JP2008115336A - 接着性フッ素樹脂複合体組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 無機微粒子(以下、金属酸化物微粒子ということがある)をフッ素樹脂樹脂中にナノレベルに均一に分散させたフッ素樹脂複合体組成物からなる金属や他の無機・有機基材との接着性に優れているフッ素樹脂複合体組成物、及びそれを用いた接着シート、フィルムまたはチューブを提供すること。
【解決手段】 フッ素樹脂エマルジョンと無機微粒子のコロイダル溶液とを攪拌下に混合した水性分散液を、0℃以下の温度で凍結するか、電解物質を加えて混合液のイオン強度またはpHを変化させるか、せん断力をかけることで得られる凝集体を水性の溶液から分離・乾燥して得られた接着性フッ素樹脂複合体組成物、それを用いた接着シート、フィルムまたはチューブ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、無機微粒子がフッ素樹脂中にナノレベルに均一に分散されたフッ素樹脂複合体組成物からなる接着性に優れたフッ素樹脂複合体組成物およびそれを用いた接着シート、フィルム、またはチューブに関する。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)などのフッ素樹脂は、非粘着性、耐薬品性、耐熱性に優れているため金属基材のコーティングやラミネーション等に利用されているが、金属や他の無機・有機基材との接着性に乏しいという欠点を有する。
特に、PTFE、PFA、FEPのようなパーフルオロ系のフッ素樹脂は分子間相互作用が殆どないので、他の基材を直接接着させることは極めて困難であり、熱融着などで接着させても、接着強度が不十分であり、接着性の信頼性も不十分である。
フッ素樹脂と他の基材とを接着させる方法としては、(1)ナトリウムエッチング、プラズマ処理、コロナ処理、エキシマレーザーによる表面化学反応などの表面処理を行う方法、(2)基材の表面をサンドブラスター処理などで物理的に粗くする方法、(3)官能基含有フッ素樹脂を接着剤として用いるかフッ素樹脂に液晶高分子や官能基含有フッ素樹脂をブレンドする方法、(4)一般の接着剤を用いて接着させる方法などが報告されている。
(1)と(2)については、処理工程のため、生産性が悪く、基材の種類や形状にも制限がある。また、得られる接着力も必ず満足する水準ではなく、着色や傷などの外観上の問題も生じる。(3)の官能基を有するフッ素樹脂については、例えば、特開2004−256820号公報にはヒドロキシル基を有する含フッ素エチレン性単量体を有する含フッ素接着剤が記載されている。また、特開2001−187833号公報には熱溶融性フッ素樹脂に液晶高分子と官能基含有フッ素樹脂をブレンドし、液晶高分子と官能基含有フッ素樹脂の相乗効果によって熱溶融性フッ素樹脂の接着性を向上させたフッ素樹脂組成物が掲載されている。しかし、官能基含有フッ素系モノマー含むフッ素樹脂は、官能基が無い一般のフッ素樹脂に比べて、耐熱性が不十分でフッ素樹脂の高温での成形や、高温での使用時には分解、発泡、着色などが起き接着強度を低下させる問題がある。更に、官能基含有フッ素系モノマーは合成が難しく、高価な場合が多いので、製造コストにも問題がある。(4)の一般のハイドロカーボン系の接着剤は、耐熱性が不十分であるため、高温での成形や加工を必要とするフッ素樹脂の接着条件では、分解による剥離や着色の問題を起し、接着力が維持できなくなり、信頼性に欠けている。
もう一つの方法として、特開平9−278966号公報には反応性末端基を有するテトラフルオロエチレンとパーフルオロビニル化合物との共重合体と溶融流動性液晶ポリエステルからなるブレンドに無機物粒子を配合することでフッ素樹脂の金属に対する接着性を一層向上させたフッ素樹脂組成物が記載されている。しかし、使用した無機物粒子の平均粒子径は3μm以上のいわゆるマイクロ粒子であり、一部平均粒子径が0.1〜0.7μmの無機物粒子もフッ素樹脂および液晶高分子と一緒に直接溶融混合した例が掲載されているが、微粒子を樹脂に直接溶融混合すると、微粒子の凝集力は粒径が小さくなるほど大きくなり、微粒子同士の再凝集が起こるため、微粒子を樹脂と直接溶融混合してもナノ粒子をそのまま均一に分散させることは極めて難しいため(第47回 日本学術会議材料研究連合講演会、vol 47,p150,2003)、無機物の微粒子をナノレベルに均一に分散させることによるフッ素樹脂の金属に対する接着性の向上は記載されてない。
特開2004−256820号公報 特開2001−187833号公報 特開平9−278966号公報 第47回 日本学術会議材料研究連合講演会、vol 47,p150,2003
本発明者は、樹脂一次粒子が界面活性剤(以下、乳化剤ということがある)に取り囲まれ溶媒中に安定に分散したフッ素樹脂エマルジョン(以下、ラテックスということがある)と無機微粒子表面に電気二重層が形成され、無機微粒子間の反発力によって無機微粒子が安定に分散されているコロイダル溶液(以下、無機微粒子ゾルということがある)とを攪拌して、樹脂一次粒子と無機微粒子を均一に混合した水性分散液を、0℃以下の温度で凍結するか、電解物質を加えて混合液のイオン強度またはpHを変化させるか、せん断力をかけることでフッ素樹脂1次粒子と無機微粒子の均一混合状態を固定させた後(以下、この過程を凝集ということがある)、得られた凝集体を水性の溶液から分離・乾燥することで無機微粒子を樹脂中にナノレベルに均一に分散させたフッ素樹脂複合体組成物は、金属や他の無機・有機基材との接着性に優れていることを発見した。
