JP2008112984A - 低分子塗布型有機電界発光素子用の電荷輸送材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子用薄膜および有機電界発光素子 - Google Patents

低分子塗布型有機電界発光素子用の電荷輸送材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子用薄膜および有機電界発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】有機電界発光素子であって、形成層が結晶化しにくく、発光効率、駆動電圧、耐熱性に優れる。
【解決手段】下記式(I)の部分構造を有する低分子塗布型の電荷輸送材料、有機電界発光素子。
Figure 2008112984

【選択図】なし

Description

本発明は、有機電界発光素子の有機層を塗布などの湿式成膜法で形成する際に用いられる電荷輸送材料、該電荷輸送材料を含有する有機電界発光素子用組成物および該有機電界発光素子用組成物により形成される層を有する有機電界発光素子に関する。
近年、有機薄膜を用いた電界発光素子(有機電界発光素子)の開発が行われている。有機薄膜の形成方法としては、真空蒸着法と湿式成膜法が挙げられる。湿式成膜法は真空プロセスが要らず、大面積化が容易で、1つの層(塗布液)に様々な機能をもった複数の材料を混合して入れることが容易である等の利点がある。
湿式成膜法によって形成された発光層の材料としては、ポリ(p-フェニレンビニレン
)誘導体やポリフルオレン誘導体等の高分子材料が主に用いられているが、高分子材料には以下のような問題がある。
・高分子材料は重合度や分子量分布を制御することが困難である。
・連続駆動時に末端残基による劣化が起こる。
・材料自体の高純度化が困難で、不純物を含む。
上記問題のために、湿式成膜法による素子は、真空蒸着法による素子に比べて駆動安定性に劣り、一部を除いて実用レベルに至っていないのが現状である。
以上のような問題を解決する試みとして、特許文献1には高分子化合物ではなく、複数の低分子材料(電荷輸送材料、発光材料)を混合して湿式成膜法により形成した有機薄膜を用いた有機電界発光素子が記載されており、正孔輸送性の電荷輸送材料としては、以下に示す、化合物H-1、H-2が用いられている。
Figure 2008112984
また、湿式成膜法により形成された複数の低分子材料からなる有機薄膜を用いた有機電界発光素子において、非特許文献1では、素子の発光効率を高めるために、燐光発光を利用した素子が記載され、電荷輸送材料には、以下に示す化合物H−3、H−4が用いられている。
Figure 2008112984
しかしながら、上記化合物H−1、H−2、H−3、H−4は溶媒に対する溶解性が低い。このため、クロロホルム等のハロゲン系溶媒を塗布溶媒に用いる必要があるが、ハロゲン系溶媒は環境負荷が大きく、実用上問題がある。さらに、ハロゲン系溶媒中に含まれる不純物により材料を劣化させる可能性が大きいため、ハロゲン系溶媒を用いた湿式成膜法による素子は駆動安定性が十分でないと考えられる。さらに、上記化合物H−1、H−2、H-3、H-4は非常に結晶化しやすく、湿式成膜法では均一な非晶質膜を得ることが困難である。また、発光材料として燐光発光材料を用いる場合、化合物H−1は三重項励起準位が低いため、化合物H−1と燐光発光材料を含む組成物を用いて形成された有機電界発光素子の発光効率は低いと考えられる。
特開平11-273859号公報 Japanese Journal of Applied Physics Vol.44,No.1B,2005,pp.626-629
本発明は、湿式成膜法で形成される発光層であって、発光材料が低分子材料である発光層を有する有機電界発光素子において、低分子材料からなる層(以下、低分子有機層という場合がある。)が結晶化しにくく、発光効率が高く、駆動電圧が低く、耐熱性を含めた駆動安定性に優れる有機電界発光素子を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、湿式成膜法により有機電界発光素子の低分子有機層を形成するために用いられる電荷輸送材料として、下記式(I)で表される部分構造を有する化合物が、耐熱性、三重項励起準位、溶解性の全てが高く、結晶化しにくい膜を形成でき、さらには、湿式成膜法を用いて製造される有機電界発光素子に使用しても、発光効率が高く、駆動電圧が低く、耐熱性を含めた駆動安定性に優れる、実用性の高い有機電界発光素子を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記式(I)で表される部分構造を有する化合物からなる、低分子塗布型有機電界発光素子用の電荷輸送材料、該電荷輸送材料を含有する有機電界発光素子用組成物および有機電界発光素子に存する。
Figure 2008112984
(式(I)中、環Aは置換基を有していてもよい。)
また、本発明は、有機電界発光素子の有機層を形成する化合物として、耐熱性、溶解性に優れた下記新規化合物を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記式(III)で表される有機化合物に存する。
Figure 2008112984
(式(III)中、環B、環Cおよび環Dは、それぞれ独立に、−NR基以外にも置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。環B’および環D’は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。RおよびRは、それぞれ任意の置換基を表し、RおよびRが結合して環を形成していてもよい。また、一分子中に含まれる、複数のRおよびRは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。ただし、−NR基の少なくとも1つは前記式(I)で表される基である。nおよびmは、それぞ
れ0〜3の整数を表す。)
本発明の上記式(I)で表される部分構造を有する化合物を有する電荷輸送材料は、三重項励起準位が高く、高い耐熱性を有し、溶媒への溶解性に優れる。この電荷輸送材料を使用することにより、湿式成膜法によって、結晶化しにくく、熱安定性に優れ、発光特性にも優れた膜を形成することができる。この電荷輸送材料を用いて湿式成膜法により形成された層を有する有機電界発光素子は、駆動電圧が低く、耐熱性を含めた駆動安定性に優れる。
さらに本発明の上記式(III)で表される有機化合物は、非常に高い耐熱性を有しかつ、溶媒への溶解性に優れる。このため、この有機化合物を用いて、湿式成膜法により、結晶化しにくく、熱安定性に優れ、発光特性にも優れた膜を形成することができる。
本発明による有機電界発光素子は、フラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレビ)、車載表示素子、携帯電話表示や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯への応用が考えられ、その技術的価値は大きいものである。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本
発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定されない。
[電荷輸送材料]
本発明は、下記式(I)で表される部分構造を有する化合物からなる、低分子塗布型有機電界発光素子用の電荷輸送材料に関する。
尚、本発明においては、湿式成膜法で形成される発光層であって、発光材料が低分子材料である発光層を有する有機電界発光素子を、低分子塗布型有機電界発光素子という。
Figure 2008112984
(式(I)中、環Aは置換基を有していてもよい。)
本発明の低分子塗布型有機電界発光素子用の電荷輸送材料(以下、適宜、本発明の電荷輸送材料と呼ぶ)は、式(I)で表される部分構造を有することを特徴とする。この式(I)で表される部分構造を有することにより、優れた電荷(正孔)輸送能を有し、三重項励起準位が高く、高い耐熱性を有し、溶媒への溶解性に優れる。そのため、湿式成膜法により形成される有機電界発光素子の有機層に用いることが可能であり、特に、低分子の発光材料とともに、湿式成膜法により発光層に使用することが好ましい。
尚、本発明において、湿式成膜法とは、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、ダイコート、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット法などにより、組成物を塗布して成膜するものである。
本発明の電荷輸送材料は低分子材料であって、その分子量は、5000以下、好ましくは4000以下、より好ましくは3000以下、特に好ましくは2000以下であり、また通常400以上、好ましくは500以上、より好ましくは600以上である。
分子量が上限を超えると、不純物の高分子量化によって精製が困難となる場合があり、また分子量が下限を下回ると、ガラス転移温度及び、融点、気化温度などが低下するため、耐熱性が著しく損なわれるおそれがある。
本発明の電荷輸送材料は、通常50℃以上のガラス転移温度を有するが、耐熱性の観点及び湿式成膜法のプロセスの点から、ガラス転移温度は120℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがさらに好ましい。ガラス転移温度の上限は通常400℃程度である。また、本発明の電荷輸送材料は、通常300℃以上、800℃以下の気化温度を有する。本発明の電荷輸送材料は、ガラス転移温度と気化温度の間に結晶化温度を有さないことが好ましい。
上記式(I)中の環Aが有していてもよい置換基としては、通常分子量300以下の置換
基であって、該置換基は下記例示する置換基を2以上連結してなるものであってもよい。以下、置換基の具体例を例示する。
置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくは、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のア
ルキル基であり、例えばメチル、エチル、n-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、イソ
ブチル、tert-ブチル基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアルケニル基(好ましくは、炭素数2〜9のアルケニル基であり、例えばビニル、アリル、1-ブテニル基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアルキニル基(好ましくは、炭素数2〜9のアルキニル基であり、例えばエチニル、プロパルギル基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアラルキル基(好ましくは、炭素数7〜15のアラルキル基であり、例えばベンジル基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアルコキシ基(好ましくは、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルコキシ基であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を有するものであり、例えばフェニルオキシ、1-ナフチルオキシ、2-ナフチルオキシ基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基(例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環などの、5又は6員環の単環又は2〜5縮合環由来の1価の基が挙げられる。)
置換基を有していてもよい芳香族複素環基(例えばフラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環などの、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環由来の1価の基が挙げられる。)
上記例示した置換基の置換基としては、上記例示した置換基が挙げられる。
溶解性及び非晶質性をさらに向上させる観点からは、環Aのベンゼン環の置換基としては、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、2-プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などの低級アルキル基であり、さらに好ましくはメチル基またはエチル基である。
電気化学的耐久性を向上させる観点及び耐熱性を向上させる観点からは、環Aのベンゼン環は無置換であること、または、環Aは芳香族炭化水素基を置換基として有することが好ましい。芳香族炭化水素基としてはフェニル基が好ましい。
