JP2008279346A - 地層処分施設及びその構築方法 - Google Patents

地層処分施設及びその構築方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008279346A
JP2008279346A JP2007124869A JP2007124869A JP2008279346A JP 2008279346 A JP2008279346 A JP 2008279346A JP 2007124869 A JP2007124869 A JP 2007124869A JP 2007124869 A JP2007124869 A JP 2007124869A JP 2008279346 A JP2008279346 A JP 2008279346A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
disposal
tunnel
main tunnel
zone
geological
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007124869A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4798057B2 (ja
Inventor
Yasuhiro Suyama
泰宏 須山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp filed Critical Kajima Corp
Priority to JP2007124869A priority Critical patent/JP4798057B2/ja
Publication of JP2008279346A publication Critical patent/JP2008279346A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4798057B2 publication Critical patent/JP4798057B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E21EARTH DRILLING; MINING
    • E21BEARTH DRILLING, e.g. DEEP DRILLING; OBTAINING OIL, GAS, WATER, SOLUBLE OR MELTABLE MATERIALS OR A SLURRY OF MINERALS FROM WELLS
    • E21B41/00Equipment or details not covered by groups E21B15/00 - E21B40/00
    • E21B41/005Waste disposal systems
    • E21B41/0057Disposal of a fluid by injection into a subterranean formation
    • E21B41/0064Carbon dioxide sequestration
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02CCAPTURE, STORAGE, SEQUESTRATION OR DISPOSAL OF GREENHOUSE GASES [GHG]
    • Y02C20/00Capture or disposal of greenhouse gases
    • Y02C20/40Capture or disposal of greenhouse gases of CO2

Abstract

【課題】放射性廃棄物等の地層処分において、不均質な地質環境で多数の破砕帯が存在する場合でも、破砕帯を避けて処分坑道や内部主要坑道を掘削形成することで、健全な処分坑道を多数掘削形成でき、破砕帯の突破(掘削)を避けることで、湧水対策や止水プラグ設置数を減らし、コストの低減や工期の短縮等を図る。
【解決手段】外周主要坑道3Aの掘削時に外周主要坑道3Aを横断する破砕帯の存在を把握し、破砕帯xの存在が確認できた場合には、破砕帯xからある一定間隔を空け、破砕帯xに沿って、内部第1主要坑道3Bを掘削形成し、内部第1主要坑道3Bの掘削時に、新たな破砕帯の存在を確認し、破砕帯が存在しない場合には、外部主要坑道3Aと内部第1主要坑道3Bとで囲まれた破砕帯の無い区域に処分坑道2を等間隔で規則正しく掘削形成する。各処分坑道2内に廃棄体を埋設定置する。
【選択図】図5

