以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る遊技機の一形態として例示するパチンコ遊技機の遊技盤を示す正面図である。
この遊技盤1のガイドレール2で囲まれた遊技領域1aには、普図始動ゲート18,18、特別図柄(特図)表示装置4、普通図柄(普図)表示装置7、普通変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材9a,9aを開(遊技者にとって有利な状態)閉(遊技者にとって不利な状態)させる特図始動入賞口を兼ねた普通変動入賞装置9、変動表示ゲーム(特別変動表示ゲーム)の結果如何によって大入賞口5bを閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換するサイクル遊技を行う第1の変動入賞装置(第1の特別変動入賞装置)5、該第1の変動入賞装置5と同様に変動表示ゲーム(特別変動表示ゲーム)の結果如何によって大入賞口(第2大入賞口)6bを閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換するサイクル遊技を行う第2の変動入賞装置(第2の特別変動入賞装置)6、一般入賞口8,…、サイドランプ12,12、風車と呼ばれる打球方向変換部材14,…、多数の障害釘10,…(一部のみ図示)などが配設されている。遊技領域1aの最下端部中央にはアウト球を回収するためのアウト穴13が設けられている。
普通図柄表示装置(普通図柄表示器)7は、例えば、7セグメント型のLEDなどによって構成され、複数の普通図柄(例えば、図柄、数字、記号などの識別情報)を変動表示させる変動表示ゲーム(普通変動表示ゲーム)を行うことが可能となっている。ここでは、普通図柄表示装置7は、普通変動入賞装置9と一体になって設けられている。また、前記普通図柄表示装置7の下部には、普図始動ゲート18,18に遊技球が入賞(普図の始動入賞)して普通変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数(始動記憶数)を表示する普図始動記憶表示器(普図記憶表示器)7aが配設されている。なお、ここでは、普図の始動記憶の上限数は4個となっており、普図始動記憶表示器7aは4個のLEDで構成されている。
普通変動入賞装置9は左右一対の開閉部材9a,9aを具備し、この開閉部材9a,9aは、常時は遊技球が1個流入可能な程度の間隔で閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普通図柄表示装置7における変動表示ゲーム(普通変動表示ゲーム)の結果として所定の結果態様(例えば、「7」等の当り結果態様)が表示された場合には、普通変動表示ゲームの当りとなって、普電用ソレノイド(図示省略)の駆動により逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置9に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変換されるようになっている。この実施の形態の普通変動入賞装置9は、遊技球の入賞に基づき前記特別変動表示ゲームの始動条件を付与する特図の始動入賞口も兼ね、その内部(入賞領域)に始動入賞口センサ9b(図2)を備えている。また、前記普図始動ゲート18内には、該普図始動ゲート18を通過した遊技球を検出するための普図始動ゲートセンサ7b(図2)が設けられている。なお、各一般入賞口8,…の内部(入賞領域)には、該一般入賞口8,…に入った遊技球を検出するための入賞口センサ8a,…(図2)が配設されている。
特別図柄表示装置4は、例えば、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)からなる表示部4aを備えている。前記表示部4aは、所定条件の成立に基づき、その表示状態が変化可能となっており、ここでは、普通変動入賞装置(特図始動入賞口)9への遊技球の入賞に基づき、複数の特別図柄(例えば、図柄、数字、記号などの識別情報)を変動表示可能となっている。そして、前記表示部4aには、図3の(a)に示すように、複数の表示領域10a,10b,10cを有し、該表示領域の各々に一連の図柄を順次変動表示させた後に停止させることで、大当り遊技(特別遊技)の発生に関わる補助遊技としての変動表示ゲーム(特別変動表示ゲーム)の表示が可能となっている。
また、この実施の形態では、既に特別変動表示ゲーム(補助遊技)が行われている間や特別遊技が発生している間等の直ちに次の特別変動表示ゲームを実行開始できない期間中(新たな補助遊技の始動を待機させる状態中)に特図始動入賞口を兼ねた普通変動入賞装置9へ遊技球が入賞した場合には、次の特別変動表示ゲームが実行可能な状態となるまで、始動記憶手段(ここでは、遊技制御装置20が相当する)が、前記普通変動入賞装置9への遊技球の入賞を特別変動表示ゲーム(補助遊技)の実行(始動)を待機させるための始動権利として一時的に記憶することが可能となっている。なお、この実施の形態の普通変動入賞装置9は、遊技球を遊技盤1の裏側に流入させるタイプの始動入賞口であって、その内部(入賞領域)に始動入賞口センサ9b(図2)を備えており、当該始動入賞口センサ9bで遊技球の入賞を検出している。また、ここでは、前記始動権利は所定の記憶上限数以内で記憶可能となっており、前記期間中、普通変動入賞装置9に上限数よりも多く遊技球が入賞しても始動権利の記憶数は上限数よりも多くならないようにされている。
そして、特別図柄表示装置4の上部には、普通変動入賞装置9に遊技球が入賞して特別変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数(始動権利の記憶数)を点灯表示する始動記憶表示器4bが設けられている。なお、この実施の形態では、前記始動記憶表示器4bは13個のLEDで構成されているが、(若しくはRAMクリアスイッチが押されてから今回の特別遊技が発生するまで)、始動権利の記憶上限数は4個となっており、前記始動記憶表示器4bで点灯可能なLEDは最大4個となっている。そして、始動記憶が1増加する毎に1のLEDが点灯表示され、始動記憶が1消化される毎に1のLEDが消灯するようになっている。
