JP2008102486A - 感光性組成物、感光性フィルム、永久パターン形成方法、及びプリント基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バインダー、重合性化合物、光重合開始剤、熱架橋剤、及び無機顔料を含み、前記光重合開始剤がオキシム誘導体を含み、前記無機顔料がシランカップリング剤により表面処理されている感光性組成物等である。前記シランカップリング剤が、アルコキシシリル基、クロロシリル基、及びアセトキシシリル基から選択される少なくとも1種の官能基と、ビニル基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、及び(メタ)アクリロイル基から選択される少なくとも1種の官能基とを有する態様などが好ましい。
【選択図】なし
Description
また、ソルダーレジスト用途では、無機顔料として硫酸バリウムを用いた場合に現像残渣が残り現像性が悪化するのを防ぐ目的で、前記無機顔料に表面処理を施した提案がされている(特許文献1)。
しかし、前記提案では、用いる光重合開始剤によっては、感度が必ずしも十分でないため、永久パターンを高精細かつ効率的に得にくい問題があった。
更に、前記永久パターンを高精細にするためには、現像後の密着性(細線密着性)を良くすることも重要である。
<1> バインダー、重合性化合物、光重合開始剤、熱架橋剤、及び無機顔料を含み、前記光重合開始剤がオキシム誘導体を含み、前記無機顔料がシランカップリング剤により表面処理されていることを特徴とする感光性組成物である。
<2> シランカップリング剤が、アルコキシシリル基、クロロシリル基、及びアセトキシシリル基から選択される少なくとも1種の官能基と、ビニル基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、及び(メタ)アクリロイル基から選択される少なくとも1種の官能基とを有する前記<1>に記載の感光性組成物である。
<3> 無機顔料がシリカである前記<1>から<2>のいずれかに記載の感光性組成物。
<4> オキシム誘導体が、少なくとも芳香族基を有する化合物である前記<1>から<3>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<5> オキシム誘導体が、下記一般式(I)、一般式(II)及び一般式(X)のいずれかで表される部分構造を有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の感光性組成物である。
また、前記一般式(X)中、R100は、アシル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基のいずれかを表し、これらの置換基は、更に置換基を有していてもよい。αは、0以上のいずれかの整数を表す。R200は、置換基を表し、αが2以上の場合、該R200は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Arは、芳香族環及び複素芳香族環のいずれかを表す。Aは、4、5、6、及び7員環のいずれかを表し、これらの環は、それぞれへテロ原子を含んでいてもよい。
<6> 一般式(I)、一般式(II)及び一般式(X)におけるArが、フェニル基及びナフチル基のいずれかを有する前記<5>に記載の感光性組成物である。
<7> 一般式(I)、一般式(II)及び一般式(X)におけるArが、ナフチル基を有する前記<6>に記載の感光性組成物である。
<8> 一般式(I)が、更に下記一般式(III)及び一般式(IV)のいずれかで表される前記<5>から<7>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<9> バインダーが、酸性基とエチレン性不飽和結合とを側鎖に有する高分子化合物を含む前記<1>から<8>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<10> バインダーが、酸性基と、ヘテロ環を含んでもよい芳香族基と、エチレン性不飽和結合とを側鎖に有する高分子化合物を含む前記<9>に記載の感光性組成物である。
<11> 高分子化合物が、エチレン性不飽和結合を0.5〜3.0meq/g含有する前記<9>から<10>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<12> 高分子化合物が、側鎖にカルボキシル基を有し、前記カルボキシル基の高分子化合物における含有量が、1.0〜4.0meq/gである前記<9>から<11>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<13> 高分子化合物の質量平均分子量が、10,000以上100,000未満である前記<9>から<12>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<14> 高分子化合物が、下記一般式(A−3)で表される構造単位を20mol%以上含有する前記<10>から<13>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<16> 熱架橋剤が、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物にブロック剤を反応させて得られる化合物、及びメラミン誘導体から選択される少なくとも1種である前記<1>から<15>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<17> 熱架橋剤がエポキシ化合物を含み、該エポキシ化合物がビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式基含有型エポキシ樹脂、及び難溶性エポキシ樹脂から選択される少なくとも1種である前記<16>に記載の感光性組成物である。
<18> 増感剤を含む前記<1>から<17>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<19> 増感剤がヘテロ縮環系化合物を含む前記<18>に記載の感光性組成物である。
<20> ヘテロ縮環系化合物がチオキサントン化合物である前記<19>に記載の感光性組成物である。
<22> 感光層の厚みが1〜100μmである前記<21>に記載の感光性フィルムである。
<23> 支持体が、合成樹脂を含み、かつ透明である前記<21>から<22>のいずれかに記載の感光性フィルムである。
<24> 支持体が長尺状である前記<21>から<23>のいずれかに記載の感光性フィルムである。
<25> 長尺状でありロール状に巻かれてなる前記<21>から<24>のいずれかに記載の感光性フィルムである。
<26> 感光層上に保護フィルムを有する前記<21>から<25>のいずれかに記載の感光性フィルムである。
<28> 感光層が、前記<21>から<26>のいずれかに記載の感光性フィルムにより形成された前記<27>に記載の永久パターン形成方法である。
<29> 露光が、フォトマスクを用いずに行なわれる前記<27>から<28>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<30> 露光が、露光光と感光層とを相対的に移動させながら行われる前記<29>に記載の永久パターン形成方法である。
<31> 露光が、光照射手段、及び光変調手段を少なくとも備えた露光ヘッドと、前記感光層との少なくとも何れかを移動させつつ、前記感光層に対して、前記光照射手段から出射された光を前記光変調手段によりパターン情報に応じて変調しながら前記露光ヘッドから照射して行なわれる前記<29>から<30>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<32> 光変調手段が、n個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の前記描素部をパターン情報に応じて制御可能である前記<31>に記載の永久パターン形成方法である。
<33> 光変調手段が、空間光変調素子である前記<31>から<32>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<34> 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である前記<33>に記載の永久パターン形成方法である。
<35> 露光が、アパーチャアレイを通して行われる前記<31>から<34>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<36> 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である前記<31>から<35>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<37> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを備える前記<31>から<36>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<38> 露光が、350〜420nmの波長のレーザ光を用いて行われる前記<27>から<37>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<40> 現像が行われた後、永久パターンの形成を行う前記<39>に記載の永久パターン形成方法である。
<41> 現像が行われた後、感光層に対して硬化処理を行う前記<40>に記載の永久パターン形成方法である。
<42> 硬化処理が、全面露光処理及び120〜200℃で行われる全面加熱処理の少なくともいずれかである前記<41>に記載の永久パターン形成方法である。
<44> 保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかである前記<43>に記載のパターンである。
本発明の感光性組成物は、バインダー、重合性化合物、光重合開始剤、熱架橋剤、及び無機顔料を含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記無機顔料は、永久パターンの表面硬度の向上、あるいは線膨張係数を低く抑えること、あるいは、硬化膜自体の誘電率や誘電正接を低く抑えることを目的として添加される。
前記無機顔料は、熱硬化後に、無機顔料とパターンとの密着性を向上させるために、シランカップリング剤により表面処理される。前記シランカップリング剤としては、アルコキシシリル基、クロロシリル基、及びアセトキシシリル基から選択される少なくとも1種の官能基(以下、「「第1官能基」とも称する。)と、ビニル基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、及び(メタ)アクリロイル基から選択される少なくとも1種の官能基(以下、「第2官能基」とも称する。)とを有するものが好ましく、第2官能基が(メタ)アクリレート基又はエポキシ基であるものがより好ましい。
前記前処理を行う方法としては、特に制限はなく、例えば、乾式法、水溶液法、有機溶媒法、スプレー法等の方法が挙げられる。前記前処理を行なう温度は、特に制限はないが、常温〜200℃が好ましい。
前記前処理を行なう際には触媒を加えることも好ましい。この触媒としては、特に制限はなく、例えば、酸、塩基、金属化合物、有機金属化合物等が挙げられる。
前記無機顔料の平均粒径は、10μm未満が好ましく、3μm以下がより好ましい。該平均粒径が10μm以上であると、光錯乱により解像度が劣化することがある。
前記光重合開始剤としては、オキシム誘導体が用いられる。また、必要に応じて、その他の光重合開始剤を含んでもよい。
前記Y2としては、脂肪族基、−CO−(脂肪族基)、−CO−(芳香族基)、−CO−(複素環基)、−CO2−(脂肪族基)、−CO2−(芳香族基)、及び−CO2−(複素環基)のいずれかであることが好ましい。
