JP2011174946A - 半導体素子の試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パワー半導体チップの試験を行う際、チップ電極と試験装置の接触子との接触点を増加させて接触抵抗を低下させるとともに、連続して行うため、チップ裏面を損傷させるような溶融痕を除去するなどのメンテナンスを不要とする。
【解決手段】半導体素子1の第1の主面に形成された第1電極と複数箇所で接触する複数のプローブ針とがフリッティング現象を誘起するための電圧を印加し、続いて、半導体素子をオンし、前記半導体素子に電流を流すことにより、第1電極と複数のプローブピンとの間でフリッティング現象を誘起させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、チップ状あるいはウエハ状の半導体素子の試験方法に関するものであり、特に、半導体素子としてパワー半導体チップに大電流を印加する試験方法に関する。
半導体素子の試験は、チップ状の半導体素子(以下半導体チップという)を試験装置のステージに搭載し、該半導体チップ表面の電極パッドと試験装置に接続された接触子としてのプローブ針とを接触させて行う。半導体チップの電極パッドとプローブ針との接触は、半導体チップを搭載したステージを移動させ、プローブ針を所定の加圧力で電極パッドに押圧することによって行われる。
半導体チップの電極パッドにはプローブ針を介してテスターより様々な試験条件の電流・電圧が印加され、その測定値によって半導体チップの特性が測定・評価される。上記の試験は、半導体チップをウエハの状態のままステージに載置して行っても良い。
ところで、半導体素子のうち、パワー半導体素子は高電圧を印加して大電流を流す電極(主電極)を備えている。そのため、パワー半導体素子の試験では、実使用時を模して前記主電極に高電圧・大電流を印加して測定・評価が行われる。半導体チップとしてパワー半導体素子の試験を行う際には、前記主電極のパッドと接触するプローブ針も高電圧大電流に耐え得るように設計され、パワー半導体チップの主電極パッドに複数本のプローブ針を並列に接触させている。
試験装置の接触子であるプローブと半導体素子との代表的な接触方法は、プローブを半導体素子に垂直に接触させる垂直式とカンチレバーによるカンチレバー式がある。
図10は、上記のようなパワー半導体素子の試験を行う試験装置の従来例を示す図である。以下において、図10のように複数のプローブ針を垂直に備えた試験装置を垂直式試験装置という。このような垂直式試験装置に用いるプローブ針を垂直式プローブ針というが、以下において特に断りのない限り単にプローブ針と呼ぶ。1はパワー半導体チップ、2はパワー半導体チップ1を載置・固定するステージ、3はプローブ針であって複数本が樹脂などにより固定され、プローブ針アッシー4として使用され、プローブ針アッシー4はプローブ取り付け部5に固定されている。
複数のプローブ針3をプローブ針アッシー4に固定する際、パワー半導体素子に接触する側(以下、接触端という)の高さは揃えられ、他端はテスター(図示せず)に接続されている。
ステージ2は垂直方向に移動し、プローブ針3をパワー半導体チップ1の電極パッドに接触させて両者を電気的に接続する。テスターはプローブ針3を介してパワー半導体チップ1の試験のための電流・電圧の印加を行い、テスターにおいて諸特性の測定・評価を行う。
なお、図10においては、図示を簡便にするため、複数のプローブ針のうち#1〜#5の符号を付した5本のみを記載しているが、図6に示す試験対象によって必要な本数(紙面横方向の本数並びに奥行き方向の列数)が配置される。
図11は試験対象となるパワー半導体チップの一例を示す図である。図11はIGBT(Insulated Gate bipolar Transistor)を示すものであり、ゲート電極パッド1gとエ
ミッタ電極パッド1eが表面に露出している。コレクタ電極はチップ裏面に形成されている。表面に露出しているエミッタ電極パッド1eは3つの領域に区分されていて、チップ内部で接続されている。エミッタ電極パッド12上に点線10で示した個所は、試験時にプローブ針3が接触する個所であって、1つの電極パッドに対して複数のプローブ針3が
並列に接触されている。1つの電極パッドに対して接触させるプローブ針3の本数は、そのパワー半導体チップの定格やチップサイズに応じて適宜設定されている。
