JP2008093904A - Ctp印刷版の製版装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷原版が多数枚装填される、アルミ支持体上に画像部をインクジェット法により記録するCTP印刷版の製版装置であって、過剰の梱包材料や合紙を適用せずに、輸送効率が良く、かつ長期に渡って安定な製版処理を行うことが可能なCTP印刷版の製版装置を提供する事である。
【解決手段】少なくともアルミ支持体からなる印刷原版上に、画像部をインクジェット法により記録するCTP印刷版の製版装置であって、ロール状の印刷原版を供給する手段を有するCTP印刷版の製版装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、CTP印刷版、特にアルミ支持体を有する印刷原版にインクジェット方式でインキ受理性の画像形成を行う製版装置に関する。
近年、紫外、可視、赤外などの各種レーザーを用いたダイレクト製版システム(コンピュータで作製した画像情報をダイレクトに製版するためにコンピュータ・ツウ・プレート、頭文字をとりCTPシステムとも呼称される)が実用化され、一般商業印刷の分野において広く普及している。このダイレクト製版システムはシステムをデジタル化する事によってスピード、コスト、安定性などの面で従来のフィルムを用いた製版システムに比べて有利であり、今日の一般商業印刷の市場では主流となりつつある。
このような製版方法として、さらに現像や非画像部溶出といった液体処理の不要なインクジェット方式により印刷用インキ受容性の画線部を直接形成する方法も近年の地球環境保護の観点から種々提案されている。インクジェット方式は、複雑な光学系を必要としないので装置を単純化することが可能であり、メンテナンスも少なく、廃液や製版コストを大幅に下げることが期待できる。このため地球環境保護の面からもエネルギーを含めた資源の節約に有益である。
インクジェット方式により印刷用インキ受容性の画線部を直接形成する製版方法としては、感脂性成分を含有する水性インクあるいは油性インクをインクジェット方式によって印刷原版に付着させることにより親油性(オフセットインキ受理性)の画線部を形成する方法が知られている。例えば、特開平7−108667号公報(特許文献1)にはアルミニウム支持体を電解研磨粗面化処理及び陽極酸化することにより親水性とした表面にノボラック樹脂を主体とするインク成分を描画し印刷版とする方法が記載されている。また特開平11−320810公報(特許文献2)には、同様にアルミニウム支持体を電解研磨粗面化処理及び陽極酸化することで親水化した表面に熱溶融性インクを描画し印刷版とする方法が記載されている。これらは、親水性表面としたアルミ支持体にインキ受理性の画像を形成するため、インキ受理性の塗膜が不要であり、また印刷性を確保するための現像処理も不要でかつ廃棄物がでないため、有用な方式である。
特に、特開2005−170003号公報(特許文献3)、特開2005−35183号公報(特許文献4)には、アルミ支持体を有する印刷原版を用いてインクジェット方式により画像部を形成する製版装置が例示されており、他方式、例えば感熱型や感光型のCTP印刷版システムに比べ、印刷原版の構成も簡素であり、光学機構や現像処理機構等がなく簡便で低コストでの実施が示唆されている。
上記したインクジェット方式に用いる印刷原板としては、支持体上にインク受容層を設けることも知られているが、該方式の印刷原板としてインク受容層の塗設は必須ではない。アルミニウム支持体上にインク受容層を設け、これに印字して印刷版として利用すると非画像部はインク受容層となり、その保水性を利用することとなる。インク受容層は疎水性インクを受理する特性上、その保水性は高く出来ないのが実状であり、特にロングランの印刷物や網点シャドウ部では汚れが発生する頻度が高くなる傾向にある。この為保水性の確保は、インク受容層を利用するよりも、電解研磨粗面化処理および陽極酸化処理されたアルミニウム支持体表面を利用して保水性を確保する方法がはるかに優位である。
その様な観点から、非画像部として電解研磨粗面化処理および陽極酸化処理により親水化されたアルミニウム支持体を印刷原版に利用することは、優れた印刷性を得られる点から、また生産に係るエネルギーや廃棄物を増加させない点で好ましい方法である。このCTP印刷版システムは一般商業印刷市場のみならず、新聞印刷市場への適用が期待されている。しかし、新聞印刷への適用には以下の問題点があった。
一般商業印刷と異なり、新聞印刷では短時間に多数の印刷版を出力する必要があることから、CTP印刷版を自動製版機に500枚程度の多数枚装填し、自動で製版処理を行う自動製版機が主流である。ユーザでの装填頻度を低減するために通常メーカーから500版積載した専用架台で供給されている。
