JP2008111719A - コンタクトプローブ - Google Patents

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一範 岡田
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Abstract

【課題】電流が流れる場合であっても、電流に伴い発生する熱による問題の発生を回避することができるコンタクトプローブを提供する。
【解決手段】コンタクトプローブ10は、接触部11と、バネ部12と、支持部13と、熱回避部14とを備えている。接触部11は、被測定物に接触させる先端部11aを含む。バネ部12は、接触部11と接続され、被測定物と接触するときに弾性変形する。支持部13は、バネ部12と接続され、接触部11およびバネ部12を支持する。熱回避部14は、接触部11、バネ部12、および支持部13のうちの少なくとも1つにおいて発生する熱を蓄積、拡散、または放散できる。具体的には、接触部11、バネ部12、および支持部13からなるプローブベース15において先端部11a側の面15aと異なる面15bに接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明はコンタクトプローブに関し、たとえば熱を蓄積、拡散、または放散することのできるコンタクトプローブに関する。
半導体チップおよび液晶表示装置などの電気回路の電気的特性の測定には、コンタクトプローブが使用される。このようなコンタクトプローブは、リソグラフィおよび電鋳により製造されている。
リソグラフィおよび電鋳により製造するコンタクトプローブは、たとえば、図7に示すように、電気回路の電極などの被測定面と直接接触する接触部101と、接触部101と接続して、電気回路の被測定面と接触するときに弾性変形するバネ部102と、バネ部102と接続して、接触部101とバネ部102を支持するための支持部113とを備える。このような構造を有するコンタクトプローブを電気回路の被測定面に押し当てて、電気的な諸特性の測定を行なう。なお、図7は、従来のコンタクトプローブを示す側面図である。
このようなコンタクトプローブにおいて、針先の位置を容易にかつ正確に決定できることを目的として、特開2004−340654号公報(特許文献1)に通電試験用プローブが開示されている。図8に示すように、特許文献1に開示の通電試験用プローブ200は、接触部201と、バネ部202と、台座203と、基準部204とを備えている。基準部204は、接触部201が接続されている面と同じ面側に凹所205を隔てて設けられている。なお、図8は、特許文献1に開示の通電試験用プローブを示す図である。
特開2004−340654号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の通電試験用プローブ200では、ショートなどを起こしている不良回路を検査した場合に、1A以上の大電流が1秒程度通電試験用プローブ200に流れる場合がある。この場合には、通電試験用プローブ200にジュール熱が発生してしまい、接触部201が融解してその機能を失うという問題がある。また、通電試験用プローブ200を構成する金属が焼き鈍されてしまい、バネ性を失ってしまうという問題もある。
特に、近年IC回路の小型化に伴い、コンタクトプローブも細くなってきているため、導体抵抗自体は大きくなってきている。また、コンタクトプローブの熱容量も減少してきている。そのため、コンタクトプローブの通電が短時間であっても、発熱は導体抵抗の二乗に比例して発生し、さらに温度上昇に伴って導体抵抗自体も上昇してしまい、温度が非常に上昇してしまう。
それゆえ本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、電流が流れる場合であっても、電流に伴い発生する熱による問題の発生を回避することができるコンタクトプローブを提供することである。
本発明にしたがったコンタクトプローブによれば、接触部と、バネ部と、支持部と、熱回避部とを備えている。接触部は、被測定物に接触させる先端部を含む。バネ部は、接触部と接続され、被測定物と接触するときに弾性変形する。支持部は、バネ部と接続され、接触部およびバネ部を支持する。熱回避部は、接触部、バネ部、および支持部のうちの少なくとも1つにおいて発生する熱を蓄積、拡散、または放散できる。
