JP2008105136A - ナノ粒子作製方法及び燃料電池用触媒 - Google Patents

ナノ粒子作製方法及び燃料電池用触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】原料粉体表面に均一なナノメートルオーダの粒子を付着せしめる方法及びこの方法を利用して得られた燃料電池用触媒の提供。
【解決手段】トリガ電極とカソード電極とが絶縁碍子を挟んで隣接して配置されてなり、カソード電極とトリガ電極との周りに同軸状にアノード電極が配置されている同軸型真空アーク蒸着源を備えている同軸型真空アーク蒸着装置を用い、トリガ電極とアノード電極との間にトリガ放電をパルス的に発生させ、カソード電極とアノード電極との間にアーク放電を断続的に誘起させ、原料粉体にナノ金属粒子を付着せしめる。粒径10〜100nmのカーボン粉体の表面に、上記のようにして作製したナノ粒子を金属触媒として担持させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ナノ粒子作製方法及び燃料電池用触媒に関し、特に同軸型真空アーク蒸着装置を用いるナノ粒子作製方法及びこの作製方法を利用して得られた燃料電池用触媒に関する。
従来、例えば燃料電池用の電極触媒は、塩化白金酸等の白金イオンを含む溶液と蒸留水とを混ぜ、その中にカーボン担体とエタノールを入れ、数時間の還流を行なった後、ろ過・乾燥することで作製されている。その他に、塩化白金酸と、カーボン担体と、蒸留水−メタノール混合物とを混ぜ、攪拌しながら紫外線を照射し、ろ過・乾燥後、800℃程度で焼成する光電着法で燃料電池用電極触媒を作製する方法も知られている。
これらの従来の方法では、ろ過や高温処理を行うために、作製時間がかかり過ぎるという問題がある。また、触媒析出の際に、還元させたり、高温焼成するため、純粋な白金だけでなく、酸化白金も生成してしまうので、得られた触媒の機能が劣化し、燃料電池の発電性能が低下するという問題もある。
近年、マイクロメートルオーダーの原料粒子にナノメートルオーダーの金属粒子等を付着させて高性能の素材を開発する技術が開発されている。
また、カーボン粒子等の導電性粒子に金属微粒子を担持させてなる燃料電池用触媒が知られている(例えば、特許文献1参照)。この場合、導電性粒子と金属微粒子とを交流アーク放電により同時に蒸発させており、金属微粒子を完全に又は部分的に導電性粒子中に埋包させる手法を用いている。
さらに、カーボン粒子の表面に粒状の合金粉末を担持させた後、熱処理して燃料電池用触媒を得る方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。この場合、カーボン粒子表面に合金粒子を担持させて触媒の欠陥を改良しているが、カーボン粒子表面に合金粉末を直接蒸着させていない。
特開2006−140017号公報(特許請求の範囲、段落0019等) 特開2006−222092号公報(特許請求の範囲)
本発明の課題は、上述の従来技術の問題点を解決することにあり、同軸型真空アーク蒸着装置を用いて、原料粉体表面にナノメートルオーダの粒子を付着せしめる方法及びこの方法を利用して得られた燃料電池用触媒を提供することにある。
本発明のナノ粒子作製方法は、円筒状のトリガ電極とナノ粒子作製用金属材料で少なくとも先端部が構成された円筒状のカソード電極とが、円板状の絶縁碍子を挟んで隣接して配置されてなり、前記カソード電極とトリガ電極との周りに同軸状に円筒状のアノード電極が配置されている同軸型真空アーク蒸着源を備えている同軸型真空アーク蒸着装置を用い、前記トリガ電極とアノード電極との間にトリガ放電をパルス的に発生させて、前記カソード電極とアノード電極との間にアーク放電を断続的に誘起させ、原料粉体に、所定の粒径のナノ粒子からなる前記金属材料の粒子を付着せしめることを特徴とする。