本発明の電荷輸送材料は、上記式(I)で表される部分構造を有する化合物であれば、通常、優れた電荷(正孔)輸送能を有し、三重項励起準位が高く、高い耐熱性を有し、溶媒への溶解性に優れるが、より高い溶解性を有するためには、さらに、下記式(II)で表される部分構造を有する化合物であることが好ましい。特に、上記式(I)で表される部分構造が、下記式(II)で表される部分構造の1つまたは2つ以上が連結してなる基で連結されていることがさらに好ましい。特に、電気的な一電子酸化と中和の繰返しに対する耐久性を向上させるためには、一般式(I)で表される3,6−ジフェニル−N−カルバゾリル基を下記式(II)で表される部分構造と組み合わせたm−位連結で導入する部分構造が好ましい。また溶解性向上の点においては部分構造として式(II)で示されるm−フェニレン基を分子内に2つ以上有することが好ましいが、このm−フェニレン基
を過度に有すると耐熱性が低下するおそれがある。
Figure 2008112984
特に、本発明の電荷輸送材料は、下記式(II−1)または(II−2)で表される部分構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2008112984
式(II−1)または(II−2)で表される部分構造は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、下記環B、環C、環D、環B’および環D’のベンゼン環が有していてもよい任意の置換基として例示したものが挙げられる。
また、より高い耐久性を有するためには、式(I)で表される部分構造に加えて、カルバゾリル基を1つ以上有する化合物であることが1分子内にさらに電気的な安定性部位をもつこと、カルバゾリル基導入により耐熱性が向上することで、駆動時の熱的な劣化を改善できることのため好ましい。
さらには、本発明の電荷輸送材料は、ベンゼン環、ヘテロ原子として窒素原子を有する芳香族複素環及び窒素原子からなる群から選ばれる部分構造のみから構成される化合物であることが、電気化学的安定性、三重項励起準位向上のため好ましい。
本発明の電荷輸送材料は、窒素原子以外のヘテロ原子を含む基を有さないことが好ましい。特に、本発明の電荷輸送材料は、ベンゼン環、ヘテロ原子として窒素原子を有する芳香族複素環、及び窒素原子からなる群から選ばれる部分構造のみから構成される化合物であることが最も好ましい。
なお、ベンゼン環、ヘテロ原子として窒素原子を有する芳香族複素環、及び窒素原子からなる群から選ばれる部分構造のみから構成される化合物とは、ベンゼン環、ヘテロ原子として窒素原子を有する芳香族複素環、及び窒素原子からなる群から選ばれる、環あるいは原子のみが結合してなる化合物をいう。すなわち、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基などはこの化合物中には含まれないことを意味する。
また、本発明の電荷輸送材料は、より高い耐久性を有する点では、前記式(I)で表される基(部分構造)を1分子内に奇数個有することが好ましく、さらには1つのみ有することが好ましい。また、高い溶解性、高い耐熱性を有する点では一般式(I)で示される部分構造を2つ以上有することが好ましい。
また、前述の通り、本発明の電荷輸送材料は一般式(I)で表される基に加えて、無置換のカルバゾリル基をさらに有することが好ましいが、一分子内における一般式(I)で表される基と無置換のカルバゾリル基の存在割合が同程度であることが好ましい。ここでいう、一分子内における一般式(I)で表される基と無置換のカルバゾリル基の存在割合とは、(一般式(I)で表される基の分子量(分子量318)または無置換のカルバゾリル
基の分子量(分子量166))/1分子量 ×100% として算出されるものをいう。ま
た、同程度とは、それぞれの存在割合の差が±5%以内であることをいう。上記存在割合を満たす電荷輸送材料を使用することにより、長寿命の素子を得ることができる。また、同様に、一分子内において、一般式(I)で表される基と無置換のカルバゾリル基の個数が、一般式(I)で表される基:無置換のカルバゾリル基=1:2の割合で存在することが、長寿命の素子を得るために特に好ましい。
中でも、本発明の電荷輸送材料は、特に優れた電荷(正孔)輸送能を有し、三重項励起準位が高く、高い耐熱性を有し、溶媒への溶解性に優れることから、下記式(III)で表される有機化合物からなることが好ましい。
尚、下記式(III)で表される化合物は新規化合物であり、電荷輸送材料としてだけでなく、各種発光材料用、太陽電池材料用、バッテリー材料(電解液、電極、分離膜、安定剤等)用、医療用、塗装材料用、コーティング材料用、有機半導体材料用、トイレタリー材料用、帯電防止材料用、熱電素子材料用等においても有用であると考えられる。
Figure 2008112984
(式(III)中、環B、環Cおよび環Dは、それぞれ独立に、−NR基以外にも置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。環B’および環D’は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。RおよびRは、それぞれ任意の置換基を表し、RおよびRが結合して環を形成していてもよい。また、一分子中に含まれる、複数のRおよびRは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。ただし、−NR基の少なくとも1つは前記式(I)で表される基である。nおよびmは、それぞ
れ0〜3の整数を表す。)
式(III)において、−NR基の少なくとも1つが前記式(I)で表される基であって、さらにもう1つの−NR基が無置換のカルバゾリル基であることが好ましい。
前記式(III)における環B、環Cおよび環Dは、それぞれ独立に、−NR基以外にも置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。環B’および環D’は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。
環B、環C、環D、環B’および環D’のベンゼン環が有していてもよい任意の置換基としては、通常分子量300以下の置換基であって、具体的には、下記例示する置換基が挙げられる。該置換基は下記例示する置換基を2以上連結してなるものであってもよい。以下、置換基の具体例を例示する。
置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくは、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、イソ
ブチル、tert-ブチル基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアルケニル基(好ましくは、炭素数2〜9のアルケニル基であり、例えばビニル、アリル、1-ブテニル基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアルキニル基(好ましくは、炭素数2〜9のアルキニル基であり、例えばエチニル、プロパルギル基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアラルキル基(好ましくは、炭素数7〜15のアラルキル基であり、例えばベンジル基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアルコキシ基(好ましくは、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルコキシ基であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を有するものであり、例えばフェニルオキシ、1-ナフチルオキシ、2-ナフチルオキシ基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基(例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環などの、5又は6員環の単環又は2〜5縮合環由来の1価の基が挙げられる。)
置換基を有していてもよい芳香族複素環基(例えばフラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環などの、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環由来の1価の基が挙げられる。)
上記例示した置換基の置換基としては、上記例示した置換基が挙げられる。
電気化学的耐久性を向上させる観点及び耐熱性を向上させる観点からは、環B、環C、環D、環B’および環D’のベンゼン環の置換基としては、それぞれ、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基が好ましく、より好ましくは置換基を有していてもよいフェニル基である。さらに好ましくは無置換のフェニル基、或いは1又は2置換のフェニル基である(ただし、この数は、式(III)における環B、環C、環D、環B’および環D’は置換基として含めていない数である。)。
溶解性及び非晶質性をさらに向上させる観点からは、環B、環C、環D、環B’および環D’のベンゼン環の置換基としては、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、2-プロピル基、n-ブチル基
イソブチル基、tert-ブチル基などの低級アルキル基、さらに好ましくはメチル基ま
たはエチル基である。
またnおよびmは、それぞれ0から3の整数を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nおよびmとして好ましくは、n=m=0または1、より好ましくはn=m=0である。
また、環B、環C、環D、環B’および環D’は、それぞれの環が、メタ位で連結してなることが好ましい。すなわち、環B、環C、環D、環B’および環D’が上記式(II)で表される基が連結してなることが好ましい。
本発明の電荷輸送材料は、特に高い耐熱性を有す点においては、n=m=0であって、環B、環C、環Dが下記式(IV)で表されるように連結してなることが好ましい。
Figure 2008112984
式(III)において、R1およびR2はそれぞれ任意の置換基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。該置換基は、通常分子量300以下の置換基であって、具体的には下記例示する置換基が挙げられる。該置換基は下記例示する置換基を2以上連結してなるものであってもよい。以下、置換基の具体例を例示する。
置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくは、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、イソ
ブチル、tert-ブチル基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアルケニル基(好ましくは、炭素数2〜9のアルケニル基であり、例えばビニル、アリル、1-ブテニル基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアルキニル基(好ましくは、炭素数2〜9のアルキニル基であり、例えばエチニル、プロパルギル基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアラルキル基(好ましくは、炭素数7〜15のアラルキル基であり、例えばベンジル基などが挙げられる。)
置換基を有していてもよいアシル基(好ましくは置換基を有していてもよい炭素数2から10のアシル基であり、例えばホルミル、アセチル、ベンゾイル基などが挙げられる)
置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基(好ましくは置換基を有していてもよい炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル基などが挙げられる)
置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基(好ましくは置換基を有していてもよい炭素数2〜10のアルキルカルボニルオキシ基であり、例えばアセトキシ基などが挙げられる)
ハロゲン原子(特にフッ素原子又は塩素原子)
カルボキシ基
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基(例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環などの、5又は6員環の単環又は2〜5縮合環由来の1価の基が挙げられる。)
置換基を有していてもよい芳香族複素環基(例えばフラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環などの、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環由来の1価の基が挙げられる。)
上述した各基が有しうる置換基としては、例えば、炭素数1〜6程度のアルキル基;炭
素数1〜6程度のアルコキシ基、炭素数6〜10程度の芳香族炭化水素基を含むアリール
オキシ基;炭素数1〜6程度のアルキル基を少なくとも1つ有するアルキルアミノ基:炭素数6〜20程度の芳香族炭化水素基、炭素数1〜6程度のアルキルチオ基、炭素数6〜10程度の芳香族炭化水素基を有するアリールチオ基、炭素数2〜20程度のアシル基などがあげられる。
