JP2008104831A - 心臓カテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】筒状部材の中間部分に形成されたガイドスリットにスライド片が係合する構成を、その他に部品を何ら用いることなく良好に作動するものにすることができ、シンプルな構成で簡単に組み立てることができて組み立て後の故障のおそれのない心臓カテーテルを提供すること。
【解決手段】筒状部材8,8′に、スライド片15,12′が係合するガイドスリット25が形成されて、スライド片15,12′が通過できない幅であって筒状部材8,8′を弾性変形させることによりスライド片15,12′が通過できる状態に広がる幅狭部26がガイドスリット25に対し長手方向に連続して形成されると共に、スライド片15,12′を幅狭部26内にガイドスリット25の反対側から案内するための案内路27が端部まで開口して形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、心臓カテーテルに関する。
血管から心臓内に挿入される心臓カテーテルは、可撓性を有する細長いカテーテル本体の先端に設けられた先端電極を心臓内の目的部位に誘導する必要がある。そこで、カテーテル本体に内挿された操作ワイヤーを手元側の操作ハンドル部で牽引操作することにより、カテーテル本体の先端近傍部分を任意に屈曲させることができるようになっている。
そして、操作ハンドル部においては、操作ワイヤーの基端とカテーテル本体の基端の一方に筒状部材が連結されて、他方に連結されたスライド片が、筒状部材の中間部分に軸方向に形成されたガイドスリットに沿って相対的にスライド自在に設けられている(例えば、特許文献1、2)。
特開2004−167248号公報 特表平10−507678号公報
上述のように、筒状部材の中間部分に軸方向に形成されたガイドスリットにスライド片を係合させた構成は、構成部品が比較的少なくて作動性もよい等の長所がある。しかし、スライド片がスリット内から外れないようにするためのストッパ部材等をねじ止めその他の手段で取り付ける必要があるので、そのための部品が必要になってその組み立てに手間がかかる。また、使用を重ねた時に、ねじ緩みによる故障等が発生する場合があり、ユーザーサイドでの修理は困難になる。
本発明はそのような問題を解決するためになされたものであり、筒状部材の中間部分に形成されたガイドスリットにスライド片が係合する構成を、その他に部品を何ら用いることなく良好に作動するものにすることができ、シンプルな構成で簡単に組み立てることができて組み立て後の故障のおそれのない心臓カテーテルを提供することを目的とする。
可撓性を有する細長いカテーテル本体内に操作ワイヤーが内挿され、手元側に設けられた操作ハンドル部において、操作ワイヤーの基端をカテーテル本体の基端に対して軸方向に進退操作することにより、カテーテル本体の先端近傍部分を屈曲させることができるように構成された心臓カテーテルにおいて、操作ハンドル部において、操作ワイヤーの基端とカテーテル本体の基端の一方に筒状部材が連結されると共に、その筒状部材の中間部分に形成されたガイドスリットに沿って相対的にスライド自在なスライド片が他方に連結され、筒状部材には、スライド片が通過できない幅であって筒状部材を弾性変形させることによりスライド片が通過できる状態に広がる幅狭部がガイドスリットに対し長手方向に連続して形成されると共に、スライド片を幅狭部内にガイドスリットの反対側から案内するための案内路が端部まで開口して形成されている。
なお、ガイドスリットが筒状部材の複数箇所に並列に形成され、それに対応して幅狭部と案内路が形成されていてもよく、ガイドスリットが筒状部材の軸周りの180°対称位置に一対形成されていてもよい。
また、スライド片が全体として略板状に形成されて、その両端寄りの部分がガイドスリット内に緩く通されていてもよく、スライド片のガイドスリットと係合する部分の内側に隣接する部分に、ガイドスリット内に入ることのできない高さの段部が形成されていてもよい。