前記ナノ粒子の粒径は、1〜10nmであることを特徴とする。同軸型アーク真空蒸着源を備えた蒸着装置を利用することにより、このような粒径を有するナノ粒子を制御して作製することができる。
前記原料粉体は、カーボン粉体であることを特徴とする。
前記ナノ粒子作製方法において、蒸着装置として、同軸型真空アーク蒸着源のコンデンサをこの蒸着源の近傍に設けたものを使用することを特徴とする。
本発明の燃料電池用触媒は、10〜100nmのカーボン粉体の表面に、前記ナノ粒子作製方法に従って作製された所定の粒径のナノ粒子を金属触媒として担持させたことを特徴とする。
前記触媒において、ナノ粒子の粒径が、1〜10nmであることを特徴とする。
本発明のナノ粒子作製方法によれば、ナノサイズの粒子を作製する際に、同軸型真空アーク蒸着源を備えている同軸型真空アーク蒸着装置を用いることにより、原料粉体上に所定の粒径を有する均一なナノ粒子を作製できるという効果を奏する。
また、本発明の燃料電池用触媒によれば、カーボン粉体表面に所定の粒径を有する均一なナノ粒子金属触媒が担持されているので、燃料電池の電気特性(酸化還元反応)が向上するという効果を奏する。
本発明に係るナノ粒子作製方法の一実施の形態によれば、蒸着装置として、円筒状のトリガ電極と、ナノ粒子形成用金属材料で少なくとも先端部が構成された円筒状のカソード電極と、このトリガ電極及びカソード電極の間に両者を離間させるために設けられた円板状の絶縁碍子と、カソード電極とトリガ電極との周りに同軸状に配置された円筒状のアノード電極とを有する同軸型真空アーク蒸着源(アークプラズマガン)を備え、この蒸着源のコンデンサを蒸着源近傍に設けてある同軸型真空アーク蒸着装置を用いる。この蒸着装置を用い、例えば、放電電圧を100V〜400V、コンデンサ容量を8800μF以下、間欠運転の周期を1〜5Hz、放電時間を1000μs以下に設定して、トリガ電極とアノード電極との間にトリガ放電を発生させて、カソード電極とアノード電極との間にアーク放電を誘起させ、そしてカソード電極を構成する金属材料から生じるプラズマ化されている金属粒子を蒸着装置の真空チャンバ内へ放出せしめ、真空チャンバ下方に設置された容器内に装入された原料粉体上に供給し、例えば室温で、原料粉体上にナノ金属粒子を形成することができる。上記カソード電極は、その全体が上記金属材料で構成されていても、その先端部であるアノード電極の開口側方向の端部が上記金属材料で構成されていても良い。
本発明で使用できる原料粉体としては、例えばカーボンブラック等のカーボン粉体等を挙げることができ、蒸着用金属材料(ナノ粒子形成用金属材料)としては、例えば白金、コバルト、鉄、ニッケル、ルテニウム、及びチタン等を挙げることができる。
上記した同軸型真空アーク蒸着装置の詳細な構成及びこの装置を用いて本発明のナノ粒子作製方法を実施する場合について、添付図面を参照して、以下説明する。
図1に示すように、同軸型真空アーク蒸着装置1は、円筒状の真空チャンバ11を有し、この真空チャンバ内の下方には、基板ステージ12が水平に配置されている。真空チャンバ11には、基板ステージ12を水平面内で回転させることができるように、基板ステージ裏面の中心部にモーター等の回転駆動手段13を有する回転機構が設けられている。
原料粉体Sを装入する容器14が載置される基板ステージ12を加熱できるようにヒータ等の加熱手段(図示せず)を設け、所望により、原料粉体を所定の温度に加熱できるようにしてもよい。基板ステージ12は1又は複数個設けられ、それぞれに、原料粉体S用容器14が保持・固定されて取り付けられ得るようになっている。真空チャンバ11の上方には、各原料粉体用容器14と対向して、1又は複数個の後述する同軸型真空アーク蒸着源15が、カソード電極15a側を基板ステージ12に向けて配置されている。これにより、金属微粒子が、真空チャンバ11上方から下方に向かって飛翔し、容器14内の原料粉体Sに蒸着できるようになっている。容器14は、攪拌機構16を備えており、容器14内に装入される原料粉体Sを、例えばかき混ぜたり、振動させたりして攪拌し、原料粉体S表面に均一にナノ粒子を形成できるように構成されている。
