削遮水体表面(上部)より採取した遮水体の導電率は1,050(μs/cm)であったため、再サンプリングを行い、導電率を測定した結果1,120(μs/cm)であり図3の検量線から、Na交換剤液が過剰に送液されていると判断されるので吐出部4からの吐出量をNa交換剤として8.2(kg/対象土1m3当り)を7.7(kg/対象土1m3当り)に下げた。その結果、遮水体の導電率は980(μs/cm)に下げることができた。
過剰気味に注入されたNa交換剤水溶液については遮水体採取から導電率の結果得られるまでは5分以内で結果が得られるためその間の掘削は進行させずに撹拌待機状態とした。
この地点の結果は管理幅よりも高めであったものの、管理幅から下限の場合は流量計により流量(吐出部4からの吐出量)を直ちに適切に増やし、逆に管理幅の上限を超えた場合は流量を直ちに適切に減少させることによって適切量が遮水体中に分散、反応されるように監視した。
なおこの実施例では、造成前の地盤のボーリングコア調査サンプルを用いて、そのボーリングコア7m分を均一に混合して対象地盤として検量線作成に用いた。
採取した遮水体の計測された導電率は960μs/cmであり、検量線から得られたCa型ベントナイト110kgをNa型に交換させるのに必要な量が含有していることが確認された。
Ca型ベントナイトの含有量については、別途の検定方法で確認することが可能である。
また、地盤に注する前段階のプラントで作製する濃度60%Ca型ベントナイトスラリーは比重を測定して測定できる。Na交換剤水溶液の濃度は図2のグラフによって確認した。
(透水試験(遮水性試験))
上記の実施例1、比較例1及び2の各試料について、水道水を用いて水頭200cm定水位で透水試験を行った。各試料についてそれぞれ3回行い、3回目の測定値をその試料の透水係数とした。該透水係数は、JIS A 1218:2009「土の透水試験方法」に準拠して測定した。
実施例2
選定した現地土を用い、その現地土1mに対してCa型ベントナイトを100kg~150kg配合する際の設計配合として、Na交換剤を用いCa型ベントナイトをNa型に置換するのに必要な炭酸ナトリウムを配合した場合を示す。
その際の現地土の含水比、密度とCa型ベントナイト濃度及びNa交換剤量とNa交換剤水溶液濃度について表1で記し、上記の測定方法で検量線を作成した。
具体的には、現地土の密度を1.8g/cm、その自然含水比を38.5%と設定し、そこに表1で示したように、現地土1mに対してCa型ベントナイ量を100kg~150kg注入量としたCa型ベントナイト泥水と、Na交換剤(炭酸ナトリウム)(下記表でイオン交換剤と表記)をNa交換剤水溶液として配合、均一混練し、作製した遮水体について、上記の測定方法で導電率を測定し検量線を作成した。これを図4に示した。
Figure 0007477088000001
10 等厚式ソイルセメント地中連続壁施工機
1 掘削するカッターポスト
1a カッターポスト先端アイドラー
2 駆動部、
3 掘削チェーン(チェーンソー)
4 吐出部
4a カッターポストの内部配管(粘土の泥水(A)送り込み用)
4b カッターポストの内部配管 (1価の陽イオン交換剤の液(B)送り込み用)
41 高濃度Ca型ベントナイト泥水吐出口
42 1価陽イオン水溶液吐出口
5 掘削チェーンの回転方向
6 導電率測定試料の採取箇所

Claims (15)

  1. 掘削と造壁用泥水の混合撹拌とを行う掘削施工法により地中遮水壁を構築する方法であって、下記の工程(1)~(3)(以下、それぞれを、単に、工程(1)、(2)、(3)という)を有する地中遮水壁の構築方法。
    (1)層間に多価陽イオンを有する層状珪酸塩鉱物を主成分とする粘土の泥水(A)を地中の現地土の所定深さにおいて、1価の陽イオン交換剤の液(B)と混合撹拌して造壁用イオン交換混合物に置換する
    (2)前記泥水(A)と1価の陽イオン交換剤の液(B)との造壁用イオン交換混合物の導電率を適時に測定する
    (3)この得られた導電率を、1価の陽イオンで多価陽イオン含有現地土をイオン置換したときのイオン交換混合物の1価の陽イオン交換剤量と導電率との関係を示す検量線に参照して、造壁用イオン交換混合物中の1価の陽イオンの混合量を検定する。
  2. 前記工程(3)の後、工程(4)として前記1価の陽イオン混合量の検定結果を、造壁用イオン交換混合物に供給する1価の陽イオン交換剤の液(B)量にフィードバックする請求項1記載の地中遮水壁の構築方法。
  3. 泥水(A)とイオン交換剤の液(B)とを地盤土砂に注入する掘削と、地盤土砂との混合撹拌とを同時に行って所定深さの深部泥水とする掘削施工法を用いる請求項1または2記載の地中遮水壁の構築方法。
  4. 泥水(A)及び/又はイオン交換剤の液(B)が掘削施工機の掘削カッター先端部近傍より、地盤土砂に吐出され深部泥水として作用する請求項1または2記載の地中遮水壁の構築方法。
  5. 泥水(A)及び/又はイオン交換剤の液(B)が掘削施工機の掘削カッター先端部近傍であって周回するカッターチェーン下降側より、地盤土砂に吐出され深部泥水として作用する請求項4記載の地中遮水壁の構築方法。
  6. 前記地盤土砂に対する前記泥水(A)の注入率が10%以上50%以下である請求項3~5のいずれか1項に記載の地中遮水壁の構築方法。
  7. 前記地盤土砂と前記泥水(A)との混合物に対し、前記イオン交換剤の液(B)の注入率が5%以上25%以下である請求項3~6のいずれか1項に記載の地中遮水壁の構築方法。
  8. 前記多価陽イオンがカルシウムイオンである請求項1~のいずれか1項に記載の地中遮水壁の構築方法。
  9. 前記1価の陽イオンがナトリウムイオンである請求項1~のいずれか1項に記載の地中遮水壁の構築方法。
  10. 前記泥水(A)における粘土の濃度が50%以上である請求項1~のいずれか1項に記載の地中遮水壁の構築方法。
  11. 層間に多価陽イオンを有する層状珪酸塩鉱物を主成分とする粘土の泥水(A)の前記多価陽イオンを1価の陽イオンにイオン置換してイオン交換混合物を地中遮水壁用に調製するに当たり、前記地中遮水壁用イオン交換混合物中の1価の陽イオンの混合量を、イオン交換混合物の1価の陽イオン交換剤の濃度と導電率との関係を示す検量線から検定する検定方法。
  12. 泥水(A)とイオン交換剤の液(B)が掘削施工機の掘削カッター先端部近傍より、地盤土砂に吐出される請求項11記載の検定方法。
  13. 前記地中遮水壁1mに対し、前記イオン交換剤の液()の注入で得られた、層間に1価の陽イオンを有する層状珪酸塩鉱物を主成分とする粘土の含有量が50kg/m以上である請求項12に記載の検定方法。
  14. 前記多価陽イオンがカルシウムイオンである請求項11~13のいずれか1項に記載の検定方法。
  15. 前記1価の陽イオンがナトリウムイオンである請求項11~14のいずれか1項に記載の検定方法。
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