JP2010224319A - 感光性組成物、感光性フィルム、感光性積層体、永久パターン形成方法、及びプリント基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】保管後の感光性積層体を用いた場合であっても、現像後の基体上に不要な膜が残ることを抑制し、高精細な永久パターンを形成することができ、かつ、本来求められる感度、感度の経時安定性、及び膜の物理特性に優れる感光性組成物、感光性フィルム、感光性積層体、永久パターン形成方法、及びプリント基板の提供。
【解決手段】本発明の感光性組成物は、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含み、前記バインダーが下記一般式(1)で表される構造を含む酸変性ポリエステルイミド樹脂を含み、前記光重合開始剤がオキシム化合物を含むことを特徴とする。
【化55】

【選択図】なし

Description

本発明は、感光性組成物、感光性フィルム、感光性積層体、永久パターン形成方法、及びプリント基板に関する。
従来より、ソルダーレジストなどの永久パターンを形成するに際して、支持体上に感光性組成物を塗布、乾燥することにより感光層を形成させた感光性フィルムが用いられている。前記永久パターンの製造方法としては、例えば、前記永久パターンが形成される銅張積層板等の基体上に、前記感光性フィルムを積層させて積層体を形成し、該積層体における前記感光層に対して露光を行い、該露光後、前記感光層を現像してパターンを形成させ、その後硬化処理等を行うことにより前記永久パターンが形成される。
ここで、作製された前記積層体は、露光などの処理を行うまで、数時間保管される場合がある。そして、前記永久パターンの形成が行われる。前記永久パターンの形成の際、保管後の積層体を用いると、現像後の基体上に不要な膜が残り、高精細な永久パターンを形成することができないという問題がある。
前記問題を解決するためには、前記積層体を作製後、すぐに永久パターンを形成する方法が考えられるが、前記積層体を効率的に生産することを考慮すると、現実的な方法ではない。
これまでに、酸変性ポリエステルイミド樹脂と、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有する感光性樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照)。この提案では、解像度、はんだ耐熱性、温度サイクル試験に対する耐性、及び電気絶縁特性といった特性において十分に高いレベルを達成することができるとされている。しかしながら、保管後の積層体を用いると、現像後の基体上に不要な膜が残り、高精細な永久パターンを形成することができないという問題がある。
また、変性エポキシ樹脂を含むバインダー、重合性化合物、及びオキシム化合物を含む光重合開始剤を含む感光性組成物が提案されている(特許文献2参照)。この提案では、高感度、高解像度であり、感度の経時安定性、膜硬化性、及び耐熱衝撃性が良好で、高精細な永久パターンを効率よく形成可能である。しかしながら、保管後の積層体を用いると、現像後の基体上に不要な膜が残り、高精細な永久パターンを形成することができないという問題がある。
したがって、保管後の積層体を用いた場合であっても、現像後の基体上に不要な膜が残ることを抑制し、高精細な永久パターンを形成することができ、かつ、本来求められる感度、感度の経時安定性、及び膜の物理特性に優れる感光性組成物、感光性フィルム、感光性積層体、永久パターン形成方法、及びプリント基板の開発が強く求められているのが現状である。
特開2007−112908号公報 特開2008−122546号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、保管後の感光性積層体を用いた場合であっても、現像後の基体上に不要な膜が残ることを抑制し、高精細な永久パターンを形成することができ、かつ、本来求められる感度、感度の経時安定性、及び膜の物理特性に優れる感光性組成物、感光性フィルム、感光性積層体、永久パターン形成方法、及びプリント基板を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含み、
前記バインダーが下記一般式(1)で表される構造を含む酸変性ポリエステルイミド樹脂を含み、
前記光重合開始剤がオキシム化合物を含むことを特徴とする感光性組成物である。
ただし、前記一般式(1)中、Rは下記一般式(11)及び一般式(12)のいずれかで表されるイミド基含有基を1又は2以上有する2価の有機基を示し、Rは2価の有機基を示し、Rは水素原子及び下記一般式(20)で表される1価の基のいずれかを示し、nは1以上の整数を示し、同一分子中の複数のR、R及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、Rが前記イミド基含有基を2以上有するときそれらは同一でも異なっていてもよい。
ただし、前記一般式(11)及び一般式(12)中、Rは3価の有機基を示し、R及びRはそれぞれ独立に2価の有機基を示し、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
ただし、前記一般式(20)中、Rは2価の有機基を示す。
<2> 酸変性ポリエステルイミド樹脂が、下記一般式(10)で表されるイミド基含有ジカルボン酸をジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と反応させて下記一般式(2)で表される構造を含むポリエステルイミド樹脂を得る工程と、
前記ポリエステルイミド樹脂中の水酸基の少なくとも一部に酸無水物を付加する工程と、を経て得られる前記<1>に記載の感光性組成物である。
ただし、前記一般式(10)及び一般式(2)中、Rは下記一般式(11)及び一般式(12)のいずれかで表されるイミド基含有基を1又は2以上有する2価の有機基を示し、Rは2価の有機基を示し、nは1以上の整数を示し、同一分子中の複数のR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、Rが前記イミド基含有基を2以上有するときそれらは同一でも異なっていてもよい。
ただし、前記一般式(11)及び一般式(12)中、Rは3価の有機基を示し、R及びRはそれぞれ独立に2価の有機基を示し、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
<3> イミド基含有ジカルボン酸が、
下記一般式(3)で表されるトリカルボン酸無水物と、下記一般式(5)で表されるジイソシアネート及び下記一般式(6)で表されるジアミンのいずれかとの反応により得られる化合物である前記<2>に記載の感光性組成物である。
ただし、前記一般式(3)中、Rは3価の有機基を示し、前記一般式(5)及び一般式(6)中、Rは2価の有機基を示す。
<4> トリカルボン酸無水物1.0モルに対するジイソシアネート及びジアミンのいずれかの比率を0.3モル〜0.7モルとして、前記トリカルボン酸無水物と前記ジイソシアネート及び前記ジアミンのいずれかとを反応させる前記<3>に記載の感光性組成物である。
<5> イミド基含有ジカルボン酸が、
下記一般式(3)で表されるトリカルボン酸無水物及び下記一般式(4)で表されるジカルボン酸と、下記一般式(5)で表されるジイソシアネート及び下記一般式(6)で表されるジアミンのいずれかとの反応により得られる化合物である前記<2>に記載の感光性組成物である。
ただし、前記一般式(3)中、Rは3価の有機基を示し、一般式(4)、一般式(5)及び一般式(6)中、R及びRはそれぞれ独立に2価の有機基を示す。
<6> 酸変性ポリエステルイミド樹脂の質量平均分子量が、15,000〜100,000であり、酸価が50mgKOH/g〜200mgKOH/gである前記<1>から<5>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<7> オキシム化合物が、少なくとも芳香族基を有する化合物である前記<1>から<6>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<8> オキシム化合物が、下記一般式(A1)及び一般式(A2)のいずれかで表される部分構造を有するか、又は下記一般式(A3)で表される化合物である前記<1>から<7>のいずれかに記載の感光性組成物である。
ただし、前記一般式(A1)及び一般式(A2)中、Arは、芳香族基及び複素環基のいずれかを表す。Yは水素原子及び一価の置換基のいずれかを表し、Yは脂肪族基、芳香族基、複素環基、COY、CO、及びCONYのいずれかを表す。Y、Y、及びYは、脂肪族基、芳香族基、及び複素環基のいずれかを表す。mは1以上の整数を表す。
ただし、前記一般式(A3)中、Rは、置換基を有してもよい、アシル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基のいずれかを表す。mは、0以上の整数を表す。Rは、置換基を表し、mが2以上の場合、該Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Arは、芳香族環及び複素芳香族環のいずれかを表す。Aは、4、5、6、及び7員環のいずれかを表し、これらの環は、それぞれへテロ原子を含んでもよい。
<9> 一般式(A1)及び一般式(A2)におけるArが、フェニル基及びナフチル基のいずれかを有する前記<8>に記載の感光性組成物である。
<10> 一般式(A1)及び一般式(A2)におけるArが、ナフチル基を有する前記<7>から<8>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<11> 一般式(A1)が、更に下記一般式(A4)及び一般式(A5)のいずれかで表される前記<7>から<9>のいずれかに記載の感光性組成物である。
ただし、前記一般式(A4)及び一般式(A5)中、R101は一般式(A1)及び一般式(A2)におけるYと同じ意を表し、Y12は一般式(A1)及び一般式(A2)におけるYと同じ意を表す。
<12> 一般式(A3)で表される化合物が、更に下記一般式(A6)で表される前記<8>に記載の感光性組成物である。
ただし、前記一般式(A6)中、R、R、m、及びArは、一般式(A3)におけるのと同じ意を表す。Xは、O、及びSのいずれかを表す。Aは、5員環及び6員環のいずれかを表す。
<13> 一般式(A6)で表される化合物が、更に下記一般式(A7)及び一般式(A8)のいずれかで表される前記<12>に記載の感光性組成物である。
ただし、前記一般式(A7)及び一般式(A8)中、Rは、置換基を有してもよい、アルキル基を表す。lは、0〜6のいずれかの整数を表す。Rは、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、及びアシルオキシ基のいずれかを表し、lが2以上の場合、該Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。X及びAは、一般式(A6)と同じ意を表す。
<14> 増感剤を含む前記<1>から<13>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<15> 熱架橋剤を含む前記<1>から<14>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<16> フィラーを含む前記<1>から<15>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<17> 前記<1>から<16>のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を支持体上に有してなることを特徴とする感光性フィルムである。
<18> 基体上に、前記<1>から<16>のいずれかに記載の感光性組成物を含む感光層を有することを特徴とする感光性積層体である。
<19> 前記<1>から<16>のいずれかに記載の感光性組成物により形成された感光層に対して露光を行うことを少なくとも含むことを特徴とする永久パターン形成方法である。
<20> 前記<19>に記載の永久パターン形成方法によって形成された永久パターンを備えることを特徴とするプリント基板である。
本発明の感光性組成物は、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含み、前記バインダーが特定の酸変性ポリエステルイミド樹脂を含み、前記光重合開始剤がオキシム化合物を含む。このため、保管後の感光性積層体を用いた場合であっても、現像後の基体上に不要な膜が残ることを抑制し、高精細な永久パターンを形成することができ、かつ、本来求められる感度、感度の経時安定性、及び膜の物理特性に優れる永久パターンを形成することができる。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、保管後の感光性積層体を用いた場合であっても、現像後の基体上に不要な膜が残ることを抑制し、高精細な永久パターンを形成することができ、かつ、本来求められる感度、感度の経時安定性、及び膜の物理特性に優れる感光性組成物、感光性フィルム、感光性積層体、永久パターン形成方法、及びプリント基板を提供することができる。
(感光性組成物)
本発明の感光性組成物は、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含み、好ましくは、増感剤、熱架橋剤、フィラーを含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
〔バインダー〕
前記バインダーとしては、下記一般式(1)で表される構造を含む酸変性ポリエステルイミド樹脂が用いられる。
ただし、前記一般式(1)中、Rは下記一般式(11)及び一般式(12)のいずれかで表されるイミド基含有基を1又は2以上有する2価の有機基を示し、Rは2価の有機基を示し、Rは水素原子及び下記一般式(20)で表される1価の基のいずれかを示し、nは1以上の整数を示し、同一分子中の複数のR、R及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、Rが前記イミド基含有基を2以上有するときそれらは同一でも異なっていてもよい。
前記nの上限値としては、特に制限はなく、R、R及びRの種類によって適宜選択することができるが、酸変性ポリエステルイミド樹脂の質量平均分子量が、100,000となるようなnの値を上限として定めることが好ましい。
ただし、前記一般式(11)及び一般式(12)中、Rは3価の有機基を示し、R及びRはそれぞれ独立に2価の有機基を示し、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
ただし、前記一般式(20)中、Rは2価の有機基を示す。
前記一般式(1)で表される構造を含む酸変性ポリエステルイミド樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記一般式(1a)で表される構造を含むものが好ましい。
