JP2008115049A - ホウ化物単結晶の製造方法、ホウ化物単結晶、電子素子及び発光素子 - Google Patents

ホウ化物単結晶の製造方法、ホウ化物単結晶、電子素子及び発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】ホウ化物単結晶の成長工程において不純物を除去し、結晶性に優れたホウ化物単結晶を製造することができるホウ化物単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】化学式XB(ただし、XはZr,Ti,Cr,Hf及びTaから選ばれる少なくとも1種である。)で表されるホウ化物から成る原料棒6を種結晶8に接触させて浮遊帯域法によって、化学式XBで表されるホウ化物単結晶を成長させるホウ化物単結晶の製造方法において、水素ガスを添加した雰囲気ガス9中でホウ化物単結晶を成長させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオード(LED)や半導体レーザ(LD)等の発光素子及び電界効果トランジスター(FET)等の電子素子に応用されるGaNやAlGaN等の窒化ガリウム系化合物半導体を成長させるための基板に好適に用いられるホウ化物単結晶の製造方法、ホウ化物単結晶、電子素子及び発光素子に関するものである。
GaNやAlGaN等の窒化ガリウム系化合物半導体は、高融点(GaN:2791℃、AlN:3487℃)であることや、Nの平衡蒸気圧が高いことから、バルクの単結晶の製造が困難である。そのため、基板上に薄膜として成長させた窒化ガリウム系化合物半導体が利用されている。
この窒化ガリウム系化合物半導体は、直接遷移型の化合物半導体であり、また広いバンドギャップ(ワイドバンドギャップ)を持つため、青色光、青紫色光または紫色光の発光ダイオードやレーザダイオード等の発光素子、フォトディテクターや火炎センサー等の受光素子として利用されている。
また、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)、MESFET(Metal-Semiconductor FET)、MISFET(Metal-Insulator-Semiconductor FET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)等の電子素子では、窒化ガリウム系半導体はGaAsに近いキャリア輸送特性を有し、ワイドバンドギャップを持ち破壊電界が高いことから、高周波及び高出力トランジスタの材料として有望視されている。
窒化ガリウム系化合物半導体を形成するための基板は、主にサファイア(Al)や炭化珪素(SiC)等の基板が使用されている。しかしながら、これらの基板は、成長させる窒化ガリウム系化合物半導体との格子定数差が大きい。例えば、サファイアはGaNとの格子不整合が13.7%もある。従って、サファイア製の基板上に成長された窒化ガリウム系化合物半導体には転位が多く発生する。
そこで、現状では、転位密度の小さい窒化ガリウム系化合物半導体を成長させるために、1)基板と窒化ガリウム系化合物半導体との間に低温堆積緩衝層(バッファ層)を形成する方法、2)選択横成長(ELO:Epitaxial Lateral Overgrowth)法によって窒化ガリウム系化合物半導体を成長させる方法、3)ファセット制御ELO(facet controlled ELO)法によって窒化ガリウム系化合物半導体を成長させる方法、4)基板に溝構造を形成する方法等の各種の工夫を行っている(例えば、非特許文献1,2参照)。
これらの低転位化の工夫により転位密度の低減は可能であるが、製造コストや歩留りの観点から実用的な製造方法とはいえず、実際上低転位密度の窒化ガリウム系化合物半導体の製造は困難であるのが実状である。
そこで、基板として、窒化ガリウム系化合物半導体と格子定数差の小さいZrB等のホウ化物単結晶が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。ホウ化物単結晶はGaNとの格子不整合(格子ミスマッチ)が1%程度である。