また、筒状部材にカテーテル本体の基端が連結されて、スライド片に操作ワイヤーの基端が連結され、案内路が筒状部材の後端側に開口していてもよく、或いは、筒状部材にカテーテル本体の基端が連結されて、スライド片に操作ワイヤーの基端が連結され、案内路が筒状部材の先端側に開口していてもよい。また、筒状部材に操作ワイヤーの基端が連結されて、スライド片にカテーテル本体の基端が連結され、案内路が筒状部材の先端側に開口していてもよい。
本発明の心臓カテーテルによれば、筒状部材に、スライド片が通過できない幅であって筒状部材を弾性変形させることによりスライド片が通過できる状態に広がる幅狭部がガイドスリットに対し長手方向に連続して形成されると共に、スライド片を幅狭部内にガイドスリットの反対側から案内するための案内路が端部まで開口して形成されていることにより、筒状部材の中間部分に形成されたガイドスリットにスライド片が係合する構成を、その他に部品を何ら用いることなく良好に作動するものにすることができ、シンプルな構成で簡単に組み立てることができて組み立て後の故障のおそれのない等の優れた効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を具体的に説明する。
図3は、本発明の第1の実施の形態の心臓カテーテルの全体構成を示している。可撓性を有する細長いカテーテル本体1は血管内に通されるものであり、合成樹脂材等からなるマルチルーメンチューブ等で形成されている。カテーテル本体1の先端近傍部分に形成された湾曲部2は、より柔軟に形成されていて、その先端に先端電極部3が連結されている。4は、湾曲部2を屈曲操作するためにカテーテル本体1に進退自在に内挿された操作ワイヤーであり、その先端が湾曲部2の先端部分(又は、それより先端寄りの位置)の周辺に偏位した位置に連結されている。
心臓カテーテルの手元側に設けられた操作ハンドル部5には、カテーテル本体1の基端に連結されたカテーテル本体保持ハンドル6と操作ワイヤー4の基端に連結された操作ワイヤー保持ハンドル7とが操作ワイヤー4の軸方向に相対的にスライド自在に配置されている。操作ワイヤー保持ハンドル7は使用者が手で握り込むのに適した略円筒形状に形成され、カテーテル本体保持ハンドル6は、操作ワイヤー保持ハンドル7を握った手の親指の腹で押し引き操作し易いように厚肉の略円盤状に形成されて、操作ワイヤー保持ハンドル7の先端近傍から前方(図3において下方)に突出する状態に配置されている。
8は、カテーテル本体保持ハンドル6に対して一体に形成されたスライド筒部(本発明の筒状部材)であり、操作ワイヤー保持ハンドル7内にスライド自在に嵌合している。9は、操作ワイヤー4の基端に固着されたワイヤー留め口金であり、操作ワイヤー保持ハンドル7の中心軸位置付近に配置されて操作ワイヤー保持ハンドル7に対し後述するワイヤー固定板15を介して固定されている。10は、カテーテル本体1の基端部分がカテーテル本体保持ハンドル6との連結部付近で急激に曲がって折れるのを防ぐための折れ止め部材であり、弾力性のあるゴム材等により先細りのテーパ状に形成され、カテーテル本体保持ハンドル6に隣接してカテーテル本体1の基端部分を囲む状態に配置されている。
図4は、操作ハンドル部5からの遠隔操作で湾曲部2を屈曲させている状態を示しており、カテーテル本体保持ハンドル6に対して操作ワイヤー保持ハンドル7を後方(上方)に引く(操作ワイヤー保持ハンドル7側から見れば、カテーテル本体保持ハンドル6を前方(下方)に押し出す)操作を行うことにより、カテーテル本体1に対して操作ワイヤー4が後方に牽引されて湾曲部2が屈曲する。そして、それと逆の操作を行えば、湾曲部2が図3に示される真っ直ぐな状態に戻る。このようにして、操作ハンドル部5において、カテーテル本体保持ハンドル6と操作ワイヤー保持ハンドル7とを操作ワイヤー4の軸方向に相対的にスライド操作することにより、湾曲部2を任意の角度だけ屈曲させることができる。
