JP2008106354A - 金属除去液及びこれを用いた金属除去方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の金属除去液は、パラジウム、スズ、銀、パラジウム合金、銀合金及びスズ合金を除去する溶液であって、前記金属除去液には鎖状チオカルボニル化合物を含む。本発明のパラジウム、スズ、銀、パラジウム合金、銀合金及びスズ合金の除去方法は、鎖状チオカルボニル化合物を含む金属除去液を使用して、銅又は銅合金と、パラジウム、スズ、銀、パラジウム合金、銀合金及びスズ合金から選ばれる少なくとも1つの金属を含む系から銅又は銅合金以外の金属を選択的に除去する。
【選択図】図1
Description
(1)鎖状チオカルボニル化合物
(2)酸
(3)ハロゲンイオン
1.鎖状チオカルボニル化合物
チオカルボニル化合物には、チオカルボニル基: >C=S の炭素が鎖状構造で結合しているもの(鎖状チオカルボニル化合物)と、環状構造で結合しているものがある。環状構造の化合物については、従来技術の項で「環状チオカルボニル」として説明した。
(1)チオ尿素化合物の例:1−アセチル−2−チオ尿素、1−アリル−3−(2−ヒドロキシエチル)−2−チオ尿素、1−アミジノ−2−チオ尿素、1,3−ジエチルチオ尿素、1,3−ジフェニルチオ尿素、1,3−ジブチルチオ尿素、1,3−ジメチルチオ尿素、チオ尿素、トリブチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素、テトラメチルチオ尿素、N−メチルチオ尿素など。
(2)チウラム化合物の例:テトラメチルチウラムジスルフィルド、テトラエチルチウラムジスルフィルド、テトラブチルチウラムジスルフィルドなど。
(3)ジチオカルバミン酸化合物の例:2−(N,N’−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバン酸ナトリウムなど。
(4)キサントゲン酸化合物の例:ブチルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸など。
2.酸
酸はパラジウム、スズ、及び銀の酸化を促進させ、溶解性を向上させるために配合される。本発明で使用できる酸は、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、タウリンなどのスルホン酸化合物、塩酸、硫酸、硝酸、ホウフッ化水素酸、リン酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などのカルボン酸を挙げることができる。このうち、塩酸を使用する場合には、後述するハロゲンイオンも同時に添加することができるため好ましい。酸の好ましい濃度はH+濃度として(以下同じ)0.001重量%以上0.7重量%以下であり、さらに好ましくは0.1重量%以上0.7重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以上0.7重量%以下の範囲である。酸を多量に配合することにデメリットはないが、例えば、塩酸を酸として使用した場合には、0.7重量%を超えると水に溶解しにくいという問題がある。0.001重量%未満だとパラジウム、スズ、及び銀の除去性が低下する傾向となる。
3.ハロゲンイオン
ハロゲンイオンは除去されたパラジウム、スズおよび銀を液中に安定的に保持するために配合される。ハロゲンイオンとしては特に制限なく使用しうるが、例えば、塩酸、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、臭化カリウム、フッ化ナトリウム、ヨウ化カリウムなどの塩をイオン源として挙げられる。
4.その他
本発明の金属除去剤には、必要に応じて界面活性剤や安定剤などの添加剤を適宜添加することができる。
1.パラジウム除去性試験
Pd付与板の作成方法
ガラスエポキシ樹脂製の厚さ:0.2mm,縦:10cm、横:10cmの基材を下記の処理をして作成した。
(1)プレコンディション液(奥野製薬社製・PIW−1)で45℃、2分浸漬処理し、水洗し、ATSコンディクリン液(奥野製薬社製・CIW−1)で65℃、5分浸漬処理を行い、樹脂基材を粗化した。
(2)プレディップ液(奥野製薬社製・OPC−SALH)で25℃、2分浸漬し、中和した。
(3)キャタリスト(奥野製薬社製・OPC−SALH、同社製 OPC−80)で25℃、15分浸漬処理し、水洗し、アクセレレーター(奥野製薬社製・OPC−505A、同社製 OPC−505B)で35℃、5分浸漬し、水洗し、乾燥することで、Pd触媒を付着させた。このようなPd付与板のPdの量は、19.1mg/m2であった。
上記実施例1〜7および比較例1〜3のガラスエポキシ樹脂基材を銅板(日立化成社製、商品名“MCL−E−679”、厚み0.2mm)に変えて銅基材にパラジウムを付与したPd付与板を作成し、実施例8および比較例4とした。
本実施例では、銅のエッチングレート試験を行った。前記実施例6の配合の液と、比較例4の配合液、すなわち、35重量%塩酸8重量%、65重量%硝酸20重量%、残イオン交換水を混合した液とで銅のエッチングレートを比較した。
この実施例ではスズ除去性試験を行った。表4に示す実施例10〜14の各液100mlにスズ板(有限会社ジャパンメタルサービス(代理店)、厚み:0.2mm、縦:4mm、横:4mm)を40℃、1分間浸漬して錫板の重量変化からエッチング速度を測定した。