このホウ化物単結晶は、例えば、粉末原料を焼結体(セラミック)として成型した原料棒を用いて、高周波誘導加熱による浮遊帯域法(RF−FZ(Floating Zone)法)により単結晶成長させることによって製造される。このRF−FZ法については、例えば特許文献3に詳細に記載されている。
特開2002−43223号公報 特開2002−348200号公報 特開平10−95699号公報 単結晶成長学会誌Vol.29,No.3,p12−17、III族窒化物半導体,培風館,p122−124 白色LED照明システムの高輝度化・高効率化・長寿命化技術,技術情報協会,p65−71
しかしながら、RF−FZ法によって実際に育成したホウ化物単結晶は、転位密度が10cm−2、(0002)面におけるX線回折強度分布の半値幅が200arcsec以上であり、結晶性が悪いものであった。結晶性劣化の主な原因は、ZrB単結晶等のホウ化物単結晶に含まれる不純物であり、結晶格子間に混入した不純物原子が転位や結晶粒界の発生をもたらすものと考えられる。しかしながら、ZrBの焼結体から成る原料棒は、その作製過程で炭素製の容器や発熱体を使用するために、炭素が混入しやすく、また大気中の酸素や窒素が自然吸着するために、高純度の原料棒を入手することが困難であった。
従って、本発明は上記従来の技術における問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、ホウ化物単結晶の成長工程において不純物を除去し、結晶性に優れたホウ化物単結晶を製造することができるホウ化物単結晶の製造方法、その製造方法で得られたホウ化物単結晶、そのホウ化物単結晶を用いて形成された電子素子及び発光素子を提供することを目的とする。
本発明のホウ化物単結晶の製造方法は、化学式XB(ただし、XはZr,Ti,Cr,Hf及びTaから選ばれる少なくとも1種である。)で表されるホウ化物から成る原料棒を種結晶に接触させて浮遊帯域法によって、前記化学式XBで表されるホウ化物単結晶を成長させるホウ化物単結晶の製造方法において、水素ガスを添加した雰囲気ガス中で前記ホウ化物単結晶を成長させることを特徴とする。
また本発明のホウ化物単結晶の製造方法は好ましくは、前記雰囲気ガスは、主成分がアルゴンまたはキセノンであることを特徴とする。
また本発明のホウ化物単結晶の製造方法は好ましくは、前記雰囲気ガスは、水素ガスの濃度が4体積%以下であることを特徴とする。
また本発明のホウ化物単結晶の製造方法は好ましくは、前記雰囲気ガスは、圧力が0.1乃至5MPaであることを特徴とする。
本発明のホウ化物単結晶は、上記本発明のホウ化物単結晶の製造方法によって製造されたホウ化物単結晶であって、酸素濃度が100ppm以下であることを特徴とする。
本発明のホウ化物単結晶は、上記本発明のホウ化物単結晶の製造方法によって製造されたホウ化物単結晶であって、炭素濃度が230ppm以下であることを特徴とする。
本発明の電子素子は、上記本発明のホウ化物単結晶から得られた基板上に、窒化ガリウム系化合物半導体層を含む半導体層が形成されていることを特徴とする。
本発明の発光素子は、上記本発明のホウ化物単結晶から得られた基板上に、第1導電型の窒化ガリウム系化合物半導体層、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層及び第2導電型の窒化ガリウム系化合物半導体層を順次積層した積層体を含む半導体層が形成されていることを特徴とする。
本発明のホウ化物単結晶の製造方法は、化学式XB(ただし、XはZr,Ti,Cr,Hf及びTaから選ばれる少なくとも1種である。)で表されるホウ化物から成る原料棒を種結晶に接触させて浮遊帯域法によって、化学式XBで表されるホウ化物単結晶を成長させるホウ化物単結晶の製造方法において、水素ガスを添加した雰囲気ガス中でホウ化物単結晶を成長させることから、水素が成長途中の溶融状態のホウ化物単結晶に含まれる酸素や炭素と結合して、酸素や炭素を除去する作用を生ずる。従って、得られたホウ化物単結晶は、析出物、転位、結晶粒界等の結晶欠陥が減少し、結晶性を示すX線回折強度分布の半値幅も従来と比べて大幅に改善されるものとなる。