なお、ウエハ状の半導体素子の試験に関し、ステージ上の電極を導電性繊維、導電性樹脂、導電性ゴムにて形成して柔軟性を持たせ、ウエハに反りがあっても均一な接触抵抗を得る構成が特許文献1に記載されている。
図12はエミッタ電極パッド1eとプローブ針3との接触部分の拡大図である。エミッタ電極パッド1eはシリコン基板15上に絶縁層14を介してAl-Si薄膜11などで形成
されている。Al-Si薄膜11の表面には厚さ数百nmの自然酸化膜12が存在するが、矢
印の方向に所定の加圧力でプローブ針3を接触させることにより、前記自然酸化膜12を破壊する。そして、図12の点線13で囲んだ個所のように、プローブ針と電極パッドとの導通経路を確保する。パワー半導体チップの表裏の電極と試験装置の電極とは、プローブ針をパワー半導体チップの表面電極への押圧による接触を図っていた。
なお、プローブ針と電極パッドとの導通回路を確保するために、フリッティング現象を用いることは、特許文献2に記載されている。また、フリッティング現象については非特許文献1に記載されている。
特開平8−194012号公報(「要約」など) 特開2002−139542号公報(「要約」など)
鳳 誠三郎著,「電気接点と開閉接触子」初版,克誠堂,昭和25年10月p.121−124
しかしながら、従来の試験装置においては、パワー半導体チップの上面,下面の電極と試験装置電極(プローブ針と電極パッド)の接触面積は試験で印加する電流,電圧に応じて十分な大きさを確保すべきでものであるが、上面はプローブ針の直径や配置ピッチとパワー半導体チップのサイズの制約を受け、十分な本数のプローブ針を配置できない場合が多い。また、下面はパワー半導体チップの下面電極と試験装置ステージ(電極パッド)とは、一見平面同士の接触であるが、実際は点接触であり、接触点も試験毎に不確定であることから、十分な接触面積を得ているとはいえない。
さらに、銅板などの連続固体材料である電極パッド表面にパーティクルなどが存在すると、プローブ針を接触させるときの押圧力でパワー半導体チップ裏面を損傷させる可能性があった。
また、試験によりパワー半導体チップが破壊されると過大なショート電流が流れ、電極パッドが局部的に溶融損傷し、電極パッドが部分的に盛り上がった溶融痕ができてしまう(図13参照)。このため、この溶融痕が後続の被試験パワー半導体チップの裏面を損傷させる可能性があった。
このように、パワー半導体チップの裏面を損傷させるような電極パッドでは後続の試験を連続して行うことができない。そのため、ステージを交換、あるいは盛り上がりを除去するメンテナンスが必要で、またその損傷量によって、試験装置電極の耐用寿命が決まっていた。
さらに、銅板などの連続固体材料による電極パッドでは、電極材料自身の硬度・弾性係数が高いため、反りを持ったパワー半導体チップ素子を押圧した際、半導体素子に内部応力、あるいはひずみが発生し、内部応力やひずみに起因して電気特性が変化し、本来の特性測定ができないという問題があった。
また、パワー半導体チップの電極表面の自然酸化膜は、プローブ針の押圧による塑性変形に倣って変形させて破壊していたが、プローブ針の鉛直方向の押圧だけでは自然酸化膜
の破壊が不十分・不安定となっていた。また、必要以上の押圧力にてプローブ針を接触させた場合や、パワー半導体チップが反りを有する場合には、パワー半導体チップに亀裂が入ったり割れたりしてしまう。
この発明は、前記のような従来の半導体装置の試験装置における問題点を解決して、パワー半導体チップの電極を試験装置の電極との接触を確実なものとし、パワー半導体チップを損傷させることなく、連続して試験を行うことができる半導体素子の試験装置および試験方法を得ることを課題とするものである。
前記の課題を解決するため、この発明は、半導体素子の第1の主面に形成された第1電極と複数箇所で接触する第1接触子と、前記半導体素子の第2の主面に形成された第2電極と複数個所で接触する第2接触子と、を備え、少なくとも前記第1と前記第1接触子とがフリッティング現象により前記接触箇所において導通する半導体素子の試験方法において、前記第1接触子と第2接触子との間に、フリッティング現象を誘起するための電圧を印加し、続いて、前記半導体素子のゲートにゲート信号を印加して前記半導体素子をオンし、前記第1接触子に電流を流して、前記第1電極との間でフリッティング現象を誘起し、続いて、前記第1接触子と第2接触子との間に、電圧を印加して、前記半導体素子の試験を行なうものとする。