したがって、本発明の目的は、無機微粒子(以下、金属酸化物微粒子ということがある)をフッ素樹脂中にナノレベルに均一に分散させたフッ素樹脂複合体組成物からなる金属や他の無機・有機基材との接着性に優れているフッ素樹脂複合体組成物およびそれを用いた接着シートまたはフィルム、またはチューブを提供することにある。
本発明は、フッ素樹脂エマルジョンと無機微粒子のコロイダル溶液とを攪拌下に混合した水性分散液を、0℃以下の温度で凍結するか、電解物質を加えて混合液のイオン強度またはpHを変化させるか、せん断力をかけることで得られる凝集体を水性の溶液から分離・乾燥して得られた接着性フッ素樹脂複合体組成物を提供する。
前記フッ素樹脂エマルジョンが、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(アルキルビニルエ−テル)、ビニリデンフルオライドおよびビニルフルオライドから選ばれるモノマーの重合体または共重合体のエマルジョンである接着性フッ素樹脂複合体組成物は、本発明の好ましい態様である。
前記フッ素樹脂エマルジョンが、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(アルキルビニルエ−テル)、ビニリデンフルオライドおよびビニルフルオライドから選ばれる少なくとも1つのモノマーと、エチレンまたはプロピレンとの共重合体のエマルジョンである接着性フッ素樹脂複合体組成物は、本発明の好ましい態様である。
前記無機微粒子のコロイダル溶液が、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化鉄、酸化亜鉛と五酸化アンチモンを結合させた複酸化物から選ばれる少なくとも1つの無機微粒子のコロイダル溶液である接着性フッ素樹脂複合体組成物は、本発明の好ましい態様である。
前記フッ素樹脂複合体組成物中の無機微粒子の含量がフッ素樹脂複合体に対し0.5〜40重量%である接着性フッ素樹脂複合体組成物は、本発明の好ましい態様である。
前記無機微粒子のコロイダル溶液中の無機微粒子の平均粒径が、500nm以下であることを特徴とする接着性フッ素樹脂複合体組成物は、本発明の好ましい態様である。
前記フッ素樹脂複合体組成物の銅との剥離強度がフッ素樹脂の2倍以上であることを特徴とする接着性フッ素樹脂複合体組成物は、本発明の好ましい態様である。
フッ素樹脂複合体組成物が、フッ素樹脂エマルジョンと無機微粒子のコロイダル溶液とを攪拌下に混合した水性分散液を、0℃以下の温度で凍結するか、電解物質を加えて混合液のイオン強度またはpHを変化させるか、せん断力をかけることで得られる凝集体を水性の溶液から分離・乾燥して得られた乾燥粉末を圧縮または溶融加工して得られるペレットであることを特徴とする接着性フッ素樹脂複合体組成物は、本発明の好ましい態様である。
フッ素樹脂複合体組成物を、圧縮成形、押出し成形、トランスファー成形、ブロー成形、射出成形、回転成形またはライニング成形のいずれかで成形して得られる成形品は、本発明の好ましい態様である。
チューブ、シート、またはフィルムである成型品は、本発明の好ましい態様である。
本発明によって、無機微粒子(以下、金属酸化物微粒子ということがある)をフッ素樹脂中にナノレベルに均一に分散させたフッ素樹脂複合体組成物からなる金属や他の無機・有機基材との接着性に優れているフッ素樹脂複合体組成物、およびそれを用いた接着チューブ、シートまたはフィルムが提供される。
本発明において用いられフッ素樹脂エマルジョンとしては、公知のフッ素樹脂エマルジョンから適宜選択して使用することができる。このようなフッ素樹脂エマルジョンの例としては、例えば、テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)、ビニリデンフルオライド(VdF)およびビニルフルオライド(VF)から選ばれるモノマーの重合体または共重合体、あるいはこれらモノマーとエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン等の2重結合を有するモノマーやアセチレン、プロピン等の3重結合を有するモノマーとの共重合体のエマルジョンなどを挙げることができる。
フッ素樹脂の具体的な例としては、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)、TFE/PAVE共重合体(以下、PFAという)、TFE/HFP共重合体(以下、FEPという)、TFE/HFP/PAVE共重合体(EPE)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエテレン・エチレン共重合体(ECTFE)、TFE/VdF共重合体、TFE/VF共重合体、TFE/HFP/VF共重合体、HFP/VdF共重合体、VdF/CTFE共重合体、TFE/VdF/CTFE共重合体、TFE/HFP/VdF共重合体、などを挙げることができる。この内、テトラフルオロエチレンとパ−フルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体においては、パ−フルオロ(アルキルビニルエーテル)のアルキル基が炭素数1〜5、特に1〜3が好ましい。これらの重合体の粒子の分散液は、通常乳化重合によって製造される。