この専用架台での供給では、新聞印刷の場合、398×1100mmのサイズが主流であり、架台の外形寸法も小さくとも500×1200mm程度と大きくなり、運搬用トラックへの平積みでは積載個数に限度があった。また輸送時に振動や慣性力の影響で積載されているCTP印刷版の版間のズレもしくはCTP印刷版全体が規定位置からのズレを生じることがあった。このため版面の傷の発生や、架台上にCTP印刷版が適正な積載位置にないことで自動製版機装填前に調整の必要が生じたり、給版ジャムの原因ともなっていた。このために梱包を頑丈、強固にすることは、新たな梱包材の発生となり好ましくない。
また、ユーザが出力開始前に、自動製版機中の専用架台上のCTP印刷版の残数が数枚程度となった場合に、時間節約の意味で製版途中で新たな専用架台を装填し直すことを避けるために、先に新たな専用架台を開封し、機内の専用架台の残版を積み増しして装填しておくことが日常的に行われている。合紙の無いCTP印刷版では、新しい専用架台の最表面のCTP印刷版の表面を積み増したCTP印刷版の角で擦過する場合があった。擦過部は表面の印刷性能が著しく損なわれるため、印刷時に不具合が発生していた。
一方で、専用架台上に積載されたCTP印刷版は、1枚毎に自動的に取り出され描画エンジンに給版されるが、版同士が密着することによる複数枚同時給版を回避し安定な給版を行うにはある程度高い版間分離性が必要である。他方式CTP印刷版のようにアルミ支持体の親水性加工された表面上に付け加えて、例えば感光層や酸素遮断層、あるいはインク受容層などが塗設されている場合には、これらの層を設けるための塗液にマット剤や滑剤を添加し、層内に存在させ、容易に版間分離性を確保することが可能となる。しかし上述のような、電解研磨粗面化処理および陽極酸化処理により親水化されたアルミニウム支持体自身を印刷原板に用いる場合に於いては、マット剤や滑剤を利用することができず、複数枚給版及びそれに伴う搬送ジャムなどの頻発を回避する簡便かつ低コストな解決策が必要とされていた。
さらに、感光層を有する他方式のCTP印刷版に比べ、塗設される層がなく非画像部となる親水性表面が露出しているので、その親水性表面の損傷は印刷時に部分汚れ等の不具合を発生させる可能性が極めて高くなる。上述のようなインクジェット方式によるインキ受理性画像形成方法では、上記専用架台への積載時及び給版時に親水性であるアルミ表面に損傷を受ける可能性があった。
特開平7−108667号公報 特開平11−320810公報 特開2005−170003号公報 特開2005−35183号公報
従って本発明の目的は、アルミ支持体上に画像部をインクジェット法により記録するCTP印刷版の製版装置であって、過剰の梱包材料や合紙を適用せずに、製版機内部での搬送ジャム等の不具合を予防し、さらに親水性表面の損傷を予防可能なCTP印刷版の製版装置を提供する事である。
本発明の上記目的は以下に記載のCTP印刷版の製版装置によって達成できることを見いだした。
1.少なくともアルミ支持体を有する印刷原版上に、インキ受理性の画像部をインクジェット法により記録するCTP印刷版の製版装置であって、ロール状の印刷原版を供給する手段を有することを特徴とするCTP印刷版の製版装置。
2.前記製版装置において、該印刷原版がパスラインから振幅を有するように搬送される複数の搬送ロールを有するデカール手段を有する前記1記載のCTP印刷版の製版装置。
3.前記製版装置において、版面に処理液を付与しロール対により絞液する手段を有する前記1または2記載のCTP印刷版の製版装置。
本発明により、印刷原版へ直接印字するインクジェット方式よるCTP印刷版の製版装置において、合紙を用いずとも、版面に傷が入ることが予防出来、また複数枚給版によるトラブルも抑制出来る。また上記2の発明においては印刷原版のカールも矯正可能であること、更に上記3の発明においては版面にガム液等の付与を可能となる。特にロール状の供給形態であれば、平積みでの架台の投影面積よりも小さくなるし、供給架台を箱状に形成し側面から原反を供給出来るため、印刷原版の輸送においても供給架台を積み重ねすることも可能となるため効率が向上するなど、特に新聞印刷への適用において秀逸な効果が得られる。
本発明者が鋭意検討した結果、上記課題に対してロール状の印刷原版を供給する手段を有する製版装置が極めて有用である事が明らかになった。