前記一般式(1a)中、Rは前記一般式(1)におけるRと同じ意を表し、Rは前記一般式(1)におけるRと同じ意を表し、Rは前記一般式(3)におけるRと同じ意を表し、Rは前記一般式(5)及び一般式(6)におけるRと同じ意を表し、nは前記一般式(1)におけるnと同じ意を表す。
前記酸変性ポリエステルイミド樹脂の分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、質量平均分子量(Mw)が15,000〜100,000の範囲であることが好ましく、20,000〜70,000であることがより好ましく、30,000〜50,000であることが更に好ましい。前記質量平均分子量(Mw)が、15,000より小さい場合、得られた樹脂の物理特性が低下する傾向にあり、70,000より大きい場合には、アルカリ現像性が低下する傾向にある。
ここで、質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される標準ポリスチレンによる換算値を意味する。
前記酸変性ポリエステルイミド樹脂の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アルカリ水溶液による現像性の観点、並びに、得られる硬化膜の電気絶縁性、耐薬品性及びめっき耐性等の観点から、50mgKOH〜200mgKOH/gであることが好ましい。また、前記酸価の下限としては、100mgKOH/gであることがより好ましい。また、酸価の上限としては、160mgであることがより好ましく、150mgKOH/gであることが更に好ましい。
前記酸変性ポリエステルイミド樹脂の酸価は、例えば、以下の方法により測定することができる。
まず、酸変性ポリエステルイミド樹脂溶液約1gを精秤した後、その樹脂溶液にアセトンを30g添加し、樹脂溶液を均一に溶解する。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその溶液に適量添加して、0.1NのKOH水溶液を用いて滴定を行う。そして、滴定結果より下記式(A)により酸価を算出する。
<式(A)>
A=10×Vf×56.1/(Wp×I)・・・式(A)
ただし、前記式(A)中、Aは酸価(mgKOH/g)を示し、Vfはフェノールフタレインの滴定量(mL)を示し、Wpは酸変性ポリエステルイミド樹脂溶液の質量(g)を示し、Iは酸変性ポリエステルイミド樹脂溶液の不揮発分の割合(質量%)を示す。
前記バインダーの前記感光性組成物中の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光性樹脂組成物を塗布時の塗膜性、乾燥後のタック性(べとつき易さ)のしみ出しの観点、並びに、はんだ耐熱性および光感度の観点から、酸変性ポリエステルイミド樹脂と光重合性化合物との合計量100質量部に対して、30質量部〜90質量部であることが好ましく、40質量部〜80質量部であることがより好ましい。
<製造方法>
前記酸変性ポリエステルイミド樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中間体生成工程と、酸無水物付加工程と、を備える製造方法が好ましい。
−中間体生成工程−
前記中間体生成工程は、下記一般式(10)で表されるイミド基含有ジカルボン酸をジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と反応させて下記一般式(2)で表される構造を含むポリエステルイミド樹脂を得る工程である。
ただし、前記一般式(10)及び一般式(2)中、Rは下記一般式(11)及び一般式(12)のいずれかで表されるイミド基含有基を1又は2以上有する2価の有機基を示し、Rは2価の有機基を示し、nは1以上の整数を示し、同一分子中の複数のR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、Rが前記イミド基含有基を2以上有するときそれらは同一でも異なっていてもよい。
ただし、前記一般式(11)及び一般式(12)中、Rは3価の有機基を示し、R及びRはそれぞれ独立に2価の有機基を示し、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
前記イミド基含有ジカルボン酸の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記一般式(3)で表されるトリカルボン酸無水物と、下記一般式(5)で表されるジイソシアネート及び下記一般式(6)で表されるジアミンとの反応により得る方法、下記一般式(3)で表されるトリカルボン酸無水物及び下記一般式(4)で表されるジカルボン酸と、下記一般式(5)で表されるジイソシアネート及び下記一般式(6)で表されるジアミンのいずれかとの反応により得る方法が好ましい。
ただし、前記一般式(3)中、Rは3価の有機基を示し、前記一般式(5)及び一般式(6)中、Rは2価の有機基を示す。
ただし、前記一般式(3)中、Rは3価の有機基を示し、一般式(4)、一般式(5)及び一般式(6)中、R及びRはそれぞれ独立に2価の有機基を示す。
前記トリカルボン酸無水物と、ジイソシアネート及びジアミンのいずれかとの反応の際には、所定量のジカルボン酸を同時に反応させてもよい。この反応により、得られるイミド基含有ジカルボン酸が、前記Rが前記一般式(12)で表されるイミド基含有基を有する化合物を含むものとなる。これにより、得られる酸変性ポリエステルイミド樹脂にアミド基が導入されて、樹脂の可とう性が向上する。
上記のような製造方法によって酸変性ポリエステルイミド樹脂を得る場合、前記一般式(11)及び一般式(12)中のRは、前記一般式(3)で表されるトリカルボン酸無水物に由来する残基となる。
前記一般式(3)のトリカルボン酸無水物としては、例えば、トリメリット酸無水物、3,4,4’−ベンゾフェノントリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、ナフタレン−1,2,4−トリカルボン酸無水物等が挙げられる。これらの中でも、合成する際の溶剤への溶解性、コスト面ならびに合成の容易性などの点で、トリメリット酸無水物が好ましい。即ち、前記Rは下記化学式(11a)又は化学式(12a)で表されるイミド基含有基を有することが好ましい。
ただし、前記化学式(11a)、及び化学式(12a)中、Rは前記一般式(11)及び一般式(12)におけるRと同じ意を表す。前記化学式(12a)中、Rは前記一般式(12)におけるRと同じ意を表す。
前記一般式(12)及び化学式(12a)におけるRは、上記トリカルボン酸無水物とともにジイソシアネート等と反応させるジカルボン酸に由来する残基であり、ジカルボン酸からカルボキシル基を除いた部分がRに相当する。
前記ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、コハク酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸及びメチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸などが挙げられる。
前記イミド基含有ジカルボン酸としては、下記一般式(10a)で表される化合物が特に好ましく、下記一般式(10b)で表される化合物が更に好ましい。
ただし、前記一般式(10a)中、Rは前記一般式(11)及び一般式(12)におけるRと同じ意を表す。前記一般式(10a)、及び一般式(10b)中、Rは前記一般式(11)及び一般式(12)におけるRと同じ意を表す。
上記各式において、Rは前記ジイソシアネート及び前記ジアミンのいずれかに由来する残基であり、ジイソシアネートからイソシアネート基を除いた部分又はジアミンからアミノ基を除いた部分がRに相当する。
前記ジイソシアネートとしては、1分子中にイソシアネート基を2個有するジイソシアネート化合物であれば、特に制限はなく使用できる。具体的には、ブタン−1,1−ジイソシアネート、エタン−1,2−ジイソシアネート、プロパン−1,3−ジイソシアネート、ブタン−1,2−ジイソシアネート、2−メチルブタン−1,4−ジイソシアネート、ペンタン−1,5−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記ジアミンとしては、1分子中にアミノ基を2個有するジアミン化合物であれば、特に制限はなく使用できる。具体的には、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス−[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルフィド、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、o−トリジン、o−トリジンスルホン、2,4−ジアミノメチリレン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ベンゾフェノンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、2,6−ジアミノピリジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、1,2−ジアミノシクロヘキサンなどが挙げられる。
前記トリカルボン酸無水物と、ジイソシアネート及びジアミンのいずれかとを反応させる際の、トリカルボン酸1.0モルに対するジイソシアネート及びジアミンのいずれかの比率としては、0.3モル〜0.7モルとすることが好ましく、0.4モル〜0.6モルとすることがより好ましく、0.5モルとすることが更に好ましい。前記比率が0.7モルより大きい場合には、得られるイミド基含有ジカルボン酸の分子量が大きくなる傾向にある。イミド基含有ジカルボン酸の分子量が大きくなると、アルカリ現像液への現像が低下し、アルカリ現像型の感光性樹脂組成物に用いることが困難となる傾向にある。
したがって、得られるイミド基含有ジカルボン酸の分子量を大きくし過ぎないことが重要である。具体的には、イミド基含有ジカルボン酸の分子量としては、300〜2,000が好ましく、400〜1,000がより好ましく、450〜800が更に好ましい。
なお、ジイソシアネート及びジアミンのいずれかの前記比率が0.5モルより大きい場合には、トリカルボン酸無水物との反応により、イミド基に加えてアミド基も生成する。
テトラカルボン酸二無水物を、トリメリット酸無水物とともにジイソシアネート及びジアミンのいずれかと反応させてもよい。この場合のテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
テトラカルボン酸無水物とジイソシアネート等との反応は、トリカルボン酸無水物、ジイソシアネートまたはジアミンと反応しない有機溶媒中で行う。通常、複数種の有機溶媒を組み合わせた混合溶媒が用いられるが、この場合、用いられる有機溶媒の種類とその混合比が重要である。有機溶媒としては、溶解性の面から非プロトン性有機溶媒が適している。非プロトン性極性溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、N−メチル−2−ピロリドン、4−ブチロラクトン、スルホラン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンなどが例示できる。これらの中でも、溶媒の沸点、扱いやすさの観点から、ジメチルホルムアミド、4−ブチロラクトンを用いることが好ましい。
前記イミド基含有ジカルボン酸を合成する際には、はじめに、トリカルボン酸無水物とジイソシアネート及びジアミンのいずれかとを、非プロトン性極性溶媒等の有機溶媒の存在下で好ましくは120℃〜180℃に加熱することにより、反応させる。反応温度が120℃未満であると、反応速度が低下して、反応時間が長くなる過ぎる場合がある。反応時間は、重合の進行を考慮すると、通常1時間〜10時間、好ましくは2時間〜6時間とする。また、この反応は、反応開始から終了まで一定の反応温度で行ってもよいし、初期は低温で行い、その後温度を上げてもよい。温度を上げたときに、水と共沸可能な芳香族炭化水素を投入し、脱水を行ってもよい。このときの反応温度は芳香族炭化水素量やコック付きの水分定量受器の容量によって変化するが、特に、120℃〜180℃で反応させることが好ましい。反応は、反応系で水が副生しなくなるまで行われる。
水と共沸させるための芳香族炭化水素としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの揮発性の高い芳香族炭化水素が例示できる。特に、沸点が比較的低く、作業環境上安全性の高いトルエンが好ましい。芳香族炭化水素の使用量は、非プロトン性極性溶媒の0.1〜0.4質量比の範囲が好ましい。芳香族炭化水素の使用量が上記の範囲未満であると共沸蒸留による水の除去効果が低下し、さらに、イミド基含有ジカルボン酸の生成促進効果も低下する。芳香族炭化水素の使用量が上記の範囲を超えると反応中間体のアミドカルボン酸や生成したイミド基含有ジカルボン酸が析出してしまう場合がある。
次に、イミド基含有ジカルボン酸(一般式(10))とジグリシジルエーテル型エポキシ化合物との反応により、前記一般式(2)のポリエステルイミド樹脂を得る工程についての詳細を説明する。
前記ジグリシジルエーテル型エポキシ化合物は、グリシジルーテル基を2個有するエポキシ化合物であれば、特に限定されない。前記ジグリシジルエーテル型化合物は、特に、1分子中に1以上のフェノキシ基を有することが好ましく、1分子中に2以上のフェノキシ基を有することがより好ましい。
前記ジグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル等のビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノールジグリシジルエーテル等のビフェノール型エポキシ樹脂、ビキシレノールジグリシジルエーテル等のビキシレノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールAグリシジルエーテル等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及び、それらの二塩基酸変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
これらの中でも、耐熱性、耐薬品性に優れ、硬化収縮が比較的小さいことからビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。すなわち、前記一般式(1)及び一般式(2)において、Rは下記化学式(30)で表される2価の基であることが好ましい。
前記化学式(30)中、mは0以上の整数を示す。
これらのジグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては市販のものを用いることができる。例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとしては「エピコート828」、「エピコート1001」及び「エピコート1002」(いずれもジャパンエポキシレジン社製、商品名)等が挙げられる。ビスフェノールFジグリシジルエーテルとしては「エピコート807」(ジャパンエポキシレジン社製、商品名)等が、ビスフェノールSジグリシジルエーテルとしては「EBPS−200」(日本化薬社製、商品名)及び「エピクロンEXA−1514」(大日本インキ化学工業社製、商品名)等が挙げられる。また、ビフェノールジグリシジルエーテルとしては「YL−6121」(ジャパンエポキシレジン社製、商品名)等が挙げられ、ビキシレノールジグリシジルエーテルとしては「YX−4000」(ジャパンエポキシレジン社製、商品名)等が挙げられる。さらに、水添ビスフェノールAグリシジルエーテルとしては「ST−2004」及び「ST−2007」(いずれも東都化成社製、商品名)等が挙げられ、上述した二塩基酸変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては「ST−5100」及び「ST−5080」(いずれも東都化成社製、商品名)等が挙げられる。
これらのジグリシジルエーテル型エポキシ化合物は、感光性樹脂組成物のアルカリ水溶液による現像性を良好なものとするために、そのエポキシ当量(1当量のエポキシ基を含む化合物のグラム重量)が160〜3,300であることが望ましい。なお、エポキシ当量は、JIS K 7236「エポキシ樹脂のエポキシ当量の求め方」により測定することができる。
イミド基含有ジカルボン酸とジグリシジルエーテル型エポキシ化合物との反応(重合反応)は、公知の通常の方法により行うことができる。イミド基含有ジカルボン酸とジグリシジルエーテル型エポキシ化合物の配合比は、得られるポリエステルイミド樹脂の分子量の観点、アルカリ水溶液による現像性の観点、貯蔵安定性の観点、及び塗膜性の観点等から、官能基当量比(カルボキシル基/エポキシ基)で表したときに、1.03〜1.30であると好ましい。
上記重合反応に用いられる触媒としては、例えば、ホスフィン類、アルカリ金属化合物及びアミン類等が挙げられる。具体的には、例えば、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属化合物、トリエタノールアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムブロマイドなどのアミン類が挙げられる。これらは1種類を単独で或いは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらのなかで、上記重合反応に用いられる触媒として、9.0以下のpKaを有する三級アミンを用いることにより、分子量の大きいポリエステルイミド樹脂を得ることができる。さらに、三級アミンは7.3以下のpKaを有するものがより好ましい。このような三級アミンを触媒として用いることにより、最終的に得られる酸変性ポリエステルイミド樹脂を、直鎖状のものを主成分とするものとすることができる。このとき、上述した具体的な触媒のうち、ホスフィン類、アルカリ金属化合物以外のもの、或いは三級アミンであって9.0以上のpKaのものを用いると、酸変性ポリエステルイミド樹脂において、エーテル型網目結合及び/又はエステル型網目結合のような結合種による架橋構造が生成して、感光性樹脂組成物の現像性が低下する傾向にある。
触媒の使用量は、重合反応速度の観点、並びに感光性樹脂組成物より得られる硬化膜の耐熱性及び電食絶縁性等の観点から、イミド基含有ジカルボン酸およびジグリシジルエーテル型エポキシ化合物の総量100質量部に対して、1質量部〜10質量部であると好ましい。重合反応における反応温度は、重合反応速度の観点および副反応の進行防止の観点から、100℃〜150℃であることが好ましい。
−酸無水物付加工程−
前記酸無水物付加工程は、前記中間体生成工程により生成したポリエステルイミド樹脂中の水酸基の少なくとも一部に酸無水物を付加する工程である。前記酸無水物の付加により、ポリエステルイミド樹脂にカルボキシル基が導入されて、前記一般式(1)の構造が生成する。
前記酸無水物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マレイン無水物、コハク酸無水物、イタコン酸無水物、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、クロレンド酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸などのジカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物、その他これに付随する例えば5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物のような多価カルボン酸無水物誘導体等が挙げられる。これらのなかで、ジカルボン酸無水物を用いると好ましい。また、これらは1種類を単独で或いは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
なお、カルボキシル基を有する側鎖を表す前記一般式(20)において、Rは上記酸無水物に由来する残基であり、酸無水物中、酸無水物基を除いた部分がRとなる。例えば、酸無水物としてテトラヒドロ無水フタル酸を用いた場合、前記一般式(20)は下記化学式(20a)で表される1価の基となる。
前記酸無水物の添加量は、アルカリ水溶液による現像性の観点、並びに、最終的に得られる硬化膜の耐熱性及び電食絶縁性の観点等から、官能基当量比(添加する酸無水物中の酸無水物基/ポリエステルイミド樹脂中の水酸基)で表すと、0.6〜1.3であると好ましい。
酸変性工程における反応温度は、反応速度の観点及び副反応を防止する観点から、80℃〜130℃であることが好ましい。
前記イミド基含有ジカルボン酸とジグリシジルエーテル型エポキシ化合物との反応、及び酸変性工程で用いる溶媒としては、例えば、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン若しくはメチルシクロヘキサノン等のケトン化合物、トルエン、キシレン若しくはテトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素化合物、セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル若しくはトリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル化合物、上記グリコールエーテル化合物の酢酸エステル化合物等のエステル化合物、エチレングリコール若しくはプロピレングリコール等のアルコール化合物、または、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ若しくはソルベントナフサ等の石油系溶剤などが挙げられる。
〔重合性化合物〕
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレン性不飽和結合を1つ以上有する化合物が好ましい。
前記エチレン性不飽和結合としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基、ビニルエステルやビニルエーテル等のビニル基、アリルエーテルやアリルエステル等のアリル基、などが挙げられる。
前記エチレン性不飽和結合を1つ以上有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(メタ)アクリル基を有するモノマーから選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
前記(メタ)アクリル基を有するモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンやグリセリン、ビスフェノール等の多官能アルコールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加反応した後で(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号等の各公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号等の各公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
前記重合性化合物の前記感光性樹脂組成物固形分中の固形分含有量は、5質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましい。該固形分含有量が5質量%以上であれば、現像性、露光感度が良好となり、50質量%以下であれば、感光層の粘着性が強くなりすぎることを防止できる。
〔光重合開始剤〕
前記光重合開始剤としては、オキシム化合物が用いられる。また、必要に応じて、その他の光重合開始剤を含んでもよい。
<オキシム化合物>
前記オキシム化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、少なくとも芳香族基を有する化合物であることが好ましく、下記一般式(A1)及び一般式(A2)のいずれかで表される部分構造を有する化合物であることがより好ましい。前記オキシム化合物は、2種以上を併用してもよい。
ただし、前記一般式(A1)及び一般式(A2)中、Arは、芳香族基及び複素環基のいずれかを表す。Yは水素原子及び一価の置換基のいずれかを表し、Yは脂肪族基、芳香族基、複素環基、COY、CO、及びCONYのいずれかを表す。Y、Y、及びYは、脂肪族基、芳香族基、及び複素環基のいずれかを表す。mは1以上の整数を表す。
前記Yとしては、水素原子、脂肪族基、及び芳香族基のいずれかであることが好ましい。
前記Yとしては、脂肪族基、−CO−(脂肪族基)、−CO−(芳香族基)、−CO−(複素環基)、−CO−(脂肪族基)、−CO−(芳香族基)、及び−CO−(複素環基)のいずれかであることが好ましい。
前記Y及びYとしては、脂肪族基及び芳香族基のいずれかであることが好ましい。
前記オキシム化合物としては、前記一般式(A1)及び一般式(A2)で表される構造が、連結基を介して複数結合してなる化合物であってもよい。
なお、前記一般式(A1)及び一般式(A2)中、前記脂肪族基は、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表し、前記芳香族基は、それぞれ置換基を有していてもよいアリール基、複素環(ヘテロ環)基を表し、前記一価の置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアミノ基、アルコキシカルボニル基、水酸基、エーテル基、チオール基、チオエーテル基、シリル基、ニトロ基、シアノ基、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。
前記芳香族基としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものが挙げられ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基が挙げられ、中でも、フェニル基及びナフチル基のいずれかを有する基が好ましく、ナフチル基を有する基が特に好ましい。
また、これらの芳香族基は置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基が挙げられる。前記水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基としては、例えば、後述のアルキル基、置換アルキル基、又は置換アルキル基における置換基として示したものなどが挙げられる。
また、前記複素環(ヘテロ環)基としては、ピロール環基、フラン環基、チオフェン環基、ベンゾピロール環基、ベンゾフラン環基、ベンゾチオフェン環基、ピラゾール環基、イソキサゾール環基、イソチアゾール環基、インダゾール環基、ベンゾイソキサゾール環基、ベンゾイソチアゾール環基、イミダゾール環基、オキサゾール環基、チアゾール環基、ベンズイミダゾール環基、ベンズオキサゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピラジン環基、フタラジン環基、キナゾリン環基、キノキサリン環基、アシリジン環基、フェナントリジン環基、カルバゾール環基、プリン環基、ピラン環基、ピペリジン環基、ピペラジン環基、モルホリン環基、インドール環基、インドリジン環基、クロメン環基、シンノリン環基、アクリジン環基、フェノチアジン環基、テトラゾール環基、トリアジン環基等が挙げられ、中でも、フラン環基、チオフェン環基、イミダゾール環基、チアゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ピリジン環基、インドール環基、アクリジン環基が特に好ましい。
また、これらの複素環基は置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、水素原子を除く1価の非金属原子団からなる基が挙げられる。前記水素原子を除く1価の非金属原子団からなる基としては、例えば、後述のアルキル基、置換アルキル基、又は置換アルキル基における置換基として示したものが挙げられる。
前記一価の置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアミノ基、アルコキシカルボニル基、水酸基、エーテル基、チオール基、チオエーテル基、シリル基、ニトロ基、シアノ基、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましい。
また、前記非金属原子からなる1価の置換基としては、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましい。
前記置換基を有していてもよいアルキル基としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、及び環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
