JP2004196969A - 止水材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Na型ベントナイトと水溶性非イオン性セルロースエーテルを含むことを特徴とする止水材料。
【効果】本発明の止水材料は、土木工事において余剰水が外部に漏れないようにするために使用される防水層として用いたときに、塩類を含む余剰水の漏洩を防止することができる。
【選択図】 な し
【効果】本発明の止水材料は、土木工事において余剰水が外部に漏れないようにするために使用される防水層として用いたときに、塩類を含む余剰水の漏洩を防止することができる。
【選択図】 な し
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土木工事に使用される止水材料に関し、特に塩類を含む余剰水の漏洩を防止する止水材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、土木工事において余剰水が外部に漏れないようにするための止水材料として、ベントナイトを使用することが行われている。添加されたベントナイトは膨潤してその体積を増大させ、その結果、余剰水が浸透する隙間が減少するため、余剰水の漏洩が防止されると考えられている。
【0003】
しかし、余剰水に多量の塩類が含まれている場合には、一般のベントナイト層では余剰水の漏洩を完全に防止することは困難であった。これを解決すべく、カルボキシメチルセルロースとベントナイトの混合物を利用することが提案されている(特許文献1参照)。しかし、カルボキシメチルセルロースは、イオン性のセルロースエーテルであるため塩水中で十分な溶解が行われず、機能が十分発揮しないという問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−47636号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、土木工事における防水層として用いたときに、塩類を含む余剰水の漏洩を防止する止水材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、Na型ベントナイトと水溶性非イオン性セルロースエーテルとを含む止水材料を用いることにより、海水等の塩類を含む余剰水の漏洩を防止できることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0007】
従って、本発明は、
(1)Na型ベントナイトと水溶性非イオン性セルロースエーテルを含むことを特徴とする止水材料、
(2)Na型ベントナイトが、Na活性化ベントナイトであることを特徴とする(1)記載の止水材料、
(3)Na型ベントナイトが、Ca型ベントナイトにナトリウム塩を添加し、水と接触した時にNa型ベントナイトに変化するものであることを特徴とする(1)又は(2)記載の止水材料、
(4)水溶性非イオン性セルロースエーテルが、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース又はヒドロキシアルキルアルキルセルロースであることを特徴とする(1)、(2)又は(3)記載の止水材料、
(5)10mm目開きの篩の通過量が90重量%以上であり、1.0mm目開きの篩の通過量が20重量%以下である粒径を有することを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の止水材料
を提供する。
【0008】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の止水材料は、Na型ベントナイトと水溶性非イオン性セルロースエーテルとを含むものである。
【0009】
Na型ベントナイトを止水材料として用いた際に、余剰水が多い場合、即ち含水率が大きい場合には、Na型ベントナイトは膨潤により粒子間の隙間を十分に埋めきることができない。更に余剰水に多量の塩類が含まれている場合には、Na型ベントナイトの膨潤力は著しく低下する。本発明においては、このような場合でも、この隙間に水溶性非イオン性セルロースエーテルの分子が作用することにより、余剰水の粘度が上昇して漏洩を防止することができるものである。
【0010】
本発明のベントナイトは、Na型ベントナイト(粘土科学誌 第33巻 4号(1994) P193〜201)を用いるものである。ベントナイトには、Na型とCa型とがあるが、Ca型は吸水時の膨潤性が悪く、好ましくない。
【0011】
