図1には、本発明の実施の形態に係るウエビング巻取装置としてのモータリトラクタ10の全体構成の概略が正面図により示されており、図2には、モータリトラクタ10の全体構成の概略が分解斜視図にて示されている。さらに、図3には、モータリトラクタ10の主要部の構成が分解斜視図にて示されており、図4には、モータリトラクタ10の主要部の構成が断面図にて示されている。
本実施の形態に係るモータリトラクタ10は、配置部材としての断面U字形板状のフレーム12を備えている。フレーム12には、平板状の背板14が設けられており、背板14がボルト等の図示しない締結手段によって車体に固定されることで、フレーム12を介してモータリトラクタ10が車体に固定されている。背板14の他側(矢印B側)端及び一側(矢印A側)端からは、それぞれ平板状の一対の脚片16、18が同一側に延設されており、一対の脚片16、18は、それぞれ背板14に対し垂直にされて、互いに平行にされている。
フレーム12内には、一対の脚片16、18間において、巻取軸としての略円軸状のスプール20が回転可能に配置されており、スプール20は、ダイカスト等によって製作されている。スプール20には、軸状のアダプタ24が一体かつ同軸的に設けられており、アダプタ24は、スプール20から他側(矢印B側)に突出されて、フレーム12の外側(脚片16の他側(矢印B側))に突出している。
スプール20には、長尺帯状に形成されたウエビング28(シートベルト)の基端部が固定されており、スプール20が巻取方向(矢印G方向)へ回転されると、ウエビング28が基端側からスプール20の外周部に層状に巻き取られる。また、ウエビング28が先端側から引っ張られると、スプール20の外周部に巻き取られたウエビング28がスプール20から引き出され、これに伴い、スプール20が引出方向(矢印H方向)へ回転する。
フレーム12の外側には、脚片18の一側(矢印A側)において、ケース22が固定されている。ケース22内には、図示しないロック機構等が収容されており、ロック機構は、通常はスプール20の巻取方向(矢印G方向)及び引出方向(矢印H方向)の自由な回転を許容し、車両の緊急時(例えば車両の衝突時)にはスプール20の引出方向(矢印H方向)の回転を阻止する。
フレーム12の外側には、脚片16の他側(矢印B側)において、収容部材としてのケース32が固定されている。図5及び図7に詳細に示す如く、ケース32には、略円柱状の第1収容部38が形成されており、第1収容部38は、一側(矢印A側)に開口されて、ケース32にビス止めされたカバー34によって一側(矢印A側)から閉塞されている。カバー34には、スプール20のアダプタ24が回転自在に貫通されており、アダプタ24は、第1収容部38内に配置されている。また、ケース32には、第2収容部40が形成されており、第2収容部40は、他側(矢印B側)に開口されて、ケース32にビス止めされたカバー36によって他側(矢印B側)から閉塞されている。
ケース32の第1収容部38内には、一側(矢印A側)部分において、巻取機構42を構成する金属製板状の駆動ギヤ46が収容されており、駆動ギヤ46は、平歯車とされている。駆動ギヤ46は、スプール20のアダプタ24に一体かつ同軸的に連結されており、駆動ギヤ46は、アダプタ24を介してスプール20と一体に回転可能にされている。
ケース32の第1収容部38内には、他側(矢印B側)部分において、付勢手段としての渦巻きばね44が収容されている。渦巻きばね44は、内端がスプール20のアダプタ24に係止されると共に、外端が第1収容部38の外周に係止されており、渦巻きばね44は、アダプタ24を介してスプール20を巻取方向(矢印G方向)へ付勢している。これにより、スプール20から引き出されたウエビング28が、渦巻きばね44の付勢力によって、スプール20に全量(巻き取り可能な全量)を車両との摩擦力に抗して巻き取り可能にされている。
ケース32の第1収容部38内には、駆動ギヤ46と渦巻きばね44との間において、制限機構としてのテンションリデューサ機構60を構成する制限部材としての略有底円筒状の制限体62が収容されており、制限体62は、スプール20のアダプタ24に同軸的に支持されており、制限体62は、スプール20(アダプタ24)に対して回転自在にされている。制限体62の外周には、板状の制限凸部64が複数連続して形成されており、制限凸部64は、制限体62から径方向外側へ外面断面台形状に突出されて、巻取方向(矢印G方向)側の面が、引出方向(矢印H方向)側の面に比し、制限体62の径方向外方に対する角度を小さくされている。
スプール20のアダプタ24には、制限体62の内部において、テンションリデューサ機構60を構成する制限付勢手段としての捩りコイルばね66が支持されており、捩りコイルばね66は、一端がアダプタ24に係止されると共に、他端が制限体62に係止されている。これにより、制限体62がスプール20(アダプタ24)と共に回転可能にされている。