また、前記第1接触子の前記第1電極への接触面圧は、3GPa以下とし、また、前記第2接触子には、ほぼ平坦な面を有する外形に形成され、空隙により弾性係数を前記電極を形成する材料のバルクの弾性係数より低い弾性係数の導電性繊維からなる不織布を用いるものとする。
この発明は、半導体素子と試験装置の電極とを均一に分散させた多数の接触点で接触させることができる。半導体素子ならびに試験装置の電極の機械的ダメージ(接触痕,溶融痕)を大幅に軽減することができるため、電極パッドの溶融痕を除去するなどのメンテナンスが不要となり、連続して半導体素子の試験を行うことができる。
第1の参考例を示す図である。 電極パッド61の拡大図である。 別の素材による電極パッドの拡大図である。 試験波形を示す図である。 コレクタ電極の拡大図である。 実施例を示す図である。 接触抵抗の分布を示す図である。 接触抵抗と電流の関係を示す図である。 第2の参考例による電極パッドを示す図である。 パワー半導体素子の試験を行う試験装置の従来例を示す図である。 パワー半導体チップの一例を示す図である。 エミッタ電極パッド1eとプローブ針3との接触部分の拡大図である。 溶融痕の拡大図である。
以下、図に沿って本発明を実施するための最良の形態を説明する。
以下にこの発明を、図に示す実施例に基づいて説明する。
図1はこの発明の第1の参考例を示すものであり、図10と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図1において、61,62は電極パッドである。電極パッド61,62は導電性繊維の集合体であり、金属繊維を不織布状に結合させ、パワー半導体チップ1の電極と良好に接触しうるよう、ほぼ平坦な面をもつ外形に整形・切断されている。シート状の不織布を積層してもよいし、数mmの厚さに形成したものでもよい。金属繊維の表面に自然酸化膜を形成しにくい金属のメッキを施してもよい。また、導電性
繊維として、炭素繊維材料や導電性高分子材料も適用が可能である。
図2は電極パッド61の拡大図である。電極パッド61は直径50μmのステンレス繊維からなる不織布であり、空隙率は80%である。図3は、別の素材の電極パッドの例であり、直径20μmのチタン繊維からなる不織布であり、空隙率は50%である。
いずれの例においても、パワー半導体チップの押圧方向への弾性を有し、その弾性係数は、パワー半導体チップ1の電極(アルミニウム)のバルク(固体)の弾性係数より低い。電極パッド62についても同様である。
電極パッド61はステージ2に固定され図示しないテスターに接続されている。同様に、電極パッド2はプローブ針用アッシー4に固定されテスターに接続されている。ゲート用プローブ針3’の先端は電極パッド62のパワー半導体チップ1との接触面に揃うように調整されている。
次に試験方法について説明する。
電極パット61にコレクタ電極が接するようにパワー半導体チップを載置する。ステージ2を上昇させて、パワー半導体チップ1のエミッタ電極に電極パッド62を、ゲート電極にゲート用プローブ針3’をそれぞれ接触させる。
なお、この例のようにコレクタ側,エミッタ側の試験装置電極に不織布を用いた場合でも、フリッティング現象を用いた接触とすることが可能である。フリッティング現象を用いることにより、さらに接触抵抗を低下させることができるが、フリッティング現象を用いた接触については後述する。
次に、コレクタ−エミッタ間に所定電圧(800V)を印加し、ゲート電極に所定のゲート電圧を印加する。コレクタ電極,エミッタ電極ともに多数の接続点,電流経路にて数百Aの試験電流を分担して印加し、パワー半導体チップの特性を測定する。
図4は試験波形を示すものである。図4(a)は実施例1のもの、(b)は従来例に相当する電極パッドに連続固体材料(バルク材料)を用いたものの電流波形である。試験波形を比較すると、実施例1では最大296Aであるのに対し従来例では最大294Aであり、同じ印加電圧に対して電流値が2A高い。これは、電極パッドに金属繊維の不織布を採用したことにより、パワー半導体チップの電極と試験装置の電極パッドとの接触抵抗値が0.02Ω低下したことを示している。