しかしながら、Ca型ベントナイトを炭酸ナトリウム等のナトリウム塩溶液を使用してNa型に置換して得られるNa活性化ベントナイトは好適に使用することができる。
【0012】
また、特開昭63−28337号公報に記載されているように、Ca型ベントナイトに炭酸ナトリウム等のナトリウム塩粉を添加したものを使用し、作用時、即ち、ベントナイトと水が接触した場合に、Na型ベントナイトに置換された状態となるようにして使用することもできる。かかる場合には極めて優れた膨潤特性を示す。
【0013】
なお、Ca型ベントナイト中のCaをNaに置換するのに必要な炭酸ナトリウム等のナトリウム塩の添加量は、Ca型ベントナイト100重量部に対して2〜50重量部、特に2〜10重量部とすることが好ましい。
【0014】
本発明のNa型ベントナイトの粒子径としては、第14改正日本薬局方B−1060に定められている標準篩の100号(目開き150μm)により、関西金網社製429型ロータップ篩振とう機を用いて、ベントナイト粉末100gを振とう数200回/分、打数156回/分、振とう幅50mmの条件で30分間振とうした後に、篩上の残留物が25重量%以下、特に1〜10重量%となるものを使用することが望ましい。
【0015】
止水材料中のNa型ベントナイトの含有量は、50〜98重量%が好ましく、特に60〜80重量%が好ましい。50重量%より少ないと、膨潤が十分ではなく、止水材料として作用しないおそれがあり、98重量%より多いと、水溶性非イオン性セルロースエーテルの添加による効果がなくなるおそれがある。
【0016】
本発明に用いられる水溶性非イオン性セルロースエーテルとしては、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース等を用いることができる。具体的には、メチルセルロース等のアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース等のヒドロキシアルキルアルキルセルロース等が挙げられる。
【0017】
水溶性非イオン性セルロースエーテルの分子量は、特に限定されないが、20℃における2重量%水溶液の測定粘度値によって規定することができ、JIS K 2283−1993に規定されるウベローデ粘度計No.5において、その値が8,000mPa・s以上、好ましくは200,000〜400,000mPa・sである水溶性非イオン性セルロースエーテルが好ましい。上記粘度が8,000mPa・s未満であると、止水材料の保水性能不足となるおそれがある。ここで、一般にセルロースエーテルは、天然のセルロースを出発原料として製造されるが、公知のセルロースの最大分子量は150万程度であり、これにより製造しうるセルロースエーテルの前述の測定方法による粘度は、最大でも400,000mPa・s程度と推測される。
【0018】
水溶性非イオン性セルロースエーテルの粒度としては、第14改正日本薬局方B−1060に定められている篩の規格100号(目開き150μm)により、関西金網社製429型ロータップ篩振とう機を用いて、水溶性非イオン性セルロースエーテル粉末100gを振とう数200回/分、打数156回/分、振とう幅50mmの条件で30分間振とうした後に、篩上の残留物が25重量%以下、特に1〜10重量%となるものを使用することが望ましい。
【0019】
本発明における止水材料において、Na型ベントナイトと水溶性非イオン性セルロースエーテルとの混合割合は特に限定されないが、必要な膨潤性と保水性を発揮する定形状の粒を調製するのに必要な混合割合として、Na型ベントナイト100重量部に対して水溶性非イオン性セルロースエーテルを0.5〜20重量部、好ましくは1〜20重量部、特に2〜10重量部とすることが好ましい。水溶性非イオン性セルロースエーテルの添加量が1重量部未満であると上記効果は現れるが、その効果が十分ではない場合があり、20重量部を超えると止水材料のコストを押上げることになる。
【0020】
本発明の止水材料には、必要に応じてタルクやカオリン等の無機物、パルプ、もみがら等の有機物類等を本発明の効果を損なわない範囲で添加することも可能である。
また、本発明においては、止水材料を造粒する際に水溶性非イオン性セルロースエーテルを溶解し、ベントナイトを粘結させる点から、Na型ベントナイト100重量部に対して1〜100重量部、特に10〜50重量部の水を添加することが好ましい。
【0021】