前記Y3及びY4としては、脂肪族基及び芳香族基のいずれかであることが好ましい。
また、これらの芳香族基は置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基が挙げられる。例えば、後述のアルキル基、置換アルキル基、又は置換アルキル基における置換基として示したものなどを挙げることができる。
また、これらの複素環基は置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、水素原子を除く1価の非金属原子団からなる基が挙げられる。例えば、後述のアルキル基、置換アルキル基、又は置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。
前記置換基におけるヘテロ環基としては、例えば、ピリジル基、ピペリジニル基、などが挙げられる。
前記置換基におけるシリル基としてはトリメチルシリル基等が挙げられる。
前記置換基にはアシル基(R01CO−)を含んでいてもよく、該アシル基としては、該R01が、例えば、水素原子、上記のアルキル基、アリール基のものなどが挙げられる。
前記置換アリール基としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。
R02、R03、R04、R05としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基が好ましく、これらの具体例としては、前述の例として示したものを挙げることができる。これらの中でも、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1から10までの直鎖状、分岐状、環状のアルキル基がより好ましい。
具体的には、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−オクテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−フェニル−1−エテニル基、2−クロロ−1−エテニル基、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、フェニルエチニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、置換アルキル基の置換基として例示したピリジル基等が挙げられる。
前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、オクチル基、アリル基などが挙げられる。
前記Y12としては、−CO−(脂肪族基)が特に好ましい。前記Y12中の脂肪族基としては、炭素原子数1から10の脂肪族基が好ましい。
具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基などが好ましい。
前記一般式(X)で表されるオキシム化合物の中でも、下記一般式(XI)で表される化合物がより好ましく、下記一般式(XII)及び(XIII)のいずれかで表される化合物が特に好ましい。
前記一般式(X)及び(XI)中、前記R100で表されるアシル基としては、脂肪族、芳香族、及び複素環のいずれでもよく、更に置換基を有してもよい。
前記脂肪族のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、デカノイル基、フェノキシアセチル基、クロロアセチル基、などが挙げられる。前記芳香族のアシル基としては、例えば、ベンゾイル基、ナフトイル基、メトキシベンゾイル基、ニトロベンゾイル基、などが挙げられる。前記複素環のアシル基としては、例えば、フラノイル基、チオフェノイル基、などが挙げられる。前記置換基としては、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、及びハロゲン原子のいずれかが好ましい。
前記アシル基としては、総炭素原子数2〜30のものが好ましく、総炭素原子数2〜20のものがより好ましく、総炭素原子数2〜16のものが特に好ましい。このようなアシル基としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、メチルプロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、ベンジルカルボニル基、フェノキシアセチル基、2エチルヘキサノイル基、クロロアセチル基、ベンゾイル基、パラメトキシベンゾイル基、2,5−ジブトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、ピリジルカルボニル基、フラノイル基、チオフェノイル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、などが挙げられる。
前記一般式(X)及び(XI)中、前記R100で表されるアルキルオキシカルボニル基としては、置換基を有していてもよく、総炭素原子数が2〜30のアルコキシカルボニル基が好ましく、総炭素原子数2〜20のものがより好ましく、総炭素原子数2〜16のものが特に好ましい。このようなアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニルブトキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、エトキシエトキシカルボニル基、などが挙げられる。
前記一般式(X)及び(XI)中、前記R100で表されるアリールオキシカルボニル基としては、置換基を有していてもよく、総炭素原子数7〜30のアルコキシカルボニル基が好ましく、総炭素原子数7〜20のものがより好ましく、総炭素原子数7〜16のものが特に好ましい。この様なアリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、2−ナフトキシカルボニル基、パラメトキシフェノキシカルボニル基、2,5−ジエトキシフェノキシカルボニル基、パラクロロフェノキシカルボニル基、パラニトロフェノキシカルボニル基、パラシアノフェノキシカルボニル基、などが挙げられる。
前記一般式(X)及び(XI)中、R200で表される置換基としては、特に制限はなく、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、アシルオキシ基、ニトロ基、アシルアミノ基、などが挙げられる。これらの中でも、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、及びアシルオキシ基のいずれかが好ましい。
ここで、前記一般式(X)で表されるオキシム化合物の具体例としては、下記構造式(1)〜(54)で表される化合物が挙げられるが、本発明においては、これらに限定されるものではない。
前記その他の光重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができるが、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、波長約300〜800nmの範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。前記波長は330〜500nmがより好ましい。
前記感光性組成物としては、増感剤を含んでいてもよい。
前記増感剤は、前記感光層を露光し現像する場合において、該感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記光の最小エネルギー(感度)を向上させる観点から併用することが特に好ましい。
前記増感剤としては、前記光照射手段(例えば、可視光線や紫外光及び可視光レーザ等)に合わせて適宜選択することができる。
前記増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えば、ラジカル発生剤、酸発生剤等)と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動等)することにより、ラジカルや酸等の有用基を発生することが可能である。
前記増感剤としては、縮環系化合物、アミノフェニルケトン系化合物、多核芳香族類、酸性核を有するもの、塩基性核を有するもの、蛍光増白剤核を有するものから選択される少なくとも1種を含み、必要に応じて、その他の増感剤を含んでもよい。増感剤としては、感度向上の点でさらにヘテロ縮環系化合物、アミノベンゾフェノン系化合物が好ましく、特にヘテロ縮環系化合物が好ましい。
前記例示化合物の中で、芳香族環や複素環が縮環した化合物(縮環系化合物)としては、ヘテロ縮環系化合物が好ましい。前記ヘテロ縮環系化合物とは、環の中にヘテロ元素を有する多環式化合物を意味し、前記環の中に、窒素原子を含むのが好ましい。前記ヘテロ縮環系化合物としては、例えば、ヘテロ縮環系ケトン化合物が挙げられる。前記ヘテロ縮環系ケトン化合物の中でも、アクリドン化合物及びチオキサントン化合物が更に好ましく、これらの中でもチオキサントン化合物が特に好ましい。
前記ヘテロ縮環系ケトン化合物としては、具体的には、例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン、などのアクリドン化合物;チオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルオキシチオキサントン、QuantacureQTXなどのチオキサントン化合物;3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ベンゾトリアゾール−2−イルクマリン、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、また、特開平5−19475号、特開平7−271028号、特開2002−363206号、特開2002−363207号、特開2002−363208号、特開2002−363209号公報等に記載のクマリン化合物、などのクマリン類;などが挙げられる。
また公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、などが挙げられる。
前記含有量が、0.01質量%未満となると、感度が低下することがあり、4質量%を超えると、パターンの形状が悪化することがある。
前記増感剤の含有量と、前記光重合開始剤の含有量との質量比が、上記の範囲外であると、感度が低下し、かつ感度の経時変化が悪化することがある。
前記バインダーとしては、酸性基とエチレン性不飽和結合を側鎖に含む高分子化合物が好ましい。前記酸性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等があげられるが、原料入手の点からカルボキシル基が好ましい。
前記バインダーは、水に不溶で、かつ、アルカリ性水溶液により膨潤あるいは溶解する化合物が好ましい。
また、前記バインダーとしては、分子内に少なくとも1つの重合可能な二重結合、例えば、(メタ)アクリレート基又は(メタ)アクリルアミド基等のアクリル基、カルボン酸のビニルエステル、ビニルエーテル、アリルエーテル等の各種重合性二重結合を用いることができる。より具体的には、酸性基としてカルボキシル基を含有するアクリル樹脂に、環状エーテル基含有重合性化合物、たとえばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、桂皮酸等の不飽和脂肪酸のグリシジルエステルや、脂環式エポキシ基(たとえば同一分子中にシクロヘキセンオキシド等のエポキシ基)と(メタ)アクリロイル基を有する化合物等のエポキシ基含有の重合性化合物を付加させて得られる化合物などが挙げられる。また、酸性基及び水酸基を含有するアクリル樹脂に、イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基含有の重合性化合物を付加させて得られる化合物、無水物基を含有するアクリル樹脂に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を含有する重合性化合物を付加させて得られる化合物なども挙げられる。また、グリシジルメタクリレートなどの環状エーテル基含有重合性化合物と(メタ)アクリロイルアルキルエステルなどのビニルモノマーを共重合し、側鎖のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を付加させて得られる化合物なども挙げられる。さらには、エポキシ化合物由来の骨格を有し、かつ分子中にエチレン性二重結合とカルボキシル基を含有する化合物も挙げられる。このような化合物は、例えば、多官能エポキシ化合物とカルボキシル基含有モノマーとを反応させ、更に多塩基酸無水物を付加させる方法等で得ることができる。