本発明のコンタクトプローブによれば、ショートなどを起こしている不良回路を検査し大きな電流が流れる場合であっても、熱回避部で熱を蓄積、拡散、または放散することにより、接触部、バネ部、および支持部での過剰な温度上昇を防ぐことができる。すなわち、熱回避部が熱バッファとなる。よって、電流が流れる場合であっても、電流が流れることに伴い発生する熱による問題の発生を回避することができる。
上記コンタクトプローブにおいて好ましくは、熱回避部は、接触部、バネ部、および支持部からなるプローブベースにおいて先端部側の面と異なる面に接続される。これにより、電気回路の検査を行なう際に、熱回避部が電気回路などに接触することを防止できる。
また、上記コンタクトプローブにおいて好ましくは、熱回避部はプローブベースの表面から突出した凸部である。この場合、コンタクトプローブの体積を増やすことができるので、熱容量を増加でき、電流に伴い発生する熱による問題の発生を回避することができる。
上記コンタクトプローブにおいて好ましくは、熱回避部は、プローブベースにおいて先端部側の面と反対の面であって、かつ、先端部と対向する位置に接続されている。
これにより、先端部から過大な電流が流れる場合であっても、生じる熱を効率良く熱回避部に伝達して熱を拡散または放散することができる。そのため、先端部を保護できる。
上記コンタクトプローブにおいて好ましくは、熱回避部は、接触部の材料より熱伝導率が高い材料を含む。これにより、接触部から過大な電流が流れる場合であっても、電流により生じる熱を効率良く熱回避部に伝達して熱を拡散または放散することができる。そのため、接触部を保護できる。
上記コンタクトプローブにおいて好ましくは、熱回避部は、プローブベースの表面側に形成され、プローブベースの材料より熱伝導率の高い材料により構成されるコーティング層である。これにより、熱回避部に優先的に電流が流れる。そのため、接触部を保護できる。
上記コンタクトプローブにおいて好ましくは、熱回避部は、放熱フィンを含む。これにより、熱回避部の表面積を増加できるので、熱を拡散または放散できる。
以上説明したように、本発明のコンタクトプローブによれば、熱回避部は接触部、バネ部、および支持部のうちの少なくとも1つにおいて発生する熱を蓄積、拡散、または放散できる。よって、電流が流れることに伴い発生する熱による問題を回避することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるコンタクトプローブを示す側面図である。図1を参照して本発明の実施の形態1におけるコンタクトプローブについて説明する。実施の形態1におけるコンタクトプローブ10は、接触部11と、バネ部12と、支持部13と、熱回避部14とを備えている。接触部11は、被測定物に接触させる先端部11aを含む。バネ部12は、接触部11と接続され、被測定物と接触するときに弾性変形する。支持部13は、バネ部12と接続され、接触部11およびバネ部12を支持する。熱回避部14は、接触部11、バネ部12、および支持部13のうちの少なくとも1つにおいて発生する熱を蓄積、拡散、または放散できる。
なお、コンタクトプローブ10とは、半導体チップ、IC、LSI、あるいは液晶表示装置などの電子デバイスの電気的特性を測定する時に、外部の電極パッドまたは電気回路の電極などと電気的な接触を取るための微細な可撓性の部材である。被測定物とは、たとえば外部の電極パッドまたは電気回路の電極などである。
実施の形態1では、接触部11、バネ部12、および支持部13からなるプローブベース15において先端部11a側の面15aと異なる面に接続されている。詳細には、熱回避部14は、プローブベース15において先端部11a側の面15aと反対の面15bであって、かつ、先端部11aと対向する位置に接続されている。
具体的には、接触部11は、電気回路の電極(図示せず)などの被測定物と直接接触する部分である先端部11aを含んでいる。
バネ部12は、接触部11および支持部13と接続している。バネ部12は、被測定物と接触するときに弾性変形する。
支持部13は、バネ部12と接続している。支持部13は、接触部11、バネ部12、および熱回避部14を支持している。
コンタクトプローブ10は、接触部11が、ショートなどを起こしている不良回路を検査した場合に、たとえば1A以上の大電流がたとえば1秒程度コンタクトプローブ10に流れる場合がある。大きな電流が流れると、コンタクトプローブ10自身の電気抵抗や接触部11の接触抵抗などにより、接触部11、バネ部12、および支持部13のうちの少なくとも1つにおいて熱が発生する。このように発生する熱を、蓄積、拡散、放散などをする機能を熱回避部14は有している。
