JPH06280056A - スズ又はスズ合金皮膜用剥離剤 - Google Patents
スズ又はスズ合金皮膜用剥離剤Info
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- JPH06280056A JPH06280056A JP7218993A JP7218993A JPH06280056A JP H06280056 A JPH06280056 A JP H06280056A JP 7218993 A JP7218993 A JP 7218993A JP 7218993 A JP7218993 A JP 7218993A JP H06280056 A JPH06280056 A JP H06280056A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明の目的は、銅基材に対する侵食性が少な
く、しかも取扱い上の危険が少ない銅基材上のスズ又は
スズ合金皮膜用剥離剤を提供することである。 【構成】本発明は、無機酸及び/又は有機酸、芳香族ニ
トロ置換化合物、並びにチオエーテル基含有脂肪族アル
コール化合物を含有することを特徴とする銅基材上のス
ズ又はスズ合金皮膜用剥離剤を提供するものである。
く、しかも取扱い上の危険が少ない銅基材上のスズ又は
スズ合金皮膜用剥離剤を提供することである。 【構成】本発明は、無機酸及び/又は有機酸、芳香族ニ
トロ置換化合物、並びにチオエーテル基含有脂肪族アル
コール化合物を含有することを特徴とする銅基材上のス
ズ又はスズ合金皮膜用剥離剤を提供するものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銅基材上のスズ又はス
ズ合金皮膜用剥離剤に関する。
ズ合金皮膜用剥離剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、銅基材(特にプリント配線基板)
上に形成したスズ又はスズ合金皮膜用の剥離剤として
は、ホウフッ酸及び過酸化水素を含有する酸性溶液、硝
酸及び過酸化水素を含有する酸性溶液、芳香族ニトロ置
換化合物、無機酸、有機酸、チオ尿素誘導体等を含有す
る酸性溶液等が使用されている。しかしながら、これら
の剥離剤は、銅基材に対する侵食性が大きく、スズ又は
スズ合金を溶解剥離した後に銅基材の半田付け性が低下
し、プリント配線板の信頼性を低下させるという問題点
がある。また、ホウフッ酸や過酸化水素等を含有する剥
離剤では、劇物や危険物を使用しているため、取扱い上
種々の問題点がある。
上に形成したスズ又はスズ合金皮膜用の剥離剤として
は、ホウフッ酸及び過酸化水素を含有する酸性溶液、硝
酸及び過酸化水素を含有する酸性溶液、芳香族ニトロ置
換化合物、無機酸、有機酸、チオ尿素誘導体等を含有す
る酸性溶液等が使用されている。しかしながら、これら
の剥離剤は、銅基材に対する侵食性が大きく、スズ又は
スズ合金を溶解剥離した後に銅基材の半田付け性が低下
し、プリント配線板の信頼性を低下させるという問題点
がある。また、ホウフッ酸や過酸化水素等を含有する剥
離剤では、劇物や危険物を使用しているため、取扱い上
種々の問題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、銅基
材に対する侵食性が少なく、しかも取扱い上の危険が少
ない銅基材上のスズ又はスズ合金皮膜用剥離剤を提供す
ることにある。
材に対する侵食性が少なく、しかも取扱い上の危険が少
ない銅基材上のスズ又はスズ合金皮膜用剥離剤を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記した課題
を解決すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、無機酸
及び/又は有機酸と芳香族ニトロ置換化合物とを含有す
る剥離剤に、チオエーテル基含有脂肪族アルコール化合
物を添加した場合に、剥離剤による銅基材の侵食、変色
等が大きく抑制され、スズ又はスズ合金皮膜の剥離後に
銅基材の半田付け性が低下することがなく、しかも取扱