これらの例は、特許2763775号公報、特開平3−172301号公報、特開2000−232264号公報、特開平1−54390号公報等が挙げられる。
その中でも、感光性組成物の経時での現像安定性の点から、バインダーは側鎖に、カルボキシル基とヘテロ環を含んでもよい芳香族基及び側鎖にエチレン性不飽和結合を含む高分子化合物が好ましい。
前記ヘテロ環を含んでもよい芳香族基(以下、単に「芳香族基」と称することもある。)としては、例えば、ベンゼン環、2個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものをなどが挙げられる。
前記芳香族基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、ベンゾピロール環基、ベンゾフラン環基、ベンゾチオフェン環基、ピラゾール環基、イソキサゾール環基、イソチアゾール環基、インダゾール環基、ベンゾイソキサゾール環基、ベンゾイソチアゾール環基、イミダゾール環基、オキサゾール環基、チアゾール環基、ベンズイミダゾール環基、ベンズオキサゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピラジン環基、フタラジン環基、キナゾリン環基、キノキサリン環基、アシリジン環基、フェナントリジン環基、カルバゾール環基、プリン環基、ピラン環基、ピペリジン環基、ピペラジン環基、インドール環基、インドリジン環基、クロメン環基、シンノリン環基、アクリジン環基、フェノチアジン環基、テトラゾール環基、トリアジン環基などが挙げられる。これらの中では、炭化水素芳香族基が好ましく、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基などが挙げられる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状のアルキル基、炭素原子数3から12までの分岐状のアルキル基、炭素原子数5から10までの環状のアルキル基が好ましい。
前記置換基におけるアリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基などが挙げられる。
前記置換基におけるアルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基などが挙げられる。
前記置換基におけるアシル基(R01CO−)のR01としては、水素原子、前述のアルキル基、アリール基などが挙げられる。
これらの置換基の中でも、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、モノアルキルホスホノ基、アルキルホスホナト基、モノアリールホスホノ基、アリールホスホナト基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基、アリール基、アルケニル基などが好ましい。
また、前記置換基におけるヘテロ環基としては、例えば、ピリジル基、ピペリジニル基などが挙げられ、前記置換基におけるシリル基としてはトリメチルシリル基などが挙げられる。
このような置換基とアルキレン基を組み合わせることで得られる置換アルキル基の、好ましい具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、s−ブトキシブチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、ピリジルメチル基、テトラメチルピペリジニルメチル基、N−アセチルテトラメチルピペリジニルメチル基、トリメチルシリルメチル基、メトキシエチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナトブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナトヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基などが挙げられる。
前記アリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基などが挙げられる。これらの中では、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
前記アルキル基は置換基を有してもよく、このような置換基を有するアリール基(以下、「置換アリール基」と称することもある。)としては、例えば、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素原子以外の一価の非金属原子団からなる基を有するものが挙げられる。
前記アリール基が有してもよい置換基としては、例えば、前述のアルキル基、置換アルキル基、前記アルキル基が有してもよい置換基として示したものが好ましい。
前記R02、R03、R04、R05としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基などが挙げられる。これらの具体例としては、前述の例として示したものを挙げることができる。これらの中でも、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1から10までの直鎖状のアルキル基、分岐状のアルキル基、環状のアルキル基が好ましい。
前記ヘテロ環基としては、例えば、置換アルキル基の置換基として例示したピリジル基などが挙げられる。
このようなオキシ基としては、例えば、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基などが好ましい。
これらにおけるアルキル基及びアリール基としては、前述のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基として示したものを挙げることができる。また、アシルオキシ基におけるアシル基(R07CO−)としては、R07が、先の例として挙げたアルキル基、置換アルキル基、アリール基ならびに置換アリール基のものを挙げることができる。これらの置換基の中では、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、アリールスルホキシ基がより好ましい。
好ましいオキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基、フェネチルオキシ基、カルボキシエチルオキシ基、メトキシカルボニルエチルオキシ基、エトキシカルボニルエチルオキシ基、メトキシエトキシ基、フェノキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、モルホリノエトキシ基、モルホリノプロピルオキシ基、アリロキシエトキシエトキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、メシチルオキシ基、クメニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、エトキシフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフチルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基などが挙げられる。
前記アミノ基としては、例えば、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N’−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。これらにおけるアルキル基及びアリール基としては、前述のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基として示したものが挙げられる。また、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基おけるアシル基(R07CO−)のR07は前述の通りである。これらのうち、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、アシルアミノ基がより好ましい。
好ましいアミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジノ基、フェニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アセチルアミノ基などが挙げられる。
このようなスルホニル基としては、例えば、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが好ましい。これらにおけるアルキル基及びアリール基としては、前述のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基として示したものが挙げられる。
前記スルホニル基の具体例としては、ブチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、クロロフェニルスルホニル基などが挙げられる。
このような対陽イオンとしては、一般に知られるものを適宜選択して用いることができ、例えば、オニウム類(例えば、アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類等)、金属イオン類(例えば、Na+、K+、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
このようなカルボニル基としては、例えば、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N’−アリールカルバモイル基などが挙げられる。これらにおけるアルキル基及びアリール基としては、前述のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基として示したものが挙げられる。
前記カルボニル基としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基が好ましく、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基がより好ましい。
前記カルボニル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ジメチルアミノフェニルエテニルカルボニル基、メトキシカルボニルメトキシカルボニル基、N−メチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基などが好適に挙げられる。
このようなスルフィニル基としては、例えば、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基などが挙げられる。これらにおけるアルキル基及びアリール基としては、前述のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基として示したものが挙げられる。これらの中でも、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基が好ましい。