以下に本発明における製版装置について図1を用いて説明する。図1は本発明の一例を示す製版装置の断面概略図である。図1において、金属製のスプール110に巻き付けられてロール状となっている印刷原版100が装填されている供給架台102が、給版部に装着される。この供給架台102は箱状に形成されており、箱状とすることで輸送の際に2段、3段と重ね合わせることが可能である。スプール110に巻き付けられる印刷原版100の長さは、印刷版とした場合の使用枚数や供給架台102自身の搬送性や複数積み重ねた時の耐荷重を適宜勘案して設定することが好ましい。通常新聞印刷向けに適用されるアルミ支持体の厚みが0.3mmであり、幅を398mmとすると1版あたりの長さは1100mm程度であり、現状で一般的な500版供給相当では550mとなり約180kgとなる。供給架台はそれらの荷重に耐えるため、鉄、アルミ、ステンレス合金等の金属製材料で、出来るだけ軽量かつ高耐荷重となる折り曲げを有するアングル構造材、チャンネル構造材等が好ましい。
図1において、供給架台102はガイドレール103に沿って装着され、規定位置で固定される。使用後は固定を解除してガイドレール103に沿って供給架台102を着脱、新たな供給架台102が装着される。スプール110に駆動軸101がチャキングされ、駆動軸101の駆動により供給架台102より巻き出され、親水性表面を上側にしてカール調整部へ送られる。搬送パスラインに対して上下振幅を有するように設置された複数のカール調整ロール10を搬送通過することでカールが矯正(デカール処理)される。次に裁断部へ搬送され裁断カッター12にて所定の長さで切断され描画部へ搬送される。描画部ではインクジェット方式により画像部が描画される。描画が終了した後に、搬送ベルト20によって描画定盤24から排出され、必要に応じてUVランプ22により画像部を硬化させつつガム処理部内に搬送される。ガム処理部では版面にガム液を吐出パイプ32、33から版面に吐出し、塗布し、搬送絞液ロール対30、31を介して余剰のガム液が除去され、例えば印刷機へ装着するためのパンチや折り曲げ等の次工程へ排版される。
本発明の特徴であるロール状の印刷原版を供給する手段の構成についてさらに詳しく説明する。基本的にはロール状の印刷原版が巻き付けられたスプール110を保持し巻き出す方向に駆動する手段を有するものであれば良い。具体的には、片端もしくは両端支持の駆動軸であって、スプールをチャッキングするための空気圧あるいは油圧もしくはギア駆動による全周もしくは一部の外径変化によるスプール装着手段を有する回転制御可能な駆動軸101が好ましい。また供給架台102を製版装置に装着することでそのままスプール110に駆動軸101がチャッキング出来るようになっていることも装着が容易となり好ましい。スプール110及び駆動軸101の材質は、鉄、銅、アルミ及びそれらの合金等の金属製が強度や耐久性の点から好ましいが、ナイロン樹脂やポリアセタール樹脂のような機械的強度に優れるプラスチックもまた適用可能で、全体を金属製としてその一部にプラスチック材料を適用することも出来る。印刷原版が巻き付けられるスプールの外径としては、あまり小さいと後述するデカール処理による矯正能力を大きくする必要が生じるため、ロール幅の半分以上の外径とすることが、装置設計バランス上好ましい。また、ブレーキ機能、巻き出し力調整機能、ロール径(残量)計測機能など実用上有益な機能が付与されていることが好ましい。
次に本発明の製版装置のデカール手段について説明する。デカール手段とは、印刷原版がパスラインから振幅を有するように搬送される複数の連続したカール調整ロール10により構成され、アルミ支持体の巻き癖カールを矯正、即ちデカール処理する目的で、搬送パスライン(図1中に点線で表示)を中心にして上下振幅を持つように複数のカール調整ロール10を配置し、互い違いにかみこみ搬送させることで、アルミ支持体を繰り返し折り曲げ、巻き癖による内部応力を分散、平坦化させて所定のカール量に調整するものである。好ましくは上流側から下流側に向けて振幅が少なくなるように配置される。配置されるカール調整ロール10は少なくともパスラインからの振幅回数が多い方がカールの確実な除去には好ましいが、パス長が長くなることから、パスラインからの振幅回数が3〜6回となるロール本数、配置が好ましい。
次に本発明の製版装置の裁断部について説明する。機構の作用としては印刷機に装着される所定の長さに裁断カッターにて切断するものである。上述のデカール手段が複数のカール調整ロール10によりテンションが掛かるため、印刷版長にもよるが、カールが矯正された後に裁断を行う方が好ましい。裁断カッター12としては、ギロチンカッター、ロータリーカッター等の機械式や放電カッター、プラズマやレーザーカッター等のエネルギー放射式のものが適用出来る。