Description

本発明は、放射性廃棄物やその他の廃棄物等を地下坑道に地層処分する地層処分施設及びその構築方法に関するものである。特に、高レベル放射性廃棄物の地層処分において不均質な地質環境特性を考慮した施設形態を構築する場合に有効に適用される。その他、二酸化炭素の地中貯蔵などにも有効に適用される。
原子力発電から生じる放射性廃棄物のうち高レベル放射性廃棄物は、使用済核燃料の再処理工程で分離された液体廃棄物であり、放射能レベルが高いばかりでなく、長期間にわたって放射能を持ち続ける長寿命の放射性核種が数多く含まれている。そのため、このような高レベル放射性廃棄物は、ガラス原料と共にステンレス鋼製のキャニスターに溶かし込みガラス固化体として安定化処理し、冷却のため数10年間貯蔵した後、ガラス固化体が収納されたキャニスターをオーバーパックと称される厚肉鋼板製の密閉容器内に密閉収納するなどして廃棄体とし、この廃棄体を地下300m(法律により決定)より深い安定した地層中に埋設処分するようにしている(図9参照)。
この廃棄体の地層処分方法としては、施工性、安全性、経済性の観点から、パネル方式が採用されている。図10に示すように、処分パネル1は平行に掘削形成された多数の処分坑道(トンネル)2から構成され、処分坑道内に配置された廃棄体がベントナイト等の緩衝材や埋め戻し材により埋設処分される。処分坑道2は主要坑道3により取り囲まれ、主要坑道間が連絡坑道4により連結され、地上と地下を結ぶ立坑や斜坑等のアクセス坑道 から廃棄体等が搬入される。また、処分パネル1は、処分サイトの地質環境条件等に応じて、分散配置や多層配置等の柔軟なパネルレイアウトが可能とされ、建設・操業・閉鎖の主要な作業を独立・並行して実施できるようにされている。
処分坑道2における廃棄体の定置方式には、例えば、図11に示すような処分孔竪置き方式や処分坑道横置き方式がある。図11(a) の処分孔竪置き方式では、天然バリアとしての岩盤A中に掘削形成された処分坑道2の底版部から下に向って処分孔5を鉛直に掘削形成し、トンネル軸方向には所定の間隔をおいて多数形成し、この処分孔5内に人工バリアとして地下水や岩盤圧の影響を低減する緩衝材(ベントナイト等) Bを敷き詰めると共に、この緩衝材B中に竪にした廃棄体Cを埋設定置している。処分坑道2はベントナイト等の埋め戻し材6で埋め戻される。図11(b) の処分坑道横置き方式では、処分坑道2内に緩衝材Bを敷き詰めると共に、この緩衝材B中に横にした廃棄体Cをトンネル軸方向に所定の間隔をおいて埋設定置している。なお、軟岩系岩盤の場合には、処分坑道2の内面に支保工が設けられる。
このような地層処分での安全性を示すためには、高レベル放射性廃棄物に含まれる核種が地下水に乗って人間が住んでいる世界に届かないように、岩盤自体の低透水性に期待すると共に、人間が掘削した処分坑道を確実に埋め戻し、核種の卓越した移行経路となる水みちを作らないことが要求されている。
我が国におけるこれまでの地層処分事業は、先行して進められてきた海外と同様に好ましいサイト(均質で低透水性)を日本の中から選べるというスタンスで、輸入技術を基本に進めてきた。そのため、現在考えられている処分場概念は、H12レポートに示されているように対象サイトが均質で低透水性のサイトが確保できることを前提に、ある一定領域に等間隔で規則正しく廃棄体を定置する施設形態である(図10、図11参照)。
また、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1〜5がある。特許文献1の発明は、放射性廃棄物の地層処分場を設置するためのサイトの選定及び地層処分場の仕様選定を支援するための意思決定支援システムに関するものであり、入力部、推定部、出力部を有し、入力部に入力される情報に基づいて、推定部が、建設の意図される地層処分場の安全性能と建設費用とを推定し、出力部が、推定された安全性能と建設費用とを両者の関係が明示される所定の形式で意思決定者に出力するものである。