前記置換スルフィニル基の具体例としては、ヘキシルスルフィニル基、ベンジルスルフィニル基、トリルスルフィニル基などが好適に挙げられる。
前記ホスホノ基のより好ましい具体例としては、ジエチルホスホノ基、ジブチルホスホノ基、ジフェニルホスホノ基などが挙げられる。
前記ラジカル重合法としては、例えば、一般的に懸濁重合法あるいは溶液重合法などが挙げられる。
より具体的には、前記Lの有機基としては、下記の構造単位が組み合わさって構成されるもの、多価ナフタレン、多価アントラセンなどを挙げることができる。
前記一般式(A−1)で表される化合物は、下記一般式(A−3)の構造単位を含む化合物となる。また、前記一般式(A−2)で表される化合物は、下記一般式(A−4)の構造単位を含む化合物となる。この内、一般式(A−3)の構造単位の方が、保存安定性の点で好ましい。
前記一般式(A−3)及び一般式(A−4)において、R1及びR2は水素原子、R3はメチル基である事が、非画像部の除去性(現像性)の点で好ましい。
また、前記一般式(A−3)のLは、炭素数1〜4のアルキレン基が非画像部の除去性(現像性)の点で好ましい。
前記エチレン性不飽和結合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記一般式(A−5)〜(A−7)で表されるものが好ましい。
前記R2及びR3としては、それぞれ独立して、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が、ラジカル反応性が高いことからより好ましい。
前記R4としては、例えば、置換基を有してもよいアルキル基などが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基がラジカル反応性が高いことからより好ましい。
ここで、導入しうる前記置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられる。
導入しうる前記置換基としては、前記一般式(A−5)において挙げたものが例示される。
前記R10、R11としては、それぞれ独立して、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが好ましく、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性が高いことからより好ましい。
ここで、導入しうる前記置換基としては、一般式(A−5)において挙げたものが例示される。
前記Zとしては、酸素原子、硫黄原子、−NR13−、又は置換基を有してもよいフェニレン基を表す。R13は、置換基を有してもよいアルキル基などを表し、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
前記エチレン性不飽和結合の前記高分子化合物における含有量は、特に制限はないが、0.5〜3.0meq/gが好ましく、1.0〜3.0meq/gがより好ましく、1.5〜2.8meq/gが特に好ましい。前記含有量が0.5meq/g未満であると、硬化反応量が少ないため低感度となることがあり、3.0meq/gより多いと、保存安定性が劣化することがある。
ここで、前記含有量(meq/g)は、例えば、ヨウ素価滴定により測定することができる。
前記側鎖にカルボキシル基を含有する高分子化合物は、例えば、カルボキシル基を含有するラジカル重合性化合物1種以上と、必要に応じて共重合成分として他のラジカル重合性化合物1種以上とを通常のラジカル重合法によって製造することでき、前記ラジカル重合法としては、例えば、懸濁重合法、溶液重合法などが挙げられる。
前記一般式(A−8)で表される化合物及び一般式(A−9)で表される化合物の中でも、一般式(A−8)で表される化合物が好ましく、前記一般式(A−8)においても、L1が炭素数1〜4のアルキレン基のものがより好ましい。
本発明の高分子化合物においては、非画像部除去性などの諸性能を向上させるために、カルボキシル基を有していてもよい。
前記カルボキシル基は、酸基を有するラジカル重合性化合物を共重合させることにより、前記高分子化合物に付与することができる。
このようなラジカル重合性が有する酸基としては、例えば、カルボン酸、スルホン酸、リン酸基などが挙げられ、カルボン酸が特に好ましい。
前記カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、インクロトン酸、マレイン酸、p−カルボキシルスチレンなどが挙げられ、これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、p−カルボキシルスチレンが好ましい。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記他のラジカル重合性化合物としては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン類などから選ばれるラジカル重合性化合物などが挙げられる。
前記アクリル酸エステル類としては、アルキル基の炭素原子数は1〜20のものが好ましく、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸エチルへキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートなどが挙げられる。
前記アリールアクリレートとしては、例えば、フェニルアクリレートなどが挙げられる。
前記アリールメタクリレートとしては、例えば、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレートなどが挙げられる。
前記アルコキシスチレンとしては、例えば、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレンなどが挙げられる。
前記ハロゲンスチレンとしては、例えばクロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレンなどが挙げられる。
これらのラジカル重合性化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の高分子化合物中には、未反応の単量体を含んでいてもよい。この場合、前記単量体の前記高分子化合物における含有量は、15質量%以下が好ましい。
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子中に少なくとも1個の付加重合可能な基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましく、例えば、(メタ)アクリル基を有するモノマーから選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。なお、本発明において「重合性化合物」とは、バインダーに含まれ得る重合性化合物は包含しないものとする。
前記熱架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光性フィルムを用いて形成される感光層の硬化後の膜強度を改良するために、現像性等に悪影響を与えない範囲で、例えば、1分子内に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物、1分子内に少なくとも2つのオキセタニル基を有するオキセタン化合物を用いることができる。
前記1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物としては、例えば、ビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂(「YX4000ジャパンエポキシレジン社製」等)又はこれらの混合物、イソシアヌレート骨格等を有する複素環式エポキシ樹脂(「TEPIC;日産化学工業社製」、「アラルダイトPT810;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂(例えば、低臭素化エポキシ樹脂、高ハロゲン化エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂など)、アリル基含有ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジフェニルジメタノール型エポキシ樹脂、フェノールビフェニレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(「HP−7200,HP−7200H;大日本インキ化学工業社製」等)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジグリシジルアニリン、トリグリシジルアミノフェノール等)、グリジジルエステル型エポキシ樹脂(フタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等)ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’、4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジエポキシド、「GT−300、GT−400、ZEHPE3150;ダイセル化学工業製」等、)、イミド型脂環式エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、グリシジルフタレート樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、ナフタレン基含有エポキシ樹脂(ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、市販品としては「ESN−190,ESN−360;新日鉄化学社製」、「HP−4032,EXA−4750,EXA−4700;大日本インキ化学工業社製」等)、フェノール化合物とジビニルベンゼンやジシクロペンタジエン等のジオレフィン化合物との付加反応によって得られるポリフェノール化合物と、エピクロルヒドリンとの反応物、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合物を過酢酸等でエポキシ化したもの、線状含リン構造を有するエポキシ樹脂、環状含リン構造を有するエポキシ樹脂、α―メチルスチルベン型液晶エポキシ樹脂、ジベンゾイルオキシベンゼン型液晶エポキシ樹脂、アゾフェニル型液晶エポキシ樹脂、アゾメチンフェニル型液晶エポキシ樹脂、ビナフチル型液晶エポキシ樹脂、アジン型エポキシ樹脂、グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂(「CP−50S,CP−50M;日本油脂社製」等)、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートとの共重合エポキシ樹脂、ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン型エポキシ樹脂、ビス(グリシジルオキシフェニル)アダマンタン型エポキシ樹脂などが挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも含むエポキシ化合物は、1分子中に含まれる2個以上のエポキシ基のすべてがβ−アルキル置換グリシジル基であってもよく、少なくとも1個のエポキシ基がβ−アルキル置換グリシジル基であってもよい。
前記β−アルキル置換グリシジル基としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−メチルグリシジル基、β−エチルグリシジル基、β−プロピルグリシジル基、β−ブチルグリシジル基、などが挙げられ、これらの中でも、前記感光性組成物の保存安定性を向上させる観点、及び合成の容易性の観点から、β−メチルグリシジル基が好ましい。