い上の危険性が少ないスズ又はスズ合金皮膜用剥離剤が
得られることを見出し、ここに本発明を完成するに至っ
た。
を解決すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、無機酸
及び/又は有機酸と芳香族ニトロ置換化合物とを含有す
る剥離剤に、チオエーテル基含有脂肪族アルコール化合
物を添加した場合に、剥離剤による銅基材の侵食、変色
等が大きく抑制され、スズ又はスズ合金皮膜の剥離後に
銅基材の半田付け性が低下することがなく、しかも取扱
い上の危険性が少ないスズ又はスズ合金皮膜用剥離剤が
得られることを見出し、ここに本発明を完成するに至っ
た。
【0005】即ち、本発明は、無機酸及び/又は有機
酸、芳香族ニトロ置換化合物、並びにチオエーテル基含
有脂肪族アルコール化合物を含有することを特徴とする
銅基材上のスズ又はスズ合金皮膜用剥離剤に係る。
酸、芳香族ニトロ置換化合物、並びにチオエーテル基含
有脂肪族アルコール化合物を含有することを特徴とする
銅基材上のスズ又はスズ合金皮膜用剥離剤に係る。
【0006】本発明の剥離剤に配合する無機酸として
は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等を挙げることができ、
有機酸としては、クエン酸、メタンスルホン酸、グリコ
ール酸げることができる。これらの無機酸及び有機酸
は、単独または二種類以上組み合わせて使用でき、その
添加量は10〜500g/l程度とすることが好まし
い。添加量が10g/l未満ではスズ又はスズ合金皮膜
の剥離速度が不十分となり、一方500g/lを上回る
と銅基材に対する侵食が大きくなるので好ましくない。
は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等を挙げることができ、
有機酸としては、クエン酸、メタンスルホン酸、グリコ
ール酸げることができる。これらの無機酸及び有機酸
は、単独または二種類以上組み合わせて使用でき、その
添加量は10〜500g/l程度とすることが好まし
い。添加量が10g/l未満ではスズ又はスズ合金皮膜
の剥離速度が不十分となり、一方500g/lを上回る
と銅基材に対する侵食が大きくなるので好ましくない。
【0007】本発明の剥離剤に配合する芳香族ニトロ置
換化合物は、スズ又はスズ合金皮膜の酸化剤として作用
するものであり、具体例としては、o−、m−又はp−
ニトロベンゼンスルホン酸、o−、m−又はp−ニトロ
安息香酸、o−、m−又はp−ニトロフェノール、及び
前記各化合物のリチウム、ナトリウム、マグネシウム、
カリウム、カルシウム、バリウム塩等を挙げることがで
きる。
換化合物は、スズ又はスズ合金皮膜の酸化剤として作用
するものであり、具体例としては、o−、m−又はp−
ニトロベンゼンスルホン酸、o−、m−又はp−ニトロ
安息香酸、o−、m−又はp−ニトロフェノール、及び
前記各化合物のリチウム、ナトリウム、マグネシウム、
カリウム、カルシウム、バリウム塩等を挙げることがで
きる。
【0008】本発明では、これらの中でも、性能、コス
トなどの点でm−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム
が最も好ましい。芳香族ニトロ置換化合物の添加量は、
1〜500g/l程度とすることが好ましく、5〜20
0g/l程度とすることがより好ましい。芳香族ニトロ
置換化合物の添加量が5g/l未満では酸化力が不足し
て剥離性能が不十分となり、また、200g/lを超え
て添加してもそれ以上の酸化力が期待できず不経済であ
る。
トなどの点でm−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム
が最も好ましい。芳香族ニトロ置換化合物の添加量は、
1〜500g/l程度とすることが好ましく、5〜20
0g/l程度とすることがより好ましい。芳香族ニトロ
置換化合物の添加量が5g/l未満では酸化力が不足し
て剥離性能が不十分となり、また、200g/lを超え
て添加してもそれ以上の酸化力が期待できず不経済であ
る。
【0009】本発明の剥離剤に配合するチオエーテル基