また本発明のホウ化物単結晶の製造方法は好ましくは、雰囲気ガスは、主成分がアルゴンまたはキセノンであることから、これらの不活性ガスは、結晶成分の蒸発の抑制、及びコイルに発生する放電の抑制という効果を奏する。
また本発明のホウ化物単結晶の製造方法は好ましくは、雰囲気ガスは、水素ガスの濃度が4体積%以下である。この構成により、水素ガスの濃度が4体積%を超える場合には、原料棒の溶融部分から火花状の騰沸現象が見られた後にコイルに放電が発生するが、そのような問題を回避することができる。その結果、高い結晶品質を有するホウ化物単結晶を製造することが可能となる。
また本発明のホウ化物単結晶の製造方法は好ましくは、雰囲気ガスは、圧力が0.1乃至5MPaであることから、コイルに発生する放電の抑制という効果を奏する。
本発明のホウ化物単結晶は、上記本発明のホウ化物単結晶の製造方法によって製造されたホウ化物単結晶であって、酸素濃度が100ppm以下であることから、酸素不純物を低減するとともに酸素に起因する転位や亜粒界などの結晶欠陥を抑制し、高い結晶品質を有するホウ化物単結晶となる。
本発明のホウ化物単結晶は、上記本発明のホウ化物単結晶の製造方法によって製造されたホウ化物単結晶であって、炭素濃度が230ppm以下であることから、炭素不純物を低減するとともに炭素に起因する転位や亜粒界などの結晶欠陥を抑制し、高い結晶品質を有するホウ化物単結晶となる。
本発明の電子素子は、上記本発明のホウ化物単結晶から得られた基板上に、窒化ガリウム系化合物半導体層を含む半導体層が形成されていることから、高い結晶品質を有するホウ化物単結晶から成る基板上に半導体層が形成されるため、結晶欠陥が低減され、高品質、低転位の窒化ガリウム系化合物半導体層を有する半導体層となるため、動作性や動作速度に優れた電子素子となる。
本発明の発光素子は、上記本発明のホウ化物単結晶から得られた基板上に、第1導電型の窒化ガリウム系化合物半導体層、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層及び第2導電型の窒化ガリウム系化合物半導体層を順次積層した積層体を含む半導体層が形成されていることから、高い結晶品質を有するホウ化物単結晶から成る基板上に半導体層が形成されるため、結晶欠陥が低減され、高品質、低転位の窒化ガリウム系化合物半導体層を有する半導体層となるため、高発光効率の発光素子となる。
本発明のホウ化物単結晶の製造方法、ホウ化物単結晶、電子素子及び発光素子について、実施の形態を以下に詳細に説明する。なお、ホウ化物単結晶としてホウ化ジルコニウム(ZrB)単結晶を例にとって、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、高周波誘導加熱による浮遊帯域法(RF−FZ(Floating Zone)法)に用いるRF−FZ装置1の要部を示す断面図である。本発明のホウ化物単結晶の製造方法は、図1に示すように、化学式XB(ただし、XはZr,Ti,Cr,Hf及びTaから選ばれる少なくとも1種である。)で表されるホウ化物から成る原料棒6を種結晶8に接触させて浮遊帯域法によって、化学式XBで表されるホウ化物単結晶を成長させるホウ化物単結晶の製造方法において、水素ガスを添加した雰囲気ガス9中でホウ化物単結晶を成長させる構成である。
RF−FZ装置1の単結晶の成長炉内には、上軸3及び下軸4と、上軸3と下軸4に挟まれた原料棒6等の所定部分を加熱するための誘導コイル5とが備えられている。上軸3及び下軸4は、原料棒6等を挟んだ状態で連動しながら上下に移動可能である。原料棒6は、上軸3に取り付けられ、ホウ化ジルコニウムの焼結体(セラミックス)から成る円柱状のものである。下軸4には、種結晶8を、ホウ化ジルコニウムの焼結体から成るスペーサ7を介して取り付けている。種結晶8の厚みは、結晶成長させるため最小限の厚みがあればよく、5〜20mm程度である。