前記置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、水素原子を除く一価の非金属原子からなる置換基が挙げられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SOH)及びその共役塩基基(スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィイナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基(−PO)及びその共役塩基基(ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))「alkyl=アルキル基、以下同」、ジアリールホスホノ基(−PO(aryl))「aryl=アリール基、以下同」、アルキルアリールホスホノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))及びその共役塩基基(アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO(aryl))、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基基(アリールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基、シリル基等が挙げられる。
これらの置換基におけるアルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、前記置換基におけるアリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基等が挙げられる。
また、前記置換基におけるアルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基等が挙げられ、前記置換基におけるアルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
前記置換基におけるヘテロ環基としては、例えば、ピリジル基、ピペリジニル基、などが挙げられる。
前記置換基におけるシリル基としてはトリメチルシリル基等が挙げられる。
前記置換基にはアシル基(R01CO−)を含んでいてもよく、該アシル基としては、該R01が、例えば、水素原子、上記のアルキル基、アリール基のものなどが挙げられる。
アシル基(R01CO−)のR01としては、水素原子、並びに前記アルキル基、アリール基が挙げられる。これらの置換基の内、更により好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、モノアルキルホスホノ基、アルキルホスホナト基、モノアリールホスホノ基、アリールホスホナト基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基、アリール基、アルケニル基が挙げられる。
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては、前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものが挙げられ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基が挙げられる。このような置換基とアルキレン基を組み合わせることで得られる置換アルキル基の、好ましい具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、s−ブトキシブチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、ピリジルメチル基、テトラメチルピペリジニルメチル基、N−アセチルテトラメチルピペリジニルメチル基、トリメチルシリルメチル基、メトキシエチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナトブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナトヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基等が挙げられる。
前記アリール基としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基を挙げることができ、これらの中では、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
前記置換アリール基としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものが挙げられる。
前記置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基、ジエチルホスホノフェニル基、ジフェニルホスホノフェニル基、メチルホスホノフェニル基、メチルホスホナトフェニル基、トリルホスホノフェニル基、トリルホスホナトフェニル基、アリルフェニル基、1−プロペニルメチルフェニル基、2−ブテニルフェニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基等が挙げられる。
前記アルケニル基、前記置換アルケニル基、前記アルキニル基、及び前記置換アルキニル基(−C(R02)=C(R03)(R04)、及び−C≡C(R05))としては、R02、R03、R04、R05が一価の非金属原子からなる基のものが使用できる。
02、R03、R04、R05としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基が好ましく、これらの具体例としては、前述の例として示したものが挙げられる。これらの中でも、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1から10までの直鎖状、分岐状、環状のアルキル基がより好ましい。
具体的には、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−オクテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−フェニル−1−エテニル基、2−クロロ−1−エテニル基、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、フェニルエチニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、置換アルキル基の置換基として例示したピリジル基等が挙げられる。
上記置換オキシ基(R06O−)としては、R06が水素原子を除く一価の非金属原子からなる基であるものを用いることができる。好ましい置換オキシ基としては、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基を挙げることができる。これらにおけるアルキル基、並びにアリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基並びに、アリール基、置換アリール基として示したものが挙げられる。また、アシルオキシ基におけるアシル基(R07CO−)としては、R07が、先の例として挙げたアルキル基、置換アルキル基、アリール基ならびに置換アリール基のものが挙げられる。これらの置換基の中では、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、アリールスルホキシ基がより好ましい。好ましい置換オキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基、フェネチルオキシ基、カルボキシエチルオキシ基、メトキシカルボニルエチルオキシ基、エトキシカルボニルエチルオキシ基、メトキシエトキシ基、フェノキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、モルホリノエトキシ基、モルホリノプロピルオキシ基、アリロキシエトキシエトキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、メシチルオキシ基、クメニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、エトキシフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフチルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基等が挙げられる。
アミド基も含む置換アミノ基(R08NH−、(R09)(R010)N−)としては、R08、R09、R010が水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基のものを使用できる。なお、R09とR010とは結合して環を形成してもよい。置換アミノ基の好ましい例としては、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N’−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、並びにアリール基、置換アリール基として示したものが挙げられ、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基おけるアシル基(R07CO−)のR07は前述の通りである。これらの内、より好ましいものとしては、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、アシルアミノ基が挙げられる。好ましい置換アミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジノ基、フェニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アセチルアミノ基等が挙げられる。
置換スルホニル基(R011−SO−)としては、R011が一価の非金属原子団からなる基のものを使用できる。より好ましい例としては、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、並びにアリール基、置換アリール基として示したものが挙げられる。このような、置換スルホニル基の具体例としては、ブチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、クロロフェニルスルホニル基等が挙げられる。
スルホナト基(−SO )は前述のとおり、スルホ基(−SOH)の共役塩基陰イオン基を意味し、通常は対陽イオンとともに使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類等)、ならびに金属イオン類(Na、K、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
置換カルボニル基(R013−CO−)としては、R013が一価の非金属原子からなる基のものを使用できる。置換カルボニル基の好ましい例としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N’−アリールカルバモイル基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、並びにアリール基、置換アリール基として示したものが挙げられる。これらの内、より好ましい置換カルボニル基としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基が挙げられ、さらにより好ましいものとしては、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基並びにアリーロキシカルボニル基が挙げられる。好ましい置換カルボニル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ジメチルアミノフェニルエテニルカルボニル基、メトキシカルボニルメトキシカルボニル基、N−メチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基等が挙げられる。
置換スルフィニル基(R014−SO−)としてはR014が一価の非金属原子団からなる基のものを使用できる。好ましい例としては、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものが挙げられる。これらの内、より好ましい例としてはアルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基が挙げられる。このような置換スルフィニル基の具体例としては、ヘキシルスルフィニル基、ベンジルスルフィニル基、トリルスルフィニル基等が挙げられる。
置換ホスホノ基とは、ホスホノ基上の水酸基の一つもしくは二つが他の有機オキソ基によって置換されたものを意味し、好ましい例としては、前述のジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、アルキルアリールホスホノ基、モノアルキルホスホノ基、モノアリールホスホノ基が挙げられる。これらの中ではジアルキルホスホノ基、ならびにジアリールホスホノ基がより好ましい。このような具体例としては、ジエチルホスホノ基、ジブチルホスホノ基、ジフェニルホスホノ基等が挙げられる。
ホスホナト基(−PO 、−PO)とは、前述のとおり、ホスホノ基(−PO)の、酸第一解離もしくは、酸第二解離に由来する共役塩基陰イオン基を意味する。通常は対陽イオンと共に使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類等)、ならびに金属イオン類(Na、K、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
置換ホスホナト基とは、前述の置換ホスホノ基の内、水酸基を一つ有機オキソ基に置換したものの共役塩基陰イオン基であり、具体例としては、前述のモノアルキルホスホノ基(−POH(alkyl))、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))の共役塩基が挙げられる。
前記オキシム化合物としては、下記一般式(A4)及び一般式(A5)のいずれかで表される化合物が更に好ましい。
ただし、前記一般式(A4)及び一般式(A5)中、R101は前記一般式(A1)及び一般式(A2)におけるYと同じ意を表し、Y12は一般式(A1)及び一般式(A2)におけるYと同じ意を表す。
前記R101としては、水素原子及び脂肪族基のいずれかがより好ましく、特に炭素原子数1から10の脂肪族基が好ましい。
前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、オクチル基、アリル基などが挙げられる。
前記Y12としては、−CO−(脂肪族基)が特に好ましい。前記Y12中の脂肪族基としては、炭素原子数1から10の脂肪族基が好ましい。
具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基などが好ましい。
前記オキシム化合物のその他の具体的な例としては、例えば、特開2001−233842号公報、特表2004−534797号公報、及び特表2002−519732号公報等に開示された化合物、並びに下記構造式で表される化合物などが挙げられる。また、市販品として、例えば、イルガキュアOXE01(チバスぺシャリティケミカルズ社製)なども挙げられる。
上記構造式中、Rは、n−C、n−C17、カンファー、及びp−CHのいずれかを表す。