ケース32の一側(矢印A側)面には、モータ48が固定されており、モータ48は、フレーム12の一対の脚片16、18間に配置されている。モータ48の出力軸50は、モータ48から他側(矢印B側)へ突出してケース32を貫通しており、出力軸50はケース32の第2収容部40に収容されると共に、出力軸50には平歯車である出力ギヤ52が固定されている。
図6及び図8に詳細に示す如く、ケース32の第2収容部40内には、テンションリデューサ機構60を構成する駆動部材としてのドライブギヤ56が収容されており、ドライブギヤ56は、軸心部をケース32に取り付けられた支軸58に回転自在に支持されて、ケース32に回転自在に支持されている。ドライブギヤ56は、平歯車にされて、外周がモータ48の出力ギヤ52に噛合されており、モータ48が正方向(他方向)へ駆動されて出力軸50及び出力ギヤ52が軸線周り一方(矢印C方向)へ回転されると、ドライブギヤ56が軸線周り一方(矢印E方向)へ回転可能にされると共に、モータ48が逆方向(一方向)へ駆動されて出力軸50及び出力ギヤ52が軸線周り他方(矢印D方向)へ回転されると、ドライブギヤ56が軸線周り他方(矢印F方向)へ回転可能にされている。
ドライブギヤ56には、テンションリデューサ機構60のスリップ手段を構成する円柱状のスリップ凹部68が同軸的に形成されており、スリップ凹部68はドライブギヤ56から一側(矢印A側)へ開口されている。スリップ凹部68内には、スリップ手段を構成するスリップ付勢手段としての略円筒状のスリップスプリング70が収容されており、スリップスプリング70は、付勢力によってスリップ凹部68の内周面に弾性接触されて、スリップ凹部68の内周面との間の摩擦力によりドライブギヤ56と一体に回転可能にされている。スリップスプリング70の周方向一部は分離されており、スリップスプリング70には、当該分離部分の周方向両側において、平板状の挿入板70Aが屈曲形成されている。
ドライブギヤ56の一側(矢印A側)には、テンションリデューサ機構60を構成する作動部材としてのカム72が配置されており、カム72は、軸心部を支軸58に回転自在に支持されて、ケース32に回転自在に支持されている。
カム72の他側(矢印B側)部分は、略円柱状にされて、ドライブギヤ56のスリップ凹部68内におけるスリップスプリング70内に挿入されており、カム72の他側(矢印B側)部分の外周には、一対の挿入凹部72Aが形成されている。一対の挿入凹部72Aには、それぞれスリップスプリング70の一対の挿入板70Aが挿入されており、これにより、カム72がスリップスプリング70と一体に回転可能にされている。
カム72には、一側(矢印A側)部分と他側(矢印B側)部分との中間部分において、柱状のカム部74が形成されており、カム部74の径は、最小径の部分から軸線周り他方(矢印F方向)へ向かうに従い徐々に大きくされている。
カム72の一側(矢印A側)部分には、スリップ手段を構成する楕円柱状の係止突起76が形成されており、係止突起76はカム72から一側(矢印A側)へ突出している。係止突起76に対応して、第2収容部40の一側(矢印A側)面(底面)には、スリップ手段を構成する正面視略円状の係止凹部78が形成されており、係止凹部78の周方向一部は分離されている。係止凹部78には、カム72の係止突起76が挿入されており、カム72が回転されることで、係止突起76が係止凹部78に沿って公転可能にされている。
ここで、ドライブギヤ56、スリップスプリング70及びカム72が軸線周り一方(矢印E方向)へ回転されて、係止突起76が係止凹部78の軸線周り一方(矢印E方向)側端に当接すると、カム72及びスリップスプリング70の軸線周り一方(矢印E方向)への回転が阻止されて、ドライブギヤ56がスリップスプリング70及びカム72に対し軸線周り一方(矢印E方向)へ相対回転(スリップ)される。これにより、カム部74の最大径部位が上記制限体62に対向する。
一方、ドライブギヤ56、スリップスプリング70及びカム72が軸線周り他方(矢印F方向)へ回転されて、係止突起76が係止凹部78の軸線周り他方(矢印F方向)側端に当接すると、スリップスプリング70及びカム72の軸線周り他方(矢印F方向)への回転が阻止されて、ドライブギヤ56がスリップスプリング70及びカム72に対し軸線周り他方(矢印F方向)へ相対回転(スリップ)される。これにより、カム部74の最小径部位が制限体62に対向する。
ケース32の第2収容部40内には、テンションリデューサ機構60を構成する係止手段としてのパウル機構80が収容されており、パウル機構80には、第1係止部材としての第1パウル82が設けられており、第1パウル82は、一端をケース32に取り付けられた支軸26に回転自在に支持されて、ケース32に回転自在に支持されている。パウル機構80には、第2係止部材としての第2パウル84が設けられており、第2パウル84は、一端を第1パウル82の一端近傍に回転自在に支持されている。