本発明では、樹脂一次粒子が界面活性剤に取り囲まれ溶媒中に安定に分散したフッ素樹脂エマルジョンと無機微粒子表面に電気二重層が形成され、無機微粒子間の反発力によって無機微粒子が安定に分散されているコロイダル溶液(以下、無機微粒子ゾルということがある)とを攪拌して、樹脂一次粒子と無機微粒子を均一に混合した水性分散液を凝集することで樹脂1次粒子と無機微粒子の均一混合状態を固定させた後、得られた凝集体を水性の溶液から分離・乾燥することで無機微粒子を樹脂中にナノレベルに均一に分散させたフッ素樹脂複合体組成物を得ることができる。従って、本発明では混合溶液の凝集・乾燥によって樹脂一次粒子と無機微粒子が均一に分散されている異種粒子の凝集体の乾燥粉末が得られるので、使用するフッ素樹脂の融点や溶融混合特性などに関係なく、乳化重合で得られるあらゆるフッ素樹脂エマルジョンを使用することができる。
フッ素樹脂エマルジョン中の樹脂一次粒子の粒子径としては、使用するコロイド溶液中の無機粒子の粒子径にもよるが、例えば50〜500nm、好ましくは70〜300nmである。
また、本発明の熱溶融性フッ素樹脂に無機微粒子がナノレベルまで均一に分散されたフッ素樹脂複合体組成物は、無機微粒子凝集体を15重量%入れても熱溶融性フッ素樹脂の伸び率や溶融成形性をある程度維持することができるため、これらのフッ素樹脂の溶融粘度或は分子量には特に制限がなく、使用目的によって適宜好適な範囲を選択することができる。
本発明では、無機微粒子が安定に分散されているゾルを使用するが、ゾルの無機微粒子としては金属や他の無機・有機基材との接着性を向上させる目的としては、微粒子表面に水酸基(−OH)や他の官能基を持っている酸化ケイ素(シリカ、SiO)、酸化チタン(TiO)、ゼオライト、酸化ジルコニウム(ZrO)、アルミナ(Al)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅、酸化鉄、五酸化アンチモンが好ましい。また、目的に応じて単独または組み合わせで使用しても良いし、上記または他の微粒子を選択して組み合わせで使用するか、上記の金属酸化物の複合酸化物を使用しても良い。他の微粒子としては、炭化ケイ素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si)、チタン酸バリウム(BaTiO)、ボロンナイトライト、酸化鉛、酸化すず、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト、酸化セリウム、酸化マグネシウム、セリウムジルコネイト、カルシウムシリケート、ジルコニウムシリケート、金、銀、銅、遷移金属などの金属微粒子が挙げられる。特に、微粒子表面の水酸基(−OH)、その他の官能基、イオンまたは微粒子表面に帯電した成分がフッ素樹脂と金属や他の無機・有機基材との間の接着性を向上させるため、微粒子としては、微粒子表面に水酸基(−OH)やその他の官能基またはイオンを持っているか、微粒子表面が帯電していて、無機微粒子表面に電気二重層が形成され、無機微粒子間の反発力によって無機微粒子が安定に分散されているコロイダル溶液を形成することができる微粒子が好ましい。
本発明の無機微粒子ゾルは、各種電解質や有機系添加剤などによって溶液状態で安定化されたものであるのが好ましい。例えば、コロイダルシリカゾルで説明すると、負に帯電した酸化ケイ素ナノ粒子を水中に分散させたコロイド溶液であり、粒子の表面にはシラノール基および水酸基が存在し、アルカリイオンにより電気2重層が形成され、粒子間の反発により安定化されている。ゾルにおける無機微粒子の粒子径については、特に、同じ重量%の無機微粒子が均一にフッ素樹脂中に分散された場合、微粒子の粒子径が小さい程、金属や他の無機・有機基材との接着に寄与する表面積が大きくなるため、無機微粒子の平均粒子径については、10nm〜500nm、好ましくは15nm〜400nm、更に好ましくは20〜350nmである。一般には無機微粒子の粒子径が500nmを超えると、無機微粒子が沈降し、コロイダルシリカゾルの貯蔵安定性が悪くなることがある。
無機微粒子のゾルとして純度の高いゾルと不純物が少ないフッ素樹脂エマルジョンを使用すると、得られるフッ素樹脂複合体組成物として、純度の高いフッ素樹脂複合体組成物を得ることができる。例えば、シリカゾルとして超高純度コロイダルシリカと金属イオンなどの不純物が少ないフッ素樹脂エマルジョンとを使用すると、極めて純度が高いフッ素樹脂複合体組成物を得ることができる。このようにして得られる極めて純度が高いフッ素樹脂複合体組成物からなる成形品は、半導体製造装置などに用いられる純粋性が要求される部品しても好適に用いられる。超高純度コロイダルシリカとしては、例えば、扶桑化学のPLシリーズが市販されている。
本発明では、樹脂一次粒子が界面活性剤に取り囲まれ溶媒中に安定に分散したフッ素樹脂エマルジョンと無機微粒子表面に電気二重層が形成され、無機微粒子間の反発力によって無機微粒子が安定に分散されているコロイダル溶液とを攪拌して、樹脂一次粒子と無機微粒子を均一に混合した水性分散液を凝集することで樹脂1次粒子と無機微粒子の均一混合状態を固定させた後に凝集体を水性の溶液から分離・乾燥することで無機微粒子を樹脂中にナノレベルに均一に分散させたフッ素樹脂複合体組成物が得られる。樹脂一次粒子と無機微粒子を均一に混合した水性分散液の凝集法としては、攪拌装置による強いせん断力で樹脂エマルジョンと無機微粒子ゾル混合液を攪拌してフッ素樹脂エマルジョンの中の界面活性剤のミセル構造を破壊して凝集する方法(物理的凝集)、樹脂エマルジョンと無機微粒子ゾル混合液に電解物質を入れてイオン強度またはpHを変化させることで樹脂エマルジョンまたは無機微粒子コロイドの安定性を急に低下させて凝集する方法(化学的凝集)、樹脂エマルジョンと無機微粒子ゾル混合液を凍結して発生する氷晶の成長によって氷晶間でラテックス粒子またはコロイドル粒子を圧着させて凝集する方法(凍結凝集)などを挙げることができる。