特許文献2の発明は、放射性廃棄物の埋設廃棄体の受け入れ順序決定や廃棄物処分場における廃棄体の埋設位置決定を支援するための放射性廃棄物埋設支援システムに関するものであり、放射性廃棄物処分場に受け入れられる埋設廃棄物バッチに属する廃棄体の埋設順序を調整するのに必要な情報を入力して、作業員被ばく量と、生活圏への漏洩に伴う安全評価被ばくシナリオ毎の被ばく量とを算出し、廃棄体の埋設候補位置との関係で示すものである。
特許文献3の発明は、放射性廃棄物等の処分パネルによる地層処分において、多数の破砕帯等が存在する場合でも最適に近いパネル形状・配置位置を短時間に選定でき、破砕帯等に対して設置される止水プラグの数を低減でき、コストの低減、工期の短縮等が図れるパネル配置方法であり、地質調査による地質データの任意の区画エリアに処分パネルを配置し、必要な処分容量の処分パネル配置パターンを数種類初期設定し、これらのパターンの、地質データ・基本建設コストデータ・止水プラグの追加コストデータを基に、地質データの不確実性を割増してトータル建設コストを算出し、一番安いものは捨て、一番安いものと二番目に安いものとで交叉させ、処分パネルの大きさや形状を変えながら分散配置し変形パターンを誕生させ、一番安いものに対しては突然変異による変形パターンを誕生させ、前記交叉と突然変異を一定回数繰り返し、その中で一番安いものを選択するものである。
特許文献4の発明は、廃棄物地層処分施設の梯子型地下施設であり、一対の立坑と複数段の処分坑道と、この処分坑道の多数の処分孔からなる立板状の梯子型地層処分パネルを断層破砕帯と断層破砕帯との間に断層破砕帯の傾斜に沿って傾斜配置するなどして破砕帯で挟まれた健全な岩盤部分を有効利用するものである。
特許文献5の発明は、廃棄物地層処分場の処分坑道施設であり、処分坑道を水平に対して傾斜する斜坑とし、この斜孔内に廃棄物を斜坑長手方向に間隔をおいて水平または略水平の横置き方式で配置し、掘削土量を低減した上で、埋め戻し材を坑道天端にも隙間なく充填できるようにしたものである。
特開2003−43191号公報 特開2005−249541号公報 特開2006−35068号公報 特開2005−331313号公報 特開2006−214788号公報
日本の高レベル放射性廃棄物地層処分の実施主体であるNUMOは海外の国々と異なり、公募でサイトを選ぼうとしている。そのため応募サイトによっては好ましくない(不均質のため低透水性の場所も高透水性の場所も含まれる)サイトである可能性もあり、我が国においては、このような好ましくないサイトにおいても実施できる技術が必要とされている。
日本の好ましくないサイトとは、結晶質岩では多くの断層・破砕帯が存在しているサイト、堆積岩では多くの互層構造や挟み層などが存在しているサイトである。このようなサイトでは、例えば結晶質岩の場合、図12に示すように、断層・破砕帯(以下、破砕帯と記載)xが多数存在するため、図13に示すような従来技術における大規模な破砕帯Xを避ける技術のみでは対応することができず、最終的には図14に示すように、破砕帯xがあっても従来どおり処分坑道2を構築し、湧水対策などを実施した後、止水プラグ10を設置するという非常に効率の悪い技術が適用されることとなる。
即ち、上述したように、従来技術は不均質な地質環境特性を考慮した施設形態を有していないため、下記に示すような多くの問題点を有している。
(1) 現状の施設形態では、破砕帯部の掘削において、高圧・多量の湧水が存在することが分かっていても、あえてグラウト等の補助工法を多用し、破砕帯を突破(掘削)する必要があり、大変に非効率であり、工期が遅延し、かつ、コストも増大する。
(2) また、グラウトにおいては、多量のセメントを用いることになるため、ベントナイト等の人工バリアの性能を低下させ、処分場全体の安全性を損なうことになる。
(3) 更に、破砕帯を突破(掘削)後、長期安全性の確保の観点から、破砕帯前後に止水プラグを設置する必要があり、大変に非効率であり、工期が遅延し、かつ、コストも増大する。
(4) 処分場掘削時の湧水量が多くなり、そのための排水設備及び排水処理施設が必要になる。
(5) 地層処分のプロジェクトを進めるためには一般市民を含めた様々な人々から合意形成を得る必要があるが、このような非効率なことを行うと、合意形成を得ることが困難になる。