上軸3及び下軸4は、ステンレススチール等の材料から成り、原料棒6、種結晶8及びスペーサ7を挟んだ状態で、それらを回転させながら上下方向に移動させるように構成されている。これにより、誘導コイル5によって加熱され溶融体となっている浮遊帯域が相対的に上方向に徐々に移動していき、浮遊帯域の下側にホウ化物単結晶が形成される。なお、浮遊帯域の移動速度は毎時1〜40mm程度である。
本発明の製造方法において、雰囲気ガスは、主成分がアルゴンまたはキセノンであることが好ましい。これらの不活性ガスは結晶成分の蒸発抑制やコイルに生じる放電の抑制という効果を有する。
また、雰囲気ガス9は、水素ガスの濃度が4体積%以下であることが好ましい。これにより、水素ガスの濃度が4体積%を超える場合に、原料棒6の溶融部分から火花状の騰沸現象が見られた後に誘導コイル5に放電が発生するという問題を回避して、高い結晶品質を有するホウ化物単結晶を製造することができる。また、水素ガスの濃度は0.5体積%以上であることが好ましく、0.5体積%未満では、水素が成長途中の溶融状態のホウ化物単結晶に含まれる酸素や炭素と結合して、酸素や炭素を除去する作用が小さくなり、製造されたホウ化物単結晶中の酸素濃度や炭素濃度が低減されなくなる。
また、雰囲気ガス9は、圧力が0.1乃至5MPaであることがよく、0.1MPa未満では、誘導コイル5の放電の発生が起こり易くなり、5MPaを超えると、耐熱性と耐圧性を両立できる設備部材の入手が困難になり、雰囲気ガス9及び水素ガスが漏れ易くなる。
本発明のホウ化物単結晶は、上記本発明のホウ化物単結晶の製造方法によって製造されたホウ化物単結晶であって、酸素濃度が100ppm以下であるものとなる。これにより、酸素不純物を低減するとともに酸素に起因する転位や亜粒界などの結晶欠陥を抑制し、高い結晶品質を有するホウ化物単結晶となる。酸素濃度が100ppmを超えると、結晶欠陥が増加し、エピタキシャル成長させる窒化ガリウム系化合物半導体の欠陥を増加させ、その性能を低下させるという問題が生じる。
本発明のホウ化物単結晶は、上記本発明のホウ化物単結晶の製造方法によって製造されたホウ化物単結晶であって、炭素濃度が230ppm以下であるものとなる。これにより、炭素不純物を低減するとともに炭素に起因する転位や亜粒界などの結晶欠陥を抑制し、高い結晶品質を有するホウ化物単結晶となる。炭素濃度が230ppmを超えると、結晶欠陥が増加し、エピタキシャル成長させる窒化ガリウム系化合物半導体の欠陥を増加させ、その性能を低下させるという問題が生じる。
また、本発明の化学式XBで表される二硼化物単結晶は、ZrB単結晶,TiB単結晶,CrB単結晶,HfB単結晶,TaB単結晶等からなるが、窒化ガリウム系化合物半導体との格子整合性及び熱膨張係数の整合性の点で優れていることを考慮すると、ZrB単結晶からなるものを使用することが好ましい。また、ZrB単結晶において、Zrの一部がTi,Cr,Hf,Ta等に置換されているものであってもよい。また、ZrB単結晶において、その結晶性また格子定数が大きく変化しない程度に不純物としてTi,Cr,Hf,Ta等を含んでいても構わない。
本発明の二硼化物単結晶を所定の厚さにスライスして、一般的な半導体基板の研磨プロセスによって基板を作製することができる。この基板は、窒化ガリウム系化合物半導体のエピタキシャル成長に好適な基板となる。
本発明の製造方法によって作製したZrB単結晶から成る基板のX線反射率曲線(回折強度分布)は、(0002)面で30秒程度、(10−10)面でも35秒程度であり、従来のアルゴンガス単体の雰囲気ガス中で作製したZrB単結晶から成る基板の場合、X線反射率曲線は、(0002)面と(10−10)面ともに200から600秒であったことと比較すると大幅に改善されたものとなる。
本発明の電子素子は、上記本発明のホウ化物単結晶から得られた基板上に、窒化ガリウム系化合物半導体層を含む半導体層が形成されている構成である。この構成により、高い結晶品質を有するホウ化物単結晶から成る基板上に半導体層が形成されるため、結晶欠陥が低減され、高品質、低転位の窒化ガリウム系化合物半導体層を有する半導体層となるため、動作性や動作速度に優れた電子素子となる。