中でも、フッ素樹脂エマルジョンと無機微粒子ゾルの混合液に電解物質または無機塩などを入れてフッ素樹脂エマルジョンまたは無機微粒子コロイド溶液の安定性を急に低下させて、一気に樹脂1次粒子と無機微粒子の均一混合状態を固定して異種粒子が均一に分散された凝集体を得る化学的凝集方法が好ましい。化学的に凝集する前の混合液中の樹脂一次粒子または無機微粒子の種類およびその割合にもよるが、例えば、フッ素樹脂エマルジョンのフッ素樹脂一次粒子を化学的に凝集させる目的として使用される電解物質としては、水に可溶なHCl、HSO、HNO、HPO、NaSO、MgCl、CaCl、ギ酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸アンモニウムなどの無機または有機の化合物を例示することができる。これらの中では、後の凝集体の乾燥工程で揮発可能な化合物、例えばHCl、HNO、炭酸アンモニウムなどを使用するのが好ましい。また上記電解物質以外にもハロゲン水素酸、燐酸、硫酸、モリブデン酸、硝酸のアルカリ金属塩、アルカリ土金属塩、アンモニウムの塩など、好ましくは、臭化カリウム、硝酸カリウム、ヨウ化カリウム(KI)、モリブデン酸アンモニウム、リン酸ニ水素ナトリウム、臭化アンモニウム(NHBr)、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化銅、硝酸カルシウムなどの無機塩を単独または組み合わせで使用することもできる。これらの電解物質は、電解物質の種類、フッ素樹脂エマルジョンと無機微粒子ゾルの固形分濃度にもよるが、フッ素樹脂エマルジョンと無機微粒子ゾルの混合液の重量に対して0.001〜15重量%、特に0.05〜10重量%の割合で使用することが好ましい。またフッ素樹脂エマルジョンと無機微粒子ゾル混合液に水溶液の形で添加するのが好ましい。電解物質の使用量が少なすぎる場合には、部分的にゆっくり凝集が起こる所があるため、全体的に一気に樹脂1次粒子と無機微粒子の均一混合状態を固定することが出来なく、無機微粒子が樹脂中に均一に分散された樹脂複合体組成物を得ることが出来ない場合がある。
また、フッ素樹脂エマルジョンと無機微粒子ゾルの固形分濃度にもよるが、フッ素樹脂エマルジョンと無機微粒子ゾルを攪拌して均一な混合液を得る目的で、フッ素樹脂エマルジョンまたは無機微粒子ゾルを予め純水などで薄めて固形分濃度を調整してから攪拌・混合することも可能である。
フッ素樹脂エマルジョンと無機微粒子ゾルとを攪拌して、樹脂一次粒子と無機微粒子を均一に混合してから、更に物理的または化学的に混合液を凝集させる装置は、特に制限されるものではないが、攪拌速度が制御できる攪拌手段、例えばプロペラ翼、タービン翼、パドル翼、かい型翼、馬蹄形型翼、螺旋翼などと排水手段を備えた装置であることが好ましい。このような装置中にフッ素樹脂エマルジョン、無機微粒子ゾルおよび電解物質または無機塩を入れ攪拌することにより、樹脂のコロイド粒子または/および無機微粒子が凝集して異種粒子の凝集体となり、水性媒体から分離させる。凝集体から水性媒体を分離する工程の攪拌速度は、フッ素樹脂エマルジョンと無機微粒子ゾルの混合工程の攪拌速度より1.5倍以上早い方が好ましい。異種粒子の凝集体を、水性媒体を排出し必要に応じて水洗された後、樹脂の融点または熱分解開始温度以下の温度で乾燥することでフッ素樹脂複合組成物の粉末が得られる。乾燥する温度は、フッ素樹脂の熱劣化や分解が起こらない温度内で、電解物質や界面活性剤などが揮発できる温度範囲が好ましい。
フッ素樹脂複合体組成物中の無機微粒子の含量は樹脂複合体組成物の用途にもよるが、フッ素樹脂複合体に対して、0.1〜80重量%、更に好ましくは0.3〜50重量%、もっとも好ましくは0.5〜40重量%である。無機微粒子が樹脂中にナノレベルで分散されたナノ樹脂複合体混合物或いはいわゆる高分子ナノコンポジットは、フィラーがミクロンレベルで分散された従来の樹脂複合体混合物に比べて、ナノ粒子と樹脂マトリックス間の界面面積が大幅に増えるため、無機微粒子を従来の樹脂複合体混合物より少量入れても物性の改善が期待できる利点がある。また、無機微粒子の大きさがナノレベルであるため、樹脂ナノコンポジットは透明になる。
本発明において、上記乾燥工程で得られるフッ素樹脂一次粒子と無機微粒子が均一に分散されている異種粒子の凝集体の乾燥粉末は、通常の溶融押出し機を通してペレットにしてから押出成型、射出成型、トランスファー成型、ブロー成型などの溶融成型をすることができる。勿論、前記のようにペレット化しない異種粒子の凝集体の粉末を直接成型原料にするか、あるいは成型機ホッパーで凝集体粉末の食い込みをよくするためコンパクターで乾燥した凝集体の粉体を固めて溶融成型することもできる。凝集体の乾燥粉末試料とそれを更に溶融押出し機を通してペレット化した試料では、フッ素樹脂中に分散されている無機微粒子の分散状態はほぼ同じである(図1、図2参照)。更に、本発明で得られるフッ素樹脂一次粒子と無機微粒子が均一に分散されている異種粒子の凝集体の粉末を更に造粒して粉末成型や粉末コーティング、回転成形用材料としても用いることができる。