パウル機構80には、係止付勢手段としてのリターンスプリング54が設けられており、リターンスプリング54は、捩りコイルスプリングにされて支軸26に支持されると共に、一端が第2収容部40の外周面に係止されている。リターンスプリング54の他端は、第1パウル82に貫通形成された楕円状の長孔82Aに貫通されて第1パウル82に係止されると共に、第2パウル84に形成された円状の凹部84Aに挿入されて第2パウル84に係止されており、これにより、リターンスプリング54によって、第1パウル82及び第2パウル84が制限体62の反対側へ回動される方向へ付勢されて第1パウル82の他端がカム72のカム部74に当接されると共に、第2パウル84が第1パウル82に対し制限体62側へ回動される方向へ付勢されている。また、第2収容部40は、第2パウル84の他端近傍において、第1収容部38に連通されており、第2パウル84の他端は制限体62の外周に接触可能にされている。
図9(A)に示す如く、カム72が軸線周り他方(矢印F方向)へ回転され、係止突起76が係止凹部78の軸線周り他方(矢印F方向)側端に当接してカム部74の最小径部位が制限体62に対向する際には、リターンスプリング54の付勢力によって第1パウル82及び第2パウル84が制限体62の反対側の回動位置に配置されて、第2パウル84の他端が制限体62の外周から離間される。このため、上記スプール20(アダプタ24)、捩りコイルばね66及び制限体62が一体に回転可能にされる。
一方、図9(B)及び図9(C)に示す如く、カム72が軸線周り一方(矢印E方向)へ回転され、係止突起76が係止凹部78の軸線周り一方(矢印E方向)側端に当接してカム部74の最大径部位が制限体62に対向する際には、リターンスプリング54の付勢力に抗して第1パウル82及び第2パウル84が制限体62側の回動位置に配置されて、第2パウル84の他端が制限体62の外周に接触される。
このため、図9(B)に示す如く、上記渦巻きばね44の付勢力によってスプール20(アダプタ24)と共に制限体62が巻取方向(矢印G方向)へ回転される際には、制限体62の制限凸部64の巻取方向(矢印G方向)側の面が第2パウル84の他端に係止されて、制限体62の巻取方向(矢印G方向)への回転が阻止される。これにより、渦巻きばね44の付勢力によってスプール20(アダプタ24)が巻取方向(矢印G方向)へ回転されるに伴い、上記捩りコイルばね66の付勢力によるスプール20(アダプタ24)の引出方向(矢印H方向)への回転力が大きくなり、渦巻きばね44の付勢力によるスプール20の巻取方向(矢印G方向)への回転力が捩りコイルばね66の付勢力によって制限されて、スプール20の巻取方向(矢印G方向)への回転力が弱くされる。
また、図9(C)に示す如く、ウエビング28がスプール20から引き出されて、渦巻きばね44の付勢力によるスプール20(アダプタ24)の巻取方向(矢印G方向)への回転力に比し、捩りコイルばね66の付勢力によるスプール20(アダプタ24)の引出方向(矢印H方向)への回転力が大きくなり、捩りコイルばね66の付勢力によって制限体62が引出方向(矢印H方向)へ回転される際には、第2パウル84が制限体62の制限凸部64の引出方向(矢印H方向)側の面に案内されてリターンスプリング54の付勢力に抗して第1パウル82に対し制限体62の反対側へ回動されることで、制限凸部64が第2パウル84の他端を乗り越えて、制限体62の引出方向(矢印H方向)への回転が許可される。これにより、渦巻きばね44の付勢力によるスプール20の巻取方向(矢印G方向)への回転力に比し捩りコイルばね66の付勢力によるスプール20の引出方向(矢印H方向)への回転力が大きくなることが防止される。
また、ケース32の第2収容部40内には、巻取機構42を構成するオーバーロード機構86を備えている。オーバーロード機構86は、有底円筒状に形成されて内部が他側(矢印B側)に開口された中間ギヤ88を有している。中間ギヤ88は、軸心部をケース32に取り付けられた支軸90に回転自在に支持されて、ケース32に回転自在に支持されている。また、中間ギヤ88の外周部には、平歯の外歯92が形成されており、外歯92は上記モータ48の出力ギヤ52に噛合されている。このため、モータ48が正方向へ駆動されて出力軸50及び出力ギヤ52が軸線周り一方(矢印C方向)へ回転されると、中間ギヤ88が軸線周り一方(矢印I方向)へ回転可能にされると共に、モータ48が逆方向へ駆動されて出力軸50及び出力ギヤ52が軸線周り他方(矢印D方向)へ回転されると、中間ギヤ88が軸線周り他方(矢印J方向)へ回転可能にされている。