本発明の止水材料の造粒方法としては、例えばNa型ベントナイトと水溶性非イオン性セルロースエーテルとの混合物を流動させつつ、水を添加して調製する造粒方法や、Na型ベントナイト材料100重量部と水溶性非イオン性セルロースエーテル0.5〜10重量部、好ましくは1〜10重量部を含んでなる混合物に水を10〜100重量部添加混合したものを転動造粒する等、任意の造粒方法を採用することができる。
【0022】
なお、本発明においては、Ca型ベントナイト100重量部に対して炭酸ナトリウム等のナトリウム塩を2〜50重量部添加してCa型ベントナイトの一部をNa型ベントナイトに置換した後、水溶性非イオン性セルロースエーテル0.5〜20重量部、好ましくは1〜20重量部を添加し、更に水を1〜50重量部加えて混合したものを1.5mmのバケット式の押出成形装置により押し出し成形し、乾燥することにより造粒することもでき、これにより得られる造粒物は好適に使用することができる。
【0023】
造粒の粒子の大きさについては、止水材料として利用するのに適する粒径として、10mm目開きの篩を90重量%以上、特に95重量%以上が通過し、1.0mm目開きの篩の通過量が20重量%以下、特に10重量%以下の顆粒状であることが好ましい。具体的には、平均粒径が0.1〜5mm、特に2〜4mmである場合が、粉塵対策及び水溶性非イオン性セルロースエーテル粉末とのハンドリングの上で好ましい。平均粒径が0.1mm未満では粉塵飛散等の問題が生じ、取扱い性が悪くなる場合があり、5mmを超えると細部へ流動が困難となる場合がある。
【0024】
また、この止水材料は、粒状のまま施工することも可能であるが、浸透性のある不織布等で作られた袋やソーセージ状に細工された袋の中に封入して施工することも可能である。
【0025】
本発明の止水材料は、密閉された空間に貯えられた含水廃棄物の塩類を含む余剰水の密閉空間からの漏洩を防止する止水工事等において、コンクリート等永久的止水工事を行なうに際して一時的な止水に用いる止水材料や、海岸工事等の海水等の塩類を含む土壌を一時的に止水する止水材料として、好適に使用することができる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
[実施例1〜9、比較例1,2]
表1に示す組成で水溶性非イオン性セルロースエーテル、ベントナイト、炭酸ナトリウム及び水を配合し、川田製作所製スーパーミキサーにて500rpmで混合した後、ダルトン社製のバケット押出造粒機にて径1.2mmの押出造粒を行い、この造粒物を温度80℃にて水分5重量%以下になるまで乾燥させ、止水材料を製造した。この造粒物の10mmの目開き篩の通過量は、100重量%であり、1.0mmの目開き篩の通過量は10重量%以下であった。
【0028】
得られた止水材料20gを容器に入れ、イオン交換水あるいは新潟県上越市の海浜公園より採取した海水100gをこれに注ぎ、注いでから10分後に直径15mmの東洋アドバンテックス社製のA3濾紙を入れた陶器製漏斗に移し、漏斗からしみ出す水の量を測定した。結果を表1に併記する。
【0029】
【表1】
*ベントナイト:クニミネ工業(株)製
Naベントナイト(1):宮城産、ネオクニボンド(カルシウムベントナイトをNa型に置換したNa活性化ベントナイト)
Naベントナイト(2):ワイオミング産、クニボンドWB
Naベントナイト(3):山形産、クニゲルVAS
Caベントナイト(4):宮城産、クニボンド
水溶性非イオン性セルロースエーテル:信越化学工業(株)製、メトローズ
炭酸ナトリウム:和光純薬工業(株)製、試薬一級
【0030】
実施例及び比較例より、本発明の止水材料が塩類を含む余剰水の止水材料として有用であることがわかる。
【0031】
【発明の効果】
本発明の止水材料は、土木工事において余剰水が外部に漏れないようにするために使用される防水層として用いたときに、塩類を含む余剰水の漏洩を防止することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、土木工事に使用される止水材料に関し、特に塩類を含む余剰水の漏洩を防止する止水材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、土木工事において余剰水が外部に漏れないようにするための止水材料として、ベントナイトを使用することが行われている。添加されたベントナイトは膨潤してその体積を増大させ、その結果、余剰水が浸透する隙間が減少するため、余剰水の漏洩が防止されると考えられている。
【0003】