図5は、湾曲部2が真っ直ぐな状態における操作ハンドル部5を示している。なお、図5を含めて以下の各図において一つの部品として図示されている各部材は、部品製造を容易にするため、組み立てをし易くするため、或いは本発明の内容とは関係のない機能を発揮させるため等に、各々複数の部品に分けて構成することができ、そのように構成したとしても本発明の範囲に属することに何ら変わりがない。
12は、カテーテル本体1の基端部分が嵌挿されて接着剤等で強固に固着されたスライドねじ部材であり、その先寄りの部分の外周面には雄ねじが形成され、スライドねじ部材12の基端に形成されたワイヤー通過孔13から操作ワイヤー4が真っ直ぐにスライド筒部8内に伸び出している。14は、操作ワイヤー4とは別にカテーテル本体1内に通されて先端電極部3の各電極に接続されたリード線であり、操作ワイヤー4と並んでワイヤー通過孔13からスライド筒部8内に伸び出しているが、大半の部分の図示を省略してある。
図6は、図5におけるA−A線で切断した状態の断面図であり、操作ワイヤー4の基端にハンダ付け等で固着されたワイヤー留め口金9が、操作ワイヤー保持ハンドル7の内周面に形成された溝に嵌め込まれて固定された略平板状のワイヤー固定板15(本発明のスライド片)にかしめ又はハンダ付け等で固着されている。したがって、操作ワイヤー4はワイヤー固定板15を介して操作ワイヤー保持ハンドル7の軸位置に動かないように固定された状態になっている。なお、図6においてはリード線14等の図示が省略されている。図5に示される符合29は、操作ワイヤー保持ハンドル7に対してワイヤー固定板15が軸方向に移動するを規制するストッパ筒である。
図7は、図5におけるB−B線で切断した状態の断面図であり、スライドねじ部材12の中間部分は円筒状にスライド筒部8の内周部に緩く嵌合していて、さらに、180°対称の二箇所の位置から外方に向かって突出形成された突起部17が、スライド筒部8の内周面に軸方向と平行にキー溝状に形成された直線溝16と緩くはめ合わされている。その結果、スライドねじ部材12は、その軸方向にスライド自在であって軸周りには回転しない。なお、図7においては、カテーテル本体1とその内部に通されている操作ワイヤー4及びリード線14等の図示が省略されている。
図5に戻って、18は、スライドねじ部材12の雄ねじ部と螺合する雌ねじ部が後側寄り半部に形成された略円筒状の回転操作ねじ部材である。Sがその螺合部である。回転操作ねじ部材18の中間部分の外周部には鍔状部19が突出形成されていて、カテーテル本体保持ハンドル6に螺合固定された抜け止めナット20により鍔状部19が前方に移動しないように規制されている。その結果、回転操作ねじ部材18は、カテーテル本体保持ハンドル6に対して軸周りに回転可能で軸方向には移動しない状態で、カテーテル本体保持ハンドル6に保持されている。
そのような回転操作ねじ部材18の最先端部分はカテーテル本体保持ハンドル6の先端から前方に突出している。18aがその先端突出部であり、カテーテル本体保持ハンドル6の外部から単独で回転操作することができる。ただし、この実施の形態では、回転操作ねじ部材18の先端突出部18aに折れ止め部材10が着脱自在に取り付けられていて、折れ止め部材10を軸周りに回転操作することで、回転操作ねじ部材18を回転させることができる。
22は、折れ止め部材10が回転操作ねじ部材18から抜け出さないように両者を着脱自在に係合させる係合部であり、折れ止め部材10の後端部内面全周に形成された内方突起が回転操作ねじ部材18の外面全周に形成された溝と係合しており、折れ止め部材10を弾性変形させて回転操作ねじ部材18の先端突出部18aに着脱させることができる。ただし、その他の構成を用いて着脱自在に係合させてもよい。