中間ギヤ88の他側(矢印B側)には、オーバーロード機構86を構成するアダプタ94が設けられている。アダプタ94は、円盤状に形成されて中間ギヤ88の開口部に回転自在に嵌合したフランジ部96を有している。また、フランジ部96の他側(矢印B側)には、円柱状に形成されたギヤ部98が同軸的に突出形成されている。ギヤ部98の外周には平歯の外歯100が形成されている。さらに、フランジ部96の一側(矢印A側)には、円柱状に形成されて中間ギヤ88の内部に収容された保持部102が同軸的に突出形成されている。
保持部102の外周面と中間ギヤ88の内周面との間には、環状の隙間が形成されており、この隙間には、金属の線材により螺旋状に形成され、オーバーロード機構86を構成するスリップ部材としてのクラッチスプリング104が収容されている。クラッチスプリング104は、その内径寸法が保持部102の外径寸法よりも僅かに小さく形成されており、自らの弾性力で自らの内周部を保持部102の外周面に密着させることで、保持部102に摩擦力により連結(保持)されている。このため、クラッチスプリング104は、基本的に中間ギヤ88と一体で回転する。
また、クラッチスプリング104は、巻き方向両端部が中間ギヤ88の内周面に干渉して、中間ギヤ88に対する相対回転を規制されている。このため、中間ギヤ88とアダプタ94とはクラッチスプリング104を介して連結されており、中間ギヤ88が回転するとクラッチスプリング104およびアダプタ94が回転する。但し、上述の如くクラッチスプリング104は、アダプタ94に対して摩擦力により保持された構成であるため、中間ギヤ88とアダプタ94との間に、上記摩擦力を上回る相対的な回転力が作用すると、クラッチスプリング104がアダプタ94に対してスリップすることで、中間ギヤ88及びクラッチスプリング104とアダプタ94とが相対的に空転する構成となっている。
図5にも示す如く、ケース32の第2収容部40内には、巻取機構42を構成する遠心クラッチ106が設けられている。遠心クラッチ106は、有底円筒状に形成されて内部が一側(矢印A側)に開口されたロータ108を備えている。ロータ108は、底壁の軸心部をケース32に取り付けられた支軸110に回転自在に支持されて、ケース32に回転自在に支持されている。また、ロータ108の開口部には、金属の板材により円盤状に形成されたカバー112がビスにより取り付けられている。また、ロータ108の外周部には、平歯の外歯114が形成されており、この外歯114は上述したアダプタ94のギヤ部98の外歯100に噛合されている。このため、アダプタ94が軸線周り一方(矢印I方向)へ回転されると、ロータ108が軸線周り一方(矢印K方向)へ回転可能にされると共に、アダプタ94が軸線周り他方(矢印J方向)へ回転されると、ロータ108が軸線周り他方(矢印L方向)へ回転可能にされている。
ロータ108の一側(矢印A側)には、円柱状に形成されて遠心クラッチ106を構成するギヤ116が設けられている。ギヤ116は、軸心部を支軸110に回転自在に支持されて、ケース32に回転自在に支持されており、ロータ108に対して相対回転可能とされている。ギヤ116の一側(矢印A側)部分の外周部には、平歯の外歯118が形成されており、外歯118の近傍において第1収容部38と第2収容部40とが連通されて、外歯118が上記駆動ギヤ46の外周に噛合されている。このため、ギヤ116が軸線周り一方(矢印K方向)へ回転されると、駆動ギヤ46が引出方向(矢印H方向)へ回転可能にされると共に、ギヤ116が軸線周り他方(矢印L方向)へ回転されると、駆動ギヤ46が巻取方向(矢印G方向)へ回転可能にされている。
また、ギヤ116の他側(矢印B側)端の外周部には、ラチェット歯120が形成されている。ラチェット歯120は、カバー112の軸心部に形成された円孔122を介してロータ108の内部に配置されている。
ロータ108の内部には、それぞれ鉄などの金属材料によって略半円形の板状に形成されて遠心クラッチ106を構成する一対のウェイト124が配置されている。一対のウェイト124は、同じ重量に形成されており、互いにロータ108の周方向に沿った反対側(180度反対側)に配置されている。一対のウェイト124の各周方向一端部には、円形の軸受孔126が形成されており、軸受孔126にはロータ108の底壁に突設された円柱状の軸部128が回転自在に嵌合している。これにより、一対のウェイト124は、それぞれ軸部126周りにロータ108の径方向へ回動可能にロータ108に支持されている。
また、一対のウェイト124は、それぞれロータ108の底壁に取り付けられた一対の捩りコイルスプリング130によってロータ108の径方向内側に付勢されており、通常はロータ108の径方向内側に保持されている。さらに、一対のウェイト124には、上述したギヤ116のラチェット歯118に対向する位置に噛合い突起132が形成されている。一対の噛合い突起132は、一対のウェイト124がロータ108の径方向内側に保持された状態では、ラチェット歯120から離間している。
なお、一対のウェイト124とカバー112との間には、樹脂材料の板材によりリング状に形成されたシート134が配置されており、一対のウェイト124がカバー112と直接擦れ合うことが防止されている。