しかし、余剰水に多量の塩類が含まれている場合には、一般のベントナイト層では余剰水の漏洩を完全に防止することは困難であった。これを解決すべく、カルボキシメチルセルロースとベントナイトの混合物を利用することが提案されている(特許文献1参照)。しかし、カルボキシメチルセルロースは、イオン性のセルロースエーテルであるため塩水中で十分な溶解が行われず、機能が十分発揮しないという問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−47636号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、土木工事における防水層として用いたときに、塩類を含む余剰水の漏洩を防止する止水材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、Na型ベントナイトと水溶性非イオン性セルロースエーテルとを含む止水材料を用いることにより、海水等の塩類を含む余剰水の漏洩を防止できることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0007】
従って、本発明は、
(1)Na型ベントナイトと水溶性非イオン性セルロースエーテルを含むことを特徴とする止水材料、
(2)Na型ベントナイトが、Na活性化ベントナイトであることを特徴とする(1)記載の止水材料、
(3)Na型ベントナイトが、Ca型ベントナイトにナトリウム塩を添加し、水と接触した時にNa型ベントナイトに変化するものであることを特徴とする(1)又は(2)記載の止水材料、
(4)水溶性非イオン性セルロースエーテルが、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース又はヒドロキシアルキルアルキルセルロースであることを特徴とする(1)、(2)又は(3)記載の止水材料、
(5)10mm目開きの篩の通過量が90重量%以上であり、1.0mm目開きの篩の通過量が20重量%以下である粒径を有することを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の止水材料
を提供する。
【0008】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の止水材料は、Na型ベントナイトと水溶性非イオン性セルロースエーテルとを含むものである。
【0009】
Na型ベントナイトを止水材料として用いた際に、余剰水が多い場合、即ち含水率が大きい場合には、Na型ベントナイトは膨潤により粒子間の隙間を十分に埋めきることができない。更に余剰水に多量の塩類が含まれている場合には、Na型ベントナイトの膨潤力は著しく低下する。本発明においては、このような場合でも、この隙間に水溶性非イオン性セルロースエーテルの分子が作用することにより、余剰水の粘度が上昇して漏洩を防止することができるものである。
【0010】
本発明のベントナイトは、Na型ベントナイト(粘土科学誌 第33巻 4号(1994) P193〜201)を用いるものである。ベントナイトには、Na型とCa型とがあるが、Ca型は吸水時の膨潤性が悪く、好ましくない。
【0011】
しかしながら、Ca型ベントナイトを炭酸ナトリウム等のナトリウム塩溶液を使用してNa型に置換して得られるNa活性化ベントナイトは好適に使用することができる。
【0012】
また、特開昭63−28337号公報に記載されているように、Ca型ベントナイトに炭酸ナトリウム等のナトリウム塩粉を添加したものを使用し、作用時、即ち、ベントナイトと水が接触した場合に、Na型ベントナイトに置換された状態となるようにして使用することもできる。かかる場合には極めて優れた膨潤特性を示す。
【0013】
なお、Ca型ベントナイト中のCaをNaに置換するのに必要な炭酸ナトリウム等のナトリウム塩の添加量は、Ca型ベントナイト100重量部に対して2〜50重量部、特に2〜10重量部とすることが好ましい。
【0014】
本発明のNa型ベントナイトの粒子径としては、第14改正日本薬局方B−1060に定められている標準篩の100号(目開き150μm)により、関西金網社製429型ロータップ篩振とう機を用いて、ベントナイト粉末100gを振とう数200回/分、打数156回/分、振とう幅50mmの条件で30分間振とうした後に、篩上の残留物が25重量%以下、特に1〜10重量%となるものを使用することが望ましい。
【0015】
止水材料中のNa型ベントナイトの含有量は、50〜98重量%が好ましく、特に60〜80重量%が好ましい。50重量%より少ないと、膨潤が十分ではなく、止水材料として作用しないおそれがあり、98重量%より多いと、水溶性非イオン性セルロースエーテルの添加による効果がなくなるおそれがある。