さらに、この実施の形態における始動記憶手段(ここでは、遊技制御装置20が相当する)は、始動権利の記憶上限数を特別遊技が発生した場合に通常時(特別遊技中以外の遊技中を指し、通常遊技中、特定遊技中、RAMクリア状態中などを含む)よりも増加させる(ここでは13個にする)始動記憶上限増加手段(ここでは遊技制御装置20に含まれる)を含んでおり、始動権利の上限数が増加されたとき、前記始動記憶表示器4bで点灯可能なLEDが最大13個となる。なお、ここでは、後述する第1の特別遊技中、第2の特別遊技中のどちらの場合であっても、始動権利の上限数が増えるようになっている。また、ここでは、前記始動記憶上限増加手段は、特別遊技中(大当り遊技中)のみ始動権利の記憶上限数を増加させるようにしているが、これに限らず、前記特別遊技が特定条件を満たして発生した場合に当該特別遊技の終了後に発生可能な特定遊技中にも、始動権利の記憶上限数を増加させるようにする場合もある。
なお、大当り遊技中(特別遊技中)に増加させた始動権利の上限数を、大当り遊技終了後、通常の上限数に戻す場合には、始動権利が消化されることに応じて徐々に上限数を減らしていくようになっている。すなわち、大当り遊技中に記憶数が13個満タンとなっている場合には、大当り遊技後の特別変動表示ゲームの実行により12個に記憶数が減算された時点で、上限数を12個に減らし、その後も特別変動表示ゲームの実行に応じて同様の処理を繰り返して行うことで、元の4個の上限数に戻す。従って、大当り遊技終了後の特別変動表示ゲームの実行により記憶数が13個から12個に減算された時点で次の始動入賞が発生しても、記憶数を13個にせずにその始動入賞は無効にする。また、大当り遊技中に記憶数が7個等で上限数まで達していない場合には、その7個の記憶数から上記同様の上限数の減算処理が行われる。したがって、大当り遊技が終了した時点で上限数に達していない7個の記憶数であっても、大当り遊技が終了した時点で次の始動入賞は無効にして記憶数を8個にしない。
前記したように、この実施の形態では、変動入賞装置(特別変動入賞装置)が2つ備えられている。ここでは、2つの特別変動入賞装置は、普通変動入賞装置9の下方に、上下に並んで配置されており、そのうち上側が第1の変動入賞装置(第1の特別変動入賞装置)5、下側が第2の変動入賞装置(第2の特別変動入賞装置)6となっている。
第1の変動入賞装置(第1の特別変動入賞装置)5は、アタッカー形式の第1開閉扉(第1可動部材)5aによって開閉される第1大入賞口5bを備えている。詳述すると、前記第1の変動入賞装置5は、当該遊技機の前方側に開口して遊技球が入賞可能な第1大入賞口5bと、第1開閉扉(第1可動部材)5aとを有し、第1可動部材用ソレノイド5e(図2)の駆動により、第1可動部材5aが起立して第1大入賞口5bを閉鎖する閉状態と、第1可動部材5aが第1大入賞口5bの下辺に設けられた支軸を中心に前方側に回動することで上方から流下する遊技球を第1大入賞口5bに導入可能な開状態とに変換可能に構成されている。そして、前記第1の変動入賞装置5は、後述する第2の特別遊技よりも価値の低い第1の特別遊技の発生時に第1大入賞口5bを開状態とし、ここでは、当該第1大入賞口5bへの遊技球の入賞に基づき、第1の賞球を付与可能としている。なお、この実施の形態における第1の賞球としては、前記第1大入賞口5bに1の遊技球が入賞するに付き10個の賞球が払い出されるようになっている。
この第1大入賞口5bの内部(入賞領域)には、該第1大入賞口5bに入った遊技球のうち一般入賞領域に流入した遊技球を検出するための一般入賞口センサ(カウントセンサともいう)5c(図2)と、第1大入賞口5bに入った遊技球のうち継続入賞領域(V入賞領域,特別入賞口ともいう)に流入した遊技球を検出するための第1特別入賞口センサ(第1大入賞口継続センサ)5d(図2)、及び第1特別入賞口に遊技球が流入した後は遊技球を前記第1特別入賞口に流入させないようにして第1特別入賞口への遊技球の入賞率を調整する入賞率調整用ソレノイド5f等が配設されている。
第2の変動入賞装置6も、前記第1の変動入賞装置5と同様に、アタッカー形式の第2開閉扉(第2可動部材)6aによって開閉される第2大入賞口6bを備えている。詳述すると、前記第2の変動入賞装置6は、当該遊技機の前方側に開口して遊技球が入賞可能な第2大入賞口6bと、第2開閉扉(第2可動部材)6aとを有し、第2可動部材用ソレノイド6e(図2)の駆動により、第2可動部材6aが起立して第2大入賞口6bを閉鎖する閉状態と、第2可動部材6aが第2大入賞口6bの下辺に設けられた支軸を中心に前方側に回動することで上方から流下する遊技球を第2大入賞口6bに導入可能な開状態とに変換可能に構成されている。そして、前記第2の変動入賞装置6は、前記した第1の特別遊技よりも価値の高い第2の特別遊技の発生時に第2大入賞口6bを開状態とし、ここでは、当該第2大入賞口6bへの遊技球の入賞に基づき、前記第1の賞球よりも多い第2の賞球を付与可能としている。なお、この実施の形態における第2の賞球としては、前記第2大入賞口6bに1の遊技球が入賞するに付き15個の賞球が払い出されるようになっている。
この第2大入賞口6bの内部(入賞領域)には、該第2大入賞口6bに入った遊技球のうち一般入賞領域に流入した遊技球を検出するための一般入賞口センサ(カウントセンサともいう)6c(図2)と、第2大入賞口6bに入った遊技球のうち継続入賞領域(V入賞領域,特別入賞口ともいう)に流入した遊技球を検出するための第2特別入賞口センサ(第2大入賞口継続センサ)6d(図2)、及び第2特別入賞口に遊技球が流入した後は遊技球を前記第2特別入賞口に流入させないようにして第2特別入賞口への遊技球の入賞率を調整する入賞率調整用ソレノイド6f等が配設されている。
そして、所定条件の成立に基づき行われる補助遊技(ここでは、表示部4aにおける特別変動表示ゲーム)の結果(結果態様)が予め定められた特別結果となった場合(例えば、表示部4aの各表示領域における特別図柄が「4,4,4」のぞろ目等の特別の組合せ態様(予め定められた特別結果態様)で停止した場合)に、特別遊技発生手段(ここでは、遊技制御装置20が相当する)によって特別遊技(大当り遊技)が発生可能となり、変動入賞装置の大入賞口が閉じた状態(遊技者にとって不利な閉状態)から多数の遊技球を獲得し易い開放状態(遊技者にとって有利な開状態)に変換されるサイクル遊技が行われるようになっている。この実施の形態における特別遊技(大当り遊技)は、特別変動入賞装置の開閉扉が所定時間(例えば、29.5秒間)開放して閉じるサイクルを1ラウンドとし、各ラウンド中、遊技球が大入賞口中の継続入賞領域の特別入賞口センサ(大入賞口継続センサ)に検出されることを条件に所定ラウンド(例えば、15ラウンド)まで継続される遊技である。但し、各ラウンド中、大入賞口に遊技球が所定個数(例えば、10個)入賞したときはその時点でそのラウンドを終了する。各ラウンド中、大入賞口への入賞個数は、一般入賞口センサ(カウントセンサ)により検出されて遊技制御装置20のRAM21bに記憶され、所定個数に達すると開閉扉が閉じられてそのラウンドの特別遊技が終了する。なお、この遊技機における特別遊技発生手段は、以前に発生した特別遊技に関連して変化する遊技条件に応じて、価値の異なる特別遊技を発生可能な異価値特別遊技発生手段を備えている。そして、該異価値特別遊技発生手段によって、前記第1の特別遊技と第2の特別遊技のどちらを発生させるかを決定するようになっている。