これらの中でも、下記一般式(D−1)で表されるビスフェノール化合物、及びこれとエピクロロヒドリンなどから得られる重合体から誘導されるβ−アルキルグリシジルエーテル、及び下記一般式(D−2)で表されるフェノール化合物−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテルが好ましい。
ただし、前記一般式(D−2)中、Rは水素原子及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表し、R”は水素原子、及びCH3のいずれかを表し、nは0〜20の整数を表す。
これらβ位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また1分子中に少なくとも2つのオキシラン環を有するエポキシ化合物、及びβ位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物を併用することも可能である。
前記エポキシ化合物、前記オキセタン化合物、及びこれらとカルボン酸との熱硬化を促進可能な化合物の前記感光性組成物固形分中の固形分含有量は、通常0.01〜15質量%である。
前記イソシアネート基ブロック剤としては、アルコール類(例えば、イソプロパノール、tert−ブタノール等)、ラクタム類(例えば、ε−カプロラクタム等)、フェノール類(例えば、フェノール、クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−sec−ブチルフェノール、p−sec−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール等)、複素環式ヒドロキシル化合物(例えば、3−ヒドロキシピリジン、8−ヒドロキシキノリン等)、活性メチレン化合物(例えば、ジアルキルマロネート、メチルエチルケトキシム、アセチルアセトン、アルキルアセトアセテートオキシム、アセトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等)などが挙げられる。これらの他、特開平6−295060号公報記載の分子内に少なくとも1つの重合可能な二重結合及び少なくとも1つのブロックイソシアネート基のいずれかを有する化合物などを用いることができる。
前記その他の成分としては、例えば、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤(着色顔料あるいは染料)、などが挙げられ、更に基材表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を併用してもよい。これらを適宜含有させることにより、目的とする感光性フィルムの安定性、写真性、膜物性などの性質を調整することができる。
前記熱重合禁止剤は、前記感光層における前記重合性化合物の熱的な重合又は経時的な重合を防止するために添加してもよい。
前記熱重合禁止剤としては、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキルまたはアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニル、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ピクリン酸、4−トルイジン、メチレンブルー、銅と有機キレート剤反応物、サリチル酸メチル、及びフェノチアジン、ニトロソ化合物、ニトロソ化合物とAlとのキレート、などが挙げられる。
前記含有量が、0.001質量%未満であると、保存時の安定性が低下することがあり、5質量%を超えると、活性エネルギー線に対する感度が低下することがある。
前記可塑剤は、前記感光層の膜物性(可撓性)をコントロールするために添加してもよい。
前記可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジフェニルフタレート、ジアリルフタレート、オクチルカプリールフタレート等のフタル酸エステル類;トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカブリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;4−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミド等のアミド類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセパケート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エステル類;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル、4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル等、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類が挙げられる。
前記着色顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメント・エロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・エロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)、カーボン、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、必要に応じて、公知の染料の中から、適宜選択した染料を使用することができる。
各層間の密着性、又は感光層と基体との密着性を向上させるために、各層に公知のいわゆる密着促進剤を用いることができる。
前記感光性組成物により形成された感光層は、これを露光し現像する場合において、該感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーは、0.1〜200mJ/cm2であることが好ましく、0.2〜100mJ/cm2であることがより好ましく、0.5〜50mJ/cm2であることが特に好ましい。
前記最小エネルギーが、0.1mJ/cm2未満であると、処理工程にてカブリが発生することがあり、200mJ/cm2を超えると、露光に必要な時間が長くなり、処理スピードが遅くなることがある。
前記硬化層の厚みは、前記露光量が増えるに従い増加していき、その後、前記露光前の前記感光層の厚みと略同一かつ略一定となる。前記現像感度は、前記硬化層の厚みが略一定となったときの最小露光量を読み取ることにより求められる値である。
ここで、前記硬化層の厚みと前記露光前の前記感光層の厚みとの差が±1μm以内であるとき、前記硬化層の厚みが露光及び現像により変化していないとみなす。
前記硬化層及び前記露光前の前記感光層の厚みの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、膜厚測定装置、表面粗さ測定機(例えば、サーフコム1400D(東京精密社製))などを用いて測定する方法が挙げられる。
ここで、前記変動率は、例えば、波長400nmの光における前記光の最小エネルギーを測定した後、波長を1nmずつずらして、波長410nmの光までの前記光の最小エネルギーを順次測定し、これら光の最小エネルギーの最大値(Emax)と最小値(Emin)との差から以下の式により求めることができる。
〔式〕
(Emax−Emin)/Emax
本発明の感光性フィルムとしては、支持体と、該支持体上に形成された前記本発明の感光性組成物からなる感光層とを少なくとも有し、必要に応じて適宜熱可塑性樹脂層等のその他の層を有することが好ましい。なお、感光層については既に述べた通りである。
<支持体>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるものが好ましく、更に表面の平滑性が良好であることがより好ましい。
前記感光性フィルムは、前記感光層上に保護フィルムを形成してもよい。
前記保護フィルムとしては、例えば、前記支持体に使用されるもの、紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、などが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護フィルムの厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜30μmが特に好ましい。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。また、支持体及び保護フィルムの少なくともいずれかを表面処理することにより、層間接着力を調整することができる。前記支持体の表面処理は、前記感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記感光性フィルムにおけるその他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クッション層、酸素遮断層(PC層)、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層などの層を有してもよい。これらの層を1種単独で有していてもよく、2種以上を有していてもよい。また、前記感光層上に保護フィルムを有していてもよい。
前記クッション層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、アルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性であってもよく、不溶性であってもよい。
前記軟化点が80℃以下の熱可塑性樹脂としては、上述した熱可塑性樹脂の他、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)による軟化点が約80℃以下の有機高分子の内、アルカリ性液に可溶なものが挙げられる。また、軟化点が80℃以上の有機高分子物質においても、該有機高分子物質中に該有機高分子物質と相溶性のある各種の可塑剤を添加して実質的な軟化点を80℃以下に下げることも可能である。
前記エチレンを必須の共重合成分とする共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)などが挙げられる。
前記エチレンの共重合比が、60質量%未満になると、前記クッション層と前記感光層との層間接着力が高くなり、該クッション層と該感光層との界面で剥離することが困難となることがあり、90質量%を超えると、前記クッション層と前記感光層との層間接着力が小さくなりすぎるため、該クッション層と該感光層との間で非常に剥離しやすく、前記クッション層を含む感光性フィルムの製造が困難となることがある。
前記厚みが、5μm未満になると、基体の表面における凹凸や、気泡等への凹凸追従性が低下し、高精細な永久パターンを形成できないことがあり、50μmを超えると、製造上の乾燥負荷増大等の不具合が生じることがある。
前記酸素遮断層は、通常ポリビニルアルコールを主成分として形成されることが好ましく、厚みが0.5〜5μm程度の被膜であることが好ましい。
前記感光性フィルムは、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、前記感光性組成物に含まれる材料を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて、感光性フィルム用の感光性組成物溶液を調製する。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
前記長尺状の感光性フィルムの長さは、特に制限はなく、例えば、10〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られるのが好ましい。また、前記ロール状の感光性フィルムをシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置するのが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いるのが好ましい。