ここで、ロータ108が軸線周り他方(矢印L方向)へ回転されると、ロータ108に支持された一対のウェイト124が、ロータ108に追従してロータ108の軸線周りに回転される。このとき、一対のウェイト124には遠心力が作用する。したがって、一対のウェイト124に作用する遠心力が所定値以上になると(ロータ108の回転速度が所定値以上になると)、一対のウェイト124は、一対の捩りコイルスプリング130の付勢力に抗してロータ108の径方向外側へ回動する。このように、一対のウェイト124がロータ108の径方向外側へ回動すると、一対のウェイト124に設けられた一対の噛合い突起132が、ギヤ116のラチェット歯120に噛合う。一対の噛合い突起132がラチェット歯120に噛合った状態では、一対のウェイト124を介してロータ108とギヤ116とが一体的に連結され、ロータ108、一対のウェイト124及びギヤ116が一体で回転可能にされている。
一対の噛合い突起132がギヤ116のラチェット歯120に噛合った状態から、ロータ108が軸線周り一方(矢印K方向)へ回転されると、一対の噛合い突起132とラチェット歯120との噛合い状態が解除されて、一対のウェイト124が一対の捩りコイルスプリング130の付勢力によってロータ108の径方向内側へ回動される。これにより、ロータ108とギヤ116との相対的な空転が可能となる構成である。
図1に示す如く、本実施の形態に係るモータリトラクタ10では、制御装置138によってモータ48への給電制御が為される。制御装置138は、ドライバ140とECU142とから構成されている。モータ48は、ドライバ140を介して車両に搭載されたバッテリー144に電気的に接続されており、バッテリー144からの電流がドライバ140を介して供給される。ドライバ140は、ECU142に接続されており、このドライバ140を介したモータ48への給電の有無、供給電流の方向、及び大きさがECU142によって制御される構成である。
また、ECU142は、乗員のウエビング28装着有無に応じた信号を出力するバックルスイッチ146、及び車両と車両前方の障害物との距離に応じて信号を出力する前方監視装置148にそれぞれ接続されている。
バックルスイッチ146は、ウエビング28が挿通されたタングプレートがバックル装置(何れも図示省略)に連結されている時(乗員にウエビング28が装着されている時)にON信号をECU142に出力し、タングプレートのバックル装置への連結状態が解除されている時(乗員にウエビング28が装着されている時)にOFF信号をECU142に出力する。すなわち、バックルスイッチ146は、乗員に対するウエビング28の装着有無に対応したタングプレートとバックル装置との連結の有無に対応して上記ON信号及びOFF信号の何れか一方をECU142に出力する構成である。
前方監視装置148は、車両前端部近傍に設けられた赤外線センサ150を備えている。赤外線センサ150は赤外線を車両前方に発すると共に、車両の前方で走行若しくは停止している他の車両や障害物(以下、走行若しくは停止している他の車両も含めて便宜上「障害物」と称する)で反射した赤外線を受ける。
さらに、前方監視装置148は演算部152を備えている。演算部152は赤外線センサ150から赤外線が発せられてから、障害物で反射して赤外線センサ150に戻るまでに要する時間に基づき障害物までの距離を演算する。また、演算部152は、この演算結果に基づき障害物検出信号OsをECU142に対して出力する。この障害物検出信号Osは、障害物までの距離が所定値以上であればLowレベルとされる一方、障害物までの距離が所定値未満であればHighレベルとされて、車両の緊急事態(例えば車両の衝突)が予知される。
ここで、ECU142は、バックルスイッチ146から入力される信号がOFF信号からON信号に変わると、モータ48への給電を開始させる制御信号をドライバ140に出力する。制御信号が入力されたドライバ140は、バッテリー144から電流値I1の正方向の電流Fをモータ48に供給する。この場合、モータ48は、正方向へ所定時間駆動されて、出力軸50及び出力ギヤ52は、第1速さで所定時間軸線周り一方(矢印C方向)へ回転される。これにより、テンションリデューサ機構60が作動される(ONにされる)。
さらに、ECU142は、バックルスイッチ146から入力される信号がON信号からOFF信号に変わると、モータ48への給電を開始させる制御信号をドライバ140に出力する。制御信号が入力されたドライバ140は、バッテリー144から電流値I1の逆方向の電流Fをモータ48に供給する。この場合、モータ48は、逆方向へ所定時間駆動されて、出力軸50及び出力ギヤ52は、第1速さで所定時間軸線周り他方(矢印D方向)へ回転される。これにより、テンションリデューサ機構60の作動が解除される(OFFにされる)。