具体的に、特別遊技発生手段(ここでは遊技制御装置20が相当する)に備えられた異価値特別遊技発生手段によって、前記したような価値の異なる特別遊技(ここでは、第1の変動入賞装置を開状態に変換する第1の特別遊技と第2の変動入賞装置を開状態に変換する第2の特別遊技の2つの特別遊技)を発生させる制御に関して説明する。
この発明では、特別遊技発生手段(ここでは、遊技制御装置20に相当する)に備えられた異価値特別遊技発生手段が、以前に発生した特別遊技に関連して変化する遊技条件に応じて、価値の異なる特別遊技を発生可能となっており、例えば、前回の特別遊技が終了してから今回の特別遊技が発生するまでに生じた所定の遊技事象数(例えば、特別変動表示ゲームのゲーム回数、特別変動表示ゲームにおいてリーチ状態(例えば、変動表示ゲームにおける最終停止図柄の停止前に、既に停止している図柄の組合せが大当りを構成可能な図柄の組合せとなっており、未だ変動中の図柄(最終停止図柄)が既に停止状態となっている図柄と同一図柄で停止状態となって大当りとなる可能性が残っている状態(例えば、「7,7,−」、−は変動中)等、遊技者にとって特別遊技の発生への期待感を抱きやすい状態)が発生した回数、特定の外れ態様(外れ出目)が表示された回数等)に基づいて、今回の特別遊技の価値を決定可能とする場合が挙げられる。
更に詳しくは、前回の特別遊技が終了してから今回の特別遊技が発生するまでに実行された補助遊技(特別変動表示ゲーム)の回数が予め定められた特定回数(例えば50回)以内であった場合に、前記第2の特別遊技を発生可能とし、特定回数よりも多い場合には、第1の特別遊技を発生する例が挙げられる。また、前回の特別遊技が終了してから今回の特別遊技が発生するまでに実行された補助遊技の回数が前記特定回数(例えば50回)よりも多くなった場合でも、当該補助遊技の回数が所定回数(例えば500回)以上であった場合には、前記第2の特別遊技を発生可能とすることも考えられる。
さらに、以前に発生した特別遊技に関するデータがクリアされている状態(この状態をRAMクリア状態といい、ここでは、RAMクリアされた後、補助遊技が行われた回数が50回以内の期間に限定している)において特別遊技が発生することを条件に、第2の特別遊技を発生可能とする場合もある。
またさらに、特別遊技が特定条件を満たして発生した場合に、当該特別遊技の終了後に、少なくとも次回の特別遊技の発生に関する制御が遊技者にとって有利となる特定遊技を発生可能となっており、前記異価値特別遊技発生手段は、特別遊技が前記特定遊技中に発生することを条件に、第2の特別遊技を発生可能とする場合もある。
なお、特別遊技が特定条件を満たして発生する場合とは、例えば、補助遊技(特別変動表示ゲーム)の結果が特別結果となるときに当該特別結果を構成するぞろ目が「7,7,7」等の奇数図柄のぞろ目(複数種類の特別結果態様のうちの特定の特別結果態様)となる場合、特別遊技の発生が決定した後に他のゲームが行われ、その結果が特定の状態となった場合などが挙げられる。
また、特定遊技としては、前記特別遊技とは別の遊技者にとって有利な状態であり、例えば、普通変動入賞装置の開閉部材が開状態に変換する機会を増加させたり(例えば、普通変動表示ゲームにおいて当りが1回導出されたときにおける開状態への変換回数を1回から3回に増加させる)、或いは、開閉部材が開状態に変換する期間を長くする(例えば、0.5秒から5秒に変更する)ことで、始動入賞口としての普通変動入賞装置へ遊技球が入賞し易いようにした始動入賞容易化状態を発生させるようにしたものがある。また、特別遊技の発生確率が上がる(例えば、1/300から1/50に確率が上がる)特図確率変動状態、普通変動表示ゲームの当りの発生確率が上がる(例えば、1/10から9/10に確率が上がる)普図確率変動状態、普通変動表示ゲームの変動時間が通常遊技中よりも短縮される(例えば、30秒から5秒に短縮される)ことで単位時間当たりに普通変動入賞装置が開状態に開放される機会を増加させた普図時短状態等がある。なお、特定遊技としては、前記した複数の状態の何れかを組み合わせて行っても良い。また、特定遊技には、回数や時間等で期限設定がされているパターンと、特別遊技が所定回数(例えば1回)発生するまで続けられるパターンの双方が含まれる。
さらに、特別遊技の価値を異ならせる条件としては、前記したものを組み合わせた条件を設定しても良い。例えば、特定遊技中でかつ補助遊技の実行回数が50回以内である場合に、第2の特別遊技を発生させる等である。また、特別遊技の価値を異ならせるその他の条件として、次のようなものも挙げられる。例えば、前回の特別遊技の終了から今回の特別遊技が発生するまでに実行された補助遊技が特定回数であった場合(ちょうど特定回数のときに特別遊技が発生した場合)に、第2の特別遊技を発生させるようにしても良い。第2の特別遊技を発生させる補助遊技の特定回数の例としては、予め定められた30回、40回、50回等で第2の特別遊技を発生させたり、特定回数が奇数回である場合に第2の特別遊技を発生させる等が挙げられる。このようにすることにより、興趣性を更に向上させることができる。
また、以前に発生した複数回の特別遊技に関連して第2の特別遊技を発生させてもよい。例えば、前々回、前回ともに(或いは今回も含めて)第1の特別遊技が発生しており、かつ、その間に合計で500回以上の補助遊技が実行されていたら、今回の特別遊技を第2の特別遊技にする、いわゆる救済機能を設けても良い。このようにすることにより、興趣性を更に向上させることができる。
図2は、このパチンコ遊技機に設置された遊技制御装置20と第1の変動入賞装置5及び第2の変動入賞装置6の主要制御ブロック図である。