本発明は、上記のような問題を解消すべくなされたものであり、放射性廃棄物やその他の廃棄物等を地下坑道に地層処分する地層処分施設において、不均質な地質環境で多数の破砕帯が存在する場合でも、破砕帯を避けて処分坑道や内部主要坑道を掘削形成することで、健全な処分坑道を多数掘削形成することができると共に、破砕帯の突破(掘削)を避けることで、湧水対策や止水プラグ設置数を減らすことができ、コストの低減や工期の短縮等を図ることのできる地層処分施設及びその構築方法を提供するものである。
本発明の請求項1の発明は、廃棄体(放射性廃棄物やその他の廃棄物等)を地下の地盤中に地層処分するために地下に建設される地層処分施設であり、地下の地盤中に廃棄体が埋設定置されるエリアを取り囲むように掘削形成される外周主要坑道と、この外周主要坑道で取り囲まれるエリアにおいて破砕帯の外側に沿って掘削形成される内部主要坑道と、外周主要坑道と内部主要坑道で囲まれる区域内に掘削形成される処分坑道から構成されていることを特徴とする地層処分施設である。
本発明は、破砕帯の突破(掘削)を避けて、処分坑道や内部主要坑道を掘削形成するものであり、例えば、図5に示すような外周主要坑道と内部第1主要坑道と複数の処分坑道からなる処分パネル、あるいは図8に示すような外周主要坑道と内部第1主要坑道・第2主要坑道と複数の処分坑道からなる処分パネルなどが得られる。
本発明の請求項2の発明は、廃棄体(放射性廃棄物やその他の廃棄物等)を地下の地盤中に地層処分するために地下に建設される地層処分施設の構築方法であり、地下の地盤中に廃棄体が埋設定置されるエリアを取り囲む形状の外周主要坑道を掘削形成し、この外周主要坑道の掘削時に、外周主要坑道を横断する破砕帯の存在を把握し、外周主要坑道で取り囲まれるエリアにおいて破砕帯が存在しない場合、外周主要坑道で囲まれる区域内に処分坑道を掘削形成することを特徴とする地層処分施設の構築方法である。
例えば、図1に示すように、外周主要坑道の掘削時に、その坑道壁面における破砕体の断面の走向・傾斜などを確認することで、破砕帯が処分パネルを横断しているか否かなどを判断する。破砕帯が存在しないと判断された場合には、例えば図2に示すように、等間隔で規則正しい処分坑道を掘削形成し、各処分坑道内に廃棄体を埋設定置する。
本発明の請求項3の発明は、廃棄体(放射性廃棄物やその他の廃棄物等)を地下の地盤中に地層処分するために地下に建設される地層処分施設の構築方法であり、地下の地盤中に廃棄体が埋設定置されるエリアを取り囲む形状の外周主要坑道を掘削形成し、この外周主要坑道の掘削時に、外周主要坑道を横断する破砕帯の存在を把握し、外周主要坑道で取り囲まれるエリアにおいて破砕帯が存在する場合、外周主要坑道で取り囲まれるエリアにおいて破砕帯の外側に沿って内部第1主要坑道を掘削形成することを特徴とする地層処分施設の構築方法である。
例えば図3に示すように、外周主要坑道の掘削時に破砕帯が確認された場合であり、例えば図4に示すように、破砕帯からある一定間隔(緩衝領域:その区間である程度核種移行遅延が可能な領域)を空け、破砕帯に沿って、再度の主要坑道、即ち内部第1主要坑道を掘削形成する。
本発明の請求項4の発明は、請求項3に記載の地層処分施設の構築方法において、内部第1主要坑道の掘削時に、新たな破砕帯が確認できない場合、外周主要坑道と内部第1主要坑道で囲まれる区域内に処分坑道を掘削形成することを特徴とする地層処分施設の構築方法である。
例えば図4の内部第1主要坑道の掘削時に、新たな破砕帯の存在を確認し、破砕帯が存在しない場合であり、例えば図5に示すように、外部主要坑道と内部第1主要坑道とで囲まれた破砕帯の無い区域に処分坑道を等間隔で規則正しく掘削形成する。各処分坑道内に廃棄体を埋設定置する。
本発明の請求項5の発明は、請求項3に記載の地層処分施設の構築方法において、内部第1主要坑道の掘削時に、新たな破砕帯が確認できた場合、その破砕帯の外側に沿って内部第2主要坑道を掘削形成することを特徴とする地層処分施設の構築方法である。
例えば図6に示すように、内部第1主要坑道の掘削時に、破砕帯に遭遇した場合であり、例えば図7に示すように、破砕帯からある一定間隔(緩衝領域:その区間である程度核種移行遅延が可能な領域)を空け、破砕帯に沿って内部第2主要坑道を掘削形成する。