このように構成された実施の形態の心臓カテーテルにおいて、例えば繰り返し使用されたり製造時の調整不足等によって操作ワイヤー4に弛みが発生した場合には、折れ止め部材10を指先で摘んで、矢印Rで示されるように回転操作ねじ部材18を軸周りに回転させる。すると、回転操作ねじ部材18と螺合するスライドねじ部材12が軸周りに回転することなく軸方向に移動するので、スライドねじ部材12に固定されたカテーテル本体1の基端がカテーテル本体保持ハンドル6に対して移動する。
その結果、カテーテル本体保持ハンドル6と操作ワイヤー保持ハンドル7とを相対的に動かさない状態において、カテーテル本体1の基端に対するカテーテル本体保持ハンドル6の連結位置と操作ワイヤー4の基端に対する操作ワイヤー保持ハンドル7の連結位置との間の間隔Lを、両保持ハンドル6,7の外部からの簡単な操作で操作ワイヤー4に弛みが無くなる任意の長さまで伸ばして、湾曲部2を正常に屈曲させることができる状態にすることができる。このようにして、カテーテル本体1の基端が、連結位置を調整できる状態でスライド筒部8に対し連結されている。
図1はスライド筒部8を単体で示しており、操作ワイヤー保持ハンドル7内に軸方向にスライド自在に嵌合する後半部分(図において上半部分)の中間部分には、軸方向と平行に真っ直ぐにガイドスリット25が形成されている。ガイドスリット25は、スライド筒部8の軸周りの180°対称位置に一対形成されている。
ガイドスリット25内には、ワイヤー固定板15がガイドスリット25内に緩く嵌め込まれていて、ワイヤー固定板15がガイドスリット25に沿ってガイドスリット25に対し相対的に自由にスライドすることができる。前述の図6に示されるように、全体として略板状に形成されたワイヤー固定板15は、その両端寄りの部分がガイドスリット25内に緩く通される薄肉部15aになっている。
また、ガイドスリット25と係合する部分の内側に隣接する部分には、ガイドスリット25内に入ることのできない高さの段部15bがワイヤー固定板15に形成されて、ワイヤー固定板15がスライド筒部8に対してガタつかないようになっている。
スライド筒部8には、ワイヤー固定板15が通過できない幅の幅狭部26がガイドスリット25に対し長手方向に連続してその後側(図において上側)に形成されている。したがって、ワイヤー固定板15のスライド範囲はガイドリット25の全長Mに規制され、ストッパ等として何ら部品を設けることなくワイヤー固定板15を一定の範囲内で良好にスライド動作させることができる。
組み立て作業時にワイヤー固定板15をガイドスリット25内に嵌め込む際には、図2に示されるように、スライド筒部8を弾性変形させて幅狭部26をワイヤー固定板15が通過できる状態に広げる。ワイヤー固定板15がガイドスリット25内に入った状態になると、スライド筒部8が元の形状に戻るので、ワイヤー固定板15がガイドスリット25内でスライド自在であってガイドスリット25内から抜け出さない図1に示される状態になる。
このように幅狭部26によりワイヤー固定板15がガイドスリット25内から抜け出さなくなる機能は、完成品におけるストッパとして用いることができるだけでなく、ガイドスリット25内に一旦組み込まれたワイヤー固定板15が、組立工程中や組立工程間の部組みユニットの移動等の際にガイドスリット25内から脱落しないようになる点でも極めて有効である。
図1及び図2に示されるように、スライド筒部8には、組み立て作業時にワイヤー固定板15をガイドスリット25の反対側から幅狭部26内に案内するための案内路27が後端部に開口して形成され、案内路27と幅狭部26との境界部は滑らかな斜面28になっている。なお、このような幅狭部26と案内路27が一対のガイドスリット25の各々に連続して形成されている。
図5に戻って、このように本実施の形態では、カテーテル本体1の基端が連結された筒状部材であるスライド筒部8にガイドスリット25が形成され、ガイドスリット25に沿って相対的にスライド自在なスライド片であるワイヤー固定板15(この実施の形態では操作ワイヤー保持ハンドル7に固定されている)に操作ワイヤー4の基端が連結されている。