遊技制御装置20は、内部にCPU(Central Processing Unit)21a、RAM(Random Access Memory)21b及びROM(Read Only Memory)21cを備えた遊技用マイクロコンピュータ21、入出力I/F23、発振器22等により構成されて、遊技に関する統括的な制御を行うものである。
CPU21aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特別変動表示ゲームや普通変動表示ゲームのゲーム内容決定に関与する各種乱数値なども生成している。RAM21bは、特図始動信号としての始動入賞口センサ9bのオン信号の記憶(特図始動権利)及び普図始動信号としての普図始動ゲートセンサ7bのオン信号の記憶(普図始動記憶)の記憶領域、CPU21aで生成される各種乱数値の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域、並びに、CPU21aの作業領域を備えている。ROM21cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、特別変動表示ゲームや普通変動表示ゲームの遊技内容を決定するための各種判定値などが書き込まれている。
また、入出力I/F23は、入力I/F及び出力I/Fで構成されている。前記入力I/Fには、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、始動入賞口センサ9b、普図始動ゲートセンサ7b、特別入賞口センサ(大入賞口継続センサ)5d,6d、一般入賞口センサ(カウントセンサ)5c,6c、入賞口センサ8a,…などが接続され、それら各センサから出力される検出信号が入力I/Fを介してCPU21aに出力されるようになっている。
一方、出力I/Fには、CPU21aから出力される各種の制御信号が入力され、それら制御信号は、出力I/Fから、図示しない出力ポート及びドライバーを介して、普通図柄表示器(普通図柄表示装置)7、普図記憶表示器(普図始動記憶表示器)7a、可動部材用ソレノイド5e,6e、入賞率調整用ソレノイド5f,6f、排出制御装置30、表示制御装置40、外部出力端子81などに出力されている。なお、この実施の形態では、遊技制御装置20から表示制御装置40を介して、装飾制御装置50及び音制御装置60を制御するように構成されており、これによって、遊技制御装置20の負担が少なくなるようにされている。
前記排出制御装置30は、遊技制御装置20のCPU21aから出力される賞球制御指令やカードユニット(図示省略)等から出力される貸球制御指令に基づいて、球排出ユニット(図示省略)から所要数の遊技球(賞球、貸球)を排出させる制御を行うものである。装飾制御装置50は、遊技制御装置20のCPU21aから出力される装飾制御指令に基づいて、各種装飾ランプ・LED51(例えば、サイドランプ12)の発光状態を制御するものである。また、音制御装置60は、遊技制御装置20のCPU21aから出力される音制御指令に基づいて、スピーカ61から出力される効果音や音声の制御を行うものである。
表示制御装置40は、遊技制御装置20からの指令に基づき特別図柄表示装置4の表示部4aの表示制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びDMAC(Direct Memory Access Controller)、発振器、VDC(Video Digital Controller)、フォントROM、VDCの電気信号(入力信号)を光信号(出力信号)に変換させる際のγ補正を行うγ補正回路、インターフェイスなどを備えている。なお、この実施の形態では、遊技制御装置20からの指令に基づき、表示制御装置40が、装飾制御装置50及び音制御装置60を制御するように構成されており、特別図柄表示装置4の表示部4aにおける表示と連動した装飾制御や音制御をよりスムーズに行うことができるようになっている。また、このような構成によって、遊技制御装置20の負担を少なくすることができる。
CPUは、その内部に制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタなどを備え、遊技制御装置20とインターフェイスを介して接続され、遊技制御装置20の制御下、特別図柄表示装置4の表示制御を行っている。その制御データは発振器からのパルスに同期させてVDCに送られる。ROMには、特別図柄表示装置4の表示制御を行うための表示制御プログラムや表示制御データ等が書き込まれている。RAMは、各種データを一時的に記憶する記憶領域とCPUの作業領域などを備えている。DMACは、遊技用マイクロコンピュータ21からの表示制御情報(指令)に対し、CPUとのアクセスなしで直接各メモリーやVDC等の間で表示制御データのやり取りを行っている。
フォントROMには、特別変動表示ゲーム用の図柄の表示データ、背景画像の表示データ、リーチ状態画像の表示データ、遊技内容を説明する文字の表示データなどが書き込まれている。VDCの内部には、スプライトRAM、パレットRAM、V−RAM等が備えられていて、次のような画像データ制御を行っている。即ち、VDCは、CPUからの指令信号を受けて、フォントROMから特別図柄や背景画像の表示データを取り出して編集する。そして、その指令信号に含まれる配色データに基づいて、その編集した画像データに対し配色の指定をパレットRAMで行い、次いでスプライトRAMにて特別図柄やキャラクタ等の画像編集を行う。この編集された画像データ信号はγ補正回路で補正された後、V_SYNCやH_SYNCと同期させて特別図柄表示装置4に送信され、この特別図柄表示装置4の表示部4aにおいて表示される。なお、遊技制御装置20を始めとするこれら各制御装置は、電源供給装置90から電源を供給されている。また、電源供給装置90には、電源供給がストップした際に作動するバックアップ電源91、及び以前に発生した特別遊技に関するデータをクリアするRAMクリアスイッチ92が備えられている。
ここで、図4のフローチャートを用いて、前記した価値の異なる特別遊技の種類(ここでは、第1の特別遊技と第2の特別遊技)の決定処理について説明する。なお、遊技球が始動入賞口に入賞して特別変動表示ゲームが行われる毎に、この処理は行われる。
まず、特別変動表示ゲームの結果として、特別結果態様が成立するか否か、すなわち特別図柄がぞろ目の組合せ態様で停止表示されるか否かの判定を行う(S1)。ここで、特別結果態様が成立して特別遊技が発生することが決定された場合には、次に、現在、特定遊技中か否か(ここでは、確率変動状態中か否か)、すなわち、前回発生した特別遊技が特定条件を満たして発生したものか否かの判定を行う(S2)。