また、ECU142は、演算部152から入力される障害物検出信号OsがLowレベルからHighレベルに変わると、巻取機構42を作動させて(ONにして)、モータ48への給電を開始させる操作信号をドライバ140に出力する。操作信号が入力されたドライバ140は、バッテリー144から電流値I2の逆方向の電流Rをモータ48に供給する。この場合、電流Rの電流値I2は、上記電流Fの電流値I1よりも大きく設定されており、モータ48は、逆方向へ特定時間駆動されて、出力軸50及び出力ギヤ52は、上記第1速さよりも速い第2速さで特定時間軸線周り他方(矢印D方向)へ回転される。
さらに、ECU142は、巻取機構42を作動させてモータ48が逆方向へ特定時間駆動された後に、モータ48への給電を開始させる操作信号をドライバ140に出力する。操作信号が入力されたドライバ140は、バッテリー144から電流値I1の正方向の電流Fをモータ48に供給する。この場合、モータ48は、正方向へ規定時間駆動されて、出力軸50及び出力ギヤ52は、第1速さで規定時間軸線周り一方(矢印C方向)へ回転される。これにより、巻取機構42がリセットされる。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
上記構成のモータリトラクタ10では、スプール20にウエビング28が全量巻き取られた状態において、テンションリデューサ機構60の作動が解除されており(OFFにされており)、カム72の係止突起76がケース32の係止凹部78の軸線周り他方(矢印F方向)側端に当接して、図9(A)に示す如く、カム72のカム部74の最小径部位が制限体62に対向することで、リターンスプリング54の付勢力によって第1パウル82及び第2パウル84が制限体62の反対側の回動位置に配置されて、第2パウル84の他端が制限体62の外周から離間されている。このため、スプール20、捩りコイルばね66及び制限体62が一体に回転可能にされて、捩りコイルばね66の付勢力によってスプール20に引出方向(矢印H方向)への回転力が付与されることがない。
これにより、スプール20にウエビング28が全量巻き取られた状態から、ウエビング28を引っ張ると、スプール20を巻取方向(矢印G方向)に付勢する渦巻きばね44の付勢力に抗してスプール20が引出方向(矢印H方向)へ回転されながらウエビング28が引き出される。
このように、ウエビング28が引き出された状態で、ウエビング28が座席に着座した乗員の身体の前方に掛け回されつつタングプレートがバックル装置に差し込まれ、バックル装置にタングプレートが連結されることで、乗員の身体に対するウエビング28の装着状態となる。
バックル装置にタングプレートが連結されて、バックルスイッチ146からECU142へ入力される信号がOFF信号からON信号に変わると、モータ48の出力ギヤ52が第1速さで所定時間軸線周り一方(矢印C方向)へ回転される。このため、ドライブギヤ56、スリップスプリング70及びカム72が軸線周り一方(矢印E方向)へ回転されて、カム72の係止突起76がケース32の係止凹部78の軸線周り一方(矢印E方向)側端に当接することで、図9(B)及び図9(C)に示す如く、カム72のカム部74の最大径部位が制限体62に対向する。なお、係止突起76が係止凹部78の軸線周り一方(矢印E方向)側端に当接した際には、カム72及びスリップスプリング70の軸線周り一方(矢印E方向)への回転が阻止されて、ドライブギヤ56がスリップスプリング70及びカム72に対し軸線周り一方(矢印E方向)へ相対回転(スリップ)される。
カム72のカム部74の最大径部位が制限体62に対向した際には、リターンスプリング54の付勢力に抗して第1パウル82及び第2パウル84が制限体62側の回動位置に配置されて、第2パウル84の他端が制限体62の外周に接触されることで、テンションリデューサ機構60が作動される(ONにされる)。
このため、乗員にウエビング28が装着された後に、図9(B)に示す如く、渦巻きばね44の付勢力によってスプール20と共に制限体62が巻取方向(矢印G方向)へ回転される際には、制限体62の制限凸部64の巻取方向(矢印G方向)側の面が第2パウル84の他端に係止されて、制限体62の巻取方向(矢印G方向)への回転が阻止される。これにより、渦巻きばね44の付勢力によってスプール20が巻取方向(矢印G方向)へ回転されるに伴い、捩りコイルばね66の付勢力によるスプール20の引出方向(矢印H方向)への回転力が大きくなり、渦巻きばね44の付勢力によるスプール20の巻取方向(矢印G方向)への回転力が捩りコイルばね66の付勢力によって制限されて、スプール20の巻取方向(矢印G方向)への回転力が弱くされる。したがって、乗員がウエビング28から受ける圧力を弱くすることができ、乗員のウエビング28装着感を良くすることができる。