上記構造式中、Rは、n−C、及びp−CHのいずれかを表す。
前記オキシム化合物としては、下記一般式(A3)で表されるオキシム化合物も好適に用いられる。
ただし、前記一般式(A3)中、Rは、置換基を有してもよい、アシル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基のいずれかを表す。mは、0以上の整数を表す。Rは、置換基を表し、mが2以上の場合、該Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Arは、芳香族環及び複素芳香族環のいずれかを表す。Aは、4、5、6、及び7員環のいずれかを表し、これらの環は、それぞれへテロ原子を含んでもよい。
前記一般式(A3)で表されるオキシム化合物の中でも、下記一般式(A6)で表される化合物がより好ましく、下記一般式(A7)及び一般式(A8)のいずれかで表される化合物が特に好ましい。
ただし、前記一般式(A6)中、R、R、m、及びArは、一般式(A3)におけるのと同じ意を表す。Xは、O、及びSのいずれかを表す。Aは、5及び6員環のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(A7)及び一般式(A8)中、Rは、置換基を有してもよい、アルキル基を表す。lは、0〜6のいずれかの整数を表す。Rは、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、及びアシルオキシ基のいずれかを表し、lが2以上の場合、該Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。X及びAは、一般式(A6)と同じ意を表す。
前記一般式(A3)及び一般式(A6)中、前記Rで表されるアシル基としては、脂肪族、芳香族、及び複素環のいずれでもよく、更に置換基を有してもよい。
前記脂肪族のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、デカノイル基、フェノキシアセチル基、クロロアセチル基、などが挙げられる。前記芳香族のアシル基としては、例えば、ベンゾイル基、ナフトイル基、メトキシベンゾイル基、ニトロベンゾイル基、などが挙げられる。前記複素環のアシル基としては、例えば、フラノイル基、チオフェノイル基、などが挙げられる。前記置換基としては、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、及びハロゲン原子のいずれかが好ましい。
前記アシル基としては、総炭素原子数2〜30のものが好ましく、総炭素原子数2〜20のものがより好ましく、総炭素原子数2〜16のものが特に好ましい。このようなアシル基としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、メチルプロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、ベンジルカルボニル基、フェノキシアセチル基、2エチルヘキサノイル基、クロロアセチル基、ベンゾイル基、パラメトキシベンゾイル基、2,5−ジブトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、ピリジルカルボニル基、フラノイル基、チオフェノイル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、などが挙げられる。
前記一般式(A3)及び一般式(A6)中、前記Rで表されるアルキルオキシカルボニル基としては、置換基を有していてもよく、総炭素原子数が2〜30のアルコキシカルボニル基が好ましく、総炭素原子数2〜20のものがより好ましく、総炭素原子数2〜16のものが特に好ましい。このようなアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニルブトキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、エトキシエトキシカルボニル基、などが挙げられる。
前記一般式(A3)及び一般式(A6)中、前記Rで表されるアリールオキシカルボニル基としては、置換基を有していてもよく、総炭素原子数7〜30のアルコキシカルボニル基が好ましく、総炭素原子数7〜20のものがより好ましく、総炭素原子数7〜16のものが特に好ましい。この様なアリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、2−ナフトキシカルボニル基、パラメトキシフェノキシカルボニル基、2,5−ジエトキシフェノキシカルボニル基、パラクロロフェノキシカルボニル基、パラニトロフェノキシカルボニル基、パラシアノフェノキシカルボニル基、などが挙げられる。
前記一般式(A3)及び一般式(A6)中、Rで表される置換基としては、特に制限はなく、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、アシルオキシ基、ニトロ基、アシルアミノ基、などが挙げられる。これらの中でも、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、及びアシルオキシ基のいずれかが好ましい。
ここで、前記一般式(A3)で表されるオキシム化合物の具体例としては、下記構造式(1)〜(54)で表される化合物が挙げられるが、本発明においては、これらに限定されるものではない。
ただし、前記構造式(1)〜(54)中、Meは、メチル基を表す。Phは、フェニル基を表す。Acは、アセチル基を表す。
前記オキシム化合物の含有量は、例えば、固形分換算で0.1質量%〜15質量%が好ましく、0.5質量%〜10質量%がより好ましく、1.0質量%〜8.0質量%が特に好ましい。0.1質量%よりも少ない場合には感度が低下し、十分な硬度の硬化膜を得ることが難しくなることがあり、15質量%よりも多い場合にはフィルム化した時のタック性が悪化するだけでなく、Tgが下がるために硬化膜が脆くなってしまうことがある。
<その他の光重合開始剤>
前記その他の光重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができるが、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、波長約300nm〜800nmの範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。前記波長は330nm〜500nmがより好ましい。
前記その他の光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの等)、ヘキサアリールビイミダゾール、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、アクリジン化合物、メタロセン類などが挙げられる。具体的には、特開2005−258431号公報に記載の化合物などが挙げられる。これらの中でも、感光層の感度、保存性、及び感光層と基板との密着性等の観点から、ケトン化合物及びアクリジン化合物が好ましい。前記その他の光重合開始剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤の前記感光性組成物中の固形分含有量は、0.1質量%〜30質量%が好ましく、0.5質量%〜20質量%がより好ましく、0.5質量%〜15質量%が特に好ましい。
〔増感剤〕
前記感光性組成物には、更に、増感剤を含むことが好ましい。前記増感剤は、前記感光層を露光し現像する場合において、該感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記光の最小エネルギー(感度)を向上させる観点から併用することが特に好ましい。
前記増感剤としては、特に制限はなく、公知の増感剤の中から適宜選択することができるが、例えば、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリドン類(例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン、2−クロロ−10−ブチルアクリドン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン等)、及びチオキサントン化合物(チオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−時エチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルオキシチオキサントン、QuantacureQTX等)などがあげられ、他に特開平5-19475号、特開平7-271028号、特開2002-363206号、特開2002-363207号、特開2002-363208号、特開2002-363209号等の各公報に記載のクマリン化合物など)が挙げられ、これらの中でも、芳香族環や複素環が縮環した化合物(縮環系化合物)が好ましく、ヘテロ縮環系ケトン化合物、及びアクリジン類がより好ましい。前記ヘテロ縮環系ケトン化合物の中でも、アクリドン化合物及びチオキサントン化合物が特に好ましい。
前記光重合開始剤と前記増感剤との組合せとしては、例えば、特開2001−305734号公報に記載の電子移動型開始系[(1)電子供与型開始剤及び増感色素、(2)電子受容型開始剤及び増感色素、(3)電子供与型開始剤、増感色素及び電子受容型開始剤(三元開始系)]などの組合せが挙げられる。
前記増感剤の含有量は、感光性フィルム用感光性樹脂組成物の全成分に対し、0.01質量%〜4質量%が好ましく、0.02質量%〜2質量%がより好ましく、0.05質量%〜1質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.01質量%以上であれば、感度が良好となり、4質量%以下であれば、パターンの形状が良好となる。
〔熱架橋剤〕
前記感光性組成物は、更に、熱架橋剤を含むことが好ましい。
熱架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光性フィルムを用いて形成される感光層の硬化後の膜強度を改良するために、現像性等に悪影響を与えない範囲で、例えば、エポキシ化合物を含む化合物、(例えば、1分子内に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物)、1分子内に少なくとも2つのオキセタニル基を有するオキセタン化合物を用いることができ、特開2007−47729号公報に記載されているようなオキシラン基を有するエポキシ化合物、β位にアルキル基を有するエポキシ化合物、オキセタニル基を有するオキセタン化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート及びその誘導体のイソシアネート基にブロック剤を反応させて得られる化合物などが挙げられる。
また、前記熱架橋剤として、メラミン誘導体を用いることができる。該メラミン誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン(メチロール基を、メチル、エチル、ブチル等でエーテル化した化合物)等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、保存安定性が良好で、感光層の表面硬度あるいは硬化膜の膜強度自体の向上に有効である点で、アルキル化メチロールメラミンが好ましく、ヘキサメチル化メチロールメラミンが特に好ましい。
前記熱架橋剤の前記感光性樹脂組成物固形分中の固形分含有量は、1質量%〜50質量%が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましい。該固形分含有量が1質量%以上であれば、硬化膜の膜強度が向上され、50質量%以下であれば、現像性、露光感度が良好となる。
前記エポキシ化合物としては、例えば、1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物、β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも1分子中に2つ含むエポキシ化合物などが挙げられる。
前記1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物としては、例えば、ビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂(「YX4000ジャパンエポキシレジン社製」等)又はこれらの混合物、イソシアヌレート骨格等を有する複素環式エポキシ樹脂(「TEPIC;日産化学工業(株)製」、「アラルダイトPT810;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂(例えば低臭素化エポキシ樹脂、高ハロゲン化エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂など)、アリル基含有ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジフェニルジメタノール型エポキシ樹脂、フェノールビフェニレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(「HP−7200,HP−7200H;大日本インキ化学工業(株)製」等)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジグリシジルアニリン、トリグリシジルアミノフェノール等)、グリジジルエステル型エポキシ樹脂(フタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等)ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジエポキシド、「GT−300、GT−400、ZEHPE3150;ダイセル化学工業製」等、)、イミド型脂環式エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、グリシジルフタレート樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、ナフタレン基含有エポキシ樹脂(ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、市販品としては「ESN−190,ESN−360;新日鉄化学(株)製」、「HP−4032,EXA−4750,EXA−4700;大日本インキ化学工業(株)製」等)、フェノール化合物とジビニルベンゼンやジシクロペンタジエン等のジオレフィン化合物との付加反応によって得られるポリフェノール化合物と、エピクロルヒドリンとの反応物、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合物を過酢酸等でエポキシ化したもの、線状含リン構造を有するエポキシ樹脂、環状含リン構造を有するエポキシ樹脂、α−メチルスチルベン型液晶エポキシ樹脂、ジベンゾイルオキシベンゼン型液晶エポキシ樹脂、アゾフェニル型液晶エポキシ樹脂、アゾメチンフェニル型液晶エポキシ樹脂、ビナフチル型液晶エポキシ樹脂、アジン型エポキシ樹脂、グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂(「CP−50S,CP−50M;日本油脂(株)製」等)、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートとの共重合エポキシ樹脂、ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン型エポキシ樹脂、ビス(グリシジルオキシフェニル)アダマンタン型エポキシ樹脂などが挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有する前記エポキシ化合物以外に、β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも1分子中に2つ含むエポキシ化合物を用いることができ、β位がアルキル基で置換されたエポキシ基(より具体的には、β−アルキル置換グリシジル基など)を含む化合物が特に好ましい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも含むエポキシ化合物は、1分子中に含まれる2個以上のエポキシ基のすべてがβ−アルキル置換グリシジル基であってもよく、少なくとも1個のエポキシ基がβ−アルキル置換グリシジル基であってもよい。