この比較例もスズ除去性試験を行った。表4に示す比較例5〜7の各液100mlに銅板(日立化成工業株式会社製、商品名MCL−E−679、厚み:0.2mm、縦:4mm、横:4mm)を40℃、1分間浸漬して銅板の重量変化からエッチング速度を測定した。
本実施例では、銀除去率を測定した。ガラスエポキシ樹脂製の厚さ:0.2mm、縦:10cm、横:10cmの基材を下記の処理をして作成した。
(1)プレコンディション液(奥野製薬社製・PIW−1)で45℃、2分浸漬処理し、水洗し、ATSコンディクリン液(奥野製薬社製・CIW−1)で65℃、5分浸漬処理を行い、樹脂基材を粗化した。
(2)プレディップ液(奥野製薬社製・OPC−SALH)で25℃、2分浸漬し、中和した。
(3)キャタリスト(奥野製薬社製・OPC−SALH 、同社製 OPC−80)で25℃、15分浸漬処理し、水洗し、アクセレレーター(奥野製薬社製・OPC−505A、同社製 OPC−505B)で35℃、5分浸漬し、水洗し、乾燥することで、Pd触媒を付着させた。
(4)無電解銀めっき液(硝酸銀、ロシェル塩、アンモニア、水酸化ナトリウム含有)で25℃、10分浸漬し、水洗し、乾燥することで、樹脂基材表面に銀を析出させた。
Claims (18)
- パラジウム、スズ、銀、パラジウム合金、銀合金及びスズ合金を除去する金属除去液であって、
前記金属除去液には鎖状チオカルボニル化合物を含むことを特徴とする金属除去液。 - 前記金属除去液中の鎖状チオカルボニル化合物の濃度が、0.05重量%以上80重量%以下である請求項1に記載の金属除去液。
- 前記鎖状チオカルボニル化合物は、チオ尿素化合物、チウラム化合物、ジチオカルバミン酸化合物、キサントゲン酸化合物、エチルメチルチオケトン、2,4−ペンタンジチオン、2−チオキソ−4−チアゾリジノン(ローダニン)、2−チオウラシル、及びチオアセトアミドから選ばれる少なくとも1つの化合物である請求項1又2に記載の金属除去液。
- 前記金属除去液には、さらにハロゲンイオン及び酸から選ばれる少なくとも一つを含む請求項1〜3のいずれかに記載の金属除去液。
- 前記金属除去液中のハロゲンイオン濃度が0.03重量%以上30重量%以下である請求項4に記載の金属除去液。
- 前記ハロゲンイオンは、塩酸、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、臭化カリウム、フッ化ナトリウム、及びヨウ化カリウムから選ばれる少なくとも一つをイオン源とする請求項4又は5に記載の金属除去液。
- 前記金属除去液中の酸濃度が、H+濃度として0.001重量%以上0.7重量%以下である請求項4に記載の金属除去液。
- 前記酸は、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、タウリン、塩酸、硫酸、硝酸、ホウフッ化水素酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、及び酪酸から選ばれる少なくとも1つの酸である請求項4に記載の金属除去液。
- 鎖状チオカルボニル化合物を含む金属除去液を使用して、銅又は銅合金と、パラジウム、スズ、銀、パラジウム合金、銀合金及びスズ合金から選ばれる少なくとも1つの金属を含む系から、パラジウム、スズ、銀、パラジウム合金、銀合金及びスズ合金を選択的に除去することを特徴とする金属除去方法。
- 前記金属除去液中の鎖状チオカルボニル化合物の濃度が、0.05重量%以上80重量%以下である請求項9に記載の金属除去方法。
- 前記鎖状チオカルボニル化合物は、チオ尿素化合物、チウラム化合物、ジチオカルバミン酸化合物、キサントゲン酸化合物、エチルメチルチオケトン、2,4−ペンタンジチオン、2−チオキソ−4−チアゾリジノン(ローダニン)、2−チオウラシル、及びチオアセトアミドから選ばれる少なくとも1つの化合物である請求項9又は10に記載の金属除去方法。
- 前記金属除去液には、さらにハロゲンイオン及び酸から選ばれる少なくとも一つを含む請求項9〜11のいずれかに記載の金属除去方法。
- 前記金属除去液中のハロゲンイオン濃度が0.03重量%以上30重量%以下である請求項12に記載の金属除去方法。
- 前記ハロゲンイオンは、塩酸、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、臭化カリウム、フッ化ナトリウム、及びヨウ化カリウムから選ばれる少なくとも一つをイオン源とする請求項12に記載の金属除去方法。
- 前記金属除去液中の酸濃度が、H+濃度として0.001重量%以上0.7重量%以下である請求項12に記載の金属除去方法。
- 前記酸は、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、タウリン、塩酸、硫酸、硝酸、ホウフッ化水素酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、及び酪酸から選ばれる少なくとも1つの酸である請求項12に記載の金属除去方法。
- 前記除去する金属は、金属めっきを形成するために使用する触媒残渣である請求項9に記載の金属除去方法。
- 前記除去する金属は、銅表面上に施しためっき皮膜である請求項9に記載の金属除去方法。
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