JP2008114554A - 印刷版の製版方法及び製版装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミ支持体上に画像部を記録する印刷版の製版時間の短縮及び/又は製版装置のコンパクト化を可能とする印刷版の製版方法及び製版装置を提供することである。
【解決手段】少なくともアルミ支持体を有する印刷版の製版方法であって、少なくとも印刷機装着用のパンチ穿孔及び折り曲げ部を形成するベンダー手段と、画像部を記録する描画手段とを有し、ベンダー手段で位置決めされた状態の印刷版に対して、前記描画手段にて描画を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルミ支持体を有する印刷原版に画像形成を行う製版方法及び製版装置に関する。
近年、紫外、可視、赤外などの各種レーザーを用いたダイレクト製版システム(コンピュータで作製した画像情報をダイレクトに製版するためにコンピュータ・ツウ・プレート、頭文字をとりCTPシステムとも呼称される)が実用化され、一般商業印刷の分野において広く普及している。このダイレクト製版システムはシステムをデジタル化することによってスピード、コスト、安定性などの面で従来のフィルムを用いた製版システムに比べて有利であり、今日の一般商業印刷の市場では主流となりつつある。
このような製版方法として、さらに現像や非画像部溶出といった液体処理の不要なインクジェット方式により印刷用インキ受容性の画線部を直接形成する方法も近年の地球環境保護の観点から種々提案されている。インクジェット方式は、複雑な光学系を必要としないので装置を単純化することが可能であり、メンテナンスも少なく、廃液や製版コストを大幅に下げることが期待できる。またレーザービームプリンタ等の静電転写方式により画像部を直接形成する方法、レーザー光によるアブレーションにより画像部を直接形成する方法、熱融着画像層を有する印刷版による方法など、液体現像処理を有さない各種画像形成方法においても同様の効果が期待できる。
インクジェット方式により印刷用インキ受容性の画線部を直接形成する製版方法及びその製版装置としては、感脂性成分を含有する水性インクあるいは油性インクをインクジェット方式によって印刷原版に付着させることにより親油性(オフセットインキ受理性)の画線部を形成する方法及びその製版装置が知られている(例えば、特許文献1〜5参照)。また静電転写方式を利用するものとしては特開2001−187489号公報、特開2002−67523号公報が知られており、レーザー光によるアブレーションを利用するものとしては特開平8−507727号公報、特開平6−186750号公報が知られている。熱融着画像層を有する印刷版を利用するものとしては特開2004−42531号公報、特開2001−293971号公報が知られている。
前記印刷版システムはこれらの利点から一般商業印刷市場のみならず、新聞印刷市場への適用が期待されている。新聞印刷分野では、従来から製版設備の省力化、製版時間の短縮化が推進されており、多様な製版機が導入されていた。例えば、新聞印刷ハンドブック改訂版(非特許文献1)に記載されているように、製版機の構成としては大きくは、描画データ作成と装填された給版用パレットから印刷版を給版し画像描画を行うためのCTPエンジン、描画された画像を現像する現像機、印刷機装着のためのパンチ穿孔及び折り曲げ部を形成するベンダーの三部から構成されている。主流の印刷版サイズが389mm×1100mmであるため、前記三部の構成を有する製版装置の設置面積としては相当な大きさが必要であった。
また、特にベンダー部に関しては、新聞紙面でのカラー面増加に伴い、カラー印刷における品質向上を目的として、カラー印刷に必要な4色分解された印刷版の見当合わせの向上について検討がなされ、適宜実用化されている。例えば、CCDカメラを使用した位置決め機構もその一つである。この機構は、まず印刷版を描画部にて位置決めし画像描画を行う。次いで現像処理がなされる現像部を経由した後に、印刷機装着用のパンチ穿孔及び折り曲げ部が形成されるベンダー部へ搬送される。ベンダー部では位置決め定盤上に印刷版を仮位置決めし、印刷版の描画時に描画されたレジスターマークをCCDカメラで読み取り、印刷版を仮位置決めしている定盤自身をx−yの二方向に移動及び回転をさせ、描画部で画像形成された印刷版の描画位置との同期を取る様になっている(例えば非特許文献1、特許文献6参照)。見当精度の向上は格段に向上する反面、複雑に駆動機構が組み込まれることで、ベンダー部自身が大型化し、製版時間も従来よりも伸びるといった状況であった。