含有脂肪族アルコール化合物は、スズ又はスズ合金皮膜
の酸化を促進する働きをするものであり、これを配合す
ることなく、酸及び芳香族ニトロ置換化合物のみを配合
した剥離剤では、スズ又はスズ合金皮膜の剥離を充分に
行うことができない。また、チオエーテル基含有脂肪族
アルコール化合物は、銅基材に対するインヒビターとし
ても機能するものであり、これを配合することによっ
て、銅及び銅合金基材を殆ど侵すことがなくスズ及びス
ズ合金を剥離することが可能となる。
含有脂肪族アルコール化合物は、スズ又はスズ合金皮膜
の酸化を促進する働きをするものであり、これを配合す
ることなく、酸及び芳香族ニトロ置換化合物のみを配合
した剥離剤では、スズ又はスズ合金皮膜の剥離を充分に
行うことができない。また、チオエーテル基含有脂肪族
アルコール化合物は、銅基材に対するインヒビターとし
ても機能するものであり、これを配合することによっ
て、銅及び銅合金基材を殆ど侵すことがなくスズ及びス
ズ合金を剥離することが可能となる。
【0010】該チオエーテル基含有脂肪族アルコール化
合物の内で、好ましいものとしては、2−(メチルチ
オ)エタノール〔CH3 SC2 H4 OH〕、3,6−ジ
チア−オクタノール〔C2 H5 SC2 H4 SC2 H4 O
H〕、3,6,9−トリチア−ウンデカノール〔C2 H
5 SC2 H4 SC2 H4 SC2 H4 OH〕等の一般式R
1 (SR2 )mOH〔式中、R1 は炭素数1〜6のアル
キル基、R2 は炭素数1〜6のアルキレン基、mは1〜
3の整数である。〕で表わされる化合物;チオジグリコ
ール〔HOC2 H4 SC2 H4 OH〕、1,1−ビス
(2−ヒドロキシエチルチオ)メタン〔HOC2 H4 S
CH2 SC2 H4 OH〕、1,2−ビス(2−ヒドロキ
シエチルチオ)エタン〔HOC2 H4 SC2 H4 SC2
H4 OH〕、3,6,9−トリチア−1,11−ウンデ
カンジオール〔HOC2 H4 SC2 H4 SC2 H4 SC
2 H4 OH〕等の一般式 HOR1 (SR2 )nOH
〔式中、R1 、R2 は炭素数1〜6のアルキレン基、n
は1〜3の整数である。〕で表わされる化合物等を例示
できる。
合物の内で、好ましいものとしては、2−(メチルチ
オ)エタノール〔CH3 SC2 H4 OH〕、3,6−ジ
チア−オクタノール〔C2 H5 SC2 H4 SC2 H4 O
H〕、3,6,9−トリチア−ウンデカノール〔C2 H
5 SC2 H4 SC2 H4 SC2 H4 OH〕等の一般式R
1 (SR2 )mOH〔式中、R1 は炭素数1〜6のアル
キル基、R2 は炭素数1〜6のアルキレン基、mは1〜
3の整数である。〕で表わされる化合物;チオジグリコ
ール〔HOC2 H4 SC2 H4 OH〕、1,1−ビス
(2−ヒドロキシエチルチオ)メタン〔HOC2 H4 S
CH2 SC2 H4 OH〕、1,2−ビス(2−ヒドロキ
シエチルチオ)エタン〔HOC2 H4 SC2 H4 SC2
H4 OH〕、3,6,9−トリチア−1,11−ウンデ
カンジオール〔HOC2 H4 SC2 H4 SC2 H4 SC
2 H4 OH〕等の一般式 HOR1 (SR2 )nOH
〔式中、R1 、R2 は炭素数1〜6のアルキレン基、n
は1〜3の整数である。〕で表わされる化合物等を例示
できる。
【0011】チオエーテル基含有脂肪族アルコール化合
物の添加量は0.01〜200g/l程度とすることが
好ましく、0.5〜100g/l程度とすることがより
好ましい。添加量が0.5g/l未満では剥離促進効果
が弱くなって、剥離時間が長くなり、一方100g/l
を上回ると銅に対する侵食力が大きくなって、スズ又は
スズ合金皮膜の剥離後の半田付け性の低下などの弊害を
引き起こすので好ましくない。
物の添加量は0.01〜200g/l程度とすることが
好ましく、0.5〜100g/l程度とすることがより
好ましい。添加量が0.5g/l未満では剥離促進効果
が弱くなって、剥離時間が長くなり、一方100g/l
を上回ると銅に対する侵食力が大きくなって、スズ又は
スズ合金皮膜の剥離後の半田付け性の低下などの弊害を
引き起こすので好ましくない。