接触抵抗が低減されると、接触抵抗に試験電流が流れることで発生するジュール熱を抑制することができ、パワー半導体チップの電極が溶融するなどのダメージも回避できる。
また、試験電圧の印加によってパワー半導体チップが破壊されて過大なショート電流が流れ、大きな熱エネルギーが発生した場合、従来の連続固体材料の試験装置電極では溶融再凝固時の表面張力差によるマランゴニ対流で中心が凹み周囲が盛り上がった形状で電極パッド表面が盛り上がる。このままの状態で試験を継続すると、後続の被試験パワー半導体チップ裏面を傷つけてしまうのに対し、金属繊維の電極パッドはその熱エネルギーを吸収・放散するので、溶融による電極パッドの盛り上がりが発生しない。このため、後続の被試験パワー半導体チップとの接触部分への影響がなくなり、試験装置電極のメンテナンスが不要となる。
また、上記のショート電流によりパワー半導体チップが溶融(相変態に伴う爆発)し、パーティクルが発生した場合でも、パーティクルは金属繊維材料からなる不織布の空隙に落ち込み、パワー半導体チップとの接触表面から除去されるため、後続の被試験パワー半導体チップと接触することはなく、パワー半導体チップの電極表面に傷をつけない。
図5はパワー半導体チップの裏面(コレクタ)電極を示したものであり、図5(a)は実施例1の試験装置で試験したあともの、(b)は従来例に相当する電極パッドに連続固体材料(バルク材料)を用いた試験装置で電極のメンテナンスをせずに連続して試験したあとものである。図5(a)に示すように電極パッドに金属繊維の不織布を採用した場合
の方が、パワー半導体チップの電極に与えるダメージが少ないことを示している。
ここで、金属繊維の不織布における空隙率について説明する。空隙率は、電極パッドの容積に対する空隙の割合を示すものである。金属繊維の不織布の電極パッドとパワー半導体チップとの接触箇所数は空隙率に反比例する。
また、金属繊維の直径が小さければ、充填本数(単位体積あたりの繊維の本数)が多くなり、接触点数が増加する。充填本数係数=(1−空隙率)/(繊維直径の3乗)とした
パラメータをみると、充填本数係数が一定であれば接触箇所数が一定といえ、例えば、金属繊維の直径が22μmの場合と30μmの場合では、充填本数係数が1×e−5であるためには、22μmのとき空隙率は90%であるのに対し、30μmのとき空隙率は60%となる。つまり、金属繊維の直径が大きくなると体積が大きくなるので、同一充填本数係数ならば、空隙率が低下する。
従って、これらの関係から、接触箇所数を多くするべく金属繊維の直径を1μm〜100μmの中から選定し、空隙率を選定すればよい。直径の異なる複数の不織布を積層する構成とし、空隙率を調整してもよい。
ただし、空隙率が低いと金属繊維の密度が高くなってパワー半導体チップの電極との接触箇所が増加する。しかしながら、空隙率が低いとその弾性係数も同金属のバルク材料に近づくほか、パーティクルが落ち込みにくくなり、パワー半導体チップの電極に接触する可能性がある。このため、空隙率の下限を30%とした。空隙率が高いと、パーティクルを空隙に取り込む作用は大きくなるが、弾性係数が低くなりすぎ、パワー半導体チップを安定して保持・加圧できなくなる。このため空隙率の上限を80%とした。
さらに、電極パッドに連続固体材料を用いた場合と比較して、不織布の電極パッドは硬度・弾性係数が小さい。このため、パワー半導体チップ1が反っていた場合でも、その反り形状にあわせて電極パッド61,62が変形し、パワー半導体チップ内部に応力を発生させることがない。
例えば60μmの反りをもつチップを連続固体材料の電極に押付けて平坦に矯正したとき、パワー半導体チップの内部には弾塑性応力解析結果より0.2GPaという非常に大きな内部応力が発生し、これにより半導体素子内部に分極が発生する。このように、パワー半導体チップ内部に発生する応力やひずみは、電気特性の測定結果を不正確なものとするが、このような応力やひずみの影響を排除することができるので誤測定が発生しない。
半導体素子の基準測定方法であるカーブトレーサによるマニュアル測定結果と、実施例1によるもの、従来例に相当する電極パッドに連続固体材料(バルク材料)を用いたものを比較すると、カーブトレーサによるマニュアル測定結果と実施例1による測定結果は完全に一致する。連続固体材料の電極パッドを用いた試験装置による自動測定結果に対して、金属繊維による不織布の電極パッドを用いて試験装置による自動測定は、その測定精度を向上させることができる。