その結果、図8に示されるように、湾曲部2を屈曲させる操作時にはワイヤー固定板15がガイドスリット25内で相対的にスライド動作し、そのスライド作動部分にはガイドスリット25とワイヤー固定板15以外に他の部材が何ら用いられていないので、良好に動作するだけでなく、シンプルな構成で簡単に組み立てることができ、組み立て後に故障のおそれがない等の優れた効果が得られる。
図9は本発明の第2の実施の形態を示しており、前述の第1の実施の形態のスライド筒体8に相当する円筒状のガイド筒体8′(本発明の筒状部材)が操作ワイヤー保持ハンドル7の先端側に一体に突出形成されて、そのガイド筒体8′の外周面に沿ってカテーテル本体保持ハンドル6がスライド自在に配置されている。そして、ガイド筒体8′の最先端部分に折れ止め部材10が取り付けられている。操作ワイヤー保持ハンドル7に対する操作ワイヤー4の固定構造は第1の実施の形態と同じである。
ガイド筒体8′の中間部分には、一対のガイドスリット25が180°対称の位置に長手方向に真っ直ぐに最先端まで形成されている。そして、カテーテル本体1の基端が固着されたスライドねじ部材12′(本発明のスライド片)が、板状に形成されてその先寄りの部分の突端外周面に雄ねじが形成され、ガイドスリット25内にスライド自在に係合している。また、C−C線で切断した状態の断面図である図10にも示されるように、スライドねじ部材12′の後寄りの部分の突起部17′が、カテーテル本体保持ハンドル6の内周面に軸方向と平行にキー溝状に形成された直線溝16′に緩くはめ合わされて、スライドねじ部材12′とカテーテル本体保持ハンドル6とが共に軸方向にスライド自在であって軸周りには回転しないようになっている。
図9に示される18′は、カテーテル本体保持ハンドル6に対して軸周りには回転自在にただし軸方向への相対的移動は規制された状態で係合する略円筒状の回転操作ねじ部材であり、ガイド筒体8′の外周面に沿って回転及びスライド自在である。そして、D−D線で切断した状態の断面図である図11にも示されるように、回転操作ねじ部材18′の内周面に形成された雌ねじ部がスライドねじ部材12′の雄ねじ部と螺合している。Sがその螺合部である。図9に示されるように、回転操作ねじ部材18′の外周部には、操作輪38が固定ビス39で一体的に固定されている。32は、回転操作ねじ部材18′の先寄りの部分の外装カバー、33は、ガイドスリット25の先寄りの部分の外装カバーである。
このように構成された実施の形態においては、図9に示されるように、カテーテル本体保持ハンドル6と操作ワイヤー保持ハンドル7とを相対的に軸方向にスライド操作して、カテーテル本体保持ハンドル6に対して操作ワイヤー保持ハンドル7を後方(上方)に引く(操作ワイヤー保持ハンドル7側から見れば、カテーテル本体保持ハンドル6を前方(下方)に押し出す)操作を行うことにより、カテーテル本体1に対して操作ワイヤー4が後方に牽引されて湾曲部2が屈曲し、それと逆の操作を行えば、湾曲部2が二点鎖線で示される真っ直ぐな状態に戻る。
そして、操作輪38を回転操作して回転操作ねじ部材18′を軸周りに回転させると、回転操作ねじ部材18′と螺合するスライドねじ部材12′が軸周りに回転することなく軸方向に移動するので、第1の実施の形態と同様に、スライドねじ部材12′に固定されたカテーテル本体1の基端がカテーテル本体保持ハンドル6に対して移動し、カテーテル本体保持ハンドル6と操作ワイヤー保持ハンドル7とを相対的に動かさない状態において、カテーテル本体1の基端に対するカテーテル本体保持ハンドル6の連結位置と操作ワイヤー4の基端に対する操作ワイヤー保持ハンドル7の連結位置との間の間隔を、両保持ハンドル6,7の外部からの簡単な操作で操作ワイヤー4に弛みが無くなる任意の長さまで伸ばして、湾曲部2を正常に屈曲させることができる状態にすることができる。
図12は、上述のような第2の実施の形態の操作ハンドル部5に用いられているガイド筒体8′を単体で示しており、その中間部分に形成されたガイドスリット25の先側(図において下側)に連続して、スライドねじ部材12′が通過できない幅の幅狭部26が形成され、さらに、ガイド筒体8′の下端に開口する案内路27が幅狭部26に連結して形成されている。28は斜面である。