およびRとしては電荷輸送性、電気化学的耐久性、耐熱性の観点からより好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基が挙げられ、最も好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
−NR基の具体例としては、電荷輸送性および電気的酸化還元耐久性の向上、あるいは適度に広い酸化還元電位差が得られるため、例えば、以下に示したものが挙げられる。
Figure 2008112984
中でも好ましくはa1、a2、a3およびa7であり、a1、a2およびa7が更に好ましい。
一方、本発明の電荷輸送材料は不必要な分子運動による励起子の無放射失活(熱失活)を抑制して発光量子効率を向上させる観点から、RおよびRが互いに結合してN原子とともに環を形成している化合物が好ましい。RおよびRが結合して環を形成している−NR基(以下「環状−NR基」と称す)は自らに含まれるN原子上の非
共有電子対と共役するπ電子を有している場合が好ましく、基全体としては芳香族基(芳香族炭化水素基または芳香族複素環基)である場合が好ましい。特に好ましくは、N−カ
ルバゾリル基であり、最も好ましくは上記式(I)と同様の置換基を有していてもよい3,6−ジフェニル−N−カルバゾリル基である。環状−NR基としてより好ましい
基を以下に具体的に示すがこれに制限されるものではない。
Figure 2008112984
また、これら環状−NR基は任意の置換基を有していてもよく、その例としては環B、環C、環D、環B’および環D’が有していてもよい置換基として前述した基が挙げられる。
以下に、本発明の電荷輸送材料として好ましい具体的な例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2008112984
Figure 2008112984
Figure 2008112984
Figure 2008112984
Figure 2008112984
Figure 2008112984
Figure 2008112984
Figure 2008112984
Figure 2008112984
Figure 2008112984
Figure 2008112984
Figure 2008112984
前記式(III)で表される化合物は、目的とする化合物の構造に応じて原料を選択し、公知の手法を用いて合成することができる。例えば以下のような方法で合成することができる。
(a)フッ素原子を置換基に有する原料(XArX(F))(X=Br,I)のフッ素原子に対してジア
リールアミノ基、カルバゾリル基(R1R2N-)など(前記フッ素原子を置換基に有する原料のフッ素原子に対して1.1〜10当量程度)を、乾燥ガス雰囲気下及び/又は不活性ガス雰囲気下、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エーテル、N,N-ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、水素化ナトリウム、tert−ブトキシカリウム、n−ブチルリチウムなどの強塩基(フッ素原子に対して1.1〜10当量程度)とを加熱還流下、1〜60時間反応させる。得られた化合物(XAr(−NR1R2)X)とさらに導入させたいジアリールアミノ基、カルバゾリル
基(R1’R2’N-)とを銅粉末、銅線、ハロゲン化銅(CuX(X=Cl,Br,I))、酸化銅(CuO)
などの銅触媒(出発原料のハロゲン原子に対して0.1から5当量程度)および、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、リン酸カリウム、炭酸セシウム、tert-ブトキシナトリウムなどの
塩基性物質(出発原料ハロゲン原子に対して1〜10当量程度)の存在下、不活性ガス気流下、無溶媒又はニトロベンゼンなどの芳香族系溶媒、テトラグライム、ポリエチレングリコールなどの溶媒中、20〜300℃の温度範囲で、1〜60時間攪拌混合する方法。
(b)あるいは得られた化合物(XAr(−NR1R2)X)とさらに導入させたいジアリールア
ミノ基、カルバゾリル基(R1’R2’N-)とをPd2(dba)3(Pd=パラジウム、dba=ジベンジリテアセトン)、Pd(dba)2、酢酸パラジウムなどの2価のパラジウム触媒とBINAP(=2,2-ビス(ジフェニルフォスフィノ-1,1’-ビナフチル)、トリ(tert-ブチル)フォスフィン、
トリフェニルフォスフィン、1,2-ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン,1,3-ビス(ジ
フェニルフォスフィノ)ブタン,dppf(=1,1’-ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロ
セン)などのリガンドの組み合わせ、あるいはPd(PPh)4などの0価のパラジウム錯体、あるいはPdCl2(dppf)2などのパラジウム塩化物錯体などの触媒(出発原料のハロゲン原子に対して0.001〜1当量程度)と、tert-ブトキシカリ、tert-ブトキシナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミンなどの塩基性物質(通常、出発原料のハロゲン原子に対して1.1〜10当量)の存在下、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエ
タン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、キシレン、トルエン、などの溶媒中、30〜200℃で1〜60時間かけて攪拌する方法。
(c)あるいはジアリールアミノフェニルボロン酸、カルバゾールフェニルボロン酸等を
出発原料として、上記で得られた中間体化合物(XAr(−NR1R2)X)とをテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウムなどのパラジウム触媒(1〜5モル%程度)、炭酸
セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの塩基(前記ハロゲン化物のハロゲン原子に対して1.5〜5倍当量程度)存在下、トルエン−エタノール、トルエン―水、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N-ジメチルホルムアミドなど、あるいはそれら混合溶媒系中(前記ボロン酸濃度で1〜100ミリモル%程度)、不活性ガス雰囲気
下、で5〜24時間程度、加熱還流させることによる方法。
上記以外にも公知の手法を適用可能であり、アミン基の導入には「第4版実験化学講座20」(日本科学会編、丸善)、第6章(アミン)の項に記載の方法など適用可能である。
次に、有機電界発光素子用組成物について説明する。
本実施の形態が適用される有機電界発光素子用組成物は、少なくとも上述した電荷輸送材料を含有する。通常、溶剤を含有し、好ましくは発光材料を含有する。
(1)溶剤
本発明の有機電界発光素子用組成物に含まれる溶剤としては種々の溶剤が適用可能であり、特に限定されない。例えば、トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル;シクロヘキサノン、シクロオクタノン等の脂環を有するケトン;メチルエチルケトン、ジブチルケトン等の脂肪族ケトン;メチルエチルケトン、シクロヘキサノール、シクロオクタノール等の脂環を有するアルコール;ブタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル等が挙げられる。
これらのうち、水の溶解度が低い点、容易には変質しない点で、トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素が好ましい。
有機電界発光素子には、陰極等の水分により著しく劣化する材料が多く使用されているため、組成物中の水分の存在は、乾燥後の膜中に水分が残留し、素子の特性を低下させる可能性が考えられ好ましくない。
組成物中の水分量を低減する方法としては、例えば、窒素ガスシール、乾燥剤の使用、溶剤を予め脱水する、水の溶解度が低い溶剤を使用する等が挙げられる。なかでも、水の溶解度が低い溶剤を使用する場合は、湿式成膜法工程中に、溶液膜が大気中の水分を吸収して白化する現象を防ぐことができるため好ましい。この様な観点からは、本発明の有機電界発光素子用組成物は、例えば、25℃に於ける水の溶解度が1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下である溶剤を、組成物中10重量%以上含有することが好ましい。
また、湿式成膜時における組成物からの溶剤蒸発による、成膜安定性の低下を低減するためには、有機電界発光素子用組成物の溶剤として、沸点が100℃以上、好ましくは沸点が150℃以上、より好ましくは沸点が200℃以上の溶剤を用いることが効果的である。また、より均一な膜を得るためには、製膜直後の液膜から溶剤が適当な速度で蒸発することが必要で、このためには通常沸点80℃以上、好ましくは沸点100℃以上、より好ましくは沸点120℃以上で、通常沸点270℃未満、好ましくは沸点250℃未満、より好ましくは沸点230℃未満の溶剤を用いることが効果的である。
上述の条件、即ち溶質の溶解性、蒸発速度、水の溶解度の条件を満足する溶剤を単独で用いてもよいが、2種類以上の溶剤を混合して用いることもできる。
(2)発光材料
発光材料とは、有機電界発光素子において主として発光する成分を指し、有機電界発光素子の発光層ドーパント成分に当たる。該有機電界発光素子用組成物から発せられる光量(単位:cd/m)の内、通常10%〜100%、好ましくは20%〜100%、より好ましくは50%〜100%、最も好ましくは80%〜100%が、ある成分材料からの発光と同定される場合、それを発光材料と定義する。
本発明の有機電界発光素子用組成物は、発光材料が低分子材料であって、湿式成膜法によりこの発光材料を含有する層が形成される有機電界発光素子に用いられることが好ましい。本発明の有機電界発光素子用組成物は、発光材料を含有させ、発光層を形成するために通常用いられるが、正孔輸送層などの他の層に用いてもよい。
発光材料としては、任意の公知材料を適用可能であり、蛍光発光材料あるいは燐光発光材料を単独若しくは複数を混合して使用できるが、内部量子効率の観点から、好ましくは、燐光発光材料である。
尚、溶剤への溶解性を向上させる目的で、発光材料分子の対称性や剛性を低下させたり、あるいはアルキル基等の親油性置換基を導入したりしてもよい。
青色発光を与える蛍光発光材料としては、ペリレン、ピレン、アントラセン、フェナントレン、ナフタレン、クリセン、フルオレン、クマリン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼンおよびそれらの誘導体等が挙げられる。緑色発光を与える蛍光発光材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体等が挙げられる。黄色発光を与える蛍光発光材料としては、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。赤色発光を与える蛍光発光材料としては、DCM系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる。
燐光発光材料としては、例えば周期表7ないし11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体が挙げられる。
周期表7ないし11族から選ばれる金属を含む燐光性有機金属錯体における金属として好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金等が挙げられる。これらの有機金属錯体として、好ましくは下記一般式(3)または下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
ML”(q−j)L’ (3)
(一般式(3)中、Mは金属を表し、qは上記金属の価数を表す。また、L”およびL’は二座配位子を表す。jは0、1または2を表す。)
Figure 2008112984
(一般式(4)中、Mは金属を表し、Tは炭素または窒素を表す。R92〜R95は、それぞれ独立に置換基を表す。ただし、Tが窒素の場合は、R94およびR95は無い。
以下、一般式(3)で表される化合物について説明する。
一般式(3)中、Mは任意の金属を表し、好ましいものの具体例としては、周期表7ないし11族から選ばれる金属として前述した金属が挙げられる。
また、一般式(3)中の二座配位子L”およびL’は、それぞれ、以下の部分構造を有する配位子を示す。
Figure 2008112984
Figure 2008112984
L’として、錯体の安定性の観点から、特に好ましくは、下記のものが挙げられる。
Figure 2008112984
上記L”,L’の部分構造において、環A1は、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表し、これらは置換基を有していてもよい。また、環A2は、含窒素芳香族複素環基を表し、これらは置換基を有していてもよい。