【0016】
本発明に用いられる水溶性非イオン性セルロースエーテルとしては、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース等を用いることができる。具体的には、メチルセルロース等のアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース等のヒドロキシアルキルアルキルセルロース等が挙げられる。
【0017】
水溶性非イオン性セルロースエーテルの分子量は、特に限定されないが、20℃における2重量%水溶液の測定粘度値によって規定することができ、JIS K 2283−1993に規定されるウベローデ粘度計No.5において、その値が8,000mPa・s以上、好ましくは200,000〜400,000mPa・sである水溶性非イオン性セルロースエーテルが好ましい。上記粘度が8,000mPa・s未満であると、止水材料の保水性能不足となるおそれがある。ここで、一般にセルロースエーテルは、天然のセルロースを出発原料として製造されるが、公知のセルロースの最大分子量は150万程度であり、これにより製造しうるセルロースエーテルの前述の測定方法による粘度は、最大でも400,000mPa・s程度と推測される。
【0018】
水溶性非イオン性セルロースエーテルの粒度としては、第14改正日本薬局方B−1060に定められている篩の規格100号(目開き150μm)により、関西金網社製429型ロータップ篩振とう機を用いて、水溶性非イオン性セルロースエーテル粉末100gを振とう数200回/分、打数156回/分、振とう幅50mmの条件で30分間振とうした後に、篩上の残留物が25重量%以下、特に1〜10重量%となるものを使用することが望ましい。
【0019】
本発明における止水材料において、Na型ベントナイトと水溶性非イオン性セルロースエーテルとの混合割合は特に限定されないが、必要な膨潤性と保水性を発揮する定形状の粒を調製するのに必要な混合割合として、Na型ベントナイト100重量部に対して水溶性非イオン性セルロースエーテルを0.5〜20重量部、好ましくは1〜20重量部、特に2〜10重量部とすることが好ましい。水溶性非イオン性セルロースエーテルの添加量が1重量部未満であると上記効果は現れるが、その効果が十分ではない場合があり、20重量部を超えると止水材料のコストを押上げることになる。
【0020】
本発明の止水材料には、必要に応じてタルクやカオリン等の無機物、パルプ、もみがら等の有機物類等を本発明の効果を損なわない範囲で添加することも可能である。
また、本発明においては、止水材料を造粒する際に水溶性非イオン性セルロースエーテルを溶解し、ベントナイトを粘結させる点から、Na型ベントナイト100重量部に対して1〜100重量部、特に10〜50重量部の水を添加することが好ましい。
【0021】
本発明の止水材料の造粒方法としては、例えばNa型ベントナイトと水溶性非イオン性セルロースエーテルとの混合物を流動させつつ、水を添加して調製する造粒方法や、Na型ベントナイト材料100重量部と水溶性非イオン性セルロースエーテル0.5〜10重量部、好ましくは1〜10重量部を含んでなる混合物に水を10〜100重量部添加混合したものを転動造粒する等、任意の造粒方法を採用することができる。
【0022】
なお、本発明においては、Ca型ベントナイト100重量部に対して炭酸ナトリウム等のナトリウム塩を2〜50重量部添加してCa型ベントナイトの一部をNa型ベントナイトに置換した後、水溶性非イオン性セルロースエーテル0.5〜20重量部、好ましくは1〜20重量部を添加し、更に水を1〜50重量部加えて混合したものを1.5mmのバケット式の押出成形装置により押し出し成形し、乾燥することにより造粒することもでき、これにより得られる造粒物は好適に使用することができる。
【0023】
造粒の粒子の大きさについては、止水材料として利用するのに適する粒径として、10mm目開きの篩を90重量%以上、特に95重量%以上が通過し、1.0mm目開きの篩の通過量が20重量%以下、特に10重量%以下の顆粒状であることが好ましい。具体的には、平均粒径が0.1〜5mm、特に2〜4mmである場合が、粉塵対策及び水溶性非イオン性セルロースエーテル粉末とのハンドリングの上で好ましい。平均粒径が0.1mm未満では粉塵飛散等の問題が生じ、取扱い性が悪くなる場合があり、5mmを超えると細部へ流動が困難となる場合がある。
【0024】
また、この止水材料は、粒状のまま施工することも可能であるが、浸透性のある不織布等で作られた袋やソーセージ状に細工された袋の中に封入して施工することも可能である。