ここで、現在、特図確率変動状態中の場合には、続いて前回の特別遊技が終了してから今回の特別遊技が発生するまでの補助遊技(特別変動表示ゲーム)のゲーム回数が50回以内かどうかの判定を行う(S3)。ここで、ゲーム回数が50回以内である場合には、第2の特別遊技(スーパー大当り)を発生させるための第2特別遊技フラグをセットする(S4)。すなわち、この実施の形態では、特定遊技(特図確率変動状態)中であって、かつ、所定期間(特図確率変動状態が発生してから今回の特別遊技の発生が決定されるまで)のゲーム回数が50回以内である場合には、第2の特別遊技が発生可能となっている。
一方、S2において、特定遊技(ここでは特図確率変動状態)中でない場合には、RAMクリアスイッチが押されてRAMクリア状態となっているときの特別結果態様の成立か否かの判定を行う(S5)。ここで、RAMクリア状態とは、パチンコ遊技機の電源投入時に前記RAMクリアスイッチを押した状態で電源を投入すると、以前に発生した特別遊技に関するデータがクリアされるが、このクリアされた状態のことをいう。
そして、S5でRAMクリア状態からの特別結果態様の成立であると判定された場合には、次に、RAMクリアスイッチが押されてから今回の特別遊技が発生するまでの補助遊技(特別変動表示ゲーム)のゲーム回数が50回以内かどうかの判定を行う(S3)。ここで、ゲーム回数が50回以内である場合には、第2の特別遊技(スーパー大当り)を発生させるための第2特別遊技フラグをセットする(S4)。すなわち、この実施の形態では、RAMクリア状態中であって、かつ、所定期間(RAMクリア状態となってから今回の特別遊技の発生が決定されるまで)のゲーム回数が50回以内である場合にも、第2の特別遊技が発生可能となっている。なお、RAMクリア状態から特別遊技が発生した場合には、ゲーム回数に関わらず無条件で第2の特別遊技を発生するようにしても良い。
一方、S5で、RAMクリア状態でないと判定された場合、及び、S3で、所定期間(特図確率変動状態若しくはRAMクリア状態となってから今回の特別遊技の発生が決定されるまで)のゲーム回数が50回より多い場合には、次に前回の特別遊技が終了してから(若しくはRAMクリア状態となってから)今回の特別遊技が発生までに実行された補助遊技のゲーム回数が所定回数以上(ここでは、500回以上)か否かの判定を行う(S6)。ここで、当該ゲーム回数が500回以上である場合には、第2特別遊技フラグをセットして、第2の特別遊技が発生可能となる(S4)。すなわち、この実施の形態では、所定期間のゲーム回数が500回以上である場合にも、第2の特別遊技が発生可能となっている。また、当該ゲーム回数が500回に満たない場合(すなわち、ゲーム回数が51回以上499回以下である場合)には、第1特別遊技フラグをセットして、第1の特別遊技(ノーマル大当り)が発生可能となる(S7)。
なお、第2の特別遊技の発生に関し、この実施の形態では、前記したように、特定遊技(特図確率変動状態)中で、かつ特図確率変動状態が発生してから今回の特別遊技の発生が決定されるまでのゲーム回数が50回以内である場合、RAMクリア状態中で、かつRAMクリア状態となってから今回の特別遊技の発生が決定されるまでのゲーム回数が50回以内である場合、及び、特図確率変動状態若しくはRAMクリア状態となってから今回の特別遊技の発生が決定されるまでのゲーム回数が500回以上である場合に、発生可能となっているが、これに限るものではない。
例えば、特図確率変動状態等の特定遊技を発生させる機能を有していないパチンコ遊技機の場合、前記特別遊技の種類の決定処理における、現在特定遊技中(特図確率変動状態中)か否かの判定(S2)は存在しない。これにより、当該遊技機においては、第2の特別遊技を発生させるか否かは、補助遊技のゲーム回数のみで決定されることとなる。具体的には、例えば、前回の特別遊技が終了してから今回の特別遊技の発生が決定されるまでの補助遊技のゲーム回数が50回以内である場合、RAMクリア状態となってから今回の特別遊技の発生が決定されるまでの補助遊技のゲーム回数が50回以内である場合、及び、前回の特別遊技が終了してから若しくはRAMクリア状態となってから今回の特別遊技の発生が決定されるまでの補助遊技のゲーム回数が500回以上である場合に、第2の特別遊技が発生するパターンが挙げられる。
なお、この実施の形態では、前記した特別遊技の種類の決定処理で一旦決定して発生した特別遊技、特に価値の低い特別遊技を、所定遊技条件の成立に基づいて、当該特別遊技の途中から価値の高い特別遊技に変更(格上げ)可能な特別遊技価値変更手段(ここでは、遊技制御装置20が相当する)を備えている。以下、図5のフローチャートを用いて、特別遊技の格上げ処理について説明する。なお、この処理は特別遊技中における1ラウンド終了毎に行うようになっている。
まず、第1特別遊技フラグがセットされているか否かの判定を行う(S11)。ここで、第1特別遊技フラグがセットされている場合、すなわち第1の特別遊技が発生している場合には、次に特定ラウンド後のインターバル(特別遊技におけるラウンドとラウンドの間)か否かの判定を行う(S12)。なお、この実施の形態では、最大15ラウンドの特別遊技中、7ラウンド目を特定ラウンドとし、当該特定ラウンド後のインターバルで格上げ抽選を行う。
ここで、現在、特定ラウンド(7ラウンド目)後のインターバルである場合、遊技制御装置20において、格上げ用乱数を抽出して(S13)、抽出した格上げ用乱数と予め用意された当り値との比較を行い、当り値と一致するか否かの判定を行う(S14)。なお、ここでは、格上げ用乱数の乱数範囲は0〜9の10個の数字となっており、抽出された乱数が予め用意された当り値「7」と一致した場合に特別遊技の格上げが決定される。すなわち、格上げが行われる確率は1/10となっている。そして、格上げが決定された場合には、それまでの第1特別遊技フラグがクリアされ(S15)、新たに第2特別遊技フラグがセットされて(S16)、8ラウンド目からは価値の高い第2の特別遊技が発生する。
また、この実施の形態では、特別遊技が発生した場合に、その価値の高さを特定可能に報知する報知手段を備えている。ここでは、報知手段は、特別図柄表示装置4が兼ねている。