熱回避部14の配置は、発生する熱を蓄積、拡散、または放散できれば特に限定されないが、プローブベース15において先端部11a側の面15aと異なる面に接続されていることが好ましい。接触部11に流れる過大な電流を早急に熱回避部14に流せるので、熱回避部14は、プローブベース15において先端部11a側の面15aと反対の面15bであって、かつ、先端部11aと対向する位置に接続されていることがより好ましい。
熱回避部14の形状は特に限定されないが、熱をより多く蓄積できる観点から、図1に示すように、ブロック状とすることが好ましい。ブロック状の形状としては、たとえば板状、円柱状、または角柱状などとできる。
また、熱回避部14は、熱の発生点の場所が確定される場合などは、効率的かつ均一に熱を伝導させるため、熱の発生点を中心とした放射形状とすることもできる。
さらに、これらの熱回避部14が空間的に、通常のコンタクトプローブの機能を妨げる可能性がある場合や、熱の発生点が多数箇所存在する場合などは、数箇所に分けて取り付けることもでき、一部を切り取ったような形状とすることもできる。
本来のコンタクトプローブの機能を妨げない限り、熱回避部14の大きさに制限はないが、熱回避部14は発熱部分の体積の2倍以上とすることが好ましい。
熱回避部14の材料は、熱を伝導できる材料であれば特に限定されないが、導電性の材料であることが好ましく、接触部11の材料より熱伝導率が高い材料を含んでいることがより好ましい。熱を伝導できる材料とすることにより、熱回避部14を熱が経由して、プローブベース15において発生する熱を蓄積、拡散、または放散できるためである。プローブベース15は、導電性であれば特に限定されないが、たとえば金属からなる場合や、樹脂等の表面上に金属が被覆されている場合などが挙げられる。具体的には、接触部11を含むプローブベース15の材料として、たとえばNi(ニッケル)やNi合金を用いる場合には、熱回避部14の材料として、たとえばCu(銅)、Rh(ロジウム)合金、Cu合金、Au合金などを用いることができる。
また、接触部11の材料より熱伝導率が高い材料は、図2に示すように熱回避部14の全部を構成してもよいし、熱回避部14の一部を構成してもよい。また、熱回避部14が熱伝導率の高い材料からなっていてもよいし、熱回避部14の表面側に形成される熱伝導率の高い材料からなるコーティング層としてもよい。なお、図2は、本発明の実施の形態1におけるコンタクトプローブの別の例を示す側面図である。図2中、斜線は、接触部11の材料より熱伝導率が高い材料であることを示す。
次に、実施の形態1におけるコンタクトプローブ10の製造方法について説明する。コンタクトプローブ10は、たとえばLIGA(Lithographie Galvanoformung Abformung)法により製造できる。
具体的には、たとえば基材の表面にレジスト膜を形成する。そして、リソグラフィによってレジスト膜を、熱回避部14を備えるコンタクトプローブ10の形状を考慮した所望のパターンに加工する。そして、電鋳を行なうことでレジスト膜のない部分に金属層を形成する。そして、最終的にこの金属層の部分だけを取り出してコンタクトプローブ10とする。これにより、実施の形態1におけるコンタクトプローブ10を製造できる。
なお、LIGA法としては、リソグラフィと電鋳を行なったものを金型として使用し、樹脂をモールド成形とすることで、リソグラフィを省略した電鋳金属部品の複製を作ることが可能である。この場合には、リソグラフィと同様にレジスト膜を加工する段階で、コンタクトプローブ10の形状を考慮したパターンとする。
以上説明したように、本発明の実施の形態1におけるコンタクトプローブ10によれば、被測定物に接触させる先端部11aを含む接触部11と、接触部11と接続され、被測定物と接触するときに弾性変形するバネ部12と、バネ部12と接続され、接触部11およびバネ部12を支持する支持部13と、接触部11、バネ部12、および支持部13うちの少なくとも1つにおいて発生する熱を蓄積、拡散、または放散できる熱回避部14とを備えている。これにより、ショートなどを起こしている不良回路と先端部11aとが接触して過大な電流が流れる場合であっても、熱回避部14で熱を蓄積、拡散、または放散できる。そのため、過大な電流により発生する熱に伴う過剰な温度上昇を防ぐことができる。よって、過大な電流が流れる場合であっても、電流に伴い発生する熱によるコンタクトプローブ10の機能喪失などの問題の発生を回避することができる。