前記感光性積層体は、基体上に、前記感光層を少なくとも有し、目的に応じて適宜選択されるその他の層を積層してなる。
前記基体は、感光層が形成される被処理基体、又は本発明の感光性フィルムの少なくとも感光層が転写される被転写体となるもので、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を持つものまで任意に選択できる。板状の基体が好ましく、いわゆる基板が使用される。具体的には、公知のプリント配線板製造用の基板(プリント基板)、ガラス板(ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
前記感光性積層体の製造方法として、第1の態様として、前記感光性組成物を前記基体の表面に塗布し乾燥する方法が挙げられ、第2の態様として、本発明の感光性フィルムにおける少なくとも感光層を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら転写して積層する方法が挙げられる。
前記塗布及び乾燥の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基体の表面に、前記感光性組成物を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて感光性組成物溶液を調製し、該溶液を直接塗布し、乾燥させることにより積層する方法が挙げられる。
前記加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、15〜180℃が好ましく、60〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜1.0MPaが好ましく、0.2〜0.8MPaがより好ましい。
本発明のパターン形成装置は、前記感光層を備えており、光照射手段と光変調手段とを少なくとも有する。
なお、本発明の前記パターン形成装置は、本発明の前記永久パターン形成方法の説明を通じて明らかにする。
前記露光工程は、本発明の感光層に対し、露光を行う工程である。本発明の前記感光層、及び基体の材料については上述の通りである。
前記レーザ光の励起媒質としては、結晶、ガラス、液体、色素、気体などがあり、これらの媒質から固体レーザ、液体レーザ、気体レーザ、半導体レーザなどの公知のレーザを用いることができる。
具体的には、ガスレーザとして、Arイオンレーザ(364nm、351nm)、Krイオンレーザ(356nm、351nm)、He−Cdレーザ(325nm)が挙げられ、固体レーザとして、YAGレーザ、YVO4レーザ(1,064nm)、YAGレーザ又はYVO4レーザの、2倍波(532nm)、3倍波(355nm)、4倍波(266nm)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体との組み合わせ(380nm〜400nm)、導波型波長変換素子とAlGaInP又はAlGaAs半導体tの組み合わせ(300nm〜350nm)、AlGaInN(350nm〜470nm)などが挙げられる。これらの中で好適なレーザ光としては、コストの面でAlGaInN半導体レーザ(市販InGaN系半導体レーザ375nmまたは405nm)が、生産性の面で高出力な355nmレーザが挙げられる。
前記光変調手段としては、n個の描素部を有し、前記パターン情報に応じて前記描素部を制御する方法が、代表的な方法として挙げられる。具体的には、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)や、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Spacial Light Modulator)、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)などが挙げられ、これらの中でもDMDが好適に挙げられる。
前記DMDでは、前記光点の輝度は、ONかOFFの2階調しかないが、ミラー階調型空間変調素子を用いると、256階調の露光を行なうことができる。
前記制御信号としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル信号が好適に挙げられる。
前記光照射手段、すなわち光の照射方法としては、特に制限はなく、前述の露光光源を目的に応じて適宜選択することができるが、これらの光源からの光を2以上合成して照射することが好適であり、2以上の光を合成したレーザ光(合波レーザ光)を照射することが特に好適に挙げられる。
本発明では、レーザ光を画像データに応じて空間光変調することが好ましい。したがって、この目的のため空間光変調素子である前記DMDを用いることが好ましい。
前記現像としては、前記感光層の未露光部分を除去することにより行われる。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液の温度は、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25〜40℃が好ましい。
前記パターンの形成方法が、保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジストパターン等の永久パターンや、カラーフィルタの形成を行う永久パターン形成方法である場合には、前記現像工程後に、感光層に対して硬化処理を行う硬化処理工程を備えることが好ましい。
前記硬化処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機、キセノンランプ使用の露光機、レーザ露光機などが好適に挙げられる。露光量は、通常10〜2,000mJ/cm2である。
前記全面加熱における加熱温度は、120〜250℃が好ましく、120〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃未満であると、加熱処理による膜強度の向上が得られないことがあり、250℃を超えると、前記感光性組成物中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることがある。
前記全面加熱における加熱時間は、10〜120分が好ましく、15〜60分がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
−表面処理済み無機顔料1の調製−
水5質量部及び塩酸(加水分解用触媒)5質量部を含むジクロロメタン1,000質量部中に、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン15質量部を溶解し、激しく攪拌しながら硫酸バリウム(堺化学社製、B30)100質量部を徐々に加えた。十分攪拌を行った後にろ過、乾燥して表面処理済み無機顔料1を得た。
−表面処理済み無機顔料2の調製−
表面処理例1において、硫酸バリウムの代わりにシリカ(ゾルゲル法により作製)(日本アエロジル(株)製「アエロジル130」)100質量部を加えた以外は同様にして表面処理済み無機顔料2を得た。
−表面処理済無機顔料3の調製−
表面処理例1において、硫酸バリウムの代わりにタルク(富士タルク工業(株)製「LMS#200」)98質量部を加えた以外は同様にして表面処理済み無機顔料3を得た。
−表面処理済み無機顔料4の調製−
表面処理例1において、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの代わりに、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン15質量部を溶解した以外は同様にして表面処理済み無機顔料4を得た。
−表面処理済み無機顔料5の調製−
表面処理例1において、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの代わりに、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン30質量部を溶解した以外は同様にして表面処理済み無機顔料5を得た。
−表面処理済み無機顔料6の調製−
表面処理例1において、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの代わりに、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン30質量部を溶解した以外は同様にして表面処理済み無機顔料6を得た。
−表面処理済み無機顔料7の調製−
表面処理例1において、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの代わりに、α−[[3−(トリメトキシシリル)プロポキシ]メチル]−イミダゾール−1−エタノール((株)ジャパンエナジー製「IS−1000」)20質量部を溶解した以外は同様にして表面処理済み無機顔料7を得た。
−表面処理済み無機顔料8の調製−
表面処理例1において、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの代わりに、2−エチル−4−メチルイミダゾプロピルトリメトキシシラン塩酸塩(日本ユニカー(株)製「AZ−6160」)20質量部を溶解した以外は同様にして表面処理済み無機顔料8を得た。
−表面処理済み無機顔料9の調製−
表面処理例1において、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの代わりに、ビニルトリアセトキシシラン15質量部を溶解した以外は同様にして表面処理済み無機顔料9を得た。
(表面処理例10)
−表面処理済み無機顔料10の調製−
表面処理例1において、硫酸バリウムの代わりに球状シリカ(燃焼法により作製)((株)アドマテックス製「アドマファインSO−C1」、平均粒径0.25μm)50質量部を加え、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの代わりに、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM403」)2.5質量部を溶解した以外は同様にして表面処理済み無機顔料10を得た。
(表面処理例11)
−表面処理済み無機顔料11の調製−
表面処理例1において、硫酸バリウムの代わりに球状シリカ(燃焼法により作製)((株)アドマテックス製「アドマファインSO−C1」、平均粒径0.25μm)50質量部を加え、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの代わりに、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM503」)2.5質量部を溶解した以外は同様にして表面処理済み無機顔料11を得た。
(表面処理例12)
−表面処理済み無機顔料12の調製−
表面処理例1において、硫酸バリウムの代わりに球状シリカ(燃焼法により作製)((株)アドマテックス製「アドマファインSO−C2」、平均粒径0.5μm)50質量部を加え、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの代わりに、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM403」)2.5質量部を溶解した以外は同様にして表面処理済み無機顔料12を得た。
(表面処理例13)
−表面処理済み無機顔料13の調製−
表面処理例1において、硫酸バリウムの代わりに球状シリカ(燃焼法により作製)((株)アドマテックス製「アドマファインSO−C2」、平均粒径0.5μm)25質量部を加え、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの代わりに、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM503」)2.5質量部を溶解した以外は同様にして表面処理済み無機顔料13を得た。
