JP2008102177A - 自動車のシートベルト着用効果擬似体験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両が前後左右に回転した場合のシートベルト9cの着用効果について疑似体験する。
【解決手段】基枠1と、該基枠1に内装され、基枠1に対して前後支軸1e、1fを介して左右方向回転自在に支持される外枠2と、該外枠2に内装され、外枠2に対して左右支軸2d、2eを介して前後方向回転自在に支持される内枠4と、外枠2及び内枠4をそれぞれ回転駆動するための駆動モータ3、5と、内枠4に設けられる座席シート9dおよびシートベルト9cとを備え、内枠4を三次元回転できるようにする。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車が衝突、落下により回転した時のシートベルトの着用効果を擬似的に体験するための自動車のシートベルト着用効果擬似体験装置の技術分野に属するものである。
一般に、自動車の乗員にシートベルトの着用を促すために、シートベルトの着用効果を擬似的に体験できる装置として、衝突を擬似的に体験する装置が知られているが、前記装置では、衝突による衝撃とシートベルトの着用効果を体験することはできるものの、衝突時や落下時に頻繁に発生し、より危険を伴う回転については体験することができないため、実際に発生する衝突や落下とは乖離しているなどの問題があった。
この改善策として、実際に車両を回転させてシートベルトの着用効果を擬似的に体験することができるシートベルト着用効果体験装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2001−183967号公報
ところで、前記従来の回転によるシートベルト着用効果体験装置では、自動車の車体本体を回転台上に備え、基台に前後方向に設けられた軸によって、前記車体本体と回転台とを一体的に左右回転(横転)させる構成となっているため、シートベルトの効果をより実感できる前後回転や、左右回転と前後回転とが組み合わされた複雑な回転を体験することはできないといった問題がある。
さらに、前記装置では、車両本体を基台に備えるため、装置が大型化し、移動をさせることが難しく、また、前記装置を設置するためには広いスペースが必要といった問題もあり、ここに本発明が解決しようとする課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、基枠と、該基枠に内装され、基枠に対して前後支軸を介して左右方向回転自在に支持される外枠と、該外枠に内装され、外枠に対して左右支軸を介して前後方向回転自在に支持される内枠と、外枠及び内枠をそれぞれ回転駆動するための駆動手段と、内枠に設けられる座席シートおよびシートベルトとを備えて構成されることを特徴とする自動車のシートベルト着用効果擬似体験装置である。
請求項2の発明は、内枠には擬似体験者が出入りするためのドアが設けられていることを特徴とする請求項1記載の自動車のシートベルト着用効果擬似体験装置である。
請求項3の発明は、ドアには、枠外からのみ施錠、解錠操作ができる錠装置が設けられていることを特徴とする請求項2記載の自動車のシートベルト着用効果擬似体験装置である。
請求項4の発明は、内枠には、ハンドル、ダッシュボードが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の自動車のシートベルト着用効果擬似体験装置である。
請求項5の発明は、内枠には、少なくとも座席シートに座した擬似体験者の体が届く範囲は塞ぎ板によって塞がれていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の自動車のシートベルト着用効果擬似体験装置である。
請求項6の発明は、塞ぎ板は、前下半部および床面が不透明板で、前上半部、天井及び左右側面は透明板であることを特徴とする請求項5記載の自動車のシートベルト着用効果擬似体験装置である。
請求項1の発明とすることにより、本装置は主として基枠、外枠、内枠で構成されているため、自動車内を模していて、前後方向、左右方向に回転自在なものでありながら、小型で軽量な装置とすることができる。
請求項2の発明とすることにより、擬似体験者は、出入り用のドアから本装置へ簡単かつ安全に乗降車することができる。
請求項3の発明とすることにより、ドアは本装置の外側からのみ施錠、開錠ができるため、本装置に搭乗中の擬似体験者が自らドアの錠装置を操作することなく、安全に搭乗することができる。
請求項4の発明とすることにより、内枠内に、ハンドル、ダッシュボードを設けることで、擬似体験者は恰も自動車の運転席にいる状態で体験することができる。
請求項5の発明とすることにより、本装置に搭乗中の擬似体験者が手や足など、身体の一部を伸ばした場合であっても、内枠を越えて外に出ることがなく、安全に本装置を体験することができる。