次に本発明の、印刷原版表面に処理液を付与しロール対により絞液する手段について説明する。本発明の製版装置において、版表面に対して洗浄、保護、親水性の向上を目的にして液体処理液を塗布及び/または浸漬し、搬送絞液ロール対31により余剰の処理液を絞液するものである。これらは必要に応じてインクジェットによる描画の前後どちらにも適用することが可能である。例えば、描画前に印刷原版表面の塵埃を除去するために水や界面活性剤を主体とした洗浄液で表面洗浄を行うことができる。また描画後に、カルボキシメチルセルロールやアラビアガム等の版面保護剤、親水性向上剤、pH調整剤等を主体としたガム液でアルミ支持体の表面保護や親水性の向上を行うこともできる。
次に本発明に使用されるインクジェット方式による描画について説明する。インクジェット方式は、インク液滴を吐出するための吐出口を複数備えた、ユニットとして構成されたヘッド及びそのヘッドを移動させて描画範囲をカバーするための駆動手段により構成される。インクジェットヘッドは必要に応じて描画対象に吐出するオンデマンド方式や連続して吐出しており必要な部分のみ描画対象に向けて吐出されるコンティニュアス方式でも良い。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などが挙げられるが、いずれの吐出方式を用いても良い。
次に本発明に使用される印刷原版について説明する。本発明に使用される印刷原版は、少なくともアルミ支持体の表面を粗面化及び陽極酸化処理などにより最表面を親水性とし、インクジェット方式により画像形成されCTP印刷版となるものであり、コイル状に形成されて使用されるものである。また、その側面端部は新聞印刷用に用いられる面取り処理を施したものが好ましい。
インクジェット方式による画像形成とは、ヘッドから吐出されるインクが親油性でありオフセット印刷用インキを受理する画像を形成するものである。使用するインクは感脂化成分を有する水性あるいは油性のインクや例えばポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、アルキドアクリレート、ウレタンアクリレート等の架橋性成分と光重合開始剤を含有させて感光硬化性としたインクは、耐刷性に優れ特に好ましく使用することができる。
印刷原版はアルミニウムを主成分とする金属板であり、純アルミニウム板の他、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板である。以下の説明において、上記に挙げたアルミニウム又はアルミニウム合金からなる板をアルミ支持体と総称して用いる。前記アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがあり、合金中の異元素の含有量は10質量%以下である。本発明では純アルミニウム板が好適であるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のもの、例えば、JIS A 1050、JIS A 1100、JIS A 3103、JIS A 3005などを適宜利用することができる。また、本発明に用いられるアルミ支持体の厚みは、およそ0.1〜0.6mm程度である。この厚みは印刷機の大きさ、印刷版の大きさ及びユーザーの希望により適宜変更することができる。
本発明におけるアルミ支持体の最表面を親水性とするための粗面化処理方法としては、特開昭56−28893号公報に開示されているような機械的粗面化、化学的エッチング、電解グレインなどがある。更に塩酸又は硝酸電解液中で電気化学的に粗面化する電気化学的粗面化方法、及びアルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立でするボールグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を粗面化するブラシグレイン法のような機械的粗面化法を用いることができ、上記粗面化方法を単独或いは組み合わせて用いることもできる。その中でも粗面化に有用に使用される方法は塩酸又は硝酸電解液中で化学的に粗面化する電気化学的方法であり、適する陽極時電気量は50〜400C/dm2の範囲である。更に具体的には、0.1〜50質量%の塩酸又は硝酸を含む電解液中、温度20〜80℃、時間1秒〜30分、電流密度100〜400C/dm2の条件で交流及び/又は直流電解を行うことが好ましい。