本発明の請求項6の発明は、請求項5に記載の地層処分施設の構築方法において、内部第2主要坑道の掘削時に、新たな破砕帯が確認できない場合、外周主要坑道と内部第1主要坑道または内部第2主要坑道で囲まれる区域内に処分坑道を掘削形成することを特徴とする地層処分施設の構築方法である。
例えば図7の内部第2主要坑道の掘削時に、新たな破砕帯の存在を確認し、破砕帯が存在しない場合であり、例えば図8に示すように、外部主要坑道と内部第1主要坑道または内部第2主要坑道とで囲まれた破砕帯の無い区域に処分坑道を等間隔で規則正しく掘削形成する。各処分坑道内に廃棄体を埋設定置する。
本発明の請求項7の発明は、請求項6に記載の地層処分施設の構築方法において、内部第2主要坑道の掘削時に、新たな破砕帯が確認できた場合、その破砕帯の外側に沿って内部第3主要坑道を掘削形成し、以降、新たな破砕帯が確認されなくなるまで、第4、第5、…の内部主要坑道の掘削形成を繰り返し、施設形態を決定することを特徴とする地層処分施設の構築方法である。
以上のような主要坑道掘削時の破砕帯の確認、内部主要坑道の掘削形成を破砕帯が確認されなくなるまで繰り返す。破砕帯が確認されなくなった時点で施設形態が確定することになる。
以上のような本発明によれば、不均質な地質環境で多数の破砕帯が存在する場合でも、破砕帯を避けて処分坑道や内部主要坑道を掘削形成することで、健全な処分坑道を多数掘削形成することができる。また、破砕帯の突破(掘削)を避けることができるため、(a)グラウト等の湧水対策の量を低減でき、(b)セメントの使用量を低減でき、(c)止水プラグの設置数を低減でき、(d)湧水(排水)量の低減が可能となり、コストの増大と工期の遅延を防ぐことができる。また、地質環境特性を十分に踏まえた施設形態のため合意形成が得られやすくなる。
本発明は、以上のような構成からなるので、次のような効果が得られる。
(1) 放射性廃棄物やその他の廃棄物等を地下坑道に地層処分する地層処分施設において、不均質な地質環境で多数の破砕帯が存在する場合でも、外周主要坑道の掘削時に破砕帯の存在を把握し、破砕帯を避けて処分坑道あるいは内部主要坑道と処分坑道を掘削形成するため、健全な処分坑道を多数掘削形成することができる。
(2) 破砕帯の突破(掘削)を避けることで、湧水対策や止水プラグ設置数を減らすことができ、コストの低減や工期の短縮等を図ることができる。
(3) 施設形態は基本的に従来の処分パネル・竪置き方式等を継承しており、受け入れやすい施設形態である。前述の地質環境特性を十分に踏まえた施設形態と相まって、合意形成が得られやすくなる。
(4)応募されたサイトの地質環境の不均質性に応じた施設形態が可能になる。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。この実施形態は高レベル放射性廃棄物の地層処分に適用した例である。図1〜図8は、本発明に係る地層処分施設の構築方法を順に示したものである。
図1〜図8に示すように、処分パネル1は、従来と同様に、地下300mより深い安定した地層中に構築されるが、本発明においては、基本的に、パネル内に破砕帯xを避けて処分坑道2または処分坑道2と内部の主要坑道3を構築するものであり、かつ、処分坑道2や内部の主要坑道3が破砕帯xを突破(掘削)しないように構築するものであり、最終的に、次のような処分パネル1が得られる。
即ち、図2に示すように、所定の間隔をおいて併設された複数の処分坑道2と、これら処分坑道2を取り囲む外周主要坑道3から構成される処分パネル1−1、図5に示すように、複数の処分坑道2と、外周主要坑道3Aと、内部主要坑道3Bから構成される処分パネル1−2、図8に示すように、複数の処分坑道2と、外周主要坑道3Aと、内部主要坑道3B・3Bから構成される処分パネル1−3など。
なお、廃棄体は、地上から立坑や斜坑等のアクセス坑道により地下に搬入され、連絡坑道や主要坑道3によって各処分パネル1の処分坑道2内に搬送され、各処分坑道2に処分孔竪置き方式や処分坑道横置き方式により埋設定置される(図11参照)。
本発明では、次のような手順で、処分パネル1を構築する。