一方で新聞印刷市場の要望として、上記のメンテナンスフリー化、廃液減、コストダウンに加え、製版時間のより一層の短縮や製版装置のコンパクト化にも強い要望が寄せられている。一般商業印刷と異なり、新聞印刷では短時間に多数の印刷版を出力する必要があることで、製版処理時間の短縮については、従来から根強い要望が挙げられている。
特開平7−108667号公報 特開平8−324145号公報 特開平11−320810号公報 特許第2542500号公報 特開2005−35183号公報 特開2000−135776号公報 新聞印刷ハンドブック改訂版(日本新聞協会、2006年発行)
従って本発明の課題は、アルミ支持体上に画像部を記録する印刷版の製版時間の短縮及び/又は製版装置のコンパクト化を可能とする印刷版の製版方法及び製版装置を提供することである。
本発明の上記目的は以下に記載の印刷版の製版方法及び製版装置によって達成できることを見いだした。
1.少なくともアルミ支持体を有する印刷版の製版方法であって、少なくとも印刷機装着用のパンチ穿孔及び折り曲げ部を形成するベンダー手段と、画像部を記録する描画手段とを有し、ベンダー手段で位置決めされた状態の印刷版に対して、前記描画手段にて描画を行うことを特徴とする印刷版の製版方法。
2.少なくともアルミ支持体を有する印刷版に画像描画する製版装置であって、印刷機装着用のパンチ穿孔及び折り曲げ部を形成するベンダー手段と、画像部を記録する描画手段とを有し、ベンダー手段における位置決め用定盤と、前記描画手段における描画定盤が共通であることを特徴とする印刷版の製版装置。
本発明により、現像や非画像部溶出除去と言った液体処理の不要な印刷版の新聞印刷への適用において、パンチ穿孔及び折り曲げ工程と描画工程における位置決め動作を一度で実施することが可能となり、一回の位置決め操作で済むため製版時間の短縮となり、また位置決め手段が1工程分減縮されるので装置の設置面積も小さくすることが可能となる。さらに印刷機装着と描画の位置決めが共通であるため、印刷機装着位置に対して描画位置のズレが生じることがなく、高価なCCDカメラシステム等の画像入力、演算装置を用いて描画位置を読み込み位置決めする必要もないため装置製造コストも削減できるなど秀逸な効果が得られる。
本発明者が鋭意検討した結果、上記課題に対してパンチ折り曲げ手段で位置決めされた状態の印刷版に対して、前記描画手段にて描画を行う製版方法及びそれを用いた製版装置が極めて有用であることが明らかになった。
以下に本発明における製版装置について図1〜4を用いて説明する。図1は本発明の一例を示す印刷版の製版装置の断面概略図である。図2、図3は本発明の一例を示す印刷版の製版装置のベンダー描画部の断面概略図、上面概略図である。図4は本発明の一例を示す印刷版の製版装置のベンダー描画部の折り曲げ動作を示す断面概略図である。
図1において、給版部に所定のサイズに裁断され画像を形成する側の面を上にして供給架台101上に複数枚積載された最上部の印刷原版100は、上下動を行う吸着シリンダー112の先に装着される吸着パッド113により吸着された後に吸着シリンダー112により上方に持ち上げられ、複数の吸着シリンダー112を懸架し、上下動するピックアップシリンダー110によりさらに持ち上げられて、ピックアップシリンダー110が装着されている移動フレーム111により、図中A位置からB位置へ移動される。B位置ではピックアップシリンダー110及び吸着シリンダー112が下降し、給版台114上に印刷原版100が静置される。ここで印刷原版100は給版部搬送ベルト20よりベンダー描画部へ搬送される。
ベンダー描画部での動作を図1、図3、図4を用いて説明する。印刷原版100は給版部搬送ベルト20により給版部より搬送されると、引き続き描画部搬送ベルト29により搬送され、突き当てピン27で停止される(この時の印刷原版100の位置を折り曲げ位置とする。図4のa。)。この描画部搬送ベルト29は、図3に示すように、3分割されて構成される定盤24の分割間隙に配置され、図3中の印刷版の処理進行方向に沿って回転可能に張架された複数のベルトを有し、このベルトは印刷原版100の搬送時には定盤24の載置面よりも上昇した搬送位置に、印刷原版100を定盤24に載置した後には定盤24の載置面よりも下降した待避位置との間で昇降可能となっている(図1の実線で示したものが搬送位置、点線で示したものが待避位置となる。)。