以下、図3を用いて、報知手段(特別図柄表示装置4)における特別遊技の価値の高さに関する報知の一例について説明する。まず、図3の(a)に示すように、特別図柄表示装置4の表示部4aの各表示領域10a,10b,10cにおいて、特別変動表示ゲームが行われている間は、画面上方に特別遊技の価値に関する現在の情報が表示される。例えば、画面左上には、現在、確率変動状態中(特定遊技中)であることが表示されており、第2の特別遊技を発生させるための条件の1つを具備していることが報知されている。
また、画面右上には前回の大当り遊技(特別遊技)終了後から現在までの間に補助遊技が行われた回数を回転数として報知している。なお、前記回転数は、特別変動表示ゲームが1回終了する毎にカウントアップしている。また、画面左上の表示は、今回は特定遊技のうち確率変動状態中であったので、確率変動中と表示したが、通常遊技の間は通常遊技中と表示する。なお、この実施の形態では、RAMクリア状態中も、通常遊技中と表示し、RAMクリア状態中であることを報知しないようになっている。これは、RAMクリア状態に関連して第2の特別遊技を発生させる目的として、遊技店の開店時における客付きを良くすることが挙げられるが、遊技店としては、全ての台(遊技機)をRAMクリア状態にしない場合もある。このため、RAMクリア状態中の台を報知してしまうと、客が、特別遊技が発生したときに確実に第2の特別遊技が発生するRAMクリア状態中の台に集中してしまい、RAMクリア状態となっていない台への客付きが悪くなるという問題が生じるからである。
そして、図3の(b)に示すように、遊技条件に応じて第2の特別遊技が発生が決定されると(ここでは、特別遊技の発生が決定されたとき、特図確率変動状態中であり、かつ、前回の大当り遊技終了後、補助遊技のゲーム回数(回転数)が50回以内であるので、第2の特別遊技の発生が決定された)、例えば、図3の(c)に示すような「おめでとうございます!!スーパー大当り発生です。」等の表示がなされ、その後、第2の特別遊技が発生する。なお、第1の特別遊技の発生が決定されたときには、「ノーマル大当り発生です。」等の表示がなされ、その後、第1の特別遊技が発生する。
なお、前記回転数の表示は、回転数(補助遊技が行われた回数)が上記所定回数(ここでは50回)より多くなったら非表示にしても良い。このようにすることにより、回転数が50回を超えると、現在の回転数が何回なのか遊技者に容易にはわからなくなる。そして、遊技者が、特別遊技が発生したときに救済措置として第2の特別遊技が発生するようにされた、回転数500回以上の台を狙って遊技を行うことを防止できる。
また、この実施の形態においては、第1の変動入賞装置及び第2の変動入賞装置は、双方が普通変動入賞装置(始動入賞口)の下方に位置し、第1の特別遊技と第2の特別遊技の価値の違いは、1の遊技球の入賞に対する賞球の違い(第1の賞球と第2の賞球の違い)であったが、これに限るものではない。例えば、図6に示す、他の実施の形態に係る遊技機が挙げられる。以下、詳述する。なお、前記した遊技機の構成と同様の部位については、同じ符号を付して、説明を省略する。
当該遊技機においては、第1の変動入賞装置15は、普通変動入賞装置(始動入賞口)19の上方側に配設されると共に、第1開閉扉(第1可動部材)15aの左右方向の寸法が前記普通変動入賞装置19の開閉部材19a,19aが開状態となった際の横幅よりも長く設定されている。これにより、第1の特別遊技が発生して、第1可動部材15aが閉状態から前方側に回動して遊技球を第1大入賞口15bに導入可能な開状態となった(第1の変動入賞装置15が遊技者にとって有利な状態となった)場合に、当該第1可動部材15aの開状態への変換により第1可動部材15aが普通変動入賞装置19を完全に塞ぐ状態となり、該普通変動入賞装置19へ遊技球が入賞しない状態とすることができる。また、第1可動部材15aの開状態への変換により、第1可動部材15aがわずかに遊技球が始動入賞できる程度に普通変動入賞装置19を塞ぐ状態にして、普通変動入賞装置19へ遊技球が入賞し難い状態にしても良い。すなわち、これらの場合は、特別遊技中における普通変動入賞装置(遊技球の入賞に基づき補助遊技を始動可能な始動入賞口)19への遊技球の入賞率が低くなる第1の特別遊技(ノーマル大当り)となる。
これに対し、この遊技機における第2の変動入賞装置16は、前記普通変動入賞装置19の下方側に配設されている。これにより、第2の特別遊技が発生して、第2開閉扉(第2可動部材)16aが閉状態から前方側に回動して遊技球を第2大入賞口16bに導入可能な開状態となった(第2の変動入賞装置16が遊技者にとって有利な状態となった)場合に、当該第2可動部材16aの開状態への変換により、該普通変動入賞装置19への遊技球の入賞状態には影響を及ぼさない状態とすることができる。すなわち、この場合は、特別遊技中における普通変動入賞装置19への遊技球の入賞率が通常時(特別遊技中以外の遊技中を指し、通常遊技中、特定遊技中、RAMクリア状態中などを含む)と変わらない(ノーマル大当り遊技と比較すると、普通変動入賞装置への遊技球の入賞率が高くなって、第1の特別遊技より価値の高い)第2の特別遊技(スペシャル大当り)となる。
そして、前記異価値特別遊技発生手段(ここでは、遊技制御装置20が相当する)が、前記したような、以前に発生した特別遊技に関連して変化する遊技条件に応じて、前記第1の変動入賞装置を開状態に変換する第1の特別遊技と、前記第2の変動入賞装置を開状態に変換する第2の特別遊技とを発生可能となっている。なお、符号15bは第1大入賞口、16bは第2大入賞口、17は普通図柄表示装置、17aは普図始動記憶表示器(普図記憶表示器)を示す。
また、この遊技機が、新たな補助遊技の始動を待機させる状態中において、前記始動入賞口へ遊技球が入賞した場合に、補助遊技の始動権利を一時的に記憶する始動記憶手段を備え、前記始動記憶手段は、始動権利の記憶上限数を特別遊技が発生した場合に通常時(特別遊技中以外の遊技中を指し、通常遊技中、特定遊技中、RAMクリア状態中などを含む)よりも増加させる始動記憶上限増加手段を含んでいると、特別遊技が発生した場合の始動権利の記憶数を第1と第2の特別遊技でより差を出すことができ、第2の特別遊技の場合の期待感を極めて高めることができる。