また、乗員にウエビング28が装着された状態で、ウエビング28がスプール20から引き出されて、渦巻きばね44の付勢力によるスプール20の巻取方向(矢印G方向)への回転力に比し、捩りコイルばね66の付勢力によるスプール20の引出方向(矢印H方向)への回転力が大きくなり、図9(C)に示す如く、捩りコイルばね66の付勢力によって制限体62が引出方向(矢印H方向)へ回転される際には、第2パウル84が制限体62の制限凸部64の引出方向(矢印H方向)側の面に案内されてリターンスプリング54の付勢力に抗して第1パウル82に対し制限体62の反対側へ回動されることで、制限凸部64が第2パウル84の他端を乗り越えて、制限体62の引出方向(矢印H方向)への回転が許可される。これにより、渦巻きばね44の付勢力によるスプール20の巻取方向(矢印G方向)への回転力に比し捩りコイルばね66の付勢力によるスプール20の引出方向(矢印H方向)への回転力が大きくなることが防止されて、乗員に装着されたウエビング28が不要に緩むことを防止できる。
一方、バックル装置からタングプレートが外されて(乗員の身体に対するウエビング28の装着が解除されて)、バックルスイッチ146からECU142へ入力される信号がON信号からOFF信号に変わると、モータ48の出力ギヤ52が第1速さで所定時間軸線周り他方(矢印D方向)へ回転される。このため、ドライブギヤ56、スリップスプリング70及びカム72が軸線周り他方(矢印F方向)へ回転されて、カム72の係止突起76がケース32の係止凹部78の軸線周り他方(矢印F方向)側端に当接することで、図9(A)に示す如く、カム72のカム部74の最小径部位が制限体62に対向する。なお、係止突起76が係止凹部78の軸線周り他方(矢印F方向)側端に当接した際には、カム72及びスリップスプリング70の軸線周り他方(矢印F方向)への回転が阻止されて、ドライブギヤ56がスリップスプリング70及びカム72に対し軸線周り他方(矢印F方向)へ相対回転(スリップ)される。
カム72のカム部74の最小径部位が制限体62に対向した際には、リターンスプリング54の付勢力によって第1パウル82及び第2パウル84が制限体62の反対側の回動位置に配置されて、第2パウル84の他端が制限体62の外周から離間されることで、テンションリデューサ機構60の作動が解除される(OFFにされる)。このため、スプール20、捩りコイルばね66及び制限体62が一体に回転可能にされて、捩りコイルばね66の付勢力によってスプール20に引出方向(矢印H方向)への回転力が付与されることがなく、バックル装置からタングプレートが外されると、渦巻きばね44の付勢力によってスプール20にウエビング28が全量巻き取られる。
なお、上述の如くモータ48の出力ギヤ52が第1速さで回転されて、巻取機構42において、中間ギヤ88、クラッチスプリング104、アダプタ94を介してロータ108が回転されることで、ロータ110に支持された一対のウェイト124に遠心力が作用しても、一対のウェイト124に作用する遠心力は、一対のウェイト124を一対の捩りコイルスプリング130の付勢力に抗してロータ108の径方向外側へ回動させる程には増加しない。したがって、一対のウェイト124は一対の捩りコイルスプリング130の付勢力によってロータ108の径方向内側に保持されて、一対のウェイト124に設けられた一対の噛合い突起132は、ギヤ116のラチェット歯120から離間しており、ロータ108は、一対のウェイト124、一対の捩りコイルスプリング130、シート134、カバー112と共にギヤ116に対して相対的に空転する。
また、車両の走行状態(乗員にウエビング28が装着されてテンションリデューサ機構60が作動された(ONにされた)状態)では、前方監視装置148の赤外線センサ150での検出結果に基づき、演算部152が車両前方の障害物までの距離を演算している。例えば、車両前方に障害物が存在しない場合、若しくは、障害物が存在するものの障害物から車両までも距離が所定値以上であれば、演算部152からはLowレベルの信号が出力される。これに対し、車両から前方の障害物までの距離が所定値未満になると、演算部152からはHighレベルの信号が出力されて、車両の緊急事態が予知される。
演算部152からHighレベルの信号がECU142に入力されると、巻取機構42が作動されて(ONにされて)、モータ48の出力ギヤ52が第2速さで特定時間軸線周り他方(矢印D方向)へ回転される。
出力ギヤ52が軸線周り他方(矢印D方向)へ第2速さで回転すると、出力ギヤ52に外歯92が噛合されたオーバーロード機構86の中間ギヤ88が軸線周り他方(矢印J方向)へ回転する。