その後、描画部搬送ベルト29は待避位置に下降し、続いて定盤24内の待避位置に収納されていた回転駆動する搬送ローラーであるパンチ用搬送手段28が搬送位置まで上昇する。パンチ用搬送手段28は、印刷機装着用の穿孔のため、図3中の印刷版の処理進行方向に対して直交する方向に印刷原版100を精度良く搬送させるようになっており、印刷原版100の搬送時には定盤24の載置面よりも上昇した搬送位置に、印刷原版100を定盤24に載置した後には定盤24の載置面よりも下降した待避位置との間で昇降可能となっている。
続いて、印刷原版100は、図3において左右片方向づつパンチ用搬送手段28により搬送され片側づつパンチ穿孔される。次に図4を用いて印刷原版100のパンチ穿孔動作について述べる。印刷原版100の動きとしては先に上昇したパンチ用搬送手段28の駆動に従ってまず右方向の図4のbに示すパンチ位置まで移動し、穿孔用パンチ刃25により右側のパンチ穴が穿孔される。印刷原版100のパンチ位置への位置決めは、穿孔用パンチ刃25内部に組み込まれた図示しない位置決めピンに当接することで精度良く位置決めされる。その後、印刷原版100は折り曲げ位置までパンチ移動手段28により一旦移動され、引き続いて逆側(左側)のパンチ穿孔のため、パンチ移動手段28により印刷原版100は先ほどと左右相対位置にあるパンチ位置に移動されパンチ穿孔される。その後印刷原版100は、再度パンチ移動手段28により折り曲げ位置に戻される。この後パンチ用搬送手段28が待避位置である定盤24内に移動し、定盤24上に設けられた図示しない減圧吸着手段により印刷原版100は定盤24の表面に密着固定されるようになっている。
印刷原版100は折り曲げ位置において、図4のc〜eに示すように折り曲げ部が形成される。折り曲げ位置で停止している印刷原版100に対して、折り曲げクランプ26が下降し(図4のc)、定盤24の折り曲げ端部241に沿って折り曲げクランプの屈曲により折り曲げがなされる(図4のd)。印刷原版100はこの状態で一旦保持される。その後、図2に示される描画ヘッド21により画像部が描画される。描画が終了した後に、折り曲げクランプ26が当初の状態に復帰し、続いて定盤24の折り曲げ端部241がスライドして印刷原版100を解放するようになっている(図4のe)。その後、図1に示されるように描画部搬送ベルト29が搬送位置に移動し回転駆動することによって定盤24から搬出される。次に必要に応じて、描画された画像部の硬化のためにUVランプ30によるUV光の照射、及び/又は、版面へのガム液付与等の図示しない次工程に搬送される。
本発明の特徴である印刷機装着用のパンチ穿孔及び折り曲げ部を形成するベンダー手段について説明する。ベンダー手段とは、印刷機の版胴に装着する際に版胴のクワエクランプ部分の基準ピンに嵌合する長方形若しくは長穴状のパンチ穴を印刷版の装着側端面に穿孔を行う手段と印刷機装着用のクワエクランプに挿入、保持するため、版の両端面に折り曲げ部を形成する手段である。具体的には図2、図3に示す様に、印刷原版100を保持する定盤24及び折り曲げ端部241、穿孔用パンチ刃25、折り曲げクランプ26、位置決め手段27、パンチ用搬送手段28、描画部搬送ベルト29から構成される。
次に描画手段について図2を用いて説明する。例えば画像部をインクジェット法により記録する描画手段としては、後述のインクジェット方式による描画用ヘッド21及び描画用ヘッド移動手段22、印刷版を固定し描画用ヘッド21との距離を規定するためのプラテン定盤から構成されるが、上述の定盤24がインクジェット描画するためのプラテン定盤を兼ねる。このように印刷機装着用のパンチ穿孔及び折り曲げ部を形成するベンダー手段と、画像部をインクジェット法により記録する描画手段で共通の定盤及び位置決め手段を用いることで、それぞれの工程において毎度位置決めせず1回で完了するために、時間の短縮とパンチ位置及び折り曲げ位置と描画位置との相対位置が完全に同期しており絶対精度が得られる。尚、定盤24上で位置決めされた後は、穿孔、折り曲げ部形成、画像描画はいずれの順で実施しても良い。
その他の描画手段としては、現像や非画像部溶出除去と言った液体処理の不要な画像形成方法であれば適宜使用することが可能で、レーザービームプリンタ等の静電転写方式により画像部を直接形成する方法、レーザー光によるアブレーションにより画像部を直接形成する方法、熱融着画像層を有する印刷版による方法などが挙げられる。上述の画像方法においても、インクジェット法と同様にそれぞれの方式における画像形成のための描画用ヘッド及び描画用ヘッド移動手段と印刷版を固定し描画用ヘッドとの距離を規定するためのプラテン定盤(本発明では上述の定盤24が描画するためのプラテン定盤を兼ねる)から構成されれば良い。