【0025】
本発明の止水材料は、密閉された空間に貯えられた含水廃棄物の塩類を含む余剰水の密閉空間からの漏洩を防止する止水工事等において、コンクリート等永久的止水工事を行なうに際して一時的な止水に用いる止水材料や、海岸工事等の海水等の塩類を含む土壌を一時的に止水する止水材料として、好適に使用することができる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
[実施例1〜9、比較例1,2]
表1に示す組成で水溶性非イオン性セルロースエーテル、ベントナイト、炭酸ナトリウム及び水を配合し、川田製作所製スーパーミキサーにて500rpmで混合した後、ダルトン社製のバケット押出造粒機にて径1.2mmの押出造粒を行い、この造粒物を温度80℃にて水分5重量%以下になるまで乾燥させ、止水材料を製造した。この造粒物の10mmの目開き篩の通過量は、100重量%であり、1.0mmの目開き篩の通過量は10重量%以下であった。
【0028】
得られた止水材料20gを容器に入れ、イオン交換水あるいは新潟県上越市の海浜公園より採取した海水100gをこれに注ぎ、注いでから10分後に直径15mmの東洋アドバンテックス社製のA3濾紙を入れた陶器製漏斗に移し、漏斗からしみ出す水の量を測定した。結果を表1に併記する。
【0029】
【表1】
*ベントナイト:クニミネ工業(株)製
Naベントナイト(1):宮城産、ネオクニボンド(カルシウムベントナイトをNa型に置換したNa活性化ベントナイト)
Naベントナイト(2):ワイオミング産、クニボンドWB
Naベントナイト(3):山形産、クニゲルVAS
Caベントナイト(4):宮城産、クニボンド
水溶性非イオン性セルロースエーテル:信越化学工業(株)製、メトローズ
炭酸ナトリウム:和光純薬工業(株)製、試薬一級
【0030】
実施例及び比較例より、本発明の止水材料が塩類を含む余剰水の止水材料として有用であることがわかる。
【0031】
【発明の効果】
本発明の止水材料は、土木工事において余剰水が外部に漏れないようにするために使用される防水層として用いたときに、塩類を含む余剰水の漏洩を防止することができる。
Claims (5)
- Na型ベントナイトと水溶性非イオン性セルロースエーテルを含むことを特徴とする止水材料。
- Na型ベントナイトが、Na活性化ベントナイトであることを特徴とする請求項1記載の止水材料。
- Na型ベントナイトが、Ca型ベントナイトにナトリウム塩を添加し、水と接触した時にNa型ベントナイトに変化するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の止水材料。
- 水溶性非イオン性セルロースエーテルが、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース又はヒドロキシアルキルアルキルセルロースであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の止水材料。
- 10mm目開きの篩の通過量が90重量%以上であり、1.0mm目開きの篩の通過量が20重量%以下である粒径を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の止水材料。
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JP2002367624A JP2004196969A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | 止水材料 |
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JP2002367624A JP2004196969A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | 止水材料 |
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JP (1) | JP2004196969A (ja) |
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2002
- 2002-12-19 JP JP2002367624A patent/JP2004196969A/ja active Pending
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