真空チャンバ11の壁面には、ガス導入系17及び真空排気系18が接続されている。このガス導入系17は、バルブ17a、マスフローコントローラー17b及びガスボンベ17cがこの順序で金属製配管で接続されている。また、真空排気系18は、バルブ18a、ターボ分子ポンプ18b、バルブ18c及びロータリーポンプ18dがこの順序で金属製真空配管で接続されており、真空チャンバ11内を好ましくは10−5Pa以下に真空排気できるように構成されている。
図1に示すように、同軸型真空アーク蒸着装置1に設けられた同軸型真空アーク蒸着源15は、一端が閉じ容器14に対向する他端が開口しており、白金等の蒸着用金属材料で構成されている円筒状のカソード電極15aと、ステンレス等から構成されている円筒状のアノード電極15bと、ステンレス等から構成されている円板状のトリガ電極(例えば、リング状のトリガ電極)15cと、カソード電極15aとトリガ電極15cとの間に両者を離間させるために設けられた円板状の絶縁碍子15dとから構成されている。カソード電極15aが、容器14に対向して設けられている。カソード電極15aと絶縁碍子15dとトリガ電極15cとの3つの部品は、図示していないが、ネジ等で密着させて取り付けられている。また、アノード電極15bは、図示していないが支柱で真空フランジに取り付けられ、この真空フランジは真空チャンバ11の上面に取り付けられている。カソード電極15aは、アノード電極15bの内部に同軸状にアノード電極の壁面から一定の距離だけ離して設けられている。カソード電極15aは、上記したように、その少なくとも先端部(アノード電極15bの開口部A側の端部に相当する)が、前記金属材料から構成されていても良い。
トリガ電極15cは、前記ターゲット材料ないしはカソード電極15aとの間にアルミナ等から構成された絶縁碍子(ワッシャ碍子)15dを挟んで取り付けられている。絶縁碍子15dはカソード電極15aとトリガ電極15cとを絶縁するように取り付けられており、また、トリガ電極15cは絶縁体を介してカソード電極15aに取り付けられていてもよい。これらのアノード電極15bとカソード電極15aとトリガ電極15cとは、絶縁碍子15d及び絶縁体により電気的に絶縁が保たれていることが好ましい。この絶縁碍子15dと絶縁体とは一体型に構成されたものであっても別々に構成されたものでも良い。
カソード電極15aとトリガ電極15cとの間にはパルストランスからなるトリガ電源15eが接続されており、また、カソード電極15aとアノード電極15bとの間にはアーク電源15fが接続されている。アーク電源15fは直流電圧源15gとコンデンサユニット15hとからなり、このコンデンサユニット15hの両端は、それぞれ、カソード電極15aとアノード電極15bとに接続され、コンデンサユニット15hと直流電圧源15gとは並列接続されている。
コンデンサユニット15hは、1つ又は複数個のコンデンサ(図1では、1個のコンデンサを例示してある)が接続したものであって、その1つの容量が例えば2200μF(耐電圧160V)であり、直流電圧源15gにより随時充電される。トリガ電源15eは、入力200Vのμsのパルス電圧を約17倍に変圧して、3.4kV(数μA)、極性:プラスを出力している。アーク電源15fは、100V、数Aの容量の直流電源であって、直流電圧源15gからコンデンサユニット15h(例えば、4個のコンデンサユニットの場合、8800μF)に充電している。