(1) 先ず、図1に示すように、廃棄体が埋設定置されるエリアを取り囲む閉じた形状の外周主要坑道3Aを掘削形成する。この外周主要坑道3Aの掘削時に、外周主要坑道3Aを横断する破砕帯の存在を把握する。
破砕帯は、坑道壁面において、走向・傾斜(面としてどっちを向いているか)を確認する。例えば、周回状の外周主要坑道3Aにおいて、2箇所で破砕帯が見つかり、特性および走向・傾斜として連続性が確認できれば、同一であると判断でき、破砕帯が処分パネルを突き抜けていると判断できる。また、破砕帯が1箇所でしか確認できない場合でも、走向・傾斜を基本に反対側の主要坑道まで到達していると保守的に仮定して、上記の2箇所の場合と同様の対応を実施する。
(2) 外周主要坑道3Aで取り囲まれるエリアにおいて破砕帯が存在しないと判断された場合、図2に示すように、外周主要坑道3Aで囲まれた区域内に処分坑道2を等間隔で規則正しく掘削形成する。各処分坑道2内に廃棄体を埋設定置する。
(3) 外周主要坑道3Aの掘削において、図3に示すように、破砕帯xの存在が確認できた場合には、図4に示すように、破砕帯xからある一定間隔(緩衝領域k:その区間である程度核種移行遅延が可能な領域)を空け、破砕帯xに沿って、再度の主要坑道、即ち内部第1主要坑道3Bを掘削形成する。
(4) 内部第1主要坑道3Bの掘削時に、前述と同様に、新たな破砕帯の存在を確認する。破砕帯が存在しない場合には、図5に示すように、外部主要坑道3Aと内部第1主要坑道3Bとで囲まれた破砕帯の無い区域に処分坑道2を等間隔で規則正しく掘削形成する。各処分坑道2内に廃棄体を埋設定置する。
(5) 内部第1主要坑道3Bの掘削時に、図6に示すように、破砕帯xに遭遇した場合には、図7に示すように、破砕帯xからある一定間隔(緩衝領域k:その区間である程度核種移行遅延が可能な領域)を空け、破砕帯xに沿って、再再度の主要坑道、即ち内部第2主要坑道3Bを掘削形成する。
(6) 内部第2主要坑道3Bの掘削時に、前述と同様に、新たな破砕帯の存在を確認する。破砕帯が存在しない場合には、図8に示すように、外部主要坑道3Aと内部第1主要坑道3Bまたは内部第2主要坑道3Bとで囲まれた破砕帯の無い区域に処分坑道2を等間隔で規則正しく掘削形成する。各処分坑道2内に廃棄体を埋設定置する。
(7) 以上のような主要坑道掘削時の破砕帯の確認、第3、第4、第5、…の内部主要坑道の掘削形成を破砕帯が確認されなくなるまで繰り返す。破砕帯が確認されなくなった時点で施設形態が確定する。
なお、以上は高レベル放射性廃棄物の地層処分について説明したが、これに限らず、二酸化炭素の地中貯蔵やその他の廃棄物の地層処分にも本発明の施設形態を適用することができる。
本発明に係る地層処分施設の構築方法(第1工程)を示す平面図である。 本発明に係る地層処分施設の構築方法(第2工程)を示す平面図である。 本発明に係る地層処分施設の構築方法(第3工程)を示す平面図である。 本発明に係る地層処分施設の構築方法(第4工程)を示す平面図である。 本発明に係る地層処分施設の構築方法(第5工程)を示す平面図である。 本発明に係る地層処分施設の構築方法(第6工程)を示す平面図である。 本発明に係る地層処分施設の構築方法(第7工程)を示す平面図である。 本発明に係る地層処分施設の構築方法(第8工程)を示す平面図である。 高レベル放射性廃棄物の地層処分場の一例を断面にして示す斜視図である。 従来一般の処分パネルの施設形態を示す平面図である。 処分パネルにおける廃棄体の定置方式を示す斜視図であり、(a) は処分孔竪置き方式、(b) は処分坑道横置き方式である。 不均質な地質環境における断層・破砕帯の分布を示す水平断面図である。 従来における大規模断層・破砕帯を避けるパネル配置を断面にして示す斜視図である。 従来における断層・破砕帯に対する対策技術を示したものであり、(a) は処分地層の水平断面図、(b) は坑道の止水対策を示す部分水平断面図、(c) は全体水平断面図である。
符号の説明
1……処分パネル
2……処分坑道
3……主要坑道
3A…外周主要坑道
3B…内部主要坑道
4……連絡坑道
5……処分孔
6……埋め戻し材
10……止水プラグ
A……岩盤(天然バリア)
B……緩衝材(人工バリア)
C……廃棄体
X……大規模な断層・破砕帯
x……断層・破砕帯