上記コンタクトプローブ10において好ましくは、熱回避部14は、接触部11、バネ部12、および支持部13からなるプローブベース15において先端部11a側の面15aと異なる面に接続されている。これにより、電気回路の検査を行なう際に、熱回避部14が電気回路などに接触することを防止できる。
上記コンタクトプローブ10において好ましくは、熱回避部14はプローブベース15の表面から突出した凸部である。この場合、コンタクトプローブ10の体積を、熱回避部14の体積の分だけ増やすことができるので、熱容量を増加でき、電流に伴い発生する熱による問題の発生を回避することができる。
上記コンタクトプローブ10において好ましくは、熱回避部14は、プローブベース15において先端部11a側の面15aと反対の面15bであって、かつ、先端部11aと対向する位置に接続されている。これにより、先端部11aから過大な電流が流れる場合であっても、生じる熱を効率良く熱回避部14に伝達して熱を拡散または放散することができる。そのため、先端部11aを保護できる。
上記コンタクトプローブ10において好ましくは、熱回避部14は、導電性で、かつ接触部11の材料より熱伝導率が高い材料を含んでいる。これにより、接触部11から過大な電流が流れる場合であっても、熱回避部14に電流を優先的に流すことができる。そのため、電流により生じる熱を効率良く熱回避部14に伝達して、熱を拡散または放散することができる。そのため、接触部11を保護できる。
(実施の形態2)
図3を参照して、本発明の実施の形態2におけるコンタクトプローブについて説明する。実施の形態2におけるコンタクトプローブは、基本的には、実施の形態1におけるコンタクトプローブ10と同様の構成を備えるが、熱回避部が接触部の材料より熱伝導率の高い材料により構成されるコーティング層である点においてのみ、図1に示したコンタクトプローブ10と異なる。なお、図3は、本発明の実施の形態2におけるコンタクトプローブを示す側面図である。
実施の形態2におけるコンタクトプローブ20では、図3に示すように、熱回避部24は、プローブベース15の表面側に形成され、接触部11の材料より熱伝導率の高い材料により構成されるコーティング層である。
熱回避部24は、プローブベース15の表面の一部または全部を被覆する。接触部11を保護する観点から、熱回避部24はプローブベース15の全部を被覆するコーティング層であることが好ましい。また、接触部11のうち、先端部11aのみを保護する場合には、接触部11のうち先端部11aを除く表面を被覆するコーティング層とすることもできる。
熱回避部24の材料は、接触部11の材料より熱伝導率の高い材料により構成されている。また、熱回避部24の材料は、熱の拡散または放散をより速くできる観点から、プローブベース15の材料より熱伝導率の高い材料により構成されることが好ましい。さらに、熱回避部24は、Cu(銅)、Rh(ロジウム)合金、Cu合金、Au合金等の導電性の高い金属から構成されることが好ましい。
熱回避部24のコーティング層の厚みは、本来のコンタクトプローブの機能を妨げない限り、厚いほど好ましいが、少なくとも発熱部分の断面積の3%以上とすることが好ましい。
また、図4に示すように、コンタクトプローブ20において、実施の形態1の熱回避部14を備え、熱回避部14の表面側に、接触部11の材料よりも熱伝導率の高い材料により構成されるコーティング層をさらに備える熱回避部24としてもよい。これにより、先端部11aをより保護できる。なお、図4は、本発明の実施の形態2におけるコンタクトプローブの別の例を示す側面図である。
実施の形態2におけるコンタクトプローブ20の製造方法は、接触部11、バネ部12、および支持部13を実施の形態1と同様の製造方法により製造する。そして、熱回避部24をプローブベース15の表面側に形成する。これにより、実施の形態2におけるコンタクトプローブ20を製造できる。
以上説明したように、本発明の実施の形態2におけるコンタクトプローブ20によれば、熱回避部24は、接触部11、バネ部12、および支持部13からなるプローブベース15の表面側に形成され、接触部11の材料より熱伝導率の高い材料により構成されるコーティング層である。これにより、接触部11から熱回避部24に優先的に電流が流れる。そのため、熱の発生点である先端部11aに熱が篭ることを防止できる。よって、接触部11が溶解することを防止して、接触子としての機能を保護できる。
(実施の形態3)