従って、高品質の窒化ガリウム系化合物半導体を用いた、動作性や動作速度に優れた、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor),MESFET(Metal-Semiconductor FET),MISFET(Metal-Insulator-Semiconductor FET),高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)等の電子素子となる。
本発明の電子素子は、上記のFET,MESFET,MISFET,HEMT等の素子であり、例えばHEMT素子の場合、図2に示すように、半導体層の層構成は以下のようになる。
窒化ガリウム系化合物半導体を含む半導体層は、化学式Ga1−x1Alx1N(ただし、0<x1<1)で表される窒化ガリウム系化合物半導体からなるチャンネル層11上に、化学式Ga1−x2Alx2N(ただし、0<x2<1)で表される窒化ガリウム系化合物半導体からなるバリア層12を積層したヘテロ接合の構成である(ただし、x2>x1)。なお、10は二硼化物単結晶から成る基板である。
チャンネル層11及びバリア層12は、シリコン(Si)等のドーパント(半導体不純物)を含有しない窒化ガリウム系化合物半導体層である。バリア層12のアルミニウム(Al)の含有量は、第一の窒化ガリウム系化合物半導体層のアルミニウム(Al)の含有量よりも多くする。このようにすることにより、格子定数差から生じる歪みに伴った、バリア層12からチャンネル層11へピエゾ分極が生じる。さらに、ピエゾ分極と窒化ガリウム系化合物半導体の結晶構造の対称性の低さから起因する自発分極により、チャンネル層11とバリア層12のヘテロ界面に、二次元電子ガスが誘起される。このように誘起された二次元電子ガスのキャリア濃度は非常に高く、高出力動作が可能である。
また、バリア層12上には、電流を注入するための導電層(電極)として、オーミック接触型の電極であるソース電極13とドレーン電極15をそれぞれ形成する。そして、HEMT素子に流れる電流(ドレーン電流)を制御するために、オーミック接触型のゲート電極14を形成する。このゲート電極14に印加するバイアス電流を変化させることにより、ゲート電極14直下の空乏層幅が変化し、HEMT素子に輸送される二次元電子ガスのキャリア密度が制御され、ドレーン電流を制御することができる。このようにしてHEMT素子が形成される。
本発明の発光素子は、上記本発明のホウ化物単結晶から得られた基板上に、第1導電型の窒化ガリウム系化合物半導体層、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層及び第2導電型の窒化ガリウム系化合物半導体層を順次積層した積層体を含む半導体層が形成されている構成である。この構成により、高い結晶品質を有するホウ化物単結晶から成る基板上に半導体層が形成されるため、結晶欠陥が低減され、高品質、低転位の窒化ガリウム系化合物半導体層を有する半導体層となるため、高発光効率の発光ダイオード(LED),半導体レーザ(LD)等の発光素子となる。この場合、図3に示すように、半導体層の層構成は以下のようになる。
即ち、例えば窒化ガリウム系化合物半導体は、化学式Ga1−x1−y1Iny1Alx1N(ただし、0<x1+y1<1、x1>0、y1≧0)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第1導電型の窒化ガリウム系化合物半導体層21と、化学式Ga1−x2−y2Iny2Alx2N(ただし、0<x2+y2<1、x2>0、y2≧0)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第2導電型の窒化ガリウム系化合物半導体層23との間に、化学式Ga1−x3−y3Iny3Alx3N(ただし、0<x3+y3<1、x3>0、y3≧0)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る発光層22が挟まれて接合されている構成(ただし、(x1,x2)>(x3,y1,y2)≦y3)である。