また、溶融押出し機を通してペレットにする場合は、せん断応力の面から2軸押し出し機を用いるのが好ましい。乾燥工程で得られるフッ素樹脂一次粒子と無機微粒子が均一に分散されている異種粒子の凝集体は、2軸押出機を用いて溶融混合しても均一な分散を維持することができ、且つ溶融混合することにより更に均一に分散させることができる。また、溶融押出し機を通してペレット化する過程で、透明性が損なわれない範囲で、任意に添加剤を配合するか他の樹脂とブレンドすることができる。添加剤の配合は、溶融押出し工程では勿論、前記樹脂エマルジョンと無機微粒子ゾルの混合工程で行うこともできる。このような添加剤として、マイカ、クレイのような層状ケイ素化合物のナノ粒子などを例示することができる。
本発明の接着性フッ素樹脂複合体組成物は、鋼、ステンレス鋼、銅、アルミニウムなどの金属基材或いはポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂などの高分子基材、ガラスに対するラミネーションフィルム、コーティングや回転ライニング用の粉末として用いることができる。これらの基材を本発明のフッ素樹脂複合体組成物で被覆する方法としては、物品の形状等に応じて、適宜種々の方法を採用することができる。例えば、本発明のフッ素樹脂複合体粉末組成物を静電吹き付けなどの粉体塗装法により物品表面に付着させたのちフッ素樹脂の融点以上に加熱して焼き付ける方法、あるいは管体や容器の内面などを被覆する場合には、本発明のフッ素樹脂複合体粉末組成物を使用して回転ライニング法により被覆層を得るなどの方法を採用することができる。更に鋼板などの金属板の場合には、予めフッ素樹脂の融点以上の温度に加熱された金属板にフィルムのフッ素樹脂複合体組成物をローラー等により熱圧着することにより被覆することもできる。金属基材を本発明のフッ素樹脂複合体組成物で被覆するに当たっては、材質がステンレス鋼の場合には予め通常の脱脂処理を施すのみで優れた耐水性を有する接着被覆を得ることができるが、サンドブラストやサンドペーパー処理などを施すことによって更に接着性を向上させることも勿論可能である。軟鋼のような発錆し易い材質の場合には、予めサンドブラストやサンドペーパー処理により錆や酸化膜を除去した後、脱脂処理を施しておくことが望ましい。
本発明の接着性フッ素樹脂複合体組成物からなるシート、フィルム、チューブなどの管体、または本発明の接着性フッ素樹脂複合体組成物で被覆された物品は、そのまま使用することが勿論可能である。また、本発明の接着性フッ素樹脂複合体組成物からなるシート、フィルム、チューブなどの管体の片面または両面にフッ素樹脂を被覆し、積層体を形成することも可能である。接着性フッ素樹脂複合体組成物の片面または両面に被覆するフッ素樹脂としては、PTFE,PFA,FEP、ETFE、ECTFE、PVdF、PVFなどが好ましい。本発明のフッ素樹脂複合体組成物からなる層は、粒子径400nm以下の無機微粒子がフッ素樹脂マトリックス中にナノレベルまで均一に分散され透明性があるため、配管として積層構造にしても薬液が流れる状況を確認することができる利点がある。
このようにして得られるフッ素樹脂複合体組成物の被覆を有する物品は、被覆層の接着力によって被覆層の接着力の低下が少なく、耐久性に優れている。また、フッ素樹脂複合体組成物からなる被覆層は、耐腐蝕性、防錆性、耐候性、耐熱性、耐薬品性、耐摩擦・磨耗特性に優れている。
以下に本発明を、PFAの場合について実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、この説明が本発明を限定するものではない。
本発明において各物性の測定は、下記の方法によって行った。
(A.物性の測定)
(1)融点(融解ピーク温度)
示差走査熱量計(Pyris1型DSC、パーキンエルマー社製)を用いた。試料約10mgを秤量して専用のアルミパンに入れ、専用のクリンパーによってクリンプした後、DSC本体に収納し、150℃から360℃まで10℃/分で昇温をする。この時得られる融解曲線から融解ピーク温度(Tm)を求めた。
(2)メルトフローレート(MFR)
ASTM D−1238−95に準拠した耐食性のシリンダー、ダイ、ピストンを備えたメルトインデクサー(東洋精機製)を用いて、5gの試料粉末を372±1℃に保持されたシリンダーに充填して5分間保持した後、5kgの荷重(ピストンおよび重り)下でダイオリフィスを通して押出し、この時の押出速度(g/10分)をMFRとして求めた。
(3)シリカ分散状態
フッ素樹脂複合体組成物試料を350℃で溶融圧縮成形することによって作製された厚さ約200μmの試料より、10mm×10mmの試片を3ヶ所切り取り、光学顕微鏡(NIKON製、OPTIPHOT2−POL)を使用して、大きさが10μm以上のシリカナノ粒子からなる凝集体の有無で分散状態を評価した。10μm以上のシリカナノ粒子からなる凝集体が観察されない試料のみ、液体窒素に入れ作製した破断面を走査型電子顕微鏡で各試料につき3ヶ所観察し、シリカの分散状態を下記基準に従って評価した。
◎:電子顕微鏡観察で、殆どのシリカが1次粒子まで分散されている。
○:シリカナノ粒子からなる凝集体が僅かに残っている。