中間ギヤ88の回転は、クラッチスプリング104を介してアダプタ94に伝達され、アダプタ94が軸線周り他方(矢印J方向)へ回転する。このため、アダプタ94のギヤ部98の外歯100に外歯114が噛合された遠心クラッチ106のロータ108が軸線周り他方(矢印L方向)へ回転され、ロータ110に支持された一対のウェイト124に所定値以上の遠心力が作用する。このため、一対のウェイト124は、一対の捩りコイルスプリング130の付勢力に抗してロータ108の径方向外側へ回動され、一対のウェイト124に設けられた一対の噛合い突起132が、ギヤ116のラチェット歯120に噛合う。これにより、巻取機構42が連絡されて、ロータ108の回転が一対のウェイト124を介してギヤ116に伝達され、ギヤ116が軸線周り他方(矢印L方向)へ回転する。
このため、ギヤ116の外歯118が噛合された駆動ギヤ46が巻取方向(矢印G方向)へ回転されて、スプール20が巻取方向(矢印G方向)へ回転される。このスプール20の巻取方向(矢印G方向)への回転によりウエビング28がスプール20に巻き取られ、これにより、ウエビング28の緩み、所謂「スラック」が解消されて、ウエビング28による乗員身体に対する拘束力が向上する(所謂「プリテンショナ機構」)。したがって、例えば、このウエビング28のスプール20への巻取時において、車両が急減速(急制動)し、これにより乗員が車両前方へ移動しようとしても、この乗員の慣性力に抗してウエビング28を強制的に巻き取ることができる。
また、巻取機構42が作動されて(ONにされて)、ウエビング28がスプール20に巻き取られている状態で、スプール20に設定値以上のトルクが作用した際(例えば、所謂「スラック」が解消され、乗員の身体が障害となり基本的にそれ以上のウエビング28の巻き取りができなくなった際など)には、アダプタ94の保持部102に対して摩擦力により保持されたクラッチスプリング104がアダプタ94に対して相対的に空転(スリップ)することで、アダプタ94と中間ギヤ88(出力ギヤ52)との間の回転の伝達が切り離され、両者が相対的に空転する。これにより、ロータ108、一対のウェイト124及びギヤ116を介してアダプタ94に連結されたスプール20が、モータ48の駆動力によって必要以上の力で巻取方向(矢印G方向)へ回転されることを防止でき、ウエビング28が必要以上の力で乗員の身体を締め付けることを防止できる。
さらに、車両の緊急時には、ケース22内に設けられたロック機構により、スプール20の引出方向(矢印H方向)の回転が阻止され、ウエビング28の引き出しが阻止される。これにより、ウエビング28による乗員身体に対する拘束力が弱まることが制限される。
巻取機構42が作動されて(ONにされて)、モータ48の出力ギヤ52が特定時間軸線周り他方(矢印D方向)へ回転された後(例えば、車両の緊急事態が回避された後)には、モータ48の出力ギヤ52が第1速さで規定時間軸線周り一方(矢印C方向)へ回転される。このため、中間ギヤ88、クラッチスプリング104及びアダプタ94が軸線周り一方(矢印I方向)へ回転されて、ロータ108が軸線周り一方(矢印K方向)へ回転されることで、一対のウェイト124に設けられた一対の噛合い突起132とギヤ116のラチェット歯120との噛合い状態が解除されて、一対のウェイト124が一対の捩りコイルスプリング130の付勢力によってロータ108の径方向内側へ回動される。これにより、巻取機構42の連絡が解除されて、ロータ108とギヤ116との相対的な空転が可能となり、巻取機構42(遠心クラッチ106)によるスプール20とモータの出力軸50との連結が解除されて、巻取機構42がリセットされる。
また、巻取機構42が作動された(ONにされた)際には、モータ48の出力ギヤ52が軸線周り他方(矢印D方向)へ回転されることで、テンションリデューサ機構60の作動が解除される。その後、巻取機構42がリセットされる際には、モータ48の出力ギヤ52が軸線周り一方(矢印C方向)へ回転されることで、テンションリデューサ機構60が作動される。
ここで、本実施の形態に係るモータリトラクタ10では、巻取機構42とテンションリデューサ機構60とが、フレーム12の外側のケース32内に一体的に配置されている。このため、モータリトラクタ10を小型化することができる。
さらに、巻取機構42を作動させるモータ48の駆動によってテンションリデューサ機構60を作動及び作動解除させることができるため、テンションリデューサ機構60を作動及び作動解除させるためのソレノイド等の駆動装置を別途設ける必要がなく、モータリトラクタ10を一層小型化することができる。
また、上述の如く、巻取機構42が作動後にリセットされる際に、モータ48の出力ギヤ52が軸線周り一方(矢印C方向)へ回転されることで、テンションリデューサ機構60が作動されて、渦巻きばね44の付勢力によるスプール20の巻取方向(矢印G方向)への回転力が捩りコイルばね66の付勢力によって制限される。このため、巻取機構42のリセット後に再度モータ48を駆動させてテンションリデューサ機構60を作動させる必要がなく、モータリトラクタ10(モータ48、巻取機構42及びテンションリデューサ機構60)に負荷が発生する機会を少なくできて、モータリトラクタ10の耐久性を向上させることができる。