なお、この実施の形態では、第1の変動表示装置が開状態となることによって普通変動入賞装置へ遊技球が入賞しない(若しくは入賞し難い)状態となり、第2の変動表示装置が開状態となることによっては普通変動入賞装置への遊技球の入賞状態には影響を及ぼさないような位置に第1及び第2変動表示装置と普通変動入賞装置を配設して、これにより価値の異なる特別遊技(第1の特別遊技及び第2の特別遊技)を発生可能にしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、第1の変動表示装置が開状態となることによって始動入賞口へ遊技球が入賞しないか若しくは入賞し難い状態となり、第2の変動表示装置が開状態となることによって逆に始動入賞口へ遊技球が入賞し易い状態となるような位置に第1及び第2変動表示装置と始動入賞口を配設しても良い。また、第1の変動入賞装置が開状態となることによっては始動入賞口への遊技球の入賞状態には影響を及ぼさず、第2の変動入賞装置が開状態となることによって始動入賞口へ遊技球が入賞し易い状態となるような位置に第1及び第2変動入賞装置と始動入賞口を配設しても良い。すなわち、第1の変動表示装置が開状態となった場合と、第2の変動表示装置が開状態となった場合で、相対的に始動入賞口への遊技球の入賞状態を異ならせることで、価値の異なる特別遊技を発生可能となっていれば良い。
以上のように、この実施の形態における遊技機によれば、所定条件の成立に基づき補助遊技を行い、当該補助遊技の結果が予め定められた特別結果となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技を発生可能な特別遊技発生手段を備えた遊技機において、前記特別遊技発生手段は、以前に発生した特別遊技に関連して変化する遊技条件に応じて、価値の異なる特別遊技を発生可能な異価値特別遊技発生手段を備えているので、価値の異なる特別遊技を発生することが可能であり、遊技内容をより多彩化でき興趣性を高めることができる。また、以前に発生した特別遊技に関連して変化する遊技条件に応じて、特別遊技の価値を異ならせるので、単純に1回の特別遊技の発生で特別遊技の価値が決定されるのではなく、複数の特別遊技に関連してその価値が決定されるような従来にない斬新な特別遊技の価値の決定態様となり、遊技者の期待感を高めることができる。
また、この実施の形態では、前記異価値特別遊技発生手段は、前回の特別遊技が終了してから今回の特別遊技が発生するまでに生じた所定の遊技事象数に基づいて、今回の特別遊技の価値を決定可能であるので、特別遊技が発生した際にその特別遊技の価値が前回の特別遊技から今回の特別遊技の発生までに生じた事象に応じて変化することとなり遊技内容を確実に多彩化することができ興趣性を高めることができる。また、前回の特別遊技が終了してから今回の特別遊技が発生するまでの間、遊技者の期待感を変化させることが可能な興趣性の高い遊技内容にすることができる。
さらに、この実施の形態では、前記異価値特別遊技発生手段は、第1の特別遊技と、該第1の特別遊技よりも価値の高い第2の特別遊技とを発生可能とし、前回の特別遊技が終了してから今回の特別遊技が発生するまでに実行された補助遊技の回数が予め定められた特定回数以内であった場合に、前記第2の特別遊技を発生可能としたので、前回の特別遊技が終了してから補助遊技が特定回数実行されるまでの間の遊技者の期待感を極めて高めることができる。特に前記特定回数を比較的少ない回数に設定すれば、特別遊技の連続した発生により遊技者の利益を高められる上、第2の特別遊技も発生することとなり遊技意欲を極めて高めることができる。また、補助遊技が特定回数よりも多くなってから発生した特別遊技は第1の特別遊技となるので、遊技店と遊技者の利益バランスが大きく崩れてしまう(遊技者の利益が大きくなりすぎてしまう)ことを防止できる。
またさらに、この実施の形態では、前回の特別遊技が終了してから今回の特別遊技が発生するまでに実行された補助遊技の回数が前記特定回数よりも多くなった場合でも、当該補助遊技の回数が所定回数以上であった場合には、前記第2の特別遊技を発生可能となっており、次の特別遊技の発生までに多数回の補助遊技を実行してしまった場合の救済処置的な機能を生じさせることができるし、補助遊技が前記特定回数よりも多くなった場合に、第2の特別遊技の発生の可能性が無くなることから遊技者が遊技を終了してしまうことを防止できる。
また、この実施の形態では、前記特別遊技が特定条件を満たして発生した場合に、当該特別遊技の終了後に、少なくとも次回の特別遊技の発生に関する制御が遊技者にとって有利となる特定遊技を発生可能となっており、前記異価値特別遊技発生手段は、第1の特別遊技と、該第1の特別遊技よりも価値の高い第2の特別遊技とを発生可能とし、特別遊技が前記特定遊技中に発生することを条件に、前記第2の特別遊技を発生可能としたので、特定遊技の発生により次回の特別遊技の発生に対する期待感を高めることができる上、次回の特別遊技が第2の特別遊技となることに対する期待感を高めることができる。また、次の特別遊技が発生するまで特定遊技を継続するようにした場合(従来の確率変動状態の場合)には、特定遊技の発生により次の特別遊技の発生が約束されたような状態になってしまうことから、特定遊技中にハラハラドキドキ感が生じず興趣を向上させるに至らなかったが、特定遊技中に発生する特別遊技に対してその価値を異ならせるようにすれば、特定遊技中にもハラハラドキドキ感を生じさせることができ興趣を向上させることができる。
さらに、この実施の形態では、前記異価値特別遊技発生手段は、第1の特別遊技と、該第1の特別遊技よりも価値の高い第2の特別遊技とを発生可能とし、以前に発生した特別遊技に関するデータがクリアされている状態において特別遊技が発生することを条件に、前記第2の特別遊技を発生可能としたので、遊技店の開店時等で以前に発生した特別遊技に関するデータがクリアされていた場合でも、第2の特別遊技が発生可能となるので、開店時に遊技者が遊技を敬遠する等を防止できる。また、そのような特典を狙って開店時に遊技者が好んで遊技を行うことも考えられ、遊技店においては効果的である。