【0012】本発明の剥離剤には、その他、必要に応じ
て、従来の剥離剤と同様に、硝酸を含有する場合のNO
x 発生防止剤として尿素やスルファミン酸などを添加す
ることもできる。
て、従来の剥離剤と同様に、硝酸を含有する場合のNO
x 発生防止剤として尿素やスルファミン酸などを添加す
ることもできる。
【0013】本発明の剥離剤は、上記した各成分を含有
する水溶液からなるものであり、これを用いた剥離方法
は従来と同様でよく、例えば、液温5〜50℃程度で、
浸漬法、スプレー法等によってスズ又はスズ合金皮膜が
剥離されるまで処理を行なえば良い。
する水溶液からなるものであり、これを用いた剥離方法
は従来と同様でよく、例えば、液温5〜50℃程度で、
浸漬法、スプレー法等によってスズ又はスズ合金皮膜が
剥離されるまで処理を行なえば良い。
【0014】本発明剥離剤の処理対象となるスズ又はス
ズ合金皮膜は、銅基材上にめっき法、溶融法等によって
形成されたものであり、スズ合金としては、半田、スズ
−ニッケル、スズ−コバルト、スズ−亜鉛等を挙げるこ
とができる。また、銅基材としては、銅金属の他に、リ
ン青銅、無酸素銅、ベリリウム銅、真鍮、洋白等の銅合
金も適用対象となる。
ズ合金皮膜は、銅基材上にめっき法、溶融法等によって
形成されたものであり、スズ合金としては、半田、スズ
−ニッケル、スズ−コバルト、スズ−亜鉛等を挙げるこ
とができる。また、銅基材としては、銅金属の他に、リ
ン青銅、無酸素銅、ベリリウム銅、真鍮、洋白等の銅合
金も適用対象となる。
【0015】
【発明の効果】本発明剥離剤により下記の如き顕著な効
果が達成される。
果が達成される。
【0016】(1)銅又は銅合金基材を殆ど侵すことが
なく、スズ又はスズ合金皮膜を剥離することができ、こ
のため剥離後に銅基材の半田付け性が低下しない。
なく、スズ又はスズ合金皮膜を剥離することができ、こ
のため剥離後に銅基材の半田付け性が低下しない。
【0017】(2)従来のフッ化物や過酸化水素水を含
有する剥離剤と比べて、使用時の危険性が少ない。
有する剥離剤と比べて、使用時の危険性が少ない。
【0018】(3)チオエーテル基含有脂肪族アルコー
ル化合物が、強酸性浴中で比較的安定であるため、従来
の強酸性中で不安定なチオ尿素又はその誘導体を配合し
た剥離剤と比べて剥離速度の低下が少ない。
ル化合物が、強酸性浴中で比較的安定であるため、従来
の強酸性中で不安定なチオ尿素又はその誘導体を配合し
た剥離剤と比べて剥離速度の低下が少ない。
【0019】(4)チオエーテル基含有脂肪族アルコー
ル化合物が、スズ又はスズ合金の酸化を適度に促進する
働きをするため、従来のチオ尿素又はその誘導体を配合
した剥離剤と比べて、溶解した金属の沈澱が発生し難
く、液寿命が長い。
ル化合物が、スズ又はスズ合金の酸化を適度に促進する
働きをするため、従来のチオ尿素又はその誘導体を配合
した剥離剤と比べて、溶解した金属の沈澱が発生し難
く、液寿命が長い。
【0020】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
明する。
【0021】実施例1 50×50×0.3mmの銅板に、15μmの硫酸銅め
っきを施し、その上に膜厚15μmのスズめっき皮膜を
形成させたものを試料とし、表1に示す配合の剥離剤
(本発明浴)を使用して、25℃、1kg/cm2 の圧
力でスプレー法によりスズめっき皮膜の剥離を行い、ス
ズの剥離速度を求めた。また、比較として、表1に示す
チオ尿素を含有する従来の剥離剤(従来浴)を用いて同
様の試験を行なった。
っきを施し、その上に膜厚15μmのスズめっき皮膜を
形成させたものを試料とし、表1に示す配合の剥離剤
(本発明浴)を使用して、25℃、1kg/cm2 の圧
力でスプレー法によりスズめっき皮膜の剥離を行い、ス
ズの剥離速度を求めた。また、比較として、表1に示す
チオ尿素を含有する従来の剥離剤(従来浴)を用いて同
様の試験を行なった。
【0022】
【表1】
【0023】また、硫酸銅めっき浴による銅めつき皮膜
を形成した試料について、片面をマスキングした後、上
記と同様の条件で剥離剤を10分間スプレーして、銅の