また、例えば第1導電型及び第2導電型は、それぞれp型及びn型である。窒化ガリウム系化合物半導体層をp型とするには、元素周期律表において2(II)族の元素であるマグネシウム(Mg)等をドーパントとして、窒化ガリウム系化合物半導体に混入させればよい。また、窒化ガリウム系化合物半導体をn型とするには、元素周期律表において4(IV)族(14族ともいう)の元素であるシリコン(Si)等をドーパントとして窒化ガリウム系化合物半導体に混入させればよい。
また、第1導電型及び第2導電型の窒化ガリウム系化合物半導体層21,23は、両方ともアルミニウム(Al)を含む窒化ガリウム系化合物半導体から成るものとし、いずれも発光層22に含まれるアルミニウムよりもその含有量を多くする。このようにすると、第1及び第2導電型の窒化ガリウム系化合物半導体層21,23の禁制帯幅が両方とも発光層22の禁制帯幅よりも大きくなるので、発光層22に電子と正孔とを閉じ込めて、これらの電子と正孔を効率良く再結合させて強い発光強度で発光させることができる。
また、第1及び第2導電型の窒化ガリウム系化合物半導体層21,23は、アルミニウムを含んだ窒化ガリウム系化合物半導体からなることにより、第1及び第2導電型の窒化ガリウム系化合物半導体層21,23における禁制帯幅が比較的大きくなり、第1及び第2導電型の窒化ガリウム系化合物半導体層21,23における紫外光等の短波長側の光の吸収を小さくすることができる。
なお、第1導電型及び第2導電型の窒化ガリウム系化合物半導体層21,23は、それぞれn型及びp型としても構わない。
また、第1導電型及び第2導電型の窒化ガリウム系化合物半導体層21,23にはそれぞれ、発光層22に電流を注入するための導電層(電極)24を形成する。これにより、発光ダイオード(LED)や半導体レーザ(LD)等の発光素子が形成される。
また、発光層22を成す窒化ガリウム系化合物半導体層の組成は、所望の発光波長が得られる適当なものに設定すればよい。例えば、発光層22を、アルミニウムもインジウムも含まないGaNからなるものとすれば、禁制帯幅は約3.4エレクトロンボルト(eV)となり、約365ナノメートル(nm)の発光波長である紫外光によって発光層22を発光させることができる。また、これよりも発光波長を短波長とする場合、発光層22は、禁制帯幅を大きくする元素であるアルミニウムを発光波長に応じて設定される量だけ含ませた窒化ガリウム系化合物半導体から成るものとすればよい。
また、発光層22に禁制帯幅を小さくする元素であるインジウム(In)を含有させてもよく、所望の発光波長となるようにアルミニウムをより多く含有させる等して、アルミニウム,インジウム及びガリウムの組成比を適宜設定すればよい。また、発光層22は、禁制帯幅の広い障壁層と禁制帯幅の狭い井戸層とから成る量子井戸構造が複数回繰り返し規則的に積層された超格子である多層量子井戸構造(MQW:Multiple Quantum Well)としてもよい。
このような発光素子は次のように動作する。即ち、発光層22を含む窒化ガリウム系化合物半導体にバイアス電流を流して、発光層22で波長350〜400nm程度の紫外光〜近紫外光を発生させ、発光素子の外側にその紫外光〜近紫外光を取り出すように動作する。
また、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法によって得られた窒化ガリウム系化合物半導体を用いて照明装置を製造することもできる。この照明装置は、上記の発光素子と、発光素子からの発光を受けて光を発する蛍光体及び燐光体の少なくとも一方とを具備している構成である。この構成により、輝度及び照度の高い照明装置を得ることができる。この照明装置は、発光素子を透明樹脂等で覆うか内包するようにし、その透明樹脂等に蛍光体や燐光体を混入させた構成とすればよく、蛍光体や燐光体によって発光素子の紫外光〜近紫外光を白色光等に変換するものとすることができる。また、集光性を高めるために透明樹脂等に凹面鏡等の光反射部材を設けることもできる。このような照明装置は、従来の蛍光灯等よりも消費電力が小さく、小型であることから、小型で高輝度の照明装置として有効である。