この充電時間は約1秒かかるので、本システムにおいて8800μFで放電を繰り返す場合の周期は、1Hzで行われる。トリガ電源15eのプラス出力端子はトリガ電極15cに接続され、マイナス端子はアーク電源15fの直流電圧源15gのマイナス側出力端子と同じ電位に接続され、カソード電極15aに接続されている。アーク電源15fの直流電圧源15gのプラス端子はグランド電位に接地され、アノード電極15bに接続されている。コンデンサユニット15hの両端子は直流電圧源15gのプラス端子及びマイナス端子間に接続されている。図1中、15iはケーブルを示し、放電時の放電電流の流れを矢印→で示してある。実際には、放電電流の電流の大部分は電子によるものなので、実際の電子の流れる向きは矢印と逆になるが、図1では簡易的に電気的な配線図による電気回路で示してあるので、電流の流れの方向として示してある。
次に、図1に示す同軸型真空アーク蒸着装置1を用いて、真空チャンバ11内の原料粉体Sの表面にナノ金属粒子を形成する場合について説明する。
例えば、まず、直流電圧源15gによりコンデンサユニット15hに100Vで電荷を充電し、コンデンサユニット15hの容量を8800μFに設定する。次いで、トリガ電源15eからトリガ電極15cにパルス電圧を出力し(出力:3.4kV)、カソード電極15aとトリガ電極15cとの間にワッシャ碍子15dを介して印加することで、カソード電極15aとトリガ電極15cとの間にトリガ放電(ワッシャ碍子表面での沿面放電)を発生させる。カソード電極15aとワッシャ碍子15dとのつなぎ目から電子が発生する。このトリガ放電によって、カソード電極15aの側面とアノード電極15b内面との間で、コンデンサユニット15hに蓄電された電荷が真空アーク放電され、カソード電極15aに多量のアーク電流が流入し、このアーク放電により、カソード電極15aから白金等の金属材料のプラズマが形成される。コンデンサユニット15hに蓄電された電荷の放出により放電は停止する。このトリガ放電を複数回繰り返し、そのトリガ放電毎にアーク放電を誘起させることが好ましい。
上記したアーク放電の間、金属材料の融解により発生した微粒子(プラズマ化している原子状イオンやクラスタや電子等)が形成される。この微粒子をアノード電極15bの開口部(放出口)Aから真空チャンバ11内に放出させ、開口部Aに対向して設置されている容器14内の原料粉体Sに対して、上記のようにして形成された金属微粒子を供給し、原料粉体Sに金属微粒子を付着させ、凝集せしめて直径数nm(例えば、1〜10nm)のナノ金属粒子が付着された微粒子を形成する。この原料粉体Sは、室温であっても、加熱手段により所定の温度に加熱されていても良い。
本実施の形態によれば、上記同軸型真空アーク蒸着源15の近傍にコンデンサユニット15hを取り付けたものを用い、上記した放電条件を用いて行うことにより、1〜10nm程度のナノ金属粒子を形成することができると共に、ナノ金属粒子を原料粉体に密着性よく付着せしめることもできる。コンデンサユニット15hを同軸型真空アーク蒸着源15の近傍に取り付ける場合、カソード電極15a及びアノード電極15bとの接続ラインを短く、例えば、100mm以下、好ましくは10mm〜100mm程度の距離になるように取り付ければ良い。
上記した金属微粒子の放出は次のようにして行われる。カソード電極15aに多量の電流が流れるので、カソード電極15aに磁場が形成され、この時発生したプラズマ中の電子(この電子はカソード電極15aからアノード電極15bの円筒内面に飛行する)が自己形成した磁場によってローレンツ力を受け、前方に飛行する。一方、プラズマ中のカソード電極材料の金属イオンは、電子が前記したように飛行し分極することでクーロン力により前方の電子に引きつけられるようにして前方に飛行し、原料粉体S上にナノ金属粒子が付着することになる。