侵食量(エッチング量)を測定した。尚、銅の侵食量は
次式により求めた。
を形成した試料について、片面をマスキングした後、上
記と同様の条件で剥離剤を10分間スプレーして、銅の
侵食量(エッチング量)を測定した。尚、銅の侵食量は
次式により求めた。
【0024】
【化1】
【0025】以上の結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】この結果から判るように、本発明浴を用い
た場合には、溶存スズ濃度が60g/lとなっても剥離
速度はほぼ一定であり、剥離速度の低下が非常に少な
く、また、銅侵食量は0.1μm/分以下であり、銅基
材はほとんど侵食されなかった。
た場合には、溶存スズ濃度が60g/lとなっても剥離
速度はほぼ一定であり、剥離速度の低下が非常に少な
く、また、銅侵食量は0.1μm/分以下であり、銅基
材はほとんど侵食されなかった。
【0028】実施例2 1×5cmの銅板上に硫酸銅めっき皮膜を15μm、ス
ズめっき皮膜を15μm形成した試料を用い、実施例1
で用いた本発明浴及び比較浴を使用して、各剥離剤につ
いて溶存スズ濃度を0〜60g/lの間で変化させて、
25℃の液温で浸漬法によりスズめっき皮膜を完全に剥
離した。その後、表3に示す条件で半田付け性試験(メ
ニスコグラフ法)を行なった。結果を表4に示す。
ズめっき皮膜を15μm形成した試料を用い、実施例1
で用いた本発明浴及び比較浴を使用して、各剥離剤につ
いて溶存スズ濃度を0〜60g/lの間で変化させて、
25℃の液温で浸漬法によりスズめっき皮膜を完全に剥
離した。その後、表3に示す条件で半田付け性試験(メ
ニスコグラフ法)を行なった。結果を表4に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】以上の結果から判るように、本発明浴を用
いてスズを剥離した場合には、剥離剤中の溶存スズ濃度
が60g/lとなっても短時間でゼロクロスタイムが得
られ、半田付け性が良好であったが、比較浴(チオ尿素
浴)を用いた場合には、溶存スズ濃度が高くなるにつれ
てゼロクロスタイムが長くなり、スズ濃度40g/l以
上ではゼロクロスタイムが得られず、半田付け性の著し
い低下が認められた。
いてスズを剥離した場合には、剥離剤中の溶存スズ濃度
が60g/lとなっても短時間でゼロクロスタイムが得
られ、半田付け性が良好であったが、比較浴(チオ尿素
浴)を用いた場合には、溶存スズ濃度が高くなるにつれ
てゼロクロスタイムが長くなり、スズ濃度40g/l以
上ではゼロクロスタイムが得られず、半田付け性の著し
い低下が認められた。
【0032】実施例3 50×50×0.3mmの銅板に、15μmの硫酸銅め
っきを施し、その上に膜厚15μmの半田めっき(ス
ズ;亜鉛=6:4)皮膜を形成させたものを試料とし、
下記表5に示す本発明剥離剤浴及び従来浴を使用して2
5℃で浸漬剥離を行ない、スズ剥離時間及び剥離後の硫
酸銅表面状態を観察した。
っきを施し、その上に膜厚15μmの半田めっき(ス
ズ;亜鉛=6:4)皮膜を形成させたものを試料とし、
下記表5に示す本発明剥離剤浴及び従来浴を使用して2
5℃で浸漬剥離を行ない、スズ剥離時間及び剥離後の硫
酸銅表面状態を観察した。
【0033】
【表5】
【0034】その結果、本発明浴を用いた場合には、1
5μmの半田を2分間で剥離でき、剥離後の銅表面は光
沢があり殆どエッチングされていなかった。一方、比較
として用いた過酸化物含有タイプ従来浴を用いた場合に
は、半田剥離時間は本発明浴の倍以上の5分かかり、ま
た、剥離後の銅表面は光沢がなくエッチングされてい
た。
5μmの半田を2分間で剥離でき、剥離後の銅表面は光
沢があり殆どエッチングされていなかった。一方、比較
として用いた過酸化物含有タイプ従来浴を用いた場合に
は、半田剥離時間は本発明浴の倍以上の5分かかり、ま
た、剥離後の銅表面は光沢がなくエッチングされてい
た。
【0035】実施例4
【0036】
【表6】
【0037】上記表6に示す本発明剥離剤浴とチオ尿素
誘導体含有従来浴を用い、実施例1と同じ硫酸銅めっき
−スズめっきを施した銅板を試料として、連続的にスズ