図5を参照して、本発明の実施の形態3におけるコンタクトプローブを説明する。実施の形態3におけるコンタクトプローブは、基本的には、実施の形態1におけるコンタクトプローブ10と同様の構成を備えるが、熱回避部が放熱フィンを含んでいる点においてのみ、図1に示したコンタクトプローブ10と異なる。なお、図5は、本発明の実施の形態3におけるコンタクトプローブを示す側面図である。
実施の形態3におけるコンタクトプローブ30では、図5に示すように、熱回避部34は、実施の形態1における熱回避部14と放熱フィン34aとを備えている。放熱フィン34aは、熱回避部14よりも厚みを薄くしている。また、放熱フィン34aは1枚以上であれば特に限定されないが、表面積が増加する観点から、複数枚有していることが好ましい。
また、放熱フィン34aの材料は、プローブベース15の材料と同じでも良いし、他の材料(たとえばプローブベース15の材料より熱伝導率の良い材料)を用いても良い。
また、図6に示すように、熱回避部34は、熱回避部14を備えずに放熱フィン34aのみを備える構成としてもよい。なお、図6は、本発明の実施の形態3におけるコンタクトプローブの別の例を示す側面図である。
また、図6に示すように、放熱フィン34aの各フィン間のピッチPを局所的に変更しても良い。たとえば接触部11に近いほどピッチPを小さくしてもよい。この場合は、接触部11に近い領域での放熱効率を向上させることができる。
なお、熱回避部34は、放熱フィン34aを含む構成としているが、熱回避部34の表面積を増加させる観点から、放熱フィン34aや熱回避部14について、たとえば細孔や、凹凸の多い構造としてもよい。
実施の形態3におけるコンタクトプローブ10の製造方法は、実施の形態1と同様であるのでその説明は繰り返さない。
以上説明したように、本発明の実施の形態3におけるコンタクトプローブ30によれば、熱回避部34は、放熱フィンを含んでいる。これにより、熱回避部34の表面積を増加できるので、生じる熱を拡散または放散できる。そのため、発生する熱により生じる問題を防止できる。
[実施例]
本実施例では、熱回避部を備えることによる効果を調べた。始めに、実施例1〜3および比較例1のコンタクトプローブを製造した。
(実施例1)
実施例1のコンタクトプローブは、図1に示す実施の形態1におけるコンタクトプローブの製造方法に従って製造した。具体的には、熱回避部14を、プローブベース15において先端部11a側の面15aと反対の面15bであって、かつ、先端部11aと対向する位置に接続されるように製造した。また、熱回避部14は、幅xを200μm、長さyを500μm、奥行きを60μmとした。
また、コンタクトプローブ10における熱回避部14を除く形状は、後述する図7に示す比較例1の形状(図7のコンタクトプローブ100において、X1を1.0mm、X2を0.9mm、X3を1.5mm、X4を0.11mm、厚さを0.06mm)と同様の形状とした。また、コンタクトプローブ10の材料は、Niを用いた。
(実施例2)
実施例2のコンタクトプローブは、図4に示す実施の形態2におけるコンタクトプローブの製造方法に従って製造した。具体的には、実施例1の熱回避部14を備えるコンタクトプローブ10と同様のコンタクトプローブを製造し、先端部11aと支持部13とを樹脂でマスキングした。そして、接触部11の材料であるNi(熱伝導率:94W・m-1・K-1)よりも熱伝導率の高い材料であるCu(熱伝導率:403W・m-1・K-1)を2μmの厚みになるようにコーティング層とし、コーティング層からなる熱回避部24を形成した。
(実施例3)
実施例3のコンタクトプローブは、図5に示す実施の形態3におけるコンタクトプローブの製造方法に従って製造した。具体的には、実施例1の熱回避部14を備えるコンタクトプローブ10と同様のコンタクトプローブを製造し、幅を10μm、長さを500μm、奥行きを60μmとして放熱フィン34aを100μmのピッチPで11枚形成した。これにより、コンタクトプローブ30におけるバネ部12において接触部11が接続される面と反対の面の側面積が、比較例1の側面積の約10倍である実施例3のコンタクトプローブを製造した。
(比較例1)
比較例1のコンタクトプローブは、図7に示す形状のコンタクトプローブをLIGA法によりリソグラフィを用いて製造した。具体的には、図7のコンタクトプローブ100において、X1を1.0mm、X2を0.9mm、X3を1.5mm、X4を0.11mm、厚さを0.06mmとした。
(評価方法)