(表面処理例14)
−表面処理済み無機顔料14の調製−
表面処理例1において、硫酸バリウムの代わりに球状シリカ(燃焼法により作製)(電気化学工業(株)製「SFP−30M」、平均粒径0.7μm)50質量部を加え、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの代わりに、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM403」)2.5質量部を溶解した以外は同様にして表面処理済み無機顔料14を得た。
(表面処理例15)
−表面処理済み無機顔料15の調製−
表面処理例1において、硫酸バリウムの代わりに球状シリカ(燃焼法により作製)(電気化学工業(株)製「SFP−30M」、平均粒径0.7μm)50質量部を加え、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの代わりに、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM503」)2.5質量部を溶解した以外は同様にして表面処理済み無機顔料15を得た。
(表面処理例16)
−表面処理済み無機顔料16の調製−
表面処理例1において、硫酸バリウムの代わりに球状シリカ(燃焼法により作製)(電気化学工業(株)製「SFP−20M」、平均粒径0.3μm)50質量部を加え、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの代わりに、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM403」)2.5質量部を溶解した以外は同様にして表面処理済み無機顔料16を得た。
(表面処理例17)
−表面処理済み無機顔料17の調製−
表面処理例1において、硫酸バリウムの代わりに球状シリカ(燃焼法により作製)(電気化学工業(株)製「SFP−20M」、平均粒径0.3μm)50質量部を加え、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの代わりに、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM503」)2.5質量部を溶解した以外は同様にして表面処理済み無機顔料17を得た。
−バインダー1の合成−
1,000mL三口フラスコに1−メトキシ−2−プロパノール159gを入れ、窒素気流下、85℃まで加熱した。これに、ベンジルメタクリレート63.4g、メタクリル酸72.3g、V−601(和光純薬製)4.15gの1−メトキシ−2−プロパノール159g溶液を、2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に5時間加熱して反応させた。次いで、加熱を止め、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(30/70mol%比)の共重合体を得た。
次に、前記共重合体溶液の内、120.0gを300mL三口フラスコに移し、グリシジルメタクリレート16.6g、p−メトキシフェノール0.16gを加え、撹拌し溶解させた。溶解後、トリフェニルホスフィン3.0gを加え、100℃に加熱し、付加反応を行った。グリシジルメタクリレートが消失したことを、ガスクロマトグラフィーで確認し、加熱を止めた。1−メトキシ−2−プロパノールを加え、固形分30質量%の下記構造式で表されるバインダー1の溶液を調製した。
得られたバインダーの質量平均分子量(Mw)をポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、15,000であった。
また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、2.2meq/gであった。
更に、ヨウ素価滴定により求めた固形分あたりのエチレン性不飽和結合の含有量(C=C価)は、2.1meq/gであった。
−バインダー2の合成−
1,000mL三口フラスコに1−メトキシ−2−プロパノール159gを入れ、窒素気流下、85℃まで加熱した。これに、メチルメタクリレート36g、メタクリル酸72.3g、V−601(和光純薬製)4.15gの1−メトキシ−2−プロパノール159g溶液を、2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に5時間加熱して反応させた。次いで、加熱を止め、メチルメタクリレート/メタクリル酸(30/70mol%比)の共重合体を得た。
次に、前記共重合体溶液の内、120.0gを300mL三口フラスコに移し、グリシジルメタクリレート16.6g、p−メトキシフェノール0.16gを加え、撹拌し溶解させた。溶解後、トリフェニルホスフィン2.4gを加え、100℃に加熱し、付加反応を行った。グリシジルメタクリレートが消失したことを、ガスクロマトグラフィーで確認し、加熱を止めた。1−メトキシ−2−プロパノールを加え、固形分30質量%の下記構造式で表されるバインダー2の溶液を調製した。
得られたバインダーの質量平均分子量(Mw)をポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、15,000であった。
また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、2.3meq/gであった。
更に、ヨウ素価滴定により求めた固形分あたりのエチレン性不飽和結合の含有量(C=C価)は、2.6meq/gであった。
−バインダー3の合成−
フェノールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成社製、YDPN−702)110質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート150質量部に加熱しながら溶解し、次いでアクリル酸34質量部及びベンジルジメチルアミン0.8質量部を加え、100〜120℃で8時間反応を続けた後、テトラヒドロ無水フタル酸35質量部を加え、100℃で8時間反応させて酸価70mgKOH/gのエポキシアクリレート化合物(媒ダー3)を得た。
−感光性組成物の調製−
各成分を下記の量で配合して、感光性組成物溶液を調製した。
〔感光性組成物溶液の各成分量〕
前記バインダー1(前記1−メトキシ−2−プロパノール溶液中に固形分質量30質量%)・・・87.4質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合性化合物)・・・13質量部
・下記式I−1で表される光重合開始剤・・・2.6質量部
・下記式S−1で表される増感剤・・・0.5質量部
・エポトートYD−8125(エポキシ等量170g/eq.東都化成社製、ビスフェノールA系エポキシ樹脂)・・・8質量部
・熱硬化剤(ジシアンジアミド)・・・0.77質量部
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−176,大日本インキ化学工業(株)製、30質量%2−ブタノン溶液)・・・0.2質量部
・表面処理済み無機顔料1・・・21.98質量部
・メチルエチルケトン・・・15質量部
得られた感光性組成物溶液を、前記支持体としての厚み16μm、幅300mm、長さ200mのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(東レ社製、16FB50)上に、バーコーターで塗布し、80℃熱風循環式乾燥機中で乾燥して、厚み30μmの感光層を形成した。次いで、該感光層の上に、保護フィルムとして、膜厚20μm、幅310mm、長さ210mのポリプロピレンフィルム(王子製紙社製、E−200)をラミネーションにより積層し、感光性フィルムを製造した。
次に、前記基材として、プリント基板としての配線形成済みの銅張積層板(スルーホールなし、銅厚み12μm)の表面に化学研磨処理を施して調製した。該銅張積層板上に、前記感光性フィルムの感光層が前記銅張積層板に接するようにして前記感光性フィルムにおける保護フィルムを剥がしながら、真空ラミネーター(ニチゴーモートン(株)社製、VP130)を用いて積層させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された感光性積層体を調製した。
圧着条件は、真空引きの時間40秒、圧着温度70℃、圧着圧力0.2MPa、加圧時間10秒とした。
前記感光性積層体について、現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
前記感光性積層体調製直後、前記感光性積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取り、銅張積層板上の前記感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーし、炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から銅張積層板上の感光層が溶解除去されるまでに要した時間を最短現像時間として測定し、現像性を評価した。この最短現像時間が短い程、現像性に優れる。また、前記感光性積層体調製後、40℃で3日間保存した場合についても、同様にして現像性を評価した。
前記調製した感光性積層体における感光性フィルムの感光層に対し、前記支持体側から、前記光照射手段としての405nmのレーザ光源を有する特開2006−30966号公報に記載のパターン形成装置を用いて、0.1mJ/cm2から21/2倍間隔で100mJ/cm2までの光エネルギー量の異なる光を照射して2重露光し、前記感光層の一部の領域を硬化させた。室温にて10分間静置した後、前記感光性積層体から前記支持体を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて前記最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の領域を溶解除去して、残った硬化領域の厚みを測定した。次いで、光の照射量と、硬化層の厚さとの関係をプロットして感度曲線を得た。該感度曲線から、硬化領域の厚みが露光前の感光層と同じ30μmとなった時の光エネルギー量を、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量とした。
前記感光性積層体を室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた感光性積層体のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)上から、前記パターン形成装置を用いて、ライン/スペース=1/1でライン幅10〜100μmまで1μm刻みで各線幅の露光を行った。
この際の露光量は、前記感度の評価における前記感光性フィルムの感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量である。室温にて10分間静置した後、前記感光性積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取った。
銅張積層板上の感光層の全面に、前記現像液として30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて前記最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化領域を溶解除去した。
この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常が無く、かつスペース形成可能な最小のライン幅を測定し、これを解像度とした。該解像度は数値が小さいほど良好である。