またさらに、この実施の形態では、開状態と閉状態とに変換可能であると共に遊技球の入賞に基づき第1の賞球を付与可能な第1の変動入賞装置と、開状態と閉状態とに変換可能であると共に遊技球の入賞に基づき前記第1の賞球よりも多い第2の賞球を付与可能な第2の変動入賞装置と、を備え、前記異価値特別遊技発生手段は、前記第1の変動入賞装置を開状態に変換する第1の特別遊技と、前記第2の変動入賞装置を開状態に変換する第2の特別遊技と、を発生するものであるので、第1と第2の特別遊技の価値を確実に異ならせることが可能となる。従来は、特別遊技の繰り返し上限回数を変化させるようにして、遊技者が獲得できる遊技球数を変化させるようにしたものはあったが、このようにした場合に、価値の低い特別遊技が発生した場合には、短期間で特別遊技が終了することとなり、遊技者が十分に特別遊技を楽しめないといった問題があるが、本発明のようにすれば、価値の低い特別遊技が発生した場合にもその期間は変化しなくすることができるので、特別遊技を十分に楽しむことができる。また、1つの変動入賞装置を使用して第1の特別遊技と第2の特別遊技で入賞する遊技球に対する賞球数を変化させることも考えられるが、このようにすると、例えば、センサの手前で球詰まり等が生じてしまった場合に、その詰まった遊技球がどちらの特別遊技の状態で入賞したかが不明となり正確に賞球を付与することができなくなることもある。しかし本発明のようにすれば、そのような問題点は一切生じないばかりか、第1と第2の特別遊技とで開状態となる変動入賞装置が変化するので、第1と第2の特別遊技を明確に報知することも可能となる。
また、この実施の形態では、特別遊技が発生した場合に、その価値の高さを特定可能に報知する報知手段を備えたので、どの価値の特別遊技が発生したかを確実に遊技者に知らしめることができる。
さらに、この実施の形態では、価値の低い特別遊技が発生した場合でも、所定遊技条件の成立に基づいて当該特別遊技の途中から価値の高い特別遊技に変更可能な特別遊技価値変更手段を備えたので、仮に価値の低い特別遊技が発生した場合でも、価値の高い特別遊技に対する期待感を残すことができ、価値の低い特別遊技が発生した時点で遊技者が落胆してしまうことを防止できる。
またさらに、他の実施の形態では、遊技球の入賞に基づき前記補助遊技を始動可能な始動入賞口と、開状態と閉状態とに変換可能であると共に前記始動入賞口の上方側に設けられ、該開状態への変換により該始動入賞口へ遊技球を入賞させない若しくは入賞し難くすることが可能な第1の変動入賞装置と、開状態と閉状態とに変換可能であると共に前記始動入賞口の下方側に設けられた第2の変動入賞装置と、を備え、前記異価値特別遊技発生手段は、前記第1の変動入賞装置を開状態に変換する第1の特別遊技と、前記第2の変動入賞装置を開状態に変換する第2の特別遊技と、を発生可能とした。特別遊技が発生した場合に、その発生中において始動入賞口へ遊技球が入賞すると、始動権利として一時的に記憶され、当該特別遊技の終了後、始動権利の記憶数分の補助遊技(特別変動表示ゲーム)を実行するものとなっているため、この記憶数分の特別変動表示ゲームで再度特別結果態様が形成されると、特別遊技が連続して発生するような状態となり、遊技者の興味を始動権利の記憶数分の特別変動表示ゲームに集中させるようになっている。したがって、特別遊技の発生中に記憶される始動権利の記憶数を変化させることができれば連続した特別遊技の発生に対する遊技者の期待感が変化して遊技内容の単調化を防止できるが、1つの変動入賞装置を開状態に変換するような従来の特別遊技では、特別遊技中に記憶される始動記憶数は一定数(例えば、上限数である4個)となってしまうことが殆どであり、特別遊技の価値を異ならせることができなかったが、本発明のようにすれば、始動権利の記憶数に関連付けて特別遊技の価値を異ならせることが可能となり、遊技の興趣および次の特別遊技に対する期待感を向上させることができる。また、始動入賞口への遊技球の入賞数が異なれば、始動入賞により払出される賞球数も異なることとなり、さらに価値を異ならせることが可能となっている。
加えて、他の実施の形態では、新たな補助遊技の始動を待機させる状態中において、前記始動入賞口へ遊技球が入賞した場合に、補助遊技の始動権利を一時的に記憶する始動記憶手段を備え、前記始動記憶手段は、始動権利の記憶上限数を特別遊技が発生した場合に通常時よりも増加させる始動記憶上限増加手段を含んでいるので、特別遊技が発生した場合の始動権利の記憶数を第1と第2の特別遊技でより差を出すことができ、第2の特別遊技の場合の期待感を極めて高めることができる。
なお、この実施の形態では、特別変動入賞装置は第1及び第2の2種類が設けられていたが、これに限るものではない。例えば、1の入賞に対する賞球数の異なる3種類以上の特別変動入賞装置を設けてあっても良い。また、特別遊技は第1及び第2の2種類が発生するようになっていたが、これに限るものではなく、例えば、3種類以上の特別遊技が発生可能となっていても良い。さらに、ここに記載した以外の方法で特別遊技の価値を異ならせ、当該異なる価値を有する複数の特別遊技を条件に応じて発生させるようにしても良い。
また、この実施の形態では、大当り遊技中の始動権利の記憶上限数を13個としていたが、例えば、20個、30個のように多くすれば、より特別遊技の終了後の連続大当りの期待感を向上させることができる。さらに、この実施の形態では、大当り遊技中のみ始動権利の記憶上限数を増やすようにしているが、大当り遊技発生に関わらず通常時(特別遊技中以外の遊技中を指し、通常遊技中、特定遊技中、RAMクリア状態中などを含む)でも比較的多い上限数(13個)に設定してもよい。またさらに、第2の特別遊技が発生した場合にのみ始動記憶数の上限数を増やすようにしてもよい。
なお、この発明に係る遊技機は、前記したように第1種の遊技機に限るものではなく、例えば、第2種(所謂羽根物)の遊技機に適用してもよい。この場合、補助遊技としては、第1種の特別変動表示ゲームに換わって、変動入賞装置の可動部材を所定回数(例えば、0.5秒×1回若しくは0.6秒×2回)開閉させる羽根開閉遊技となる。また、該補助遊技の実行中(可動部材の開放動作により遊技球を変動入賞装置内部に受け入れ可能な状態中)に変動入賞装置内部に受け入れられた遊技球が、さらに、変動入賞装置内部に設けられた特別入賞領域へ入賞すると、特別結果として、特別遊技を実行する。特別遊技では、例えば、当該変動入賞装置の可動部材が補助遊技の時よりも多数回開放動作(例えば、0.6秒×最大18回の開放動作)することで、遊技者が多数の遊技球を獲得可能な状態となる。
また、本発明は、前記実施の形態のパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技機にも適用可能である。さらに、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明に係る遊技機によれば、異価値特別遊技発生手段により異なる特別遊技を発生することが可能となるので、遊技内容をより多彩化でき興趣性を高めることができる。また、第1と第2の特別遊技とで開状態となる変動入賞装置が変化するので、第1と第2の特別遊技の価値を確実に異ならせることが可能となるし、第1と第2の特別遊技を明確に報知することも可能となる。