めっき皮膜を溶解させ、剥離剤中のスズ許容濃度を比較
した。本発明浴では、溶存スズ濃度が80g/l以上に
なった場合にもスズめっき皮膜の剥離が可能であったの
に対して、従来浴では溶存スズ濃度が50g/lを上回
った段階で白色沈澱が発生し、剥離速度が大きく低下し
た。
誘導体含有従来浴を用い、実施例1と同じ硫酸銅めっき
−スズめっきを施した銅板を試料として、連続的にスズ
めっき皮膜を溶解させ、剥離剤中のスズ許容濃度を比較
した。本発明浴では、溶存スズ濃度が80g/l以上に
なった場合にもスズめっき皮膜の剥離が可能であったの
に対して、従来浴では溶存スズ濃度が50g/lを上回
った段階で白色沈澱が発生し、剥離速度が大きく低下し
た。
【0038】実施例5
【0039】
【表7】
【0040】上記表7に示す本発明浴と、フッ化物及び
過酸化水素を含有する従来浴を使用し、実施例3と同じ
半田めっきを施した銅板を試料として、浸漬法により2
5℃で5分間半田めっき皮膜の剥離を行なった。その結
果、いずれの剥離液を用いた場合にも、半田皮膜は完全
に剥離されたが、剥離後の銅表面は、本発明浴を用いた
場合には、光沢があり殆どエッチングされていなかった
のに対して、従来浴を用いた場合には、エッチングされ
光沢が失われていた。
過酸化水素を含有する従来浴を使用し、実施例3と同じ
半田めっきを施した銅板を試料として、浸漬法により2
5℃で5分間半田めっき皮膜の剥離を行なった。その結
果、いずれの剥離液を用いた場合にも、半田皮膜は完全
に剥離されたが、剥離後の銅表面は、本発明浴を用いた
場合には、光沢があり殆どエッチングされていなかった
のに対して、従来浴を用いた場合には、エッチングされ
光沢が失われていた。
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】本発明の剥離剤に配合する無機酸として
は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等を挙げることができ、
有機酸としては、クエン酸、メタンスルホン酸、グリコ
ール酸等を挙げることができる。これらの無機酸及び有
機酸は、単独または二種類以上組み合わせて使用でき、
その添加量は10〜500g/l程度とすることが好ま
しい。添加量が10g/l未満ではスズ又はスズ合金皮
膜の剥離速度が不十分となり、一方500g/lを上回
ると銅基材に対する侵食が大きくなるので好ましくな
い。
は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等を挙げることができ、
有機酸としては、クエン酸、メタンスルホン酸、グリコ
ール酸等を挙げることができる。これらの無機酸及び有
機酸は、単独または二種類以上組み合わせて使用でき、
その添加量は10〜500g/l程度とすることが好ま
しい。添加量が10g/l未満ではスズ又はスズ合金皮
膜の剥離速度が不十分となり、一方500g/lを上回
ると銅基材に対する侵食が大きくなるので好ましくな
い。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明では、これらの中でも、性能、コス
トなどの点でm−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム
が最も好ましい。芳香族ニトロ置換化合物の添加量は、
1〜500g/l程度とすることが好ましく、5〜20
0g/l程度とすることがより好ましい。芳香族ニトロ
置換化合物の添加量が1g/l未満では酸化力が不足し
て剥離性能が不十分となり、また、500g/lを超え
て添加してもそれ以上の酸化力が期待できず不経済であ
る。
トなどの点でm−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム
が最も好ましい。芳香族ニトロ置換化合物の添加量は、
1〜500g/l程度とすることが好ましく、5〜20
0g/l程度とすることがより好ましい。芳香族ニトロ
置換化合物の添加量が1g/l未満では酸化力が不足し
て剥離性能が不十分となり、また、500g/lを超え
て添加してもそれ以上の酸化力が期待できず不経済であ