このように粗面化処理したアルミ支持体は、酸又はアルカリにより化学的にエッチングされてもよい。好適に用いられるエッチング剤は、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、水酸化カリウム、水酸化リチウム等であり、濃度と温度の好ましい範囲はそれぞれ1〜50質量%、20〜100℃である。エッチングのあと表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗いが行われる。用いられる酸は硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸等が用いられる。特に電気化学的粗面化処理後のスマット除去処理方法としては、好ましくは特開昭53−12739号公報に記載されているような50〜90℃の温度の15〜65質量%の硫酸と接触させる方法及び特公昭48−28123号公報に記載されているアルカリエッチングする方法が挙げられる。以上のように処理された後、処理面の表面粗さRaが0.2〜0.8μm程度であれば、特に、方法、条件は限定しない。
以上のようにして処理され酸化物層を形成したアルミ支持体には、その後に陽極酸化処理がなされる。陽極酸化処理は硫酸、燐酸、シュウ酸若しくは硼酸/硼酸ナトリウムの水溶液が単独若しくは複数種類組み合わせて電解浴の主成分として用いられる。この際、電解液中に少なくともAl合金板、電極、水道水、地下水等に通常含まれる成分はもちろん含まれても構わない。更には第2、第3成分が添加されていても構わない。ここでいう第2、第3成分とは、例えば、Na、K、Mg、Li、Ca、Ti、Al、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の金属のイオンやアンモニウムイオン等の陽イオンや、硝酸イオン、炭酸イオン、塩素イオン、リン酸イオン、フッ素イオン、亜硫酸イオン、チタン酸イオン、ケイ酸イオン、硼酸イオン等の陰イオンが挙げられ、その濃度としては0〜10000ppm程度含まれてもよい。陽極酸化処理の条件に特に限定はないが、好ましくは電解浴の主成分として上述の酸が30〜500g/リットル、処理液温10〜70℃で、電流密度0.1〜40A/m2の範囲で直流又は交流電解によって処理される。形成される陽極酸化皮膜の厚さは0.5〜1.5μmの範囲である。好ましくは0.5〜1.0μmの範囲である。以上の処理によって作製された支持体が、陽極酸化皮膜に存在するマイクロポアのポア径が5〜10nm、ポア密度が8×1015〜2×1016個/m2の範囲に入るように処理条件が選択されることが好ましい。
陽極酸化処理を終えた前記支持体表面には、さらに親水化処理を適用することもでき、広く公知の方法が適用できる。特に好ましい処理としては、シリケート又はポリビニルホスホン酸等による親水化処理が施される。皮膜はSi、又はP元素量として2〜40mg/m2、より好ましくは4〜30mg/m2で形成される。塗布量はケイ光X線分析法により測定できる。
上記の親水化処理は、アルカリ金属ケイ酸塩、又はポリビニルホスホン酸塩が1〜30質量%、好ましくは2〜15質量%であり、25℃のpHが10〜13である水溶液に、陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム支持体を、例えば、15〜80℃で0.5〜120秒浸漬することにより実施される。
前記親水化処理に用いられるアルカリ金属ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムなどが使用される。アルカリ金属ケイ酸塩水溶液のpHを高くするために使用される水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがある。なお、上記の処理液にアルカリ土類金属塩若しくは第IVB族金属塩を配合してもよい。アルカリ土類金属塩としては、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウムのような硝酸塩や、硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、ホウ酸塩などの水溶性の塩が挙げられる。第IVB族金属塩としては、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、シュウ酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウムなどを挙げることができる。
アルカリ土類金属塩若しくは、第IVB族金属塩は単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらの金属塩の好ましい範囲は0.01〜10質量%であり、更に好ましい範囲は0.05〜5.0質量%である。また、米国特許第3,658,662号明細書に記載されているようなシリケート電着も有効である。特公昭46−27481号公報、特開昭52−58602号公報、特開昭52−30503号公報に開示されているような電解グレインを施した支持体と、上記陽極酸化処理及び親水化処理を組合せた表面処理も有用である。