次に本発明に使用されるインクジェット方式による描画について説明する。インクジェット方式は、インクを液滴として吐出するための複数の吐出口をユニットとして構成された描画ヘッド及びその描画ヘッドを移動させて描画範囲をカバーするための駆動手段により構成される。インクジェットヘッドは必要に応じて描画対象に吐出するオンデマンド方式や連続して吐出しており必要な部分のみ描画対象に向けて吐出されるコンティニュアス方式でも良い。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などが挙げられるが、いずれの吐出方式を用いても良い。
使用するインクは、感脂化成分を有する水性あるいは油性のインクで前記描画ヘッドから吐出可能なものを用いることができる。特に、例えばポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、アルキドアクリレート、ウレタンアクリレート等の架橋性成分と光重合開始剤を含有させて感光硬化性としたインクは、耐刷性に優れ特に好ましく使用することができる。
次に本発明に使用される印刷原版について説明する。本発明に使用される印刷原版は、少なくともアルミ支持体の表面を粗面化及び陽極酸化処理などにより最表面を親水性とし、現像や非画像部溶出除去と言った液体処理の不要な画像形成方法、例えばインクジェット方式により画像形成され印刷版となるものである。特にその側面端部(折り曲げ部と異なる端面)は新聞印刷用に用いられる面取り処理を施したものが好ましい。
印刷原版はアルミニウムを主成分とする金属板であり、純アルミニウム板の他、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板である。以下の説明において、上記に挙げたアルミニウム又はアルミニウム合金からなる支持体をアルミ支持体と総称して用いる。前記アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがあり、合金中の異元素の含有量は10質量%以下である。本発明では純アルミニウム板が好適であるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでも良い。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のもの、例えば、JIS A 1050、JIS A 1100、JIS A 3103、JIS A 3005などを適宜利用することができる。また、本発明に用いられるアルミ支持体の厚みは、およそ0.1〜0.6mm程度である。この厚みは印刷機の大きさ、印刷版の大きさ及びユーザーの希望により適宜変更することができる。
本発明におけるアルミ支持体の最表面を親水性とするための粗面化処理方法としては、特開昭56−28893号公報に開示されているような機械的粗面化、化学的エッチング、電解グレインなどがある。さらに塩酸又は硝酸電解液中で電気化学的に粗面化する電気化学的粗面化方法、及びアルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立でするポールグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を粗面化するブラシグレイン法のような機械的粗面化法を用いることができ、上記粗面化方法を単独あるいは組み合わせて用いることもできる。その中でも粗面化に有用に使用される方法は塩酸又は硝酸電解液中で化学的に粗面化する電気化学的方法であり、適する陽極時電気量は50〜400C/dm2の範囲である。さらに具体的には、0.1〜50質量%の塩酸又は硝酸を含む電解液中、温度20〜80℃、時間1秒〜30分、電流密度100〜400C/dm2の条件で交流及び/又は直流電解を行うことが好ましい。
このように粗面化処理したアルミ支持体は、酸又はアルカリにより化学的にエッチングされても良い。好適に用いられるエッチング剤は、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、水酸化カリウム、水酸化リチウム等であり、またこれらを混合して用いても良い。エッチング剤の濃度と温度の好ましい範囲は、それぞれ1〜50質量%、20〜100℃である。エッチングの後表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗いが行われる。用いられる酸は硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸等が用いられる。特に電気化学的粗面化処理後のスマット除去処理方法としては、好ましくは特開昭53−12739号公報に記載されているような50〜90℃の温度の15〜65質量%の硫酸と接触させる方法及び特公昭48−28123号公報に記載されているアルカリエッチングする方法が挙げられる。以上のように処理された後、処理面のJIS B 0601:2001により規定される中心線平均粗さが0.2〜0.8μm程度であれば、特に、方法、条件は限定しない。