請求項6の発明とすることにより、塞ぎ板に透明板を多く用いることで、操作者が擬似体験者の様子を見ながら本装置の制御をすることができるだけでなく、本装置に搭乗していない観覧者が回転時の車内の様子を客観的に見ることにより、シートベルト着用の効果をより確実に伝えることができる。
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1はシートベルト着用効果体験装置の基枠であって、該基枠1は長方形状をし、移動用のローラ1aと、基枠1を安定支持するため上下に出没調整な支持体1bとが四隅下面に設けられている。基枠1の前後には支持枠1c、1dの基端が固定され、これら支持枠1c、1dには軸心が前後方向を向いた前後支軸1e、1f(前後左右は、本装置が回転開始状態で、擬似体験者Aを主体として記述している。以下同じ)が回転自在に設けられている。
2は前後支持枠1c、1d内に内装される状態で設けられた外枠であって、該外枠2は、直方体形状をし、その12本ある稜線部位に主枠材2aが設けられて形成されると共に、前後面部には上下方向中央位置に位置する状態で左右を向いた横補助枠材2bが設けられ、左右面部には前後方向中央位置に位置する状態で上下を向いた縦補助枠材2cが設けられている。そして外枠2は、前記横補助枠材2cが前記前後支軸1e、1dに支持されることで、左右方向に回転自在な宙吊り状態になっている。そして外枠2は、本実施の形態では後側支持枠1dに設けた駆動モータ3の駆動によって左右方向に回転駆動するように構成されている。さらに外枠2には、左右にある縦補助枠材2cの上下方向中央位置に左右支軸2d、2eが回転自在に設けられている。ちなみに、駆動モータ3による外枠2の回転は、図示しない減速機構による減速回転である。
4は前記外枠2内に内装される状態で設けられた内枠であって、該内枠4は、直方体形状をし、その12本ある稜線部位に主枠材4aが設けられて形成されると共に、左右面部には前後方向中央位置に位置する状態で上下を向いた縦補助枠材4b、4cが設けられ、該縦補助枠材4b、4cが前記左右支軸2d、2eに支持されることで内枠4は外枠2内において前後方向に回転自在な宙吊り状態になっている。そして内枠4は、本実施の形態では左側縦補助枠材4bを設けた駆動モータ5の駆動によって前後方向に回転駆動するように構成されている。ちなみに、駆動モータ5による内枠4の回転は、図示しない減速機構による減速回転である。
内枠4の前後面部には左右方向を向く横補助枠材4d、4eが設けられるが、前側の横補助枠材4dは上下方向中央位置よりも高い位置に設けられ、この前側横補助枠材4dの下側(前下半部)に前板材(塞ぎ板)6aが設けられていて前方下部の視界が遮られている。また内枠4の下面部(床面)には左右方向を向く補強枠材4fの2本が前後方向に間隔を存する状態で設けられており、後側補強枠材4fから前側部分に下板材(塞ぎ板)6bが設けられていてフロアになっている。
右側の縦補助枠材4aには蝶番7aを介して長方形状をしたドア7が外側に向けて開閉できるように設けられているが、該ドア7は閉鎖した状態で内枠4の右側面部と面一状になるよう構成されている。ドア7には、上下方向中央位置に位置して前後方向を向く横ドア枠材7bが設けられるが、該横ドア枠材7bには、ロック杆(錠装置)8が前方に向けて出没自在に設けられている。そして該ロック杆8は、ドア7を閉鎖した状態で内枠4の左前主枠4aに設けたロック孔4gに没入してロック(施錠)するようになっている。因みに、ロック杆8はドア外側でのみ解錠、施錠の操作ができるようになっている。
内枠4の内部には、自動車内を模して、ハンドル9a、ダッシュボード9b、シートベルト9cが備えられた座席シート9dが設けられている。なお、前記内枠4の右面部には、縦補助枠材4bよりも後方にシートベルト用縦補助枠材4hが設けられており、前記シートベルト9cのシートベルトアンカー9eが、該シートベルト用縦補助枠材4hに取り付けられている。さらに、内枠4の前上半部、天井面、ドア7、右面後部、左面部には、透明な板材(塞ぎ板)10が設けられている。
11は制御ボックスであって、該制御ボックス11にはリモートコントロール式の操作器12が接続され、該操作器12に設けられたスイッチやダイヤルに代表される操作具の操作をすることで前記駆動モータ3、5の正逆駆動、駆動速度の制御がそれぞれできるようになっている。ちなみに、内枠4には、ロック杆8がロック姿勢になっているか否かを検知する検知センサ13が設けられており、該検知センサ13がロック杆8のロック姿勢を検知していないときには駆動モータ3、5は駆動できないように設定されている。
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、擬似体験者Aは、外枠2、内枠4が正規の停止姿勢に位置している状態(図1に示す状態)で開いているドア7から内枠内に入り、座席シート9dに着座すると共にシートベルト9cを着用する。そしてドア7を閉めた後、枠外にいる操縦者Bによってロック杆8によるロック(施錠)をしてもらう。