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に本実施における自動製版機について図1を用いて説明する。図1は本発明の一例を示す製版装置の断面概略図である。図1において、スプール110に巻き付けられてロール状となっている印刷原版100が装填されている供給架台102は給版部に装着される。この供給架台102は箱状に形成されており、2段、3段と重ね合わせることが可能である。このためトラック等による輸送においても、運搬用トラック荷台での積載個数を増やすことが出来る。またロール状であるため、枚葉のCTP印刷版が積載される場合に生じる恐れがあった、輸送時に振動や慣性力の影響による版間のズレもしくはCTP印刷版全体の架台上の規定位置からのズレは生じることがない。また、積み増し作業が生じないので、版面の擦過傷による印刷時の不具合も生じない。
図1において、供給架台102をガイドレール103に沿って装着、規定位置で固定してスプール110に駆動軸101がチャキングされ、駆動軸101の駆動により供給架台102より巻き出され、親水性表面を上側にしてカール調整部へ搬送される。カール調整部では搬送パスラインに対して上下振幅を有するように設置された複数のカール調整ロール10を搬送通過することでカールが矯正されるようになっている。次に裁断部へ搬送され、ロータリー式の裁断カッター12により所定の長さで切断され、UV光により感光硬化するエポキシアクリレート及びウレタンアクリレートを主体として含有されたインクが描画ヘッド21より画像様に吐出され画像部が描画される。描画が終了した後に、搬送ベルト20によって描画定盤24から排出され、画像面照度1000mW/cm2(波長365nm)に設定したUVランプ22により画像部を硬化させ、ガム処理部内に搬送されるようになっている。ガム処理部では版面に市販のガム液(三菱製紙製 PD−newsGum)を塗布し、搬送絞液ロール対30、31を介して余剰のガム液が除去され、図示しない印刷機へ装着するための折り曲げ処理工程へ排版され、両端部が所定の位置で折り曲げられ、CTP印刷版として使用可能な状態で排出されるようになっている。
印刷原版100は以下の通り作製した。幅398mm、厚み0.3mmのA1050タイプアルミニウム板帯を1m/minの処理速度で移動させ、50℃、4質量%水酸化ナトリウム水溶液に30秒間浸漬した後、水洗し、間接給電方式の電解槽に、20℃の1.5質量%塩酸を満たし、電源より20A/dm2 の単相交流電流を60秒間流して交流電解粗面化した。次に60℃、6質量%硝酸水溶液に30秒間浸漬してデスマットし、水洗し、その後25℃、20質量%硫酸中に60秒間通して5A/dm2 の直流電流で陽極酸化し、水洗し、その後乾燥して、外径300mmの金属製スプール110に巻き取り、ロール状の印刷原版100を600m分作製した。
上記の自動製版機に印刷原版100を装着し、1版あたり1100mmの長さとして、500版連続で処理した。1版目の製版物から500版目の製版物まで版のカールは極めて良好であり通版ジャムなどのトラブルがなく印刷機装着もスムースであった。また、版面を観察したところ、いずれも表面に異常はなく、印刷を実施しても良好な印刷物が得られた。
本発明の活用例として、新聞印刷分野向けCTP印刷版用の自動製版装置として用いることができる。
本発明の一例を示すCTP印刷版の製版装置の断面概略図である。
符号の説明
10 カール調整ロール
11 搬送ロール対
12 裁断カッター
20 搬送ベルト
21 描画ヘッド
22 UVランプ
24 描画定盤
30、31 搬送絞液ロール対
32、33 ガム液吐出パイプ
100 印刷原版
101 駆動軸
102 供給架台
103 ガイドレール
110 スプール

Claims (3)

  1. 少なくともアルミ支持体を有する印刷原版上に、インキ受理性の画像部をインクジェット法により記録するCTP印刷版の製版装置であって、ロール状の印刷原版を供給する手段を有することを特徴とするCTP印刷版の製版装置。
  2. 前記製版装置において、該印刷原版がパスラインから振幅を有するように搬送される複数の搬送ロールを有するデカール手段を有すること特徴とする請求項1記載のCTP印刷版の製版装置。
  3. 前記製版装置において、版面に処理液を付与しロール対により絞液する手段を有することを特徴とする請求項1または2記載のCTP印刷版の製版装置。
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