前記オキセタン化合物としては、例えば、1分子内に少なくとも2つのオキセタニル基を有するオキセタン化合物が挙げられる。
具体的には、例えば、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート又はこれらのオリゴマーあるいは共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタン基を有する化合物と、ノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、シルセスキオキサン等の水酸基を有する樹脂など、とのエーテル化合物が挙げられ、この他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
また、前記ポリイソシアネート化合物としては、特開平5−9407号公報記載のポリイソシアネート化合物を用いることができ、該ポリイソシアネート化合物は、少なくとも2つのイソシアネート基を含む脂肪族、環式脂肪族又は芳香族基置換脂肪族化合物から誘導されていてもよい。具体的には、2官能イソシアネート(例えば、1,3−フェニレンジイソシアネートと1,4−フェニレンジイソシアネートとの混合物、2,4−及び2,6−トルエンジイソシアネート、1,3−及び1,4−キシリレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアネート−フェニル)メタン、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)、該2官能イソシアネートと、トリメチロールプロパン、ペンタリスルトール、グリセリン等との多官能アルコール;該多官能アルコールのアルキレンオキサイド付加体と、前記2官能イソシアネートとの付加体;ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート及びその誘導体等の環式三量体;などが挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物にブロック剤を反応させて得られる化合物、すなわちポリイソシアネート及びその誘導体のイソシアネート基にブロック剤を反応させて得られる化合物における、イソシアネート基ブロック剤としては、アルコール類(例えば、イソプロパノール、tert−ブタノール等)、ラクタム類(例えば、ε−カプロラクタム等)、フェノール類(例えば、フェノール、クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−sec−ブチルフェノール、p−sec−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール等)、複素環式ヒドロキシル化合物(例えば、3−ヒドロキシピリジン、8−ヒドロキシキノリン等)、活性メチレン化合物(例えば、ジアルキルマロネート、メチルエチルケトキシム、アセチルアセトン、アルキルアセトアセテートオキシム、アセトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等)などが挙げられる。これらの他、特開平6−295060号公報記載の分子内に少なくとも1つの重合可能な二重結合及び少なくとも1つのブロックイソシアネート基のいずれかを有する化合物などを用いることができる。
前記メラミン誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン(メチロール基を、メチル、エチル、ブチルなどでエーテル化した化合物)などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、保存安定性が良好で、感光層の表面硬度あるいは硬化膜の膜強度自体の向上に有効である点で、アルキル化メチロールメラミンが好ましく、ヘキサメチル化メチロールメラミンが特に好ましい。
〔フィラー〕
前記感光性樹脂組成物には、必要に応じて、永久パターンの表面硬度の向上、あるいは線膨張係数を低く抑えること、あるいは、硬化膜自体の誘電率や誘電正接を低く抑えることを目的として、無機フィラーや有機フィラー(有機微粒子)を添加することができる。前記無機フィラーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カオリン、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、気相法シリカ、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカなどが挙げられる。これらの中でも、冷熱衝撃試験耐性の観点から、シリカが好ましい。前記無機フィラーの平均粒径は、10μm未満が好ましく、3μm以下がより好ましい。該平均粒径が10μm未満であれば、光散乱により解像度が劣化することを防止できる。
前記有機フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂などが挙げられる。また、平均粒径1μm〜5μm、吸油量100m/g〜200m/g程度のシリカ、架橋樹脂からなる球状多孔質微粒子などを用いることができる。
前記フィラーの添加量は、5質量%〜60質量%が好ましい。該添加量が5質量%以上であれば、十分に線膨張係数を低下させることができ、60質量%以下であれば、感光層表面に硬化膜を形成した場合に、該硬化膜の膜質が脆くなることを防ぎ、永久パターンを用いて配線を形成する場合において、配線の保護膜としての機能が損なわれることを回避できる。
〔その他の成分〕
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱硬化促進剤、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤(着色顔料あるいは染料)などが挙げられ、更に基材表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を併用してもよい。
これらの成分を適宜含有させることにより、目的とする感光性フィルムの安定性、写真性、膜物性などの性質を調整することができる。
前記熱硬化促進剤については、特開2008−250074号公報の段落〔0093〕に詳細に記載されている。
前記熱重合禁止剤については、特開2008−250074号公報の段落〔0101〕〜〔0102〕に詳細に記載されている。
前記可塑剤については、特開2008−250074号公報の段落〔0103〕〜〔0104〕に詳細に記載されている。
前記着色顔料については、特開2008−250074号公報の段落〔0105〕〜〔0106〕に詳細に記載されている。
前記密着促進剤については、特開2008−250074号公報の段落〔0107〕〜〔0109〕に詳細に記載されている。
(感光性フィルム)
本発明の感光性フィルムは、少なくとも支持体と、該支持体上に本発明の感光性組成物からなる感光層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
−支持体−
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるものが好ましく、更に表面の平滑性が良好であることがより好ましい。
前記支持体は、合成樹脂製で、かつ透明であるものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン、セルロース系フィルム、ナイロンフィルム等の各種のプラスチックフィルムが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記支持体の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2μm〜150μmが好ましく、5μm〜100μmがより好ましく、8μm〜50μmが特に好ましい。
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、長尺状が好ましい。前記長尺状の支持体の長さは、特に制限はなく、例えば、10m〜20,000mの長さのものが挙げられる。
−感光層−
前記感光層は、感光性組成物からなる層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、前記感光層の積層数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1層であってもよく、2層以上であってもよい。
前記感光層の形成方法としては、前記支持体の上に、本発明の前記感光性組成物を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて感光性組成物溶液を調製し、該溶液を直接塗布し、乾燥させることにより積層する方法が挙げられる。
前記感光性組成物溶液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、ノルマル−プロパノール、イソプロパノール、ノルマル−ブタノール、セカンダリーブタノール、ノルマル−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−ノルマル−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテート等のエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホラン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、公知の界面活性剤を添加してもよい。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコーター、スリットスピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター等を用いて、前記支持体に直接塗布する方法が挙げられる。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60℃〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
前記感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1μm〜100μmが好ましく、2μm〜50μmがより好ましく、4μm〜30μmが特に好ましい。
<その他の層>
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保護フィルム、熱可塑性樹脂層、バリア層、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層等の層が挙げられる。前記感光性フィルムは、これらの層を1種単独で有していてもよく、2種以上を有していてもよい。
−保護フィルム−
前記感光性フィルムは、前記感光層上に保護フィルムを形成してもよい。
前記保護フィルムとしては、例えば、前記支持体に使用されるもの、紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、などが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護フィルムの厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5μm〜100μmが好ましく、8μm〜50μmがより好ましく、10μm〜30μmが特に好ましい。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。また、支持体及び保護フィルムの少なくともいずれかを表面処理することにより、層間接着力を調整することができる。前記支持体の表面処理は、前記感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。
また、前記支持体と前記保護フィルムとの静摩擦係数は、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3以上であれば、滑り過ぎによって、ロール状にした場合に巻ズレが発生することを防止でき、1.4以下であれば、良好なロール状に巻くことができる。
前記感光性フィルムは、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されることが好ましい。前記長尺状の感光性フィルムの長さは、特に制限はなく、例えば、10m〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100m〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られることが好ましい。また、前記ロール状の感光性フィルムをシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置することが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いることが好ましい。
前記保護フィルムは、前記保護フィルムと前記感光層との接着性を調整するために表面処理してもよい。前記表面処理は、例えば、前記保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、ポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を形成させる。該下塗層の形成は、前記ポリマーの塗布液を前記保護フィルムの表面に塗布した後、30℃〜150℃で1分間〜30分間乾燥させることにより形成させることができる。前記乾燥の際の温度は50℃〜120℃が特に好ましい。