この状態で、操縦者Bは操作器12を操作して外枠2の左右回転、内枠4の前後回転を回転速度と共にコントロールする。これによって擬似体験者Aは、前後回転、左右回転、および、前後回転と左右回転とが組み合わされた複雑な回転を体験することができ、シートベルト9cの効果、そして車両が回転するとどうなるかを実感することができる。このとき合わせて、シートベルト9cを着用しない場合での比較体験もできるが、操作者Bは、擬似体験者Aが座席シート9dから落ちない程度に回転量を控える必要があり、このような比較をすることで着用促進を効率的に図ることができる。
しかも本装置は、主に基枠1、外枠2、内枠4で構成されているため、装置が小型、軽量であり、本装置を設置するためのスペースの確保が容易である。さらに、ローラ1aと支持体1bとにより、移動及び固定がしやすい構成となっているので、トラック等に積載しての運搬が容易で、交通安全イベント等の会場へ持って行くことができ、多くの人に本装置による疑似体験をしてもらうことができる。
また、ドア7は外側からのみ開錠、施錠ができるため、擬似体験者Aが本装置を体験している時に不用意にドア7を開けたため、該ドア7が内枠4や外枠2に引っかかってしまうことも防止することができる。さらに、内枠4に透明な側板および天井材10、床板、および前板を設けることで、擬似体験者Aが体験中に不用意に立ち上がったり、手や足を伸ばしたりした場合であっても、身体が内枠4の外に出ないようになっていて、安全に本装置を体験することができる。また、天井板を透明板にすることで、特に操作者Bが擬似体験者Aの様子を認識できる範囲が広くなっており、これによって擬似体験者Aが助けを求めているとき等は、これを早く察知して開始当初状態に復帰させることができる。加えて、本装置に搭乗していない観覧者が、回転している車内の様子を客観的に見ることができるため、安全運転やシートベルトの着用をより効果的に促すことができる。
また、内枠4内にハンドル9a、ダッシュボード9bがあるため、擬似体験者Aは恰も車内にいる状態での体験ができ、例えば崖から転落した場合のように複雑な三次元的な回転も体験することができるため、安全運転の奨励も達成できることになる。
さらにまた、ハンドル9aがないバージョンにすることで助手席あるいは後部座席にいるときの体験もでき、さらには座席シート9cにチャイルドシートを設けられるようにした場合には、チャイルドシートをして子供(子供の人形が好ましい)を乗せた場合の体験の他、子供を抱いた状態でシートベルトをして乗る体験、子供にシートベルをして乗せる体験等、各種の疑似体験をすることができ、チャイルドシートの普及を促進することができる。
擬似体験装置の側面図である。 擬似体験者が搭乗した状態を示す擬似体験装置の斜視図である。 擬似体験者が三次元回転を体験している状態を示す擬似体験装置の斜視図である。 擬似体験装置の骨格部分を示す平面図である。 擬似体験装置の骨格部分を示す側面図である。 擬似体験装置の骨格部分を示す正面図である。
符号の説明
1 基枠
2 外枠
3 駆動モータ
4 内枠
5 駆動モータ
7 ドア
8 ロック杆
9c シートベルト
9d 座席シート

Claims (6)

  1. 基枠と、該基枠に内装され、基枠に対して前後支軸を介して左右方向回転自在に支持される外枠と、該外枠に内装され、外枠に対して左右支軸を介して前後方向回転自在に支持される内枠と、外枠及び内枠をそれぞれ回転駆動するための駆動手段と、内枠に設けられる座席シートおよびシートベルトとを備えて構成されることを特徴とする自動車のシートベルト着用効果擬似体験装置。
  2. 内枠には擬似体験者が出入りするためのドアが設けられていることを特徴とする請求項1記載の自動車のシートベルト着用効果擬似体験装置。
  3. ドアには、枠外からのみ施錠、解錠操作ができる錠装置が設けられていることを特徴とする請求項2記載の自動車のシートベルト着用効果擬似体験装置。
  4. 内枠には、ハンドル、ダッシュボードが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の自動車のシートベルト着用効果擬似体験装置。
  5. 内枠には、少なくとも座席シートに座した擬似体験者の体が届く範囲は塞ぎ板によって塞がれていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の自動車のシートベルト着用効果擬似体験装置。
  6. 塞ぎ板は、前下半部および床面が不透明板で、前上半部、天井及び左右側面は透明板であることを特徴とする請求項5記載の自動車のシートベルト着用効果擬似体験装置。
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