図6は、この発明の実施例を示す図である。パワー半導体チップのコレクタ側のみ金属繊維の不織布からなる電極パッド61を用い、エミッタ側にはプローブ針を用いる。図示の都合上なお、複数のプローブ針のうち#1〜#5の符号を付した5本のみを記載しているが、試験対象に応じて必要な本数(紙面横方向の本数並びに奥行き方向の列数)が配置される。
ここで、エミッタ電極−電極パッド62間でフリッティング現象が起きるように、テスターより電極パッド61,プローブ3間に800Vを印加し、パワー半導体チップのゲートにゲート信号を印加する。コレクタ電極に対しては金属繊維の不織布が接しており多数の接触点を確保されている。さらに、エミッタ電極についてフリッティング現象により電流経路が確保される。
フリッティング現象は、先述の非特許文献1によって既に知られている技術であり、半導体の試験に適用することは特許文献2に記載されているが、特許文献2には、複数のプ
ローブ針を並列に接続し、高電圧,大電流を印加する試験については開示がない。
まず、図示しない被試験パワー半導体チップと同等のモデル(以下モデルチップという)を用い、接触子として1本のプローブ針を所定(例えば接触面圧が1.9〔GPa〕(0.2gf/μm)の押圧力でモデルチップの一方の電極(エミッタ電極)に接触させる。コレクタ電極は確実な導電経路を確保するために、図示しない回路基板に半田接合し、これをステージに載置し、回路基板の回路パターンにテスターを接続する。
次に、テスターよりテストチップの両電極に800Vの電圧を印加し、テストチップのゲートに信号を印加してテストチップを導通させて、プローブ針に電流を流してフリッティング現象を誘起するとともに、接触抵抗を計測する。
プローブ針の接触位置を変更しながら複数のテストチップを用いて複数回の同様の計測を行い、接触抵抗の分布を求めたのが図7である。図7は、σ=0.12の正規分布であり、設計電流分布幅を平均電流±3σとする。この結果、フリッティング現象を用いた試験において、プローブ針1本に印加できる電流を図8から通電時間が20μsecにおいて14.5Aと求めた。この値は、この値以上の電流を継続して印加し続けた際、プローブの先端とパワー半導体チップ電極との接触抵抗に対応して発生するジュール熱により、パワー半導体チップの電極金属を溶融させないために選定した値である。従って、パワー半導体チップの電極に用いる材料の融点に対応して選定すればよい。接触抵抗の正規分布は、プローブを複数本並列に接続した場合にも当てはめることができ、先に選定したプローブ針1本に印加できる電流値と、被試験パワー半導体チップの定格、および試験時に印加しうる最大電流から必要なプローブの本数を決定する。例えば、試験時に最大で300Aの電流を印加するチップの場合、電流値に例えば50%ほどの余裕を見込むと450〔A〕÷14.5〔A/本〕≒32本が、最低限必要なプローブ本数となる。
フリッティング現象により、試験装置の接触子(電極パッド等)とパワー半導体チップとを複数箇所で接触させる場合には、正規分布を用いて接触抵抗,電流を評価することが試験装置の設計に有効であり、図6に示すようにプローブ針3を用いる方が評価がしやすい。
プローブ針をパワー半導体チップ電極へ加圧接触させると電極表面に少なからずプローブ痕が残る。プローブ痕が深くなると、パワー半導体チップの実装工程におけるワイヤボンディング工程でワイヤの接合性に影響がある。プローブ痕の深さはプローブ針の荷重ではなく、接触面圧に比例している(式1)。


ここで、Rはプローブ針の先端曲率半径、Wはプローブ荷重、Eはプローブ針材料とパワー半導体チップ電極材料との合成弾性係数。
(1)式より、プローブ痕をワイヤボンディング時の拡散接合深さ(例えば0.2μm)より浅くして、ワイヤボンディング工程への影響を避けたい場合には、接触面圧を2.4GPa(0.25gf/μm)以下、実用上は3GPa以下とすればよい。
上記の例では、パワー半導体チップ電極への接触面圧を2.4GPaより小さい1.9GPaとした。