また、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体を用いた発光素子は、CD,DVD等の光記録媒体の光ピックアップ用の光源としての半導体レーザに適用できるものであり、波長350〜400nm程度の紫外光〜近紫外光や紫光を用いることにより、高記録密度で長時間記録・再生が可能な光記録媒体を製造、使用することができる。このような光ピックアップは、周知の構成のものでよく、例えば、本発明の発光素子と、発光素子から発光した光の光軸上に設置されたビームスプリッタや偏光ビームスプリッタ,プリズム,反射鏡,回折格子,スリット,集光レンズ等とを組み合わせることにより、容易に構成することができる。
本発明の二硼化物単結晶の製造方法の実施例について以下に説明する。
図1のRF−FZ装置1を用いてZrB単結晶を製造した。まず、平均粒径1μmのZrB粉末原料を、プレス圧力約100MPaでプレスして成型した後、真空炉内で、約1900℃で焼成して、直径18mm、長さ140mmの円柱状の原料棒6を作製した。
次に、原料棒6をRF−FZ装置1の単結晶の成長炉の上軸3に取り付けた。続いて、下軸4に、ZrB焼結体から成るスペーサ7と、その先端に接合された直径15mmの円板状の種結晶8とをセットした。そして、上軸3と下軸4を接近させて、原料棒6と種結晶8を、ドーナツ型の誘導コイル5の中心位置に位置するように設定した。
なお、上軸3及び下軸4は水冷構造を有するステンレススチールから成る。
次に、水冷構造を有するステンレススチールから成る耐圧容器2内の真空度が10Pa以下となるまで排気した後に、アルゴンガスに水素ガスを4体積%以下で混合した不活性ガスを、0.5MPaまで圧力容器2内に充填した。
次に、周波数150KHz〜2.4MHzの範囲内で発振器出力を誘導コイル5に印加し、原料棒6及び種結晶8を加熱した。
次に、原料棒6を種結晶8に接触させたまま、原料棒6と種結晶8との接触部を溶融させ、上軸3及び下軸4を下降させながら、二硼化物単結晶の成長を開始した。このときの成長条件は、成長速度(上軸3及び下軸4の下降速度)を5mm/h(時)、上軸3及び下軸4の回転数をそれぞれ2rpmとした。
次に、ZrB単結晶を約50mm成長させた後、ネッキングを行い、発振器出力を低下させてZrB単結晶を室温まで自然冷却した後、耐圧容器2から取り出した。
同様の条件で、雰囲気ガス9の不活性ガス(アルゴンガス)中の水素ガス濃度を0.5体積%、1.0体積%、3.0体積%、4.0体積%、5.0体積%と変化させて、それぞれZrB単結晶を作製した。
次に、作製したZrB単結晶をワイヤーソーでスライスして基板を作製し、その基板に、半導体基板の製造プロセスと同様のSiC製の研磨材を用いたラップ研磨を施した。その後、コロイダルシリカでのポリッシュ研磨を施して、ZrB単結晶から成る基板を作製した。その基板のX線回折強度分布の半値幅(X線半値幅)と水素ガス濃度との関係、及び基板中の酸素濃度と炭素濃度を表1に示す。
Figure 2008115049
表1より、アルゴンガス中の水素ガス濃度が0.5体積%〜4体積%以下では、X線回折強度分布の半値幅が、水素ガス濃度が0体積%の場合と比較して大きく向上した。例えば、水素ガス濃度が0.5体積%の場合にX線回折強度分布の半値幅が最も大きくなったが、その場合でも、水素ガス濃度が0体積%の場合の40%程度に小さくなった。
また、2次イオン質量分析(SIMS)で測定した基板中の酸素濃度と炭素濃度は、アルゴンガス中の水素ガス濃度の増加に応じて減少した。即ち、アルゴンガス中に水素ガスを混入させることにより、酸素や炭素の不純物の濃度が低下して、ZrB単結晶の結晶性が向上することが分かった。
また、アルゴンガス中の水素ガス濃度が5体積%では、原料棒6の溶融部分から火花状の騰沸現象が見られた後に誘導コイル5に放電が起こり、結晶成長が不能になった。それ以外の水素ガス濃度では作製上の不具合は起こらなかった。