(感光性積層体)
前記感光性積層体は、少なくとも基体と、前記基体上に設けられた感光層と、有してなり、目的に応じて適宜選択されるその他の層を積層してなる。
前記感光層は、上述の製造方法で作製された前記感光性フィルムから転写されたものであり、上述と同様の構成を有する。
<基体>
前記基体は、感光層が形成される被処理基体、又は本発明の感光性フィルムの少なくとも感光層が転写される被転写体となるもので、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を持つものまで任意に選択できる。板状の基体が好ましく、いわゆる基板が使用される。具体的には、公知のプリント配線板製造用の基板(プリント基板)、ガラス板(ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
<感光性積層体の製造方法>
前記感光性積層体の製造方法として、本発明の感光性フィルムにおける少なくとも感光層を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら転写して積層する方法が挙げられる。
感光性積層体の製造方法は、前記基体の表面に本発明の感光性フィルムを加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層する。なお、前記感光性フィルムが前記保護フィルムを有する場合には、該保護フィルムを剥離し、前記基体に前記感光層が重なるようにして積層するのが好ましい。
前記加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、15℃〜180℃が好ましく、60℃〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1MPa〜1.0MPaが好ましく、0.2MPa〜0.8MPaがより好ましい。
前記加熱の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネーター(例えば、大成ラミネータ社製 VP−II、ニチゴーモートン(株)製 VP130)などが好適に挙げられる。
本発明の感光性フィルム及び前記感光性積層体は、現像後の基体上に不要な膜が残ることを抑制することができるため、高精細な永久パターン(保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンなど)を効率よく形成可能である。したがって、電子材料分野における高精細な永久パターンの形成用として広く用いることができ、特に、プリント基板の永久パターン形成用に好適に用いることができる。
(永久パターン形成方法)
本発明の永久パターン形成方法は、露光工程を少なくとも含み、更に、必要に応じて適宜選択した現像工程等のその他の工程を含む。
<露光工程>
前記露光工程は、本発明の感光性積層体における感光層に対し、露光を行う工程である。本発明の感光性積層体については上述の通りである。
前記露光の対象としては、前記感光性積層体における感光層である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述のように、基材上に感光性フィルムを加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層して形成した積層体に対して行われることが好ましい。
前記露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、デジタル露光、アナログ露光等が挙げられるが、これらの中でもデジタル露光が好ましい。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基材の表面処理工程、現像工程、硬化処理工程、ポスト露光工程などが挙げられる。
−現像工程−
前記現像としては、前記感光層の未露光部分を除去することにより行われる。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤などが挙げられ、これらの中でも、弱アルカリ性の水溶液が好ましい。該弱アルカリ水溶液の塩基成分としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。
前記弱アルカリ性の水溶液のpHは、例えば、約8〜12が好ましく、約9〜11がより好ましい。前記弱アルカリ性の水溶液としては、例えば、0.1質量%〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸カリウム水溶液などが挙げられる。
前記現像液の温度は、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25℃〜40℃が好ましい。
前記現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や、現像を促進させるため有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類等)などと併用してもよい。また、前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
−硬化処理工程−
前記硬化処理工程は、前記現像工程が行われた後、形成されたパターンにおける感光層に対して硬化処理を行う工程である。
前記硬化処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記全面露光処理の方法としては、例えば、前記現像後に、前記永久パターンが形成された前記積層体上の全面を露光する方法が挙げられる。該全面露光により、前記感光層を形成する感光性組成物中の樹脂の硬化が促進され、前記永久パターンの表面が硬化される。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
前記全面加熱処理の方法としては、前記現像の後に、前記永久パターンが形成された前記積層体上の全面を加熱する方法が挙げられる。該全面加熱により、前記永久パターンの表面の膜強度が高められる。
前記全面加熱における加熱温度は、120℃〜250℃が好ましく、120℃〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃以上であれば、加熱処理によって膜強度が向上し、250℃以下であれば、前記感光性組成物中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることを防止できる。
前記全面加熱における加熱時間は、10分〜120分が好ましく、15分〜60分がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
前記永久パターンの形成方法が、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかを形成する永久パターン形成方法である場合には、プリント配線板上に前記永久パターン形成方法により、永久パターンを形成し、更に、以下のように半田付けを行うことができる。
即ち、前記現像により、前記永久パターンである硬化層が形成され、前記プリント配線板の表面に金属層が露出される。該プリント配線板の表面に露出した金属層の部位に対して金メッキを行った後、半田付けを行う。そして、半田付けを行った部位に、半導体や部品などを実装する。このとき、前記硬化層による永久パターンが、保護膜あるいは絶縁膜(層間絶縁膜)、ソルダーレジストとしての機能を発揮し、外部からの衝撃や隣同士の電極の導通が防止される。
(プリント基板)
本発明のプリント基板は、少なくとも基体と、前記永久パターン形成方法により形成された永久パターンと、を有してなり、更に、必要に応じて適宜選択した、その他の構成を有する。
その他の構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基材と前記永久パターン間に、更に絶縁層が設けられたビルドアップ基板などが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(合成例1)
−バインダー1(酸変性ポリエステルイミド樹脂)の合成−
まず、攪拌機、還流冷却機、温度計及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、トリメリット酸無水物192.0g(1.0mol)、ジフェニルメタンジイソシアネート125.0g(0.5mol)、非プロトン性極性溶媒であるジメチルホルムアミド250.0gを仕込み、窒素気流中で120℃で2時間加熱した後、150℃に昇温して更に3時間加熱することにより、反応を進行させた。
溶媒を留去後、得られた黄色の粉末のIRスペクトルにおいて、2,270cm−1付近のイソシアネート基由来の吸収が消失しているとともに、1,780cm−1及び1,726cm−1付近にイミド基由来の吸収が見られたことから、イミド基含有ジカルボン酸の生成が確認された。
次に、得られたイミド基含有ジカルボン酸に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「YD−011」商品名、東都化成社製、エポキシ当量473g/eq)800.0g、ジメチルパラトルイジン(三星化学社製)24.8g、シクロヘキサノン600.0g及びトルエン400.0gを加えた。窒素気流下、100℃に加熱した状態で反応液を攪拌することにより、エポキシ樹脂に含まれる水分を還流脱水しながら反応を進行させた後、140℃で4時間保温した。続いて、テトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化社製)820.0gを添加し、120℃で3時間保温して、酸変性ポリエステルイミド樹脂(以下「バインダー1」という。)を得た。
反応液をシクロヘキサノン300.0g及びメチルエチルケトン700.0gの混合溶媒で希釈して、バインダー1の溶液(固形分濃度:52.0質量%)を得た。バインダー1の酸価は123mgKOH/gであり、GPC法による質量平均分子量は28,000、分子量分布は2.0であった。バインダー1のIRスペクトルを確認したところ、1,780cm−1、1,726cm−1付近にイミド基由来の吸収が認められるとともに、914cm−1付近のエポキシ基由来の吸収の消失が確認された。
(合成例2)
−バインダー2(酸変性ポリエステルイミド樹脂)の合成−
まず、攪拌機、還流冷却機、温度計及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、トリメリット酸無水物192.0g(1.0mol)、1,5−ジイソシアネートナフタレン105.0g(0.5mol)、非プロトン性極性溶媒であるジメチルホルムアミド250.0gを仕込み、窒素気流中で120℃で2時間加熱した後、150℃に昇温して更に3時間加熱することにより、反応を進行させた。
溶媒を留去後、得られた黄色の粉末のIRスペクトルにおいて、2,270cm−1付近のイソシアネート基由来のピークが消失するとともに、1,780cm−1及び1,726cm−1付近にイミド基由来の吸収が見られたことから、イミド基含有ジカルボン酸の生成が確認された。
次に、得られたイミド基含有ジカルボン酸に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「YD−011」(商品名)、東都化成社製、エポキシ当量473g/eq)800.0g、ジメチルパラトルイジン(三星化学社製)24.8g、シクロヘキサノン600.0gおよびトルエン400.0gを加えた。窒素気流下、100℃に加熱した状態で反応液を攪拌することにより、エポキシ樹脂に含まれる水分の還流脱水しながら反応を進行させた後、140℃で4時間保温した。続いて、テトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化社製)820.0gを添加し、120℃で3時間保温して、酸変性ポリエステルイミド樹脂(以下「バインダー2」という。)を得た。
反応液をシクロヘキサノン300.0g及びメチルエチルケトン700.0gの混合溶媒で希釈して、バインダー2の溶液(固形分濃度:52.0質量%)を得た。バインダー2の酸価は125mgKOH/gであり、GPC法による質量平均分子量は26,000、分子量分布は2.2であった。バインダー2のIRスペクトルを確認したところ、780cm−1、1,726cm−1付近にイミド基由来の吸収が認められるとともに、914cm−1付近のエポキシ基由来の吸収の消失が確認された。
(合成例3)
−バインダー3(酸変性ポリエステルイミド樹脂)の合成−
まず、攪拌機、還流冷却機、温度計及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、トリメリット酸無水物192.0g(1.0mol)、ジフェニルメタンジイソシアネート75.0g(0.3mol)、アジピン酸29.2g(0.2mol)、非プロトン性極性溶媒であるジメチルホルムアミド250.0gを仕込み、窒素気流中で120℃で2時間加熱した後、150℃に昇温して更に3時間加熱することにより、反応を進行させた。
溶媒を留去後、得られた黄色の粉末のIRスペクトルにおいて、2,270cm−1付近のイソシアネート基由来の吸収が消失するとともに、1,780cm−1及び1,726cm−1付近にイミド基由来の吸収、1,525cm−1付近にアミド基由来の吸収が見られ、イミド基含有ジカルボン酸の生成が確認された。
次に、得られたイミド基含有ジカルボン酸に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「YD−011」(商品名)、東都化成社製、エポキシ当量473g/eq)815.0g、ジメチルパラトルイジン(三星化学社製)24.8g、シクロヘキサノン600.0g及びトルエン400.0gを加えた。窒素気流下、100℃に加熱した状態で反応液を攪拌することにより、エポキシ樹脂に含まれる水分の還流脱水しながら反応を進行させた後、140℃で4時間保温した。続いて、テトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化社製)880.0gを添加し、120℃で3時間保温して、酸変性ポリエステルイミド樹脂(以下「バインダー3」という。)を得た。
反応液をシクロヘキサノン300.0g及びメチルエチルケトン700.0gの混合溶媒で希釈して、バインダー3の溶液(固形分濃度:53.5質量%)を得た。バインダー3の酸価は133mgKOH/gであり、GPC法による質量平均分子量は35,000、分子量分布は2.2であった。バインダー3のIRスペクトルを確認したところ、1,780cm−1、1,726cm−1付近にイミド基由来の吸収、1,525cm−1付近にアミド基由来の吸収が認められるとともに、914cm−1付近のエポキシ基由来の吸収の消失が確認された。