環A1,A2が置換基を有する場合、好ましい置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基等のアリールオキシ基;ジメチルア
ミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基等のジアリールアミノ基;カルバゾリル基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基;フェニル基、ナフチル基、フェナンチル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
一般式(3)で表される化合物として、さらに好ましくは、下記一般式(3a)、(3b)、(3c)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008112984
(一般式(3a)中、MはMと同様の金属を表し、wは上記金属の価数を表す。また、環A1は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表し、環A2は置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表す。)
Figure 2008112984
(一般式(3b)中、MはMと同様の金属を表し、wは上記金属の価数を表す。また、環A1は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、環A2は置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表す。)
Figure 2008112984
(一般式(3c)中、MはMと同様の金属を表し、wは上記金属の価数を表す。また、jは0、1または2を表す。さらに、環A1および環A1’は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香族複素環基
を表す。また、環A2および環A2’は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表す。)
上記一般式(3a)、(3b)、(3c)において、環A1および環A1’の基としては、好ましくは、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、チエニル基、フリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、カルバゾリル基等が挙げられる。
また、環A2、環A2’の基としては、好ましくは、例えばピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、フェナントリジル基等が挙げられる。
さらに、一般式(3a)、(3b)、(3c)で表される化合物が有していてもよい置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基等のアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基等のジアリールアミノ基;カルバゾリル基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基等が挙げられる。
尚、これら置換基は互いに連結して環を形成してもよい。具体例としては、環A1が有する置換基と環A2が有する置換基とが結合するか、または、環A1’が有する置換基と環A2’が有する置換基とが結合するかして、一つの縮合環を形成してもよい。このような縮合環基としては、7,8−ベンゾキノリン基等が挙げられる。
中でも、環A1、環A1’、環A2および環A2’の置換基として、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ジアリールアミノ基、カルバゾリル基が挙げられる。
また、一般式(3a)、(3b)、(3c)におけるM,M,Mとして好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金または金が挙げられる。
上記一般式(3)、(3a)、(3b)、(3c)で示される有機金属錯体の具体例を以下に示すが、下記の化合物に限定されるものではない(以下において、Phはフェニル基を表す。)。
Figure 2008112984
Figure 2008112984
上記一般式(3)、(3a)、(3b)、(3c)で表される有機金属錯体の中でも、特に、配位子L”および/またはL’として2−アリールピリジン系配位子、即ち、2−アリールピリジン、これに任意の置換基が結合したもの、および、これに任意の基が縮合してなるものを有する化合物が好ましい。
次に、前記一般式(4)で表される化合物について説明する。
一般式(4)中、Mは金属を表し、具体例としては、周期表7ないし11族から選ばれる金属として前述した金属が挙げられる。中でも好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金または金が挙げられ、特に好ましくは、白金、パラジウム等の2価の金属が挙げられる。
また、一般式(4)において、R92およびR93は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸基、アリールオキシ基、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。
さらに、Tが炭素の場合、R94およびR95は、それぞれ独立に、R92およびR93と同様の例示物で表される置換基を表す。また、前述の如く、Tが窒素の場合はR94およびR95は無い。
また、R92〜R95はさらに置換基を有していてもよい。この場合のさらに有していてもよい置換基には特に制限はなく、任意の基を置換基とすることができる。
さらに、R92〜R95は互いに連結して環を形成してもよく、この環がさらに任意の置換基を有していてもよい。
一般式(4)で表される有機金属錯体の具体例(T−1,T−10〜T−15)を以下に示すが、下記の例示化合物に限定されるものではない。尚、以下において、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
Figure 2008112984
また、有機金属錯体としては、WO2005/019373号公報に記載の化合物も使用することができる。
上記のような、本発明の有機電界発光素子用組成物を、湿式成膜法を用いて、基板または基板上に形成された有機電界発光素子の有機層上などに成膜することにより、有機電界発光素子用薄膜を得ることができる。
3.有機電界発光素子
次に、有機電界発光素子について説明する。
本実施の形態が適用される有機電界発光素子は、基板上に少なくとも陽極、陰極およびこれらの両極間に設けられた発光層を有するものであって、本発明の有機電界発光素子用組成物を用いて形成された層を有することを特徴とする。この層は、湿式成膜法により形成された層であり、特にこの層は有機発光層であることが好ましい。
図3は、本実施の形態が適用される有機電界発光素子に好適な構造例を示す断面模式図である。図3において、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4発光層(有機発光層)、8は正孔阻止層、7は電子輸送層、5は電子注入層、6は陰極を各々表す。
[1]基板
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金
属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
[2]陽極
基板1上には陽極2が設けられる。陽極2は発光層側の層(正孔注入層3または発光層4等)への正孔注入の役割を果たすものである。
この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウムおよび/またはスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。陽極2の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法等により行われることが多い。また、銀等の金属微粒子、ヨウ化銅等の微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末等を用いて陽極2を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散させて、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は、電解重合により直接基板1上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極2を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。陽極2は通常は単層構造であるが、所望により複数の材料からなる積層構造とすることも可能である。陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが好ましい。この場合、陽極2の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明でよい場合は陽極2の厚みは任意であり、陽極2は基板1と同一でもよい。また、さらには、上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。陽極2に付着した不純物を除去し、イオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させることを目的に、陽極2表面を紫外線(UV)/オゾン処理したり、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ処理したりすることは好ましい。
[3]正孔注入層
正孔注入層3は陽極2から発光層4へ正孔を輸送する層であるため、正孔注入層3には正孔輸送性化合物を含むことが好ましい。正孔注入層3は、正孔輸送性化合物を含むことが好ましく、正孔輸送性化合物と電子受容性化合物とを含むことがさらに好ましい。また、正孔注入層3にカチオンラジカル化合物を含むことが好ましく、カチオンラジカル化合物と正孔輸送性化合物とを含むことがさらに好ましい。さらに、必要に応じて、正孔注入層3には電荷のトラップになりにくいバインダー樹脂や、塗布性改良剤を含んでいてもよい。
但し、正孔注入層3として、電子受容性化合物のみを湿式成膜法によって陽極2上に製膜し、その上から直接、本実施の形態の有機電界発光素子用組成物を塗布、積層することも可能である。この場合、本実施の形態の組成物の一部が電子受容性化合物と相互作用することによって、正孔注入性に優れた層が形成される。
(正孔輸送性化合物)
正孔輸送性化合物としては、4.5eV〜6.0eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物が好ましい。正孔輸送性化合物の例としては、芳香族アミン化合物、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。中でも非晶質性、可視光の透過率の点から、芳香族アミン化合物が好ましい。特に芳香族三級アミン化合物が好ましい。ここで、芳香族三級アミン化合物とは、芳香族三級アミン構造を有する化合物であって、芳香族三級アミン由来の基を有する化合物も含
む。芳香族三級アミン化合物の種類は特に制限されないが、表面平滑化効果の点から、重量平均分子量が1000以上、1000000以下の高分子化合物(繰り返し単位が連なる重合型炭化水素化合物)がさらに好ましい。芳香族三級アミン高分子化合物の好ましい例として、下記一般式(V)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が挙げられる。
Figure 2008112984
(一般式(V)中、Ar21,Ar22はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Ar23〜Ar25は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基、または置換基を有していてもよい2価の芳香族複素環基を表す。Yは、下記の連結基群の中から選ばれる連結基を表す。また、Ar21〜Ar25のうち、同一のN原子に結合する二つの基は互いに結合して環を形成してもよい。)
Figure 2008112984
(上記各式中、Ar31〜Ar41は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、または置換基を有していてもよい芳香族複素環由来の1価または2価の基を表す。R51およびR52は、それぞれ独立して、水素原子または任意の置換基を表す。)