Claims (7)

  1. 廃棄体を地下の地盤中に地層処分するために地下に建設される地層処分施設であり、
    地下の地盤中に廃棄体が埋設定置されるエリアを取り囲むように掘削形成される外周主要坑道と、この外周主要坑道で取り囲まれるエリアにおいて破砕帯の外側に沿って掘削形成される内部主要坑道と、外周主要坑道と内部主要坑道で囲まれる区域内に掘削形成される処分坑道から構成されていることを特徴とする地層処分施設。
  2. 廃棄体を地下の地盤中に地層処分するために地下に建設される地層処分施設の構築方法であり、
    地下の地盤中に廃棄体が埋設定置されるエリアを取り囲む形状の外周主要坑道を掘削形成し、この外周主要坑道の掘削時に、外周主要坑道を横断する破砕帯の存在を把握し、外周主要坑道で取り囲まれるエリアにおいて破砕帯が存在しない場合、外周主要坑道で囲まれる区域内に処分坑道を掘削形成することを特徴とする地層処分施設の構築方法。
  3. 廃棄体を地下の地盤中に地層処分するために地下に建設される地層処分施設の構築方法であり、
    地下の地盤中に廃棄体が埋設定置されるエリアを取り囲む形状の外周主要坑道を掘削形成し、この外周主要坑道の掘削時に、外周主要坑道を横断する破砕帯の存在を把握し、外周主要坑道で取り囲まれるエリアにおいて破砕帯が存在する場合、外周主要坑道で取り囲まれるエリアにおいて破砕帯の外側に沿って内部第1主要坑道を掘削形成することを特徴とする地層処分施設の構築方法。
  4. 請求項3に記載の地層処分施設の構築方法において、内部第1主要坑道の掘削時に、新たな破砕帯が確認できない場合、外周主要坑道と内部第1主要坑道で囲まれる区域内に処分坑道を掘削形成することを特徴とする地層処分施設の構築方法。
  5. 請求項3に記載の地層処分施設の構築方法において、内部第1主要坑道の掘削時に、新たな破砕帯が確認できた場合、その破砕帯の外側に沿って内部第2主要坑道を掘削形成することを特徴とする地層処分施設の構築方法。
  6. 請求項5に記載の地層処分施設の構築方法において、内部第2主要坑道の掘削時に、新たな破砕帯が確認できない場合、外周主要坑道と内部第1主要坑道または内部第2主要坑道で囲まれる区域内に処分坑道を掘削形成することを特徴とする地層処分施設の構築方法。
  7. 請求項6に記載の地層処分施設の構築方法において、内部第2主要坑道の掘削時に、新たな破砕帯が確認できた場合、その破砕帯の外側に沿って内部第3主要坑道を掘削形成し、以降、新たな破砕帯が確認されなくなるまで、第4、第5、…の内部主要坑道の掘削形成を繰り返し、施設形態を決定することを特徴とする地層処分施設の構築方法。
JP2007124869A 2007-05-09 2007-05-09 地層処分施設及びその構築方法 Active JP4798057B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007124869A JP4798057B2 (ja) 2007-05-09 2007-05-09 地層処分施設及びその構築方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007124869A JP4798057B2 (ja) 2007-05-09 2007-05-09 地層処分施設及びその構築方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008279346A true JP2008279346A (ja) 2008-11-20
JP4798057B2 JP4798057B2 (ja) 2011-10-19