(実施例1)
−感光性フィルムの製造−
支持体としての厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、16FB50)上に、下記の組成からなる感光性組成物溶液を塗布し、乾燥させて、前記支持体上に厚さ30μmの感光層を形成した。前記感光層上に、保護層として、厚さ20μmのポリプロピレンフィルム(王子特殊紙株式会社製、アルファンE−200)を積層し、感光性フィルムを製造した。
−感光性組成物溶液の組成−
・合成例1のバインダー1の溶液(固形分質量52.0質量%)・・・95.85質量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート(重合性化合物)・・・19.96質量部
・前記構造式(26)で表される光重合開始剤(以下、「オキシム化合物A」と称することがある。)・・・0.84質量部
・ジエチルチオキサントン・・・0.87質量部
・ビスF型エポキシ樹脂(熱架橋剤、東都化成(株)製、YDF−170)・・・10.88質量部
・熱硬化剤(ジシアンジアミド)・・・0.20質量部
・シリカSO−C2((株)アドマテックス社製)・・・16.92質量部
・着色顔料(BASF社製、HELIOGEN BLUE D7086)・・・0.40質量部
・メチルエチルケトン・・・27.0質量部
・酢酸ノルマルプロピル・・・27.0質量部
−基体への積層−
前記基体として、銅張積層板(スルーホールなし、銅厚み12μm)の表面に化学研磨処理を施して調製した。該銅張積層板上に、前記感光性フィルムの感光層が前記銅張積層板に接するようにして前記感光性フィルムにおける保護フィルムを剥がしながら、真空ラミネーター(ニチゴーモートン株式会社製、VP130)を用いて積層させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された積層体を調製した。
圧着条件は、真空引きの時間40秒、圧着温度70℃、圧着圧力0.2MPa、加圧時間10秒とした。
得られた積層体について、以下のようにして、感度、保存安定性、保管後の解像性、及び破断伸度の評価を行った。結果を表1に示す。
<感度の評価>
前記調製した感光性積層体における感光性フィルムの感光層に対し、前記支持体側から、以下に説明するパターン形成装置を用いて、0.1mJ/cmから21/2倍間隔で50mJ/cmまでの光エネルギー量の異なる光を照射して2重露光し、前記感光層の一部の領域を硬化させた。室温にて10分間静置した後、前記積層体から前記支持体を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて前記最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の領域を溶解除去して、残った硬化領域の厚みを測定した。次いで、光の照射量と、硬化層の厚さとの関係をプロットして感度曲線を得た。該感度曲線から、硬化領域の厚みが露光前の感光層と同じ30μmとなった時の光エネルギー量を、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量(感度)(mJ/cm)とした。
<保存安定性の評価>
前記感光性積層体を40℃ドライの促進条件の下、3日間保管した。この感光性積層体の最短現像時間を測定し、前記保管を行わなかった場合からの最短現像時間の伸びを測定した。
〔評価基準〕
◎:最短現像時間の伸びが、1.5倍以下
○:最短現像時間の伸びが、1.5倍より大きく2.0倍未満
△:最短現像時間の伸びが、2.0倍以上4.0倍未満
×:現像不可
<保管後の解像性>
前記感光性積層体を室温で24h放置した後、感光性フィルムの感光層に対し、支持体側から露光し、前記放置を行わなかった場合の最短現像時間の4倍の時間で現像処理を行った。なお、露光パターンは、直径が50μmから200μmまで10μm刻みで形成した丸穴パターンを用いた。その後、エッチングして銅を除去した。顕微鏡で丸穴パターンを観察して、丸穴底部に残っている銅の残存状況を確認した。
〔評価基準〕
◎:80μm以下の丸穴底部の銅がエッチングされ除去されている。
○:90μm以上120μm以下の丸穴底部の銅がエッチングされ除去されている。
△:130μm以上200μm以下の丸穴底部の銅がエッチングされ除去されている。
×:エッチングされず、銅が残っている。
<破断伸度>
−基体への積層−
厚み75μmのPETフィルム上に、前記感光性フィルムの感光層が前記PETフィルムに接するようにして前記感光性フィルムにおける保護フィルムを剥がしながら、真空ラミネーター(ニチゴーモートン株式会社製、VP130)を用いて積層させ、前記PETフィルムと、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された積層体を調製した。
圧着条件は、真空引きの時間40秒、圧着温度70℃、圧着圧力0.2MPa、加圧時間10秒とした。
その後、超高圧水銀灯ランプで1,000mJ/cm処理して、支持体を剥がしてから、さらに150℃で1時間加熱処理した。前記積層体から、感材層のみを剥がして、JIS K 7127に準拠して破断伸度を測定した。
(実施例2)
実施例1の感光性組成物溶液における、バインダー1を前記バインダー2に代え、オキシム化合物AをCGI−325(チバスペシャリティーケミカルズ社製。以下、「オキシム化合物B」と称することがある。)に代えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、保存安定性、保管後の解像性、及び破断伸度の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1の感光性組成物溶液における、バインダー1を前記バインダー3に代え、オキシム化合物Aを前記構造式(24)で表される光重合開始剤(以下、「オキシム化合物C」と称することがある。)に代えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、保存安定性、保管後の解像性、及び破断伸度の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1の感光性組成物溶液における、バインダー1をクレゾールノボラック型エポキシアクリレートPR−300P−CP(昭和高分子社製、固形分68質量%液)(以下、「バインダー4」と称することがある。)に代えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、保存安定性、保管後の解像性、及び破断伸度の評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1の感光性組成物溶液における、バインダー1を前記バインダー4に代え、光重合開始剤を下記式<K−3>で表される、オキシム化合物でないIrg.907に代えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、保存安定性、保管後の解像性、及び破断伸度の評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例1の感光性組成物溶液における、光重合開始剤をオキシム化合物でない2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフェリノフェニル)−ブタノン−1(商品名I−369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、積層体、及び永久パターンを製造した。
得られた積層体について、実施例1と同様にして、感度、保存安定性、保管後の解像性、及び破断伸度の評価を行った。結果を表2に示す。
表1の結果より、実施例1〜3は、比較例1〜3に比べて、感度と保管後の解像性が両立でき、更に、感度、保存安定性、及び破断伸度にも優れることがわかった。
本発明の感光性組成物は、保管後の積層体を用いた場合であっても、現像後の基体上に不要な膜が残ることを抑制することができるので、高精細な永久パターンを形成することができ、かつ、感度、感度の経時安定性、及び膜の物理特性に優れる感光性フィルム、感光性積層体を提供できる。従って、高精細な永久パターン(保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンなど)を効率よく形成可能であるため、電子材料分野における高精細な永久パターンの形成用として広く用いることができ、特に、プリント基板の永久パターン形成用に好適に用いることができる。
本発明の永久パターン形成方法は、前記感光性組成物を用いるため、高精細な露光が必要とされる各種パターンの形成などに好適に使用することができ、特に、プリント基板の永久パターン形成に好適に使用することができる。

Claims (15)

  1. バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含み、
    前記バインダーが下記一般式(1)で表される構造を含む酸変性ポリエステルイミド樹脂を含み、
    前記光重合開始剤がオキシム化合物を含むことを特徴とする感光性組成物。
    ただし、前記一般式(1)中、Rは下記一般式(11)及び一般式(12)のいずれかで表されるイミド基含有基を1又は2以上有する2価の有機基を示し、Rは2価の有機基を示し、Rは水素原子及び下記一般式(20)で表される1価の基のいずれかを示し、nは1以上の整数を示し、同一分子中の複数のR、R及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、Rが前記イミド基含有基を2以上有するときそれらは同一でも異なっていてもよい。
    ただし、前記一般式(11)及び一般式(12)中、Rは3価の有機基を示し、R及びRはそれぞれ独立に2価の有機基を示し、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
    ただし、前記一般式(20)中、Rは2価の有機基を示す。
  2. 酸変性ポリエステルイミド樹脂が、下記一般式(10)で表されるイミド基含有ジカルボン酸をジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と反応させて下記一般式(2)で表される構造を含むポリエステルイミド樹脂を得る工程と、
    前記ポリエステルイミド樹脂中の水酸基の少なくとも一部に酸無水物を付加する工程と、を経て得られる請求項1に記載の感光性組成物。
    ただし、前記一般式(10)及び一般式(2)中、Rは下記一般式(11)及び一般式(12)のいずれかで表されるイミド基含有基を1又は2以上有する2価の有機基を示し、Rは2価の有機基を示し、nは1以上の整数を示し、同一分子中の複数のR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、Rが前記イミド基含有基を2以上有するときそれらは同一でも異なっていてもよい。
    ただし、前記一般式(11)及び一般式(12)中、Rは3価の有機基を示し、R及びRはそれぞれ独立に2価の有機基を示し、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
  3. イミド基含有ジカルボン酸が、
    下記一般式(3)で表されるトリカルボン酸無水物と、下記一般式(5)で表されるジイソシアネート及び下記一般式(6)で表されるジアミンのいずれかとの反応により得られる化合物である請求項2に記載の感光性組成物。
    ただし、前記一般式(3)中、Rは3価の有機基を示し、前記一般式(5)及び一般式(6)中、Rは2価の有機基を示す。
  4. トリカルボン酸無水物1.0モルに対するジイソシアネート及びジアミンのいずれかの比率を0.3モル〜0.7モルとして、前記トリカルボン酸無水物と前記ジイソシアネート及び前記ジアミンのいずれかとを反応させる請求項3に記載の感光性組成物。
  5. イミド基含有ジカルボン酸が、
    下記一般式(3)で表されるトリカルボン酸無水物及び下記一般式(4)で表されるジカルボン酸と、下記一般式(5)で表されるジイソシアネート及び下記一般式(6)で表されるジアミンのいずれかとの反応により得られる化合物である請求項2に記載の感光性組成物。
    ただし、前記一般式(3)中、Rは3価の有機基を示し、一般式(4)、一般式(5)及び一般式(6)中、R及びRはそれぞれ独立に2価の有機基を示す。
  6. 酸変性ポリエステルイミド樹脂の質量平均分子量が、15,000〜100,000であり、酸価が50mgKOH/g〜200mgKOH/gである請求項1から5のいずれかに記載の感光性組成物。
  7. オキシム化合物が、少なくとも芳香族基を有する化合物である請求項1から6のいずれかに記載の感光性組成物。
  8. オキシム化合物が、下記一般式(A1)及び一般式(A2)のいずれかで表される部分構造を有するか、又は下記一般式(A3)で表される化合物である請求項1から7のいずれかに記載の感光性組成物。
    ただし、前記一般式(A1)及び一般式(A2)中、Arは、芳香族基及び複素環基のいずれかを表す。Yは水素原子及び一価の置換基のいずれかを表し、Yは脂肪族基、芳香族基、複素環基、COY、CO、及びCONYのいずれかを表す。Y、Y、及びYは、脂肪族基、芳香族基、及び複素環基のいずれかを表す。mは1以上の整数を表す。
    ただし、前記一般式(A3)中、Rは、置換基を有してもよい、アシル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基のいずれかを表す。mは、0以上の整数を表す。Rは、置換基を表し、mが2以上の場合、該Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Arは、芳香族環及び複素芳香族環のいずれかを表す。Aは、4、5、6、及び7員環のいずれかを表し、これらの環は、それぞれへテロ原子を含んでもよい。
  9. 増感剤を含む請求項1から8のいずれかに記載の感光性組成物。
  10. 熱架橋剤を含む請求項1から9のいずれかに記載の感光性組成物。
  11. フィラーを含む請求項1から10のいずれかに記載の感光性組成物。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を支持体上に有してなることを特徴とする感光性フィルム。
  13. 基体上に、請求項1から11のいずれかに記載の感光性組成物を含む感光層を有することを特徴とする感光性積層体。
  14. 請求項1から11のいずれかに記載の感光性組成物により形成された感光層に対して露光を行うことを少なくとも含むことを特徴とする永久パターン形成方法。
  15. 請求項14に記載の永久パターン形成方法によって形成された永久パターンを備えることを特徴とするプリント基板。
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