Ar21〜Ar25およびAr31〜Ar41としては、任意の芳香族炭化水素環または芳香族複素環由来の、1価または2価の基が適用可能である。これらはそれぞれ同一であっても、互いに異なっていてもよい。また、任意の置換基を有していてもよい。Ar21〜Ar25およびAr31〜Ar41の芳香族炭化水素環および/または芳香族複素環由来の基は、さらに置換基を有していてもよい。置換基の分子量としては、通常400以下、中でも250以下程度が好ましい。Ar21、Ar22としては、高分子化合物の溶解性、耐熱性、正孔注入・輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピリジン環由来の1価の基が好ましく、フェニル基、ナフチル基がさらに好ましい。また、Ar23〜Ar25としては、耐熱性、酸化還元電位を含めた正孔注入・輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環由来の2価の基が好ましく、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基がさらに好ましい。一般式(V)で表される繰り返し単位を有する芳香族三級アミン高分子化合物の具
体例としては、WO2005/089024号公報に記載のものが挙げられる。正孔注入層3の材料として用いられる正孔輸送性化合物は、このような化合物のうち何れか1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。2種以上の正孔輸送性化合物を含有する場合、その組み合わせは任意であるが、芳香族三級アミン高分子化合物1種または2種以上と、その他の正孔輸送性化合物1種または2種以上とを併用するのが好ましい。
(電子受容性化合物)
電子受容性化合物とは、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上の化合物である化合物がさらに好ましい。例としては、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート等の有機基の置換したオニウム塩、塩化鉄(III)(特開平11−251067号公報)
、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の高原子価の無機化合物、テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物、フラーレン誘導体、ヨウ素等が挙げられる。上記の化合物のうち、強い酸化力を有する点で有機基の置換したオニウム塩、高原子価の無機化合物が好ましく、種々の溶剤に可溶で湿式塗布に適用可能である点で有機基の置換したオニウム塩、シアノ化合物、芳香族ホウ素化合物が好ましい。電子受容性化合物として好適な有機基の置換したオニウム塩、シアノ化合物、芳香族ホウ素化合物の具体例としては、WO2005/089024号公報に記載のものが挙げられ、その好適例も同様であり、例えば下記構造式で表される化合物(A−2)が挙げられるが、何らそれらに限定されるものではない。
Figure 2008112984
正孔注入層3は、湿式製膜法または真空蒸着法により陽極2上に形成される。湿式成
膜法による層形成の場合は、前述した各材料(正孔輸送性化合物、電子受容性化合物、カチオンラジカル化合物)の1種または2種以上の所定量を、必要により電荷のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤を添加して、溶剤に溶解させて、塗布溶液を調製し、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、ダイコート、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット法等の湿式製膜法により陽極2上に塗布し、乾燥して、正孔注入層3を形成させる。湿式成膜法による層形成のために用いられる溶剤としては、前述の各材料(正孔輸送性化合物、電子受容性化合物、カチオンラジカル化合物)を溶解することが可能な溶剤であれば、その種類は特に限定されないが、正孔注入層3に用いられる各材料(正孔輸送性化合物、電子受容性化合物、カチオンラジカル化合物)を失活させる恐れのある、失活物質または失活物質を発生させるものを含まないものが好ましい。好ましくは、エーテル系溶剤またはエステル系溶剤である。このようにして形成される正孔注入層3の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。尚、正孔注入層3は省略してもよい。
[4]正孔輸送層
正孔注入層3上に正孔輸送層が設けられる。正孔輸送層の材料に要求される条件としては、陽極2からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが必要である。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、更に安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。また、発光層4に接するために発光層4からの発光を消光したり、発光層4との間でエキサイプレックスを形成して効率を低下させないことが求められる。上記の一般的要求以外に、車載表示用の応用を考えた場合、素子には更に耐熱性が要求される。従って、ガラス転移温度として80℃以上、更に好ましくは85℃以上の値を有する材料が好ましい。
このような正孔輸送材料としては、発光層4のホスト材料に用いられる正孔輸送性材料と同様に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4”−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J.Lumin.,72−74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chem.Commun.,2175頁、1996年)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth.Metals,91巻、209頁、1997年)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニルなどのカルバゾール誘導体等が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で用いてもよいし、必要に応じて複数種混合して用いてもよい。上記の化合物以外に、正孔輸送層の材料として、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7−53953号公報)、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン(Polym.Adv.Tech.,7巻、33頁、1996年)等の高分子材料が挙げられる。正孔輸送層は、スプレー法、印刷法、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法などの通常の塗布法や、インクジェット法、スクリーン印刷法など各種印刷法等の湿式成膜法や、真空蒸着法などの乾式成膜法で形成することができる。湿式成膜法の場合は、正孔輸送材料の1種又は2種以上に、必要により正孔のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤などの添加剤を添加し、適当な溶剤に溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法などの方法により陽極2上に塗布し、乾燥して正孔輸送層を形成する。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、通常、正孔輸送層中の含有量で50重量%以下が好ましい。
尚、本発明の有機電界発光素子用組成物を正孔輸送層を形成するために用いてもよい。
正孔輸送層の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。この様に薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空蒸着法がよく用いられる。
[5]発光層(有機発光層)
正孔輸送層の上には、通常、発光層4が設けられる。本発明において、発光層4は低分子の発光材料を含む組成物を用いて、湿式成膜法により形成される層である。電界を与えられた電極間において、陽極2から正孔注入層3を通じて注入された正孔と、陰極9から電子注入層5を通じて注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。発光層4は、発光材料(ドーパント)と1種または2種以上のホスト材料を含むことが好ましく、本発明の電荷輸送材料と低分子の発光材料を含有する有機電界発光素子用組成物を用いて、湿式成膜法により形成されることが好ましい。
尚、発光層4は、本実施の形態の有機電界発光素子性能を損なわない範囲で、他の材料、成分を含んでいてもよい。一般に有機電界発光素子において、同じ材料を用いた場合、電極間の膜厚が薄い方が、実効電界が大きくなる為、注入される電流が多くなるので、駆動電圧は低下する。その為、電極間の総膜厚は薄い方が、有機電界発光素子の駆動電圧は低下するが、あまりに薄いと、ITO等の電極に起因する突起により短絡が発生する為、ある程度の膜厚が必要となる。本実施の形態においては、発光層4以外に、正孔注入層3および後述の電子注入層5等の有機層を有する場合、発光層4と正孔注入層3や電子注入層5の他の有機層とを合わせた総膜厚は通常30nm以上、好ましくは50nm以上であり、さらに好ましくは100nm以上で、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下であり、さらに好ましくは300nm以下である。また、発光層4以外の正孔注入層3や後述の電子注入層5の導電性が高い場合、発光層4に注入される電荷量が増加する為、例えば正孔注入層3の膜厚を厚くして発光層4の膜厚を薄くし、総膜厚をある程度の膜厚を維持したまま駆動電圧を下げることも可能である。よって、発光層5の膜厚は、通常10nm以上、好ましくは20nm以上で、通常300nm以下、好ましくは200nm以下である。尚、本実施の形態の素子が、陽極2および陰極9の両極間に、発光層4のみを有する場合の発光層4の膜厚は、通常30nm以上、好ましくは50nm以上、通常500nm以下、好ましくは300nm以下である。
[6]正孔阻止層
発光材料として燐光発光性色素を用いたり、青色発光を与える蛍光発光材料を用いたりする場合、正孔阻止層8を設けることが効果的である。正孔阻止層8は正孔と電子を発光層4内に閉じこめて、発光効率を向上させる機能を有する。即ち、正孔阻止層8は、発光層4から移動してくる正孔が電子輸送層7に到達するのを阻止することで、発光層4内で電子との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層4内に閉じこめる役割と、電子輸送層7から注入された電子を効率よく発光層4の方向に輸送する役割がある。正孔阻止層8は、陽極2から移動してくる正孔を陰極6に到達するのを阻止する役割と、陰極6から注入された電子を効率よく発光層4の方向に輸送することができる化合物により、発光層4の上に、発光層4の陰極6側の界面に接するように積層形成される。正孔阻止層8を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。このような条件を満たす正孔阻止層8の材料としては、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(特開平10−79297号公報)が挙げられる。さらに、WO2005/022962号公報に記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も正孔阻止材料として好ましい。正孔阻止層8の膜厚は、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上で、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。正孔阻止層8は正孔注入層3と同様の方法で形成することができるが、通常は真空蒸着法が用いられる。
[7]電子輸送層
電子輸送層7は素子の発光効率をさらに向上させることを目的として、発光層4と電子注入層5との間に設けられる。電子輸送層7は、電界を与えられた電極間において陰極6から注入された電子を効率よく発光層4の方向に輸送することができる化合物より形成される。電子輸送層7に用いられる電子輸送性化合物としては、陰極6または電子注入層5からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送
することができる化合物であることが必要である。このような条件を満たす材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体等の金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−または5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5,645,948号)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛等が挙げられる。電子輸送層7の膜厚は、通常下限は1nm、好ましくは5nm程度であり、上限は通常300nm、好ましくは100nm程度である。電子輸送層7は、正孔注入層3と同様にして湿式製膜法、或いは真空蒸着法により発光層4上に積層することにより形成される。通常は、真空蒸着法が用いられる。