以上、ZrB単結晶の製造方法について述べたが、Zrの一部をTi,Cr,Hf,Taに置き換えた二ホウ化物単結晶、又はZrの全部をTi,Cr,Hf,Taに置き換えた二ホウ化物単結晶においても、上記と同様の効果が得られた。
また、雰囲気ガスのアルゴンガスをキセノンガスに変えても上記と同様の効果が得られた。
雰囲気ガス9の不活性ガス(アルゴンガス)中の水素ガス濃度を4体積%で一定とし、雰囲気ガス9の圧力を0MPa(この場合は水素ガス濃度も0体積%),0.1MPa,0.5MPa,1.0MPa,3.0MPa,5.0MPa,6.0MPaの7通りに変化させて、それぞれZrB単結晶を、上記実施例1と同様にして製造した。
このときの各雰囲気ガス圧力において、コイルの放電の発生の有無、雰囲気ガス9及び水素ガスの漏れ(リーク)の有無について調べた結果を表2に示す。
なお、表2において、「×」は放電の発生が有ったこと、またはリークが有ったことを示し、「○」は放電の発生が無かったこと、またはリークが無かったことを示し、「−」は製造ができなかったことを示す。
Figure 2008115049
表2に示すように、水素ガスを混合した雰囲気ガス9の圧力が0.1MPa乃至5.0MPaである場合、誘導コイル5の放電の発生が無く、かつ雰囲気ガス9及び水素ガスの漏れが無かった。
一方、雰囲気ガス圧力が0MPaでは誘導コイル5の放電が起こり、6MPaでは駆動部から雰囲気ガス9及び水素ガスの漏れが起こった。
本発明のホウ化物単結晶の製造方法に用いるRF−FZ装置の要部を示す断面図である。 本発明の電子素子について実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の発光素子について実施の形態の一例を示す断面図である。
符号の説明
1:RF−FZ装置
2:耐圧容器
3:上軸
4:下軸
5:誘導コイル
6:原料棒
7:スペーサ
8:種結晶
9:雰囲気ガス

Claims (8)

  1. 化学式XB(ただし、XはZr,Ti,Cr,Hf及びTaから選ばれる少なくとも1種である。)で表されるホウ化物から成る原料棒を種結晶に接触させて浮遊帯域法によって、前記化学式XBで表されるホウ化物単結晶を成長させるホウ化物単結晶の製造方法において、水素ガスを添加した雰囲気ガス中で前記ホウ化物単結晶を成長させることを特徴とするホウ化物単結晶の製造方法。
  2. 前記雰囲気ガスは、主成分がアルゴンまたはキセノンであることを特徴とする請求項1記載のホウ化物単結晶の製造方法。
  3. 前記雰囲気ガスは、水素ガスの濃度が4体積%以下であることを特徴とする請求項1または2記載のホウ化物単結晶の製造方法。
  4. 前記雰囲気ガスは、圧力が0.1乃至5MPaであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のホウ化物単結晶の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかのホウ化物単結晶の製造方法によって製造されたホウ化物単結晶であって、酸素濃度が100ppm以下であることを特徴とするホウ化物単結晶。
  6. 請求項1乃至4のいずれかのホウ化物単結晶の製造方法によって製造されたホウ化物単結晶であって、炭素濃度が230ppm以下であることを特徴とするホウ化物単結晶。
  7. 請求項5または6のホウ化物単結晶から得られた基板上に、窒化ガリウム系化合物半導体層を含む半導体層が形成されていることを特徴とする電子素子。
  8. 請求項5または6のホウ化物単結晶から得られた基板上に、第1導電型の窒化ガリウム系化合物半導体層、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層及び第2導電型の窒化ガリウム系化合物半導体層を順次積層した積層体を含む半導体層が形成されていることを特徴とする発光素子。
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