前記感光性積層体を室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた感光性積層体のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)上から、前記パターン形成装置を用いて、ライン/スペース=1/5でライン幅10〜50μmまで5μm刻みで各線幅の露光を、解像度の評価と同じ露光量で行った。
解像度の評価と同様にして未硬化領域を溶解除去した後、得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンが銅箔から剥離していないこと、硬化樹脂パターン周辺部から現像液が進入していないことを確認できる最小のライン幅を測定し、これを密着性の評価結果とした。
実施例1において、表面処理済み無機顔料1を、表1に示すように表面処理済み無機顔料2の21.98質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、表面処理済み無機顔料1を、表1に示すように表面処理済み無機顔料3の21.98質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、表面処理済み無機顔料1を、表1に示すように表面処理済み無機顔料4の21.98質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、表面処理済み無機顔料1を、表1に示すように表面処理済み無機顔料5の21.98質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、表面処理済み無機顔料1を、表1に示すように表面処理済み無機顔料6の21.98質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、表面処理済み無機顔料1を、表1に示すように表面処理済み無機顔料7の21.98質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、表面処理済み無機顔料1を、表1に示すように表面処理済み無機顔料8の21.98質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、表面処理済み無機顔料1を、表1に示すように表面処理済み無機顔料9の21.98質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、前記式I−1で表される化合物を、表1に示すように下記式I−2で表される化合物2.6質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、前記式I−1で表される化合物を、表1に示すように下記式I−3で表される化合物2.6質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、前記式I−1で表される化合物を、表1に示すように下記式I−4で表される化合物2.6質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、前記式I−1で表される化合物を、表1に示すように下記式I−5で表される化合物2.6質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、前記式I−1で表される化合物を、表1に示すように下記式I−6で表される化合物2.6質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、前記式I−1で表される化合物を、表1に示すように前記式I−1で表される化合物1.3質量部と、前記式I−2で表される化合物1.3質量部とに代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、バインダー1を、表1に示すようにバインダー2の87.4質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、バインダー1を、表1に示すようにバインダー3の48.2質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例18)
実施例1において、表面処理済み無機顔料1を、表1に示すように表面処理済み無機顔料10の11.0質量部に代え、さらに、前記式I−1で表される化合物を、表1に示すように下記式I−7で表される化合物2.6質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、表面処理済み無機顔料1を、表1に示すように表面処理済み無機顔料11の11.0質量部に代え、さらに、前記式I−1で表される化合物を、表1に示すように前記式I−7で表される化合物2.6質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例20)
実施例1において、表面処理済み無機顔料1を、表1に示すように表面処理済み無機顔料12の11.0質量部に代え、さらに、前記式I−1で表される化合物を、表1に示すように前記式I−7で表される化合物2.6質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例21)
実施例1において、表面処理済み無機顔料1を、表1に示すように表面処理済み無機顔料13の11.0質量部に代え、さらに、前記式I−1で表される化合物を、表1に示すように前記式I−7で表される化合物2.6質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例22)
実施例1において、表面処理済み無機顔料1を、表1に示すように表面処理済み無機顔料12の11.0質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例23)
実施例1において、表面処理済み無機顔料1を、表1に示すように表面処理済み無機顔料14の11.0質量部に代え、さらに、前記式I−1で表される化合物を、表1に示すように前記式I−7で表される化合物2.6質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例24)
実施例1において、表面処理済み無機顔料1を、表1に示すように表面処理済み無機顔料15の11.0質量部に代え、さらに、前記式I−1で表される化合物を、表1に示すように前記式I−7で表される化合物2.6質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例25)
実施例1において、表面処理済み無機顔料1を、表1に示すように表面処理済み無機顔料16の11.0質量部に代え、さらに、前記式I−1で表される化合物を、表1に示すように前記式I−7で表される化合物2.6質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例26)
実施例1において、表面処理済み無機顔料1を、表1に示すように表面処理済み無機顔料17の11.0質量部に代え、さらに、前記式I−1で表される化合物を、表1に示すように前記式I−7で表される化合物2.6質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、表面処理済み無機顔料1を、表1に示すように表面処理を行わない硫酸バリウム(堺化学社製、B30)21.98質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、式I−1で表される化合物を、表1に示すようにイルガキュア369(塩基性タイプの光重合開始剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)6.1質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、式I−1で表される化合物を、表1に示すようにイルガキュア907(塩基性タイプの光重合開始剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)6.1質量部に代えた以外は同様にして現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
また、永久パターンに熱サイクル処理(−65℃で30分間加冷し、125℃で30分間加熱することを1サイクルとした加熱処理を500サイクル行う処理)を施し、2mm角の穴パターン(格子状)におけるクラックの入り方を観察するサーマルサイクルテストを行った(27個の格子状パターンのうち、何個のパターンにクラックが入るか(TCT耐性))。その結果、比較例1〜3では、穴パターンの角からクラックが入りやすかったのに対し、実施例1〜26では、クラックが入りにくかった。特に無機フィラーとしてシリカを用いた場合(実施例2及び18〜26)に、クラック発生率は低かった。
本発明の永久パターン形成方法は、本発明の前記感光性組成物を用いるため、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の永久パターン、などの各種パターン形成用、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などの液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造などに好適に用いることができ、特にプリント基板の永久パターン形成に好適に用いることができる。
Claims (10)
- バインダー、重合性化合物、光重合開始剤、熱架橋剤、及び無機顔料を含み、前記光重合開始剤がオキシム誘導体を含み、前記無機顔料がシランカップリング剤により表面処理されていることを特徴とする感光性組成物。
- シランカップリング剤が、アルコキシシリル基、クロロシリル基、及びアセトキシシリル基から選択される少なくとも1種の官能基と、ビニル基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、及び(メタ)アクリロイル基から選択される少なくとも1種の官能基とを有する請求項1に記載の感光性組成物。
- 無機顔料がシリカである請求項1から2のいずれかに記載の感光性組成物。
- オキシム誘導体が、少なくとも芳香族基を有する化合物である請求項1から3のいずれかに記載の感光性組成物。
- オキシム誘導体が、下記一般式(I)、一般式(II)及び一般式(X)のいずれかで表される部分構造を有する請求項1から4のいずれかに記載の感光性組成物。
また、前記一般式(X)中、R100は、アシル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基のいずれかを表し、これらの置換基は、更に置換基を有していてもよい。αは、0以上のいずれかの整数を表す。R200は、置換基を表し、αが2以上の場合、該R200は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Arは、芳香族環及び複素芳香族環のいずれかを表す。Aは、4、5、6、及び7員環のいずれかを表し、これらの環は、それぞれへテロ原子を含んでいてもよい。 - バインダーが、酸性基とエチレン性不飽和結合とを側鎖に有する高分子化合物を含む請求項1から5のいずれかに記載の感光性組成物。
- バインダーが、酸性基と、ヘテロ環を含んでもよい芳香族基と、エチレン性不飽和結合とを側鎖に有する高分子化合物を含む請求項6に記載の感光性組成物。
- 請求項1から7のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を支持体上に有してなることを特徴とする感光性フィルム。
- 請求項1から7のいずれかに記載の感光性組成物により形成された感光層に対して露光を行うことを含むことを特徴とする永久パターン形成方法。
- 請求項9に記載の永久パターン形成方法により永久パターンが形成されることを特徴とするプリント基板。
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