[8]電子注入層
電子注入層5は陰極6から注入された電子を効率よく発光層4へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行うには、電子注入層5を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましく、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウム等のアルカリ土類金属が用いられる。電子注入層5の膜厚は0.1〜5nmが好ましい。また、陰極9と発光層4または後述の電子輸送層7との界面にLiF、MgF、LiO、CsCO等の極薄絶縁膜(0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率を向上させる有効な方法である(Appl.Phys.Lett.,70巻,152頁,1997年;特開平10−74586号公報;IEEETrans.Electron.Devices,44巻,1245頁,1997年;SID 04 Digest,154頁)。さらに、後述するバソフェナントロリン等の含窒素複素環化合物や8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体等の金属錯体に代表される有機電子輸送材料に、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウム、ルビジウム等のアルカリ金属をドープする(特開平10−270171号公報、特開2002−100478号公報、特開2002−100482号公報等に記載)ことにより、電子注入・輸送性が向上し優れた膜質を両立させることが可能となるため好ましい。この場合の膜厚は通常5nm以上、好ましくは10nm以上で、通常200nm以下、好ましくは100nm以下である。電子注入層5は、発光層4と同様にして湿式製膜法、或いは真空蒸着法により発光層4上に積層することにより形成される。真空蒸着法の場合には、真空容器内に設置されたるつぼまたは金属ボートに蒸着源を入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、るつぼまたは金属ボートを加熱して蒸発させ、るつぼまたは金属ボートと向き合って置かれた基板上に電子注入層5を形成する。アルカリ金属の蒸着は、クロム酸アルカリ金属と還元剤をニクロムに充填したアルカリ金属ディスペンサーを用いて行う。このディスペンサーを真空容器内で加熱することにより、クロム酸アルカリ金属が還元されてアルカリ金属が蒸発される。有機電子輸送材料とアルカリ金属とを共蒸着する場合は、有機電子輸送材料を真空容器内に設置されたるつぼに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、各々のるつぼおよびディスペンサーを同時に加熱して蒸発させ、るつぼおよびディスペンサーと向き合って置かれた基板1上に電子注入層5を形成する。このとき、電子注入層5の膜厚方向において均一に共蒸着されるが、膜厚方向において濃度分布があっても構わない。尚、電子注入層5は、これを省略してもよい。
[9]陰極
陰極6は、発光層4側の層(電子注入層5または発光層4等)に電子を注入する役割を果たす。陰極6として用いられる材料は、陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率よく電子注入を行うには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が
用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。陰極6の膜厚は通常、陽極2と同様である。低仕事関数金属から成る陰極6を保護する目的で、この上にさらに、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層することは素子の安定性を増す。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
[10]その他の構成層
以上、図1に示す層構成の素子を中心に説明してきたが、本実施の形態においては、有機電界発光素子における陽極2および陰極6と発光層4との間には、その性能を損なわない限り任意の層を有していてもよく、また発光層4以外の任意の層を省略してもよい。例えば、電子輸送層7および正孔阻止層8は必要に応じて、適宜設ければよく、1)電子輸送層のみ、2)正孔阻止層のみ、3)正孔阻止層/電子輸送層の積層、4)用いない等の用法がある。
正孔阻止層8と同様の目的で、正孔注入層3と発光層4の間に電子阻止層(図示せず。)を設けることも効果的である。電子阻止層は、発光層4から移動してくる電子が正孔注入層3に到達するのを阻止することで、発光層4内で正孔との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層4内に閉じこめる役割と、正孔注入層3から注入された正孔を効率よく発光層4の方向に輸送する役割がある。電子阻止層に求められる特性としては、正孔輸送性が高く、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。また、発光層4を湿式成膜法で形成する場合、電子阻止層も湿式製膜法で形成することが、素子製造が容易となるため、好ましい。このため、電子阻止層も湿式成膜適合性を有することが好ましく、このような電子阻止層に用いられる材料としては、上述した有機電界発光素子組成物の他、F8−TFBに代表されるジオクチルフルオレンとトリフェニルアミンの共重合体(WO2004/084260号公報記載)等が挙げられる。
尚、図1とは逆の構造、即ち、基板1上に陰極6、電子注入層5、発光層4、正孔注入層3、陽極2の順に積層することも可能であり、既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に有機電界発光素子を設けることも可能である。さらに、図1に示す層構成を複数段重ねた構造(発光ユニットを複数積層させた構造)とすることも可能である。その際には段間(発光ユニット間)の界面層(陽極がITO、陰極がAlの場合はその2層)の代わりに、例えばV等を電荷発生層(CGL)として用いると段間の障壁が少なくなり、発光効率・駆動電圧の観点からより好ましい。
本実施の形態が適用される有機電界発光素子は、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構造のいずれにおいても適用することができる。
次に、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
なお、以下において、ガラス転移温度はDSC測定により、気化温度はTG−DTA測定により、融点はDSC測定又はTG−DTA測定によりそれぞれ求めた。
[実施例1:本発明の電荷輸送材料(I−A)の合成及び溶解度測定]
Figure 2008112984
3,6−ジブロモカルバゾール(8g)、フェニルボロン酸(7.8g)をエチレングリコールジメチルエーテル(80ml)に溶解し、炭酸カリウム13.6gを水40mlに溶解した水溶液を
脱気した後、系内に添加、系内全体を脱気、窒素置換し、加熱攪拌する。内温60℃で、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(1.42g)を添加、その後、加熱
還流下9時間反応させた。放冷後、濃縮し、系内に水, クロロホルムを添加し、有機層を
抽出した。
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、さらに濃縮後、メタノールにて結晶析出した。その後、カラムクロマトグラフィーにて精製し、メタノールにて再結晶し、乾燥後、3,6−ジフェニルカルバゾール目的物1(3.2g)を得た。
Figure 2008112984
窒素気流中、室温、撹拌条件下で、水素化ナトリウム(純度>55%;0.278g)のN,N−ジメチルホルムアミド(20ml)懸濁溶液に、3,6−ジフェニルカルバゾール目的物1(2.008g)を添加し、これを80℃で50分間撹拌した。得られた溶液に、1,3−ジブロモ−5−フルオロベンゼン(0.95ml)を注入後、加熱還流下、2.3時間撹拌した。得られた溶液に氷水とメタノールを添加後、ろ過、メタノールで降りかけ洗浄し、得られた固形分をトルエンで抽出、抽出液をろ過し、ろ液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよびメタノールでの懸濁洗浄により精製し、目的物2の結晶(3.173g)を得た。
窒素雰囲気下、目的物2(3.152g)、3−(N−カルバゾリル)フェニルボロン酸(4.910g)、ジメトキシエタン(17.1ml)の混合溶液に、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(0.527g)を投入し、次いで、炭酸カリウム(3.939g)の水溶液(14.3ml)を投入後、加熱還流下、5.5時間撹拌した。得られた溶液に塩化メチレンを加え、これを炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水後、ろ過、ろ液を濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、メタノールでの懸濁洗浄で精製し、目的物3(3.793g)を得た。更に、これの一部(1.998g)を高真空下、最大加熱温度450℃で昇華精製することにより、高純度の目的物3(本発明の電荷輸送材料(I−A))(1
.84g)を得た。式(I−A)中、Phはフェニル基を表わす。
DEI−MS m/z=877(M+)
このもののガラス転移温度は161℃、結晶化温度および融点は観測されず、気化開始温度は564℃であった。
この本発明の電荷輸送材料(I−A)のトルエンへの溶解度を調べ、その結果を表1に示した。表1に示すが如く、電荷輸送材料(I−A)はトルエンに対して高い溶解性を示し、かつ、高いガラス転移温度(Tg)であった。
[実施例2:本発明の電荷輸送材料(I−B)の合成及び溶解度測定]
Figure 2008112984
オイルに分散された55%水素化ナトリウム(0.819g、18.8mmol)を乾燥DMF(86mL)に懸濁させ、ジフェニルカルバゾール:目的物1(5.00g、15.7mmol)を少量ずつ加えた。混合物を80℃まで昇温させ、3−ブロモフルオロベンゼン(11.0g,62.6mmol)を滴下した。滴下後、溶液を還流させながら5.5時間攪拌した。反応混合物を氷水に注ぎ、析出した固体を濾取した。得られた固体を再結晶により精製して3,6−ジフェニル−9−(3−ブロモフェニル)カルバゾール:目的物4(4.33g、58%)を得た。
Figure 2008112984
窒素雰囲気下、3,6−ジフェニル−9−(3−ブロモフェニル)カルバゾール:目的物4(4.31g、9.08mmol)、ビスピナコラートジボロン(2.77g、10.9mmol)、酢酸カリウム(3.03g,30.87mmol)のDMSO溶液(45mL)に[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体ジクロロメタン付加物(0.22g,0.27mmol)を加えた。80℃で8時間攪拌し、反応混合物を水に注いだ後、トルエン(300mLx2)で抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で濃縮し、活性白土を加え濾過した。減圧下に濾液の溶媒を留去し、残渣を再結晶して目的物5(3.27g、69%)を得た。
Figure 2008112984
窒素雰囲気下、目的物5(2.00g,3.84mmol)、目的物2(655mg,1.63mmol)のトルエン(50mL)、エタノール(10mL)溶液に2M−炭酸
ナトリウム水溶液(25mL)を加え、更に窒素バブリングを15分間行い、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(444mg,0.38mmol)を一度に加えた。反応混合物を還流させながら12時間攪拌し、室温まで放冷後、水に注ぎ、ジクロロメタン(50mL×2)で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに処し、目的物6(I―B)(520mg)を得た。式(I−B)中、Phはフェニル基を表わす。
このものの質量分析を行ったところ、分子イオンピークが1029(M)であった。
このもののガラス転移温度は190℃、結晶化温度および融点は観測されず、気化開始温
度は576℃であった。
この本発明の電荷輸送材料(I−B)のトルエンへの溶解度を調べ、その結果を表1に示した。表1に示すが如く、電荷輸送材料(I−B)はトルエンに対して成膜に十分必要な溶解性を示し非常に高いガラス転移温度(Tg)であった。
[実施例3:本発明の電荷輸送材料(I−C)の合成及び溶解度測定]
Figure 2008112984