上記したような同軸型真空アーク蒸着源15を用いて燃料電池電極用の粉体(カーボンブラック)に白金等のナノ金属触媒粒子を蒸着させることにより、粉体に白金等が、例えば粒径1〜2nmで形成・付着されるため、この白金等が付着した粉体を燃料電池電極として使用すると、燃料電池の電気特性(酸化還元反応)が改善される。
前記実施の形態では、容器内に装入した原料粉体を同軸型真空アーク蒸着源と対向させて配置し、原料粉体に直接的にナノ金属部粒子を蒸着したが、このように、蒸着源を真空チャンバ、ひいては原料粉体に対して鉛直に配置した場合、蒸着源からμサイズのパーティクル(液滴)が原料粉体内に混入する場合がある。この場合には、同軸型真空アーク蒸着源を真空チャンバに対して水平状態に取付け、磁石2個をアノード電極近傍に挟み込むように平行に配置して磁場を形成し、プラズマを偏向させて原料粉体にナノ金属粒子を蒸着させてもよい。
本実施例では、図1に示す同軸型真空アーク蒸着源15を備えた同軸型真空アーク蒸着装置1を用い、ターゲット材として、白金で構成されたカソード電極15aを配置して、容器14内に装入せしめたカーボンブラック粉体(粒径20〜50nm)を攪拌しながら、室温でその表面にナノ白金粒子を形成した。この白金粒子の付着したカーボンブラックは燃料電池の電極となる。なお、アノード電極15bの先端(開口部A)からカーボンブラック粉体までの距離を約40mmに設定して実施した。
まず、ナノ白金粒子を形成する前に、直流電圧源15gによりコンデンサユニット15h(本実施例では4つのコンデンサを設けた)に電荷を充電し、アーク電圧を80Vとし、コンデンサユニット15hの容量を8800μFに設定した。次いで、トリガ電源15eからトリガ電極15cにパルス電圧を出力し(出力:3.4kV)、カソード電極15aとトリガ電極15cとの間にワッシャ碍子15dを介して印加することで、カソード電極15aとトリガ電極15cとの間にトリガ放電を発生させた。カソード電極15aとワッシャ碍子15dとのつなぎ目から電子が発生した。この時、カソード電極15a側面とアノード電極15b内面との間で、コンデンサユニット15hに蓄電された電荷がアーク放電され、カソード電極15aに多量の電流が流入し、カソード電極15aから白金のプラズマが形成された。コンデンサユニット15hに蓄電された電荷の放出により放電は停止した。放電周期は1Hzとし、放電発数を10000発繰り返し、そのトリガ放電毎にアーク放電を誘起させた。
上記したアーク放電の間、白金の融解により発生した微粒子(プラズマ化している原子状イオンやクラスタや電子等)が形成された。この微粒子をアノード電極15aの開口部Aから真空チャンバ11内に放出させ、容器14内に装入したカーボンブラックS上に供給し、室温でカーボンブラック表面に白金粒子を付着させ、凝集せしめてナノ白金粒子を形成せしめた。
かくして得られたカーボンブラック粉体上に白金のナノ粒子が付着した粒子のTEM写真を図2に示す。図2から明らかなように、カーボンブラック粉体上に2nmの白金ナノ粒子が分散形成されていることがわかる。
実施例1に従って形成されたカーボンブラック粉体上に白金のナノ粒子が蒸着された粒子を燃料電池用の電極触媒とし、この電極触媒に対して、公知の対流ボルタンメトリー法(回転ディスク電極法)を用いる電気化学測定により、酸化還元反応で得られた電流値を測定した。この測定条件は、掃引速度50mV/sec、回転数2000rpmであった。なお、比較対照として、カーボンブラック(CB)のみについて、また、従来の液相プロセスによりカーボンブラック上に白金を担持せしめた電極触媒として、市販品:Pt20wt%/CB(ElectroChem, Inc.製)についても、同様にして、電気化学測定を行った。