そのようなガイドスリット25、幅狭部26及び案内路27は、第1の実施の形態と同様にガイド筒体8′の軸周りの180°対称位置に一対形成されており、そのガイドスリット25内においてのみスライド片であるスライドねじ部材12′がスムーズにスライド動作することができる。
そして、第1の実施の形態と同様に、そのスライド作動部分にはガイドスリット25とスライドねじ部材12′以外に他の部材が何ら用いられていないので、良好に動作するだけでなく、シンプルな構成で簡単に組み立てることができ、組み立て後に故障のおそれがない等の優れた効果が得られる。
図13は本発明の第3の実施の形態を示しており、第2の実施の形態とほぼ同じ構造の操作ハンドル部5であるが、第2の実施の形態のカテーテル本体保持ハンドル6と操作ワイヤー保持ハンドル7とを逆にして、使用者が手で握り込んで保持する筒状体がカテーテル本体保持ハンドル7′になっていて、カテーテル本体保持ハンドル7′を握った手の親指の腹で押し引き操作し易い厚肉の略円盤状体が操作ワイヤー保持ハンドル6′になっている。ガイド筒体8′(本発明の筒状部材)はカテーテル本体保持ハンドル7′の先端部分に一体に形成されていて、その外周部を操作ワイヤー保持ハンドル6′が前後方向にスライドする。
そのようなガイド筒体8′の最先端部に固定的に取り付けられたカテーテル本体固定部材34にカテーテル本体1の基端が固着され、第2の実施の形態と同様の構成のスライドねじ部材12′(本発明のスライド片)に操作ワイヤー4の基端が固定されている。その他の構成は第2の実施の形態と同様なので、第2の実施の形態と同じ符号を付してその説明は省略する。
このように構成された実施の形態においては、操作ワイヤー保持ハンドル6′とカテーテル本体保持ハンドル7′とを相対的に軸方向にスライド操作して、カテーテル本体保持ハンドル7′に対して操作ワイヤー保持ハンドル6′を後方(上方)に引く(操作ワイヤー保持ハンドル6′側から見れば、カテーテル本体保持ハンドル7′を前方(下方)に押し出す)操作を行うことにより、カテーテル本体1に対して操作ワイヤー4が後方に牽引されて湾曲部2が屈曲し、それと逆の操作を行えば、湾曲部2が二点鎖線で示される真っ直ぐな状態に戻る。
そして、操作輪38を回転操作して回転操作ねじ部材18′を軸周りに回転させると、回転操作ねじ部材18′と螺合するスライドねじ部材12′が軸周りに回転することなく軸方向に移動するので、スライドねじ部材12′に固定された操作ワイヤー4の基端が操作ワイヤー保持ハンドル6′に対して移動し、カテーテル本体保持ハンドル7′と操作ワイヤー保持ハンドル6′とを相対的に動かさない状態において、カテーテル本体1の基端に対するカテーテル本体保持ハンドル7′の連結位置と操作ワイヤー4の基端に対する操作ワイヤー保持ハンドル6′の連結位置との間の間隔を、両保持ハンドル6′,7′の外部からの簡単な操作で操作ワイヤー4に弛みが無くなる任意の長さまで伸ばして、湾曲部2を正常に屈曲させることができる状態にすることができる。
図14は、上述のような第3の実施の形態の操作ハンドル部5に用いられているガイド筒体8′を単体で示しており、ガイドスリット25、幅狭部26及び案内路27が前述の第2の実施の形態と同様に形成されていて、第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態のスライド筒部単体の側面図。 本発明の第1の実施の形態のスライド筒部のガイドスリット内にワイヤー固定板を組み付ける状態の側面図。 本発明の第1の実施の形態の心臓カテーテルの全体構成を示す外観図。 本発明の第1の実施の形態の心臓カテーテルの湾曲部を屈曲させる操作が行われた状態の外観図。 本発明の第1の実施の形態の心臓カテーテルの操作ハンドル部の側面断面図。 本発明の第1の実施の形態の図5におけるA−A線で切断した状態の断面図。 