以上のようにして処理され酸化物層を形成したアルミ支持体には、その後に陽極酸化処理がなされる。陽極酸化処理は硫酸、燐酸、シュウ酸若しくは硼酸/硼酸ナトリウムの水溶液が単独若しくは複数種類組み合わせて電解浴の主成分として用いられる。この際、電解液中に少なくともAl合金板、電極、水道水、地下水等に通常含まれる成分はもちろん含まれても構わない。さらには第2、第3成分が添加されていても構わない。ここでいう第2、3成分とは、例えば、Na、K、Mg、Li、Ca、Ti、Al、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の金属のイオンやアンモニウムイオン等に陽イオンや、硝酸イオン、炭酸イオン、塩素イオン、リン酸イオン、フッ素イオン、亜硫酸イオン、チタン酸イオン、ケイ酸イオン、硼酸イオン等の陰イオンが挙げられ、その濃度としては0〜10000ppm程度含まれても良い。陽極酸化処理の条件に特に限定はないが、好ましくは電解浴の主成分として上述の酸が30〜500g/リットル、処理液温10〜70℃で、電流密度0.1〜40A/m2の範囲で直流又は交流電解によって処理される。形成される陽極酸化皮膜の厚さは0.5〜1.5μmの範囲である。好ましくは0.5〜1.0μmの範囲である。以上の処理によって作製された支持体が、陽極酸化皮膜に存在するマイクロポアのポア径が5〜10nm、ポア密度が8×1015〜2×1016個/m2の範囲に入るように処理条件が選択されることが好ましい。
前記支持体表面の親水化処理としては、広く公知の方法が適用できる。特に好ましい処理としては、シリケート又はポリビニルホスホン酸等による親水化処理が施される。皮膜はSi、又はP元素量として2〜40mg/m2、より好ましくは4〜30mg/m2で形成される。塗布量はケイ光X線分析法により測定できる。
上記の親水化処理は、アルカリ金属ケイ酸塩、又はポリビニルホスホン酸塩が1〜30質量%、好ましくは2〜15質量%であり、25℃のpHが10〜13である水溶液に、陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム支持体を、例えば、15〜80℃で0.5〜120秒浸漬することにより実施される。
前記親水化処理に用いられるアルカリ金属ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムなどが使用される。アルカリ金属ケイ酸塩水溶液のpHを高くするために使用される水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがある。尚、上記の処理液にアルカリ土類金属塩若しくは第IVB族金属塩を配合しても良い。アルカリ土類金属塩としては、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウムのような硝酸塩や、硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、ホウ酸塩などの水溶性の塩が挙げられる。第IVB族金属塩としては、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、シュウ酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウムなどを挙げることができる。
アルカリ土類金属塩若しくは、第IVB族金属塩は単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらの金属塩の好ましい範囲は0.01〜10質量%であり、さらに好ましい範囲は0.05〜5.0質量%である。また、米国特許第3,658,662号明細書に記載されているようなシリケート電着も有効である。特公昭46−27481号、特開昭52−58602号、特開昭52−30503号各公報に開示されているような電解グレインを施した支持体と、上記陽極酸化処理及び親水化処理を組み合わせた表面処理も有用である。