×:光学顕微鏡で10μm以上のシリカナノ粒子からなる凝集体が数多く残っている。
(4)引っ張り物性(引っ張り強度、伸び率、引っ張り弾性率)
フッ素樹脂複合体組成物を350℃で溶融圧縮成形することによって作製された厚さ約1mmの試料より、JIS K 7127に準じて、引っ張り速度50mm/分で測定した。
(5)剥離強度
フッ素樹脂複合体組成物を350℃で溶融圧縮成形することによって作製された厚さ約1mmの試料より145mm×145mmのフッ素樹脂複合体組成物試料シートを作製した。フッ素樹脂複合体組成物試料シートの上と下に予め脱脂処理した厚さ0.1mmの銅板(寸法:150mm×150mm)を置き、厚さ1mmのスペーサーを2枚の金属板の間にはさみ、350℃に設定したプレス機にセットし、15分間予熱したのち、3MPaで溶融圧縮成形した。得られた圧縮成形試料を幅1cm、長さ15cmに切断して剥離強度測定用試料を作製し、その試験片をJIS C5016に準じ、180度法により、試験片を50mm/分の速度で剥離し、5つの試験片の平均値から剥離強度(kgf/cm)を求めた。
(B.原料)
本発明の実施例、および比較例で用いた原料は下記の通りである。
(1)PFAエマルジョン
乳化重合で得られたPFA水性分散液(PFA固形分:29重量%、PFA 一次粒子の平均粒子径:200nm、pH:9、融点:309℃、メルトフローレート:2g/10分)。
(2)シリカゾル(扶桑化学工業製、超高純度コロイダルシリカ)
(a)PL−3(シリカ:19.5重量%、シリカ1次粒径:35nm、pH:7.2)
(b)PL−7(シリカ:22.7重量%、シリカ1次粒径:70nm、pH:7.4)
(c)PL−13(シリカ:24重量%、シリカ1次粒径:130nm、pH:7.4)
(d)PL−20(シリカ:24重量%、シリカ1次粒径:220nm、pH:7.4)
(3)溶融シリカ
電気化学工業製、FB−74(シリカ平均粒子径:32000nm)
(実施例1)
シリカゾル(PL−3)269.9gと純水270gをビーカー(8L)に入れ、ダウンフロータイププロペラ型4枚羽根付き攪拌を使用して140rpmで15分間攪拌してから、シリカ含量がPFA樹脂複合体に対して5重量%になるように乳化重合で得られたPFA水性分散液3380gを入れ、また300rpmで30分間攪拌したあと、60%硝酸13gを加えて、ゲル化が進み流動しなくなるまで攪拌しフッ素樹脂一次粒子とシリカナノ粒子を一気に凝集させた。得られたゲル状の凝集体をさらに450rpmで10分攪拌し凝集体を水性媒体から分離させることで余分の水を除去した。後に残った凝集体を170℃で10時間乾燥し、凝集体の乾燥粉末を得た。凝集体の乾燥粉末は、溶融混合装置(東洋精機製作所製KF−70V小型セグメントミキサー)を用い、340℃、240rpmで1分40秒間溶融混合し、フッ素樹脂複合体組成物を得た。大きさ約3mmの小片にしてフッ素樹脂複合体組成物を350℃で圧縮成形し、得られた厚さ約1.0mmの試料を用いて引っ張り物性・MFR測定、光学・電子顕微鏡観察を行い、結果を表1に示す。また、厚さ約1.0mmの試料を用いて剥離強度測定用試料を作製し、銅との剥離実験を行い、結果を表2に示す。
(実施例2)
シリカゾル(PL−7)231.9gと純水230gをビーカー(8L)に入れ、ダウンフロータイププロペラ型4枚羽根付き攪拌を使用して140rpmで15分間攪拌してから、シリカ含量が5重量%になるように乳化重合で得られたPFA水性分散液3380gを入れ、実施例1と同じ手順で凝集体の乾燥粉末および溶融混合したフッ素樹脂複合体組成物を得た。乾燥粉末および溶融混合したフッ素樹脂複合体組成物を350℃で圧縮成形し、得られた厚さ約1mmの試料の電子顕微鏡観察を図1および図2に示す。また、溶融混合したフッ素樹脂複合体組成物の引っ張り物性・MFR測定を行い、結果を表1に示す。また、銅との剥離実験を行い、結果を表2に示す。
(実施例3)
シリカゾル(PL−7)489.5gと純水490gをビーカー(8L)に入れ、ダウンフロータイププロペラ型4枚羽根付き攪拌を使用して140rpmで15分間攪拌してから、シリカ含量がPFA樹脂複合体に対して10重量%になるように乳化重合で得られたPFA水性分散液3380gを入れ、実施例1と同じ手順で凝集体の乾燥粉末および溶融混合したフッ素樹脂複合体組成物を得た。溶融混合して得られたフッ素樹脂複合体組成物を350℃で圧縮成形し、引っ張り物性・MFR測定、光学・電子顕微鏡観察を行い、結果を表1に示す。また、銅との剥離実験を行い、結果を表2に示す。
(実施例4)
シリカゾル(PL−7)777.4gと純水770gをビーカー(8L)に入れ、ダウンフロータイププロペラ型4枚羽根付き攪拌を使用して140rpmで15分間攪拌してから、シリカ含量がPFA樹脂複合体に対して15重量%になるように乳化重合で得られたPFA水性分散液3380gを入れ、実施例1と同じ手順で凝集体の乾燥粉末および溶融混合したフッ素樹脂複合体組成物を得た。溶融混合して得られたフッ素樹脂複合体組成物を350℃で圧縮成形し、引っ張り物性・MFR測定、光学・電子顕微鏡観察を行い、結果を表1に示す。また、銅との剥離実験を行い、結果を表2に示す。
(実施例5)