本発明の第1の実施の形態の図5におけるB−B線で切断した状態の断面図。 本発明の第1の実施の形態の心臓カテーテルの湾曲操作状態の操作ハンドル部の側面断面図。 本発明の第2の実施の形態の心臓カテーテルの側面断面図。 本発明の第2の実施の形態の図9におけるC−C線で切断した状態の断面図。 本発明の第2の実施の形態の図9におけるD−D線で切断した状態の断面図。 本発明の第2の実施の形態のガイド筒体単体の側面図。 本発明の第3の実施の形態の心臓カテーテルの側面断面図。 本発明の第3の実施の形態のガイド筒体単体の側面図。
符号の説明
1…カテーテル本体
2…湾曲部
4…操作ワイヤー
5…操作ハンドル部
6,7′…カテーテル本体保持ハンドル
7,6′…操作ワイヤー保持ハンドル
8…スライド筒部(筒状部材)
8′…ガイド筒体(筒状部材)
12…スライドねじ部材
12′…スライドねじ部材(スライド片)
15…ワイヤー固定板(スライド片)
15a…薄肉部
15b…段部
25…ガイドスリット
26…幅狭部
27…案内路

Claims (8)

  1. 可撓性を有する細長いカテーテル本体内に操作ワイヤーが内挿され、手元側に設けられた操作ハンドル部において、前記操作ワイヤーの基端を前記カテーテル本体の基端に対して軸方向に進退操作することにより、前記カテーテル本体の先端近傍部分を屈曲させることができるように構成された心臓カテーテルにおいて、
    前記操作ハンドル部において、前記操作ワイヤーの基端と前記カテーテル本体の基端の一方に筒状部材が連結されると共に、その筒状部材の中間部分に形成されたガイドスリットに沿って相対的にスライド自在なスライド片が他方に連結され、
    前記筒状部材には、前記スライド片が通過できない幅であって前記筒状部材を弾性変形させることにより前記スライド片が通過できる状態に広がる幅狭部が前記ガイドスリットに対し長手方向に連続して形成されると共に、前記スライド片を前記幅狭部内に前記ガイドスリットの反対側から案内するための案内路が端部まで開口して形成されていることを特徴とする心臓カテーテル。
  2. 請求項1記載の心臓カテーテルにおいて、前記ガイドスリットが前記筒状部材の複数箇所に並列に形成され、それに対応して前記幅狭部と前記案内路が形成されている心臓カテーテル。
  3. 請求項2記載の心臓カテーテルにおいて、前記ガイドスリットが前記筒状部材の軸周りの180°対称位置に一対形成されている心臓カテーテル。
  4. 請求項3記載の心臓カテーテルにおいて、前記スライド片が全体として略板状に形成されて、その両端寄りの部分が前記ガイドスリット内に緩く通されている心臓カテーテル。
  5. 請求項4記載の心臓カテーテルにおいて、前記スライド片の前記ガイドスリットと係合する部分の内側に隣接する部分に、前記ガイドスリット内に入ることのできない高さの段部が形成されている心臓カテーテル。
  6. 請求項1から5の何れかに記載の心臓カテーテルにおいて、前記筒状部材に前記カテーテル本体の基端が連結されて、前記スライド片に前記操作ワイヤーの基端が連結され、前記案内路が前記筒状部材の後端側に開口している心臓カテーテル。
  7. 請求項1から5の何れかに記載の心臓カテーテルにおいて、前記筒状部材に前記カテーテル本体の基端が連結されて、前記スライド片に前記操作ワイヤーの基端が連結され、前記案内路が前記筒状部材の先端側に開口している心臓カテーテル。
  8. 請求項1から5の何れかに記載の心臓カテーテルにおいて、前記筒状部材に前記操作ワイヤーの基端が連結されて、前記スライド片に前記カテーテル本体の基端が連結され、前記案内路が前記筒状部材の先端側に開口している心臓カテーテル。
JP2006317814A 2006-10-26 2006-10-26 心臓カテーテル Active JP4706008B2 (ja)

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