実施例1〜3、および比較例1の各コンタクトプローブを電極治具に固定した。そして、その上から1.0μmの厚みの金をスパッタ法により施したSiウエハを押し付けて、各コンタクトプローブのバネ部に30mNの加重を与えた状態で、1.0Aの通電試験を行なった。
(評価結果)
実施例1のコンタクトプローブ10では、通電試験を10秒間行なったところで、加重は25mNまで下がり、通電試験を13秒間行なった時点で急激に減少して0mNとなった。実際のIC回路などの検査時には1Aの大電流が流れるのは約1秒間であるので、実施例1のコンタクトプローブは、過大な電流に伴い発生する熱の問題に影響がないことがわかった。
実施例2のコンタクトプローブ20では、通電試験を300秒間行なっても、加重は25mNまでしか減少せず、先端部11aの焼けや、バネ部12の屈曲は発生しなかった。IC回路などの検査電流値が増加する場合が生じても、実施例2のコンタクトプローブは、過大な電流に伴い発生する熱の問題に対応できることがわかった。
実施例3のコンタクトプローブ30では、通電試験を7秒間行なった時点で、加重は25mNまで下がり、その後通電試験を22秒間行なった時点で0mNとなった。また、0mNとなった後のコンタクトプローブ30を光学顕微鏡で観察すると、接触部に局所的な焼けは見られず、全体的に湾曲していた程度であった。実施例3のコンタクトプローブは、実施例1のコンタクトプローブと同様に、過大な電流に伴い発生する熱の問題に影響がないことがわかった。
一方、比較例1のコンタクトプローブ100では、通電試験を1秒間行なった時点で加重は0mNまで減少した。また、0mNとなった後のコンタクトプローブ100を光学顕微鏡で観察すると、先端部11aは焼けたように変色し、バネ部は屈曲していた。熱回避部を備えていないコンタクトプローブに、大きな電流が流れたときには、電流により発生する熱により、その機能を失ってしまった。
以上説明したように、実施例によれば、熱回避部を備えることにより、過大な電流が流れる場合であっても、電流に伴い発生する熱による問題の発生を回避することができることが確認できた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態1におけるコンタクトプローブを示す側面図である。 本発明の実施の形態1におけるコンタクトプローブの別の例を示す側面図である。 本発明の実施の形態2におけるコンタクトプローブを示す側面図である。 本発明の実施の形態2におけるコンタクトプローブの別の例を示す側面図である。 本発明の実施の形態3におけるコンタクトプローブを示す側面図である。 本発明の実施の形態3におけるコンタクトプローブの別の例を示す側面図である。 従来のコンタクトプローブを示す側面図である。 特許文献1に開示の通電試験用プローブを示す図である。
符号の説明
10,20,30 コンタクトプローブ、11 接触部、11a 先端部、12 バネ部、13 支持部、14,24,34 熱回避部、15 プローブベース、15a,15b 面、34a 放熱フィン、x 幅、y 長さ、P ピッチ。

Claims (6)

  1. 被測定物に接触させる先端部を含む接触部と、
    前記接触部と接続され、前記被測定物と接触するときに弾性変形するバネ部と、
    前記バネ部と接続され、前記接触部および前記バネ部を支持する支持部と、
    前記接触部、前記バネ部、および前記支持部のうちの少なくとも1つにおいて発生する熱を蓄積、拡散、または放散できる熱回避部とを備える、コンタクトプローブ。
  2. 前記熱回避部は、前記接触部、前記バネ部、および前記支持部からなるプローブベースにおいて前記先端部側の面と異なる面に接続される、請求項1に記載のコンタクトプローブ。
  3. 前記熱回避部は、前記プローブベースにおいて前記先端部側の面と反対の面であって、かつ、前記先端部と対向する位置に接続されている、請求項2に記載のコンタクトプローブ。
  4. 前記熱回避部は、前記接触部の材料より熱伝導率が高い材料を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のコンタクトプローブ。
  5. 前記熱回避部は、前記接触部、前記バネ部、および前記支持部からなるプローブベースの表面側に形成され、
    前記接触部の材料より熱伝導率の高い材料により構成されるコーティング層である、請求項1に記載のコンタクトプローブ。
  6. 前記熱回避部は、放熱フィンを含む、請求項1〜5のいずれかに記載のコンタクトプローブ。
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