また、アルミ支持体表面を粗面化や陽極酸化処理により親水性とした最表面の親水性を向上させるために、例えば、描画前に印刷原版表面の塵埃を除去するために水や界面活性剤を主体とした洗浄液で版面の洗浄を行うことができる。また描画後に、カルボキシメチルセルロールやアラビアガム等の版面保護剤、親水性向上剤、pH調整剤等を主体としたガム液を版面に付与することでアルミ支持体の表面保護や親水性の向上を行うこともできる。あるいは、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性樹脂をバインダーとして、例えば合成シリカ(コロイダルシリカ、湿式法非晶質シリカ、気相法非晶質シリカ)、アルミナ(気相法アルミナ、γ−アルミナ)あるいはアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、擬ベーマイト等)等の無機親水性化合物を含有する親水性層を予め塗設しても良い。
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に本実施例における自動製版機について図1〜4を用いて説明する。図1は本発明の一例を示す製版装置の断面概略図である。図2、図3は本発明の一例を示す製版装置のベンダー描画部の断面概略図、上面概略図である。図4は本発明の一例を示す製版装置のベンダー描画部の折り曲げ動作を示す断面概略図である。
印刷原版100は、JIS A1050のアルミニウム材を50℃の10質量%水酸化ナトリウム水溶液中でアルミニウムの溶解量が1g/m2になるように脱脂及びエッチング処理し、水洗後、30質量%硝酸水溶液で中和し、再び水洗を行い乾燥させたものを、398mm×1100mmのサイズに裁断し、処理面を上にして500枚を供給架台101に積載した。この供給架台101を図1の製版装置の給版部の所定位置に装填した。
図1において、給版部に装填された供給架台101の最上部の印刷原版100は、上下動を行う吸着シリンダー112の先に装着される吸着パッド113により吸着された後に吸着シリンダー112により上方に持ち上げられ、複数の吸着シリンダー112を懸架し、上下動するピックアップシリンダー110によりさらに持ち上げられて、ピックアップシリンダー110が装着されている移動フレーム111により、図中A位置からB位置へ移動されるようになっている。B位置ではピックアップシリンダー110及び吸着シリンダー112が下降し、印刷原版100が給版台114上に静置される。ここで印刷原版100は給版部搬送ベルト20よりベンダー描画部へ搬送されるようになっている。
ベンダー描画部での動作を図1、図3、図4を用いて説明する。印刷原版100は給版部より搬送されると、引き続き描画部搬送ベルト29により搬送され、突き当てピン27で停止される(この時の印刷原版100の位置を折り曲げ位置とする。図4のa。)。この描画部搬送ベルト29は、図3に示すように、3分割されて構成される定盤24の分割間隙に配置され、図3中の印刷版の処理進行方向に沿って回転可能に張架された複数のベルトを有している。このベルトは印刷原版100の搬送時には定盤24の載置面よりも上昇した搬送位置と、印刷原版100を定盤24に載置した後には定盤24の載置面よりも下降した待避位置との間で昇降可能となっている(図1の実線で示したものが搬送位置、点線で示したものが待避位置となる。)。
その後、描画部搬送ベルト29は待避位置に下降し、続いて定盤24内の待避位置に収納されていた回転駆動する搬送ローラーであるパンチ用搬送手段28が搬送位置まで上昇する。パンチ用搬送手段28は、印刷機装着用の穿孔のため、図3中の印刷版の処理進行方向に対して直交する方向に印刷原版100を精度良く搬送させるようになっており、印刷原版100の搬送時には定盤24の載置面よりも上昇した搬送位置と、印刷原版100を定盤24に載置した後には定盤24の載置面よりも下降した待避位置との間で昇降可能となっている。
続いて、印刷原版100は、図3において左右片方向づつパンチ用搬送手段28により搬送され片側づつパンチ穿孔される。印刷原版100の動きとしては、図4に示すように先に上昇したパンチ用搬送手段28の駆動に従ってまず右方向の図4のbに示すパンチ位置まで移動し、穿孔用パンチ刃25により右側のパンチ穴が穿孔される。印刷原版100のパンチ位置への位置決めは、穿孔用パンチ刃25内部に組み込まれた図示しない位置決めピンに当接することで精度良く位置決めされる。その後、印刷原版100は折り曲げ位置までパンチ移動手段28により一旦移動され、引き続いて逆側(左側)のパンチ穿孔のため、パンチ移動手段28により印刷原版100は先ほどと左右相対位置にあるパンチ位置に移動されパンチ穿孔される。その後印刷原版100は、再度パンチ移動手段28により折り曲げ位置に戻される。この後パンチ用搬送手段28が待避位置である定盤24内に移動し、定盤24上に設けられた図示しない減圧吸着手段により印刷原版100は定盤24の表面に密着固定されるようになっている。