図9は、試験装置の接触子としての電極パッドの第2の参考例を示す図である。図9(a)は、金属微粒子を用いた電極パッド70の断面概略図である。71は直径が50μmの銅の微粒子であり、表面にニッケルのメッキを施したものである。微粒子の直径は5μm〜100μmの範囲で適宜選択すればよい。微粒子71は導電性の容器72に格納され図示しないテスターに接続される。導電性の容器72は図1の電極パッド61に替えてステージ2上に固定する。
図9(b)も金属微粒子を用いた他の電極パッド80の断面概略図である。81は表面に50μmの曲率半径の凹凸を有する銅の微粒子であり、表面にニッケルのメッキを施したものである。曲率半径は1μm〜100μmの範囲で適宜選択すればよい。微粒子81は導電性の導電性の容器82に格納され図示しないテスターに接続される。導電性の容器82は図1の電極パッド61に替えてステージ2上に固定する。
図9のいずれの例も、導電性の微粒子であればよい。また、表面へのメッキは必ずしも必要でないが、微粒子表面に自然酸化膜が形成されにくくするため、ニッケル,金などのメッキを行うのが好ましい。
容器72,82の開口部の端部は、パワー半導体チップ1が接触した際にパワー半導体チップを破損しないよう導電性微粒子のよりわずかに低くするか、パワー半導体チップとの接触で容易に弾性変形しうる樹脂で構成してもよい。あるいは、パワー半導体チップ搭載部分の有効面積を広めに確保してもよい。
このようにすることで、電極パッド70,80にはパワー半導体チップ1を多数の点で支持した状態で載置可能となる。ステージ2の上昇によってパワー半導体チップ1に押圧力が印加されると、パワー半導体チップ1のコレクタ電極は複数の金属微粒子と確実に接触し、実施例1と同様に試験を行うことができる。金属微粒子の電極パッドは熱エネルギーを吸収・放散するので、溶融による電極パッドの盛り上がりが発生しない。このため、後続の被試験パワー半導体チップとの接触部分への影響がなくなり、試験装置電極のメンテナンスが不要となる。また、パーティクルが発生しても空隙へ落下し後続の試験への影響がない。
また、パワー半導体チップ1が反っていた場合でも、ステージ2の上昇によってパワー半導体チップ1に押圧力が印加されると、パワー半導体チップ1の反りに倣って導電性容器72,82内で金属微粒子が移動するため、パワー半導体チップ1に局所的な応力が印加されることがない。試験時に応力やひずみの影響を排除することができるので、実施例1の場合と同様に、応力やひずみに伴う測定誤差を排除することができる。
ここで、微粒子を表面に1μm〜100μmの曲率半径を有する形状の微粒子、もしくはその直径が1μm〜100μmの微粒子としたのは、実施例1と同様に接触箇所をできるだけ多くするためである。これらの数値は、金属繊維の場合と同様に、空隙率を調整するためには曲率半径や粒径の異なる微粒子を混合して用いるとよい。
また、実施例2の構成において、電極パッド70,80の最上層であってパワー半導体チップ1を載置する部分に、さらに、実施例1の不織布を敷いた構成としてもよい。このようにすると、パワー半導体チップ1への不要な応力が印加されるの微粒子の飛散を防ぐことができる。
ここまでの各例において、パワー半導体チップを載置した例で説明したが、チップ状に切断する前のウエハ状のものでも同様に試験をすることができる。
1 パワー半導体チップ
2 ステージ
3,3’ プローブ針
4 プローブ針アッシー
5 プローブ取り付け部
61,62,70,80 電極パッド

Claims (1)

  1. 半導体素子の第1の主面に形成された第1電極と複数箇所で接触する複数の第1接触子と、前記半導体素子の第2の主面に形成された第2電極と複数個所で接触する第2接触子と、を備え、少なくとも前記第1電極と前記複数の第1接触子とがフリッティング現象により前記接触箇所において導通する半導体素子の試験方法において、
    前記複数の第1接触子と第2接触子との間に、フリッティング現象を誘起するための電圧を印加し、
    続いて、前記半導体素子のゲートにゲート信号を印加して前記半導体素子をオンし、
    前記複数の第1接触子を介して前記第1電極と前記第2電極との間に電流を流すことにより、前記第1電極と前記複数の第1接触子との間でフリッティング現象を誘起し、
    続いて、前記第1接触子と第2接触子との間に、電圧を印加して、前記半導体素子の試験を行なうことを特徴とする半導体素子の試験方法。
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