窒素雰囲気下、ジヨードベンゼン(8.5g,25.9mmol)、3−ブロモフェニルボロン酸(10.4g,51.8mmol)のトルエン(50mL)−エタノール(12.5mL)溶液に2M−炭酸ナトリウム水溶液(25mL)を加え、更に窒素バブリングを15分間行い、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(1.8g,1.5mmol)を一度に加えた。反応混合物を還流させながら8時間攪拌し、室温まで放冷後、水に注ぎ、トルエン(50mLx3)で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(50mLx2)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに処し、目的物7(1.4g)を得た。
Figure 2008112984
窒素雰囲気下、目的物7(1.0g,2.6mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(3−(3,7−ジフェニルカルバゾール−9−イル)フェニル)1,3,2−
ジオキソボロラン:目的物5(3.22g,6.17mmol)のジメトキシエタン(3
0mL)溶液に2M−炭酸ナトリウム水溶液(15mL)を加え、更に窒素バブリングを15分間行い、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(144mg,0.13mmol)を一度に加えた。反応混合物を還流させながら12時間攪拌し、室温まで放冷後、水に注ぎ、ジクロロメタン(50mL×2)で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに処し、目的物8(I−C)(1.7g)を得た。
このものの質量分析を行ったところ、分子イオンピークが1016(M+)であった。
このもののガラス転移温度は163℃、結晶化温度および融点は観測されず、気化開始温度は564℃であった。
この本発明の電荷輸送材料(I−C)のトルエンへの溶解度を調べ、その結果を表1に示した。表1に示すが如く、電荷輸送材料(I−C)はトルエンに対して成膜に十分必要な溶解性を示しかつ高いガラス転移温度(Tg)であった。
[実施例4:本発明の電荷輸送材料(I−D)の合成及び溶解度測定]
Figure 2008112984
60%水素化ナトリウム(2.01g)に乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(172ml)を加え、系中を窒素置換した。窒素雰囲気下、3,6−ジフェニルカルバゾール:目的物1(8.6g)を加えて80℃に加熱した。その温度で、1,3−ジブロモ−5−フルオロベンゼン(13.67g)を添加し、加熱還流下、6時間撹拌し、室温まで放冷した。
反応液に、メタノール水溶液を加え、析出した結晶を濾取した後、結晶を塩化メチレン
に溶解させ、水洗して有機層を濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/塩化メチレン=4/1)により精製し、目的物9(9.95g、収率67%)を白色結晶として得た。
Figure 2008112984
窒素気流中、カルバゾール(7.00g)、3−ブロモヨードベンゼン(14.2g)、銅粉末(2.66g)、炭酸カリウム(5.79g)、テトラグライム(10ml)を、140℃に加熱下、5時間撹拌し、室温まで放冷した。反応終了後、反応液にクロロホルムを加え、不溶物を濾別した。濾液に含まれるクロロホルムを減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/トルエンン=4/1)で精製した。減圧乾燥することにより、目的物10(10.5g、収率78%)を無色粘調液体として得た。
窒素気流中、−60〜−65℃のエタノールバスで冷却しながら、目的物10(9.06g)の無水テトラヒドロフラン(400ml)溶液に、1.54Mノルマルブチルリチウムのノルマルヘキサン溶液(27.4ml)を7分間かけて滴下した後、40分間撹拌した。その後、室温下で2.2時間撹拌した後、1N塩酸水溶液(45ml)を加え、更に30分間撹拌した。得られた溶液から減圧下でテトラヒドロフランを留去してから、ジエチルエーテル(400ml)、飽和食塩水(100ml)を加え、振り混ぜた後、有機層を分取し、これを飽和食塩水で洗った。得られた有機層に無水硫酸マグネシウム、活性白土を加えて、撹拌後、濾過、濃縮した。得られた固形分を、水およびノルマルヘキサンで懸濁洗浄後、エタノール−ノルマルヘキサンからの再沈殿にて精製し、目的物11(4.03g)を得た。
Figure 2008112984
1−ブロモ−3−ヨードベンゼン(22.2g)、目的物11(18.8g)、トルエン(288ml)、エタノール(72ml)の溶液に窒素をバブリングしながら、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.51g)を添加した。あらかじめ窒素置換した炭酸ナトリウム(34.67g)を水(144ml)に溶解した水溶液を滴下し、加熱還流にて2.5時間攪拌した。室温まで放冷し、水を加えて塩化メチレンで抽出した。 有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/塩化メチレン=3/1)にて精製し、濃縮液にヘキサンを加えて、析出した結晶を回収して、目的物12(21.93g、収率84%)を白色結晶として得た。
マグネシウム(0.73g)に窒素気流下で脱水テトラヒドロフラン(5ml)、ヨウ素(少量)加えた。この溶液に、目的物12(8g)の脱水テトラヒドロフラン(60ml)溶液を滴下し、加熱還流下、6時間攪拌した。反応液を40℃まで冷却し、ホウ酸トリメチル(6.26g)をゆっくりと滴下し、さらに1時間攪拌した。反応液に、水、1N塩酸を加え、濾過し、濾液から塩化メチレンで抽出し、有機層を洗浄後濃縮して、残渣をカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより、目的物13(2.21g、収率30%)を白色結晶として得た。
Figure 2008112984
目的物9(1.17g)、目的物13(2.0g)、エチレングリコールジメチルエーテル(20ml)の溶液を脱気処理した。窒素雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.13g)を加え、あらかじめ窒素を通しておいた炭酸カリウム(1.17g)の水溶液(4.1ml)を滴下した。加熱還流下、9時間攪拌し、室温まで放冷した後、水を添加して塩化メチレンで抽出し、有機層を水洗して濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/塩化メチレン=3/1〜2/1)により精製し、目的物14(I−D)(1.74g、収率80%)を白色結晶として得た。この白色結晶1.07gをさらに高温(〜300℃)で減圧乾燥し、白色固体1.01gが回収された。
DEI-MS(m/z=1030)から目的物14(I−D)であることを確認した。
このものの気化温度は570℃、ガラス転移温度は142℃であった。
この本発明の電荷輸送材料(I−D)のトルエンへの溶解度を調べ、その結果を表1に示した。表1に示すが如く、電荷輸送材料(I−D)はトルエンに対して非常に高い溶解性を示し、以下比較例化合物(X−C)に比べてガラス転移温度も高かった。
[実施例5:本発明の電荷輸送材料(I−E)の合成及び溶解度測定]
Figure 2008112984
1,3-ジアセチルベンゼン(8.0g)、ベンズアルデヒド(10.46g)に酢酸(140ml)を添加
し、35℃で攪拌した系内に硫酸(15.8ml)を滴下した。5時間そのまま攪拌後、系内にメ
タノール(80ml)、水(40ml)を添加し結晶を析出させた。結晶濾別後、さらに結晶をメタ
ノールで加熱懸洗し薄黄色結晶として目的物15(収量7.3g,収率43.7%)を得た。
Figure 2008112984
目的物15(7g)、3-ブロモフェナシルブロマイド(22.06g)、酢酸アンモニウム(79.4g)
を酢酸(300g)、ジメチルホルムアミド(180ml)に溶解、過熱130℃で9時間反応した。
放冷し、系内にエタノール100ml、水250mlを添加し、結晶を析出させた。結晶をメタノールにで加熱洗浄、塩化メチレン洗浄を実施し、薄黄色結晶として目的物16(収量3.15g
収率22%)を得た。
Figure 2008112984
上記より得られた目的物16(3.0g)、目的物1(3.31g)ナトリウム-tert-ブトキシド(1.83g)にトルエン(40ml)を添加し攪拌する。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパ
ラジウム(0)クロロホルム(0.447g)をトルエン(8ml)に溶解し、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.437g)を加えた溶液を添加し、過熱還流9時間反応する。反応終了後、不溶
物を除去し、濃縮、懸洗洗浄したのち、カラムクロマトグラフィーにて精製し目的物17(2.7g)を得た。DEI-MS(m/z=1170(M+))から目的物17(I−E)であることを確認した
。DSC測定の結果、このもののガラス転移温度(Tg)は187℃、気化開始温度は573℃であ
った。
この本発明の電荷輸送材料(I−E)のトルエンへの溶解度を調べ、その結果を表1に
示した。表1に示すが如く、電荷輸送材料(I−E)はトルエンに対して非常に高い溶解
性を示し、以下比較例化合物(X−D)に比べてガラス転移温度も高かった。
[比較例1:比較例化合物(X−A)の溶解度測定及びガラス転移温度]
以下に示す比較例化合物(X−A)のトルエンへの溶解度を調べ、その結果を表1に示した。表1に示すように、比較例化合物(X−A)のトルエンに対する溶解度は非常に低
かった。なお、比較例化合物(X−A)のガラス転移温度は97℃であった。
[比較例2:比較例化合物(X−B)の溶解度測定及びガラス転移温度]
比較例化合物(X−B)のトルエンへの溶解度を調べ、その結果を表1に示した。表1に示すように、比較例化合物(X−B)のトルエンに対する溶解度は高かった。比較例化合物(X−B)のガラス転移温度は147℃であった。
Figure 2008112984
[比較例3:比較例化合物(X−C)の溶解度測定及びガラス転移温度]
比較例化合物(X−C)のトルエンへの溶解度を調べ、その結果を表2に示した。表2に示すように、比較例化合物(X−C)のトルエンに対する溶解度はほとんどなかった。
比較例化合物(X−C)のガラス転移温度は112℃であった。
Figure 2008112984
[比較例4:比較例化合物(X−D)の溶解度測定及びガラス転移温度]
比較例化合物(X−D)のトルエンへの溶解度を調べ、その結果を表1に示した。比較
例化合物(X−D)のガラス転移温度は142℃であった。
Figure 2008112984
Figure 2008112984
[実施例6:電荷輸送材料(I−A)を含有する本発明の有機電界発光素子用組成物を用いた有機電界発光素子の製造・評価]
図3に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
ガラス基板1の上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(スパッター成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
次いで、正孔注入層3を以下のように湿式成膜法によって形成した。正孔注入層3の材料として、下記に示す構造式の芳香族アミノ基を有する非共役系高分子化合物(PB−1(重量平均分子量:26500,数平均分子量:12000))と下記に示す構造式の電子受容性化合物(A−1)とを用い、下記の条件でスピンコートした。
Figure 2008112984
スピンコート条件
溶媒 アニソール
塗布液濃度 PB−1 2.0重量%
A−1 0.4重量%
スピナ回転数 2000rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 230℃×3時間
上記のスピンコートにより膜厚30nmの均一な薄膜が形成された。
続いて、発光層4を以下のように湿式成膜法によって形成した。発光層4の材料として、実施例1で合成した下記に示す構造式の本発明の電荷輸送材料(I−A)を、下記に示す構造式のイリジウム錯体(D−1)と共に溶媒としてトルエンを用いた有機電界発光素子用組成物を調製し、この有機電界発光素子用組成物を用いて下記の条件でスピンコートした。
Figure 2008112984
スピンコート条件
溶媒 キシレン
組成物中濃度 I−A 2.5 重量%
D−1 0.13 重量%
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 130℃×60分(減圧下)
上記のスピンコートにより膜厚26nmの均一な薄膜が形成された。
次に、正孔阻止層8として下記に示すピリジン誘導体(HB-1)をるつぼ温度292
〜298℃として、蒸着速度0.09〜0.1nm/秒で5nmの膜厚で積層した。蒸着時の真空度は1.3×10−4Pa(約1.0×10−6Torr)であった。
Figure 2008112984