シリカゾル(PL−7)1107.3gと純水1100gをビーカー(8L)に入れ、ダウンフロータイププロペラ型4枚羽根付き攪拌を使用して140rpmで15分間攪拌してから、シリカ含量がPFA樹脂複合体に対して20重量%になるように乳化重合で得られたPFA水性分散液3380gを入れ、実施例1と同じ手順で凝集体の乾燥粉末および溶融混合したフッ素樹脂複合体組成物を得た。溶融混合して得られたフッ素樹脂複合体組成物を350℃で圧縮成形し、引っ張り物性・MFR測定、光学・電子顕微鏡観察を行い、結果を表1に示す。また、銅との剥離実験を行い、結果を表2に示す。
(実施例6)
シリカゾル(PL−13)219.3gと純水220gをビーカー(8L)に入れ、ダウンフロータイププロペラ型4枚羽根付き攪拌を使用して140rpmで15分間攪拌してから、シリカ含量がPFA樹脂複合体に対して5重量%になるように乳化重合で得られたPFA水性分散液3380gを入れ、実施例1と同じ手順で凝集体の乾燥粉末および溶融混合したフッ素樹脂複合体組成物を得た。溶融混合して得られたフッ素樹脂複合体組成物を350℃で圧縮成形し、引っ張り物性・MFR測定、光学・電子顕微鏡観察を行い、結果を表1に示す。また、銅との剥離実験を行い、結果を表2に示す。
(実施例7)
シリカゾル(PL−20)219.3gと純水220gをビーカー(8L)に入れ、ダウンフロータイププロペラ型4枚羽根付き攪拌を使用して140rpmで15分間攪拌してから、シリカ含量がPFA樹脂複合体に対して5重量%になるように乳化重合で得られたPFA水性分散液3380gを入れ、実施例1と同じ手順で凝集体の乾燥粉末および溶融混合したフッ素樹脂複合体組成物を得た。溶融混合して得られたフッ素樹脂複合体組成物を350℃で圧縮成形し、引っ張り物性・MFR測定、光学・電子顕微鏡観察を行い、結果を表1に示す。また、銅との剥離実験を行い、結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例2のフッ素樹脂複合体組成物を使用して作製した銅との剥離強度測定用圧縮成形シートを200℃に保持された空気循環炉中に16時間加熱後、炉より取り出して室温で放冷し、これについて前記と同じ条件で剥離強度を測定し、結果を表2に示す(これを200℃加熱剥離強度とする)。
(実施例9)
実施例8の200℃に保持された空気循環炉中に16時間加熱後の銅との剥離強度測定用圧縮成形シートを更に水道水中にさらに99時間入れた後に、これについて前記と同じ条件で剥離強度を測定し、結果を表2に示す(これを耐水性剥離強度とする)。
(比較例1)
平均粒子径が32000nmの溶融シリカと熱溶融性樹脂であるPFAペレットを溶融混合装置(東洋精機製作所製KF−70V小型セグメントミキサー)を使用して、340℃、240rpmで1分40秒間溶融混合し、平均粒子径が32000nmのマイクロスケールのシリカがフッ素樹脂中に分散されている従来の複合体組成物を得た。得られた試料を350℃で圧縮成形し、得られた厚さ約1.0mmの試料を用いて引っ張り物性・MFR測定、光学・電子顕微鏡観察を行い、結果を表1に示す。また、銅との剥離実験を行い、結果を表2に示す。
(参考例1)
シリカの使用を省略したフッ素樹脂のみの物性を表1および表2に示す。
Figure 2008115336
Figure 2008115336
表1に示された結果では、本発明によるフッ素樹脂複合体組成物(実施例1〜7)はシリカがナノ分散されていた。また、シリカ含量が5%の場合、シリカがナノ分散されるとMFRはフッ素樹脂単体(参考例1)よりやや高くなる。しかし、シリカがナノ分散されてない場合は(比較例1)、従来のマイクロコンポジットのようにMFRがフッ素樹脂単体より低くなった。
シリカの1次粒径が一定の場合、シリカ含量が5%、10%、15%に増えると、MFRと伸び率をある程度維持しながら弾性率が高くなった。従来のマイクロコンポジットでは、充填材の含量が増えるとMFRと伸び率が著しく減少することから、シリカ含量を増やしてもMFRと伸び率をある程度維持できるのはシリカ1次粒子のナノ分散のため現れるいわゆる高分子ナノコンポジットによる結果であると思われる。
また、凝集体の乾燥粉末状態のフッ素樹脂複合体組成物(図1)と乾燥粉末を更に溶融混合したフッ素樹脂複合体組成物(図2)の電子顕微鏡観察結果からは、両方ともシリカのナノ分散状態には差は見られなかった。従って、凝集体は乾燥粉末状態でもシリカはフッ素樹脂中にナノ分散されていると思われる。
表2に示された結果では、シリカがナノ分散されフッ素樹脂複合体組成物(実施例1〜7)の銅との剥離強度は、フッ素樹脂単体(参考例1)の2.5倍以上になり、接着性フッ素樹脂としての充分な接着性を示した。一般的に非粘着性樹脂として知られているPFAにシリカをナノ分散させることで接着性が現れるのはシリカのナノ分散により銅表面との接着に寄与するシリカの表面積が増えたためであると思われるが詳細な接着のメカニズムは解明されていない。また、粒子径が一定の場合は、シリカの含量が5%から20%に増えると銅剥離強度も高くなる傾向が現れた。しかし、シリカの粒径が32000nmの場合は(比較例1)は剥離強度がフッ素樹脂単体にくらべて多少高くなるが、本発明のシリカがナノ分散されたフッ素樹脂複合体組成物ほどの接着強度にならない。
また、比較例1の場合は、銅剥離強度のバラツキはシリカがナノ分散されフッ素樹脂複合体組成物(実施例1〜7)の場合より大きくなった。
更に、実施例8、実施例9では、銅剥離強度測定試料を高温で熱処理したり、冷水の中に長時間入れた後に銅剥離強度を測定したりしても、熱・冷水処理前の銅剥離強度(実施例2)をほぼ維持できることから、本発明のシリカがナノ分散されフッ素樹脂複合体組成物の接着性には充分信頼性があることが分かる。
