JP2015214838A - 改良地盤の品質管理方法及び品質管理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係る改良地盤の品質管理方法及び品質管理装置は、例えば、地震による液状化現象が懸念される軟弱地盤等に対して薬液注入を行って地盤改良を行う際に、改良後の地盤に対して透水係数、電気伝導度、地盤の強度分布を測定して、改良が良好に行われていることを確認するための技術である。
本発明に係る改良地盤の品質管理方法及び品質管理装置では、地盤改良が良好に行われているか否かを判定するために管理値を設定する必要がある。管理値は、室内試験により求めることができる。具体的には、まず、設計基準強度と薬液混入率との関係を室内配合試験により求める。そして、設計基準強度に基づいて目標強度を求め、当該目標強度を満足する薬液混入率を薬液混入率管理値とする。
本発明の実施形態に係る改良地盤の品質管理装置では、透水係数を測定するために、水圧式コーンからなる貫入コーン10を使用する。この貫入コーン10は、図2に示すように、ボーリングロッド21の先端に取り付けて使用する測定機器であり、ボーリングマシン20を用いて、改良後の地盤中に貫入コーン10を貫入することにより透水係数を測定する。
改良後の地盤の透水係数を測定するには、地盤中に貫入コーン10を貫入して、所定の貫入深度(例えば、10cm間隔)毎に貫入コーン10の貫入を停止する。そして、水吐出口12から、流量を変化させながら地盤中に水を吐出して、圧力計11により、水吐出口12から吐出する水の圧力を測定する。水吐出口12から吐出する水の流量の変化と圧力値とを測定したら、水の吐出流量と吐出圧力との関係に基づいて、貫入深度毎の透水係数を求める。
本実施形態では、透水係数を測定する際に、電気伝導度計13を用いて、改良後の地盤の電気伝導度を測定する。測定した電気伝導度は、電気伝導度管理値と比較し、目標強度を満足しているか否かの判定に用いる。
本発明に係る改良地盤の品質管理方法及び品質管理装置では、音響トモグラフィー装置を用い、原位置にて、改良後の地盤における品質確認を行う。この音響トモグラフィー装置は、図3に示すように、改良対象地盤を間に挟んだ地盤中に、音波を発生する音波発生器31と、上下方向に配列した複数の音波受信器32とを設置して構成する。そして、音波発生器31から発生した音波を各音波受信器32で受信して、音波の到達時間と振幅とに基づいて、弾性波速度とエネルギー減衰の分布を求める。
本発明に係る改良地盤の品質管理装置40は、図4に示すように、貫入コーン10と、透水係数演算手段41と、透水係数比較手段42と、改良判断手段43とを備えている。また、品質管理装置40の構成要素として、音響トモグラフィー装置を付加してもよく、この場合には、地盤強度分布推定手段44が品質管理装置40の構成要素となる。
透水係数演算手段41は、貫入コーン10の貫入深度を変更しながら、水の流量変化と水の吐出圧力とに基づいて、当該深度における地盤の透水係数を求めるための手段である。
透水係数比較手段42は、透水係数演算手段41の演算により求めた透水係数と、予め定めた管理値とを比較するための手段である。
地盤強度分布推定手段44は、音波発生器31から発生した音波が、地盤中を伝搬して音波受信器32により受信される過程における音波の到達時間と振幅とに基づいて、弾性波速度とエネルギー減衰の分布を求めるとともに、弾性波速度とエネルギー減衰の分布とに基づいて、改良後の地盤の強度分布を推定するための手段である。
改良判断手段43は、測定する対象に応じて、判断基準が異なっている。すなわち、透水係数を判断対象とする場合には、改良判断手段43により、貫入コーン10の貫入深度毎に、透水係数が管理値を満足している場合に、当該地盤の改良が良好に行われていると判断する。また、透水係数及び電気伝導度を判断対象とする場合には、改良判断手段43により、測定により求めた透水係数及び電気伝導度の双方が、それぞれ管理値を満足している場合に、地盤改良が良好に行われていると判断する。また、透水係数及び地盤の強度分布を判断対象とする場合には、改良判断手段43により、透水係数が管理値を満足し、かつ地盤の強度分布が適正であると認められる場合に、地盤改良が良好に行われていると判断する。また、透水係数、電気伝導度、地盤の強度分布を判断対象とする場合には、改良判断手段43により、測定により求めた透水係数及び電気伝導度の双方がそれぞれ管理値を満足し、かつ地盤の強度分布が適正であると認められる場合に、地盤改良が良好に行われていると判断する。
また、図示しないが、光ファイバ温度計を用いて、薬液注入により形成した地盤改良体の改良径をリアルタイムに確認することができる。光ファイバ温度計は、光ファイバケーブルを使用した温度計測システムであり、深度方向に連続的な温度計測が可能である。