上記のようにして測定した電流値のデータを、横軸に電位(V vsAg/AgCl)、縦軸に電流(A)をとり、図3にプロットする(図3中、CBはカーボンブラック、APG−Pt10000/CB)は上記実施例1で得られた電極触媒、そしてPt20wt%/CBは市販品の場合のデータを示す)。
図3から明らかなように、同軸型真空アーク蒸着源装置を用いて蒸着して得た電極触媒の方が、市販の白金20wt%をカーボンブラックに含有した電極触媒よりも電流値が高く、より高い触媒活性を示していることが分かる。
本発明によれば、同軸型真空アーク蒸着装置を用いることにより、原料粉体表面にナノメートルオーダの金属粒子を付着せしめることが可能である。この方法を利用することにより、例えば白金等の均一なナノ粒子からなる触媒金属を燃料電池電極用の粉体(カーボンブラック)に蒸着させることによって得られる金属微粒子は、均一なナノ粒子金属触媒がカーボンブラックに担持されているので、この金属触媒を利用すれば燃料電池の電気特性(酸化還元反応)が向上する。
従って、本発明は、燃料電池等の技術分野において、触媒金属を担持させる際に利用可能である。また、本発明は、上記したように原料粉体表面に均一な粒径を有するナノ金属粒子の付着された金属微粒子を形成できることから、カーボンナノチューブ等のナノカーボン材料の下地膜(触媒層)を作製する技術分野でも利用できる。
本発明で使用する同軸型真空アーク蒸着装置の一構成例を模式的に示す構成図。 実施例1で得られたカーボンブラック粉体上に白金のナノ粒子が蒸着された粒子のTEM写真。 実施例1で得られたカーボンブラック粉体上に白金のナノ粒子が蒸着された粒子からなる燃料電池用の電極触媒の触媒活性を示すグラフ。
符号の説明
1 同軸型真空アーク蒸着装置 11 真空チャンバ
12 基板ステージ 13 回転駆動手段
14 容器 15 同軸型真空アーク蒸着源
15a カソード電極 15b アノード電極
15c トリガ電極 15d 絶縁碍子
15e トリガ電源 15f アーク電源
15g 直流電圧源 15h コンデンサユニット
15i ケーブル 16 攪拌機構
17 ガス導入系 17a バルブ
17b マスフローコントローラー 17c ガスボンベ
18 真空排気系 18a バルブ
18c バルブ 18d ロータリーポンプ
18b ターボ分子ポンプ A 開口部
S 原料粉体

Claims (6)

  1. 円筒状のトリガ電極とナノ粒子作製用金属材料で少なくとも先端部が構成された円筒状のカソード電極とが、円板状の絶縁碍子を挟んで隣接して配置されてなり、前記カソード電極とトリガ電極との周りに同軸状に円筒状のアノード電極が配置されている同軸型真空アーク蒸着源を備えている同軸型真空アーク蒸着装置を用い、前記トリガ電極とアノード電極との間にトリガ放電をパルス的に発生させて、前記カソード電極とアノード電極との間にアーク放電を断続的に誘起させ、原料粉体に、所定の粒径のナノ粒子からなる前記金属材料の粒子を付着せしめることを特徴とするナノ粒子作製方法。
  2. 前記ナノ粒子の粒径が、1〜10nmであることを特徴とする請求項1記載のナノ粒子作製方法。
  3. 前記原料粉体が、カーボン粉体であることを特徴とする請求項1又は2記載のナノ粒子作製方法。
  4. 前記同軸型真空アーク蒸着源のコンデンサをこの蒸着源の近傍に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のナノ粒子作製方法。
  5. 粒径10〜100nmのカーボン粉体の表面に、請求項1〜4のいずれかに記載のナノ粒子作製方法に従って作製された所定の粒径のナノ粒子を金属触媒として担持させたことを特徴とする燃料電池用触媒。
  6. 前記ナノ粒子の粒径が、1〜10nmであることを特徴とする請求項5記載の燃料電池用触媒。
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