本発明によって提供されるフッ素樹脂複合体組成物は、無機微粒子(以下、金属酸化物微粒子ということがある)をフッ素樹脂中にナノレベルに均一に分散させたフッ素樹脂複合体組成物からなる金属や他の無機・有機基材との接着性に優れているフッ素樹脂複合体組成物である。
本発明の接着性フッ素樹脂複合体組成物は、鋼、ステンレス鋼、銅、アルミニウムなどの金属基材或いはポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂などの高分子基材、ガラスに対するラミネーションフィルムまたはシート、コーティングや回転ライニング用の粉末として好適に用いることができる。
本発明の接着性フッ素樹脂複合体組成物からなるシート、フィルム、チューブなどの管体または接着性フッ素樹脂複合体組成物で被覆された物品は、そのまま使用することが勿論可能であるが、必要に応じて、本発明の接着性フッ素樹脂複合体組成物の片面または両面に更にフッ素樹脂の被覆層を形成することも可能である。本発明のフッ素樹脂複合体組成物からなる層は、粒子径350nm以下の無機微粒子がフッ素樹脂マトリックス中にナノレベルまで均一に分散され透明性があるため、配管として積層構造にしても薬液が流れる状況を確認することができる利点がある。
本発明のフッ素樹脂複合体組成物の被覆を有する物品は、被覆層の接着力によって被覆層の接着力の低下が少なく、耐久性に優れている。また、本発明のフッ素樹脂複合体組成物からなる被覆層は、耐腐蝕性、防錆性、耐候性、耐熱性、耐薬品性、耐摩擦・磨耗特性に優れている。
実施例2で得られた凝集体の乾燥粉末試料のシリカ分散状態を示す電子顕微鏡写真である。 実施例2で使用した溶融混合後のフッ素樹脂複合体組成物のシリカ分散状態を示す電子顕微鏡写真である。 比較例1で使用したフッ素樹脂複合体組成物のシリカ分散状態を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (10)

  1. フッ素樹脂エマルジョンと無機微粒子のコロイダル溶液とを攪拌下に混合した水性分散液を、0℃以下の温度で凍結するか、電解物質を加えて混合液のイオン強度またはpHを変化させるか、せん断力をかけることで得られる凝集体を水性の溶液から分離・乾燥して得られた接着性フッ素樹脂複合体組成物。
  2. フッ素樹脂エマルジョンが、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(アルキルビニルエ−テル)、ビニリデンフルオライド及びビニルフルオライドから選ばれるモノマーの重合体又は共重合体のエマルジョンであることを特徴とする請求項1に記載の接着性フッ素樹脂複合体組成物。
  3. フッ素樹脂エマルジョンが、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(アルキルビニルエ−テル)、ビニリデンフルオライド及びビニルフルオライドから選ばれる少なくとも1つのモノマーと、エチレン又はプロピレンとの共重合体のエマルジョンであることを特徴とする請求項1に記載の接着性フッ素樹脂複合体組成物。
  4. 無機微粒子のコロイダル溶液が、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化鉄、酸化亜鉛と五酸化アンチモンを結合させた複酸化物から選ばれる少なくとも1つの無機微粒子のコロイダル溶液である、請求項1〜3のいずれかに記載の接着性フッ素樹脂複合体組成物。
  5. 前記フッ素樹脂複合体組成物中の無機微粒子の含量がフッ素樹脂複合体に対し0.5〜40重量%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の接着性フッ素樹脂複合体組成物。
  6. 無機微粒子のコロイダル溶液中の無機微粒子の平均粒径が、500nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の接着性フッ素樹脂複合体組成物。
  7. 前記フッ素樹脂複合体組成物の銅との剥離強度がフッ素樹脂の2倍以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の接着性フッ素樹脂複合体組成物。
  8. フッ素樹脂複合体組成物が、フッ素樹脂エマルジョンと無機微粒子のコロイダル溶液とを攪拌下に混合した水性分散液を、0℃以下の温度で凍結するか、電解物質を加えて混合液のイオン強度またはpHを変化させるか、せん断力をかけるかのいずれかで得られる凝集体を水性の溶液から分離・乾燥して得られた乾燥粉末を圧縮または溶融加工して得られるペレットの形状であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の接着性フッ素樹脂複合体組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のフッ素樹脂複合体組成物を、圧縮成形、押出し成形、トランスファー成形、ブロー成形、射出成形、回転成形またはライニング成形のいずれかで成形して得られる成形品。
  10. 成形品が、チューブ、シート、またはフィルムである請求項9に記載の成形品。
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