図5を参照して、本発明に係る改良地盤の品質管理方法の手順について説明する。本発明に係る改良地盤の品質管理方法では、図5に示すように、改良後の地盤中に貫入コーン10を貫入して、所定の貫入深度毎に当該貫入コーン10の貫入を停止する。そして、当該貫入深度において、貫入コーン10の先端部付近に設けた水吐出口12から、流量を変化させながら地盤中に水を吐出し、水吐出口12から吐出する水の圧力を測定する。
11 圧力計
12 水吐出口
13 電気伝導度計
20 ボーリングマシン
21 ボーリングロッド
31 音波発生器
32 音波受信器
33 計測孔
40 品質管理装置
41 透水係数演算手段
42 透水係数比較手段
43 改良判断手段
44 地盤強度分布推定手段
50 コンピュータ
51 表示装置
Claims (6)
- 改良後の地盤に対して良好な地盤改良が行われているか否かを判断するための方法であって、
改良後の地盤中に貫入コーンを貫入して、所定の貫入深度毎に当該貫入コーンの貫入を停止し、
前記貫入コーンの先端部付近に設けた水吐出口から、流量を変化させながら前記地盤中に水を吐出し、
前記水吐出口から吐出する水の圧力を測定し、
水の吐出流量と吐出圧力との関係に基づいて、前記貫入深度毎の透水係数を求め、
前記各貫入深度において求めた透水係数と、予め定めた透水係数の管理値とを比較し、
前記測定により求めた透水係数が前記管理値を満足している場合に、地盤改良が良好に行われていると判断する、
ことを特徴とする改良地盤の品質管理方法。 - 前記貫入コーンの先端付近に設けた電気伝導度計により、前記改良後の地盤の電気伝導度を測定し、
前記各貫入深度において求めた電気伝導度と、予め定めた電気伝導度の管理値とを比較し、
前記測定により求めた透水係数及び電気伝導度の双方が、それぞれ前記管理値を満足している場合に、地盤改良が良好に行われていると判断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の改良地盤の品質管理方法。 - 前記改良後の地盤中に、音波を発生する音波発生器と、当該音波発生器から発生する音波を受信する音波受信器とを設置し、
前記音波発生器から発生した音波が、前記改良後の地盤中を伝搬して前記音波受信器により受信される過程における音波の到達時間と振幅とに基づいて、弾性波速度とエネルギー減衰の分布を求め、
前記弾性波速度と前記エネルギー減衰の分布とに基づいて、前記改良後の地盤の強度分布を推定し、
前記測定により求めた透水係数が前記所定の管理値を満足し、かつ地盤の強度分布が適正である場合、あるいは前記測定により求めた透水係数及び電気伝導度が前記所定の管理値を満足し、かつ地盤の強度分布が適正である場合に、地盤改良が良好に行われていると判断する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の改良地盤の品質管理方法。 - 改良後の地盤に対して良好な地盤改良が行われているか否かを判断するために使用する装置であって、
地盤中に貫入可能であり、先端部付近に、水の流量を変化させながら、水を地盤中に吐出するための水吐出口と、当該水吐出口から吐出する水の圧力を測定するための圧力計とを有する貫入コーンと、
前記貫入コーンの貫入深度を変更しながら、前記水の流量変化と前記水の吐出圧力とに基づいて、当該深度における地盤の透水係数を求める透水係数演算手段と、
前記透水係数と、予め定めた管理値とを比較する透水係数比較手段と、
前記貫入コーンの貫入深度毎に、前記透水係数が前記管理値を満足している場合に、当該地盤の改良が良好に行われていると判断する改良判断手段と、
を備えたことを特徴とする改良地盤の品質管理装置。 - 前記貫入コーンの先端付近に前記改良後の地盤の電気伝導度を測定するための電気伝導度計を設け、
前記改良判断手段は、測定により求めた透水係数及び電気伝導度の双方が、それぞれ前記管理値を満足している場合に、地盤改良が良好に行われていると判断する、
ことを特徴とする請求項4に記載の改良地盤の品質管理装置。 - 前記改良後の地盤中に設置した音波を発生する音波発生器、及び当該音波発生器から発生する音波を受信する音波受信器と、
前記音波発生器から発生した音波が、前記改良後の地盤中を伝搬して前記音波受信器により受信される過程における音波の到達時間と振幅とに基づいて、弾性波速度とエネルギー減衰の分布を求めるとともに、弾性波速度とエネルギー減衰の分布とに基づいて、前記改良後の地盤の強度分布を推定する地盤強度分布推定手段と、
を備え、
前記改良判断手段は、前記測定により求めた透水係数が前記所定の管理値を満足し、かつ地盤の強度分布が適正である場合、あるいは前記測定により求めた透水係数及び電気伝導度が前記所定の管理値を満足し、かつ地盤の強度分布が適正である場合に、地盤改良が良好に行われていると判断する、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の改良地盤の品質管理装置。
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