Family

ID=40140629

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007124869A Active JP4798057B2 (ja) 2007-05-09 2007-05-09 地層処分施設及びその構築方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4798057B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011173050A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Takashi Nakahata 二酸化炭素の隔離方法及びその装置
JP2013011597A (ja) * 2011-06-02 2013-01-17 Shimizu Corp 廃棄体の埋設処分施設および廃棄体の埋設処分方法
JP2014052359A (ja) * 2012-09-10 2014-03-20 Shimizu Corp すき間充填材への注水方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05203797A (ja) * 1992-01-23 1993-08-10 Mitsui Constr Co Ltd 放射性廃棄物処分場
JP2003043191A (ja) * 2001-07-26 2003-02-13 Taisei Corp 意思決定支援システム
JP2005331313A (ja) * 2004-05-19 2005-12-02 Kajima Corp 廃棄物地層処分施設の梯子型地下施設
JP2006035068A (ja) * 2004-07-26 2006-02-09 Kajima Corp 廃棄物地層処分場の配置方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05203797A (ja) * 1992-01-23 1993-08-10 Mitsui Constr Co Ltd 放射性廃棄物処分場
JP2003043191A (ja) * 2001-07-26 2003-02-13 Taisei Corp 意思決定支援システム
JP2005331313A (ja) * 2004-05-19 2005-12-02 Kajima Corp 廃棄物地層処分施設の梯子型地下施設
JP2006035068A (ja) * 2004-07-26 2006-02-09 Kajima Corp 廃棄物地層処分場の配置方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011173050A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Takashi Nakahata 二酸化炭素の隔離方法及びその装置
JP2013011597A (ja) * 2011-06-02 2013-01-17 Shimizu Corp 廃棄体の埋設処分施設および廃棄体の埋設処分方法
JP2014052359A (ja) * 2012-09-10 2014-03-20 Shimizu Corp すき間充填材への注水方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4798057B2 (ja) 2011-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ou et al. Performance of excavations with cross walls
JP4798057B2 (ja) 地層処分施設及びその構築方法
JP2008025249A (ja) 坑道周辺複合グラウト止水工法
Namazi et al. Investigation on the effects of twin tunnel excavations beneath a road underpass
JP6464469B2 (ja) 放射性廃棄物処分用トンネル
JP4492373B2 (ja) 廃棄物地層処分場の処分坑道施設
JP4270023B2 (ja) 廃棄物地層処分施設の梯子型地下施設
JP5135706B2 (ja) 地層処分施設及びその構築方法
JP2008073572A (ja) 廃棄物地層処分場の地下貯蔵施設及び廃棄物の回収方法
JP4225245B2 (ja) 地下坑道の止水構造
JP5637376B2 (ja) 放射性廃棄物の埋設方法
JP2006035068A (ja) 廃棄物地層処分場の配置方法
JP2007154603A (ja) 建物の不同沈下防止方法
Chegbeleh et al. Concepts of Repository and the Functions of Bentonite in Repository Environments: A State–of–the–art review
JP4281618B2 (ja) 廃棄物地層処分施設の地下施設
JP2002048900A (ja) 高レベル放射性廃棄物地層処分の定置構造
KR101399295B1 (ko) 방사성 폐기물 저장용 반지하 구조물 시공방법
JP2011106230A (ja) 山留め壁の構築方法
KR100669530B1 (ko) 흙막이 시공방법
Fischer et al. A nuclear power plant on karst terrane?
Yim et al. Case Study of Deep Geological Disposal Facility Design for High-level Radioactive Waste
JP4453577B2 (ja) 廃棄物地層処分施設
Suyama et al. Study of an optimization approach for a disposal tunnel layout, taking into account the geological environment with spatially heterogeneous characteristics
Alzamora Jr et al. Case studies of new york city projects with varying site constraints
Suyama et al. ICONE15-10553 STUDY TO OPTIMIZE A DISPOSAL TUNNEL LAYOUT TAKING INTO ACCOUNT HETEROGENEOUS CHARACTERISTICS OF THE GEOLOGICAL ENVIRONMENT

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110412

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110613

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110705

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110718

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4798057

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250