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】チオエーテル基含有脂肪族アルコール化合
物の添加量は0.01〜200g/l程度とすることが
好ましく、0.5〜100g/1程度とすることがより
好ましい。添加量が0.01g/l未満では剥離促進効
果が弱くなって、剥離時間が長くなり、一方200g/
lを上回ると銅に対する侵食力が大きくなって、スズ又
はスズ合金皮膜の剥離後の半田付け性の低下などの弊害
を引き起こすので好ましくない。
物の添加量は0.01〜200g/l程度とすることが
好ましく、0.5〜100g/1程度とすることがより
好ましい。添加量が0.01g/l未満では剥離促進効
果が弱くなって、剥離時間が長くなり、一方200g/
lを上回ると銅に対する侵食力が大きくなって、スズ又
はスズ合金皮膜の剥離後の半田付け性の低下などの弊害
を引き起こすので好ましくない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】
【表7】
Claims (1)
- 【請求項1】 無機酸及び/又は有機酸、芳香族ニトロ
置換化合物、並びにチオエーテル基含有脂肪族アルコー
ル化合物を含有することを特徴とする銅基材上のスズ又
はスズ合金皮膜用剥離剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7218993A JPH06280056A (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | スズ又はスズ合金皮膜用剥離剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7218993A JPH06280056A (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | スズ又はスズ合金皮膜用剥離剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06280056A true JPH06280056A (ja) | 1994-10-04 |
Family
ID=13482020
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7218993A Pending JPH06280056A (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | スズ又はスズ合金皮膜用剥離剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06280056A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008106354A (ja) * | 2006-09-25 | 2008-05-08 | Mec Kk | 金属除去液及びこれを用いた金属除去方法 |
JP2016148081A (ja) * | 2015-02-12 | 2016-08-18 | メック株式会社 | エッチング液及びエッチング方法 |
-
1993
- 1993-03-30 JP JP7218993A patent/JPH06280056A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008106354A (ja) * | 2006-09-25 | 2008-05-08 | Mec Kk | 金属除去液及びこれを用いた金属除去方法 |
JP2016148081A (ja) * | 2015-02-12 | 2016-08-18 | メック株式会社 | エッチング液及びエッチング方法 |
EP3257969B1 (en) * | 2015-02-12 | 2020-04-22 | Mec Company Ltd. | Etching liquid and etching method |
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