印刷原版100はこの状態で一旦保持され、図2に示されるインクジェット方式により描画ヘッド21から、下記に示す組成のインクが吐出され画像部が描画されるようになっている。描画が終了した後に、折り曲げクランプ26が当初の状態に復帰し、続いて定盤24の折り曲げ端部241がスライドして印刷原版100を解放するようになっている(図4のe)。その後図1に示される様に描画部搬送ベルト29が定盤24の水平面上に上昇し駆動することによって定盤24から搬出される。次に画像面照度1000mW/cm2(波長365nm)に設定したUVランプ30が点灯し、画像部を硬化させる。その後図示しないガム液付与工程に搬送され、ガム液((株)日研化学研究所製 ウルトラPSガムを3倍希釈したもの)が印刷原版100の表面に図示しないスプレーノズルから版面に塗布されるようになっている。
〔インク組成〕
ビームセットAQ9(荒川化学工業(株)製 エポキシアクリレート) 1.4g
ビームセットEM90(荒川化学工業(株)製 ウレタンアクリレート) 1.4g
ダロキュア1173(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製) 1g
食用青色1号 0.1g
エタノール 50g
以上を良く撹拌し、水を加えて100gとする。
上述のようにしてカラー4色分の印刷版を作製し、新聞用印刷機に装着し、印刷したところ、見当精度も良好であり、印刷開始から良好な印刷物が得られた。
このように印刷機装着用のパンチ穿孔及び折り曲げ部を形成するベンダー手段と、画像部をインクジェット法により記録する描画手段で共通の定盤及び位置決め手段を用いることで、位置決めが一度で完了する。従来の装置に比べ位置決めに要する時間が大幅に短縮され、またCCDカメラを使用した位置決め機構のような高価かつ複雑な機構を用いずに、パンチ位置及び折り曲げ位置と描画位置にズレを生じることがなく、簡便に絶対精度が得られるようになった。
本発明の活用例として、新聞印刷分野向けCTP印刷版用の自動製版装置として用いることができる。
本発明の一例を示す印刷版の製版装置の断面概略図である。 本発明の一例を示す印刷版の製版装置のベンダー描画部の断面概略図である。 本発明の一例を示す印刷版の製版装置のベンダー描画部の上面概略図である。 は本発明の一例を示す印刷版の製版装置のベンダー描画部の折り曲げ動作を示す断面概略図である。
符号の説明
100 印刷原版
101 供給架台
112 吸着シリンダー
113 吸着パッド
110 ピックアップシリンダー
111 移動フレーム
114 給版台
20 給版部搬送ベルト
21 描画用ヘッド
22 描画用ヘッド移動手段
24 定盤
241 折り曲げ端部
25 穿孔用パンチ刃
26 折り曲げクランプ
27 突き当てピン
28 パンチ用搬送手段
29 描画部搬送ベルト
30 UVランプ

Claims (2)

  1. 少なくともアルミ支持体を有する印刷版の製版方法であって、少なくとも印刷機装着用のパンチ穿孔及び折り曲げ部を形成するベンダー手段と、画像部を記録する描画手段とを有し、ベンダー手段で位置決めされた状態の印刷版に対して、前記描画手段にて描画を行うことを特徴とする印刷版の製版方法。
  2. 少なくともアルミ支持体を有する印刷版に画像描画する製版装置であって、印刷機装着用のパンチ穿孔及び折り曲げ部を形成するベンダー手段と、画像部を記録する描画手段とを有し、ベンダー手段における位置決め用定盤と、前記描画手段における描画定盤が共通であることを特徴とする印刷版の製版装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013154534A (ja) * 2012-01-30 2013-08-15 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 製版装置及び製版方法
JP2015208884A (ja) * 2014-04-24 2015-11-24 西研グラフィックス株式会社 刷版加工装置
CN106364210A (zh) * 2016-11-23 2017-02-01 上海上尊机械制造有限公司 全自动在线打孔弯版系统

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