次に、正孔阻止層8の上に、電子輸送層7として下記に示すアルミニウムの8-ヒドロ
キシキノリン錯体(ET-1)を同様にして蒸着した。この時のアルミニウムの8-ヒドロキシキノリン錯体のるつぼ温度は472〜456℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度は1.1〜1.3×10−4Pa(約0.8〜1.0×10−6Torr)、蒸着速度は0.1〜0.16nm/秒で膜厚は30nmとした。
Figure 2008112984
上記の正孔阻止層8及び電子輸送層7を真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
ここで、電子輸送層7までの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して有機層と同様にして装置内の真空度が1.4×10−6Torr(約1.8×10−4Pa)以下になるまで排気した。
次に、電子輸送層7の上に、電子注入層5として、フッ化リチウム(LiF)を、モリブデンボートを用いて、蒸着速度0.01nm/秒、真空度1.5×10-6Torr(
約2.1×10-4Pa)で、0.5nmの膜厚で電子輸送層7の上に成膜した。
次に、電子注入層5の上に、陰極6として、アルミニウムをモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.1〜0.55nm/秒、真空度2.0×10−6Torr(約2.7×10−4Pa)で製膜して膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極6を完成させた。
以上の電子輸送層7、陰極6の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。この素子の発光特性は以下の通りである。
輝度/電流:15.9[cd/A](@100cd/m
電圧:8.1[V](@100cd/m
発光効率:6.2[1m/W](@100cd/m
素子の発光スペクトルの極大波長は514.0nmであり、イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.315,0.622)であった。
[実施例7:電荷輸送材料(I−B)を含有する本発明の有機電界発光素子用組成物を用いた有機電界発光素子の製造・評価]
発光層4を以下のように湿式成膜法によって形成した他は、実施例6と同様にして有機電界発光素子を製造した。
下記に示す構造式の本発明の電荷輸送材料(I−B)を、前記構造式のイリジウム錯体(D−1)と共に溶媒としてトルエンを用いた有機電界発光素子用組成物を調製し、この有機電界発光素子用組成物を用いて下記の条件でスピンコートし、膜厚44nmの均一な薄膜が形成された。
Figure 2008112984
スピンコート条件
溶媒 トルエン
組成物中濃度 I−B 1.5 重量%
D−1 0.08 重量%
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 100℃×60分(減圧下)
得られた素子の発光特性は以下の通りである。
輝度/電流:7.9[cd/A](@100cd/m
電圧:8.7[V](@100cd/m
発光効率:2.9[1m/W](@100cd/m
素子の発光スペクトルの極大波長は516.4nmであり、イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.315,0.626)であった。
[実施例8:電荷輸送材料(I−D)を有する本発明の有機電界発光素子用組成物を用いた有機電界発光素子の製造・評価]
発光層4を以下のように湿式成膜法によって形成した他は、実施例6と同様にして有機電界発光素子を製造した。
下記に示す構造式の本発明の電荷輸送材料(I−D)を、前記に示す構造式のイリジウム錯体(D−1)と共に溶媒としてトルエンを用いた有機電界発光素子用組成物を調製し、この有機電界発光素子用組成物を用いて下記の条件でスピンコートし、膜厚35nmの均一な薄膜が形成された。
Figure 2008112984
I-D
スピンコート条件
溶媒 キシレン
組成物中濃度 I−D 2.0 重量%
D−1 0.1 重量%
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 130℃×60分(減圧下)
得られた素子の発光特性は以下の通りである。
輝度/電流:10.9[cd/A](@100cd/m
電圧:7.4[V](@100cd/m
発光効率:4.6[1m/W](@100cd/m
素子の発光スペクトルの極大波長は514.0nmであり、イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.310,0.625)であった。
この結果から、本発明の電荷輸送材料(I−A)、(I−B)、(I−D)をホスト材料として用いた有機電界発光素子は、電荷輸送材料(I−A)、(I−B)、(I−D)共に電荷輸送性に優れ、容易には結晶化しないため、均一な発光が得られ、発光効率が高く、低い電圧で駆動可能であることが確認された。
また、実施例6〜8で製造された有機電界発光素子の半減寿命を測定した結果を下記表3に示す。1分子中に存在する式(I)で表わされる基(3,6−ジフェニルカルバゾリ
ル基)と無置換のカルバゾリル基の存在割合(この場合、各部分構造分子量を1分子量で
割ったことにより得られる割合を示す)が、同じ割合である分子構造の方が、3,6−ジフェニルカルバゾリル基の存在割合が多い分子構造よりも、耐久性すなわち寿命が長いことがわかった。
このことより、1分子内に3,6−ジフェニルカルバゾリル基はカルバゾリル基より少
ない置換数であることが耐久性向上に効果があることがわかった。
Figure 2008112984
[実施例9:電荷輸送材料(I−E)を有する本発明の有機電界発光素子用組成物を用い
た有機電界発光素子の製造・評価]
図3に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
ガラス基板1の上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(スパッター成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
次いで、正孔注入層3を以下のように湿式成膜法によって形成した。正孔注入層3の材
料として、下記に示す構造式の芳香族アミノ基を有する非共役系高分子化合物(PB−2(重量平均分子量:29400,数平均分子量:12600))と実施例6記載に示した電子受容性化合物(A−1)とを用い、下記の条件でスピンコートした。
Figure 2008112984
スピンコート条件
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 PB−2 2.0重量%
A−1 0.4重量%
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 260℃×3時間
上記のスピンコートにより膜厚30nmの均一な薄膜が形成された。
続いて、発光層4を以下のように湿式成膜法によって形成した。
下記に示す構造式の本発明の電荷輸送材料(I−E)を、前記に示す構造式のイリジウム錯体(D−1)、下記に示す構造式 正孔輸送性材料(F−1)と共に溶媒としてキシレンを用いた有機電界発光素子用組成物を調製し、この有機電界発光素子用組成物を用いて下記の条件でスピンコートし、膜厚50nmの均一な薄膜が形成された。
Figure 2008112984
I−E
スピンコート条件
溶媒 キシレン
組成物中濃度 I−E 1.0重量%
F−1 1.0重量%
D−1 1.0重量%
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 130℃×60分(減圧下)
正孔阻止層、電子輸送層、陰極層は実施例6と同様に形成した。得られた素子の発光特性は以下の通りである。
輝度/電流:28[cd/A](@100cd/m
電圧:7.1[V](@100cd/m
発光効率:12.4[1m/W](@100cd/m
素子の発光スペクトルの極大波長は513.0nmであり、イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.308,0.623)であった。
この結果から、本発明の電荷輸送材料 (I−E)をホスト材料として用いた有機電界発光素子は、電荷輸送性に優れ、容易には結晶化しないため、均一な発光が得られ、発光効率が高く、低い電圧で駆動可能であることが確認された。
本発明の有機電界発光素子の一例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の別の例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の別の例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の別の例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の別の例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の別の例を示した模式的断面図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 発光層
5 電子注入層
6 陰極
7 電子輸送層
8 正孔阻止層
9 電子阻止層

Claims (10)

  1. 分子量が5000以下の化合物であって、下記式(I)で表される部分構造を有する化合物からなる、低分子塗布型有機電界発光素子用の電荷輸送材料。
    Figure 2008112984
    (式(I)中、環Aは置換基を有していてもよい。)
  2. 該化合物が、さらに下記式(II−1)で表される部分構造を有する化合物である、請求項1に記載の低分子塗布型有機電界発光素子用の電荷輸送材料。
    Figure 2008112984
  3. 該化合物が、さらに下記式(II−2)で表される部分構造を有する化合物である、請求項1に記載の低分子塗布型有機電界発光素子用の電荷輸送材料。
    Figure 2008112984
  4. 該化合物が、ベンゼン環、ヘテロ原子として窒素原子を有する芳香族複素環及び窒素原子からなる群から選ばれる部分構造のみから構成される化合物である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の低分子塗布型有機電界発光素子用の電荷輸送材料。
  5. 該化合物が、下記式(III)で表される、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の低分子塗布型有機電界発光素子用の電荷輸送材料。
    Figure 2008112984
    (式(III)中、環B、環Cおよび環Dは、それぞれ独立に、−NR基以外にも
    置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。環B’および環D’は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。RおよびRは、それぞれ置換基を表し、RおよびRが結合して環を形成していてもよい。また、一分子中に含まれる、複数のRおよびRは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。ただし、−NR基の少なくとも1つは前記式(I)で表される基である。nおよびmは、それぞれ0〜3の整数を表す。)
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電荷輸送材料および溶剤を含有する、有機電界発光素子用組成物。
  7. さらに、燐光発光材料を含有する請求項6に記載の有機電界発光素子用組成物。
  8. 請求項6または7に記載の有機電界発光素子用組成物を用いて、湿式成膜法により形成された有機電界発光素子用薄膜。
  9. 基板上に、陽極、陰極及びこれら両極間に設けられた発光層を有する有機電界発光素子であって、請求項6または7に記載の有機電界発光素子用組成物を用いて、湿式成膜法により形成された層を有する有機電界発光素子。
  10. 下記式(III)で表される有機化合物。
    Figure 2008112984
    (式(III)中、環B、環Cおよび環Dは、それぞれ独立に、−NR基以外にも置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。環B’および環D’は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。RおよびRは、それぞれ任意の置換基を表し、RおよびRが結合して環を形成していてもよい。また、一分子中に含まれる、複数のRおよびRは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。ただし、−NR基の少なくとも1つは前記式(I)で表される基である。nおよびmは、それぞれ0〜3の整数を表す。)
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